JP3466410B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3466410B2
JP3466410B2 JP07595397A JP7595397A JP3466410B2 JP 3466410 B2 JP3466410 B2 JP 3466410B2 JP 07595397 A JP07595397 A JP 07595397A JP 7595397 A JP7595397 A JP 7595397A JP 3466410 B2 JP3466410 B2 JP 3466410B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はアモルファスシリコ
ンを感光層とした感光体を搭載した画像形成装置に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】アモルファスシリコン(以下、アモルフ
ァスシリコンをa−Siと略記する)を感光層とした感
光体が、すでに製品化されているが、このa−Si感光
体はアルミニウム金属からなるドラム状基板の外周面を
切削などによって0.1S程度の表面粗度で鏡面仕上
げ、ついでCVDもしくはPVDによってa−Si感光
層を10μm〜50μmの厚みで、あるいは80μm程
度にまで厚くするなどして成膜形成して得られる。 【0003】上記アルミニウム金属ドラムの成膜前に、
上記のように鏡面仕上げをおこなうことで、基板上に成
膜形成した感光層の表面を、できるだけ滑らかにして、
欠陥数を極力抑え、これによって画像特性の向上させて
いる。 【0004】他方、このa−Si感光体に対する電子写
真プロセスにはカールソン法などがあるが、そのプロセ
スには、一般的に感光体表面の残留トナーを除去するク
リーニング手段が採用されている。そして、このクリー
ニング手段にはブレード法、ファーブラシ法、マグネッ
トブラシ法などがあるが、いずれの方法を採用するにし
ても感光層の表面に付着された残留トナーを即座に除去
するために、トナーと感光層との間の付着力を減少させ
ることが、良好なクリーニングという点で望ましい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
a−Si感光体搭載の画像形成装置においても、常温か
つ低湿下で長期間稼働させた場合、あるいは従来の画像
形成装置においては、平均粒径が10〜20μmである
のに対して、高画質の画像を得るために、それよりも小
さな平均粒径のトナーを用いた場合には、トナーがa−
Si感光体の表面に付着もしくは融着し易くなり、その
ため、クリーニング工程において、トナーを除去するこ
とが難しくなり、その結果、白地画像に黒点状の画像欠
陥が発生するという問題点があった。 【0006】本発明者は上記事情に鑑みて鋭意研究に努
めた結果、特にクリーニング時のトナー付着・融着を防
止するためには、従来のように感光層の表面を滑らかに
するのではなく、逆にその表面を粗すことで解決される
ことがわかり、その粗さの程度については、a−Si感
光層の表面に対する接着仕事と関連付けられ、それを9
3mN/m以下にすることで、かかる問題点が解決でき
ることを見出した。 【0007】したがって本発明は上記知見により完成さ
れたものであり、その目的はクリーニング時のトナー付
着・融着を防止して、良好な画像形成を達成した画像形
成装置を提供することにある。本発明の他の目的は、常
温かつ低湿下で長期間稼働させたり、あるいは平均粒径
が10μm未満のトナーを使用しても、高画質の画像を
得られる画像形成装置を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は、使用されるトナーの径に基づく評価
基準を見出したことで、様々な径の各種トナーを使用し
ても、安定した品質が得られる高信頼性の画像形成装置
