JP3206647B2 - 内面Sn−Zn合金めっき銅管 - Google Patents

内面Sn−Zn合金めっき銅管

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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16L58/08Coatings characterised by the materials used by metal

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
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  • Chemically Coating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水道水や給湯水を
流す銅管であって、その内面にSn−Zn合金皮膜が形
成された銅管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水道水や給湯水の配管材料としての銅管
は、長尺であってもコイル状に巻き上げて運搬すること
ができ、工事の施工性が良好であって、水道水や給湯水
に対して耐食性が高いなどの理由で広く使用されてい
る。しかしpHが比較的低い水質条件下では銅管の内表
面から銅イオンが溶出するため、内面にSnめっきを施
した銅管が提案されている(特開平4−45282)。
この内面にSnを被覆した銅管は施工時における種々の
加工に対してもSnめっき皮膜が剥離せず実用的であ
り、しかもSnめっき皮膜が比較的厚ければ銅イオンの
溶出が抑制され、孔食を防止することができる。またそ
の被覆方法が銅管内面に無電解Snめっき液を流通させ
ることにより行うため、長尺の銅管にも適用できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平4
−45282号公報に示されるSnめっき銅管では、め
っきした銅管を水道水中で24時間浸漬し、水道水中に
溶出した銅イオン量を調べると、Snめっき皮膜の厚さ
が0.4μm以下になった場合、0.03ppm以上の
銅イオンの溶出が見られることがあり、未だ改善すべき
点がある。本発明の目的は、銅管内面にめっき処理を行
った後で、めっき皮膜が薄くても銅イオンの溶出を確実
に抑制することができる内面Sn−Zn合金めっき銅管
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
銅管の内面にZnの含有量が0.1〜1000ppmで
あるSn−Zn合金めっき皮膜が形成された内面Sn−
Zn合金めっき銅管である。従来のSnめっき皮膜より
もSn−Zn合金めっき皮膜の方が酸化還元電位が卑と
なり、より優れた犠牲陽極効果が得られるため、銅の溶
出試験において、Sn−Zn合金めっき皮膜はSnめっ
き皮膜よりも銅の溶出を確実に抑制できる。Znの含有
量が0.1ppm未満となると、従来のSnめっき皮膜
に近いめっき皮膜となり、銅の溶出抑制効果が低下する
ようになる。また上限の1000ppmを超えるとZn
の選択溶出を生じるようになる。好ましくは1〜100
ppmである。
【0005】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、Sn−Zn合金めっき皮膜の膜厚が0.1
〜5.0μmである請求項1記載の内面Sn−Zn合金
めっき銅管である。めっき皮膜の厚さを上記範囲にする
ことにより、より確実に銅イオンの溶出を抑制すること
ができる。特にこの下限値の0.1μmは、0.03p
pm以上の銅イオンの溶出する従来のSnめっき皮膜の
厚さ0.4μmより小さく、この厚さにおいても銅イオ
ンは高々0.01ppmしか溶出しない。Sn−Zn合
金めっき皮膜の膜厚は0.5〜2.0μmが好ましい。
これにより従来のSnめっき皮膜よりも短時間でめっき
処理することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のめっき処理される銅管
は、例えば給水給湯用配管材料として一般的に用いられ
るリン脱酸銅管(JIS H3300 C1220)である。またB,
Mg,Si等を脱酸剤として用いた脱酸銅管にも適用さ
れる。更に銅の含有量が96重量%以上であれば、耐食
性を向上するためにSn,Al,Zn,Mn,Mg等が
微量に添加された銅合金管についても適用される。本発
明の銅管の内面めっきは、2価のSnイオンを0.01
〜0.25モル/lと、2価のZnイオンを0.03〜
0.5モル/lと、チオ尿素及びその誘導体のうち1種
以上を0.3〜2.0モル/lと、塩酸、硫酸、リン
酸、ホウフッ化水素酸の無機酸、アルカンスルホン酸、
アルカノールスルホン酸、芳香族スルホン酸の有機酸か
ら選ばれた1種以上の遊離酸を0.3〜2.0モル/l
含むめっき液により無電解めっき処理されて作られる。
【0007】次にめっき液成分について詳述する。 (a) 2価のSnイオン めっき液中で2価のSnイオンの濃度が0.1モル/l
未満となると、Snの析出が不十分となり、めっき時間
を長くしても十分なめっき膜厚が得られなかったり、或
いはめっき皮膜にピンホールが増加するようになる。ま
た溶解度の関係で上限の0.25モル/lが決められ
る。2価のSnイオンの供給源としては酸化第一錫、塩
化第一錫、硫酸第一錫、メタンスルホン酸錫等を用いる
ことができる。 (b) 2価のZnイオン めっき液中で2価のZnイオンの濃度が0.03モル/
l未満となると、Znの析出が不十分となり、Znを含
まないSnめっき皮膜が形成され、銅の溶出抑制効果が
低下するようになる。また溶解度の関係で上限の0.5
モル/lが決められる。2価のZnイオンの供給源とし
ては酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛等を用いることがで
きる。
【0008】(c) チオ尿素等 本発明では、チオ尿素及びその誘導体のうち1種以上が
銅イオンの錯化剤として用いられる。この錯化剤はCu
イオンと強く錯形成してめっき液中の銅イオン活量を著
しく低下させ、めっき液中でのCuの標準電位をSnの
標準電位と逆転させて卑とすることによりSnの置換析
出を行うために加えるものである。この錯化剤を含んだ
めっき液中でも、Znは標準電位がSnよりも卑である
