JPH0766692B2 - 高周波用誘電体磁器組成物 - Google Patents
高周波用誘電体磁器組成物Info
- Publication number
- JPH0766692B2 JPH0766692B2 JP2042507A JP4250790A JPH0766692B2 JP H0766692 B2 JPH0766692 B2 JP H0766692B2 JP 2042507 A JP2042507 A JP 2042507A JP 4250790 A JP4250790 A JP 4250790A JP H0766692 B2 JPH0766692 B2 JP H0766692B2
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- JP
- Japan
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- high frequency
- mol
- dielectric ceramic
- porcelain
- ceramic composition
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高周波用誘電体磁器組成物に関し、更に詳細
には、例えば誘電体共振器等の誘電体の材料として使用
される高周波用誘電体磁器組成物に関するものである。
には、例えば誘電体共振器等の誘電体の材料として使用
される高周波用誘電体磁器組成物に関するものである。
(従来の技術) 例えば、マイクロ波回路用の誘電体共振器に使用される
誘電体磁器すなわち高周波用誘電体磁器は、低周波用の
誘電体磁器と比べて基本的電気特性への次のような厳し
い要求がされている。
誘電体磁器すなわち高周波用誘電体磁器は、低周波用の
誘電体磁器と比べて基本的電気特性への次のような厳し
い要求がされている。
すなわち、第一に、素子の小型化のため、適度に大きな
比誘電率εrを備えていること、第二に、高周波(マイ
クロ波)周波数領域における誘電損失が小さく、品質係
数Qが高いこと、第三に、比誘電率の温度係数が小さく
(温度高安定性)、しかもNPO(誘電率の温度変化率が
0%であるという意味)付近で任意の値が選択できるこ
と等が挙げられる。ここで、本明細書における温度係数
は直接測定できて一般的に用いられている共振周波数の
温度係数を用いることとする。
比誘電率εrを備えていること、第二に、高周波(マイ
クロ波)周波数領域における誘電損失が小さく、品質係
数Qが高いこと、第三に、比誘電率の温度係数が小さく
(温度高安定性)、しかもNPO(誘電率の温度変化率が
0%であるという意味)付近で任意の値が選択できるこ
と等が挙げられる。ここで、本明細書における温度係数
は直接測定できて一般的に用いられている共振周波数の
温度係数を用いることとする。
従来、このような高周波用誘電体磁器の材料として使用
される組成物としては、高周波領域において、高いQの
得られるBa(Zn1/3Ta2/3)O3のような複合ペロブスカイ
ト系酸化物や、高い比誘電率の得られるZrO2−SnO2−Ti
O2系(特公昭54−35678号公報参照)、ZrO2−La2O3−Ti
O2系(特公昭61−17081号公報参照)およびZrO2−CeO2
−TiO2系(特公昭61−17085号公報参照)等が知られて
いる。
される組成物としては、高周波領域において、高いQの
得られるBa(Zn1/3Ta2/3)O3のような複合ペロブスカイ
ト系酸化物や、高い比誘電率の得られるZrO2−SnO2−Ti
O2系(特公昭54−35678号公報参照)、ZrO2−La2O3−Ti
O2系(特公昭61−17081号公報参照)およびZrO2−CeO2
−TiO2系(特公昭61−17085号公報参照)等が知られて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のBa(Zn1/3Ta2/3)O3のような複合
ペロブスカイト系酸化物でできた磁器は、Qが10,000〜
20,000と極めて高く、Qの点では満足のゆくものである
が、比誘電率εrがいずれも35以下と小さく、これを用
いて誘電体共振器を製造した場合、装置が大型化してし
まう。更に、Nb2O5やTa2O5等の高価な物質を主成分の一
部として用いており、またこれらの物質は難焼結性で焼
成温度が1500〜1700℃と高いことから、製造コストが極
めて高くなるという問題がある。
ペロブスカイト系酸化物でできた磁器は、Qが10,000〜
20,000と極めて高く、Qの点では満足のゆくものである
が、比誘電率εrがいずれも35以下と小さく、これを用
いて誘電体共振器を製造した場合、装置が大型化してし
まう。更に、Nb2O5やTa2O5等の高価な物質を主成分の一
部として用いており、またこれらの物質は難焼結性で焼
成温度が1500〜1700℃と高いことから、製造コストが極
めて高くなるという問題がある。
一方、上記ZrO2−SnO2−TiO2系、ZrO2−La2O3−TiO2系
およびZrO2−CeO2−TiO2系磁器組成物でできた磁器は、
用いられている物質それ自体が安価であり、焼成温度も
低いため、該磁器を用いて製造した装置も安価になると
ともに、比誘電率εrが35〜40と比較的高く、これらの
点では満足のゆくものであるが、Q値が7,000以下のも
