JPH0764256A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH0764256A
JPH0764256A JP21648893A JP21648893A JPH0764256A JP H0764256 A JPH0764256 A JP H0764256A JP 21648893 A JP21648893 A JP 21648893A JP 21648893 A JP21648893 A JP 21648893A JP H0764256 A JPH0764256 A JP H0764256A
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JP
Japan
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group
color
chemical
mol
substituent
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JP21648893A
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English (en)
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Koji Ofuku
幸司 大福
Hiroshi Kita
弘志 北
Yutaka Kaneko
金子  豊
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像保存性、発色性が改良され、発色現像液
の条件の変化に対して発色性の変動が小さく、かつ、色
再現性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
すること。 【構成】 下記一般式[M−I]で表されるマゼンタカ
プラーを少なくとも1つ含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 式中、R及びR0はそれぞれ脂肪族基、芳香族基及び複
素環基を表し、該脂肪族基、芳香族基は各々置換基を有
してもよく、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体
との反応により離脱する基を表し、Zは窒素原子と共に
5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、Zで
表される含窒素複素環は置換基を有してもよい。但し、
R及びR0のいずれか一方は、必ず下記一般式[R−
I]で表される置換基を有する。 【化2】 式中、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ水素原
子、脂肪族基、芳香族基及び、複素環基を表し、該脂肪
族基、芳香族基は各々置換基を有してもよく、R4、R5
を含む4〜7員環を形成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像保存性、発色性及び
色再現性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より直接鑑賞用に供されるカラー印
画紙などにおいては通常発色色素画像形成のためイエロ
ーカプラー、マゼンタカプラー及びシアンカプラーの組
合せが用いられる。これらのカプラーから得られる発色
色素画像の堅牢性を向上させ、長年にわたって保存し、
利用し続けるために今まで多くの努力がなされてきた。
【0003】しかし、カラー写真の色素画像の褪色又は
変色を防止し、半永久的に品質の高い画像を保存したい
というユーザーの要望に答えるためにはいまだ十分とは
言いがたい。すなわち、アルバム保存等の暗所保存性に
関しては近年「コニカカラー100年プリント」に代表さ
れるように大幅な改良がなされており、満足しうる長い
期間にわたって写真画像の保存が可能となってきたが、
これに対して、光にさらされた状態での明所保存性(耐
光性)に関してはいまだ不十分なレベルであり改良が望
まれている。特に、上記イエロー、マゼンタ、シアンの
3色の色素の中でもマゼンタ色素は最も耐光性が弱く、
その改良に努力がなされてきた。
【0004】特に、近年開発されたピラゾロアゾール系
マゼンタカプラーは、従来用いられている5−ピラゾロ
ン系マゼンタカプラーと異なり、発色色素が430nm付近
に副吸収を持たないため、基本的に色再現性に対して有
利であるという特徴を有しているが、ピラゾロアゾール
系マゼンタカプラーから得られるマゼンタ色素は5-ピラ
ゾロン系マゼンタカプラーから得られるマゼンタ色素に
比べて耐光性が劣ることが知られており、これに対して
多くの改良技術が提案されている。例えば、特開昭56-1
59644号、同59-125732号、同61-145552号、同60-262159
