JPH0764894B2 - 射出成形用ポリプロピレン - Google Patents

射出成形用ポリプロピレン

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JPH0764894B2
JPH0764894B2 JP11570086A JP11570086A JPH0764894B2 JP H0764894 B2 JPH0764894 B2 JP H0764894B2 JP 11570086 A JP11570086 A JP 11570086A JP 11570086 A JP11570086 A JP 11570086A JP H0764894 B2 JPH0764894 B2 JP H0764894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性に優れ、剛性、耐熱性、透明性のバ
ランスが良好な射出成形物を成形性よく得ることができ
る射出成形用ポリプロピレンに関する。
[従来の技術] ポリプロピレンの成形性や成形物の物性を改善するため
の方法が、既に種々知られている。
例えば、ポリプロピレンを減成(デグラディエィショ
ン)して、その分子量を低下させ、溶融流れ性を改善す
る方法がある。また、プロピレンに少量のエチレンある
いはα−オレフィンをランダム共重合させたランダム共
重合体を使用して、成形物の耐衝撃性を改善する方法が
ある。さらに、プロピレンとエチレンとのブロック共重
合体を用いて、成形品の剛性、耐熱性の向上を計る方法
も知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記の諸方法にはいまだいくつかの問題
点があり、その解決が望まれている。
ポリプロピレンを単に減成したものでは、流動性は改良
されるものの成形品の耐衝撃性に劣る。また、上記ラン
ダム共重合体では成形品の耐衝撃性は改善されるが、耐
熱性、剛性が劣る。さらに、上記ブロック共重合体で
は、成形品の耐衝撃性、耐熱性はよくなるが、剛性が劣
り、特に透明性が低下するという欠点がある。
このように、従来の改質手段では耐衝撃性、剛性、耐熱
性、透明性、成形性などをバランスよく同時に改善する
ことは不可能であった。
[問題点を解決するための手段] そこで本発明にあっては、メルトフローインデックス
(MFI)が10以上で、ゲルパーミェーションクロマトグ
ラフィ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であり、アイソ
タクチックトリアド分率(mm)が93〜96.5%で、融点が
155〜160℃であり、温度190℃において、周波数ω=1
00(rad/sec)及びω=102(rad/sec)における複素
粘性率 |η|(ω)、|η|(ω)の比 |η|(ω)/|η|(ω)(但しη=η′−
iη″)が5以下であり、コモノマー含量が、0.5重量
%以下であるポリプロピレンを射出成形用として用いる
ことにより、上記問題点を解決するようにした。
本発明におけるポリプロピレンとは、プロピレン単独重
合体およびプロピレンと少量のエチレンまたはα−オレ
フィンとの共重合体を包含する。コモノマーとしてのα
−オレフィンとしては、炭素数6ないし12のものが用い
られ、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−
メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなど
が主に選ばれる。上記共重合体中でのコモノマーの存在
比は、0.5重量%以下とされる。0.5重量%を越えると成
型品の剛性が劣り不都合である。
本発明において、メルトフローインデックス(MFI)は2
30℃、2.16kgの荷重でASTM D1238−62Tの方法に準じて
測定されたものである。MFIが10未満であると、流動性
に欠け、高速成形ができなくなる。
本発明において、GPCはo−ジクロルベンゼンを媒体と
して140℃で測定される。GPCの較正はユニバーサルキャ
リブレーションにて較正した。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、Mw
/Mnが4を越えると同一MFIで比較した場合低温成形性に
劣り、また成形物の耐衝撃性が悪化する。望ましくはMw
/Mnが3.5以下、さらに望ましくは3以下が良い。
本発明におけるアイソタクチックトリアド分率mm(%)
とは、A.ZambelliらによってMacromolecules 925(1
973)に発表されている方法、すなわち、13C−NMRを使
用して測定されるポリプロピレン分子鎖中のトリアド分
率でのアイソタクチック分率を百分率で言いあらわした
ものである。言い換えると、この分率は、プロピレンモ
ノマー単位が3個連続してアイソタクチック結合したプ
ロピレンモノマー単位の分率を意味する。NMRのピーク