のも多く、Q値の点では改良が望まれていた。
およびZrO2−CeO2−TiO2系磁器組成物でできた磁器は、
用いられている物質それ自体が安価であり、焼成温度も
低いため、該磁器を用いて製造した装置も安価になると
ともに、比誘電率εrが35〜40と比較的高く、これらの
点では満足のゆくものであるが、Q値が7,000以下のも
のも多く、Q値の点では改良が望まれていた。
すなわち、従来の磁器組成物でできた磁器は、比誘電率
εrとQのうちいずれか一方が上がると、他方が下がる
という傾向があり、双方を満足するものはなかった。
εrとQのうちいずれか一方が上がると、他方が下がる
という傾向があり、双方を満足するものはなかった。
そこで、本発明は、新たな主成分系により、安価に製造
することができ、比誘電率εrおよびQを向上させるこ
とができ、そして共振周波数の温度係数τfが小さく、
しかもこのτfをNPOを中心に自由に変化させることが
できる高周波用誘電体磁器組成物を提供することを目的
とするものである。
することができ、比誘電率εrおよびQを向上させるこ
とができ、そして共振周波数の温度係数τfが小さく、
しかもこのτfをNPOを中心に自由に変化させることが
できる高周波用誘電体磁器組成物を提供することを目的
とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の高周波用誘電体磁器組成物は、TiO246〜58mol
%、ZrO234〜44mol%、LaO3/20.5〜9.5mol%、SnO20.5
〜9.5mol%からなる主成分に対し、副成分として、Cr2O
3、Al2O3、SiO2の少なくとも1種を前記主成分に対して
総量で0.01〜1.0重量%添加したことを特徴とするもの
である。
%、ZrO234〜44mol%、LaO3/20.5〜9.5mol%、SnO20.5
〜9.5mol%からなる主成分に対し、副成分として、Cr2O
3、Al2O3、SiO2の少なくとも1種を前記主成分に対して
総量で0.01〜1.0重量%添加したことを特徴とするもの
である。
(作 用) 磁器組成物の成分およびその組成比をそれぞれ上記のよ
うに選択した理由は、TiO2、ZrO2、CeO2、La2O3、SnO2
が安価であり、該組成の材料を用いて形成された誘電体
磁器のいずれにおいても、比誘電率εrが35以上、Qが
7,000以上、また、共振周波数の温度係数τfが−30〜
+30ppm/℃の範囲内であって小さく、しかもこの範囲内
で任意に変化させることができるようにするためであ
る。換言すると、上記各成分の組成比が本発明の範囲以
外になると、これらの目標値が達成できないからであ
る。
うに選択した理由は、TiO2、ZrO2、CeO2、La2O3、SnO2
が安価であり、該組成の材料を用いて形成された誘電体
磁器のいずれにおいても、比誘電率εrが35以上、Qが
7,000以上、また、共振周波数の温度係数τfが−30〜
+30ppm/℃の範囲内であって小さく、しかもこの範囲内
で任意に変化させることができるようにするためであ
る。換言すると、上記各成分の組成比が本発明の範囲以
外になると、これらの目標値が達成できないからであ
る。
(実施例) 以下、本発明の好ましい実施例による高周波用誘電体磁
器組成物について説明する。
器組成物について説明する。
試料の作製にあたって、原料として高純度のTiO2、Zr
O2、La2O3、SnO2、Cr2O3、Al2O3、SiO2を第1表の組成
比率となるようにそれぞれ秤量し、それらを20時間湿式
混合した。次いで、脱水、乾燥し、得られた混合物を空
気中に1100℃で2時間仮焼した後、粉砕し、これにバイ
ンダを加えて、よく混合した。こうして得られた混合物
を3ton/cm2の圧力で直径12mm、厚さ6mmの円板形に加圧
成型し、この成型物を温度1360℃の空気雰囲気中で4時
間焼成し、磁器試料を得た。
O2、La2O3、SnO2、Cr2O3、Al2O3、SiO2を第1表の組成
比率となるようにそれぞれ秤量し、それらを20時間湿式
混合した。次いで、脱水、乾燥し、得られた混合物を空
気中に1100℃で2時間仮焼した後、粉砕し、これにバイ
ンダを加えて、よく混合した。こうして得られた混合物
を3ton/cm2の圧力で直径12mm、厚さ6mmの円板形に加圧
成型し、この成型物を温度1360℃の空気雰囲気中で4時
間焼成し、磁器試料を得た。
このようにして作製した磁器試料のそれぞれについて、
25℃、7GHzにおける比誘電率εr、Qおよび共振周波数
の温度係数τfの各電気的特性を測定し、その結果を第
1表に示した。ここで、共振周波数の温度係数τfは、
25℃〜85℃の温度範囲における共振周波数を測定し、1
℃当りに換算して求めた。
25℃、7GHzにおける比誘電率εr、Qおよび共振周波数
の温度係数τfの各電気的特性を測定し、その結果を第
1表に示した。ここで、共振周波数の温度係数τfは、
25℃〜85℃の温度範囲における共振周波数を測定し、1
℃当りに換算して求めた。
なお、第1表中、*印を付したものは本発明の範囲外の
ものであり、それ以外の全てのものが本発明の範囲内の
ものである。
ものであり、それ以外の全てのものが本発明の範囲内の
ものである。
第1表から明らかなように、本発明の高周波用誘電体磁
器組成物における組成の限定理由は次の通りである。
器組成物における組成の限定理由は次の通りである。
