JPH0764312A - 電子写真感光体の表面処理方法 - Google Patents

電子写真感光体の表面処理方法

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JPH0764312A
JPH0764312A JP21653593A JP21653593A JPH0764312A JP H0764312 A JPH0764312 A JP H0764312A JP 21653593 A JP21653593 A JP 21653593A JP 21653593 A JP21653593 A JP 21653593A JP H0764312 A JPH0764312 A JP H0764312A
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film forming
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Hiroe Tsuchida
弘恵 土田
Akihiko Ikeda
昭彦 池田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アモルファスシリコン(a−Si)系感光体
の成膜欠陥による画像欠陥の発生を抑制し、長期にわた
って良好な画像品質を有する電子写真感光体を得る。 【構成】 a−Si系感光体層3を有する電子写真感光
体であって、そのa−Si感光体層の表面に存在する突
起状の成膜欠陥18を、研磨手段により研磨して平坦化
した後、その平坦化面をコロナ放電を用いて酸化処理す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアモルファスシリコン系
感光体層から成る電子写真感光体の表面処理方法に関
し、特に、感光体層の成膜欠陥に起因する画像欠陥を軽
減する表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、アモルファスシリコン系感光体層
(以下、アモルファスシリコンをa−Siと略記する)
から成る電子写真感光体が実用化され、その優れた耐磨
耗性や耐熱性、光感度特性、無公害性などによって、製
造量は年々増加の一途をたどっている。
【0003】このa−Si系感光体の基本構成を、図3
に断面図で示す。同図によれば、a−Si系感光体1
は、円筒状或いは板状のアルミニウム合金などから成る
導電性基板2の上に、グロー放電分解法などの薄膜形成
手段によりa−Si系感光体層3が形成されたものであ
り、その感光体層3は、基板上に厚み20〜80μmのa−
Si系光導電層4が形成され、その層上に例えばアモル
ファスシリコンカーバイド(a−SiC)などから成る
厚み0.1 〜1μmの表面保護層5が積層されており、更
に導電性基板2と光導電層4との間には、正帯電用であ
ればホウ素(B)や酸素(O)、窒素(N)などを含有
する厚み1〜5μmのキャリア注入阻止層6が形成され
ているものである。そしてこのような層構成によって、
表面硬度や電子写真特性の安定性、耐環境特性などが高
められており、帯電能、残留電位、光感度などが所要特
性に改善されている。
【0004】
【従来技術の課題】しかしながら、a−Si系感光体に
は、その感光体層の成膜法に起因して感光体層中に成膜
欠陥が発生し、それが感光体層表面に突起状となるまで
に成長するという問題点があり、そのような突起状の欠
陥部は正常な感光体層部分に比べて耐電圧が低く、電子
写真画像において黒点或いは白点状の画像欠陥となって
現れて画像品質を低下させるという問題点があった。ま
たこの成膜欠陥は、初期画像において画像に現れなくて
も、長期の使用において帯電や転写プロセスによる絶縁
破壊もしくは機械的衝撃による欠損などのために上記画
像欠陥となって現れて画像品質を低下させるという問題
点があった。更にこのa−Si系膜の突起状成膜欠陥は
高硬度なため、電子写真プロセスにおいて感光体表面を
