JPH0766502A - 光半導体装置及びその形成方法 - Google Patents

光半導体装置及びその形成方法

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JPH0766502A
JPH0766502A JP21600693A JP21600693A JPH0766502A JP H0766502 A JPH0766502 A JP H0766502A JP 21600693 A JP21600693 A JP 21600693A JP 21600693 A JP21600693 A JP 21600693A JP H0766502 A JPH0766502 A JP H0766502A
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Haruhiko Tabuchi
晴彦 田淵
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光半導体装置に関し、光能動素子と光導波路を
モノリシックに形成するとともに、その光導波路の端面
でのコア層の幅方向と厚み方向の光ピームの径を大きく
すること。 【構成】pn接合又はpin接合の半導体よりなる光能
動素子35を含むとともに、前記光能動素子35の光入力部
か出力部の少なくとも一方に一体的に形成され、かつ、
前記光能動素子35から遠ざかるにつれて膜厚が薄くて幅
が広いコア層20と、該コア層20を囲むクラッド層15,22
とからなる導波路36を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光半導体装置及びその
製造方法に関し、より詳しくは、光プリンタや光ディス
ク装置などの情報処理装置の光源に使用される高出力半
導体レーザ、光増幅に使用される半導体レーザ増幅器、
又は、光通信装置の送信機に使用される半導体レーザ或
いはその受信機に使用されるフォトダイオードなどの光
能動素子と光導波路とを有する光半導体装置及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザにおいては、光導波路の光
閉じ込めが強いほど、即ち光スポット径が小さいほど発
振閾値が小さくなって発光効率が向上するが、光スポッ
ト径が小さくなるほど光ファイバとの結合は困難にな
る。また、エレビウムがドープされた光ファイバを使用
するファイバ形光増幅器の励起用レーザ、或いは、光デ
ィスクの情報書込み用の半導体レーザなどの高出力が要
求される半導体レーザでは、レーザ端面において光パワ
ー密度が高くなり、端面損傷が起こり易くなるという問
題がある。さらに、半導体レーザ増幅器においては、光
閉じ込めが強いと、光出力が飽和し易いという欠点をも
つ。
【0003】また、フォトダイオードについては、応答
速度が速く、しかも量子効率が高いものが要求され、さ
らに、パラレル受信機を構成する場合には薄型化が可能
でかつ電気配線が容易なものが求められている。この要
求を満たすフォトダイオードとして端面入射の導波路型
フォトダイオードがある。この導波路型フォトダイオー
ドにおいても、光り閉じ込めが強いほど導波路を短くで
き、これにより接合容量が少なくなって高速応答が可能
になる。しかも、クラッド層のフリーキャリア吸収のよ
うな光吸収の無効成分が減少して量子効率が高くなり、
感度が高くなる。
【0004】このような事情から、光通信や光情報処理
の分野では、内部で光閉じ込めが強く、端面で光閉じ込
めが弱い光導波路を有する半導体レーザ、半導体レーザ
増幅器、フォトダイオードが求められている。そこで、
図23と図24(a),24(b) に示すように、半導体より
なる光ビーム径変換用の導波路が提案されている。図2
3に示す半導体導波路は、例えば1992年電子情報通信学
会秋季大会講演番号C-201 において記載され、図24に
示す半導体導波路は、例えば1992年電子情報通信学会秋
季大会講演番号C-202 において提案されている。
【0005】図23の光ビーム径変換用導波路は、InP
基板1と、InP クラッド層2に上下左右を囲まれたInGa
AsP コア層3とを有している。InGaAsP コア層3の横方
向の幅は、一方の端面では広く、他方の端面に近づくほ
ど狭くなっており、その幅の変化によって幅が狭くなっ
た側で光ビーム径が横方向に広がる。そのInGaAsP コア
層3は厚さが均一であり、その平面パターンは、露光マ
スクを使用するリソグラフィー技術により形成される。
【0006】従って、その半導体導波路は、横方向の光
ビーム径の変換には有効であるが、縦方向(層の厚み方
向)の光ビーム径の変換が行われない。ところで、半導
体を使用する光導波路においては、一般的に、コア層の
幅方向よりも厚み方向の光ビーム径が小さいので、光フ
ァイバー、光半導体素子などとの光結合効率の向上には
縦方向の光ビーム径の変換が重要となる。図23に示す
光ビーム径変換用の半導体導波路では、層の厚み方向の
光ビーム径が変換されないので、その半導体光導波路と
光ファイバなどとの光結合効率の向上には大きな効果が
期待できない。
【0007】結合効率を高めるために、その光ビーム径
変換用の半導体導波路と導波路形フォトダイオードを一
体的な構造にすることも考えられるが、それらのコア層
の厚さ及び組成が光軸方向で均一になるために、半導体
導波路の端面も光吸収領域となり、光損失が大きくな
る。さらに、その端面にPN接合が露出しているために
暗電流が大きくなってしまう。その暗電流がやや大きく
なると、非常に高感度が要求される場合にはS/N比が
劣化するという問題がある。
【0008】これに対して、図24に示す光ビーム径変
換用の半導体導波路は、膜の厚み方向に光ビーム径が変
換される構造となっている。その半導体導波路は、InP
基板4の上に積層された第一のInP クラッド層5と、そ
の上に形成されたInP 井戸とInAlAs障壁からなる多重量
子井戸(MQW)層6と、MQW層6の上に形成された
第二のInP クラッド層7を有している。また、MQW層