の帰属決定法は、Macromolecules 687(1975)に基
づいた。NMR測定は、FT−NMRの300MHZの装置を用い、積
算を30、000回行なった。
アイソタクチックトリアド分率が93.0%未満であると、
耐衝撃性は改良されるものの剛性の悪化が著しい。逆に
96.5%を越えると剛性は改良されるものの耐衝撃性に劣
る。アイソタクチックトリアド分率93〜96.5%の範囲、
望ましくは94.0〜96.0%のものが耐衝撃性および剛性の
バランスがとれて好ましい。
本発明における融点とは示差走査熱量計(DSC、パーキ
ンエルマー社製DSC−2型)にて、昇温速度20℃/minで
測定した値である。更に詳しく述べれば、まず、試料約
5mgを230℃で5分保った後、降温速度20℃/minで50℃ま
で降温し、50℃で5分保った後20℃/minで昇温した時に
あらわれる吸熱ピークの温度である。融点が160℃を越
えると耐衝撃性に欠け155℃未満のものは剛性が悪化す
る。前述のアイソタクチックトリアド分率が特定の範囲
であることを考え合わせると、本発明のポリプロピレン
は立体規則性分布が適当な範囲にあることを示してい
る。
本発明における複素粘性率の比、|η|(ω)/|η
|(ω)(ω=100rad/sec、ω=102rad/sec)
とは、レオメトリクス社製メカニカルスペクトロメータ
ーにおいて、コーンプレート(25mmφ)を用い温度190
℃にて、周波数分散測定を行なった時のωにおける複
素粘性率の|η|(ω)とωにおける|η
(ω)の比である。|η|(ω)/|η
(ω)が5より大きいと、成形物の耐衝撃製が劣り好
ましくない。
本発明のポリプロピレンの製造法については特に制限は
ないが、具体的には公知の立体規則性融媒(三塩化チタ
ン触媒または塩化マグネシウムなどの担体に担持したハ
ロゲン化チタン触媒などが挙げられる。)を用いて重合
したもの、あるいは、その重合物にアタクチックポリプ
ロピレン、あるいはポリプロピレンワックス成分を3%
以下混合したものを熱減成する方法がとられる。この熱
減成方法としては、上記重合物あるいはブレンド物を有
機過酸化物と混練する方法が実用的である。
上記有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオ
キサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド等の
ケトンパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ア
セチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ
イソプロピルベンゼンパーオキサイド等のパイドロパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、1.3ビス−(t
−ブチルパーオキシイソピロピル)ベンゼン等のジアル
キルパーオキサイド、1.1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−シクロヘキサン、その他のパーオキシケタール、t−
ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート等のアルキルパーエステル、t−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート、その他のパーカーボ
ネート等が挙げられる。
前記方法におけるポリプロピレンと、有機過酸化物との
混合は、加熱混練する前に有機過酸化物が存在していれ
ばその方法は特に制限しないが、混練温度は170〜300
℃、特に、180〜260℃が好ましい。混練に際しては、最
初のMFI0に対し、熱減成後のMFI1がMFI1/MFI0≧10、望
ましくはMFI1/MFI0≧50更に望ましくはMFI1/MFI0≧100
になるように熱減成するのが望ましい。また、熱減成後
のMFI1は10以上であることが必要であり、さらに好まし
くは50以上100以下であることが望ましい。従って、熱
減成前のポリプロピレンのMFI0はできるだけ低いことが
要求され、望ましくはMFI0<1であること。更に望まし
くはMFI0<0.5であるのが良い。混練に際しては有機系
の結晶核剤を用いても良い。
ところで、熱減成前のポリプロピレンは重合触媒の種類
によって同一の重合条件で重合を行なっても、立体規則
性や分子量分布が異なりまた融点も異なってくるため、
同一の条件で熱減成を行なっても得られるポリプロピレ
ンは異なってくる。従って、熱減成をその条件を変更し
て行ない、Mw/Mn、立体規則性、融点、|η
(ω)/|η|(ω)の変化を測定して相関完成を
求め、これらの関係をもとに前述の重合触媒、重合条件
を決定することが可能である。一般的には、比較的Mw/M
nが大きく、MFIの低い、またアイソタクチックトリアド
分率が比較的高い(97%以上、好ましくは98.0%以上)
