JPH0765315B2 - 盛土の構造 - Google Patents

盛土の構造

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JPH0765315B2
JPH0765315B2 JP31827189A JP31827189A JPH0765315B2 JP H0765315 B2 JPH0765315 B2 JP H0765315B2 JP 31827189 A JP31827189 A JP 31827189A JP 31827189 A JP31827189 A JP 31827189A JP H0765315 B2 JPH0765315 B2 JP H0765315B2
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    • B09DISPOSAL OF SOLID WASTE; RECLAMATION OF CONTAMINATED SOIL
    • B09BDISPOSAL OF SOLID WASTE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B09B1/00Dumping solid waste

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、造成地や道路等を構成する盛土の構造に関す
る。
「従来の技術」 第14図中、符号1は、従来方法によって造成された盛土
の一例を示している。すなわち、盛土1を造成するに
は、地盤Gに、ポリマーグリッドあるいは、ジオテキス
タイルからなる補強材2を敷き、控盛土3の壁面4を支
持する土襄5を積み上げた後、補強材2の上に土砂から
なる控盛土3を所定の高さに転圧して敷設すると共に、
控盛土3の背面側に主盛土材3aを敷設転圧し、次いで、
前記補強材2の壁面側の端部6を盛土内へ巻き込むこと
によって前記土襄5を覆い、引き続き前記の工程を繰り
返し、控盛土3および土襄5を積層重畳させることによ
って造成している。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、前記のようにして造成した、第14図に示すよ
うな盛土1では、盛土1の強度や特性は、盛土1の主要
部である壁面付近を構成する盛土材たる控盛土3の材質
に負うところが大きく、かかる控盛土3としてどのよう
な性質を有するものを用いるかが盛土の耐久性や安定性
等において重要な問題となる。
ここで、控盛土3として最大粒径50mm以上の岩砕(ず
り)等の岩石塊やコンクリート塊などの産業廃棄材等か
らなる大粒径塊片土砂を用いることとすると、次のよう
な問題が生じる。すなわち、盛土の施工時の敷均しや転
圧により繰り返し受ける活荷重が盛土材を介してジオテ
キスタイル2にかかったときに、ジオテキスタイル2の
表面を損傷しやすく、ジオテキスタイル2の耐久力およ
び引張り抵抗力の減損を招くため、盛土壁面の安定性と
安全性の点で信頼性を欠く。
従って、前記岩砕等の岩石塊やコンクリート塊などの産
業廃棄材等を主体とするまたは混在する大粒径塊片土砂
を含む盛土材は盛土端部の壁面付近の盛土を構成するた
めには不適当であるとされている。
また、控盛土3として粘性質土を用いた場合、次のよう
な問題を生じる。すなわち、ジオテキスタイル2が壁面
土圧で引張られた時に、粘性質土とジオテキスタイル2
との界面において互いの接触による摩擦抵抗力が弱いた
めにジオテキスタイル2が滑りやすく、敷均し、転圧施
工時や施工後の地震や活荷重の振動等によりジオテキス
タイル2に接している粘性質土が流動化してしまうため
ジオテキスタイル2がさらに抜け出し易くなり、盛土壁
面が崩壊してしまうおそれがある。また、盛土壁面が崩
壊しないまでも、ジオテキスタイル2が部分的に抜け出
してしまうことによって、ジオテキスタイル2の引き抜
き抵抗を有効に発揮させることができないため、盛土壁
面が局部的に変曲したり、そのために地表面が沈下した
りするといった問題を生ずるおそれもある。
従って、粘性質土からなる盛土材は、盛土端部の壁面付
近を構成するためには不適当であるとされている。
さらに、いわゆる良質の盛土材は、ジオテキスタイル2
に直接接触させられて控盛土用として使用されても、ジ
オテキスタイル2を損傷することなく、かつ、ジオテキ
スタイル2の引き抜き抵抗を有効に発揮しうる盛土材で
あって、この良質盛土材を節約することも良質の盛土材
の不足する今日の事情においては盛土を施工する上で建
設産業における重要な課題とするところである。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、盛
土内に埋設されたジオテキスタイルが損傷されること
も、抜け出るおそれもなく、ジオテキスタイルの支持を
安全かつ施工品質と信頼性を向上させて有効に行える盛
土の構造およびその施工を可能とするとともに、需要の
増大により不足し、高騰している良質の盛土材を節約す
ることのできる盛土の構造を提供することを目的として
いる。