6の中には、InGaAsP コア層8が形成され、その一端の
膜厚はMQW層6内で薄くなっている。なお、MQW層
6は、コア層8に対してクラッド層となり、第一及び第
二のInP クラッド層5,7に対してはコア層となる。
【0009】このような半導体導波路内で進行する光
は、MQW層6に閉じ込められ、さらにコア層7内で大
きく閉じ込められることになる。光ビーム径は、コア層
8の膜厚が変化する部分で変換されることになる。な
お、図24(b) における3つの山状のパターンは、光電
界の強度分布を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図24に示
すコア層8は、破線で引出された拡大図に示すように、
InGaAsP 層8aとInP 層8bを交互に積層した構造を有
し、そのInP 層8bをエッチングストップ層として使用
してInGaAsP 層8bを階段状にパターニングし、これに
よりコア層8の膜厚を階段状に変化させている。
【0011】しかし、このような方法でコア層8の膜厚
を変化させることは、パターニングを何度も繰り返すこ
とになるので、スループットが低下する。ところで、こ
のような半導体導波路を発光素子とモノリシクに集積す
ると、コア層8と発光素子の活性層が同じ層となるの
で、コア層8の膜厚を変えるための加工の際に、発光素
子の活性層の結晶に欠陥が入り易くなり、発光素子の特
性が劣化するおそれがある。また、その半導体導波路と
受光素子とをモノリシックに集積する場合にも、その受
光素子の吸収層に欠陥が入りやすくなり、受光素子の特
性が劣化するおそれがある。
【0012】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、半導体レーザ、発光ダイオード、フォト
ダイオード等の光能動素子と光導波路をモノリシックに
形成するとともに、その光導波路の端面でのコア層の幅
方向と厚み方向の光ピームの径を大きくすることができ
る光半導体装置及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、図5
(b) 、図6に例示するように、中央部から端部にかけて
膜厚が薄くなるコア層20と、該コア層20を囲むクラッド
層15, 22からなる光ビーム径変換導波路36を有すること
を特徴とする光半導体装置によって達成する。または、
pn接合又はpin接合の半導体よりなる光能動素子35
を有するとともに、前記光能動素子35の光入力部か出力
部の少なくとも一方に一体的に形成され、かつ、前記光
能動素子35から遠ざかるにつれて膜厚が薄くなるコア層
20と、該コア層20を囲むクラッド層15,22とからなる導
波路36を有することを特徴とする光半導体装置により達
成する。
【0014】または、前記コア層20は、中央部から端部
にかけて幅が広くなることを特徴とする前記光半導体装
置。または、前記光能動素子35は、半導体レーザ、半導
体レーザ増幅器、端面発光型発光ダイオード、導波路型
フォトダイオード、半導体光変調器のうちの少なくとも
1つであることを特徴とする光半導体装置により達成す
る。
【0015】または、前記導波路36のコア層20は、前記
光能動素子35から離れるほどエネルギーバンドギャップ
が大きいことを特徴とする光半導体装置により達成す
る。または、前記導波路36の前記コア層20と前記クラッ
ド層15,22の屈折率差は、前記光能動素子35から離れる
ほど小さくなっていることを特徴とする光半導体装置に
より達成する。
【0016】または、前記導波路36の前記クラッド層1
5,22は、不純物が注入されない半導体より形成されて
いることを特徴とする光半導体装置により達成する。ま
たは、前記導波路36の前記クラッド層15,22と前記光能
動素子35のクラッド層15, 22は互いに絶縁されているこ
とを特徴とする光半導体装置によって達成する。
【0017】または、半導体基板11の上に誘電体膜16を
形成する工程と、前記誘電体膜16をパターニングするこ
とにより、長細い能動素子形成領域12と、該能動素子形
成領域12の少なくとも一方の端部に繋がって該端部から
遠ざかにつれて幅が広くなる略扇形の導波路形成領域17
とを開口する窓18を形成する工程と、前記誘電体膜16の
前記窓18から露出した前記半導体基板11の上に半導体を
選択的に成長することにより、膜厚を前記能動素子形成
領域12で最も厚く、かつ前記導波路形成領域17では前記
能動素子形成領域12から遠ざかるにつれて膜厚が薄くな
る第一のクラッド層15、コア層20及び第二のクラッド層
22を連続的に形成する工程と、前記半導体基板11の下に
第一の電極33を形成する工程と、前記第二のクラッド層
22のうちの少なくとも前記能動素子形成領域に第二の電
極34を形成する工程とを有することを特徴とする光半導
体装置の形成方法により達成する。
【0018】または、半導体基板51の上に誘電体膜16を
形成する工程と、前記誘電体膜16をパターニングするこ
とにより、細長い能動素子形成領域57と、該能動素子形
成領域57の少なくとも一方の端部に繋がって該端部から
遠ざかにつれて幅が広くなる略扇形の導波路形成領域58
とを開口する窓18を形成する工程と、前記誘電体膜16の
前記窓18から露出した前記半導体基板51の上に半導体を
選択的に成長することにより、膜厚を前記能動素子形成
領域57で最も厚く、かつ前記導波路形成領域58では前記
能動素子形成領域57から遠ざかるにつれて膜厚が薄くな
る第一のクラッド層54、コア層55及び第二のクラッド層
56を連続して形成する工程と、前記能動素子形成領域57
にある前記第一のクラッド層54、前記コア層55及び前記
第二のクラッド層56の一部をエッチングにより除去して
凹部59を形成する工程と、前記凹部59内に半導体を成長
することにより、導波路型光能動素子を形成する工程
と、半導体基板51の下に第一の電極64を形成し、前記導
波路型光能動素子の上に第二の電極63を形成する工程と
を有することを特徴とする光半導体装置の形成方法によ