摺擦しているクリーニングブレードなどを損傷し、その
ためにクリーニング不良を発生させたり黒筋状の画像欠
陥を発生させたりするという問題点もあった。
【0005】上記のような問題点の対策として、感光体
表面の突起状の欠陥を機械的に研磨して除去する方法が
提案されている。
【0006】例えば、特開平2−103554号には、
傷などの欠陥を有するSe−As合金系感光層の表面薄層を
機械的に除去した後、除去した薄層と同程度の膜厚のSe
−As合金系薄層を蒸着する感光体の再生方法が開示され
ている。しかし、この方法によれば、欠陥を除去した後
に再び真空蒸着法によって感光層を積層しなければなら
ず、処理工程が複雑になると共に、高価な真空蒸着設備
を繰り返して使用するために感光体の製作コストが大幅
に増加するという問題があった。
【0007】また、特開平2−132454号には、a
−Si光導電層の表面上に光導電性を有する被覆層を積
層し、次いでその被覆層部分を研磨して平滑化されたa
−Si層を露出させる方法が開示されている。しかし、
この方法によれば、被覆層として光導電性材料を含有す
る樹脂層を塗布法あるいは蒸着法により形成した後で、
a−Si層が露出するまでその被覆層を研磨しなければ
ならず,処理工程が複雑になると共に、被覆層の形成や
研磨に当たって感光体全面に亘る精密な制御が必要であ
るという困難さがあった。更に、樹脂製の被覆層を積層
するために、a−Si感光体の長所である優れた耐久
性、例えば高い表面硬度により長寿命であることや電子
写真特性が非常に安定していること等が損なわれてしま
うという問題もあった。
【0008】更に、特開平4−191748号および特
開平4−191749号には、マイクロ波プラズマCV
D法により作成した、Si原子に対してO原子を0.4 原
子%以上20原子%以下またはN原子を0.2 原子%以上12
原子%以下含有するa−Si層を形成し、そのa−Si
層表面にあった突起が研磨して平坦化されている電子写
真感光体が開示されている。しかし、この方法によれ
ば、研磨された突起部分は表面保護層が除去されて光導
電層が露出しており、その部分は研磨されていない正常
部分より耐電圧や耐環境性が劣るために、電子写真プロ
セスでの使用において画像欠陥の発生を長期に亘って十
分に抑制することは困難であった。
【0009】従って本発明の目的は、a−Si系感光体
の感光体層表面に発生した突起状の成膜欠陥による画像
欠陥を抑制し、良好な画像品質を有する電子写真感光体
を提供することにある。
【0010】また本発明の他の目的は、長期の使用にお
いても上記成膜欠陥による画像欠陥を抑制できる、良好
な画像品質の電子写真感光体を提供することにある。
【0011】更にまた本発明の他の目的は、上記成膜欠
陥によるクリーニングブレードなどの損傷を防止し、ク
リーニング不良の発生や黒筋状の画像欠陥の発生を抑制
した電子写真感光体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、a−Si系感
光体層を有する電子写真感光体であって、前記a−Si
系感光体層の表面に存在する突起状の成膜欠陥を、研磨
手段により研磨して平坦化した後、その平坦化面(研磨
された成膜欠陥の箇所)をコロナ放電を用いて酸化処理
することを特徴とする、電子写真感光体の表面処理方法
である。
【0013】
【作用】本発明の表面処理方法によれば、感光体層表面
の突起状の成膜欠陥を、ラッピングシート等の研磨手段
を用いて研磨して平坦化することにより、黒点或いは白
点状の画像欠陥を無くすことが出来ると共に、高硬度な
突起状成膜欠陥により電子写真プロセスにおいて感光体
表面を摺擦しているクリーニングブレード等を損傷する
ことを防止出来る。この研磨部分では、感光体層の表面
保護層も同時に除去されて光導電層が露出してしまうた
めに、そのままでは研磨部分での帯電電荷の保持が不十
分となって画像品質の低下をもたらしてしまうが、研磨
した後にコロナ放電を用いて酸化処理を行なうことによ