を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、基板上にa−Siからなる感光層を積層した感光体
と、感光体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体
の帯電領域に対して光照射する露光手段と、これら帯電
手段と露光手段とにより感光体表面に形成された静電潜
像に対してトナー像を感光体の表面に形成する現像手段
と、上記トナー像を被転写材に転写する転写手段と、転
写後に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング
手段と、転写後に残余静電潜像を除去する除電手段とを
配設するとともに、上記感光層の表面をアモルファスシ
リコンカーバイド(以下、アモルファスシリコンカーバ
イドをa−SiCと略記する)で構成し、かつ感光層の
表面粗度を0.8μm〜6.0μmの範囲に規定すべ
く、前記基板面を切削バイトを用いて切削するか、もし
くは回転ボールミル装置を使用して高硬質金属球を打ち
つけることで、トナーに対する接着仕事を93mN/m
以下にして、現像手段に用いるトナーの平均粒径を10
μm未満にしたことを特徴とする。 【0009】 【発明の実施の形態】感光体の構成 図1は発明の実施形態に係る感光体1の層構成であり、
導電性の基板2の上にa−Siからなる感光層3を真空
蒸着法、活性反応蒸着法、イオンプレーテイング法、R
Fスパッタリング法、DCスパッタリング法、RFマグ
ネトロンスパッタリング法、DCマグネトロンスパッタ
リング法、熱CVD法、プラズマCVD法などで成膜形
成している。この感光層3は、たとえばキャリア注入阻
止層4、光導電層5、表面保護層6とを順次積層してな
る。 【0010】上記基板2には銅、黄銅、SUS、Al、
Niなどの金属導電体、あるいはガラス、セラミックな
どの絶縁体の表面に導電性薄膜を被覆したものなどがあ
る。この基板2はシート状、ベルト状もしくはウェブ状
可とう性導電シートでもよく、このようなシートにはS
US、Al、Niなどの金属シート、あるいはポリエス
テル、ナイロン、ポリイミドなどの高分子樹脂フィルム
の上にAl、Niなどの金属もしくは酸化スズ、インジ
ウム・スズ・オキサイド(ITO)などの透明導電性材
料や有機導電性材料を蒸着などにより被覆して導電処理
したものを用いる。 【0011】そして、本発明によれば、感光層3(表面
保護層6)のトナーに対する接着仕事を93mN/m以
下にしたことが特徴である。すなわち、従来の感光体で
あれば、基板表面を0.1S程度の表面粗度で鏡面仕上
げしているので、感光層の表面も同程度の表面粗度とな
り、これによって93mN/mを越えた接着仕事となっ
ているが、これに対して、本発明の感光体1によれば、
感光層3の表面を粗すことで、接着仕事を93mN/m
以下、好適には85mN/m以下にして、従来どおりの
良好な画像が得られるとともに、クリーニング時のトナ
ー付着/融着が防止できた。 【0012】そして、このような接着仕事については、
表面自由エネルギとトナー径がパラメータであり、さら
に表面保護層6およびトナーの材質もパラメータとなっ
ているが、それらを総合した接着仕事の値でもってクリ
ーニング時のトナー付着/融着の達成度合が評価できる
というものである。したがって、使用されるトナーの材
質や径に依存されないで、接着仕事の値を評価基準と
し、この基準でもって様々な径の各種トナーを使用して
も、安定した品質が得られるようになった。 【0013】この表面自由エネルギーは、分散力成分
と、極性力成分と、水素結合力成分でもって、もしくは
分散力成分と水素結合力成分でもって、それぞれの表面
自由エネルギーが数値化できるものであって、これら各
数値の合計値を表面自由エネルギーとしている。 【0014】また、接着仕事や表面自由エネルギーは、
切削バイトの材質や種類並びに切削時の回転数や送り速
度などの条件によって変動するものであるが、本発明に