「課題を解決するための手段」 本発明の第1の態様は、大粒径塊片土砂からなる盛土材
が盛り立てられて構成された盛土と、この盛土内にほぼ
水平に設けられた砂質土等からなる保護層と、この保護
層内に埋設されたジオテキスタイルを備え、かつ、前記
ジオテキスタイルが前記保護層に覆われて前記盛土材と
の接触を遮断されてなることを特徴としている。
本発明の第2の態様は、粘性土からなる盛土材が盛り立
てられて構成された盛土と、この盛土内の盛土内方から
盛土壁端面に向って下り勾配に設けられた砂質土等から
なる保護層と、この保護層内に埋設されたジオテキスタ
イルを備え、かつ、前記ジオテキスタイルが前記保護層
に覆われて盛土材との接触を遮断されてなることを特徴
としている。
本発明の第3の態様は、前記保護層に隣接した状態で自
硬性材からなる不同沈下防止層が設けられていることを
特徴としている。
本発明の第4の態様は、前記保護層に覆われた状態で自
硬性材からなる不同沈下防止層が設けられるとともに、
前記ジオテキスタイルが前記不同沈下防止層に接して設
けられてなることを特徴としている。
本発明の第5の態様は、前記ジオテキスタイルの所定位
置に自硬性材からなる不同沈下防止層兼用の抜止用突起
が突設されていることを特徴としている。
「作用」 本発明の第1の態様は、大粒径塊片土砂からなる盛土材
が盛り立てられて構成された盛土内に埋設されたジオテ
キスタイルを覆うように保護層を設けた構成としてお
り、この保護層が盛土の施工時に生じる敷均し転圧時の
繰り返し荷重や、盛土の施工後における盛土の圧密の進
行や地震による繰り返し荷重を分散吸収して、ジオテキ
スタイルに生じる引張り力を緩和する。また、砂質土等
の細粒子がジオテキスタイル表面を覆うとともに、前記
大粒径塊片土砂からなる土砂と遮断されているため、盛
土の敷均し転圧時等の衝撃等によって盛土材が沈下振動
して集中荷重が盛土材中の岩片に生じてもジオテキスタ
イルの表面に直接岩砕が接することはないので、前記大
粒径土砂によってジオテキスタイルの表面を損傷させる
ことはない。
本発明の第2の態様は、ジオテキスタイルの抜出し抵抗
が小さく、しかも透水性が悪いために排水性が良くない
粘性質土を用いて構成された盛土においても、前記保護
層内には、盛土材と遮断された状態でジオテキスタイル
が埋設されており、盛土からの引張り力に対するジオテ
キスタイルの支持力は、前記保護層を介して平均に分散
されて盛土に伝達されるので、ジオテキスタイルが盛土
から抜出すこともなく、盛土の支持を安全かつ有効に行
えることに加えて、粘性土による盛土の圧密を早期に達
成しえて好質の盛土を提供する。また、この盛土の内方
から盛土壁端面に向って下り勾配となるように設けられ
た保護層とすれば、その排水作用によって、前記盛土内
に発生した浸透水を盛土の外部に排水を行えるので、保
護層に滞水することがなく、従って、粘性質土の含水率
を高めて流動化されて抜出し抵抗をさらに弱めたりする
ようなおそれを排除することもできる。
本発明の第3の態様は、前記保護層に隣接した状態で設
けられた不同沈下防止層が、盛土材と不同沈下層とが一
体となって沈下しようとする作用する。このため、盛土
の施工中あるいは施工後に車両荷重その他のいわゆる活
荷重が繰り返してかかったような場合に、その繰り返し
荷重を盛土の水平面に対して均一に分散し、ジオテキス
タイルにかかる上載負荷を均等に分散でき、前記活荷重
等の繰り返し荷重による盛土内のジオテキスタイルや盛
土の地表面の不同沈下を防止することとなる。
本発明の第4の態様は、前記保護層に覆われた状態で自
硬性材からなる不同沈下防止層を設け、かつ、それに接
してジオテキスタイルを設けることとしたので、盛土材
と不同沈下防止層との接触を完全に遮断し、ジオテキス
タイルにかかる転圧時の活荷重等の繰り返し荷重を完全
に分散吸収し、かつ、ジオテキスタイルを損傷すること
はない。しかも、保護層による排水作用を有効に発揮し
うるため、盛土材として例えば粘性質土を使用した場合
においても盛土内に発生した浸透水等の排水を妨げるこ
となく有効に行える。
本発明の第5の態様は、前記ジオテキスタイルの所定位
置に突設された不同沈下防止層兼用の抜止用突起が、盛
土の敷均し転圧時や施工後の活荷重等の繰り返し荷重、
あるいは地震時の際に生じるジオテキスタイルの不同沈
下と抜け出しとに対して枕木効果と突起効果によって抗
するのでジオテキスタイルを盛土内に安全かつ安定した
状態で支持することができる。
「実施例」 以下、本発明の盛土の構造の一実施例について図面を参
照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示す図である。本実施例
の盛土の構造は、大粒径塊片土砂からなる盛土材10a
盛り立てられて構成された盛土11と、この盛土内にほぼ
水平に埋設されたジオテキスタイル2を備え、このジオ
テキスタイル2を覆うように保護層12が設けられ、これ
らの壁部は複数個の土襄5が積み上げられて構成されて
いる。
大粒径塊片土砂からなる盛土材10aとは、具体的には、
後述するジオテキスタイル2の格子状最小開口径以上あ
