JPH0764354A - 電子写真平版印刷版の製版方法 - Google Patents

電子写真平版印刷版の製版方法

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Publication number
JPH0764354A
JPH0764354A JP21172293A JP21172293A JPH0764354A JP H0764354 A JPH0764354 A JP H0764354A JP 21172293 A JP21172293 A JP 21172293A JP 21172293 A JP21172293 A JP 21172293A JP H0764354 A JPH0764354 A JP H0764354A
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JP
Japan
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liquid
liquid developer
replenisher
printing plate
hydrocarbon
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Application number
JP21172293A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kaneda
安生 金田
Yuji Takagami
裕二 高上
Takao Chiga
孝雄 千賀
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属性支持体上に設けた光導電層を帯電及び
露光した後、液体現像剤及び(A)、(B)2種類の補
充液を用いた反転現像によって静電潜像を現像し、更に
定着後非画像部を溶出する電子写真平版印刷版を連続的
に製版する方法に於て、長期に亙って多数枚製版を行っ
た際にも良好な製版物が常に安定して得られる製版方法
を提供する。 【構成】 現像部の洗浄を行うクリーナ液と液体現像剤
よりも高濃度でありかつ初期投入の液体現像剤と同等の
固形分濃度まで希釈した時の導電率が初期投入の液体現
像剤の導電率よりも低い補充液を、赤外LEDのパルス
変調を用いた光学的濃度制御手段を用いて補充を行う。
この方法により、現像部及び液体現像剤の状態が常に良
好に保たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属性支持体上に設けた
光導電層を帯電及び露光した後、液体現像剤及び
(A)、(B)2種類の補充液を用いた反転現像によっ
て静電潜像を現像し、更に定着後非画像部を溶出する電
子写真平版印刷版を連続的に製版する方法に関し、より
詳しくは液体現像剤を交換することなしに長期に亙り多
数枚安定に製版する事の出来る電子写真平版印刷版の製
版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真平版印刷版としては、ZnOと
バインダからなる光導電層が防水、導電処理された紙等
の支持体上に塗設されたもの、また、フタロシアニンと
バインダからなる光導電層が親水化処理されたアルミ板
上に塗設されたもの等が知られている。いずれも光導電
層上に一様帯電後に画像露光されて形成された静電潜像
を、高絶縁性媒体中に顔料(染料)あるいはポリマ粒子
を分散させて着色を行い電荷(荷電)制御剤を加えて所
定の電荷を付与した液体現像剤によって現像するもので
ある。前者の電子写真平版印刷版に於ては、液体現像剤
によってトナー画像が形成された後、エッチング液によ
り非画像部光導電層表面の親水化処理を行って印刷に供
される。一方、後者の電子写真平版印刷版に於ては、液
体現像剤によりトナー画像が形成された後、非画像部の
光導電層をアルカリ剤等含有の溶出液により溶出除去し
て、予め親水化処理が施されたアルミニウム支持体表面
が露出して非画像部は親水性を示し、トナーによって保
護された画像部は親油性を有するため、平版印刷版とし
て使用される。後者のいわゆる溶出型の電子写真平版印
刷版は、従来から使用されているPS版と同様な印刷条
件で印刷することが可能であるため有利に使用出来る。
【0003】一般的に液体現像剤を用いた電子写真方式
の現像機に於ては、現像を繰り返し行うことにより現像
剤が疲労し画像濃度が減少し良好な現像画像が得られな
くなるという問題があり、それを解決するために、液体
現像剤に補充液を補充して液体現像剤を初期の適正な現
像が行われる状態に戻してやることが行われている。そ
れには、液体現像剤減少量だけ補充液を補充して液量及
び液体現像剤濃度を初期の状態に戻そうとするもの(特
開昭58−145974号公報)がある。
【0004】しかし、上記のように、補充液として濃縮
補充液を用いて、基準液面を維持するように補充した時
にちょうど初期投入の液体現像剤(以下、初期投入液)
と同等の濃度となるように濃縮補充液の濃縮率を決めて
補充する方法では、実際の製版に於ては画像の種類(細
線画像、べた画像)及び画像面積率により、トナー粒子
消費量及び液持ち出し量がそれぞれ異なるため、この補
充液補充方法によってはいつも同一画像を製版するので
なければ、長期に亙って常に初期投入液と同等の画像品
質を維持することは不可能であった。
【0005】上記問題の解決策として、液体現像剤の液
量を維持するための補充液(液面補充液)と液体現像剤
のトナー粒子濃度を維持するための補充液(濃度補充
液)との2液を用いた方法が知られている(特開昭58
−178383号公報)。これは、トナー粒子濃度を濃
度センサによって検知し、濃度を一定に保つように濃度
補充液を補充し、液面レベルセンサによって液面を検知
し、基準液面を維持するように液面補充液を補充するも
のである。この方法に於ける液面補充液としては初期投
入液と同等の液もしくは液体現像剤の分散媒が用いら
れ、濃度補充液としては単純に初期投入液を高濃度化し
た液や更に電荷制御剤の割合を減じた液等が用いられ
る。濃度センサとしては、液体現像剤のインピーダンス