TiO2が、試料4のように46mol%未満であると、Qが小
さくなり、一方、試料49のように58mol%を超えると、
温度係数τfがプラス側に大きくなり過ぎる。
さくなり、一方、試料49のように58mol%を超えると、
温度係数τfがプラス側に大きくなり過ぎる。
ZrO2が、試料51、8のように34mol%未満または44mol%
を越えると、Qが小さくなるとともに、温度係数τfが
プラス側に大きくなり過ぎる。
を越えると、Qが小さくなるとともに、温度係数τfが
プラス側に大きくなり過ぎる。
LaO3/2が、試料15、16、23、24、41、44のように、0.5m
ol%未満または9.5mol%を超えると、Qが小さくなる。
ol%未満または9.5mol%を超えると、Qが小さくなる。
SnO2が、試料15、16、23、24、42、43のように、0.5mol
%未満または9.5mol%を超えると、Qが小さくなる。
%未満または9.5mol%を超えると、Qが小さくなる。
Cr2O3、Al2O3、SiO2のうち少なくとも一種以上からなる
成分の総量が、試料31、32、33のように0.01重量%未満
であると、添加効率がみられず、すなわちQが向上せ
ず、一方、試料34、35、36のように1.0重量%を超える
と、Qおよび比誘電率εrが小さくなる。
成分の総量が、試料31、32、33のように0.01重量%未満
であると、添加効率がみられず、すなわちQが向上せ
ず、一方、試料34、35、36のように1.0重量%を超える
と、Qおよび比誘電率εrが小さくなる。
(発明の効果) 以上のように、本発明の高周波用誘電体磁器組成物は、
これを用いて誘電体磁器を製造したとき、高い誘電率に
おいて温度特性が安定で大きなQを示す優れた効果を持
つ。したがって、本発明の高周波用誘電体磁器組成物を
用いることにより、高周波領域で使用する誘電体共振器
や誘電体フィルタなどのマイクロ波回路素子を良好な状
態で製造することができる。
これを用いて誘電体磁器を製造したとき、高い誘電率に
おいて温度特性が安定で大きなQを示す優れた効果を持
つ。したがって、本発明の高周波用誘電体磁器組成物を
用いることにより、高周波領域で使用する誘電体共振器
や誘電体フィルタなどのマイクロ波回路素子を良好な状
態で製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】TiO246〜58mol%、ZrO234〜44mol%、LaO
3/20.5〜9.5mol%、SnO20.5〜9.5mol%からなる主成分
に対し、副成分として、Cr2O3、Al2O3、SiO2の少なくと
も1種を前記主成分に対して総量で0.01〜1.0重量%添
加したことを特徴とする高周波用誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2042507A JPH0766692B2 (ja) | 1990-02-26 | 1990-02-26 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2042507A JPH0766692B2 (ja) | 1990-02-26 | 1990-02-26 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03246809A JPH03246809A (ja) | 1991-11-05 |
JPH0766692B2 true JPH0766692B2 (ja) | 1995-07-19 |
Family
ID=12637980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2042507A Expired - Fee Related JPH0766692B2 (ja) | 1990-02-26 | 1990-02-26 | 高周波用誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0766692B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3385999B2 (ja) * | 1999-04-08 | 2003-03-10 | 株式会社村田製作所 | 圧電磁器組成物、それを利用した圧電ブザーおよび圧電アクチュエータ |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5217700A (en) * | 1975-07-31 | 1977-02-09 | Murata Mfg Co Ltd | Dielectric porcelain composite to the high frequency purpose |
JPS6119005A (ja) * | 1984-07-05 | 1986-01-27 | 株式会社村田製作所 | 非還元性誘電体磁器組成物 |
-
1990
- 1990-02-26 JP JP2042507A patent/JPH0766692B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03246809A (ja) | 1991-11-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |