JPH0765190B2 - 内面にCu―Sn合金層を有する給水・給湯用銅管及びその製造方法 - Google Patents

内面にCu―Sn合金層を有する給水・給湯用銅管及びその製造方法

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JPH0765190B2 JP2250115A JP25011590A JPH0765190B2 JP H0765190 B2 JPH0765190 B2 JP H0765190B2 JP 2250115 A JP2250115 A JP 2250115A JP 25011590 A JP25011590 A JP 25011590A JP H0765190 B2 JPH0765190 B2 JP H0765190B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、淡水配管系、すなわち建物等の給水給湯系の
配管に使用される内面Snめっき銅管とその製造方法に関
し、特に銅イオン溶出防止と、皮膜の耐剥離性に優れ、
さらに電位的に安定な内面Snめっき銅管とその製造方法
に関する。
[従来の技術] 上水道の給水用配管材料としては銅管、鋼管、ステンレ
ス鋼管、塩化ビニール管等が使用されている。このなか
でも銅管は、長尺であってもコイル状に巻き上げ、運搬
を容易にすることが可能であり、また工事の施工性や
水、温水に対して耐食性が良好であることで広く使用さ
れており、特に建築用配管には多く使用されている。し
かし、特殊な水質条件下(たとえばpHが比較的低い上
水)では、銅管内表面から銅イオンが溶出し、水中の銅
イオン濃度が厚生省の上水道水水質基準である1ppm以上
になることがある。また、銅イオン量が1ppm以下であっ
ても、洗剤の種類により、青色に着色されることがあ
り、水中の銅イオンの量は少ないほうが望ましい。この
銅イオンの溶出を減少させる方法として、Cu−Mg系合金
等の開発または給水中へ薬剤の投入が行われてきた。し
かし、合金系では、溶解、鋳造、加工等の製造方法が繁
雑となり、高価になる。また。給水中への薬剤の投入で
は薬剤の補充、投入設備の新設等が必要であった。
これらを解決するために、銅管の内面に低融点の金属ま
たは合金とフラックスを被覆した後加熱することにより
合金を被覆し、耐食性を向上させたもの(特開昭60−20
0954号公報、特開昭60−200975号公報、特開昭62−6171
7号公報、特開昭62−61718号公報)、内面にCu−Snの合
金層を形成させた銅管(特開昭61−221359号公報)、銅
管内に溶融状態のメッキ金属をフローティングプラグを
用いてメッキする方法(特開昭62−61716号公報)等が
提案されている。
また本発明者等は、銅管内表面に厚さ3μm以下に積層
されたSn結晶粒からなるSnメッキ皮膜を有する給水・給
湯用面Snメッキ銅管を提案(特願平2−152844号)し
た。またSnメッキ皮膜を形成した後、80〜120℃の温水
または水蒸気で処理し、Snメッキ皮膜の上にSn酸化膜を
形成させ、耐剥離性を改善した複合被覆銅管を提案(特
願平2−206907号)した。
[発明が解決しようとする課題] 上述の従来の技術は、いずれもそれなりにそれ相当の性
能が得られるものであるが、メッキ金属粉末とフラック
スとを銅管内面に均一に塗着し、加熱を行って皮膜を形
成することは、高度な技術熟練を必要とする作業であ
り、常に一定品質の製品を提供することは困難であっ
た。また、このようなメッキ手段は、管の直径に対し長
さの短い管材には適用できるが、給水・給湯用配管のよ
うな管の直径に対し長さの長い管材(通常内径15.88m
m、長さ4m以上)には適用できなかった。
また、銅表面から銅イオンが溶出するのを避けるために
は、銅表面をSnで被覆することは、公知である。しかも
ユーリックの著書に「銅イオンによる水の汚染は、銅管
の内面をSnで被覆することによって(tinned copper)
避けることができる。この被覆に孔(pore)が存在する
と、SnまたはCu−S金属間化合物がCu′に対してカソー
ドとなって、Cuが露出した部分の腐食が促進されるの
で、孔は避けなければならない」(H.H.ユーリック著
「腐食反応とその制御−原理と応用−CRROSION AND COR
ROSION CONTROR」産業図書(1968)p275)とあるよう
に、忌み嫌われていた。
しかし、置換メッキまたは化学還元メッキで形成された
皮膜は、微小孔があっても、Snの水素過電圧が高くなる
ため、または犠牲陽極効果により、銅イオンが溶出しな
いことが判り、銅管内表面に厚さ3μm以下に積層され
たSn結晶粒からなるSnメッキ皮膜を有する給水・給湯溶
内面Snメッキ銅管を提案した。しかし、長期間使用する
と銅イオンの溶出が検出されることがあった。これは管
内面を流通する液体の速度等の条件が変わるためで、Sn
メッキ層がエロージョンにより磨耗・剥離し、Snメッキ
層の被覆率が50%以下となっていることが原因であるこ
とが判った。
そこで本発明の目的は、銅管の内面を、従来考えられて
いなかった置換メッキ法または化学還元メッキ法によ
り、厚さ3μm以下のSnメッキ層で被覆し、長期の使用
に対しても水道水による銅イオンの溶出を軽減し、しか
も安価で取り扱い容易な内面処理銅管とその製造方法を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ね
た結果、置換メッキまたは化学還元メッキによる極めて
薄い皮膜は、たとえ微小な孔が存在する皮膜であって
も、銅イオンの溶出防止に十分な効果があること、及び
Snメッキ層と銅との間にCu−Sn合金層が存在すると耐剥
離性と耐食性が向上することを知見し、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明の要旨は、銅管内表面に
ε相、ε相とη相との混合相を有するCu−Sn合金層を有
し、かつこれら合金層の厚さの和が3μm以下である内
面にCu−Sn合金層を有する給水・給湯用銅管を第1の発
明とし、さらに前記ε相とη相との混合相を有するCu−
Sn合金層の上にSn層を有するものを第2の発明とし、ま
た、コイル状の銅管の端部開口部から管内部に、メッキ
前処理液および置換メッキ液または化学還元メッキ液を
流通させ、厚さ3μm以下のSnメッキ被膜を銅管内面に
形成させた後、120〜220℃に加熱し5時間以内保持し、
合金化処理することにより給水給湯用銅管を製造する方
法を第3の発明とするものである。
[作用] 本発明は、非常に薄く、たとえ微小孔が存在しても、銅
合金上にCu−Sn合金層とSn析出粒が積層されたSnメッキ
皮膜が、銅管内面に存在することが特徴である。
析出粒が積層されること Snの置換メッキにおいては、銅と錫との置換反応によっ
て析出が進行する。第2図に示した走査電子顕微鏡の写
真から、メッキの析出過程は、析出粒が積層された形態
は、(a)ないし(e)に示すような状態で、各時間ご
とに析出粒が積層されたものである。この皮膜形成過程
を模式的に第1図(a)ないし(c)に示した。化学還
元メッキにおいては、表面の触媒活性により皮膜が積層
される。
SnおよびSh−Cu合金層の厚さ Sn含有皮膜の厚さは、銅イオンの溶出を防止するために
は、0.1μm以上存在することが好ましい。また、置換
メッキの場合には、銅と錫との置換反応によって析出が
進行するため、メッキ厚さとして3μm、Sn含有皮膜の
厚さとして3μmが限度である。化学還元メッキでは、
反応が遅く、被着に長時間を要することおよびSn含有皮
膜の厚さとして3μm以上となっても銅イオンの溶出防
止効果が飽和するので、3μm以下が好ましい。
銅イオンの溶出を防止するには、銅が露出していないこ
とが最も好ましい。たとえば、ユーリックの著著に「銅
の露出部分における腐食が促進されるので孔は避けなけ
ればならない。」とあるように、忌み嫌われていた。し
かし、置換メッキまたは化学還元メッキで形成された皮
膜は、被覆率が50%以上であれば、Snの水素過電圧が高
くなるため、または犠牲陽極効果により、銅イオンが溶
出しないことが推定される。本発明はたとえ銅が露出し
ていても、Snメッキの後合金化処理したSn含有皮膜の存
在によって、溶出を防止できることにある。しかし、被
覆率が50%以下ではこの効果が得られなくなる。
Cu−Sn合金層 銅母材と錫メッキ層とのCu−Sn合金層は、第3図(a)
(b)に示すように、Cu−Sn合金のε相1とε相とη相
とが共存する組織2となっているので、耐食性及び耐剥
離性を向上させる効果がある。合金化処理温度が220℃
以上となるとSnが半溶融状態となり、Snメッキ相が不均
一となり、耐食性及び耐剥離性が劣化する。また、120
℃以下では合金層を精製させるのに長時間がかかり、好
ましくない。
Cu−Sn合金層の上にSn層が存在することにより、犠牲陽
極効果により初期の銅イオン防止効果が得られる。ま
た、表面までCuが存在することにより淡水中で電位的に
安定な複合酸化皮膜が得られ、耐剥離性を向上させ、か
つ耐エロージョン性を向上する。
また、Cu−Sn合金層は、CuとSnとの相互拡散により形成
されるものであることから、表層のSn層とCu−Sn合金層
の和は、Snメッキ時のメッキ厚さよりも厚くなる。本発
明ではこの和を3μm以下とした。なお、Sn層及びCu−
Sn合金層の厚さの測定は、オージェで皮膜表面をスパッ
タしながらSnとCuとを検出し、第4図に示すように検出
量と時間との曲線を求め、表面からSn量が50%になる位
置までをSn層とした。
また、成膜された表面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察した組織は、第5図(a)に示すようにSnの析出
粒子が積層されている、さらに合金化された層の上にSn
層が存在する場合は、第5図(b)に示すように、Sn析
出粒子の下側の合金化層も粒子の集まりであることが判
る。
次に、製造方法について説明する。
管内部に処理液を連続的に流通させること 管内部に処理液を連続的に流通させることは、管内面の
処理を行うのは特には発明力を要しないが、給水、給湯
用銅管のような直径に対する長さの長いものに対しては
有効である。また、処理液として置換メッキまたは化学
還元メッキを用いるのは、メッキ皮膜の析出速度が遅い
ため、銅管の内面に薄い皮膜を均一に形成させる効果が
ある。
メッキ液中のSn濃度 Sn濃度は、メッキ厚さに最も影響を及ぼすものであり、
1g/以下では皮膜形成速度が低く、温度をあげても長
時間を必要とするので工業的に不利である。20g/を越
えるとメッキ液の種類によっては溶解が飽和し、液が製
作できなくなる。
処理時間 置換メッキは、銅と錫との置換反応によって析出が進行
するため、露出した銅部分が少なくなれば、析出が低下
するので、皮膜厚さを制御するには処理時間を調整する
のが好ましい。また、化学還元メッキは、メッキ液を新
しく更新すれば、厚いメッキ厚さが得られるが、皮膜厚
さを制御するには、析出速度は1μm/hr程度であるの
で、処理時間を調整するのが好ましい。温度は、メッキ
厚さに影響を及ぼし、温度が高いほどメッキ速度が速く
なり好ましいが、80℃以上ではメッキ液に分解が起こる
ので好ましくない。
合金化処理 メッキ層の合金化処理は、メッキ処理されたコイル状の
銅管を加熱炉中で120〜220℃に加熱することにより行
う。処理温度が120℃以下では合金層の生成に時間がか
かり、工業的でない。また220℃以上となるとSnが半溶
融状態となり、Snメッキ層が不均一になる。また、管状
態で加熱されるので、溶融したSnが垂れ下がり、不均一
になる。
[実施例] 本発明の実施例について説明する。
実施例1 一辺の長さが100mmの脱酸銅の板材を用意し、下記に示
す工程で第1表に示す置換メッキ液および化学還元メ
ッキ液を用い、液温度を60℃とし、処理時間を種々変
えたメッキを行い、メッキ厚さが種々変化した試験材を
得た。
アルカリ脱脂→水洗→酸洗(高濃度酸性溶液)→水洗→
中和(希薄酸性溶液)→メッキ→水洗→湯洗→乾燥 得られた試験材の一部を、塩酸溶液で溶解し、重量減少
量からメッキ厚さを計算によって求め、第2表に示すよ
うなメッキ厚さを有する試験材を得た。また得られた試
験材の一部を180℃の加熱炉に2時間装入し、皮膜の合
金化を行い、下記の各種試験を行った。銅イオン溶出試
験試験材を水道水中に24時間浸漬し、水道水中に溶出し
た銅イオン量を、原子吸光光度分析法によって測定し
た。この場合剥離試験前の銅イオンの溶出量として第2