おいては、様々な実験を繰り返すことで、切削バイトと
切削条件との最適な条件を見つけ、そして、このような
切削でもって感光層3の表面を粗して、適当なる接着仕
事の範囲を得ることができる。さらに上記切削手段によ
る以外に、回転ボールミル装置を使用して、高硬度金属
球を基板外周面の全面にわたって打ちつけてもよい。 【0015】そして、接着仕事は感光層3の表面粗度と
も関係して、一般的には接着仕事が小さくなると、感光
層3の表面粗度が大きくなる傾向にあるが、本発明者は
感光層3の表面の凹凸を様々に規則的もしくは不規則的
な性状にして、表面粗度を0.8μm〜6.0μm、好
適には2.0μm〜6.0μmの範囲にすればよいこと
も知見した。ただし、このように表面粗度の範囲を設定
しても、所要とおりの接着仕事が得られるものではな
く、表面粗度が同じ数値でありながら、表面の凹凸状態
が異なれば、それに応じて接着仕事も異なる。かくして
発明の感光体1によれば、感光層3のトナーに対する接
着仕事を93mN/m以下にしたことで、従来とおりの
良好な画像が得られるとともに、クリーニング時のトナ
ー付着/融着が防止できた。 【0016】画像形成装置の構成 図2は本発明の感光体を搭載したプリンター構成の画像
形成装置7であり、8は感光体であり、この感光体8の
周面に帯電手段であるコロナ帯電器9と、その帯電後に
光照射する露光手段である露光器10(LEDヘッド)
と、トナー像を感光体8の表面に形成するためのトナー
11を備えた現像手段である現像機12と、そのトナー
像を被転写材13に転写する転写手段である転写器14
と、その転写後に感光体表面の残留トナーを除去するク
リーニング手段15と、その転写後に残余静電潜像を除
去する除電手段16とを配設した構成である。また、1
7は被転写材13に転写されたトナー像を熱もしくは圧
力により固着するための定着器である。 【0017】このカールソン法は次の〜の各プロセ
スを繰り返し経る。 感光体8の周面をコロナ帯電器9により帯電する。 露光器10により画像を露光することにより、感光
体8の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形
成する。 この静電潜像を現像機12により現像する。この現
像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感
光体表面に付着し、可視化する。 感光体表面のトナー像を紙などの被転写材13の裏
面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、こ
れにより、画像を被転写材13の上に得る。 感光体表面の残留トナーをクリーニング手段15に
より機械的に除去する。 感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段16に
より残余の静電潜像を除去する。 なお、画像形成装置7はプリンターの構成であるが、露
光器10に代えて原稿からの反射光を通すレンズやミラ
ーなどの光学系を用いれば、複写機の構成の画像形成装
置となる。 【0018】また、この画像形成装置7には通常の乾式
現像を用いているが、その他、湿式現像に使用される液
体現像剤にも適用される。ちなみに、この液体現像剤の
顔料の平均粒径は著しく小さく、1μm程度である。 【0019】かくして本発明の画像形成装置7によれ
ば、従来のように平均粒径が10〜20μmである場合
に常温かつ低湿下で長期間稼働させても、クリーニング
工程にて、トナーがa−Si感光体の表面に付着もしく
は融着しなくなった。また、高画質の画像を得るため
に、平均粒径が10μm未満であるトナーを用いた場合
にも、トナーがa−Si感光体の表面に付着もしくは融
着しなくなった。 【0020】 【実施例】純度99.9%のAlからなる円筒状の基板
の上にプラズマCVD法によって感光層3を成膜形成す
る。この感光層3は、ホウ素1500ppm、酸素1.