り達成する。
【0019】または、前記誘電体膜16の前記窓18のうち
の前記導波路形成領域の部分は、同じ割合で幅が広がる
か、又は階段状に幅が広がっていることを特徴とする光
半導体装置の形成方法により達成する。
【0020】
【作 用】本発明によれば、光能動素子の光入力部、光
出力部の少なくとも一方に、光導波路のコア層を連続的
に形成するとともに、そのコア層の膜厚が光能動素子か
ら離れるほど薄く、そのコア層の幅が光能動素子から離
れるほど広くなるようにしている。
【0021】このため、光能動素子から光が出力される
場合には、その光は光導波路のコア層を通って幅方向に
広がるとともに、コア層の厚さ方向には先端部に進むに
つれて光の閉じ込めが弱くなるので光ビーム径が大きく
なる。また、その反対に光導波路から光が入力する場合
には、コア層の内部に入るにつれて光閉じ込めが強くな
って光ビーム径は小さくなり光能動素子に到達すること
になる。
【0022】この結果、光能動素子と光ファイバーとの
光結合の効率は、その光導波路を介することにより良く
なる。しかも、光導波路と光能動素子とが一体に形成さ
れるので外部からの位置合わせが不用になって光結合損
失が少なくなる。また、光導波路のコア層のエネルギー
バンドギャップは、光能動素子から遠ざかるにつれて大
きくなるようにしているので、光能動素子が半導体レー
ザや半導体レーザ増幅器である場合に、レーザ発振され
た波長の光は光導波路によって吸収さされにくく、光半
導体装置における吸収損失が低減する。
【0023】さらに、導波路のコア層とクラッド層との
屈折率の差を、光能動素子から遠ざかるにつれて小さく
しているので、光ビーム径は光能動素子から遠い位置で
大きく、近い位置で小さくなり、その光導波路を介在さ
せることにより光能動素子と光ファイバとの結合効率が
さらに向上する。ところで、光導波路のクラッド層をノ
ンドープの半導体により形成すると、フリーキャリアに
よる光吸収が少なくなり、光強度の減衰が抑制される。
また、光導波路と光能動素子のクラッド層とを溝により
分離すると、光能動素子の寄生容量が低減する。
【0024】なお、コア層の幅を一定にした場合でも、
コア層が薄くなるほど、接合に垂直方向のみならず接合
に平行な方向の光の閉じ込めも弱くなるので、その効果
の程度は比較的小さいが同様な効果が得られる。
【0025】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (a)本発明の第1実施例の説明 図1〜図4は、本発明の第1実施例に係る光半導体装置
の製造工程を示す斜視図、図5は、その製造工程の一部
の断面図、図6は、完成した光半導体装置の部分を切り
欠いた斜視図を示している。
【0026】次に、図1(a) に示す状態になるまでを説
明する。まず、n-InP 基板11の表面の半導体レーザ形
成領域12を含む領域に、干渉露光法によって回折格子
13を形成する。その回折格子13は、導波路方向に一
定のピッチで繰り返す凹凸から構成される。続いて、エ
ピタキシャル成長法により、組成を示す波長λgが1.
15μmのn-InGaAsP を150nmの厚さに堆積し、これ
によりガイド層14を形成する。さらに、その上にn-In
P バッファ層15を10nmの厚さに形成する。
【0027】この後に、熱CVD法によりSiO2、Six N
y 等の誘電体膜16を形成した後に、半導体レーザ形成
領域12と導波路形成領域17の誘電体膜16をリソグ
ラフィー法により開口して、箆状の窓18を形成する。
その半導体レーザ形成領域12の形状は、導波路方向に
長い長方形であり、また、導波路形成領域17の形状
は、その半導体レーザ形成領域12の端部から遠ざかる
につれて一定の角度で連続的に幅が広くなる扇形とその
先端を横切る四角形とを合わせた形状となっている。半
導体レーザ形成領域12の端部の窓18の幅W1 は15
〜20μm、導波路形成領域17の扇形部の裾の幅W2
は150〜200μmとなっている。
【0028】次に、図1(b) に示すように、第一のInGa
AsP ガイド層19をエピタキシャル成長し、さらに、3
つのInGaAs井戸層とこれらを挟む波長λg1.3μmの
InGaAsP 障壁層からなるMQW層20、第二のInGaAsP
ガイド層21、p-InP クラッド層22及びn-InGaAsP エ
ッチングストップ層23を順にエピタキシャル成長す
る。
【0029】なお、窓18から露出したn-InP クラッド
層15の表面を僅かにエッチングした後に、InGaAsP ガ
イド層19〜エッチングストップ層23を形成してもよ
い。クラッド層15の表面を清浄化するためである。そ
れらの半導体層19〜23は、成長核のない誘電体膜1
6の上では成長せずに、窓18の領域だけに選択的に成
長する。しかも、それらの半導体層19〜23の膜厚
は、図7に示すように、窓18のパターン幅Wに依存
し、幅Wが大きくなるほど結晶成長速度が小さくなって
最終的な膜厚は薄くなる。従って、窓18を通してバッ
ファ層14の上に積層された各半導体層19〜23は、
半導体レーザ形成領域12で最も厚く、その端部から導
波路形成領域17の先端部に向けて徐々に薄くなってい
く。
【0030】例えば、MQW層20に関して、半導体レ
ーザ形成領域12におけるInGaAs井戸層20aの厚さを
6nm、InGaAsP 障壁層20bの厚さを16nmとすれば、
導波路形成領域17の先端部でInGaAs井戸層20aの厚
さは1.5nm、InGaAsP 障壁層20bの厚さは4nmとな
る。したがって、そのエネルギーバンドは、半導体レー
ザ形成領域12では図8(a) に示すようになり、導波路
形成領域17では図8(b) に示すようになる。
【0031】なお、導波路形成領域17の先端部でのガ
イド層19,21の膜厚を10nmとし、p-InP クラッド
層22の膜厚とInGaAsP エッチングストップ層23の半
導体レーザ形成領域12における膜厚をそれぞれ500
nm、10nmとする。次に、誘電体膜16を除去した後
に、別な誘電体膜を熱CVD法により形成し、これをリ
