JPH0765111B2 - 二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents

二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造方法

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JPH0765111B2
JPH0765111B2 JP63038931A JP3893188A JPH0765111B2 JP H0765111 B2 JPH0765111 B2 JP H0765111B2 JP 63038931 A JP63038931 A JP 63038931A JP 3893188 A JP3893188 A JP 3893188A JP H0765111 B2 JPH0765111 B2 JP H0765111B2
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stainless steel
duplex stainless
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temperature
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辰雄 鎮守
詔八郎 田村
芳治 中川
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、二相ステンレス鋼の鋼帯を、耳割れなどの
欠陥なしに、効率良く製造する方法に関する。
(従来の技術) 二相ステンレス鋼は耐海水性をはじめとする優れた耐食
性を有するため、各種化学工業プラントや海洋構造物な
どに使用分野が拡大している。
しかし、二相ステンレス鋼は熱間加工性が良くないた
め、連続熱間圧延で鋼帯を製造するのは必ずしも容易で
はない。即ち、二相ステンレス鋼の熱間圧延では、シグ
マ脆化のため耳割れ等の表面欠陥が発生し、475脆性の
ためコイル破断が起こりやすい。特に、結晶粒の大きい
連続鋳造スラブでは、耳割れの発生率が高い。これらの
理由から、従来、二相ステンレス鋼鋼帯は鋼塊法で製造
したインゴットから分塊して得たスラブを使用して製造
してきたが、この方法では能率が悪く、歩留りも良くな
い。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、生産能率が高く、歩留りと省エネルギーの面
からも望ましい連続鋳造法を利用し、これによって製造
したスラブを耳割れなどの欠陥なしに圧延して鋼帯を製
造する新しい方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、「Bを0.0020〜0.0080重量%含有する二相ス
テンレス鋼の連続鋳造スラブを1150〜1300℃に加熱して
粗圧延を行い、再度1150〜1300℃の温度に加熱し、仕上
げ温度950℃以上で熱間圧延し、450℃以下で巻き取るこ
とを特徴とする二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造方法」
をその要旨とする。
まず、本発明において二相ステンレス鋼と称するのは、
常温でフェライトとオーステナイトの二相組織となるス
テンレス鋼であって、その一般的な組成は、Cr:18〜25
%、Ni:4〜8%を主成分とし、数%のMo、Cu、Si等を単
独または複合添加したもの、或いは更にN、W、V、Nb
などの副成分を添加したもの、である。
本発明の方法は、上記のような二相ステンレス鋼にBを
0.0020〜0.0080%含有させたものを対象とする。(この
明細書において、成分含有量の%は全て重量%であ
る。) Bは、結晶粒界にB炭窒化物として微細に析出し、結晶
粒微細化の効果とともに他の不純物の粒界析出を防止す
る効果を持ち、粒界の脆化を防止する。従って、Bを適
正含有させた二相ステンレス鋼では熱間圧延時に粒界か
ら発生する耳割れが少なくなる。かかる効果が顕著にな
るのは、含有量が0.0020以上となったときである。一
方、Bの含有量が、0.0080%を超えるとB炭窒化物の析
出物が粗大になりかえって耳割れを発生しやすくなり、
また靭性にも悪影響がでる。
本発明はあらゆる二相ステンレス鋼の熱延鋼帯の製造に
適用できるが、対象鋼種として望ましいものを例示すれ
ば、下記のような組成をもつ二相ステンレス鋼である。
C:0.05%以下、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、P:0.04%
以下、S:0.03%以下、Cu:0.60%以下、Ni:5.0〜9.0%、
Cr:22〜35%、Mo:0.5〜5.0%、N:0.30以下、残部Feおよ
び不可避不純物からなる二相ステンレス鋼、または更に
必要に応じて、V:0.05〜1.5%とNb:0.01〜0.5%とTi:0.
01〜0.5%の中の1種以上を含有する二相ステンレス
鋼。
上記のような二相ステンレス鋼を溶製し、連続鋳造によ
ってスラブとする。このスラブを、必要に応じて適度に
手入れした後、1150〜1300℃に加熱する。ここで、加熱
温度が1300℃を超えるとバーニング現象が起こってスラ
ブ形状が悪化する。一方、加熱温度が1150℃よりも低い
と粗圧延の仕上げ温度が低くなりすぎてシグマ相析出温
度で圧延することになり、圧延材にひびわれが発生す
る。
粗圧延はおよそ1100℃で開始し、粗圧延回数はスラブの
厚みと製品の厚みにもよるが、通常1回または2回でよ
い。
この粗圧延によって、スラブ表面およびコーナー近傍の
結晶粒が微細化され、また、圧延歪が残ることによっ後
の再加熱の際に再結晶を促進しスラブの整粒化が進む。
