JPH08262810A - 電子写真液体反転現像装置の洗浄方法 - Google Patents

電子写真液体反転現像装置の洗浄方法

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JPH08262810A
JPH08262810A JP6378995A JP6378995A JPH08262810A JP H08262810 A JPH08262810 A JP H08262810A JP 6378995 A JP6378995 A JP 6378995A JP 6378995 A JP6378995 A JP 6378995A JP H08262810 A JPH08262810 A JP H08262810A
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JP
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liquid
cleaning
developing
solvent
developer
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JP6378995A
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Yuji Takagami
裕二 高上
Yasuo Kaneda
安生 金田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現像装置の長時間停機による絞りロール付着
トナーに起因する横筋状画像不良の発生を防止し、さら
に反転現像時、電極板付着トナーによる画像不良を防止
し、均一で、高解像力の電子写真平版印刷版が得られる
電子写真液体反転現像装置の洗浄方法を提供することで
ある。 【構成】 バイアス電圧が印加される現像電極板とこれ
に対面して設けられた下部ガイド板とで形成された間隙
を通路とし、この通路内に電子写真平版印刷版を液体現
像剤を通過させながら液体現像剤と接触させて現像する
現像部を有する液体現像装置を洗浄する電子写真液体反
転現像装置の洗浄方法において、液体現像剤に用いた溶
剤とその沸点より50℃以上高い沸点を有する溶剤の混
合液からなる洗浄液を用いて洗浄することを特徴とする
電子写真液体反転現像装置の洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真平版印刷版の
現像を行う電子写真液体現像装置の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版の作製方法は既に数多く知ら
れている。例えば、印刷用原版に銀塩フィルムによる原
稿を密着し、該原版の感光層に直接紫外線等で露光し、
これによって原稿の画像部に対応する硬化部分と、非画
像部に対応する非硬化部分を形成し、非硬化部分をアル
カリまたは水で洗浄除去し、硬化部分をインキ受理性と
する製版方法である。この方法による印刷版がいわゆる
PS版と称されるものであり、広く用いられている。
【0003】一方、コンピュータ画像処理技術及び大容
量データのメモリー開発とデータ通信技術等の進歩によ
り、近年では、原稿入力、補正、編集、割付から頁組ま
で一貫してコンピュータ操作され、高速通信網や衛星通
信により即時遠隔地の末端プロッターに出力出来る電子
編集システムが実用化している。特に、即時性の要求さ
れる新聞印刷分野等において電子編集システムはもちろ
ん、そこからのデータにより印刷版が直接得られる製版
システムについても実用化されつつある。現在、このよ
うな製版システムにおいては、電子写真プロセスを利用
し、レーザー光源(半導体レーザー、He−Neレーザ
ー等)露光によるシステムが種々の面から期待されてい
る。
【0004】このようなシステムにおいては、後述のよ
うな溶出型の電子写真平版印刷版が従来から使用されて
いるPS版と同様な印刷条件で印刷することが可能であ
るため、有利に使用できる。その主な製版工程としては
印刷用原版を帯電、露光、現像を行い、トナーにより画
像を形成し、トナーが付着しない非画像部を溶出液によ
り除去し、予め親水化処理を施した支持体表面を露出さ
せ印刷版とする。ここでトナーにより保護された画像部
は親油性であるから、オフセット印刷が出来るのであ
る。
【0005】電子写真平版印刷版は、アルミニウム等の
導電性支持体上に光導電性化合物を含む光導電体層が被
着された電子写真感光体から作製される。この電子写真
感光体の光導電体層を構成する材料としては、特公昭3
7−17162号、同38−7758号、同46−39
405号、特開昭52−2437号、同57−1618
63号、同58−2854号、同58−28760号、
同58−118658号、同59−12452号、同5
9−49555号、同62−217256号、同63−
226668号、特開平1−261659号公報等に記
載されている様な有機光導電性化合物・結着樹脂系材料
が実用感度、耐刷性等に優れている。
【0006】電子写真平版印刷版の製版工程に於ては、
上記電子写真感光体の光導電体層上に、まず所定の帯電
工程が施され、一様な電荷がのせられる。次に露光によ
って画像に対応する静電潜像が形成される。続いて電子
写真用現像剤を用いての現像そして定着処理が行われ、
上記静電潜像に対応したトナー画像が形成される。この
トナー画像以外の非画像部は、アルカリ剤等を含有する
溶液により溶解・除去(溶出)され、続いて水洗または
酸性のリンス液による版面表面の見かけ上のpHの調