0%、窒素0.7%含むa−Siのキャリア注入阻止層
4、ホウ素0.5ppm含むa−Siの光導電層5、a
−SiCの表面保護層6とを順次積層してなる。 【0021】このプラズマCVD法によれば、出発原料
ガスとしてシランガス、メタンガス、水素ガス、ジボラ
ンガス、酸化窒素ガスを用いて、各層の成膜形成に応じ
て各種ガスを適宜反応容器内に導入し、つづけて高電圧
でもってプラズマを発生させることで、各層を順次設け
る。 【0022】様々な研磨手段によって得られた各種感光
体の接触仕事および表面自由エネルギーを測定したとこ
ろ、表1に示すとおりの結果が得られた。 【0023】 【表1】【0024】接触仕事の測定は、協和界面科学(株)製
CA−Xロール型接触角計および表面自由エネルギー解
析ソフトウェアEG−11型を用いておこなった。 【0025】表面自由エネルギーの測定は、国内におい
て一般的に用いられ、接着学会により提示された3成分
での手法、いわゆる拡張Fowkesの理論を適用して解析す
るが、具体的には、3種類の液体(分散力成分と双極子
成分と水素結合成分の各表面自由エネルギーの値がすで
に分かっている、たとえばα−ブロムナフタリン、水、
ヨウ化メチレン等)を用いて、液滴法にて接触角を測定
し、そのデータをもとにして拡張Fowkesの理論に基づい
て算出する。 【0026】つぎに各種感光体を前記画像形成装置7
(乾式現像:トナー平均粒径8μm)に搭載し、カール
ソン法で画像形成して、30万枚のランニングテストを
おこない、画像特性とトナー付着具合を測定したとこ
ろ、表1に示す結果が得られた。画像特性には○印と△
印と×印とでもって評価し、○印は良好な白地画像が得
られた場合であり、△印は白地画像に黒点状あるいは黒
すじ状の画像欠陥がわずかに認められたが実用上支障が
ない程度の場合であり、×印は白地画像に黒点状あるい
は黒すじ状の画像欠陥が顕著に生じた場合である。 【0027】上記実施例では、常温・常湿下(23±3
℃、50±10%)のトナー平均粒径8μmの画像形成
装置7を使用したが、その他に実施例として常温・低湿
下(23±3℃、15%以下)のトナー平均粒径8μm
の画像形成装置7を使用して、同じ実験をおこなったと
ころ、各試料に対して、画像特性同じ結果が得られた。 【0028】 【発明の効果】以上のとおり、本発明の画像形成装置に
よれば、感光層の表面をa−SiCで構成し、さらに感
光層のトナーに対する接着仕事を93mN/m以下にし
たことで、クリーニング時のトナー付着・融着を防止し
て、良好な画像形成が得られ、特に常温かつ低湿下で長
期間稼働させたり、あるいは平均粒径が10μm未満の
トナーを使用しても、良好な画像形成が得られた。 【0029】また、本発明によれば、使用されるトナー
の径に基づく評価基準を見出したことで、様々な径の各
種トナーを使用しても、安定した品質が得られる高信頼
性の画像形成装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】 【図1】発明の実施形態に係る感光体の層構成を示す断
面図である。 【図2】本発明の画像形成装置の概略図である。 【符号の説明】 1、8 感光体 2 基板 3 感光層 5 光導電層 6 表面保護層 7 画像形成装置 9 コロナ帯電器 10 露光器 11 トナー 12 現像機 13 被転写材 14 転写器 15 クリーニング手段 16 除電手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−78567(JP,A) 特開 平8−76639(JP,A) 特開 平8−44098(JP,A) 特開 平7−319193(JP,A) 特開 平7−134432(JP,A) 特開 平3−152562(JP,A) 特開 平2−203350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/08 G03G 9/08

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】基板上にアモルファスシリコンからなる感
    光層を積層した感光体と、該感光体の表面に電荷を付与
    する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して光照射する
    露光手段と、これら帯電手段と露光手段とにより感光体
    表面に形成された静電潜像に対してトナー像を感光体の
    表面に形成する現像手段と、上記トナー像を被転写材に
    転写する転写手段と、該転写後に感光体表面の残留トナ
    ーを除去するクリーニング手段と、転写後に残余静電潜
    像を除去する除電手段とを配設するとともに、上記感光
    層の表面をアモルファスシリコンカーバイドで構成し、
    かつ感光層の表面粗度を0.8μm〜6.0μmの範囲
    に規定すべく、前記基板面を切削バイトを用いて切削す
    るか、もしくは回転ボールミル装置を使用して高硬質金
    属球を打ちつけることで、トナーに対する接着仕事を9
    3mN/m以下にして、現像手段に用いるトナーの平均
    粒径を10μm未満にしたことを特徴とする画像形成装
    置。
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