るいは保護層がジオテキスタイル2を被覆する厚さ以上
の大きさを有する盛土材であって、硬い岩盤を破砕した
ずり(岩砕)やコンクリート塊あるいは産業廃棄物材等
の塊片または塊片を含有する土砂等をいう。したがっ
て、大粒径塊片土砂とは、例えばジオテキスタイル2の
開口径が30mm×120mmとすると、最小開口径である直径3
0mm以上の大きさの塊片を混在し、ジオテキスタイル2
を損傷するおそれがあるものをいう。従って、軟岩ずり
や略球形の表面が比較的なめらかな大形礫や玉石のよう
に注意深く施工しさえすればジオテキスタイル2を損傷
するおそれのないものは含まないものである。
ジオテキスタイル2は、織布、不織布等が一般的である
が、特に高い強度を必要とする場合や高耐食性を必要と
する場合には、高強度を有する連続繊維を主体としてな
る繊維束を格子状に形成してなる格子状補強部材が用い
られる。この格子状補強部材は、引き揃えられた複数本
の繊維よりなる繊維束が互いに交叉して格子状をなし、
それら繊維束の各繊維が樹脂材料により結束されて構成
されている。また、前記繊維束どうしの交叉部は、一方
向に延在する繊維群と、これに直交する他方向に延在す
る繊維群とが三層以上に積層された断面形状とされてい
る。
そして、この格子状補強部材からなるジオテキスタイル
2は、盛土11の端部に配置された前記土襄5……に巻き
込まれることによって固定支持されている。
保護層12は、砂質土や最大粒径がジオテキスタイル2の
開口径より小さい粒径の良質土砂礫や粒度調整されたジ
オテキスタイル2を損傷するおそれのない砕石等が用い
られる。そして、このとき、保護層12の厚さは、ジオテ
キスタイル2の下方に5cm以上の厚さを有するように設
定し、ジオテキスタイル2の上方には10cm以上の厚さを
有するように設定する。ジオテキスタイル2の下方の保
護槽の最小の厚さを5cm以下に設定すると、施工重機に
よる敷均し施工精度の関係で、保護層を施工するのが困
難になる故、施工能率が低下するためであり、ジオテキ
スタイル2の上方の保護層の厚さを10cm以下に設定する
と、保護層12の敷均し転圧時に施工重機の運転ミス等に
よりジオテキスタイル2を損傷する危険性が高くなる
故、これを避けるためである。
このような盛土の構造によれば、盛土11を構成する盛土
材10aのうち、保護層12以外の部分には、岩砕やコンク
リート塊などの産業廃棄物材等を含むいわゆる大粒径塊
片土砂を盛土材として使用することが可能になり、良質
盛土材を節約し、かつ、あらゆる不適当な盛土材を使用
して盛土端部付近の盛土壁面背後の盛土を可能として盛
土材の適用範囲の拡大を図ることができる。
また、盛土内に埋設されたジオテキスタイルは、常に良
質土砂礫等からなる保護層によって覆われているので、
盛土11の施工時に生じる重機からの敷均し転圧の際の活
荷重の繰り返しかかっても、ジオテキスタイル2を損傷
するおそれはない。
次に、本実施例の盛土を造成する場合の造成方法につい
て説明する。
盛土を構築すべき地盤G上にジオテキスタイル2を敷設
し、このジオテキスタイル2の端部に盛土の壁部を構成
する土襄5を設置する。そして、前記ジオテキスタイル
2上に保護層12を構成する砂質土等の良質土砂礫を盛
る。この良質土砂礫を所定厚さ盛ったら、その良質土砂
礫の上面に盛土材10aを前記土襄5の高さ位置よりもや
や高い位置まで盛り、重機等を用いて均一に敷均し転圧
を行う。そして、前記ジオテキスタイル2の端部を土襄
に巻き上げるとともに、前記転圧を行った盛土材10a
上に良質土砂礫を所定厚さ盛る。この良質土砂礫の上に
ジオテキスタイル2を敷設し、このジオテキスタイル2
の上にさらに良質土砂礫を所定の厚さ盛り上げる。
そして、この良質土砂礫等によって構成された保護層12
の上にさらに盛土材10aを盛り、前記工程と同様にして
盛土を施工していく。
本実施例の盛土の構造によれば、大粒径塊片土砂からな
る盛土材10aが盛り立てられて構成された盛土内に埋設
されたジオテキスタイル2を覆うように保護層12を設け
た構成としており、この保護層12が盛土の施工時に生じ
る敷均し転圧時の繰り返し荷重や、盛土の施工後におけ
る盛土の圧密の進行や地震による繰り返し荷重を分散吸
収して、ジオテキスタイル2に生じる引張り力を緩和す
る。また、良質土砂礫からなる保護層がジオテキスタイ
ル2の表面を覆うとともに、前記大粒径塊片土砂からな
る盛土材10aと遮断されているため、盛土の敷均し転圧
時等の衝撃等によって盛土が沈下振動して集中荷重が岩
片に生じてもジオテキスタイル2の表面に直接接するこ
とはないので、前記大粒径塊片土砂によってジオテキス
タイル2の表面を損傷させることはないといった優れた
効果を奏することができる。
次に、本発明の第2の実施例について、第2図を参照し
て説明する。なお、前記実施例と同様の構成となる部分
には、共通の符号を付してその説明を省略する。
本実施例の盛土の構造では、粘性土を主体とする盛土材
10bからなる盛土の内部に設けられた保護層12およびジ
オテキスタイル2が、盛土内方から盛土端面に向って下
り勾配となるように構成されている。