節、また必要に応じて版面保護液(保護ガム液)の塗布
等の処理が施されて最終的な刷版が得られる。
【0007】ところで上記現像行程において、いわゆる
反転現像によりトナー画像を得ることとすると、その現
像特性からカブリ及び線細りのない良好な画像を得るこ
とが出来る。最近では特に高解像力で高品質な画像再現
性が要求されており、反転現像による電子写真平版印刷
版の製造方法はこの品質要求に応える方法である。
【0008】反転現像を行う場合には、まず露光行程に
おいてトナーの付着が行われるべき部分(画線部)に対
して光照射が行われ、その光照射部分の電位がほぼ0V
に減衰させられる。このとき光照射が行われない部分
(非画像部相当部分)は初期帯電電位がそのまま維持さ
れることとなる。一方、現像行程領域では、液体現像剤
で充満された電極を介して、電極と電子写真平版印刷版
の間に所定の現像バイアスを印加する。この場合現像剤
中のトナー粒子は、所定の方法によって帯電された感光
体側と同極性の荷電を有している。このような状態で、
上記現像行程領域の現像電界中に静電潜像を有する感光
体が搬入されると、トナー粒子が現像電界により感光体
側に泳動されてゆき、光照射部分である感光体の0V部
分にトナー粒子の付着が行われる。この時初期帯電電位
が残留している非画像部相当部分はトナー粒子と反発し
あうこととなってトナー粒子の付着は回避される。
【0009】このような反転現像に用いられる現像剤と
しては、一般に乾式現像剤及び液体現像剤のいずれも採
用することが出来るが、液体現像剤は高絶縁媒体中に顔
料(染料)あるいはポリマー粒子を分散させ、必要に応
じて着色を行い、これに電荷(荷電)制御剤を加えて所
定の電荷を付与したものであって、乾式現像剤に比して
安定的にトナー粒子を微細化出来、これにより高解像力
で良好な画像再現性を得ることが出来るため、特に電子
写真平版印刷版の現像剤として用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
液体現像方式を用いた場合、トナー粒子により静電潜像
を画像として形成した後の余剰な液体現像剤を出来るだ
けかつ均一に除去することが高解像力を得るために必要
である。除去方法としては、版面上に存在している余剰
な液体現像剤を現像装置から持ち出されないように版を
上下のロールで挟みこむ絞りロール方式、版面上に空気
を吹き付けて液体現像剤を押し戻すエアナイフによる絞
り方式、コロナ帯電による静電的絞り方式等あるが、簡
便性、絞り効率、及び絞り幅方向の均一性等から絞りロ
ール方式が好ましい。
【0011】しかし絞りロール方式では、公知のように
長時間ロールを回転させないでおくと、液体現像剤がロ
ール対の接合部付近に溜ったまま、分散媒の蒸発にとも
なって残留現像剤中のトナー濃度が上昇して粘調性を帯
び、ついにはロール表面に固着する。このように固着し
たトナーは、ロールの回転を阻害したり、次に現像液を
絞り取る際に版面に付着し、横筋状の画像不良が周期的
に発生して、良好で高解像度の画像形成の妨げとなって
いた。このような現象は、現像装置が高温にさらされた
場合には分散媒の蒸発が促進されるために低時間の停止
でも発生する場合があった。
【0012】また、特に反転現像処理を行う場合では、
さらなる問題として現像電極板にトナー粒子が部分的に
固着すると、その部分が電気的に絶縁状態となって均一
な現像を阻害し、さらに固着が現像電極板全面に及べば
現像に必要なバイアス電圧がまったく印加されれない状
態に陥り、良好なトナー現像が出来ずにきわめて不鮮明
な画像となり使用に耐えなくなる場合もあった。
【0013】このような問題に対して、特開平4−32
9567号公報には、傾斜して設けられた現像電極板
と、これに対面して設けられた下部ガイド板とで実質的
に直線状に形成された間隙を通路とし、該通路を電子写
真感光体と電子写真液体現像剤を通過させて現像するよ
うにし、該通路の下方端側に絞りロール対を有する電子
写真液体現像装置の洗浄装置であって、前記通路の上方
端またはその近傍に該通路内に洗浄液を供給するための
洗浄液吐出口、前記絞りロール対下部に液体現像剤流路
と洗浄液流路と切り替え可能な液受け部を有し、上記洗
浄液吐出口から供給した洗浄液が前記通路、絞りロール
対、液受け部、及び洗浄液流路を経て洗浄液回収装置に
導かれるようになっており、該回収装置内または洗浄液
循環流路で洗浄液中に含まれた液体現像剤のトナー粒子
成分を除去し、該洗浄液を循環使用する構成からなる装
置が提案されている。本装置は現像部が傾斜保持されて
おり、使用した現像剤や洗浄液は効率よく回収されて現
像部内にほとんど残留せず、また洗浄効果も高く有効な
方法である。
【0014】しかしながら、長期に亘る使用、すなわち
装置のメンテナンスフリー化を考慮すると必ずしも充分
ではない。その理由としては特に洗浄液を繰り返して循
環して使用した場合、洗浄液に現像剤が混入し、停機の
間に洗浄液が乾燥してしまい固着物が発生するという問
題がある。本発明者らは、これらの現象をよく観察し検
討した結果、ロールや電極板は常に湿潤状態である事の
方が良好なクリーニング性を有するということが判っ
た。また、装置のレイアウトに有利なように搬送を水平
にした場合には洗浄液が残存し、停機中に乾燥し固着物
が発生することがあり好ましくない。また該装置に用い
られる洗浄液はトナー溶剤とほとんど同じものであり、
本発明はこれを改良するものである。
【0015】一方、特開平4−329568号公報に
は、現像装置の洗浄に用いた洗浄液を回収し、洗浄液中
に混入した液体現像液のトナー粒子成分を電着方法によ