もしくは導電率を測定するもの、また、光学的に液体現
像剤中の光の透過量を測定するもの等が知られている。
【0006】濃度補充液の役割は、現像によって疲労し
た液体現像剤の状態を初期の状態に回復させることであ
るが、液体現像剤中にはトナー粒子成分、電荷制御剤成
分、染料成分等種々の成分が含まれ、長期に亙る製版に
際し各成分はそれぞれ異なった消費あるいは蓄積の仕方
を示し、また、現像方式あるいは現像画像の種類によっ
てもその状況は異なってくる。従って、補充液の補充に
よって長期に亙って初期の液体現像剤の状態、トナー粒
子濃度、電荷制御剤量、染料量等の成分量までも全く同
一に維持することは不可能である。そのため、長期に亙
る多数枚の現像によって液体現像剤中の各成分のバラン
スが崩れても、常に良好な現像結果が得られるような補
充液及び補充方法がそれぞれの現像システムに於て経験
によって検討されている。例えば特開昭48−9023
6号公報には、濃度補充液として、電荷制御剤を全く配
合しないか、実質的に初期投入液の配合量よりも著しく
少ない量配合したトナー濃縮液を用いる技術が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属性支持体
を有し、トナー現像を反転現像方式により行い、その後
溶出行程に於て非画像部光導電層を溶出除去を行う溶出
型の電子写真平版印刷版を長期に亙って多数枚製版を行
う場合に於ては、液体現像剤の各成分の消費あるいは蓄
積の仕方、また濃度補充液の濃縮率、また液体現像剤の
管理すべき範囲等は、電子写真平版印刷版支持体の違
い、現像方式の違い、溶出型か否か等により下記に示す
ように影響を受け、これまで長期に亙って良好な製版画
質を維持するような製版方法は知られていなかった。
【0008】すなわち金属性支持体をもった印刷版に於
ては紙等の吸収性、弾力性を持った支持体に比して液体
現像剤の系外への持ち出し量(液減量)は極めて少なく
なる。これは支持体自体の液体現像剤の保持性及び現像
部出口に於ける液体現像剤余剰液絞り手段の絞り効率が
良く、現像部系外に版とともに持ち出される液体現像剤
量が少ないことに因る。従って、金属性支持体を有する
印刷版の現像に於ては現像に寄与する固形分の減少に比
して液量の減少は少なくなる。従って初期投入液と同等
の固形分を有する補充液を用い基準液面を維持するよう
に持ち出された液量だけ補充する様にすると少量の補充
液しか補充されず固形分の減少分を補うことが出来なく
なり、液体現像剤中のトナー濃度が次第に薄くなりやが
ては適正な画像濃度を維持することが出来なくなり、正
常な印刷版を製版する事が出来なくなる。従って高濃度
の濃度補充液を備えなくてはならず、補充液中のトナー
粒子の凝集等も起こり易くなり、その管理も難しいもの
となる。
【0009】また、現像方式が反転現像の場合には、液
体現像剤の消費のされ方は下記に示すように正現像の場
合と大きく異なる。一般に静電潜像を可視画像に変換す
るには、静電潜像面と平行に所定の間隙を隔てて対向し
て現像電極を配設し、その間隙内の帯電トナーにより現
像が行われるが、静電潜像のもつ電荷と同極性の電荷を
トナーにもたせ、現像電極にも同極性の電位をもたせ
て、静電潜像の電荷のない部位に付着させるようにした
のが反転現像であり、帯電トナーに静電潜像の電荷と異
極性の電荷をもたせ、静電潜像の電荷のある部位に付着
させるようにしたのが正現像である。この反転現像によ
れば、かぶり及び線細りの少ない良好な画像を得ること
が出来、最近では特に高解像力で高品質な画像再現性が
要求されており、反転現像による電子写真平版印刷版の
製造方法はこの要求を実現することが出来る一つの方法
である。
【0010】しかし、反転現像に於ては正現像の場合と
異なり通常現像電極に印加される電位は静電潜像の電荷
担持部の表面電位よりも低い(絶対値として)ため、例
えば非画像部が現像電極下に進入してきた場合には版面
−現像電極間の帯電トナーは現像電極の方向に向けて力
を受け現像電極に付着することになる。また、液体現像
剤中に含まれる帯電トナーと逆極性を持ったカウンター
イオン成分は帯電トナーとは逆に版面非画像部へ向けて
力を受け、一部版に付着し、版とともに現像部外に持ち
出されることになる。一方、正現像の場合は通常現像電
極は電気的に接地され、非画像部の電位とほぼ同電位で
あるためこのような現象は生じない。従って、反転現像
の場合の液体現像剤中の各成分の消費のされ方は、正現
像の場合と異なる結果となる。
【0011】また、製版を休止する直前に非画像部が通
過した時には、上記に説明したように現像電極部に帯電
トナーが付着した状態となり、それが乾燥固化すると、
次回製版を再開した時に、その固着トナーに起因する現
像むらやかぶり等の画像トラブルの原因となる。従っ
て、特に反転現像の場合には、製版休止後の現像部の洗
浄が必要不可欠となる。これまで、洗浄液(クリーナ
液)は液体現像剤の分散媒が通常用いられ、クリーナタ
ンクを設けそれに貯液される。クリーナ液は製版休止時
に現像部に供給、洗浄に供されたのち回収され循環して
使用される方法がとられる。クリーナ液は循環使用され
るにしたがって徐々にトナーの混入により濃縮し、クリ
ーニング効果も低下し、あるところでクリーナ液を全液
交換する必要があった。また、特開平2−15276号
公報には、現像終了時に液体現像剤の溶剤を現像部出口
部の絞りローラ対に供給して洗浄を行う技術が開示され
ている。しかし、この技術によっては、洗浄後の液は直
接液体現像剤貯液槽に回収されるため供給量に制限があ
り、長期に亙って多数枚製版を行った際には、洗浄効果
は十分とは言えなかった。
【0012】また、非画像部溶出型の電子写真平版印刷
版の製版においては、トナー現像によるトナー像は、そ
れに続く溶出工程に於てアルカリ剤等含有の溶出液に対
してレジストとして働くため、トナー画像部に欠陥が少
しでもあるとその部分で溶出液の浸透・溶出が起こり溶
出工程後の画像に於ては大きな欠陥となって現れる。ま
た、非画像部にトナー付着が生ずると、それが光導電層
溶出を阻害するに十分であると非画像部の光導電層が溶
出しきれずに印刷に於て汚れ等の原因となる。従って、
この様な非画像部溶出型の電子写真平版印刷版を製版す