号、同61-90155号、特開平3-39956号各公報等に記載さ
れたフェノールもしくはフェニルエーテル系化合物、特
開昭61-73152号、同61-72246号、同61-189539号、同61-
189540号、同63-95439号各公報等に記載されたアミン系
化合物、特開昭61-140941号、同61-145554号、同61-158
329号、同62-183459号各公報等に記載された金属錯体、
特開平2-100048号公報等に記載された包接化合物、ヘテ
ロ環状化合物等を用いることが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの化合
物を用いた場合、カプラーの発色濃度が低下したり、経
時保存時に色汚染が発生したり、添加された化合物自体
の着色により色汚染を生じたり、好ましくない色調の変
化を引き起こしたり、カプラーを含む分散物の分散性、
経時安定性が劣化したりすることがある。さらに、上記
改良技術は耐光性の向上に大きな効果を示すものである
が、それでもなおマゼンタ色素の耐光性はイエロー色素
やシアン色素の耐光性に比べて劣るのが現状であり、こ
のため褪色過程において画像のカラーバランスが崩れて
写真の色がイエローやシアン方向にシフトして不自然な
変色を生じてしまうという問題がある。さらに、ピラゾ
ロトリアゾール骨格に立体障害の大きい分岐アルキル基
を置換することにより耐光性を向上させる技術が特開昭
61-65245号公報等で提案されているが、やはり十分なレ
ベルに達しているとは言い難い。また発色性及び色再現
性の向上を目的にした研究が続けられ、例えば特開昭60
-55343号、同60-98434号、同61-120152号等の各公報に
は各種の誘導体が記載されている。しかしながら、上記
カプラーはカプラーの発色性、色素の分光吸収特性とも
未だ満足いくレベルでなく、更なる改良が望まれてい
る。
【0006】更に上記のピラゾロトリアゾール系カプラ
ーは発色現像液の条件のわずかな変動に対して、その発
色性が影響を受けやすいことが明らかになった。特に発
色現像液のpH値の変動に対して影響を受けやすいこと
(以後、pH変動性という。)が判った。
【0007】一方、特開昭63-291058号にはピラゾロア
ゾール環に結合している炭素原子上に窒素原子が結合し
ているマゼンタカプラーが開示されており、ピラゾロア
ゾールカプラーから形成される色素において望ましい深
相色相シフト、最大濃度の増化等を効果として挙げてい
る。
【0008】しかしながら、特開昭63-291058号に具体
的に記載されている化合物はpH変動性においては未だ
満足するものではなかった。
【0009】本発明の目的は、画像保存性に優れ、かつ
発色性、色再現性及び現像処理時の安定性に優れたハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記一般式[M−I]で表されるマゼンタカプラーを少な
くとも1つ含有することを特徴とするハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料により達成された。
【0011】
【化6】
【0012】式中、R及びR0はそれぞれ脂肪族基、芳
香族基及び複素環基を表し、該脂肪族基、芳香族基は各
々置換基を有してもよく、Xは水素原子または発色現像
主薬の酸化体との反応により離脱する基を表し、Zは窒
素原子と共に5員環を形成するのに必要な非金属原子群
を表し、Zで表される含窒素複素環は置換基を有しても
よい。但し、R及びR0のいずれか一方は、必ず下記一
般式[R−I]で表される置換基を有する。
【0013】
【化7】
【0014】式中、R1、R2、R3、R4及びR5はそれ
ぞれ水素原子、脂肪族基、芳香族基及び、複素環基を表
し、該脂肪族基、芳香族基は各々置換基を有してもよ
く、R4、R5を含む4〜7員環を形成してもよい。
【0015】以下に本発明を更に具体的に説明する。
R、R0、R1、R2、R3、R4及びR5で表される脂肪族
基は、直鎖状でも分岐状でも環状でも良く、また飽和で
も不飽和でも良い。また、この脂肪族基は他の置換基に
よって置換されていてもよく、その置換基としては特に
制限はないが、代表的にはアリール、アニリノ、アシル
アミノ、スルホンアミド、アルキルチオ、アリールチ
オ、アルケニル、シクロアルキル等の各基が挙げられる
が、この他にハロゲン原子及びシクロアルケニル、アル
キニル、複素環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニ
ル、アシル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、
アルコキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキシ、
カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イミ