本実施例の盛土を造成するには、前記実施例の盛土とほ
ぼ同様にして造成することができる。
すなわち、盛土を造成すべき地盤G上に良質土砂礫を敷
いて所定厚さの保護層12を施工し、この保護層12の上ジ
オテキスタイル2を布設した後、ジオテキスタイル2の
上にさらに良質土砂礫を所定厚さ敷いて保護層12を施工
し、この保護層12の上に所定厚さの盛土材10bを盛って
敷均し転圧をして、このような工程を繰り返すことによ
ってさらに上方に盛土材10bを盛り立てて盛土を施工し
ていく。
このようにして盛土を造成していく場合、盛土材10b
盛量を調節することによって盛土内のジオテキスタイル
によって区画されたそれぞれの層に傾斜を設けることが
可能である。すなわち、盛土の中心部に向かうにしたが
って盛土材10bの量を増量することによって、盛土の中
心部から盛土の端部に向って下方へ傾斜させることがで
きる。
ジオテキスタイル2、およびこのジオテキスタイル2を
覆うように設けられた保護層12を盛土11の端部に向って
下方へ傾斜するように設定すれば、盛土の施工中、ある
いは施工後の浸透水の排水作用を付与する。また、この
ような傾斜を設けることによって、盛土の圧密の進行等
による沈下が生じても、盛土内に滞水することがないの
で、ジオテキスタイル2の抜出し抵抗が小さく、しかも
透水性が悪いために排水性の良くない粘性質土からなる
盛土内に発生した浸透水を保護層12の傾斜に沿って盛土
の外部へ排水することができるので保護層内に滞水する
ことがなく、従って粘性質土の含水率を高めて流動化さ
せて抜出し抵抗をさらに弱めたりするおそれを排除する
ことができる。このようにして、盛土全体の安定性およ
び盛土の安定状態での保持を有効に行うことできるとい
った優れた効果を奏することができる。
このとき、盛土内の層の傾斜は、盛土の中心部から盛土
の端部に向って1/100〜1/5程度の傾斜角αとなるように
設定するのが好ましい。
なぜならば、盛土内の層の傾斜角αを1/100以下に設定
すると、前述のような盛土の施工中、あるいは施工後の
盛土の沈下のために排水勾配が不十分となったり逆勾配
となってしまうため、圧密排水や浸透水の排水作用を有
効に発揮することができず、また、盛土内の層の傾斜角
を1/5以上に設定すると、保護層下面の排水流速が速す
ぎて盛土材10b中の微細粒子を洗掘しても排水してしま
うので、このため、保護層下面に盛土材10b中から排水
された微細粒子が流出して堆積することによって特に盛
土材10bの上面と保護層12の下面との界面において摩擦
抵抗が著しく低減してしまうため盛土材10bと保護層12
とがその傾斜した界面に沿って互いにスライドをしやす
くなるために盛土の安定を有効に図ることができなくな
るからである。さらに、盛土中の多量の微細粒子が盛土
外部へ排出されて溝状に浸食されて排水流溝が形成され
ることになれば、その上方の盛土地盤が極度に沈下する
ことになる。しかも、1/5以上の傾斜面とすると、転圧
施工しにくくなり盛土の施工もしにくくなり、能率の低
下をもたらすことにもなる。そして、盛土内の層の傾斜
角は、盛土の下層部よりも上層部へ向かうにしたがって
傾斜面の角度αが大きくなるように設定することが望ま
しい。これは、盛土の上層ほど、盛土内の沈下量が累積
されていき、それだけ盛土材の沈下量が大きくなるの
で、予め沈下量の大きくなるであろう盛土の各層をその
箇所ごとにやや余裕をもって高めに施工しておくためで
ある。
このようにして、本実施例の盛土の構造によれば、前記
実施例と同様の効果を奏することができるとともに、盛
土内に発生した圧密排水や浸透水を容易に盛土外へ排水
することができ、さらに前記保護層内には、盛土材と遮
断された状態でジオテキスタイル2が埋設されており盛
土からの引張り力に対するジオテキスタイル2の支持力
は、前記保護層を介して平均に分散されて盛土に伝達さ
れるので、ジオテキスタイル2が盛土から抜出すことな
く、盛土の支持を安全かつ有効に行うことができるとい
った優れた効果を奏することができる。
次に、本発明の第3の実施例について第3図(イ)およ
び(ロ)を参照して説明する。なお、本実施例におい
て、前記実施例と同様の構成となる部分には、共通の符
号を付してその説明を省略する。
本実施例の盛土は、保護層12の下面または上面と不同沈
下防止層17を接して設けた構成となっている。
不同沈下防止層17は、良質土砂礫等とセメントとを混合
してなるソイルセメント、良質土砂礫とセメントと水と
を混合してなるソイルモルタル等によって構成されたも
のであって、前記保護層12に隣接して設けられ、好まし
くは少なくとも5cm以上の厚さとなるように設定されて
いる。
そして、ジオテキスタイル2は、全体的に前記不同沈下
防止層17に接近した状態で保護層12内に保持されてい
る。
第3図(イ)に示した本実施例の盛土を造成する場合、
盛土を造成すべき地盤上に良質土砂礫を所定厚さ敷いて
保護層12を施工し、この保護層12の上にセメント等から
なる自硬性硬化材(例えば、ソイルモルタル、ソイルセ
メント、モルタル、コンクリート)を打設したり、ある