る場合には、非溶出型の電子写真液体トナー現像に比
べ、液体現像剤を一定のトナー画像が得られるように管
理することが一層重要となるが、これまで長期に亙って
これを維持することは難しかった。
【0013】そこで本発明は、金属性支持体上に設けた
光導電層を帯電及び露光した後、反転現像によって静電
潜像を現像し、更に定着後非画像部を溶出する電子写真
平版印刷版を連続的に製版する方法に於て、長期に亙っ
て多数枚現像を行っても良好な印刷版が得られるような
電子写真平版印刷版の製版方法を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の電子
写真平版印刷版の製版方法によって達成される。すなわ
ち、金属性支持体上に設けた光導電層を帯電及び露光し
た後、液体現像剤及び(A)、(B)2種類の補充液を
用いた反転現像によって静電潜像を現像し、更に定着後
非画像部を溶出する電子写真平版印刷版を連続的に製版
する方法に於て、該2種類の補充液の1種(A)が現像
部の洗浄に用いるクリーナ液であることを特徴とする電
子写真平版印刷版の製版方法によって達成される。ま
た、好ましくは、もう1種の補充液(B)の固形分濃度
が初期投入の液体現像剤よりも高濃度でありかつ初期投
入の液体現像剤と同等の固形分濃度まで希釈した時の導
電率が初期投入の液体現像剤の導電率よりも低いことを
特徴とする電子写真平版印刷版の製版方法によって達成
される。また、更に好ましくは、上記の補充液(B)を
光学的濃度制御手段を用いて液体現像剤の濃度を一定に
するように補充するようにした電子写真平版印刷版の製
版方法、また、特に好ましくは上記光学的濃度制御手段
における発光素子の発光を赤外LEDのパルス変調によ
り行うようにした電子写真平版印刷版の製版方法によっ
て達成される。
【0015】
【作用】本発明にあっては、金属性支持体上に設けた光
導電層を帯電及び露光した後、液体現像剤及び(A)、
(B)2種類の補充液を用いた反転現像によって静電潜
像を現像し、更に定着後非画像部を溶出する電子写真平
版印刷版を連続的に製版する方法に於て、上記のような
(A)、(B)2種類の補充液の補充により、網点の再
現性も良く、かぶりや画像の崩れのない良好な平版印刷
版を長期に亙って安定に得ることが出来る。また、補充
液として費やされたクリーナ液は新しいクリーナ液を自
動またはマニュアルで補充することによりクリーナ液の
クリーニング効果を常に良好に保つことが出来、トナー
による現像部の汚染に起因するかぶり等のトラブルを未
然に防ぎ長期に亙って安定に現像を行うことが可能とな
る。また、補充液(B)(濃度補充液)は液体現像剤中
に浸漬された濃度センサの出力にしたがって液体現像剤
を初期の状態に回復させるように補充がなされるが、濃
度センサとして光の透過量により液体現像剤の濃度を検
知するようにした光学的検知手段を用いることにより、
信頼性が向上する。また、光学的検知手段の発光素子の
発光を赤外LEDのパルス変調により行うことにより、
更に信頼性が向上する。
【0016】以下本発明について更に詳しく説明する。
まず本発明に係わる液体現像剤について詳しく説明す
る。本発明に係わる液体現像剤は、高絶縁性炭化水素媒
体中に実質的に現像画像となり電荷を有するトナー粒子
を分散させてなる。トナー粒子を分散させる高絶縁性炭
化水素媒体は、低誘電率で高電気絶縁性の有機溶媒であ
り、例えばn-パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系
炭化水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン
系脂肪族炭化水素及びシリコーンオイル類等が挙げられ
るが、イソパラフィン系炭化水素が好適に用いられる。
イソパラフィン系炭化水素であっても留分等で特性が多
少異なるが、例えばシェルゾル71(シェル石油製)、
アイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、及びアイ
ソパーL(以上、エッソ石油製)、IPソルベント(出
光石油製)等が好適に使用される。
【0017】本発明に係わる液体現像剤に於けるトナー
は、少なくとも電子写真平版印刷版光導電層に対して熱
及び/または光により良好な定着性を有し、更に非画像
部の光導電層を除去する溶出液に対してレジスト性を有
する樹脂成分で構成されているものである。樹脂成分と
しては、メタクリル酸、アクリル酸、及びこれらのエス
テル等からなるアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビ
ニルとエチレンまたは塩化ビニル等との共重合体、塩化
ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリビニルブチラー
ル等のビニルアセタール樹脂、ポリスチレン、スチレン
とブタジエン、スチレンとアクリル樹脂、メタクリル酸
エステル等との共重合体、ポリエチレン、ポリプリピレ
ン及びその塩化物、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、アルキッド樹脂、ビニル変性アルキッド樹
脂、その他ワックス等が挙げられる。
【0018】トナー粒子の製造方法としては、特開昭5
9−83174号、同59−177572号、同59−
212850号、同59−212851号、同60−1
64757号、同60−179751号、同60−18
5962号、及び同60−185963号公報等に述べ
られている様に、所謂分散重合法によって上記高絶縁性
媒体に可溶な重合体存在下で、該媒体に可溶であるが重
合体を形成すると不溶となるモノマを重合したものが好
適に用いられる。また、特開昭62−231266号、
同62−231267号、同62−232660号、同
63−178258号、及び同63−179368号公
報等に記載された液体現像剤も好適に用いることが出来
る。これらの液体現像剤は、工業的製造上の安定性及び
分散安定性等に於て優れている。
【0019】本発明に係わる液体現像剤中のトナー粒子
は、粒子分散安定性や電荷の経時安定性を阻害しない範