ソグラフィー技術によりパターニングして、図2(a) に
示すように、エッチングストップ層23の上面の一部を
覆うマスクパターン24を形成する。このマスクパター
ン24は、エッチングストップ層23の上面の両側の縁
部を露出する箆のような形状である。例えば、半導体レ
ーザ形成領域12での幅W3 が1.5μmの長方形であ
り、導波路形成領域17においては先端の幅W4 が8μ
mの扇形とその先端から幅を変えずに延ばした四角形と
を合わせた形状である。
【0032】次に、図2(b) に示すように、マスクパタ
ーン24の両側方にあるエッチングストップ層22とn-
InP 基板11の上部までを連続してエッチングし、これ
により、最終的な半導体レーザと光ビーム径変換用の導
波路の幅が画定される。即ち、半導体レーザの活性層の
幅は1.5μm、導波路の先端は8μmとなる。この後
に、図2(c) に示すように、マスクパターン24の両側
に露出したn-InP 基板11の上に、鉄がドープされたIn
P 高抵抗層25をエピタキシャル法により埋め込む。続
いて、図3(a) に示すように、n-InP 電流ブロック層2
6とInGaAsP エッチングストップ層27を高抵抗層25
の上にエピタキシャル成長する。
【0033】次に、図3(b) に示すようにマスクパター
ンを除去した後に、図3(c) に示すように、導波路形成
領域17の先端部での膜厚が2.5μm以上になるよう
にノンドープInP クラッド層28をエピタキシャル成長
する。図5(a) は、図3(c)のX−X線断面図である。
ここでp-InP を使用せずにノンドープInP を形成したの
は、光ビーム径変換導波路におけるフリーキャリアによ
る光吸収を低減するためである。
【0034】さらに、図4(a) に示すように、誘電体膜
29を形成し、これをパターニングして半導体レーザ形
成領域12とその周辺に窓30を形成し、この窓30か
ら露出したInP クラッド層28を選択的にエッチングす
る。この場合、InGaAsP エッチングストップ層23,2
7によりエッチング深さが制御される。ついで、電流ブ
ロック層26をエッチングしないエッチング液を使用し
て窓30から露出したエッチングストップ層23,27
を選択的に除去した後に、図4(b) に示すように、窓3
0を通してp-InP クラッド層22の上にp-InP クラッド
層31をエピタキシャル成長して、クラッド層31とノ
ンドープInP クラッド層28との平坦化を図る。
【0035】この後に、図4(c) に示すように、ノンド
ープInP クラッド層28とその下方のp-InP クラッド層
22、および、InGaAsP エッチングストップ層23,2
7、電流ブロック層26をパターニングして、半導体レ
ーザ形成領域12と導波路形成領域17を分離する溝3
2を形成する。このパターニングの際に、ガイド層21
を最終的にエッチングストプ層として機能させる。
【0036】さらに、n-InP 基板11の下面にn電極3
3を形成するとともに、半導体レーザ形成領域12のp-
InP クラッド層31の上にp電極34を形成する。これ
により、図5(b) 、図6に示すようなモノリシックなB
H型半導体レーザ35と光ビーム径変換導波路36の形
成工程が終了する。なお、図5(b) は、図4(c) のY−
Y線断面図である。
【0037】なお、コア層となるMQW層20の幅を一
定にしてもよく、この場合には、図2(b) におけるマス
ク24の幅を例えばW3 と一定にすればよい。上記した
半導体レーザ35は、n電極33とp電極34の間に電
流を流すことによって発振し、そのレーザ光を光ビーム
径変換導波路36に出力すると、そのレーザ光は、MQ
W層20に閉じ込められて進行する。
【0038】このとき、光ビーム径変換導波路36にお
けるMQW層20は、半導体レーザ35から遠ざかるに
つれて膜厚が薄くなって膜厚方向の光ビーム径が広がっ
てくる。これは、図9に示すように、導波路36のコア
層であるMQW層20は、その膜厚Dが薄くなるにつれ
て光の閉じ込めが弱くなるという性質があるために、半
導体レーザ35の厚さD1 のMQW層20から出た光
は、光ビーム径変換導波路36の厚さD2 の先端部では
膜厚方向に広がっている。
【0039】即ち、図10に示すように、半導体レーザ
35での光電界の強度分布P1 は、MQW層20で急峻
に強くなっているのに対し、光ビーム径変換導波路36
の先端部での光電界の強度分布P2 はブロードな状態と
なり、その端部に接続されるファイバ37の光強度分布
3 とほぼ同じようになっている。これにより、上記し
た光ビーム径変換導波路36を介して半導体レーザ35
と光ファイバ37との結合効率が良好になることがわか
る。
【0040】また、MQW層20では、図8(a),(b) に
示すように井戸層が薄いほど価電子帯側の量子準位と伝
導帯側の量子準位とのエネルギーパンドギャップが大き
くなり、しかも、膜厚が薄くなるほど価電子帯と伝導帯
のエネルギーバンドギャップ(Eg1 <Eg2 )が大き
くなる。これは、図11(a) に示すような半導体層の厚
さDとエネルギーバンドギャップの変化量ΔEgの関係
から明らかである。
【0041】そして、エネルギーギャップが大きくなる
と、図11(b) に示すように、半導体レーザ35から出
力される波長λ0 の光は、波長光ビーム径変換導波路3
6の吸収波長帯よりも長くなるために吸収されにくくな
る。この結果、光ビーム径変換導波路36における光強
度の低下は少なくなって光ファイバ37へ出力される光
の強度は大きくなる。
【0042】しかも、InGaAs井戸層20aとInGaAsP 障
壁層20bを比べると、井戸層の膜厚の変化量は大き
い。MQWの屈折率は、井戸層と障壁層の厚みを加味し
た屈折率の厚さの平均とみなすことができる。従って、
光ビーム径変換導波路36の先端のMQW層20は、半
導体レーザ35のMQW層20よりも屈折率が小さくな
り、その上下のクラッド層22との屈折率差が低下して
光のビーム径が大きくなる。
【0043】一方、光ビーム径変換導波路36のMQW