って除去し、再度洗浄液として使用する洗浄装置が提案
されている。該装置も洗浄液の長寿命化に有効な方法で
はあるが、トナー粒子成分を電着した電着板の処理や、
装置コスト、ランニングコスト等に問題がある。本発明
の目的はランニングコスト等に優れ、現像装置の長時間
停機による絞りロール付着トナーに起因する画像不良の
発生を防止し、さらに反転現像時、電極板付着トナーに
よる画像不良を防止し、均一で、高解像力の電子写真平
版印刷版が得られる電子写真液体反転現像装置の洗浄方
法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明ではバイアス電圧が印加される現像電極板と
これに対面して設けられた下部ガイド板とで形成された
間隙を通路とし、この通路内を電子写真平版印刷板を通
過させながら液体現像剤と接触させて現像する現像部を
有する電子写真液体反転現像装置の洗浄方法において、
液体現像剤に用いた溶剤の沸点より50℃以上高い沸点
を有する溶剤からなる洗浄液を用いて洗浄することを特
徴とする電子写真液体反転現像装置の洗浄方法によって
達成される。また上記課題は、前記本発明の電子写真液
体反転現像装置の洗浄方法において、洗浄液として液体
現像剤に用いた溶剤と該溶剤の沸点より50℃以上高い
沸点を有する溶剤の混合液用いることによっても達成さ
れる。
【0017】液体現像剤に用いた溶剤よりも沸点の高い
溶剤はその沸点が高いほど長期の停機に対してロールや
電極板を湿潤状態に保つことができるが、洗浄液を繰り
返して循環して使用した場合に、ロールや電極板に残存
する洗浄液が現像剤に混入し、結果として現像剤の沸点
を上昇させる事となり現像時にトナーの定着等に影響を
与える可能性がでてくる。両溶剤の好ましい沸点差は、
50℃〜約300℃である。洗浄液として前記の2種の
混合溶剤を用いる場合の混合比率は、現像装置の構造、
即ち現像液がロール対や電極に残存しやすいかどうかで
異なってくるが、固着物が発生しない範囲で混合するこ
とができ、一般的には該混合溶剤中の現像剤に用いた溶
剤の沸点より50℃以上高い沸点を有する溶剤が重量で
0.1%以上、好ましくは1%以上であり、更に好まし
くは10%以上である。
【0018】さらに、現像部と、現像部の少なくとも後
方に配置されたロール対と、該ロール対及び現像部を洗
浄する洗浄機構を有し、かつ液体現像剤流路と洗浄液流
路の切り替え可能な液受け部を有する電子写真液体反転
現像装置において、上記のような洗浄液を用いて洗浄す
ると一層の効果を発揮する。また、洗浄液を洗浄液循環
流路で循環させ、繰り返し使用することにより、洗浄液
の消費が抑制される。
【0019】図1及び図2に本発明の洗浄方法に用いら
れる現像装置及びこれに付帯する洗浄機構の一例を概略
的に図示する。本発明の洗浄方法に用いられる現像装置
は、実質的に現像が実施される現像部と、現像部の少な
くとも搬送後方に配置され、印刷版を次工程へ搬送する
と共に余剰の液体現像剤を絞る絞りロール対6と、現像
部及びロール対から流れ落ちる液を受ける液受け部7
と、液体現像剤25及び洗浄液26を回収貯液する回収
タンク21及び22と、これらの送液回流系路とを有し
ている。
【0020】現像部は、図示しないバイアス電圧印加機
構よりバイアス電圧を印加しながら液体現像剤を供給し
て反転現像を実施する現像電極板1と印刷版の搬送を補
助する下部ガイド板4とを有し、液体現像剤25は貯液
回流系から一旦電極板1の上部に配置された整流室3に
供給され、整流されて現像電極板1と下部ガイド板4の
間隙を充満し、余剰分は液受け部7へと流れる様になっ
ている。液受け部7へと流れ込んだ液体現像剤は切り替
えコック8を経由して液体現像剤流路12へ導かれ、液
体現像剤回収タンク21へと液体現像剤25を導いてい
る。導かれた液体現像剤25は用いる現像装置によりそ
の処遇が決定されるが、一般的には回収利用される。図
1、2では液体現像回収タンク21に回収された液体現
像剤25をポンプ28を用いて配管16に送り込み切り
替えコックを経由して配路18を通り整流室3に供給す
ることにより循環利用してる。
【0021】ところで本発明の洗浄機構の動作は、版材
が現像装置を通過し終えた後から次の版材が現像装置に
入るまでの間で行われる。好ましい態様としては、版材
の末端が絞りロール対6を通過した後、図示しない制御
機構の信号により液体現像剤の供給を停止し、洗浄液2
6が洗浄液タンク22よりポンプ29を用いて配管17
に導かれ切り替えコック5が動作し、整流室3への流入
は液体現像剤25から洗浄液26に切り替わり、洗浄液
26が現像電極板1と下部ガイド板4の間隙を充満し、
洗浄液26は絞りロール対6を経て液受け部7へ導か
れ、配管10に流入される。同時に切り替えコック8が
切り替わり、洗浄液26は排出路13を通り廃棄タンク
23へ、または排出路14を通り洗浄液回収タンク22
へと洗浄液流路を形成する。このように洗浄液26は、
現像電極板1及び下部ガイド板4を洗浄し、さらに絞り
ロール対6を洗浄し廃棄タンク23または洗浄液回収タ
ンク22に導かれる。このような動作を次版が搬送され
てくるまで繰り返せば、現像電極板1と下部ガイド板4
の間隙部、及びロール対6の挟持部は液体現像剤25か
ら洗浄液26に置換される。
【0022】この状態で現像装置を停止し、長時間放置
しても、電極板1と下部ガイド板4の間隙及びロール対
6挟持部にわずかな洗浄液や洗浄液中に含まれる現像剤
が存在するが、液体現像剤に用いられた溶剤よりも揮発
性の低い溶剤または該溶剤を含む洗浄剤に置換される訳
であるから、乾燥が抑制されロール対の固着や現像電極
部、下部ガイド板等の汚れも防止できる。なお、洗浄液