囲で着色剤を用いて着色することが出来る。着色剤は、
一般に湿式現像剤用着色剤として知られているものが使
用出来、例えばオイルブラック、オイルレッド等の油溶
性染料、ビスマルクブラウン、クリソイジン等の塩基性
アゾ染料、ウールブラック、アミドブラックグリーン、
ブルーブラックHF等の酸性アゾ染料、ダイレクトデー
ブラックE、コンゴーレッド等の直接染料、スーダンバ
イレット、アッシドブルー等のアントラキノン系染料、
オーラミン、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレ
ット、ビクトリアブルー等のカルボニウム染料、ローダ
ンB等のローダミン染料、サフラニン、ニグロシン、メ
チレンブルー等のキノンイミン染料等の染料が挙げられ
る。
【0020】分散樹脂粒子の着色法としては、使用する
着色剤を溶解する溶剤に予め溶解しておき、この着色剤
溶液を分散樹脂粒子液に滴下攪拌する方法がある。特に
オイル染料をトルエンやキシレン等の芳香族溶媒に溶解
して滴下攪拌を行うことにより、好ましく着色出来る。
その際、着色剤を溶解する溶剤は、前記媒体として用い
られる例えばイソパラフィン系炭化水素溶剤と混和する
ことが望ましい。更に染料を溶解する溶剤は、比較的絶
縁性を有しかつ高沸点のものを用いることが望ましく、
一例として油溶性染料を用いた場合、芳香族炭化水素で
あればキシレン等を少量用いると、溶剤を除かなくても
電子写真用液体現像剤として充分使用に耐えるものが製
造出来る。従って、油溶性染料の様に比較的有機溶剤に
対する溶解性の大きな染料を用いる場合には、染料を溶
解する溶剤の量を少なくしておけば、分散樹脂粒子の着
色後に上記溶剤を除去する必要はなくなる。
【0021】本発明に係わる液体現像剤は、電荷制御剤
及び染着する場合は染料等を選択すれば、正荷電性また
は負電荷性を有するトナーを製造することが出来る。本
発明に係わる液体現像剤の電荷制御剤としては、例えば
オクタン酸コバルト、オレイン酸銅、ステアリン酸アル
ミニウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフ
テン酸マンガン、レシチン、ジオクチルスルホこはく酸
ナトリウム、ステベライトロジンのアルミニウム塩等
や、特公昭49−26594号、同49−26595号
公報、また特開昭60−173558号、同60−17
5060号、同60−179750号、同60−182
447号、同60−218662号、同61−2788
67号、同62−30260号、同62−34170
号、及び同63−124056号公報等に挙げられた電
荷制御剤を用いることが出来、これらを用いて正電荷性
を有するトナーを製造することが出来る。
【0022】同様に、負電荷性を有するトナーを製造す
るには、該媒体に可溶で塩基を持つ単量体(例えばラウ
リルメタクリレートとN,N-ジメチルアミノエチルメタ
クリレートの共重合体)と、ピロメリット酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、安息香酸等の該媒体に不溶な酸
を組み合わせて用いることが出来るが、これらに限定さ
れるものではない。
【0023】本発明に係わる補充液(A)(以下、液面
補充液ともいう)は、現像部の洗浄に利用されるクリー
ナ液が用いられる。また、補充液(B)(以下、濃度補
充液ともいう)は固形分濃度にして初期投入の液体現像
剤より高濃度の液が用いられ、好ましくは2倍以上、よ
り好ましくは3倍以上の液が用いられる。補充液(B)
が高濃度であれば疲労した液体現像剤を回復させるのに
要する供給量は少なくなり、従って液面補充に用いられ
るクリーナ液の量は増加する。クリーナ液の減少分は新
しいクリーナ液が自動またはマニュアルで補充されるよ
うになっているので、従って、補充液(B)の濃度が高
濃度であれば、クリーナ液は常に新液に近い状態に保た
れ良好な洗浄効果が維持される。
【0024】また、補充液(B)に含まれる電荷制御剤
量は、補充液(B)を液体現像剤と同一固形分濃度まで
希釈した時の導電率が液体現像剤よりも低くなるよう
に、より好ましくは20%〜80%の範囲にあるように
添加される。導電率が高すぎるとかぶりや網点のつぶれ
等のトラブル発生の原因となり、導電率が低すぎると長
期に亙り多数枚製版を行った際に画像濃度が徐々に薄く
なる傾向がある。導電率の測定は公知の導電率計あるい
は交流インピーダンス計等を用いて測定することが出来
る。クリーナ液は製版停止時に現像部に供給され、現像
部に付着した液体現像剤を洗浄するものである。クリー
ナ液としては、前記液体現像剤の説明の部分で挙げたよ
うな液体現像剤の分散媒、即ち高絶縁性の炭化水素媒体
の全てが有効に用いられる。また、クリーニング効果を
向上させるために、液体現像剤の特性に影響を及ぼさな
い範囲で種々の有機溶剤を加えることが出来る。
【0025】次に、本発明に係わる電子写真平版印刷版
及びその製版方法について説明する。本発明に係わる電
子写真平版印刷版は、金属性支持体上に光導電層を設け
てなり、液体現像剤を用いて電子写真的に反転現像方式
によりトナー画像を形成し得るものである。金属性支持
体は所望の表面性を光導電層を設ける支持体面に形成さ
せるため、公知の方法で砂目立てや陽極酸化しても良
い。砂目立て処理に先立って、所望により界面活性剤ま
たはアルカリ水溶液により脱脂処理しても良い。
【0026】この様にして得られた金属性支持体上に所
望の電子写真光導電層を設けて、電子写真平版印刷版が
得られる。電子写真光導電層は、有機または無機の光導
電性化合物を、また、所望によりこれらの2種類以上を
混合して用いることが出来るが、本発明に用いる電子写
真平版印刷版光導電層に於ては有機光導電性化合物が好
ましく、中でも光導電性を有する無金属或は金属フタロ
シアニン系顔料が有利に用いられる。光導電層用結着樹
脂としては最終的に画像部以外の光導電層を除去する必
要があり、後述の溶出液に可溶あるいは分散可能な高分
子化合物が好ましい。
【0027】本発明に係わる電子写真平版印刷版は、反
転現像によってトナー画像が形成されるが、それは次の
ようにして行われる。すなわち、暗所で実質的に一様に