層20の幅方向については、そのMQW層20の幅が出
力端で広くなっているので、その中に閉じ込められた光
のビーム径もその幅の変化に応じて幅(横)方向に広く
なる。なお、MQW層20が薄くなると、MQW層20
の幅が一定であっても、膜厚方向のみならず膜厚に垂直
な方向(横方向)の光閉じ込めも弱くなるので、光ビー
ム径が広がり、結合効率が向上する効果が得られる。
【0044】次に、コア径10μmの光ファイバ37と
上記した光ビーム径変換導波路26の先端とを直接突き
合わせた場合の結合損失を計算したところ図12のよう
な結果が得られた。図12において、横軸は、光ファイ
バ37のズレ(移動量)を示し、縦軸は結合損失を示し
ている。また、図12において、放射線状の実線は垂直
方向(MQW層の膜厚方向)、放射線状の破線は水平方
向(MQW層の幅方向)の結合損失を示している。
【0045】これに対して、図13(a) に示すようなM
QW構造を有する従来の半導体レーザと光ファイバを直
接突き合わせた場合の結合損失を調べると、図13(b)
のような結果が得られた。これにより、本実施例の方が
結合損失が3dB程度少ないことが分かった。ところ
で、上記した光半導体装置と光ファイバ37とを無調整
で結合することが望まれるので、図14にその一例を示
す。
【0046】図14において、シリコンウェハ41を複
数に区画して、それぞれの区画には、図6に示す光半導
体装置を固定するためのボンィングパッド42と光ファ
イバ37の先端部を載せるV溝43が形成されている。
また、光半導体装置を載せる領域には、半導体レーザ3
5のp電極34と接続する引出電極44が形成されてい
る。なお、V溝43は、シリコンウェハ41の表面を覆
う誘電体膜45に形成された窓を通してKOH溶液によ
りエッチングすることにより形成される。なお、光半導
体装置の光出力部とV溝43の位置が一致するように、
予め、V溝43とボンディングパッド42の位置を設定
しておく。
【0047】そして、シリコンウェハ41を各区画毎に
チップ状に分割してから、半導体レーザ35のp電極3
4を引出電極44に接続してチップ上にボンディングし
た後に、光ファイバ37をV溝43に入れて固定すると
結合が終了する。なお、上記した半導体レーザ35と光
ビーム径変換導波路36は、溝32によって電気的に分
離されているので、半導体レーザ駆動用の電流が光ビー
ム径変換導波路36に流れることはなく、しかも、半導
体レーザ35の寄生容量が増加することもない。
【0048】なお、p電極34の光ビーム径変換導波路
36寄りの部分を分離して、ここに逆バイアスをかける
と光を吸収することになるので、図10に示すように、
p電極34Aを分離することにより、半導体レーザ35
と光ビーム径変換導波路36との間に電界吸収型光変調
器40を形成してもよい。 (b)本発明の第2実施例の説明 上記した実施例では、光ビーム径変換導波路36を構成
する半導体層19〜23の膜厚を変えるために、図1
(a) に示すような箆状の窓18を有するマスクを使用し
ている。そして、その窓18の導波路形成領域7は一定
の角度で連続して広がった略扇形となっているが、図1
5(a) に示すように、幅が変化しない部分38A〜38
Dと広がる部分38E〜38Hとを交互に形成して、略
階段状に広がるようなパターンの窓38としてもよい。
【0049】これによれば、窓光ビーム径変換導波路3
7の半導体層19〜23の膜厚は、図15(b) に示すよ
うにその先端部にかけて階段状に変化し薄層化すること
になり、その特性は、第1実施例とほとんど同じにな
る。なお、半導体層19〜23の厚み方向に生じる段差
はできるだけ小さい方がよいので、マスクの窓18の幅
の変化は、できるだけ多くの段によることが好ましい。
ただし、光吸収係数の差を大きくしたい領域では、その
幅の変化を大きくして半導体層の厚みの変化を大きくし
てもよい。 (c)本発明の第3実施例の説明 半導体レーザと光ビーム径変換導波路をモノリシックに
形成した光半導体装置を量産する方法の一例を次に説明
する。
【0050】量産のためには、図1(a) に示す半導体ビ
ーム形成領域12同士と光ビーム径変換導波路領域17
同士を、図16に示すように直列に繰り返して接続した
形状の窓38Aを所定の間隔をあけて誘電体膜16Aに
並列に複数個配置する。その後に、第1実施例で述べた
ような工程を経ることにより、基板の上に半導体レーザ
と光ビーム径変換導波路を有する光半導体装置が連続的
に複数個形成される。そこで、基板11をカットライン
11〜L1 4 、L21〜L26に沿って劈開して光半導体装
置を個々に分離すればよい。 (d)本発明の第4実施例の説明 上記した第1実施例では、MQW層20の上下にガイド
層19,21を設けているが、これらを設けない構造に
してもよい。そのエネルギーバンドは図17のようにな
る。
【0051】しかし、光ビーム径変換導波路36の先端
部に近づくほど井戸層や障壁層が数nmと薄くなるので、
ガイド層19,21がない場合には、幅(横)方向の屈
折率の差が小さすぎて光の閉じ込めが弱くなる。そこ
で、例えば図18に示すように、光ビーム径変換導波路
36の最上のクラッド層28をMQW層20と同じ平面
形状にしたリッジ構造を採用する。これにより、クラッ
ド層28の両側が外気となって横モードがガイドされ、
光の閉じ込めが良くなる。
【0052】そのクラッド層28をリッジ構造にするた
めには、図18(a) に示すように、半導体レーザ35と
光ビーム径変換導波路36とを分離する溝32をポリイ
ミド等の絶縁剤38により埋め込んで平坦化し、つい
で、SiO2、 SiN等の誘電体膜をマスクにしてフォトリソ
グラフィー法によりクラッド層28をパターニングして
リッジ構造を形成する。その後に、図18(b) に示すよ
うにn電極33、p電極34を形成すればよい。
【0053】次に、コア径10μmの光ファイバ37と
上記した光ビーム径変換導波路26の先端とを直接突き
合わせた場合の結合損失を計算したところ図19のよう
な結果が得られ、図12に示す第1実施例よりも良い結