吐出口は図1及び図2に示したように液体現像剤を整流
室3から下部ガイド板4上方へ導く液体現像剤吐出口と
共用しなくとも、版の搬送に支障がなく、電極板1と下
部ガイド板4の間隙部及び絞りロール対6の洗浄が良好
にできる位置であれば良い。
【0023】また、本発明に係わる現像装置の現像電極
板、下部ガイド板、及び絞りロール対は直線的な搬送ラ
イン2を形成していればよい。搬送ライン2は水平(図
1)でも傾斜(図2)でもよい。水平にした場合には多
少の液溜まりが生ずるが、本発明に用いる洗浄剤は揮発
性が低く、蒸発が抑えられているため、多少の液溜まり
が生じても乾燥は抑制される。また液溜まりを防止する
ために下部ガイド板に傾斜した溝を掘ったり穴をあけた
りして、液を流れ易くしてもよい。現像部全体に傾斜を
つける場合の角度は5度から45度程度が装置の設計上
好適である。
【0024】本発明の洗浄方法に用いる洗浄機構は、少
なくとも絞りロール対を有する電子写真液体現像装置に
設置することが出来、自動製版装置等少なくとも露光工
程から現像工程まで製版工程が連続している場合などで
は版の存在位置の検出を行えば、上述の洗浄工程、つま
り現像部から排版された後に、液体現像剤あるいは洗浄
液の供給側及び回収側の切り替え操作を自動制御するこ
とが可能である。さらに現像装置を停止する場合にはあ
る一定時間洗浄し、停止するように制御すれば好適であ
る。もちろんこれらの動作を手動で行っても差し支えな
い。
【0025】洗浄液を現像装置に供給して洗浄する方式
は様々な態様がある。最も簡便な方法は図1及び図2に
示すように液体現像剤と洗浄液を切り替えコックで現像
部に供給する方法である。しかしながら必ずしもこれに
限定されるものではなく、例えば入り口ロールや絞りロ
ールの上部に洗浄液専用の吐出口を設置して洗浄液を供
給してもよいし、現像電極板上部に電極板に向けて吐出
口を設置してもよい。傾斜電極の場合は図2のように水
平の場合と同様にコック切り替えで現像部に供給しても
よいし、電極の前部から独立した吐出口で洗浄液を供給
してもよい。また傾斜電極で前部に入り口ロールを設置
する場合は入り口ロールに洗浄液がかかる様に洗浄液を
吐出した方がより好ましい。吐出の方法はシャワーパイ
プが簡便で好ましいが、方法は装置の形状などを考慮し
て適宜選択すれば良い。液受け部からの循環は図1及び
図2の様に、1つの排出口から切り替えコックを経由し
てもよいし、現像剤と洗浄液を別々の排出口を経由して
もよい。この場合切り替え操作は各々の排出口のON−
OFFによることが好ましい。
【0026】本発明に用いられるバイアス電圧が印加さ
れる現像電極板は実質的に反転現像時にバイアス電圧が
印加される構成になっていれば良く、その材質、形状は
問わない。バイアス電圧は、液体現像剤や印刷版の種類
や現像速度に依存するが、通常は10〜500V、より
好ましくは30〜300Vである。バイアスはトナー粒
子の電荷によって正負いずれも可能である。また、下部
ガイド板は印刷版と液体現像剤の通路を形成するもので
あって、その材質、形状は問わないが、反転現像の場合
はバイアス電圧を現像電極板から印加するため、絶縁体
が好ましい。
【0027】本発明においては、現像後の余剰の液体現
像剤の除去手段を、図示したような絞りロール対に限定
するものではないが、絞りロール対を用いる場合はロー
ル硬度が25〜60の弾性体が好ましい。また、少なく
とも本発明に係わる液体現像剤及び洗浄剤に対する耐溶
剤性も必要とされることから、特に好適なロール表面素
材はニトリルゴムやNBRである。さらに絞りロール対
の搬送後方には、絞り効果を向上させるために、エアー
ナイフ方式を併用しても良い。
【0028】本発明に係わる液体現像剤としては、カー
ボンブラックのような顔料を分散樹脂と共に高絶縁性炭
化水素溶剤中に分散した物や、電荷制御剤により荷電さ
れた、染料により着色あるいは無着色の樹脂粒子を高絶
縁性炭化水素溶剤中に分散した物があるが、いずれにも
適用することが出来る。樹脂粒子分散タイプの液体現像
剤は、分散安定性、荷電安定性、及び定着性に優れてい
る。
【0029】本発明に係わる液体現像剤に使用される高
絶縁性炭化水素溶剤は、低誘電率で高電気絶縁性の有機
溶媒であり、例えば、直鎖パラフィン系炭化水素、イソ
パラフィン系炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水
素、ハロゲン系脂肪族炭化水素等が挙げられるが、イソ
パラフィン系炭化水素が好適に用いられる。イソパラフ
ィン系炭化水素の例としては、シェルゾル71(シェル
石油製)、アイソパーG、アイソパーH、及びアイソパ
ーL(エクソン石油製)、IPソルベント1620(出
光石油製)等が挙げられる。
【0030】さらに特開昭59−83174号、同59
−177572号、同59−212850号、同59−
212851号、同60−164757号、同60−1
79751号、同60−185962号、及び同60−
185963号公報等に述べられているように、いわゆ
る分散重合法によって高絶縁性溶剤に可溶な重合体存在
下で該溶剤に可溶であるが重合体を形成すると不溶とな
るモノマーを重合し、得られた樹脂分散物を液体現像剤
とした物も用いることが出来る。さらに特開昭62−2
31266号、同62−231267号、同62−23
2660号、同63−178258号、及び同63−1
79368号公報等に記載された液体現像剤も好適に用
いることが出来る。該液体現像剤は工業的製造上の安定
性及び分散安定性等において優れている。
【0031】本発明に使用される液体現像剤の分散樹脂