ド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカル
ボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アル
コキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ヒドロ
キシ、カルボキシ、複素環チオ等の各基、ならびにスピ
ロ化合物残基、有橋炭化水素化合物残基等も挙げられ
る。
【0016】アリール基としては、フェニル基が好まし
い。
【0017】アシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げら
れる。
【0018】スルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。
【0019】アルキルチオ基におけるアルキル基として
は、直鎖状でも分岐状でも環状でも良く、さらに他の置
換基によって置換されていても良く、例えばメチル基、
エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ネオペンチル
基、クロルメチル基、メトキシメチル基等が挙げられ
る。アリールチオ基におけるアリール基としては、フェ
ニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基が挙げられ、さら
にそれらは他の置換基によって置換されていても良く、
例えば2-クロルフェニル基、4-メトキシフェニル基等が
挙げられる。
【0020】アルケニル基としては、炭素原子数2〜32
のもの、シクロアルキル基としては、炭素原子数3〜1
2、特に5〜7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖
でも分岐でもよい。
【0021】シクロアルケニル基としては、炭素原子数
3〜12、特に5〜7のものが好ましい。
【0022】スルホニル基としては、アルキルスルホニ
ル基、アリールスルホニル基等;スルフィニル基として
は、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基
等;ホスホニル基としては、アルキルホスホニル基、ア
ルコキシホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、
アリールホスホニル基等;アシル基としては、アルキル
カルボニル基、アリールカルボニル基等;カルバモイル
基としては、アルキルカルバモイル基、アリールカルバ
モイル基等;スルファモイル基としては、アルキルスル
ファモイル基、アリールスルファモイル基等;アシルオ
キシ基としては、アルキルカルボニルオキシ基、アリー
ルカルボニルオキシ基等;カルバモイルオキシ基として
は、アルキルカルバモイルオキシ基、アリールカルバモ
イルオキシ基等;ウレイド基としては、アルキルウレイ
ド基、アリールウレイド基等;スルファモイルアミノ基
としては、アルキルスルファモイルアミノ基、アリール
スルファモイルアミノ基等;複素環基としては5〜7員
のものが好ましく、具体的には2-フリル基、2-チエニル
基、2-ピリミジニル基、2-ベンゾチアゾリル基等;複素
環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するものが好
ましく、例えば3,4,5,6-テトラヒドロピラニル-2-オキ
シ基、1-フェニルテトラゾール-5-オキシ基等;複素環
チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ましく、
例えば2-ピリジルチオ基、2-ベンゾチアゾリルチオ基、
2,4-ジフェノキシ-1,3,5-トリアゾール-6-チオ基;シロ
キシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリエチルシ
ロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等;イミド基とし
ては、コハク酸イミド基、3-ヘプタデシルコハク酸イミ
ド基、フタルイミド基、グルタルイミド基等;スピロ化
合物残基としては、スピロ[3.3]ヘプタン-1-イル等;
有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン-1-イル、トリシクロ[3.3.1.137]デカン-1-イ
ル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル
等が挙げられる。
【0023】R,R0,R1,R2,R3,R4及びR5で表
わされる芳香族基としては、フェニル基、1-ナフチル
基、2-ナフチル基等が挙げられる。
【0024】R,R0,R1,R2,R3,R4及びR5で表
わされる芳香族基の置換基としては、脂肪族基の場合と
同様のものを挙げることができる。
【0025】R,R0,R1,R2,R3,R4及びR5で表