ためCuとの標準電位の逆転は起こらず、従ってCuと
Znの置換反応は起こらないが、Snイオンが還元され
る際に近傍のZnイオンも誘導されて還元され、Sn−
Zn合金めっき皮膜が銅表面に形成されるものである。
チオ尿素及びその誘導体のうち1種以上の濃度が0.3
モル/l未満となると、上記置換が起こらなくなり、S
n及びZnが析出しにくくなる。また溶解度の関係で上
限の2.0モル/lが決められる。チオ尿素の誘導体と
してはN−メチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿
素等を用いることができる。
【0009】(d) 遊離酸 遊離酸はめっき液のpHを下げ、銅の溶出を促して置換
反応を起こりやすくさせるとともに、Snイオン、Zn
イオンを2価の状態で安定して溶解させるために加える
ものである。遊離酸の濃度が0.3モル/l未満となる
銅の溶出が不十分となり置換反応が起きにくく均一なめ
っき皮膜が得られなくなる。また2.0モル/lを超え
ると析出したZnの再溶解が起き易くなり、好ましくな
い。遊離酸としては塩酸、硫酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸の無機酸、アルカンスルホン酸、アルカノールスル
ホン酸、芳香族スルホン酸の有機酸から選ばれた1種以
上の酸が用いられる。
【0010】(e) その他の成分 その他の成分として、有機カルボン酸や界面活性剤があ
る。有機カルボン酸はめっき液中のSnイオン、Znイ
オンと弱い錯体を形成し析出状態をコントロールするこ
とにより析出速度や析出組成を制御する作用を持つ。有
機カルボン酸としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グ
ルコン酸、コハク酸、エチレンジアミン4酢酸(EDT
A)等を用いることができる。また均一かつ平滑なめっ
き皮膜を得るために界面活性剤を加えてもよい。界面活
性剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、塩化ラウリルピ
リジウム、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチル
フェニルエーテル(商品名:トリトンX−100)等が
挙げられる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 <実施例1〜24>表面積が1dm2(50mm×10
0mm、厚さ0.5mm)の脱酸銅の板材を24枚用意
した。これらの板材を60℃、10分間アルカリ脱脂
(上村工業製:C−4000)し、次いで水洗し、10
%の過硫酸ナトリウムで25℃、2分間ソフトエッチン
グした後、更に水洗し、10%の硫酸で25℃、30秒
間酸洗いした。次に表1及び表2に示すA〜Fの6種類
の1リットルのめっき液を用い、表3に示すめっき液温
度及びめっき時間で上記板材をめっき液にマグネチック
スターラで撹拌しながら浸漬し、無電解めっきを行っ
た。めっきを行った後、水洗し、乾燥した。上記処理に
より無電解めっきされた24種類の試験片を得た。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】<比較例1〜16>実施例1と同形同大で
同質の脱酸銅の板材を16枚用意した。これらの板材を
実施例1と同一工程で無電解めっきを行った。ここでめ
っき液A〜D中の硫酸亜鉛又は塩化亜鉛を除外した。そ
れ以外は、実施例1〜16と同一の成分にした。これら
をめっき液G〜Jとした。上記処理により無電解めっき
された比較例の16種類の試験片を得た。
【0015】<比較試験と評価>得られた実施例1〜2
4及び比較例1〜16の試験片について、めっき皮膜の
厚さ及び銅イオンの溶出量を測定した。また実施例1〜
24についてめっき皮膜中のZnの含有量を測定した。
試験片は二分して50mm×50mmの大きさに切断
し、5%硝酸50mlに浸漬し、めっき皮膜を溶解し
た。この溶液を発光分析法により定量し、析出皮膜中の
Znの割合を百分率で求め、更に計算によりめっき皮膜
の厚さを求めた。また銅イオンの溶出量は二分したもう
一片の各試験片の断面からの溶出を防ぐためにマスキン
グテープを貼った後、試験片を100ppmに希釈した
HCl水溶液500mlに50℃で5時間浸漬し、Cu
の溶出量を発光分析法により測定した。
【0016】実施例1〜24の結果を表3に、また比較
例1〜16の結果を表4に示す。
【0017】
【表3】
【0018】
【表4】
【0019】表3及び表4から明らかなように、比較例
1〜16ではZnを含有したSnめっき皮膜はめっき皮
膜の厚さが0.4μm以下になると、銅イオンの溶出量
が0.01ppm〜0.05ppmとなるのに対して、
実施例1〜24ではめっき皮膜の厚さが0.4μm以下
になっても、銅イオンの溶出量が0.01ppm未満で
あり、銅の溶出を確実に防止することが確認された。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の内面Sn−
Zn合金めっき銅管によれば、従来の内面Snめっき銅
管と比較して、めっき処理を行った後で、めっき皮膜が
薄くても銅イオンの溶出を確実に抑制することができる
優れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−333686(JP,A) 特開 平7−118873(JP,A) 特開 平7−118865(JP,A) 特開 平4−45282(JP,A) 特開 平7−252693(JP,A) 特開 平6−116749(JP,A) 特開 平3−162587(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54 F16L 9/02 F16L 58/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅管の内面にZnの含有量が0.1〜1
    000ppmであるSn−Zn合金めっき皮膜が形成さ
    れた内面Sn−Zn合金めっき銅管。
  2. 【請求項2】 Sn−Zn合金めっき皮膜の膜厚が0.
    1〜5.0μmである請求項1記載の内面Sn−Zn合
    金めっき銅管。
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