ポリプロピレンを重合すると好適なポリプロピレンを与
える熱減成条件が広く選択可能となる。
本発明のポリプロピレンは、特に射出成形用として好適
である。射出成形の条件としては、特に限定されるもの
ではなく、通常のポリプロピレンの射出成形条件をその
まま適用することができる。本発明のポリプロピレンか
ら成形された射出成形品は、射出成形品の表面付近に樹
脂の流れ方向に配向したいわゆるC軸配向層が存在しな
いと云う特徴を有している。このC軸配向層の有無は、
次のようにして測定できる。
すなわち、射出成形品の断面をミクロトームで切り、薄
切片を作る。これを直交ニコル下で顕微鏡観察し、表面
から全体の厚みの半分までを観察する。この時、通常は
金型接触面から成長したと思われる球晶(いわゆるトラ
ンス・クリスタル)及び内部から続いている球晶の連続
層がぶつかるところがある。この境界に流れ方向に配向
した層が見え、C軸配向層の有無を調べることができ
る。また、C軸配向層は次の様にして定量出来る。流れ
方向を子午線方向にとり、X線回折測定を行なう。(11
0)面に基づく回折線に基づくパターンがデバイリング
において赤道方面にもかたよって出て来るか否かにより
C軸配向層の有無がわかる。これは記録法(計数法)に
より確認される。
本発明のポリプロピレンからなる射出成形用物は、この
ようなC軸配向層が検出されない。C軸配向層の存在す
る射出成形物は、衝撃を与えた時に流れ方向に破断面を
形成し易い。C軸配向層の存在しないものは衝撃に対し
著しく強い。なお、C軸配向層が生ずる恐れのあるとき
は、射出成形時、樹脂温度を高くするか、金型温度を比
較的高くすればよい。
[作用] 本発明のポリプロピレンから得られた成形物は、耐衝撃
性、剛性、耐熱性、透明性のバランスの優れたものとな
る。特に、最大の特徴は耐衝撃性を従来のものより大幅
に改良し得たことである。これらをポリプロピレンの構
造に特徴ずけて言うならば、MFI、Mw/Mn、|η|(ω
)/|η|(ω)等で規定される適当な分子量分布
と、アイソタクチックトリアド分率、融点等で規定され
る適当な立体規則性分布を合わせ持っ特異なポリプロピ
レンを用いたことによると考えられる。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に具体的に
説明する。
実施例1 固体触媒の調製 窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウム47.6g(500mmo
l)、デカン250mlおよび2−エチルヘキシルアルコール
234ml(1.5mol)を130℃で2時間加熱反応を行い均一溶
液とした後、この溶液中に無水フタル酸11.1g(75mmo
l)を添加し、130℃にてさらに1時間撹拌混合を行い、
無水フタル酸を該均一溶液に溶解させた。得られた均一
溶液を、室温に冷却した後、−20℃に保持された四塩化
チタン2.0l(18mol)中に1時間にわたって全量滴下し
た。滴下終了後、混合溶液の温度を4時間にかけて110
℃に昇温し、110℃に到達したところで、これにフタル
酸ジイソブチル26.8ml(125mmol)を添加し、2時間110
℃で撹拌反応させた。反応終了後、熱時濾過にて反応物
である固体部分を採取し、その後、この反応物に四塩化
チタン2.0l(18mol)を懸濁させた後、110℃で2時間反
応させた。反応終了後、再度、熱時濾過にて固体部分を
採取し、これらを110℃のデカン2.0lで7回、室温のヘ
キサン2.0lで3回洗浄して固体触媒成分を得た。
予備重合 窒素雰囲気下、内容量3lのオートクレーブ中に、n−ヘ
プタン500ml、トリエチルアルミニウム6.0g(0.053mo
l)、ジフェニルジメトキシシラン4.15g(0.017mmol)
および、上記実施例1ので得られた固体触媒成分10g
を投入し、0〜5℃の温度範囲で5分間撹拌した。次
に、固体触媒成分1gあたり10gのプロピレンが重合する
ように、プロピレンをオートクレーブ中に供給し、0〜
5℃の温度範囲で1時間予備重合した。得られた予備重
合触媒は、n−ヘプタン500mlで3回洗浄を行い、以下
のプロピレンの重合体の製造に使用した。
プロピレンの重合 窒素雰囲気下、内容積60lの撹拌機付きオートクレーブ
に上記の方法で調製された固体触媒成分2.0g、トリエチ
ルアルミニウム11.4g(100mmol)、ジフェニルジメトキ
シシラン7.32g(30mmol)を入れ、次いでプロピレン18k
g、プロピレンに対して、200molppmになるように水素を
装入し、70℃まで昇温させ1時間の重合を行った。1時
間後、未反応のプロピレンを除去し重合を終結させた。
その結果、4.53kgの重合体が得られた。重合体のMFI
は、0.5g/10分、mmトリアド分率は98.1%、Mw/Mnは6.5
であった。
熱減成 上記の方法で得られた重合体4.5kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を0.