帯電させ、画像露光により静電潜像を形成させ、しかる
後にトナー現像する。電子写真平版印刷版上の静電潜像
を反転現像によりトナー画像に変換する現像装置の一例
を図1に示す。図示しない帯電器及び露光装置によって
帯電及び露光されて画像様の静電潜像が設けられた電子
写真平版印刷版1は、図示しない搬送手段によって現像
電極間に搬入される様になっている。現像電極14は、
電子写真平版印刷版1の搬送平面の上側に配置された上
部現像電極14aと、搬送平面の下側に配置された下部
現像ガイド板14bとで構成されている。上部現像電極
14aは電子写真平版印刷版と平行に所定の間隙を隔て
て対向して設置されており、−300〜300Vのバイ
アス電圧が印加され得る導体で一部または全部が構成さ
れている。現像電極間には循環ポンプ72により液体現
像剤2が供給されるようになっている。上部現像電極1
4aと印刷版1間に充満した液体現像剤2中の帯電トナ
ー粒子は、この現像電極のバイアス電位と版面上の静電
潜像の表面電位とが形成する電界によって電気泳動し、
版面上の静電潜像の電荷の存在しない部分に画像様に付
着する。上部現像電極14a及び下部ガイド板14bの
配置は、上部現像電極−版面間の距離が一定に保持され
る様に設定されている。上部現像電極−版面間の距離は
0.05〜10mmが良く、より好ましくは0.1〜3m
mである。
【0028】現像電極部14内に供給された液体現像剤
2は、現像電極下で現像に供されるため、トナー粒子は
消費される。一方、現像が完了し現像電極部14から搬
出された印刷版1は、液体現像剤絞り手段13によって
版上に残存する余剰の液体現像剤2を除去される。除去
された液体現像剤2は、現像電極及び液体現像剤絞り手
段の下部に設けられている受け皿17に一旦回収された
後に液体現像剤貯液槽12に戻る様になっており、循環
して再使用に供される。
【0029】クリーナ液貯液槽15にはクリーナ液4が
貯液されている。クリーナ液としては液体現像剤の分散
媒すなわちすでに挙げたような高絶縁性の炭化水素媒体
が用いられる。もしくは、非常に希薄な液体現像剤もク
リーナ液として用いることが出来る。クリーナ液4は、
製版が終了し、液体現像剤循環ポンプ72が停止し現像
電極部14に残った液体現像剤が全て液体現像剤貯液槽
12に回収された時点で循環ポンプ74が稼働すること
により、現像電極部14に供給されるようになってい
る。現像電極部14に供給されたクリーナ液4は現像電
極部14の各部位、すなわち、上部現像電極14a表面
に付着したトナー及び下部ガイド板14bのトナー、ま
た液体現像剤絞り手段13に付着したトナー等を洗浄し
た後、受け皿に回収されるようになっている。受け皿下
部の配管には弁40が設けられており、受け皿17で回
収された液が液体現像剤貯液槽12かクリーナ液貯液槽
15のどちらかにだけ流れ込むようになっており、製版
中に於ては弁40は液体現像剤貯液槽側に開いており、
製版が停止し受け皿17に残った液体現像剤が全て回収
された後に弁40はクリーナ液貯液槽側に開き、クリー
ナ液循環ポンプ74が動き出すようになっている。
【0030】液体現像剤貯液槽12内には、光学的液体
現像剤濃度測定手段を構成する検出部20が配設されて
いる。検出部20の受光素子で得られた光電流は、計器
部21に於てAC増幅、検波、及びDC増幅により光電
流出力が得られた後、コンパレータ30により予め定め
られた適正濃度範囲に対応する電圧しきい値と比較され
る様になっている。光学的液体現像剤濃度測定手段によ
り得られた光電流出力は、濃度が薄くなるにつれ透過光
量が増すため上昇する。今、本発明に係わる液体現像剤
の初期投入液に於ける画像品位の、現像剤濃度の変動に
よる降落の予め検定された限界域を現像剤の濃度に於け
るしきい値と定義すると、適正濃度範囲の低濃度側のし
きい値は光電流出力電圧値では上限値となる。
【0031】コンパレータ30に於ては、測定された光
電流出力電圧値が予め定めておいた適正濃度範囲しきい
値に対応する電圧値の上限値及び下限値と比較される様
になっている。そして、上限値よりも測定された光電流
出力電圧値が高い(すなわち低濃度)場合には、ポンプ
駆動回路31を作動させ補充液供給用定量ポンプ71を
稼動させて濃度補充液3を液体現像剤貯液槽12に供給
する様になっている。また、測定された光電流出力がコ
ンパレータ30により比較され下限値を下回った時に
は、ポンプ駆動回路31の制御により補充液供給用定量
ポンプ71が停止する様になっている。上記のようにし
て濃度補充液が補充され、電着固形分濃度が一定に保た
れる。
【0032】本発明に係わる光学的濃度制御手段は、受
光素子発光素子を有し、液体現像剤中の光の透過光量に
よって液体現像剤のトナー粒子濃度を検出し、その結果
にしたがって補充液の補充を行うものである。また、本
発明に係わる赤外LEDのパルス変調発光は、発光素子
として、GaAsLED(発光波長940nm)のよう
な赤外発光のLEDを用いて、発光はパルス駆動すなわ
ちパルス的に短時間の発光を繰り返し行うパルス変調に
よる発光が用いられる。受光素子としては、CdS、C
dSe、Siフォトダイオード、フォトトランジスタ、
フォトSCR等の受光素子を用いることが出来る。受光
は、パルス変調されて発光された光と同期させて行う
が、同期させないで受光する事も出来る。一般にパルス
変調発光は光強度を高めることが出来、発光と関係のな
い外部からの入射光の影響を低下させ、S/N比の大幅
な向上が図れる。従って、従来に比して検出部のギャッ
プ(光路長)を充分に広くとることが出来、液体現像剤
中に異物が混在していたとしても検出精度の降落が著し
く抑制される。
【0033】また、発光波長を赤外波長にすることによ
り、液体現像剤中に存在する現像に寄与しない染料成分
の吸収(通常可視領域にある)の影響を受けず、特に染
料が液体現像剤の分散媒に微可溶性の場合には、現像に
寄与しない染料成分が現像を繰り返し行うにつれて次第
に蓄積し、染料吸収のある可視領域で発光、受光させる
場合にはこの現像に寄与しない染料成分の影響を強く受
けてしまう。赤外光を用いることで上記の問題は生じな
い。よって可視光を用いるよりも発光素子受光素子間を