果が得られた。 (e)本発明の第5実施例の説明 第1実施例の光ビーム径変換導波路36では、コア層と
なるMQW層20の上下のクラッド層15,22,28
を半導体レーザ35のそれと同じ材料としているが、図
20(a) に示すように、半導体レーザ35のクラッド層よ
りも屈折率の小さい材料、例えばInGaAsP からクラッド
層15A,22Aを形成してもよい。
【0054】これによれば、光ビーム径変換導波路36
における光の閉じ込めがさらに小さくなって、膜厚方向
の光ビーム径をさらに大きくすることができる。さらに
クラッド層15A,22Aをノンドープにすると、フ
リーキャリアによる光吸収が低減する。なお、ガイド層
21とクラッド層22の間にはInGaAsP エッチングスト
ップ層23Aを設け、これにより光ビーム径変換導波路
36にあるクラッド層22,28を除去する際のエッチ
ング深さを調整し、そのエッチングの後に上側のノンド
ープInGaAsクラッド層22Aを形成する。 (f)本発明の第6施例の説明 第1実施例では、光ビーム径変換導波路に接続する能動
素子として半導体レーザを用いたが、フォトダイオード
であってもよい。
【0055】半導体レーザ35に逆バイアスを形成すれ
ば、その素子は、pin接合構造の端面導波型フォトダ
イオードとして機能する。また、pn接合のフォトダイ
オードや、pn接合又は pin接合の端面発光型の発
光ダイオードを光能動素子としてもよい。この場合、特
に図示しないが、そのフォトダイオード又は発光ダイオ
ードに接続される光ビーム径変換導波路のコア層の構造
は、その光能動素子の光吸収層又は活性層と同じにな
る。
【0056】また、フォトダイオードを光ビーム径変換
導波路と一体的に形成する場合に、例えば図20(b) に
示すように、フォトダイオード形成領域に凹部を形成
し、その中にフォトダイオードを形成するようにしても
よい。その工程を簡単に説明する。まず、n-InP 基板5
1の上にn-InP バッファ層52、InGaAsP エッチングス
トップ層53を順に形成した後に、例えば図1(a) 、図
14(a) に示すと同じような略箆状の窓を有する誘電体
マスクを使用し、その窓を通してエッチングストップ層
53の上にn-InP クラッド層54、InGaAsコア層55、
ノンドープInP クラッド層56を形成する。このときコ
ア層55とその上下のクラッド層54,56は、フォト
ダイード57の領域では厚く、光ビーム径変換導波路5
8の領域の先端部にゆくほど薄くなる。これは、第1実
施例と同じ原理による。
【0057】その後に、エッチングストップ層53の上
の半導体のうちフォトダイオード57の形成領域にある
ものを除去して凹部59を形成し、その中に、n-InP 層
60、i-InGaAs層61、p-InP 層62を順に積層してフ
ォトダイオード57のpin接合部分を形成する。そし
て、最後に、そのp-InP 層62にp電極63を形成し、n
-InP 基板51の下にn電極64を形成する。
【0058】このような構造のフォトダイオード57に
逆バイアス電圧を印加した状態で、光ビーム径変換導波
路58を伝搬した光がそのフォトダイオード57のi-In
GaAs層60に入射すると、電極63,64間に電流が流
れることになる。このとき、フォトダイオード57の前
後にあるコア層55のエネルギーバンドギャップを光波
長換算で1.3μmより短い波長にすると、i-InGaAs層
61は、コア層55よりも厚くてエネルギーバンドギャ
ップが小さくなり、1.3μmよりも長い波長帯の光の
使用が可能になり、光吸収係数や光閉じ込め効率が向上
し、短い吸収層で高い量子効率が得られる。
【0059】なお、凹部59に埋め込むフォトダイオー
ド57は通常の不純物拡散によるpn接合型にしてもよ
い。ところで、図21に示すように、凹部59の前と後
にそれぞれ光ビーム径変換導波路58A,58Bを形成
し、入力側のその導波路58Aに複数の波長の光信号λ
1 +λ2 +λ3 を入力し、凹部59に形成されるフォト
ダイオード57によって特定の波長の信号λ1 だけを取
り出し、その残りの信号を出力側の導波路58Bから出
力するようにしてもよい。
【0060】この場合のフォトダイード57のコア層の
材料は、特定の波長の光だけを取り出せるようなエネル
ギーバンドギャップの半導体を選択する必要がある。 (h)本発明の第7実施例の説明 図22は、進行波型レーザ増幅器と光ビーム径変換導波
路をモノリシックに形成した光半導体装置である。
【0061】この装置は、n-InP 基板61の上に、n-In
P バッファ層62、n-InP クラッド層63を形成し、そ
の上にi-InGaAsとi-InGaAsP からなるMQWにより構成
されるコア/活性層64を形成した後に、その中央にp-
InP クラッド層65、p-InPコンタクト層66を形成し
たものである。また、n-InP 基板61の下にはn電極6
7が形成され、コンタクト層66にはp電極68が接続
されている。
【0062】この光半導体装置において、n-InP クラッ
ド層63から上方の各半導体層は、その中央領域で最も
厚く、その前後の端部に近づくほど薄くなるようにして
いる。そして、膜厚の変化する半導体層が形成される2
つの領域は、光ビーム径変換導波路69A,69Bとな
り、その中央の領域の半導体層により半導体レーザ増幅
器70が構成される。
【0063】その半導体膜の厚さの変化は、例えば図1
(a) 、図14(a) に示すようなマスクを2つ繋げたよう
な中央で幅が狭い窓を有する別のマスクを使用してエピ
タキシャル成長することより達成される。この場合、半
導体レーザ増幅器70と光ビーム径変換導波路69A,
69Bとの結合がよいばかりでなく、光ビーム径変換導
波路69A,69Bの露出端部のビーム径が大きくなる
ので光ファイバ71,72との結合効率がよい。これに
より、トータルな光増幅率が大きくなる。
【0064】なお、光ビーム径変換導波路69A,69
Bの上にもp電極68を形成してーよい。ところで、図
22に示す光半導体装置では、半導体レーザ増幅器70
