JPH0764610B2 - セメント用混和剤 - Google Patents

セメント用混和剤

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JPH0764610B2
JPH0764610B2 JP60017427A JP1742785A JPH0764610B2 JP H0764610 B2 JPH0764610 B2 JP H0764610B2 JP 60017427 A JP60017427 A JP 60017427A JP 1742785 A JP1742785 A JP 1742785A JP H0764610 B2 JPH0764610 B2 JP H0764610B2
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良明 三木
博光 角野
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な水硬性セメント用混和剤に関し、さらに
詳しくは、分散剤、減水剤、流動化剤などとして優れた
性能を有する新規なポリカルボン酸系水硬性セメント用
混合剤に関する。
(従来の技術) 一般に、セメントを使用するコンクリート、モルタル、
ペーストなどを製造する際、分散剤、減水剤または流動
化剤と称される混和剤が用いられている。この混和剤は
主に次の様な効果を奏することが期待されている。即
ち、(1)まだ固まらないセメント配合物のワーカビリ
テイを増大させる。また同一ワーカビリテイーならば使
用水量を減少させる。(2)使用水量を減少できるの
で、その結果として施工後の強度を増大させる。また同
一強度ならばセメントの使用量を減少させる。(3)水
密性を増大させるなどである。
従来、このような混合剤としては、リグニンスルホン酸
系、オキシカルボン酸系、β−ナフタレンスルホン酸・
ホルマリン縮合物系、メラミンスルホン酸・ホルマリン
縮合物系、オレフィン−α、β−不飽和ジカルボン酸共
重合体系(以下、単にポリカルボン酸系と称することが
ある)などが知られており、なかでもポリカルボン酸系
混和剤は少ない添加量で良好な分散流動性を示し、かつ
スランプ保持性にも優れたものとして、近時、盛んに研
究が進められている(例えば特公昭53−18215号、同53
−38095号、特開昭58−213663号など)。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、かかるポリカルボン酸系混和剤といえども、近
年、一段と高度化する分散流動性やスランプ保持性に対
する要求性能を充分に満足するものとは云いがたく、そ
の改良が強く望まれていた。
そこで本発明者らはかかる欠点を克服すべく鋭意検討を
重ねた結果、特定組成のポルカルボン酸複合塩を使用す
ると、従来から公知のポリカルボン酸系混和剤に比較し
て、セメントの分散流動性がよく、スランプ低下を著し
く抑えたワーカビリテイーの良いセメント配合物が得ら
れ、かつ高い強度の硬化物が得られることを見出し、本
発明を完成するに至った。
(問題点を解決するための手段) かくして本発明によれば、α、β−不飽和ジカルボン酸
65〜80モル%とオレフィン35〜20モル%との共重合体の
水溶性塩を有効成分とする水硬性セメント用混和剤にお
いて、水溶性塩がカルシウム塩とアルカリ金属塩の複合
塩であり、かつアルカリ金属塩に対するカルシウム塩の
当量比が0.05〜1であることを特徴とする水硬性セメン
ト用混和剤が提供される。
本発明で用いられる共重合体はα、β−不飽和ジカルボ
ン酸とオレフィンとから構成されるものである。かかる
共重合体の組成は適宜選択しうるが、通常は(a)α、
β−不飽和ジカルボン酸65〜80モル%と(b)オレフィ
ン35〜20モル%から成るものである。また数平均分子量
は通常、300〜10,000、好ましくは1,000〜8,000であ
り、分子量20,000以上の高分子量部分が全体の10重量%
以下、さらには8重量%以下に制御されたものがとくに
適切である。
ここで数平均分子量とは、高速液体クロマトグラフ(テ
トラヒドロフラン溶媒、測定温度40℃)によって測定し
たポリスチレン換算のものを意味する。
とくに分子量分布のシャープなものほど良好な性能を示
す傾向があり、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分
子量(Mw)の比(Mw/Mn)が2.0以下、さらには1.9以下
であることが好ましい。
共重合体を構成する前記(a)成分の具体例としては、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、これらの無水
物等が挙げられるが、特に無水マレイン酸が工業的に有
利である。
一方、前記(b)成分の具体例としては、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ブテン−2、ペ
ンテン−1、ペンテン−2、2−メチルブテン−1、2
−メチルブテン−2、4−メチルペンテン−1、ヘキセ
ン−1などのごとき鎖状オレフィン、シクロブテン、シ
クロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘブテン、シク
ロオクテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエ
ン、2−エチル−5−ノルボルネン、2−シアノ−5−
ノルボルネン、2−アセチル−5−ノルボルネンなどの
ごときシクロオレフィン等が挙げられ、なかでもC
4〜6の鎖状オレフィン、C4〜C6のシクロオレフィンが
賞用される。
また本発明の効果を本質的に損わない範囲内であれば、
アクリル酸、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、メチル
ビニルエーテル、アクリロニトリル、エチレンスルホン
酸などのごときビニルモノマーを共重合してもよく、さ
らに共重合体中のカルボキシル基及び/または酸無水物
基の一部をエステル化したりアミド化して用いることも
できる。
本発明で用いられる共重合体の製法はとくに制限される
ものではなく、常法に従ってラジカル重合することによ
って容易に得ることができる。またα、β−不飽和ジカ
ルボン酸単位の多い共重合体を得るためにはオレフィン
に対して過剰量のα、β−不飽和ジカルボン酸を仕込ん
でラジカル重合すればよく、さらに高分子量部分の少な
い共重合体を得るためには高分子量部分を限外過によ
り除去したり、溶媒を用いて高分子量部分を抽出分離す
ればよい。
本発明においては、共重合体中に存在するカルボキシル
基及び/または酸無水物基の一部または全部を塩にし水
溶化能を高めて用いられるが、その際、アルカリ金属塩
に対するカルシウム塩の当量比を0.05〜1、好ましくは
0.1〜0.8当量とすることが必要である。
カルシウム塩の比率が少なすぎる場合には分散流動性、
スランプ保持性の改良効果が充分でなく、逆にその比率
が大きすぎる場合には水溶化能の点で不充分となる。ま
たカルシウム塩の代わりに他のアルカリ土類金属塩を使
用しても、本発明の改良効果を奏することはできない。
アルカリ金属塩の具体例としては、リチウム塩、ナトリ
ウム塩、カリウム塩などが例示され、なかでもナトリウ
ム塩がもっとも賞用される。
本発明混和剤の使用形態はとくに限定されず、水溶液の
形でも粉末状のような固形の形でも使用でき、単独で用
いることも、他のセメント混和剤と併用して用いること
も出来る。併用しうるセメント混和剤としては、従来の
セメント分散剤、空気連行剤、セメント湿潤分散剤、膨
張剤、防水剤、強度増進剤、硬化促進剤、凝結促進剤、
凝結遅延剤等が例示される。
本発明のセメント混和剤の使用量は要求性能に応じて適
宜選択すればよいが、セメントに対する固形分基準で、
通常、0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜1重量%の割
合で使用される。この使用量が減少するにつれてワーカ
ビリテイーの改良効果が減少し、逆に過度に多くなると
セメントの硬化に悪影響を及ぼすことがある。
またセメント配合物への添加時期も、その使用目的に応
じて適宜選択することができる。その具体的な方法とし
ては、例えばセメントに予め混合する方法、コンクリー
ト等のセメント配合物の混練時に同時添加する方法、水
や他の混和剤を加えて撹拌を開始した後に添加する方
法、予め配合物を練り上げた後に適当な間隔をおいて後
添加する方法などが例示される。なかでも、混練時に同
時添加する方法で用いる場合に顕著な効果を示す。
本発明の水硬性セメント混和剤が適用できるセメントの
種類はとくに限定されず、その具体例として、例えば普
通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、
中庸熱ポルトランドセメント、アルミナセメント、フラ
イアッシュセメント、高炉セメント、シリカセメント、
鉱滓セメント、各種混合セメント等が挙げられる。
(発明の効果) かくして本発明によれば、セメントの分散流動性がよ
く、かつスランプ低下を著しく抑えたワーカビリテイー
の良いセメント配合物が得られるとともに、高い強度の
硬化物を得ることが出来る。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
なお、実施例及び参考例中の部及び%はとくに断わりの
ない限り重量基準である。
参考例1 1オートクレーブ中、窒素雰囲気下にて無水マレイン
酸98部、第1表に示すC5オレフィン混合物76部、ベンゾ
イルパーオキサイド4部およびベンゼン400部の混合物
を、70〜75℃にて8時間加熱撹拌し、反応させた。重合
反応終了後、析出した共重合体を別収集し乾燥して、
C5オレフィン−無水マレイン酸共重合体を得た。
次いでこの共重合体をメチルエチルケトンに溶解し、そ
れを分離限界分子量20,000の膜を用いて限界過し、高
分子量部分を除去した。
このようにして得られた共重合体の組成、数平均分子
量、重量平均分子量及び分子量20,000以上の高分子量部
分の含有量を測定した。
さらにこの共重合体100部に対して水300部を加え、撹拌
しながら水酸化カルシウム5.5部を徐々に添加し溶解さ
せた後、水酸化ナトリウム53.1部を徐々に添加撹拌する
ことにより共重合体塩(I)の水溶液を得た。結果を第
2表に示す。