り、表面に酸化Si(SiOx :0<x≦2)層が形成
されて表面保護層としての機能を果たすので、研磨後の
欠陥部分でも帯電電荷が十分に保持されるようになり、
良好な画像品質となる。
【0014】コロナ放電を用いた感光体層表面の酸化処
理は、研磨後の感光体に対してコロナ帯電器による帯電
工程とイレース(除電)手段によるイレース工程とを繰
り返すだけでよく、高価な真空設備や精密な条件制御な
どを必要としないので、簡便且つ低コストで処理が行な
えるものである。
【0015】更に、研磨により感光体層が露出した欠陥
部分以外の感光体表面は表面保護層によって被覆されて
いるため、上記酸化処理は研磨された部分のみに選択的
に作用し、研磨部分以外の感光体表面に酸化処理による
悪影響が現れることはない。また、酸化処理によって研
磨部分に形成された酸化Si層は、安定且つ堅固な表面
層となるために長期に亘って安定な表面保護層として機
能し、a−Si系感光体の有する優れた耐久性を損なう
ことがない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の電子写真感光体の表面処理方
法を実施例に基づいて詳細に説明する。a−Si系感光
体の製作においては、通常はアルミニウムなどの金属か
らなる導電性のドラム状基体の周面に、グロー放電プラ
ズマCVD法(グロ−放電分解法)や触媒CVD法、反
応性スパッタリング法、マイクロ波プラズマCVD法、
ECRプラズマCVD法などによりa−Si系感光体層
を成膜する。
【0017】図4に、本実施例でa−Si系感光体層の
成膜に用いたグロー放電分解装置7の構成を示す。同図
に示したグロー放電分解装置7においては、8は円筒状
の金属製反応炉、9は感光体ドラム装着用の筒状の導電
性基体支持体、10は基体加熱用ヒーター、11はa−
Siの成膜に用いられる筒状のグロー放電用電極板であ
り、この電極板11にはガス噴出口12が形成されてお
り、そして、13は反応炉内部へガスを導入するための
ガス導入口、14はグロー放電に晒されたガスの残余ガ
スを排気するためのガス排出口であり、15は基体支持
体9とグロー放電用電極板11の間でグロー放電を発生
させるための高周波電源である。また、この反応炉8は
円筒体8aと、蓋体8bと、底体8cとからなり、そし
て、円筒体8aと蓋体8bとの間、並びに円筒体8aと
底体8cとの間にはそれぞれ絶縁性のリング8dを設け
ており、これによって高周波電源15の一方の出力端子
は円筒体8aを介してグロー放電用電極板11と導通し
ており、他方の接地端子は蓋体8bや底体8cを介して
基体支持体9と導通し、接地されている。また、蓋体8
bの上に付設したモーター16により回転軸17を介し
て基体支持体9が回転駆動され、これに伴って基体2も
回転する。
【0018】このグロー放電分解装置7を用いてa−S
i感光体ドラムを作製する場合には、a−Si成膜用の
ドラム状基体2を基体支持体9に装着し、a−Si生成
用ガスをガス導入口13より反応炉内部へ導入し、この
ガスをガス噴出口12を介して基体表面へ向けて噴出
し、更にヒーター10によって基体2を所要の温度に設
定するとともに、高周波電源15より高周波電力を供給
して基体支持体9と電極板11との間でグロー放電を発
生させ、更にモーター16により回転軸17を介して基
体支持体9と共に基体2を回転させることによって、基
体2の周面にa−Si膜を成膜する。
【0019】次いで、本発明によって突起状の成膜欠陥
を研磨して平坦化し、更に酸化処理する工程を、図1に
基づいて説明する。同図は、基体2上のa−Si感光体
層3中に成長した突起状の成膜欠陥18の縦断面図を、
本発明の表面処理方法の工程に従って示したものであ
る。
【0020】上記のグロ−放電分解装置等によって作製
したa−Si系感光体層3から成る電子写真感光体の感
光体層表面には、基体上の異物、ゴミ、キズあるいは成
膜中に発生する粉体や反応炉内各部に成膜したa−Si
膜の剥離片等をきっかけとして、図1(a)に示すよう