わされる複素環基としては、5〜7員環のものが好まし
く、2-フリル基、2-チエニル基、2-ピリミジニル基、2-
ベンゾチアゾリル基などが挙げることができ、R1
2,R3,R4及びR5で表わされる複素環の置換基とし
ては、脂肪族基の場合と同様のものを挙げることができ
る。
【0026】R,R0,R1,R2,R3,R4及びR5とし
て好ましくは、水素原子、及び置換又は無置換のアルキ
ル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、
アルキニル基であり、最も好ましくは、置換又は無置換
のアルキル基、アリール基である。
【0027】Xで表わされる発色現像主薬の酸化体と反
応して脱離し得る基としては、例えばハロゲン原子(塩
素原子、臭素原子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリ
ールオキシ、複素環オキシ、アシルオキシ、スルホニル
オキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシ
カルボニル、アルキルオキザリルオキシ、アルコキシオ
キザリルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環
チオ、アルキルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミ
ノ、スルホンアミド、N原子で結合した含窒素複素環、
アルキルオキシカルボニルアミノ、アリールオキシカル
ボニルアミノ、カルボキシル等の各基が挙げられるが、
好ましくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
【0028】またZにより形成される含窒素5員複素環
としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環又はテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有して
もよい置換基としては前記Rについて述べたものが挙げ
られる。
【0029】一般式[M−I]で表されるものは更に具
体的には、例えば下記一般式[M−II]〜[M−IV]に
より表される。
【0030】
【化8】
【0031】前記一般式[M−II]で表されるものは更
に具体的には、例えば下記一般式[M−V]〜[M−VI
I]により表される。
【0032】
【化9】
【0033】前記一般式[M−II]〜[M−VII]にお
いてR1〜R9及びXは前記R〜R5及びXと同義であ
る。
【0034】又、一般式[M−I]の中でも好ましいの
は、一般式[M−III]、[M−IV]又は[M−V]で
表されるものである。
【0035】以下に、本発明のマゼンタカプラーの代表
具体例を示すが、本発明はこれらにより限定されるもの
ではない。
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】本発明に係る前記一般式[M−I]で表さ
れるマゼンタカプラーはジャーナル・オブ・ザ・ケミカ
ル・ソサイアティ(Journal of the Chemical Societ
y),パーキン(Perkin);I(1977),2047〜2052、
米国特許3,725,067号又は特開昭59-99439号、同59-1719
56号、同60-43659号、同60-172982号各公報を参考にし
て当業者ならば容易に合成することができる。
【0046】以下に本発明の化合物の合成例を示す。
【0047】[合成例] A.例示化合物M−4の合成 A−I)合成経路
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】A−II)中間体1の合成 アセト酢酸エチル101.5gにトルエン500mlおよびナトリ
ウムメチラートの28%メタノール溶液150.5gを加え、
撹拌下に加温して常圧で溶媒を約300ml留去した。更に
トルエン700mlを加え留出温度が110°になるまで溶媒を
留去した(約500ml)。50℃以下に冷却し、これに3,3-
ジクロロピバリン酸クロリド(3,3-ジクロロピバリン酸
と塩化チオニルより合成したもの)148gを滴下した。8
5℃で1時間撹拌した後、室温に戻し、ナトリウムメチ
ラートの28%メタノール溶液150.5gを加え1時間撹拌
した。1夜放置後、塩酸で酸性とし酢酸エチルで抽出
し、酢酸エチル層は3回水洗した後、減圧下に濃縮し
た。酢酸エチル;ヘキサンの混合溶媒から再結晶させ中
間体1を90.3g(51%)得た。
【0051】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0052】A−III)中間体2の合成 次に中間体1:53gにクロロホルム200mlを加え10℃に
冷却し、塩化スルフリル31.35gを滴下した。滴下後、
室温で1時間撹拌した後、減圧下に濃縮し、これに1-ベ