粒子を着色する場合の着色剤としては、一般に湿式現像
剤着色剤として知られているものが任意に使用できる。
例えば、オイルブラック及びオイルレッド等の油溶性染
料、ビスマルクブラウン及びクリソイジン等の塩基性ア
ゾ染料、ウールブラック、アミドブラックグリーン、及
びブルーブラックHF等の酸性アゾ染料、ダイレクトブ
ラックE及びコンゴーレッド等の直接染料、スーダンバ
イオレット及びアッシドブルー等のアントラキノン染
料、オーラミン、マラカイトグリーン、クリスタルバイ
オレット、及びビクトリアブルー等のカルボニウム染
料、ローダンB等のローダミン染料、サフラニン、ニグ
ロシン、及びメチレンブルー等のキノンイミン染料等の
染料が挙げられる。
【0032】さらに分散樹脂粒子の着色法については、
使用する着色剤を溶解する溶剤に予め溶解しておき、こ
の着色剤溶液を分散樹脂粒子液に滴下攪拌する方法があ
る。特にオイル染料をトルエンあるいはキシレン等の芳
香族溶剤に溶解し滴下攪拌を行うことにより、好ましく
着色できる。その際、着色剤を溶解する溶剤は、前記媒
体として用いられる例えばイソパラフィン系炭化水素溶
剤と混和することが望ましい。さらに染料を溶解する溶
剤は、比較的絶縁性を有しかつ高沸点のものを用いる事
が望ましく、一例として油溶性染料を用いた場合、芳香
族炭化水素であればキシレン等を小量用いると、溶剤を
除かなくても液体現像剤として十分使用に耐えるものが
製造できる。従って油溶性染料のように比較的有機溶剤
に対する溶解性の大きな染料を用いて染着する場合に
は、染料を溶解する溶剤の量を少なくしておけば、分散
樹脂粒子の着色後に上記溶剤を除去する必要はなくな
る。
【0033】本発明に係わる液体現像剤は、電荷制御
剤、染着する場合は染料等を選択すれば、正荷電性また
は負電荷性を有するトナーを製造することが出来る。本
発明にに係わる液体現像剤の電荷制御剤としては、例え
ばオレイン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ナフテン酸マンガン、
オクチル酸コバルト、レシチン、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム、及びステベライトロジンのアルミニウ
ム塩等や、特公昭49−26594号、同49−265
95号公報、特開昭60−173558号、同60−1
75060号、同60−179750号、同60−18
2447号、同60−218662号、同61−278
867号、同62−30260号、同62−34170
号、及び同63−124056号公報等に挙げられた電
荷制御剤を用いることが出来る。
【0034】また負電荷性を有するトナーを製造するに
は、該溶剤に可溶で塩基を持つ単量体(例えばラウリル
メタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレート
の共重合体)と、ピロメリット酸、トリメリット酸、ト
リメシン酸、及び安息香酸等の該媒体に不溶な酸を組み
合わせて用いる事が出来るが、これらに限定されるもの
ではない。
【0035】本発明に係わる洗浄液について述べる。本
発明においては洗浄液として、液体現像剤に用いられる
溶剤の沸点より50℃以上高い沸点を有する溶剤を用い
ること、もしくは該溶剤と液体現像剤に用いられる溶剤
との混合液を用いることを特徴としている。本発明で用
いられる液体現像剤に用いられる溶剤の沸点より50℃
以上高い沸点を有する溶剤としては、少なくとも液体現
像剤に用いられるトナー粒子を実質的に溶解せず、かつ
安定的に分散する液体であって、現像及び洗浄により相
互の液が多少とも混合することもあり、前述の液体現像
剤に使用される溶剤と同系統の溶剤、すなわち高絶縁性
炭化水素溶剤が好適に用いられる。
【0036】ところで、液体現像剤用溶剤として実際に
最も一般的に用いられている高絶縁性炭化水素溶剤は、
前述のイソパラフィン系のアイソパーG、アイソパー
H、及びIPソルベント1620等であるが、その理由
はトナー現像液の乾燥定着が実用機の風量や熱量とうま
くマッチングできるためである。これらの溶剤は石油系
であるため様々な留分が含まれ、沸点は定常値ではな
い。例えば、アイソパーGはメーカーであるエクソン社
のカタログによると初留点は158℃、50%蒸留点は
164℃、95%蒸留点は173℃、乾点は177℃と
なっている。従って、石油系溶剤の場合においては、本
発明における「沸点」は本発明の主旨に照らし乾点値と
定義する。本発明における洗浄液は、液体現像剤に用い
た溶剤より50℃以上沸点(乾点)の高い溶剤、もしく
は該溶剤と液体現像剤に用いた溶剤との混合液を用いる
ことにより、前述の如くより良いクリ−ニング性が発揮
される。
【0037】本発明の効果は、洗浄液に液体現像剤用溶
剤より50℃以上沸点の高い溶剤を用いることによっ
て、洗浄液の揮発性が抑えられることにより、より良い
クリーニング性が発揮される事から、本来は揮発性のパ
ラメータにより本発明の範囲を限定すべきところである
が、種々の検討の結果、本効果は揮発性パラメータと沸
点に相関があるので、揮発条件に制限されず数値的に明
瞭な沸点により本発明を規定する。
【0038】本発明に用いられる洗浄液が上記混合溶剤
である場合の「液体現像剤に用いた溶剤」とは、本発明
の実施に際して用いられた液体現像剤に用いた溶剤と全
く同じもののみを意味するものではなく、前述の液体現
像剤に使用される高絶縁性炭化水素溶剤を意味する。
【0039】本発明に係わる「液体現像剤に用いた溶剤
の沸点より50℃以上高い沸点を有する溶剤」の例とし