いは前記保護層12の良質土砂礫と自硬性硬化材とを混合
させながら、不同沈下防止層17を施工する。そして、前
記自硬性硬化材により不同沈下防止層17を形成した後、
不同沈下防止層17の上にジオテキスタイル2を敷設し、
このジオテキスタイル2の上に所定厚さの良質土砂礫を
敷設して保護層12を施工し、この保護層12の上面にさら
に盛土材10を盛る。このような工程を繰り返すことによ
って、盛土壁面の背後の盛土を施工していく。
また、第3図(ロ)に示した本実施例の盛土も第3図
(イ)に示した盛土の施工と同様にして、下層から順次
形成施工する。本実施例においても、不同沈下防止層17
は、保護層12によって覆われているとともに、ジオテキ
スタイル2は、不同沈下防止層17との間にわずかに保護
層12を介在させた状態で敷設されている。
本実施例の盛土の構造によれば、前記保護層12に隣接し
た状態で設けられた不同沈下防止層17と盛土材10とが一
体となって沈下しようとする。このため、盛土の施工中
に発生する敷均し転圧による押圧力や施工後の盛土の圧
密進行が進んだ場合や、盛土に車両荷重等いわゆる活荷
重が繰り返しかかったような場合にその繰り返し荷重を
盛土の水平面に対して均一に分散し、ジオテキスタイル
にかかる上載荷重を均等に分配でき、前記活荷重等の繰
り返し荷重による盛土の不同沈下を防止することができ
る。
また、盛土にかかる上載荷重等によって、前記不同沈下
防止層17に割れを生じた場合でも、不同沈下防止層17と
ジオテキスタイル2とは接していないので、この不同沈
下防止層17の割れによってジオテキスタイル2を損傷す
るおそれはない。なお、ジオテキスタイル2と不同沈下
防止層17は、必ずしも完全非接触とすることはなく、そ
の一部が接触状態で保持されていてもかまわない。
さらに、盛土の施工後の沈下量の差により、壁部と盛土
との界面でジオテキスタイル2に対する剪断力がかかる
のを防止するため、第8図に示すような沈下量吸収区間
を設けた構成としてもよい。このような場合、壁部の最
終沈下量をd1、盛土の最終沈下量をd2とすると、沈下量
吸収区間の間隔dは、d=d2−d1なる関係式で表される
ものとする。
次に、本発明の盛土の第4の実施例について、第3図
(ハ)を参照して説明する。なお、本実施例において、
前記実施例と同様の構成となる部分には共通の符号を付
してその説明を省略する。
本実施例の盛土は、保護層12に覆われた状態で自硬性材
からなる不同沈下防止層17が設けられるとともに、前記
ジオテキスタイル2が前記不同沈下防止層17に接して設
けられて構成されている。
本実施例の盛土も、前記第3の実施例において説明した
盛土と同様の作業および作業工程によって造成すること
ができる。
また、本実施例においては、前記第3の実施例と同様の
効果を奏することができ、さらに、不同沈下防止層17と
盛土材との間に介在させる保護層12を最小限に押さえる
ことができるといった効果を奏する。
次に、本発明の盛土の第5の実施例について、第4図な
いし第6図を参照して説明する。なお、本実施例におい
て前記実施例と同様の構成となる部分には共通の符号を
付してその説明を省略する。
第4図に示すように、本実施例の盛土は、前記第1の実
施例の盛土11においてジオテキスタイル2の所定位置に
ジオテキスタイル2の不同沈下防止層兼用の抜止用突起
19を設けた構成となっている。
不同沈下防止層兼用の抜止用突起19は、具体的には、ソ
イルセメント等の自硬性硬化材を主体として帯状に形成
されたものである。そして、盛土の壁部が延在する方向
と同一方向に向って、前記ジオテキスタイル2の表面か
ら突出する形態で所定間隔をおいて複数本設けられてい
る。この所定間隔としては、好ましくは、互いに隣合う
抜止用突起19の間隔を抜止用突起19自身の断面幅の約2
倍程度で、かつジオテキスタイル2の積層間隔とほぼ同
等に設定する。
本実施例の盛土によれば、前ジオテキスタイル2を覆う
ように設けられた保護層12によって前記実施例と同様の
効果を奏することができ、さらに、前記ジオテキスタイ
ル2の所定位置に突設された不同沈下防止層兼用の抜止
用突起19が、盛土の敷均し転圧時や施工後の活荷重等の
繰り返し荷重あるいは地震時の際に生じるジオテキスタ
イルの不同沈下と抜け出しに対して枕木効果と突起効果
とによって抗するのでジオテキスタイル2を盛土内に安
全かつ安定した状態で支持するといった優れた効果を奏
することができる。この場合の枕木効果とは、一般の鉄
道等のレール下に敷設されている枕木による効果と同様
の効果をいい、盛土に繰り返しかかる活荷重等は、盛土
内のジオテキスタイル2とジオテキスタイル2の積層間
隔と前記抜止用突起19のそれぞれの水平方向に離隔する
間隔をほぼ等しく設けて、かつ、盛土の側断面におい
て、第9図に示すごとく、千鳥状となるように抜止用突
起19を配設すれば、ジオテキスタイル2の下面に全面的
に均等に配分されるものである。
ここで、本実施例で用いられた抜止用突起19は、前記第
4図で示したような形状のものに限られることはなく、
他の形状であっても勿論かまわないものである。