な突起状の成膜欠陥18が成長することが多い。この突
起状の成膜欠陥18は、前述のように電子写真画像の初
期画像あるいは長期の使用において黒点或いは白点状の
画像欠陥となって現れて画像品質を低下させ、また、ク
リーニングブレード等を損傷してクリーニング不良や黒
筋状の画像欠陥を発生させたりする。そこで、この突起
状の成膜欠陥18を研磨手段により平坦化して、然る後
にその研磨された成膜欠陥の箇所をコロナ放電を用いて
酸化処理することにより、突起状の成膜欠陥による問題
点を解消する。
【0021】突起状の成膜欠陥18の研磨手段として
は、種々の機械的研磨手段を採り得るが、例えばラッピ
ングシートを用いるとよい。ラッピングシートは、シー
ト状の基材表面にシリコンカーバイド等の研磨粒子を結
着させたものであり、作業者の手あるいは適当な支持材
に保持して、研磨対象物の表面を摺擦して用いる。本発
明のようにドラムの表面を研磨するには、旋盤等に用い
るカサセンターにドラムをチャックして保持した状態で
回転させ、ドラム表面にラッピングシートを適当な圧力
で直接押し当てる。そして、図1(b)に18aで示す
ように、突起状の成膜欠陥18の頭部がほぼ平坦になる
ように研磨を行なう。
【0022】この研磨工程により、成膜欠陥の大きさと
して直径が0.3mm以下で高さが60μm以下のもの
を対象として、その高さをほぼ0.4μm程度にまで研
磨して平坦化する。なお、直径が0.3mmを越えて高
さも60μmを越えるような大きな成膜欠陥も、同様に
して対策は可能であるが、電子写真画像において回復困
難な画像欠陥となることが多く、また、長期的な信頼性
にも劣る結果となることが多かった。
【0023】続いて、平坦化した成膜欠陥18aに対し
て、コロナ放電を用いて酸化処理を行ない、研磨によっ
て欠陥の突起部と共に表面保護層も除去されてa−Si
系光導電層が露出している箇所に、Siの酸化被膜(S
iO膜)19を形成する。この酸化処理により、研磨し
た欠陥部18aの帯電能をその周囲の表面保護層の存在
する部分と同等にまで安定的に高め、画像欠陥の発生を
抑制することができる。また、温度や湿度あるいは電子
写真プロセス等に対する耐環境性も同様に高められ、良
好な電位特性並びに画像品質を長期間維持できる。これ
らの酸化処理による改善効果は、a−Si系感光体の寿
命とほぼ同等の持続性を有するものである。
【0024】上記のコロナ放電を用いる酸化処理の方法
は、回転させた感光体ドラムに対して通常の電子写真プ
ロセス(カールソン・プロセス)におけるコロナ帯電と
イレース(除電)を繰り返すものでよい。その処理装置
としては、図2に概略構成図を示すように、回転する感
光体ドラム1の周囲にコロナ帯電器20とイレース光源
などを用いたイレーサ21とを配置した簡便なものであ
ればよく、このような装置としては、市販の電子写真装
置を改造してコロナ帯電とイレースを行なうようにした
ものでもよく、また暗箱中で回転するドラムの周囲にコ
ロナ帯電器とイレース光源を配置しただけの装置であっ
てもよい。このコロナ帯電器20は、必ずしも感光体ド
ラム1に表面電位を与えることが目的ではなく、コロナ
放電により発生するオゾン等の酸化性雰囲気をドラム表
面に供給して、研磨した成膜欠陥部を酸化処理する機能
を果たすように、配置構成する。
【0025】このコロナ放電による酸化処理条件は、コ
ロナ放電の強度は使用する電子写真装置でのa−Si系
感光体の設定表面電位を与えるコロナ帯電条件と同程度
とし、処理時間は6時間以上、好ましくは10時間以上
とするのがよく、それにより表面保護層と同程度の厚み
の安定した酸化膜を形成することができる。
【0026】以下、実施例を具体的に詳述する。 〔例1〕直径100mm、長さ364mmのアルミニウ
ム製筒状基体の表面に鏡面加工を施して洗浄した後、図
4のグロ−放電分解装置7にセットした。そしてグロ−
放電分解法によって、原料ガスとしてSiH4 、B2
6 、H2 、NOを用いて基体上に厚み2μmのp型キャ