と光ビーム径変換導波路69A,69Bのコア/活性層
64はpin接合となっているが、レーザ増幅器70の
活性層64をpn接合とする場合には、光ビーム径変換
導波路69A,69Bのコア層64も同じくpn接合と
する。
【0065】なお、この半導体レーザ増幅器70は、電
極67,68に正バイアスをかけて駆動されるが、逆バ
イアスを印加すると、光を吸収するので、図22に示す
光半導体装置をこれを電界吸収型光変調器としても使用
することも可能である。図22に示すような光半導体装
置を量産する場合には、図16に示すような窓38Aを
有する誘電体膜16Aを形成し、その窓38Aの上に選
択的に半導体を形成した後に、L11、L13とL21
22、L23、L24、L25、L26に沿って劈開すればよ
い。 (i)本発明のその他の実施例の説明 上記した実施例において、光ビーム径変換導波路の上側
に電極を形成しなかったり、クラッド層を構成する半導
体をノンドープとすることによって、半導体の光の伝搬
損失を低減しているが、クラッド層に不純物をドープす
る場合にはその厚さをできるだけ抑えるとフリーキャリ
ア吸収が低減されて光の伝搬損失は低減する。
【0066】なお、上記した光半導体装置を最適設計し
た場合には、90%以上の最大結合効率が得られ、さら
に、結合効率が3dB低下する結合トレランスとして垂
直(縦)方向5μm、水平(横)方向6μmという大き
な値が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、光能
動素子の光入力部、光出力部の少なくとも一方に、光導
波路のコア層を連続的に形成するとともに、そのコア層
の膜厚が光能動素子から離れるほど薄く、そのコア層の
幅が光能動素子から離れるほど広くなるようにしてい
る。
【0068】このため、光能動素子から光が出力される
場合には、その光は光導波路のコア層を通って幅方向に
広がるとともに、コア層の厚さ方向には先端部に進むに
つれて光の閉じ込めが弱くなるので、光ビーム径が大き
くなる。また、その反対に光導波路から光が入力する場
合には、コア層の内部に入るにつれて光閉じ込めが強く
なって光ビーム径は小さくなり光能動素子に到達するこ
とになり、光能動素子と光ファイバーとの光結合の効率
を良くすることが可能になる。
【0069】しかも、光導波路と光能動素子とが一体に
形成されるので両者の位置合わせが自動的に行われ、位
置ずれに起因する光結合損失を除去することができる。
また、光導波路のコア層のエネルギーバンドギャップ
は、光能動素子から遠ざかるにつれて大きくなるように
しているので、光能動素子として半導体レーザや半導体
レーザ増幅器を使用すると、レーザ発振された波長の光
は光導波路によって吸収さされにくくなり、光半導体装
置における吸収損失を低減できる。
【0070】さらに、導波路のコア層とクラッド層との
屈折率の差を、光能動素子から遠ざかるにつれて小さく
しているので、光ビーム径の変化がさらに拡大され、光
能動素子と光ファイバとの結合効率をさらに向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る光半導体装置の製造
工程を示す斜視図(その1)である。
【図2】本発明の第1実施例に係る光半導体装置の製造
工程を示す斜視図(その2)である。
【図3】本発明の第1実施例に係る光半導体装置の製造
工程を示す斜視図(その3)である。
【図4】本発明の第1実施例に係る光半導体装置の製造
工程を示す斜視図(その4)である。
【図5】本発明の第1実施例の光半導体装置の製造工程
の一部を示す断面図である。
【図6】本発明の第1実施例の光半導体装置を示す斜視
断面図である。
【図7】本発明の第1実施例の光半導体装置の製造工程
において、マスクパターンの窓の幅の大きさとその窓内
での半導体の成長速度との関係を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例に係る光半導体装置のMQ
W層のエネルギーバンドギャップを示す図である。
【図9】本発明の第1実施例に係る光半導体装置の光ビ
ーム径変換導波路のコア層の厚さとビーム径との関係を
示す図である。
【図10】本発明の第1実施例に係る光半導体装置のコ
ア層の光電界強度と活性層の光電界強度の関係を示す図
である。
【図11】本発明の第1実施例に係る光半導体装置のM
QW層の井戸と障壁を構成する材料の厚さとエネルギー
バンドギャップの変化量の関係を示す特性図、および、
それらの層の厚さの相違による波長と光吸収係数の関係
を示す特性図である。
【図12】本発明の第1実施例に係る光半導体装置と光
ファイバとを接続する場合の結合損失特性図である。
【図13】従来の半導体レーザと光ファイバとを接続す
る際の結合損失特性図である。
【図14】本発明の第1実施例に係る光半導体装置と光
ファイバとの接続装置の一例を示す斜視図である。
【図15】本発明の第2実施例の光半導体装置を形成す
る際に使用するマスクを示す斜視図と、その光半導体装
置を示す断面図である。
【図16】本発明の第3実施例の光半導体装置を量産す
る場合に使用するマスクを示す斜視図である。
【図17】本発明の第4実施例の光半導体装置のMQW
層のエネルギーバンドギャップの図である。
【図18】本発明の第4実施例の光半導体装置の製造工
程の一部を示す斜視図である。
【図19】本発明の第4実施例に係る光半導体装置と光
ファイバとを接続する場合の結合損失特性図である。
【図20】本発明の第5実施例に係る光半導体装置を示
す断面図、及び、本発明の第6実施例に係る光半導体装
置を示す断面図である。
【図21】本発明の第6実施例に係る光半導体装置の別
な構造を示す断面図である。
【図22】本発明の第7実施例に係る光半導体装置を示
す断面図である。
【図23】従来の光ビーム径変換導波路の第1例を示す
斜視図である。
【図24】従来の光ビーム径変換導波路の第2例を示す
斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