例えば、第5図に示すように、ジオテキスタイル2の下
方よりも上方に、より多く突出する形態で抜止用突起19
を設けた構成としてもよいし、第6図に示すように、ジ
オテキスタイル2の上方よりも下方に、より多く突出す
る形態で抜止用突起19を設けた構成としてもよい。これ
らいずれの態様によっても、前記実施例と同様の効果を
奏することができるとともに、保護層12の厚さによって
抜止用突起19の態様を薪設定することができる。
次に、本発明の第6の実施例について、第7図を参照し
て説明する。なお、本実施例において、前記実施例と同
様の構成となる部分には共通の符号を付してその説明を
省略する。
本実施例の盛土の構造は、前記第4の実施例において用
いられた不同沈下防止層17の表面に、前記第5の実施例
において用いられた抜止用突起19が突設された構成とな
っている。
本実施例の盛土の構造では、前記実施例と同様の効果を
奏することができるとともに、不同沈下防止層17と同一
の材料(自硬性材)によって抜止用突起19を設けること
ができるので、抜止用突起19を容易に作成することがで
きる。
なお、本実施例の盛土の構造は、前記図示例のもののみ
に限られることはなく、他の変形例も可能である。たと
えば、前記第3の実施例において用いられた不同沈下防
止層17の表面にジオテキスタイル2の抜止用突起19を複
数設けた構成としても勿論かまわないものであって、こ
のような場合にも、前記第6の実施例と同様の効果を奏
することができる。また、抜止用突起19は、ジオテキス
タイル2の表面に層状に突出するように設けるものに限
らず、格子状に突出するように設けた構成としても勿論
よく、この場合にも、前記実施例と同様の作用効果を奏
することができる。そして、これら抜止用突起19を用い
ることとすれば、ジオテキスタイル2の表面に全面的に
不同沈下層17を設ける必要がなくなり、コンクリート、
ソイルモルタル等の自硬性材を節約することができ、コ
ストの低減を図ることができる。
さらに、この本発明の盛土は、前記実施例のもののみに
限られるものではなく、他の変形例も可能である。たと
えば、盛土の壁部を土襄によって構成するのではなく、
現場打ちコンクリートやプレキャストコンクリート等か
らなる壁体を用いて壁部を構成するものとしてもよく、
この場合には壁体内に壁体支持用のジオテキスタイルの
一端部を埋設定着しているものとしてもよい。
第10図および第11図は、盛土の壁部を現場打ちコンクリ
ートからなる連続壁体21によって構成した場合の実施例
を示す図である。なお、本実施例において前記実施例と
同様の構成となる部分には共通の符号を付してその説明
を省略する。
第10図に示す盛土においては、ジオテキスタイル2が地
盤Gに対して略水平に設けられた構成となっており、第
11図に示す盛土においては、ジオテキスタイル2が盛土
内方から前記連続壁体21に向って下り勾配となるように
設けられた構成となっている。
本実施例の盛土を造成する場合、盛土を造成すべき地盤
G上に基礎用凹所22を掘削し、この凹所22内に砕石基礎
23を布設し、この砕石基礎23の上にコンクリートを打設
して基礎24を施工する。このとき、盛土の最下端部に布
設されるジオテキスタイル2の一端を基礎24に埋設状態
に設定しておく。そして、基礎24を施工したのち、盛土
材10aもしく10bの一層分にあたる高さの連続壁体21を構
築すべくコンクリートを打設する。盛土材10a(10b)の
一層分の高さの連続壁体21を構築した後、保護層12およ
び盛土材10a(10b)を交互に盛り立てる。しかる後、保
護層12の上にジオテキスタイル2を布設し、このジオテ
キスタイル2の一端部を埋設する形態でさらに上方に向
って連続壁体21を構築する。このような工程を繰り返す
ことによって、盛土を造成する。
そして、最後に盛土の最上面を地盤Gに対して水平とな
るように造成する。
本実施例の盛土の構造によれば、盛土の壁部を急勾配と
することができ、盛土を造成する敷地を節約することが
でき、狭い土地を有効に利用することができるといった
優れた効果を奏することができる。
第12図および第13図は盛土の壁部をプレキャストコンク
リートからなる壁体31によって構成した場合の実施例を
示す図である。なお、本実施例において、前記実施例と
同様の構成となる部分には、共通の符号を付してその説
明を省略する。
壁体31は、矩形板状に形成されたもので、その周囲での
接合によりその複数個が締結された状態で締結された状
態で立設されて、盛土の壁部を構成するものである。そ
して、この壁体31の内部に鉄筋またはファイバーグリッ
ド等の補強材が配筋補強されるか、繊維補強部材が配合
されて補強されて形成されているとともに、盛土の壁部
を構成したときに盛土内部側となる内壁面側の周縁部に
リブ34が形成されているパネル状あるいはブロック状の
プレキャストコンクリートである。そして、この壁体31
の下端部の板厚方向の略中央部には、該下端部の長手方
向のほぼ全長に亙って下方へ突出している凸部35が形成
され、該壁体31の上端部の板厚方向の略中央部には、該
上端部の長手方向のほぼ全長に亙って前記凸部35の断面