リア注入阻止層を成膜し、次いでSiH4 、He、B2
6 を用いて厚み70μmのa−Si光導電層を、更に
SiH4 、CH4を用いて厚み0.5μmのa−SiC
表面保護層を積層し、図3に示す層構成のa−Si感光
体ドラムAを作製した。
【0027】上記のようにして作製したドラムAの表面
を観察したところ、直径0.1〜0.2mm、高さ15
〜50μmの大きさの突起状成膜欠陥が100個存在す
ることが認められた。このドラムAを市販の普通紙複写
機に装着して、+5.3kVのコロナ帯電条件で+85
0Vの帯電電位を与え、光量が1.5 lux・sec の白色
光を用いた露光条件で電子写真画像を得たところ、画像
の黒ベタ部には白点状画像欠陥は見られなかった。次
に、複写機によりA4用紙で50枚/分の複写速度で耐
刷試験を行なったところ、約4万枚で突起状成膜欠陥に
トナーが融着して放電破壊を起こし、画像上に大きさ2
〜3mmの実用上問題となる大きな白ヌケ(白点状画像
欠陥)が発生した。
【0028】次に、ドラムAと同様にして作製したa−
Si感光体ドラムを精密旋盤のカサセンターにチャック
して保持して回転数60rpm(回転/分)で回転さ
せ、そのドラム表面に、メッシュ番号#2000のシリ
コンカーバイドを結着させた幅9mmのラッピング・フ
ィルム(住友スリーエム製)をドラム表面に均一に押し
当てて、図1(b)に示したように、突起状成膜欠陥の
高さがほぼ平坦になる(表面粗さRz=0.50μm以
下)まで研磨し、成膜欠陥の研磨のみを行なったドラム
Bを作製した。このドラムBをドラムAと同様に普通紙
複写機に装着して画像を得たところ、研磨部では欠陥の
頭部と共に表面保護層も除去されたことから、研磨した
成膜欠陥に対応して、初期から黒ベタ部に大きさ1〜2
mmの実用上問題となる大きな白点状画像欠陥が見られ
た。
【0029】このドラムBを、市販の普通紙複写機を改
造してコロナ帯電とイレースを行なうようにしたものに
装着して、+5.3kVのコロナ帯電による+430V
の帯電電位と光量4.9 lux・sec のイレース露光(ド
ラム表面の残留電位+15V)の条件で、コロナ帯電と
イレースの繰り返し(静電ランニング)を2時間行な
い、研磨した成膜欠陥部の酸化処理を行なって、ドラム
C1を得た。このドラムC1をドラムAと同様に普通紙
複写機に装着して画像を得たところ、画像上の白点状画
像欠陥に特に変化は認められなかった。
【0030】続けて、ドラムC1に対して、上記と同様
の静電ランニングを更に8時間行ない、研磨した成膜欠
陥部の酸化処理を追加して行なって、ドラムC2を得
た。このドラムC2をドラムAと同様に普通紙複写機に
装着して画像を得たところ、画像上の白点状画像欠陥が
ほとんど認められなくなり、画像品質が著しく改善され
た。
【0031】このドラムC2の酸化処理を行なった成膜
欠陥部における酸化膜の厚みを、表面粗さ計により測定
したところ、0.2μmであった。
【0032】そして、このドラムC2に対してA4用紙
で50枚/分の複写速度で耐刷試験を行なったところ、
10万枚後の画像においても白点状画像欠陥の発生は認
められず、本発明の表面処理方法が優れた耐久性を有す
ることが確認できた。更に、耐刷試験において、成膜欠
陥部がクリーニングブレード等を損傷してクリーニング
不良や黒筋状の画像欠陥を発生させることもなかった。
【0033】〔例2〕 〔例1〕と同様にして、図4のグロ−放電分解装置7に
より、厚み2μmのp型キャリア注入阻止層と厚み70
μmのa−Si光導電層と厚み0.5μmのa−SiC
表面保護層とを順次積層し、図3に示す層構成のa−S
i感光体ドラムを作製し、次いで表1に示す研磨条件と
酸化処理条件によって感光体層に発生した突起状成膜欠
陥部に表面処理を行ない、ドラムD〜Lを作製した。表
1において、研磨には〔例1〕と同じ方法を用い、研磨
条件は研磨後の成膜欠陥部の高さを表面粗さRz(μ
m)で示した。また、酸化処理にも〔例1〕と同じ方法