ては、アイソパーM(エクソン社製)、IPソルベント
2028、IPソルベント2835(出光石油製)等の
石油系高絶縁性炭化水素溶剤が挙げられる。
【0040】液体現像剤に用いられる溶剤の沸点より5
0℃以上高い沸点を有する溶剤として上記石油系溶剤以
外にも、様々な溶剤を用いることが出来る。その例とし
てはリン酸トリブチル、リン酸トリス(2-エチルヘキ
シル)、及びリン酸トリグレジル等のリン酸エステル
類。フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、及びフタ
ル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類。オレイン
酸メチル、オレイン酸ブチル、オレイン酸オクチル、ミ
リスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、
パルミチン酸2ーエチルヘキシル、ステアリン酸ブチ
ル、ステアリン酸イソトリデシル、及びグリセリンモノ
オレイン酸エステル等の脂肪酸一塩基酸エステル類。ア
ジピン酸ジブチル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、
アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ビス(2-エチ
ルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス
(2-エチルヘキシル)、及びトリメリット酸トリス
(2-エチルヘキシル)等の多塩基酸エステル類、ジエ
チレングリコールジベンゾエート、ソルビタンモノラウ
レート、及びソルビタントリオレエート等の二価アルコ
ールエステル類。アセチルリシノール酸メチル、アセチ
ルリシノール酸ブチル、アセチルクエン酸トリブチル等
のオキシ酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、及びイソステアリン酸グリセリド等が挙
げられる。これらの沸点は化学工業日報社発行の「11
892の化学商品」、花王社「脂肪酸エステル製品」カ
タログ等に記載されている。
【0041】また、イソミリスチルアルコール、イソパ
ルミチルアルコール、イソステアリルアルコール及び、
イソエイコシルアルコール等の分岐を有する高級アルコ
ール類、イソペンタン酸、イソノナン酸、イソデカン
酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステア
リン酸、及びイソヘキサコ酸の様な分岐を有する高級脂
肪酸等も使用できる。更に流動パラフィン類やラノキッ
ト、ホホバ油、種々のシリコーンオイル等も使用でき
る。石油系のイソパラフィン系溶剤と異なり、これらの
溶剤を使用するに際して留意すべき事は、現像絞りロー
ルにゴムを用いた場合にゴムの膨潤、変形等である。こ
れを抑制、防止するためには、前述のイソパラフィン系
溶剤と混合して用いることが好ましい。
【0042】
【実施例】本発明を実施例により更に具体的に説明する
が、本発明はその主旨を越えない限り、下記の実施例に
限定されない。
【0043】実施例1 (電子写真平版印刷版の作製例)JIS1050アルミ
ニウムコイル(0.3mm厚、幅450mm)を60℃
の10%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、アルミニウ
ム溶解量が6g/m2になる様にエッチングした。水洗
後、30%硝酸水溶液に1分間浸漬して中和し、充分水
洗した。その後、0.7%硝酸水溶液中で、20秒間電
解粗面化を行なった後、50℃、20%硫酸水溶液中に
浸漬して表面を洗浄し、水洗した。更に、20%硫酸水
溶液中で陽極酸化処理を施して、水洗、乾燥することに
より、印刷版用支持体を作製した。
【0044】この支持体表面処理面に、ダイノミルにて
1時間分散させた表1記載の光導電層組成物をバーコー
ターで塗布後、90℃5分間乾燥して電子写真平版印刷
原版を作製した。この時、光導電層の固形分塗布量は
4.0g/m2であった。
【0045】
【表1】
【0046】(液体現像剤の製造例)既知の溶液重合法
にてn-ラウリルメタクリレート/メタクリル酸(単量
体重量比97/3)を重合し、共重合体の40%キシレ
ン溶液を得た。この溶液30gを1Lのヘキサン中に加
え、共重合体の沈澱物がスラリー状として得られた。n
-ヘキサンで数回洗浄デカンテーションしたスラリー
を、窒素ガス導入管、温度計、攪拌機、冷却管を備えた
1Lの4ッ口フラスコ中に加え、450gのアイソパー
Gを加えた。
【0047】次に、110gの酢酸ビニル、20gの安
息香酸ビニル、30gのラウリルメタクリレート加えて
良く攪拌し、均一な透明溶液を得た。80℃で窒素置換
した後に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル(AIBN)を1g加えて4時間重合を行なった。重
合終了後に残存している酢酸ビニルモノマーを除去する
ために内部を減圧にして留去させた。得られた白色のエ
マルションには全く沈澱物はなく、またモノマー臭もほ
とんど感じられなかった。電子顕微鏡で粒径を測定した
ところ、粒径は0.25μmで極めて均一であった。
【0048】上記で得られた50gのエマルション中
に、20gのキシレンに溶解した1gのオイルブラック
HBB(オリエント化学社製)に超音波を照射しつつ滴
下し、エマルション粒子を着色した。次いで、電荷制御
剤として1%のステベライトレジン塩のキシレン溶液
0.6gを加え、コンク(濃縮)トナーを得た。このコ