第 1 表 iso−ペンタン 約16 % n−ペンタン 約15 % 2−メチルブテン−1 約42 % ペンテン−1 約27 % イソプレン 0.1%以下 参考例2 水酸化カルシウム24.6部と水酸化ナトリウム32.4部を用
いること以外は、参考例1と同様の操作により共重合体
塩(II)水溶液を得た。その性状を第2表に示す。
参考例3 水酸化カルシウムを用いずに水酸化ナトリウム59部だけ
を用いること以外は、参考例1と同様の操作により共重
合体塩(III)の水溶液を得た。その性状を第2表に示
す。
参考例4 炭酸マグネシウム6.2部と水酸化ナトリウム33.4部を用
いること以外は参考例1と同様の操作により共重合体塩
(IV)の水溶液を得た。その性状を第2表に示す。
実施例1 参考例で得た各種共重合体塩の水硬性セメント混和剤と
しての性能を下記のモルタル試験条件に従って評価し
た。その結果を第3表に示した。
〔モルタル試験〕
次の配合のセメントモルタルを調整し、JIS−R−5201
に準じてモルタル試験を実施した(目標フロー230mm±5
mmになるように混和剤添加量を調整した。) なお、空気連行量はJIS−A−1116に準じて測定した。
モルタル温度は20℃±2℃、また圧縮強度測定のための
水中養生における温度は20℃±2℃とした。
セメント:アサノ普通ポルトランドセメント セメント/砂比=1/2 セメント/水比=1/0.35 第3表から、本発明品はナトリウム塩に比較して少量の
添加で長時間に亘って良好なワーカビリティーが得られ
ることがわかる。
実施例2 実施例1でモルタル試験に供したサンプルのうち、共重
合体塩(I)〜(III)について下記のコンクリート試
験条件に従って高強度コンクリート用配合での評価を行
った。その結果を第4表に示した。
〔コンクリート試験〕
セメント、水、骨材及び水硬性セメント混和剤を下記の
配合に従って配合した後、強制練りミキサーで90秒間混
練した後、スランプ、空気量を測定し、以後30分、60分
経過後にそれぞれ練り返えし、スランプ、空気量を測定
した。尚、60分後に圧縮強度測定用サンプルを採った。
練り上り直後のスランプ目標はスランプ20±1cmとなる
ように混和剤添加量を調整した。測定方法は、スランプ
についてはJIS A1101、空気量はJIS A1116、圧縮強度は
JIS A1108に従った。尚、コンクリート温度は20℃±2
℃、圧縮強度測定用サンプルは20±2℃で水中養生し
た。
コンクリート配合 セメント:450kg/m2 アサノ普通ポルトランドセメント 粗骨材:1006kg/m2 青梅砕石(最大粒径25mm) 細骨材:747kg/m2 大井川産川砂 水:162kg/m2 (混和剤との合計量) 水硬性セメント混和剤:第4表の通り 水/セメント比=36% 細骨材率=43% 実施例4 実施例3で用いた共重合体塩(I)〜(III)につい
て、下記のコンクリート配合により一般コンクリート用
配合に関する評価を行った。その結果を第5表に示し
た。
コンクリート配合 セメント:300kg/m2 アサノ普通ポルトランドセメント 粗骨材:1012kg/m2 青梅砕石(最大粒径25mm) 細骨材:815kg/m2 大井川産川砂 水:166.0kg/m2 (混和剤との合計量) 水硬性セメント混和剤:第5表の通り 水/セメント比:55.3% 細骨材率:44.6% 目標スランプ:10±1cm 目標空気量:4.5±0.5%(空気量調整ヴィンゾール:山
宗化学社) 第5表より、一般用向けコンクリート配合でもナトリウ
ム塩に比較して低添加量で良好な性能を示すことがわか
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α,β−不飽和ジカルボン酸65〜80モル%
    とオレフイン35〜20モル%との共重合体の水溶性塩を有
    効成分とする水硬性セメント用混和剤において、水溶性
    塩がカルシウム塩とアルカリ金属塩の複合塩であり、か
    つアルカリ金属塩に対するカルシウム塩の当量比が0.05
    〜1であることを特徴とする水硬性セメント用混和剤。
JP60017427A 1984-12-21 1985-01-31 セメント用混和剤 Expired - Lifetime JPH0764610B2 (ja)

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JP60017427A JPH0764610B2 (ja) 1985-01-31 1985-01-31 セメント用混和剤
US07/228,823 US4906298A (en) 1984-12-21 1988-08-02 Hydraulic cement composition

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JPS61178455A JPS61178455A (ja) 1986-08-11
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60103062A (ja) * 1983-11-04 1985-06-07 株式会社クラレ セメント用混和剤

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