ンザール-チオカルボンヒドラジド45.1g、塩化水素ガ
スを吸収させたエタノール(4.7N)49.4mlおよびエタ
ノール550mlを加えて6時間加熱還流した。減圧下に溶
媒を留去し、残渣にアセトニトリルを加えて固体を濾集
した。酢酸エチルで加熱洗浄して中間体2を50g(58
%)得た。
【0053】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0054】A−IV)中間体3の合成 次に中間体2:41.5gをエタノール250mlに懸濁し、加
熱還流下にヒドラジンヒドラート45gを滴下した。滴下
後、更に2時間還流を続けた後、氷水1.2l中に注加し
た。析出した固体を濾集,水洗,乾燥後アセトニトリル
より再結晶して中間体3を22.7g(72%)得た。
【0055】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0056】A−V)中間体4の合成 次に中間体3:15.5gに酢酸エチル62.5mlと酢酸ナトリ
ウム6.8gを溶解した水溶液30mlを加えて懸濁させ、こ
れにγ-(4-ラウリロキシベンゼンスルホニル)ブチリル
クロリド25gを加え室温で1時間撹拌した。水層を捨て
酢酸エチル層を水洗した後、減圧下に濃縮した。残渣を
アセトニトリルより再結晶して中間体4を33.9g(91
%)得た。
【0057】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0058】A−VI)中間体5の合成 次に中間体4:32.7gに酢酸エチル150mlと塩化チオニ
ル11.5gを加えて2時間加熱還流した。室温まで冷却
し、水を加え酢酸エチル層を抽出した。酢酸エチル層に
炭酸水素カリウム9.7gを溶解した水溶液40mlを加え、
2時間加熱還流した。水層を捨て、酢酸エチル層を水洗
した後、減圧下に濃縮し、残渣をアセトニトリルより再
結晶して中間体5を23.8g(75%)得た。
【0059】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0060】A−VII)中間体6の合成 次に中間体5:21.8gに水10mlと濃硫酸10mlを加え5時
間加熱還流した。反応液は氷水500ml中に注加し、酢酸
エチルで抽出した。酢酸エチル層は水洗後、減圧下に濃
縮しメタノールで再結晶を行い、中間体6:19.3g(97
%)得た。
【0061】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0062】A−VIII)中間体7の合成 次に中間体6:18.2gとナトリウムp-シアノフェノキシ
ド9.3gをTHF100ml中で5時間加熱還流させる。反応液
を氷水300ml中に注加し、酢酸エチルで抽出後、中和、
水洗し、減圧下に濃縮する。メタノールで再結晶を行い
中間体7を14.9g(67%)得た。
【0063】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0064】A−IX)例示化合物M−4の合成 次に中間体7:10gを酢酸エチル75mlに溶解し、N-クロ
ロスクシンイミド1.8gを加えて室温で1時間撹拌し
た。これに水100mlを加え酢酸エチル層を抽出、酢酸エ
チル層は水洗した後、減圧下に濃縮した。残渣をアセト
ニトリルより再結晶して例示カプラーM−4を9.3g(8
8%)得た。
【0065】同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルによ
り行った。
【0066】B.例示化合物M−34の合成 B−I)合成経路
【0067】
【化21】
【0068】B−II)中間体11の合成 3,3-ジクロロピバリン酸67.8gを水300mlおよび水酸化
ナトリウム31.7gの水溶液に溶解させ、5時間還流させ
る。
【0069】反応液を塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出
し水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ減圧濃
縮する。メタノールから再結晶を行い中間体11:37.2g
を得た。(同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルにより
行った。) B−III)中間体12の合成 中間体11:33.5gを無水酢酸150mlに加え、0℃で16時
間撹拌した。反応液を氷100gと1規定塩酸50mlとの混
合物に注いだ後、酢酸エチル200mlを加え、有機層を分
離した。これを炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、有
機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧濃縮し、中間体12:48.0gを得た。(同定は1HNMR,I