更に、最終圧延工程での圧下率を小さくできるので、加
工の厳しさによる耳割れ発生を少なくする効果もある。
粗圧延の終了時には、圧延材の温度はおよそ950〜1050
℃まで低下する。そこで、次の仕上げ圧延の前に再び11
50〜1300℃の温度に加熱する。この温度範囲を選ぶ理由
は、前記の粗圧延の前の加熱と同じである。
仕上げ圧延工程では、およそ150〜180mm厚の粗圧延材か
ら、およそ2〜10mm厚の鋼帯に圧延する。このとき、仕
上げ圧延(最終パスでの加工)の温度を、950℃以上に
するのが重要である。950℃より低温ではシグマ相が生
成し、そこで加工すると耳割れ等の表面欠陥が発生す
る。
上記により連続的に製造された鋼帯は、コイルに巻き取
られる。この巻き取りの温度は450℃以下にしなければ
ならない。即ち、これより高い温度で巻き取ると、475
脆性のためにコイルが破断することがある。
なお、仕上げ圧延後は、シグマ相の生成防止と工程短縮
のために、ホットランスプレーなどによって冷却を促進
するのが望ましい。
本発明は、素材の二相ステンレス鋼にBを含有させるこ
とと、前記のとおり、粗圧延の加熱温度から巻き取り温
度まで一連の条件を適切に選ぶことによって、連続鋳造
スラブを用いても耳割れなどの欠陥なく、鋼帯を製造す
ることを可能にする。このような効果が得られる理由
は、次のように考えられる。
一般に、耳割れの発生原因は、スラブ表面或いはコーナ
ー部近傍の結晶粒界にMo.W等の炭化物や窒素等の不純物
が析出し、偏析して1種の粒界脆化がおこり、圧延時の
応力によって割れが発生するためと考えられる。Bは、
微細な炭窒化物として析出するため、上記のMo、W等の
粗大炭化物や窒素の粒界析出、粒界偏析を防止する効果
がある。
また、耳割れは、スラブ表面やコーナー部の結晶粒が鋳
造組織のように粗大で、かつ偏析が多いと促進される。
本発明方法における粗圧延は、表面およびコーナー部の
結晶粒を微細化させて耳割れを少なくする。更に、粗圧
延の後、再加熱することによって、粗圧延のままでは混
粒であった結晶粒が圧延歪によって促進された再結晶に
よって整粒化され、また偏析も減少して耳割れが減少す
る。粗圧延を行えば、次の熱間圧延の圧下量は少なくで
き、それだけ圧延歪が減少して耳割れも少なくなる。
再加熱の加熱温度は、あまり高すぎると一度微細化した
結晶粒が再び粗大化する。ただし、あまりに低すぎると
仕上げ圧延温度が低くないシグマ相生成による耳割れが
起こる。好ましい再加熱温度は1200℃前後である。
(実施例) 第1表に示す3種類の鋼イ、ロ、ハを電気炉−AODのプ
ロセスで溶製し、連続鋳造によってそれぞれ異なった厚
みのスラブにした。
第1表の鋼種の各スラブをプレーナー手入れした後、第
2表の各条件で圧延をおこなって鋼帯を製造し、そのと
きの欠陥の発生状況を調べた。その結果を第2表中に併
記する。なお、耳割れは目視観察で発見して、その長さ
を計測した。
まず、第2表の比較例2をみれば、素材の二相ステンレ
ス鋼がBを含有していないために、製造プロセスは本発
明の条件を満たしているにもかかわらず、耳割れの発生
が著しい。
比較例1は、熱間圧延の仕上げ温度が低すぎるために、
Bを含む素材であるにもかかわらず、やはり耳割れが発
生している。
これらの結果に対して、本発明の実施例に相当するもの
は、耳割れの発生が極めて少ない。このことは、素材の
二相ステンレス鋼に適正量のBを含有させることと、加
工条件を適正に選ぶことの両方が重要で、この二つの要
件の総合効果として上記の効果が得られることを証明し
ている。
(発明の効果) 本発明によれば、耳割れ等の欠陥のない二相ステンレス
鋼の熱延鋼帯が連続鋳造スラブから製造できる。従っ
て、製造工程の合理化、および省エネルギーと歩留り向
上による二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造コストの低減
効果が大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−243118(JP,A) 特開 昭59−35620(JP,A) 特公 昭59−14099(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Bを0.0020〜0.0080重量%含有する二相ス
    テンレス鋼の連続鋳造スラブを1150〜1300℃に加熱して
    粗圧延を行い、再度1150〜1300℃の温度に加熱し、仕上
    げ温度950℃以上で熱間圧延し、450℃以下で巻き取るこ
    とを特徴とする二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造方法。
JP63038931A 1988-02-22 1988-02-22 二相ステンレス鋼熱延鋼帯の製造方法 Expired - Lifetime JPH0765111B2 (ja)

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JPH0717946B2 (ja) * 1990-07-11 1995-03-01 新日本製鐵株式会社 耐濃硫酸腐食性に優れた二相ステンレス鋼の製造方法
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JPS61243118A (ja) * 1985-04-18 1986-10-29 Sumitomo Metal Ind Ltd 2相ステンレス鋼熱間圧延鋼帯の製造方法

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JPH0225203A (ja) 1990-01-26

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