04重量%、酸化防止剤として、BHTを0.08重量%、イル
ガノックス1010を0.05重量%、触媒失活剤として、カル
シウムステアレート0.1重量%を混合し、次いで、シリ
ンダー径40mmφの押出機(東芝機械(株)製)で230℃
で押し出し、ペレットを得た。得られた樹脂のMFIは10.
4g/10分、アイソタクチックトリアド分率は95.5%、Mw/
Mnは2.8、|η|(ω)/|η|(ω)は4.8、融
点は157℃であった。
射出成形 上記の方法で熱減成された樹脂3kgを、射出成形機(日
精樹脂工業(株)製TS200DX)により成形温度230℃、射
出圧力500kg/cm2、金型温度45℃にて、150mm×120mm×2
mmの大きさの平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であり、C軸配向層が認
められなかった。曲げ弾性率は14000kg/cm2、デュポン
衝撃強さは110kg・cmであり、良好な機械的強度を示し
た。
実施例2 プロピレンの重合 窒素雰囲気下、内容積60lの撹拌機付きオートクレーブ
に、東洋ストゥファー(株)製のAA型三塩化チタン6.2
g、ジエチルアルミニウムクロライド23.5g(195mmol)
を入れ、次いでプロピレン18kg、プロピレンに対して45
0mmolppmになるように水素を装入し、70℃まで昇温さ
せ、1時間の重合を行った。1時間後、未反応のプロピ
レンを除去し重合を終結させた。その結果、4.11kgの重
合体が得られた。重合体のMFIは0.6g/10分、mmトリアド
分率は97.2%、Mw/Mnは6.7であった。
上記の方法で得られた重合体4.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を0.
07重量%を混合し、その他は実施例1と同様な方法でペ
レットを得た。得られた樹脂のMFIは28.0g/10分、アイ
ソタクチックトリアド分率は95.5%、Mw/Mnは2.7、|η
|(ω)/|η|(ω)は4.8、融点は157℃であ
った。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であり、C軸配向層が認
められなかった。曲げ弾性率は14500kg/cm2、デュポン
衝撃強さは100kg・cmであり、良好な機械的強度を示し
た。
実施例3 プロピレン重合時に、エチレンをプロピレンに対して1.
2重量%になるように供給し続けたほかは、すべて実施
例1と同様な方法、条件で、プロピレン重合を行った。
その結果、5.57kgの重合体が得られた。重合体のMFIは
0.4g/10分、mmトリアド分率は97.0%であった。なお、
生成した重合体中には、エチレン含有量は0.3重量%、M
w/Mnは6.2であった。
上記の方法で得られた重合体5.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を0.
2重量%混合し、その他は、実施例1と同様な方法でペ
レットを得た。得られた樹脂のMFIは59.0g/10分、アイ
ソタクチックトリアド分率は95.0%、Mw/Mnは2.7、|η
|(ω)/|η|(ω)は4.7、融点は156℃であ
った。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であり、C軸配向層が認
められなかった。曲げ弾性率は14500kg/cm2、デュポン
衝撃強さは120kg・cmであり、良好な機械的強度を示し
た。
比較例1 プロピレン重合時に、水素をプロピレンに対して10000m
olppm装入し、その他は、すべて実施例1と同様な方
法、条件で、プロピレン重合を行った。その結果、6.12
kgの重合体が得られた。重合体のMFIは、50kg/10分、mm
トリアド分率は98.2%、Mw/Mnは6.1であった。
上記の方法で得られた重合体5.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を全
く用いず、その他は、実施例1と同様な方法でペレット
を得た。得られた樹脂のMFIは50g/10分、アイソタクチ
ックトリアド分率は98.0%、Mw/Mnは6.5、|η|(ω
)/|η|(ω)は6.5、融点は157℃であった。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であるが、C軸配向層が
認められた。曲げ弾性率は15500kg/cm2、デュポン衝撃
強さは15kg・cmであり、衝撃強度に劣る結果となった。
比較例2 プロピレン重合時の温度を85℃、水素をプロピレンに対
して400molppm装入し、その他は、すべて実施例1と同
様な方法、条件で、プロピレン重合を行った。その結
果、5.02kgの重合体が得られた。精製した重合体は、13
5℃のキシレンに1時間溶解させた後、25℃で3時間放
置した。次いで、濾過した後、不溶部のMFIは1.0g/10
分、mmトリアド分率は99.0%、Mw/Mnは6.3であった。
上記の方法で得られた重合体4.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を0.