ンクトナーをアイソパーG(沸点177℃)で総量10
Lに希釈し、正電荷性の液体現像剤を得た。
【0049】〈現像装置〉図3に実施例に用いた現像装
置の概略図を示す。本現像装置において、上記液体現像
剤は図示しない液体現像剤回収タンクから一定の流量で
整流室32に注入され、整流されて電極板33と下部ガ
イド板34の間隙部より絞りロール36を経て、液受け
部39へと流れる様になっている。液受け部39へ流入
した液体現像剤は、流路切り替え板を37の位置に保持
することで、この流路切り替え板を伝って液体現像剤回
収タンク(容量36L)に導かれる様になっている。導
かれた液体現像剤は、整流室32へと再循環される。
【0050】現像部の洗浄は、現像装置入り口及び絞り
ロール36後方に配置された図示しない印刷版通過検出
手段により、版材が絞りロール36を通過した後、直ち
に液体現像剤の整流室32への注入を停止し、5秒後に
洗浄液吐出口31より洗浄液として沸点が227℃であ
るアイソパーMを供給(流量1L/min)して行っ
た。この吐出と同時に流路切り替え板は38の位置とな
り、電極板33と下部ガイド板34との間隙部、ロール
36を洗浄した洗浄液は電極板33、絞りロール36等
に付着した液体現像剤と共に図示しない洗浄液回収タン
ク(容量10L)へと導かれる。
【0051】上記で作製された電子写真平版印刷用原版
を、帯電装置において暗所にてコロナ放電を与えて表面
電位(V0 )が約+300Vとなる様に帯電させた後、
半導体レーザー(780nm)を用いて走査画像露光
し、続いて上記の現像装置にへ送られ、上記の正電荷性
現像剤を用いて液体反転現像(現像バイアス電圧+12
0V)を行ない、さらに熱定着を行って光導電層上にト
ナー画像を得た。次に、下記表2〜5に示される組成を
有する溶出液、水洗液、リンス液、及び保護ガム液を用
いて、この現像定着済みの印刷版の製版処理を行った。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】以上の現像及び絞りロール洗浄、定着、溶
出の各工程からなる製版方式により1日当たり100版
の連続製版を行った。製版終了後30秒間現像装置で上
述の洗浄を行い、洗浄液の吐出停止後現像電極板33と
下部ガイド板34の間隙中の洗浄液が洗浄液回収タンク
へ流入するのを待って(30秒間)流路切り替え板を3
8から37の位置へ切り替えた。最後の現像終了時から
12時間、室温で絞りロールを含む現像装置を放置し、
10日間上述の製版方式により繰り返し製版を行った。
1000版製版終了後の版を詳細に観察したところ、絞
りロールのトナー粒子の付着に起因する横筋状の画像不
良等の故障や電極板及び下部ガイド板のトナー粒子汚れ
等は観られなかった。また、このようにして得られた印
刷版を用いて常法にしたがって印刷を行ったところ、地
汚れの無い良好で鮮明な高画質の画像を有する印刷物を
得ることが出来た。
【0057】比較例1 実施例1の洗浄液であるアイソパーMを液体現像剤で用
いた溶剤と同一のアイソパーGに換えた以外は全く同様
の操作を行った。5日間の製版終了後絞りロール、現像
電極版や下部ガイド板を観察したところ、特にトナー粒
子が溜り易い所などにトナー粒子の固着が観られた。ま
た、製版開始後3日目からロールに付着した固着物がは
がれて版面上に転移し、この転移物が原因で印刷物にス
ポット状の印刷汚れが発生した。5日間の終了後には電
極板のトナー固着物汚れが原因と思われるバイアス電圧
印加不良により網点画像に乱れを生じ、結果として網点
印刷物に筋状の異常線が多数発生してしまった。
【0058】実施例2 実施例1に於て液体現像剤の製造時に用いたアイソパー
GをIPソルベント1620(出光石油化学製、沸点2
02℃)に換え、洗浄剤としてIPソルベント2028
(沸点262℃)に換えた以外は実施例1と全く同様な
操作を行った。結果はきわめて良好でロールや現像電極
の汚れもなく良好な印刷物が得られた。
【0059】比較例2 実施例2で洗浄液として用いたIPソルベント2028
を、実施例2の液体現像剤に用いた溶剤と同一のIPソ
ルベント1620に換えた以外は、実施例2と全く同様
の操作を行った。絞りロール、現像電極板や下部ガイド
板を観察したところ、トナーの固着物が観られた。また
3日目終了前からロールに固着したトナーがはがれて比
較例1と同様に版面上に転移し、この転移物が原因で印
刷物にスポット状の印刷汚れが発生した。またロール固
着物によると思われる横筋状の画像不良が発生した。5
日間の終了後には、電極板のトナー固着物汚れが原因と
思われるバイアス電圧異常により網点画像に乱れを生
じ、結果として網点印刷物に筋状の異常線が多数発生し
た。
【0060】実施例3〜7 実施例1において、液体現像剤の溶剤(トナー溶剤)お
よび洗浄剤として表6に記載のものを使用した以外は実
施例1と同様に行ったところ、いずれもロールや現像電
極の汚れもなく良好な製版物が得られ、良質の印刷物が
得られた。
【0061】
【表6】
【0062】実施例に用いたトナー溶剤及び洗浄剤の沸
点(乾点)を示す[℃]。アイソパーG(177)、I
Pソルベント1620(202)、アイソパーM(25
2)、IPソルベント2028(262)、IPソルベ
ント2835(353)、トリメリット酸トリス(2-
エチルヘキシル)(430)、イソステアリルアルコー
ル(316)、アジピン酸ジオクチル(335)、ステ
アリン酸ブチル(343)
【0063】実施例8 実施例1において、洗浄液として液体現像剤に用いたア
イソパーG(沸点177℃)とアイソパーM(沸点22
7℃)の混合液(重量混合比80/20)を用いた以外