広げることが出来、液体現像剤中の異物が挟まることに
よるトラブル等もなくなり、これによって液体現像剤濃
度を検知し補充液の補充を行えば、長期間に亙って安定
に製版を行うことが出来る。
【0034】パルス変調による発光受光に於ては、パル
ス幅/パルス周期で表現されるデューティ比が重要とな
る。本発明に係わるパルス変調に於けるデューティ比
は、1/2〜1/100が好ましく、更に1/5〜1/
20の範囲が好適に用いられる。またパルス電流は、デ
ューティ比にもよるが一般的に0.1mA〜100mA
なる範囲で実施され、好適には0.5mA〜10mAが
用いられる。
【0035】また、液体現像剤貯液槽12内には液面レ
ベルセンサ50が備えられており、液体現像剤量が、蒸
発及び版による液持ち出し等により減少し、該センサの
予め定めておいた下限値に達すると、補充液(A)(ク
リーナ液)と補充液(B)(濃度補充液)が混合した
時、ちょうど初期投入液の固形分濃度に等しくなるよう
な比率を予め設定しておき、その比率にしたがって補充
液(A)及び補充液(B)が補給される様になってい
る。補充液(A)、(B)の補給により液面が上昇し、
液面レベルセンサ50の基準値に達したところで補給が
停止される。クリーナ液4はすでに述べたように製版停
止時に循環ポンプ74の稼働により現像電極部14に供
給され、現像部各部位の洗浄に供され、クリーナ液の役
目を担うものである。また、液体現像剤貯液槽12の液
面が低下した際に液体現像剤貯液槽にクリーナ液が補充
されることにより、クリーナ液貯液槽15の液面は低下
するが、クリーナ液貯液槽にはクリーナ液の新液が自動
もしくはマニュアルで補充されるようになっている。
【0036】トナー現像を完了した電子写真平版印刷版
は、続いて図示しない溶出部に於てアルカリ性溶出液に
より非画像部光導電層を溶出して除去する。次に版面を
リンスして版上に残存する可溶化光導電層成分を洗浄除
去し、その後、版面の耐傷強度の向上及び非画像部不感
脂化等の目的で、保護ガム処理され、平版印刷版が出来
あがる。
【0037】
【実施例】以下、実施例によって更に説明するが、本発
明の範囲がこれにより限定されるものではない。 実施例1 (エマルションの合成)既知の溶液重合法にてn-ヘキシ
ルメタクリレート/メタクリル酸(単量体重量比95/
5)を重合し、共重合体の40%キシレン溶液を得た。
この溶液30gを1Lのヘキサン中に加え、共重合体の
沈澱物がスラリー状として得られた。n-ヘキサンで数回
洗浄デカンテーションしたスラリーを、窒素ガス導入
管、温度計、攪拌機、冷却管を備えた1Lの4ッ口フラ
スコ中に加え、450gのIPソルベント(出光石油化
学社製)を加えた。
【0038】次に、130gの酢酸ビニル、30gのス
テアリルメタクリレートを加えてよく攪拌し、均一な透
明溶液を得た。80℃で窒素ガス置換した後に、重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を
1gを加えて重合を開始させ、更に残存している酢酸ビ
ニルモノマを除去するために内部を減圧にして留去させ
た。得られた白色のエマルションには全く沈澱物はな
く、またモノマ臭も殆ど感じられなかった。電子顕微鏡
で粒径を測定したところ、0.20μmで粒径は極めて
均一であった。
【0039】(正帯電性液体現像剤の製造)上記で得ら
れた70gのエマルション中に、20gのキシレンに溶
解した2gのオイルブラックHBB(オリエント化学社
製)に超音波を照射しつつ滴下し、エマルション粒子を
着色した。次いで、電荷制御剤として1%のナフテン酸
コバルトのキシレン溶液を所定量加え、コンク(濃縮)
トナーを得た。電荷制御剤の添加量はこのコンクトナー
をアイソパーGで総量10Lに希釈した時の導電率が4
×10ー11S/cmになるように添加した。導電率の測定
は、横河ヒューレットパッカード社製のLCZメータ4
276Aを用いて測定した。印加した交流の周波数は1
kHzに設定した。以下、導電率の測定は同様にして行
った。
【0040】(補充液(B)(濃度補充液)の作製)上
記コンクトナーの作製に於て、電荷制御剤の添加量以外
は同一にコンクトナーを作製し、アイソパーGで総量1
Lに希釈して濃度補充液を得た。電荷制御剤添加量は、
アイソパーGで濃度補充液を液体現像剤の固形分濃度ま
で(すなわち10倍に)希釈した時の液の導電率が上記
液体現像剤の導電率の70%になるような添加量をあら
かじめ求め、添加した。
【0041】(電子写真平版印刷版の作製)JIS10
50アルミニウム(0.3mm厚)を60℃、10%水酸
化ナトリウム水溶液に浸漬し、アルミニウム溶解量が6
g/m2になる様にエッチングした。水洗後、30%硝酸
水溶液に1分間浸漬して中和し、充分水洗した。次に、
3%塩酸水溶液中で35A/dm2、50秒間電解粗面化
を行い、50℃、20%硫酸水溶液中に浸漬して表面を
洗浄した後、水洗した。更に、20%硫酸水溶液中で陽
極酸化処理を施して、表面に酸化皮膜を形成させ、水洗
後乾燥することにより印刷版用支持体を作製した。この
支持体表面処理面に、ペイントシェィカーにて1時間分
散させた表1記載の光導電層形成用塗液を固形分塗布量
4.2g/m2となる様塗布後、90℃で3分間乾燥して
電子写真平版印刷版を得た。
【0042】
【表1】
【0043】得られた電子写真平版印刷版を398mm
×560mmに裁断し、遮光して50℃で2時間加温後
室温まで放冷した。これを、暗所にて表面電位が約+2
80Vになる様帯電させ、半導体レーザ(780nm)
を用いて走査画像露光し、直ちに図1で示すトナー現像
部で前述の様にして作製した液体現像剤を用いて反転現
像を行った。
【0044】静電潜像が形成された電子写真平版印刷版
1(以下、印刷版1)は、矢印の示す方向に一定速度で
版を搬送する搬送手段(図示せず)により、現像電極部
14内に搬送される。現像電極部には液体現像剤循環ポ
ンプ72により液体現像剤2が供給され、印刷版1が現
像電極部に侵入してくると上部現像電極14aと印刷版
1間には液体現像剤2が充満される。上部現像電極14
aには180Vの電圧が印加され、印刷版1の裏面(ア
ルミ面)は0Vに接地され、上部現像電極14aと版面