表に示した。
耐剥離性試験 耐剥離性試験は、温水槽(15)と冷水槽(15)をも
った温水負荷試験装置(第6図に概要を示す)を用い、
試験材を挿入し、皮膜側を温水槽にさらし、温水負荷サ
イクルを42回行った。温水負荷サイクルは、80℃まで約
120分間で昇温し、20分間保持した後、約90分間で常温
まで降温するものである。槽内の液はマグネットスター
ラーにより撹拌し、常時流動状態とした。剥離率は、試
験片の表面を写真に撮った後、この写真を、画像解析装
置により求めた。それらの結果を第2表に示した。ま
た、これらの耐剥離試験後の試験材を上記銅イオン溶出
試験を行い、剥離試験後の銅イオンの溶出量として第2
表に示した。
ジェット試験 強度な剥離試験として英国非鉄協会で定められているジ
ェット試験を行い、メッキの密着性、浸食深さおよび銅
イオン溶出量を測定した。ジェット試験は第7図(a)
に示すように、直径2mmのジェット水噴出口から流速10m
/sの水道水を試料面に直角に噴射し、30日間試験する。
試験材は、厚さ0.71mm、幅25mm、長さ80mmの板状の銅板
または半割円筒状の銅管を使用した。なお、試験材取付
け部の詳細および試験装置の概要を第7(b)図に示
す。
皮膜密着性は、上述の剥離試験と同様皮膜の剥離量で測
定し、耐食性はジェット試験後の表面近傍の断面を光学
顕微鏡で観察しながら、ジェット水による侵食深さを測
定した。また、銅イオン溶出量は上述の剥離試験後の材
料と同様にして測定した。それらの結果を第2表に示
す。
これらから発明例のNo1〜6は、Cu−Sn合金層が存在す
るSnメッキ皮膜の厚さが0.1μm以上存在するため、銅
イオン溶出量が0.08ppm以下で、またメッキ皮膜の剥離
試験を行った後の銅イオン溶出量は、剥離試験前とほぼ
同等であり、良好である。これに対し、比較例のNo.7〜
11は、メッキ皮膜厚さが0.05および0.01μmと薄いた
め、銅イオン溶出量が0.18〜0.36ppmと多くなった。
No.11〜16は、いずれも剥離試験した後のイオン溶出量
が0.09〜0.23ppmと多くなった。
また、ジェット試験後の表層断面の侵食状況を光学顕微
鏡の100倍で観察し、第8図(a)ないし(c)に示し
た。第2表のNo.4の試験材は、第8図(a)に示すよう
に侵食が見られなかったが、No.7の試験材には、第8図
(b)に示すように侵食が見られた。さらに参考として
浸漬メッキの場合を第8図(c)に示すように0.06mmの
侵食深さが見られた。
実施例2 外径15.88mm、肉厚0.71mm、長さ50mの脱酸銅管のコイル
を用意し、第1表に示した置換メッキ液および化学還元
メッキ液を銅管内部に循環させ、メッキ処理時間および
メッキ処理温度を種々変化させてメッキ厚さの異なる内
面メッキ銅管を得た。
得られた銅管について、コイルの両端および中央部から
長さ500mmの試験材を切り出し、メッキ皮膜の厚さおよ
び銅イオン溶出試験を行った。
メッキ皮膜の厚さの測定は、銅管内に塩酸溶液を充填
し、Sn層を溶解させ、重量減少量からメッキ厚さを計算
によって求めた。
さらに得られた試験材の一部を200℃の加熱炉に0.5時間
挿入し、皮膜の合金化を行った。
銅イオン溶出試験は、500mmの銅管に水道水を充填・密
封し、24時間後における銅イオン溶出量を、原子吸光光
度分析法によって測定した。それらの結果を第3表に示
した。また耐剥離性は、銅管の内部に温水及び水道水を
交互に168時間流通させることによって試験を行い、メ
ッキ剥離量と銅イオン溶出量を測定した。それらの結果
もまた併せて第3表に示した。
ジェット試験は、実施例1で使用した試験材取付け治具
に半割銅管を取付け行った。その後の皮膜剥離量と銅イ
オン溶出量を測定した。それらの結果を第3表に示す。
合金化処理時間および合金化処理温度が発明の範囲内に
あるNo.17〜27は、メッキ厚さとして0.6μm以上、合金
層として0.12μm以上が得られ、銅イオン溶出量も0.08
ppm以下となり、良好である。
これに対し、比較例のNo.28および32は、いずれも合金
化処理温度が120℃未満と低いため合金層の厚さ0.06μ
m以下となり、メッキ剥離試験後の銅イオン溶出量が0.