は実施例1と同様行った。その結果、1000版製版終
了後の版を詳細に観察したところ、絞りロールのトナー
粒子の付着に起因する横筋状の画像不良の故障や電極板
及び下部ガイド板のトナー粒子汚れ等は観られなかっ
た。また、このようにして得られた印刷版を用いて常法
にしたがって印刷を行ったところ、地汚れの無い良好で
鮮明な高画質の画像を有する印刷物を得ることが出来
た。
【0064】実施例9 実施例1において、液体現像剤の製造時に用いたアイソ
パーGをIPソルベント1620(沸点202℃)に換
え、洗浄剤としてIPソルベント1620とIPソルベ
ント2028(沸点262℃)の混合液(重量混合比8
0/20)に換えた以外は実施例1と全く同様な操作を
行った。その結果、1000版製版終了後の版を詳細に
観察したところ、電極板及び下部ガイド板のトナー粒子
汚れ等は観られなかった。絞りロールのトナー粒子の付
着に起因する横筋状の画像不良等の故障も実施例1と同
様に全く発生しなかった。また、この様にして得られた
印刷版を用いて常法に従って印刷を行ったところ、実施
例1と全く同様に地汚れの無い良好で鮮明な高画質の画
像を有する印刷物を得ることが出来た。
【0065】比較例3 実施例9において、洗浄液として液体現像剤で用いたI
Pソルベント1620のみに変えた以外は、実施例9と
全く同様の操作を行った。絞りロール、現像電極板や下
部ガイド板を観察したところ、トナーの固着物が観られ
た。また3日目終了前からロールに固着したトナーがは
がれて比較例1と同様に版面上に転移し、この転移物が
原因で印刷物にスポット状の印刷汚れが発生した。また
ロール固着物によると思われる横筋状の画像不良が発生
した5日間の終了後には、電極板のトナー固着物汚れが
原因と思われるバイアス電圧異常により網点画像に乱れ
を生じ、結果として網点印刷物に筋状の異常線が多数発
生した。
【0066】実施例10〜14 実施例1において、液体現像剤の溶剤(トナー溶剤)お
よび洗浄剤として表7に記載のものを使用した以外は実
施例1と同様に行ったところ、いずれもロールや現像電
極の汚れもなく良好な製版物が得られ、良質の印刷物が
得られた。
【0067】
【表7】
【0068】実施例に用いたトナー溶剤及び洗浄剤の沸
点(乾点)を示す[℃]。アイソパーG(177)、I
Pソルベント1620(202)、アイソパーH(19
0)、アイソパーM(252)、IPソルベント202
8(262)、IPソルベント2835(353)、ト
リメリット酸トリス(2-エチルヘキシル)(43
0)、イソステアリルアルコール(316)、アジピン
酸ジオクチル(335)、ステアリン酸ブチル(34
3)
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、電子写真液体反転現像
装置による現像において、長期間停機した後に現像処理
を行っても、ロールの汚れや横筋状の画像不良、電極板
の汚れは発生せず、また特に反転現像に観られる電極板
の汚れに起因するバイアス電圧印加不良の発生が防止さ
れ、良好で鮮明な平版印刷版を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される液体現像装置例の概略図。
【図2】本発明に適用される他の液体現像装置例の概略
図。
【図3】実施例に用いた液体現像装置の概略図。
【符号の説明】
1、33 電極板 2 搬送ライン 3、32 整流室 4、34 下部ガイド板 5 切り替えコック(流入側) 6、36 絞りロール対 7、39 液受け部 8 切り替えコック(回収側) 9 入口ロール対 21 液体現像体回収タンク 22 洗浄液回収タンク 23 廃棄タンク 31 洗浄液吐出口 35 液体現像剤吐出口 37 液体現像剤流路形成時の流路切り替え板位置 38 洗浄液流路形成時の流路切り替え板位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイアス電圧が印加される現像電極板と
    これに対面して設けられた下部ガイド板とで形成された
    間隙を通路とし、この通路内に電子写真平版印刷版を通
    過させながら液体現像剤と接触させて現像する現像部を
    有する電子写真液体反転現像装置の洗浄方法において、
    液体現像剤に用いた溶剤の沸点より50℃以上高い沸点
    を有する溶剤からなる洗浄液を用いて洗浄することを特
    徴とする電子写真液体反転現像装置の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液が、液体現像剤に用いた溶剤
    と該溶剤の沸点より50℃以上高い沸点を有する溶剤の
    混合液からなる請求項1記載の電子写真液体反転現像装
    置の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 現像部の少なくとも後方に配置されたロ
    ール対と、該ロール対及び現像部を洗浄する洗浄機構を
    有し、かつ液体現像剤流路と洗浄液流路の切り替え可能
    な液受け部を有する電子写真液体反転現像装置を上記洗
    浄液を用いて洗浄する請求項1または2記載の電子写真
    液体反転現像装置の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 洗浄液を洗浄液循環流路で循環させ、繰
    り返し使用する請求項1、2または3記載の電子写真液
    体反転現像装置の洗浄方法。
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