上の静電潜像とが形成する電界により、版面上の静電潜
像の非帯電部位(すなわちレーザ露光部位)に液体現像
剤2中の正帯電性トナーが付着する。
【0045】その後、液体現像剤絞り手段13により版
面上の余剰液が除去され、その後、冷風乾燥の後、定着
部(図示せず)に於て赤外ランプにより熱定着され、溶
出部(図示せず)に於て非画像部の光導電層がアルカリ
溶出により除去された。その後ガム引きされて平版印刷
版が出来あがった。
【0046】その間、液体現像剤貯液槽12内の液体現
像剤2は液体現像剤供給用ポンプ72により現像電極部
14に供給され、現像に供された後、絞りロール13に
より版面上から除去され受け皿17で回収され再び液体
現像剤貯液槽12に戻り、循環して再使用された。
【0047】液体現像剤貯液槽12には光学的濃度制御
手段の検出部20が設置されている。検出部20は図3
に示すように対向する一対の素子である発光素子20a
及び受光素子20bよりなっている。発光素子は、赤外
発光のLEDが用いられている。計器部21は図2の様
に発光素子をパルス駆動するためのパルス発振器22及
び増幅器23、そして受光素子からの信号を光電流出力
にするためのAC増幅器24、検波器25、DC増幅器
26からなる。発光素子20aは、計器部21内にある
パルス発振器からの信号が増幅器を介して伝えられるこ
とでパルス変調されて発光される。DC増幅器26から
得られる光電流出力は、コンパレータ30によって、予
め定められた上限値下限値と比較され、上限値を上回っ
た場合には、すなわち液体現像剤中のトナー粒子濃度が
低く透過光量が大きくなった場合には、補充液供給用定
量ポンプ71が稼働し、補充液貯液槽16中に貯液され
た上記作製の補充液(B)3が液体現像剤貯液槽12内
に供給される。補充液供給用定量ポンプ71は、光学的
濃度制御手段から得られる光電流出力が下限値に達した
時に停止する。
【0048】また、液体現像剤貯液槽12には液面レベ
ルセンサ50も設置してあり、液面が予め定めておいた
下限値に達すると補充液供給用定量ポンプ71、75が
稼働しそれぞれ補充液(B)3及びクリーナ液(補充液
(A))4が同時に液体現像剤貯液槽12内に供給され
る。この時補充液(B)及びクリーナ液の供給量は、こ
の2液が混合した時にちょうど液体現像剤の固形分濃度
に等しくなるように予め設定され供給される。補充液
(B)及びクリーナ液の供給により、液体現像剤貯液槽
内の液面が上昇し予め定められた基準値に達すると定量
ポンプ71、75は停止する。また、液面レベルセンサ
50にはオーバーフロー防止のため上限レベルも予め定
められており、上限レベルに液面が達した場合は補充液
供給用定量ポンプ71、75は稼働しないようになって
いる。
【0049】また、クリーナ液貯液槽15内にも液面レ
ベルセンサ51が設けられており、クリーナ液はすでに
述べたような補充によって減少し下限液面値に達した時
は、クリーナ液の新液が貯液されているクリーナ補充液
貯液槽17からクリーナ液貯液槽へ定量ポンプ76の稼
働によりクリーナ液新液が補充される。これにより、ク
リーナ貯液槽15内のクリーナ液はトナー混入による濃
縮が進行せず常に良好な洗浄能力が維持される。
【0050】上記のようにして、1ヶ月に亙り4000
版製版を行った。
【0051】その結果、4000版全てに亙って良好な
製版物が得られた。現像電極部の汚れもほとんどみられ
ず、べた画像部の光学反射濃度、細線、網点の再現性等
は初期の良好な状態と変わりなかった。
【0052】比較例1 クリーナ液貯液槽15から現像電極部14へ液を供給す
る循環ポンプ74を稼働しないようにして、クリーナ液
貯液槽15内の補充液(A)を現像電極部の洗浄には用
いずに液体現像剤貯液槽12への補充のみに用いるよう
にして、現像電極部の洗浄を全く行わないようにした他
は実施例1と同様に長期に亙り多数枚製版を行った。
【0053】その結果、500版製版した所で、現像電
極の汚れに起因する現像むらが発生し、その後良好な製
版が行われなかった。
【0054】比較例2 クリーナ液(補充液(A))4は現像部の洗浄にのみ用
い、液体現像剤貯液槽12への補充は、クリーナ液に代
わる別に設けた高絶縁性の炭化水素媒体液(補充液
(C))によって行うようにした以外は上記実施例1と
同様に長期に亙り多数枚製版を行った。すなわち、液体
現像剤貯液槽12内に設置してある液面レベルセンサ5
0により液面が下限に達した事を検知した際には、定量
ポンプ75は稼働させずに、代わりに新たに設けた貯液
槽から新たに設けた補充液(C)を定量ポンプによって
液体現像剤貯液槽12に供給するようにする。
【0055】その結果、約1500版製版した時点で、
現像電極部の汚れに起因する現像むらが発生した。その
際、クリーナ液を観察すると、トナー混入により濃縮化
が進んでおり洗浄の効果は低下していた。現像電極を清
掃後、製版を再開しても200版製版しない内に同様の
現像むらが発生しそれ以降良好な連続製版を継続出来な
かった。
【0056】実施例2 上記液体現像剤の作製及び補充液(B)の作製に於て、
補充液(B)の作製時の電荷制御剤添加量が、液体現像
剤の固形分濃度まで希釈した時の液の導電率が液体現像
剤の導電率と同等になるように添加した以外は実施例1
と同様に液体現像剤及び補充液を作製し、多数枚製版を
行った。
【0057】その結果、約2500版まで良好に製版出
来た。
【0058】実施例3 補充液(B)の作製に於て、コンクトナーをアイソパー
Gで総量2Lになるように希釈し(すなわち液体現像剤
の固形分濃度の5倍にして)濃度補充液を得、添加する
電荷制御剤の量はアイソパーGで濃度補充液を液体現像
剤の固形分濃度まで希釈した時の液の導電率が液体現像
剤の導電率の70%になるように求め添加した他は実施
例1と同様に長期に亙り多数枚製版を行った。
【0059】その結果、実施例1と同様に4000版全
てに亙って良好な製版物が得られた。
【0060】実施例4 液体現像剤の作製及び補充液(B)の作製に於て、補充
液(B)の作製時の電荷制御剤添加量が、液体現像剤の
固形分濃度まで希釈した時の液の導電率が液体現像剤の
導電率の50%になるように添加した以外は実施例1と