1ppm以上となった。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したように構成されているので、簡
単に銅管内面へ薄いSnメッキ皮膜を形成させることが可
能となり、銅イオンの溶出を防止し、しかも継手部品も
従来のものをそのまま使用できるという効果が奏され、
産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)(c)は、本発明による皮膜の生成
過程を示す模式図であり、Sn析出物が積層される状況を
示し、第2図(a)〜(e)は本発明の置換メッキによ
るSn金属結晶が積層された構造を示す走査型電子顕微鏡
写真図であって、第2図(a)は1分後、第2図(b)
は5分後、第2図(c)は10分後、第2図(d)は30分
後、第2図(e)は60分後の様子を示し、第3図は皮膜
を模式的に示すものであり、(a)はSn層のみ、(b)
は本発明の合金化処理された層の上にSn層の皮膜が存在
する皮膜を、(c)は浸漬メッキ(参考)された皮膜を
示す図、第4図は皮膜表面近傍をオージェ分析器で検出
したSnとCuとの変化を示す図、第5図(a)(b)は本
発明の置換メッキによるSn層を合金化した表面の金属組
織を示す走査型電子顕微鏡写真図であって、第5図
(a)はSn層表面を、第5図(b)はSn層表面が剥離
し、合金化層が顕出した状態を示し、第6図は皮膜の剥
離試験を行った温水負荷試験装置の概要図である。第7
図(a)(b)(c)は、平板の皮膜の強度な剥離試験
を行うジェット試験装置の概要を示す図であり、第7図
(a)は試験材取り付け部を拡大した正面図、第7図
(c)は同(a)の側面図、第7図(b)は装置全体の
概要を示す図、第8図(a)(b)(c)はジェット試
験後のメッキ表面断層の金属組織侵食状況を示す光学顕
微鏡写真図であって、第8図(a)は侵食が無い状態
を、第8図(b)は侵食された状態を示しており、第8
図(c)は浸漬メッキした場合の侵食状況を示したもの
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】給水・給湯用銅管の内部表面メッキ構造に
    おいて、母材である銅の上にε相のCu−Sn合金層、ε相
    の上にε相とη相の混合相であるCu−Sn合金層を有し、
    これら合金層の厚さの和が3μm以下であることを特徴
    とする内面にCu−Sn合金層を有する給水・給湯用銅管。
  2. 【請求項2】給水・給湯用銅管の内部表面メッキ構造に
    おいて、母材である銅の上にε相のCu−Sn合金層、ε相
    の上にε相とη相の混合相であるCu−Sn合金層、さらに
    該ε相とη相の混合相であるCu−Sn合金層の上にSn層と
    を有し、かつこれら合金層とSn層の厚さの和が3μm以
    下であることを特徴とする内面にCu−Sn合金層を有する
    給水・給湯用銅管。
  3. 【請求項3】コイル状の銅管の端部開口部から管内部
    に、メッキ前処理液および置換メッキ液または化学還元
    メッキ液を流通させ、厚さ3μm以下のSnメッキ皮膜を
    銅管内面に形成させた後、120〜220℃に加熱し5時間以
    内保持し、皮膜を合金化処理することを特徴とする内面
    にCu−Sn合金層を有する給水給湯用銅管の製造方法。
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