を用いた。そして、これらのドラムD〜Lに対して〔例
1〕と同様に普通紙複写機に装着して画像を得て、黒ベ
タ画像上の白点状画像欠陥について評価を行なった。こ
れらの結果については、白点状画像欠陥が認められなか
ったものを○、わずかに認められるが実用上問題となら
ない程度であったものを△、実用上問題となる程度であ
ったものを×として、表1に併せて示した。更に、〔例
1〕と同様にA4用紙で50枚/分の複写速度で10万
枚の耐刷試験を行なった後の画像において、白点状画像
欠陥に変化が認められなかったものを○、白点状画像欠
陥が増加または増大したものを×として、表1に併記し
た。
【0034】
【表1】
【0035】これらの結果から判るように、本発明の範
囲内の条件で突起状成膜欠陥に対して表面処理を行なっ
たドラムF、G、J、KおよびLでは、白点状画像欠陥
の発生が認められず、また耐刷試験後も変化がなく、優
れた安定性を示した。更に、耐刷試験においてクリーニ
ングブレード等が損傷してクリーニング不良や黒筋状の
画像欠陥を発生させることもなかった。
【0036】また、画像形成に際して現像剤の極性を変
え、反転現像によって画像評価を行なったところ、成膜
欠陥に対応する画像欠陥は白ベタ部に黒点として現れた
が、本発明の表面処理を行なったドラムでは、そのよう
な黒点状画像欠陥の発生は認められず、また耐刷試験後
も変化がなく、上記の結果と同様に優れた安定性を示
し、クリーニング不良の発生もなかった。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の表面処理
方法によれば、特にa−Si系感光体ドラムの感光体層
に発生した突起状の成膜欠陥による、電子写真画像上の
白点あるいは黒点状画像欠陥の発生を抑制し、画像品質
を向上させた電子写真感光体を提供することができた。
【0038】また、本発明の方法によれば、長期の使用
においても上記成膜欠陥による画像欠陥を抑制でき、良
好な画像品質を安定して保持する電子写真感光体を提供
することができた。
【0039】これにより、従来は上記成膜欠陥による画
像欠陥のために不良となっていたa−Si系感光体ドラ
ムを、低コストかつ簡便な方法により、良品にすること
ができた。
【0040】更にまた、本発明の方法によれば、上記成
膜欠陥によるクリーニングブレードなどの損傷を防止
し、クリーニング不良の発生や黒筋状の画像欠陥の発生
を抑制した電子写真感光体を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、本発明の表面処理方法の工
程を、a−Si系感光体層中に成長した突起状の成膜欠
陥の縦断面図により示したものである。
【図2】本発明における酸化処理装置の構成を示す概略
構成図である。
【図3】a−Si系感光体の基本構成を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の実施例に用いたグロ−放電分解装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
1・・・a−Si系感光体 2・・・導電性基板 3・・・感光体層 4・・・光導電層 5・・・表面保護層 6・・・キャリア注入阻止層 7・・・グロ−放電分解装置 18・・・突起状の成膜欠陥

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファスシリコン系感光体層を有す
    る電子写真感光体であって、前記アモルファスシリコン
    系感光体層の表面に存在する突起状の成膜欠陥を、研磨
    手段により研磨して平坦化した後、該平坦化面をコロナ
    放電を用いて酸化処理することを特徴とする電子写真感
    光体の表面処理方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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