形状に略一致する断面形状を有する凹部36が形成されて
いる。さらに、前記リブ34の長手方向中心部には、所定
間隔をおいて上下に貫通する複数個のボルト挿通孔37が
形成されており、壁体31の側面の垂直端面にもボルト挿
通孔が複数個形成されることにより締結手段が設けられ
ている。
定着継手部材38は、たとえば、一端が略直角に折曲さ
れ、かつ、他端に雄螺子が形成されたアンカーボルトが
用いられる。この雄螺子は、後述するインサートナット
39に螺着可能に形成されており、これらの金具類は防食
処理されているか、または耐防食性材料から形成されて
いる。
自硬性材40は、たとえば、コンクリートやモルタル等の
常温硬化材料が用いられたものであって、固結した後
に、ジオテキスタイル2の引っ張り応力に十分耐えうる
強度を発揮するものであればよい。このような構成の盛
土を施工する場合、盛土の壁部を構築すべき位置の地盤
Gを掘り下げて予め基礎部となる凹所22を形成し、この
凹所22内に砕石基礎23を敷設して、その上に現場打ちコ
ンクリートを打設して基礎24を設けておく。この場合、
基礎24には、壁体31の下端部と対応する上面形状を形成
するとともに、ボルト挿通孔37に挿入される接合ボルト
41を支持するインサートナット39を埋設しておき、これ
ら接合ボルト41およびインサートナット39を用いて、最
下端部の壁体31を基礎24に取付け可能の状態に設定す
る。さらに、前記基礎24の側面に、盛土の内部へ向って
開口するようにインサートナット39が埋設されてある。
そして、このインサートナット39に定着継手部材38を螺
着する。このようにして最下端部の壁体31を基礎に取り
付けるとともに、最下端のジオテキスタイル2を敷設し
た後、前記自硬性材40の固結を待って、最下端部の壁体
31を基礎に取り付ける。その後、リブ側の側面に、該壁
体31の上端部よりやや低い位置まで盛土材を敷均すとと
もに、転圧する。そして、この盛土材10a(10b)の上に
良質土等からなる保護層12を施工する。保護層12を前記
壁体31の上端部よりもやや高い位置まで敷均すととも
に、ジオテキスタイル2を敷設する。さらに、このジオ
テキスタイル2の上に保護層12を施工するとともに、重
機等によってジオテキスタイル2と保護層12を一体にし
て転圧する。
このような盛土の構造によれば、前記実施例の盛土と同
様の効果を奏することができるとともに、盛土側面の傾
斜を急勾配とすることができるので、盛土のための敷地
を多くとらず、限られた敷地を有効に活用することがで
き、さらに、盛土の施工を簡略化しえて、盛土造成のた
めの工期短縮を図ることができるといった優れた効果を
奏することができる。なお、前述の第3の実施例ないし
第5の実施例においても、前記の連続壁体21および壁体
31に適用可能であることはいうまでもない。
「発明の効果」 本発明の盛土の構造の第1の態様は、大粒径塊片土砂か
らなる盛土材が盛り立てられて構成された盛土と、この
盛土内にほぼ水平に設けられた砂質土等からなる保護層
と、この保護層内に埋設されたジオテキスタイルを備
え、かつ、前記ジオテキスタイルが前記保護層に覆われ
て前記盛土材との接触を遮断されてなる構成としたの
で、盛土を構成する盛土材のうち、保護層以外の部分に
は、岩砕等の岩石塊やコンクリート塊などの産業廃棄材
等からなる大粒径塊片土砂を盛土材として使用すること
が可能になり、良質盛土材を節約し、かつ、あらゆる不
適当な盛土材を使用して盛土端部付近の盛土壁面背後の
盛土を可能として盛土材の適用範囲の拡大を図ることが
できる。
また、盛土内に埋設されたジオテキスタイルは、常に良
質土砂礫等からなる保護層によって覆われているので、
盛土の施工時に生じる施工重機からの敷均し転圧の際の
活荷重が繰り返してかかっても、ジオテキスタイルを損
傷するおそれはないといった効果を奏することができ
る。
また、本発明の第2の態様は、粘性土からなる盛土材が
盛り立てられて構成された盛土と、この盛土内の盛土内
方から盛土壁端面に向って下り勾配に設けられた砂質土
等からなる保護層と、この保護層内に埋設されたジオテ
キスタイルを備え、かつ、前記ジオテキスタイルが前記
保護層に覆われて盛土材との接触を遮断されてなる構成
としたので、ジオテキスタイルの抜出し抵抗が小さく、
しかも透水性が悪いために排水性が良くない低い粘性質
土を用いて構成された盛土においても、前記保護層内に
は盛土材と遮断された状態でジオテキスタイルが埋設さ
れており、盛土からの引張り力に対するジオテキスタイ
ルの支持力は、前記保護層を介して平均に分散されて盛
土内に伝達されるので、ジオテキスタイルが盛土から抜
出すこともなく盛土の支持を安全かつ、有効に行えるこ
とに加えて、粘性土による盛土の圧密をも早期に達成し
えて好質の盛土を提供するといった優れた効果を奏する
ことができる。また、この盛土の内方から盛土壁端面に
向って下り勾配となるように設けられた保護層とすれ
ば、その排水作用によって、前記盛土内に発生した浸透
水を盛土の外部に排水を行えるので、保護層内に滞水す
ることがなく、したがって、粘性質土の含水率を高めて