07重量%混合し、その他は、実施例1と同様な方法でペ
レットを得た。得られた樹脂のMFIは42.0g/10分、アイ
ソタクチックトリアド分率は98.0%、Mw/Mnは2.7、|η
|(ω)/|η|(ω)は4.8、融点は159℃であ
った。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であり、C軸配向層が認
められなかった。曲げ弾性率は15000kg/cm2、デュポン
衝撃強さは40kg・cmであり、衝撃強度に劣る結果となっ
た。
比較例3 プロピレン重合時に、エチレンをプロピレンに対して8.
6重量%になるように供給し続けたこと、水素をプロピ
レンに対して11000molppm装入し、その他は、すべて実
施例1と同様な方法、条件で、プロピレン重合を行っ
た。その結果、6.12kgの重合体が得られた。重合体のMF
Iは、50g/10分、mmトリアド分率は95.1%であった。な
お、生成した重合体中では、エチレン含有量は2.0重量
%であり、Mw/Mnは6.0であった。
上記の方法で得られた重合体5.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を全
く用いず、その他は、実施例1と同様な方法でペレット
を得た。得られた樹脂のMFIは50.0g/10分、アイソタク
チックトリアド分率は94.5%、Mw/Mnは6.5、|η
(ω)/|η|(ω)は7.0、融点は149℃であっ
た。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であるが、C軸配向層が
認められた。曲げ弾性率は12000kg/cm2、デュポン衝撃
強さは15kg・cmであり、曲げ弾性率、衝撃強度、共に劣
る結果となった。
比較例4 水素をプロピレンに対して14000molppm装入し、その他
は、すべて実施例2と同様な方法、条件で、プロピレン
重合を行い、その後、プロピレンを除去し、70℃でエチ
レン/プロピレン=40/60モル比の混合ガス2.2Nm3/時
間、水素25NL/時間の供給速度で、40分間プロピレンと
エチレンを共重合した。未反応ガスを除去して重合を終
結した。その結果、7.75kgの重合体が得られた。エチレ
ン含量は8重量%であった。MFIは49g/10分、Mw/Mnは6.
3であった。
上記の方法で得られた重合体6.0kgに対して、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン
(商品名パーカドックス14(化薬ヌーリー(株))を全
く用いず、その他は、実施例1と同様な方法でペレット
を得た。得られた樹脂のMFIは50.0g/10分、Mw/Mnは6.
5、|η|(ω)/|η|(ω)は7.5、融点は16
0℃であった。
上記の方法で熱減成された樹脂3kgを実施例1と同様に
平板に成形した。
この方法で得られた平板は透明であり、またC軸配向層
が認められた。曲げ弾性率は13000kg/cm2、デュポン衝
撃強さは30kg・cmであり、曲げ弾性率、衝撃強度、共に
劣る結果となった。
以上、実施例1〜比較例4の結果をまとめて別表に示
す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の射出成形用ポリプロピレ
ンは、そのメルトフローインデックス、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、アイソタクチック
トリアド分率、融点、複素粘性率比を特定の範囲に限定
したものであるので、このポリプロピレンから得られた
射出成形品は、耐衝撃性が著しく高く、しかも剛性、耐
熱性、透明性をバランスよく備えたものとなる。また特
に、コモノマー含量が0.5重量%以下であるので、剛性
を維持した成形品とすることができる。よって、成形品
の薄肉化を容易に達成することができる。また、溶融流
動性にも優れ、成形性も高いものとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローインデックス(MFI)が10以
    上で、ゲルパーミェーションクロマトグラフィ(GPC)
    で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が4以下で、アイソタクチックトリアド分率
    (mm)が93〜96.5%で、融点が155〜160℃で、温度190
    ℃において、周波数ω=100(rad/sec)及びω=10
    2(rad/sec)における複素粘性率 |η|(ω)、|η|(ω)の比|η|(ω
    )/|η|(ω)(但しη=η′−iη″)が5
    以下であり、コモノマー含量が、0.5重量%以下である
    ことを特徴とする射出成形用ポリプロピレン。
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