同様に液体現像剤及び補充液を作製し、多数枚製版を行
った。
【0061】その結果、実施例1と同様に4000版全
てに亙って良好な製版物が得られた。
【0062】実施例5 上記液体現像剤の作製及び補充液(B)の作製に於て、
補充液(B)の作製時の電荷制御剤添加量が、液体現像
剤の固形分濃度まで希釈した時の液の導電率が液体現像
剤の導電率の20%になるように添加した以外は実施例
1と同様に液体現像剤及び補充液を作製し、多数枚製版
を行った。
【0063】その結果、実施例1と同様に4000版全
てに亙って良好な製版物が得られた。
【0064】実施例6 光学的濃度制御手段の検出部20及び計器部21を取り
去り、代わりに製版枚数を計数する計数手段及びその結
果に従い20版製版する毎に補充液供給用定量ポンプ7
1を一定時間稼働させるようにした他は実施例1と同様
に長期に亙り多数枚製版を行った。20版毎の定量ポン
プ71の稼働時間は、それにより液体現像剤貯液槽内に
供給される補充液量が、光学的濃度制御手段を用いて補
充した時の20版当り平均の補充液量に等しくなるよう
に設定した。
【0065】その結果、3000版まで良好に製版する
事が出来た。
【0066】実施例7 光学的濃度制御手段の検出部20及び計器部21を取り
去り、代わりに可視光の発光素子の連続発光を液体現像
剤を介して受光することにより液体現像剤のトナー粒子
濃度を検知する可視光による光学的濃度制御手段を設け
た他は実施例1と同様に長期に亙り多数枚製版を行っ
た。可視光による光学的濃度制御手段の検出部の構成と
しては基本的に図3に示す実施例1の光学的濃度制御手
段の検出部20と同様に、可視光発光素子と受光素子を
対向して配設する。発光素子受光素子間の液体現像剤中
を透過してきた透過光量により受光素子で光電流が発生
し、その値を実施例1と同様にあらかじめ定めておいた
上限下限しきい値とコンパレータ30に於て比較し補充
液供給用定量ポンプ71を制御する。発光素子受光素子
間の液体現像剤によって満たされる間隔は必要な透過光
量を得るためにある程度狭くなくてはならず、2mmに
設定してある。
【0067】その結果、約3500版まで良好に製版す
る事が出来た。
【0068】
【発明の効果】本発明の方法によって電子写真平版印刷
版の製版を行えば、長期に亙って多数枚製版を行っても
良好な製版物が安定して得ることが出来る。すなわちク
リーナ液を補充液とすることでクリーナ液のクリーニン
グ効果を常に良好に保ち、反転現像方式における現像電
極の汚れに起因する現像むら等のトラブルを未然に防ぐ
ことが出来、長期に亙って安定に良好な現像を行うこと
が可能となる。また、もう一つの補充液(B)(濃度補
充液)として、初期投入の液体現像剤よりも高濃度であ
りかつ初期投入の液体現像剤の導電率よりも低い液を用
いることで更に良好に長期に亙って安定な製版物を得る
ことが出来る。また、光学的濃度制御手段を用いて液体
現像剤の濃度を一定にするように補充液(B)を補充す
ることにより更に信頼性が向上し、また、光学的検知手
段の発光素子の発光を赤外LEDのパルス変調により行
うことにより、更に一層信頼性が向上し、長期に亙って
多数枚製版を行っても良好な製版物を得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の湿式現像方式の電子写真平版
印刷版製版機のトナー現像部の構成を示す概略図であ
る。
【図2】本発明の実施例の液体現像剤の光学的濃度制御
手段の検出部及び計器部の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施例の液体現像剤の光学的濃度制御
手段の検出部の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電子写真平版印刷版 2 液体現像剤 3 濃度補充液 4 クリーナ液 14 現像電極 17 クリーナ補充液貯液槽 20 光学的濃度制御手段検出部 21 光学的濃度制御手段計器 30 コンパレータ 31 ポンプ駆動回路部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属性支持体上に設けた光導電層を帯電
    及び露光した後、液体現像剤及び(A)、(B)2種類
    の補充液を用いた反転現像によって静電潜像を現像し、
    更に定着後非画像部を溶出する電子写真平版印刷版を連
    続的に製版する方法に於て、該2種類の補充液の1種
    (A)が現像部の洗浄に用いるクリーナ液であることを
    特徴とする電子写真平版印刷版の製版方法。
  2. 【請求項2】 もう1種の補充液(B)が固形分濃度が
    初期投入の液体現像剤よりも高濃度でありかつ初期投入
    の液体現像剤と同等の固形分濃度まで希釈した時の導電
    率が初期投入の液体現像剤の導電率よりも低いことを特
    徴とする請求項1記載の電子写真平版印刷版の製版方
    法。
  3. 【請求項3】 光学的濃度制御手段を用いて液体現像剤
    の濃度を一定にするように補充液(B)を補充するよう
    にした請求項1または2記載の電子写真平版印刷版の製
    版方法。
  4. 【請求項4】 光学的濃度制御手段における発光素子の
    発光を赤外LEDのパルス変調により行うようにした請
    求項3記載の電子写真平版印刷版の製版方法。
JP21172293A 1993-08-26 1993-08-26 電子写真平版印刷版の製版方法 Pending JPH0764354A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162892A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Kyocera Mita Corp 画像形成装置
JP2009265175A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Kyocera Mita Corp 画像形成装置及びそれを備えた画像形成装置

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