流動化させて抜出し抵抗をさらに弱めたりするようなお
それを排除することができるといった効果を奏すること
もできる。
本発明の第3の態様は、前記保護層に隣接した状態で自
硬性材からなる不同沈下防止層が設けられている構成と
したので、特に、粘性質土を主体とした盛土材を採用し
て盛土を施工した場合に重機荷重による転圧、敷均しの
際のジオテキスタイルの不同沈下を防ぐことができる。
この盛土に施工時に敷均し転圧がかかった場合や、施工
後の盛土の圧密の進行により盛土が沈下する場合、盛土
材と不同沈下防止層とが一体となって沈下しようとする
ため、盛土の施工中あるいは施工後に車両荷重その他の
いわゆる活荷重が繰り返してかかったような場合に、そ
の繰り返し荷重を盛土の水平面に対して均一に分散し、
ジオテキスタイルにかかる上載荷重を均等に分散でき、
前記活荷重等の繰り返し荷重による盛土内のジオテキス
タイルや盛土の地表面の不同沈下を防止することができ
るといった効果を奏することができる。
本発明の第4の態様は、前記保護層に覆われた状態で自
硬性材からなる不同沈下防止層が設けられるとともに、
前記ジオテキスタイルが前記不同沈下防止層に接して設
けられてなる構成としたので、盛土材と不同沈下防止層
との接触を完全に遮断し、ジオテキスタイルにかかる転
圧時の活荷重等の繰り返し荷重を完全に分散吸収し、か
つ、ジオテキスタイルを損傷しないといった優れた効果
を奏することができる。しかも、保護層による排水作用
をも発揮することによって、盛土材として、例えば粘性
質土を使用した場合においても盛土内に発生した浸透水
の排水を妨げることなく有効に行うことができ、排水等
の面から盛土材として不適当な盛土材の適用範囲を拡大
することができるとともに、盛土の安定を図ることがで
きるといった効果を奏することができる。
本発明の第5の態様は、前記ジオテキスタイルの所定位
置に自硬性材からなる不同沈下防止層兼用の抜止用突起
が突設されている構成としたので、抜止用部材によって
盛土の敷均し転圧時や施工後の活荷重等の繰り返し荷重
あるいは地震時の際に生じるジオテキスタイルの不同沈
下と抜け出しとに対して枕木効果と突起効果とによって
抗するので、ジオテキスタイルを盛土内に安全かつ、安
定した状態で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の第1の実施例を示す側断面図、第2
図は本発明の第2の実施例を示す部分側断面図、第3図
(イ)および(ロ)は本発明の第3の実施例を示す部分
側断面図、第3図(ハ)は本発明の第4の実施例を示す
部分側断面図、第4図ないし第6図は本発明の第5の実
施例を示す部分側断面図、第7図は本発明の第6の実施
例を示す部分側断面図、第8図は第3図(ロ)の部分拡
大図、第9図は第4図の部分拡大図、第10図および第11
図は本発明の第7の実施例を示す側断面図、第12図およ
び第13図は本発明の第7の実施例を示す側断面図、第14
図は盛土の一従来例を示す側断面図である。 10……盛土材、 11……盛土、 12……保護層、 17……不同沈下防止層、 19……抜止用突起、 G……地盤。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大粒径塊片土砂からなる盛土材が盛り立て
    られて構成された盛土と、この盛土内にほぼ水平に設け
    られた砂質土等からなる保護層と、この保護層内に埋設
    されたジオテキスタイルを備え、かつ、前記ジオテキス
    タイルが前記保護層に覆われて前記盛土材との接触を遮
    断されてなることを特徴とする盛土の構造。
  2. 【請求項2】粘性土からなる盛土材が盛り立てられて構
    成された盛土と、この盛土内の盛土内方から盛土壁端面
    に向って下り勾配に設けられた砂質土等からなる保護層
    と、この保護層内に埋設されたジオテキスタイルを備
    え、かつ、前記ジオテキスタイルが前記保護層に覆われ
    て盛土材との接触を遮断されてなることを特徴とする盛
    土の構造。
  3. 【請求項3】前記保護層に隣接した状態で自硬性材から
    なる不同沈下防止層が設けられていることを特徴とする
    請求項1もしくは請求項2記載の盛土の構造。
  4. 【請求項4】前記保護層に覆われた状態で自硬性材から
    なる不同沈下防止層が設けられるとともに、前記ジオテ
    キスタイルが前記不同沈下防止層に接して設けられてな
    ることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の盛
    土の構造。
  5. 【請求項5】前記ジオテキスタイルの所定位置に自硬性
    材からなる不同沈下防止層兼用の抜止用突起が突設され
    ていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうち
    いずれか1の請求項記載の盛土の構造。
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