11 n-InP 基板 12 半導体レーザ形成領域 13 回折格子 14 n-InGaAsP ガイド層 15 n-InP ガイド層 16 誘電体膜 17 導波路形成領域 18 窓 19 ガイド層 20 MQW層 21 ガイド層 22 クラッド層 23 エッチングストップ層 24 マスクパターン 25 高抵抗層 26 電流ブロック層 27 エッチングストップ層 28 ノンドープInP クラッド層 29 誘電体膜 30 窓 31 p-InP クラッド層 32 溝 33 n電極 34 p電極 35 半導体レーザ 36 光ビーム径変換導波路

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中央部から端部にかけて膜厚が薄くなるコ
    ア層(20)と、該コア層(20)を囲むクラッド層(15,
    22)とからなる光ビーム径変換導波路(36)を有するこ
    とを特徴とする光半導体装置。
  2. 【請求項2】pn接合又はpin接合の半導体よりなる
    光能動素子(35)を有するとともに、 前記光能動素子(35)の光入力部か出力部の少なくとも
    一方に一体的に形成され、かつ、前記光能動素子(35)
    から遠ざかるにつれて膜厚が薄くなるコア層(20)と、
    該コア層(20)を囲むクラッド層(15,22)とからなる
    導波路(36)を有することを特徴とする光半導体装置。
  3. 【請求項3】前記コア層(20)は、中央部から端部にか
    けて幅が広くなることを特徴とする請求項1、2記載の
    光半導体装置。
  4. 【請求項4】前記光能動素子(35)は、半導体レーザ、
    半導体レーザ増幅器、端面発光型発光ダイオード、導波
    路型フォトダイオード、半導体光変調器のうちの少なく
    とも1つであることを特徴とする請求項2記載の光半導
    体装置。
  5. 【請求項5】前記導波路(36)のコア層(20)は、前記
    光能動素子(35)から離れるほどエネルギーバンドギャ
    ップが大きいことを特徴とする請求項2記載の光半導体
    装置。
  6. 【請求項6】前記導波路(36)の前記コア層(20)と前
    記クラッド層(15,22)の屈折率差は、前記光能動素子
    (35)から離れるほど小さくなっていることを特徴とす
    る請求項2記載の光半導体装置。
  7. 【請求項7】前記導波路(36)の前記クラッド層(15,
    22)は、不純物が注入されない半導体より形成されてい
    ることを特徴とする請求項2記載の光半導体装置。
  8. 【請求項8】前記導波路(36)の前記クラッド層(15,
    22)と前記光能動素子(35)のクラッド層(15, 22)は
    互いに絶縁されていることを特徴とする請求項2記載の
    光半導体装置。
  9. 【請求項9】半導体基板(11)の上に誘電体膜(16)を
    形成する工程と、 前記誘電体膜(16)をパターニングすることにより、長
    細い能動素子形成領域(12)と、該能動素子形成領域
    (12)の少なくとも一方の端部に繋がって該端部から遠
    ざかにつれて幅が広くなる略扇形の導波路形成領域(1
    7)とを開口する窓(18)を形成する工程と、 前記誘電体膜(16)の前記窓(18)から露出した前記半
    導体基板(11)の上に半導体を選択的に成長することに
    より、膜厚を前記能動素子形成領域(12)で最も厚く、
    かつ前記導波路形成領域(17)では前記能動素子形成領
    域(12)から遠ざかるにつれて膜厚が薄くなる第一のク
    ラッド層(15)、コア層(20)及び第二のクラッド層
    (22)を連続的に形成する工程と、 前記半導体基板(11)の下に第一の電極(33)を形成す
    る工程と、 前記第二のクラッド層(22)のうちの少なくとも前記能
    動素子形成領域に第二の電極(34)を形成する工程とを
    有することを特徴とする光半導体装置の形成方法。
  10. 【請求項10】半導体基板(51)の上に誘電体膜(16)
    を形成する工程と、 前記誘電体膜(16)をパターニングすることにより、細
    長い能動素子形成領域(57)と、該能動素子形成領域
    (57)の少なくとも一方の端部に繋がって該端部から遠
    ざかにつれて幅が広くなる略扇形の導波路形成領域(5
    8)とを開口する窓(18)を形成する工程と、 前記誘電体膜(16)の前記窓(18)から露出した前記半
    導体基板(51)の上に半導体を選択的に成長することに
    より、膜厚を前記能動素子形成領域(57)で最も厚く、
    かつ前記導波路形成領域(58)では前記能動素子形成領
    域(57)から遠ざかるにつれて膜厚が薄くなる第一のク
    ラッド層(54)、コア層(55)及び第二のクラッド層
    (56)を連続して形成する工程と、 前記能動素子形成領域(57)にある前記第一のクラッド
    層(54)、前記コア層(55)及び前記第二のクラッド層
    (56)の一部をエッチングにより除去して凹部(59)を
    形成する工程と、 前記凹部(59)内に半導体を成長することにより、導波
    路型光能動素子を形成する工程と、 半導体基板(51)の下に第一の電極(64)を形成し、前
    記導波路型光能動素子の上に第二の電極(63)を形成す
    る工程とを有することを特徴とする光半導体装置の形成
    方法。
  11. 【請求項11】前記誘電体膜(16)の前記窓(18)のう
    ちの前記導波路形成領域の部分は、同じ割合で幅が広が
    るか、又は階段状に幅が広がっていることを特徴とする
    請求項9又は10記載の光半導体装置の形成方法。
JP21600693A 1993-08-31 1993-08-31 光半導体装置及びその形成方法 Withdrawn JPH0766502A (ja)

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