R,FD-マススペクトルにより行った。) B−IV)中間体14の合成 中間体12:43.6gにトルエン200mlと塩化チオニル14.5m
lを加えて4時間加熱還流した後、トルエンと過剰の塩
化チオニルを留去し、褐色油状の酸クロライド:47.3g
を得た。
【0070】次に中間体13:40.1gにアセトニトリル45
0mlと酸クロライド:47.3gを添加して3時間加熱還流
した後、室温まで冷却し、溶媒を減圧留去後、得られた
油状物にトルエン400mlと濃硫酸6mlを加えて2時間加
熱還流した。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチル500m
lを添加し、さらにこの溶液に、炭酸水素ナトリウム水
溶液を水層が弱塩基性になるまで加えた後、分液した。
得られた有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、さらに溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーにより精製し、淡黄色油状の中間体1
4:45.1gを得た。(同定は1HNMR,IR,FD-マススペク
トルにより行った。) B−V)中間体15の合成 中間体14:44.2gに無水酢酸300mlを加え3時間加熱還
流した後、過剰の無水酢酸を常圧下で留去した。次い
で、この反応生成物にメタノール200mlを加え、さらに
濃塩酸60mlを滴下して加えた後、3時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、析出してきた硫
黄の結晶を濾過した後、そのまま一昼夜静置した。析出
してきた結晶を濾取した後(46g)、この結晶に酢酸エ
チル800mlと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液80mlを加え
1時間加熱撹拌した後、分液し、得られた有機層を乾燥
させ、溶媒を減圧留去し、さらに酢酸エチルとヘキサン
の混合溶媒で再結晶することにより、白色結晶の中間体
15:21.5gを得た。(同定は1HNMR,IR,FD-マススペク
トルにより行った。) B−VI)中間体16の合成 中間体15:20.2gをピリジン50ml、酢酸エチル200mlに
溶解し、5℃まで冷却する。この中にピバリン酸クロラ
イド21.2gの酢酸エチル溶液を滴下し室温で4時間反応
させる。反応液を酢酸エチルで抽出し、1規定塩酸で洗
浄することでピリジンを途去し、炭酸水素ナトリウム水
溶液により中和する。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧濃縮することにより無色油状物を得る。これをシリ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間
体16:28.6gを得た。(同定は1HNMR,IR,FD-マススペ
クトルにより行った。) B−VII)例示化合物M−34の合成 中間体16:25.2gをクロロホルム300mlに溶解した後、
5℃で撹拌した。これにN-クロロスクシンイミド8.0g
を1時間かけて添加した。添加終了後、さらに2時間撹
拌した。反応液、水500mlで2回洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、クロロホルムを減圧留去して、淡黄
色のオイル状化合物を得た。これをカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、例示化合物M−34:21.8gを得
た。(同定は1HNMR,IR,FD-マススペクトルにより行っ
た。) 本発明のマゼンタカプラーを乳剤に含有せしめるには、
従来公知の方法に従えばよい。例えばトリクレジルホス
フェート、ジブチルフタレート等の沸点が175℃以上の
高沸点有機溶媒または酢酸エチル、プロピオン酸ブチル
等の低沸点溶媒のそれぞれ単独にまたは必要に応じてそ
れらの混合液に本発明のマゼンタカプラーを単独でまた
は併用して溶解した後、界面活性剤を含むゼラチン水溶
液と混合し、次に高速度回転ミキサーまたはコロイドミ
ルで乳化した後、ハロゲン化銀に添加して本発明に使用
するハロゲン化銀乳剤を調製することができる。
【0071】本発明のマゼンタカプラーは通常ハロゲン
化銀1モル当り1×10-3〜1モル、好ましくは1×10-2
〜8×10-1モルの範囲で用いることができる。
【0072】また本発明のマゼンタカプラーは他の種類
のマゼンタカプラーと併用することもできる。
【0073】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
に好ましく用いられるハロゲン化銀組成としては、塩化
銀、塩臭化銀または塩沃臭化銀がある。また更に、塩化
銀と臭化銀の混合物等の組合せ混合物であってもよい。
【0074】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤とし
ては臭化銀、沃臭化銀、沃塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀および塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤に使用され
る任意のものを用いることができる。
【0075】ハロゲン化銀粒子は、粒子内において均一
なハロゲン化銀組成分布を有するものでも、粒子の内部
と表面層とでハロゲン化銀組成が異なるコア/シェル粒
子でもよい。
【0076】ハロゲン化銀粒子は、潜像が主として表面
に形成されるような粒子であってもよく、また主として
粒子内部に形成されるような粒子であってもよい。
【0077】ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十
四面体のような規則的な結晶形を持つものでもよいし、
球状や板状のような変則的な結晶形を持つものでもよ
い。これらの粒子において、{100}面と{111}面の比
率は任意のものが使用できる。
【0078】またこれら結晶形の複合形を持つものでも
よく、様々な結晶形の粒子が混合されていてもよい。
【0079】ハロゲン化銀粒子の粒子サイズとしては好
ましくは、0.05〜30μm、更に好ましくは0.1〜20μmの
ものを用いることができる。
【0080】ハロゲン化銀乳剤は、いかなる粒子サイズ
分布を持つものでも使用できる。粒子サイズ分布の広い
乳剤(多分散乳剤と称する)を用いてもよいし、粒子サ
イズ分布の狭い乳剤(単分散乳剤と称する)を単独また
は数種類混合して用いてもよい。また多分散乳剤と単分
散乳剤を混合して用いてもよい。
【0081】本発明に用いられるカプラーには、色補正
の効果を有するカラードカプラー及び現像主薬の酸化体
とのカップリングによって現像抑制剤、現像促進剤、漂
白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、調色剤、硬膜
剤、カブリ剤、カブリ防止剤、化学増感剤、分光増感剤
及び減感剤のような写真的に有用なフラグメントを放出
する化合物が包含される。これらのうち、現像に伴って
現像抑制剤を放出し、画像の鮮明性や画像の粒状性を改
良する所謂DIR化合物を用いてもよい。
【0082】このDIR化合物には、カップリング位に
直接抑制剤が結合したものと、抑制剤が2価基を介して
カップリング位に結合しており、カップリング反応によ
り離脱した基内での分子内求核反応や分子内電子移動反
応等により抑制剤が放出されるように結合したもの(タ
イミングDIR化合物と称する)が含まれる。また抑制
剤も離脱後拡散性のものとそれほど拡散性を有していな
いものを、用途により単独でまたは併用して用いること
ができる。
【0083】芳香族第1級アミン現像剤の酸化体とカッ
プリング反応を行うが、色素を形成しない無色カプラー
(競合カプラーともいう)を色素形成カプラーと併用し
て用いることもできる。
【0084】本発明において好ましく用いられるイエロ
ーカプラーとしては、公知のアシルアセトアニリド系カ
プラーを挙げることができる。これらのうち、ベンゾイ
ルアセトアニリド系及びピバロイルアセトアニリド系化
合物が有利に使用できる。
【0085】本発明において好ましく用いられるシアン
カプラーとしては、フェノールまたはナフトール系カプ
ラーが挙げられる。
【0086】感光材料の乳剤層間(同一感色性層間及び
/又は異なった感色性層間)で現像主薬の酸化体又は電
子移動剤が移動して色濁りが生じたり、鮮鋭性が劣化し
たり、粒状性が目立つのを防止するために色カブリ防止
剤を用いることもできる。
【0087】本発明の感光材料には、色素画像の劣化を
防止する画像安定剤を用いることができる。好ましく用
いることができる化合物はRD17643号のVII項Jに記載
されているものである。
【0088】感光材料の保護層、中間層等の親水性コロ
イド層は感光材料が摩擦等で帯電することに起因する放
電によるカブリ防止及び画像の紫外線による劣化を防止
するために紫外線防止剤を含んでいてもよい。
【0089】感光材料の保存中のホルマリンによるマゼ
ンタ色素形成カプラー等の劣化を防止するために、感光
材料にホルマリンスカベンジャーを用いることができ
る。
【0090】本発明は、カラーネガフィルム、カラーペ
ーパー、カラーリバーサルフィルム等に好ましく適用す
ることができる。
【0091】カラーネガフィルム、カラーペーパー及び
カラーリバーサルフィルムは、いずれも一般に青感性、
緑感性、赤感性のハロゲン化銀乳剤層と非感光性親水性
コロイド層とからなり、本発明は、支持体上のこれらの
層の配列になんらの制限を受けるものではない。
【0092】本発明の感光材料を用いて色素画像を得る
には露光後、カラー写真処理を行う。
【0093】カラー処理は、発色現像処理工程、漂白処
理工程、定着処理工程、水洗処理工程及び必要に応じて
安定化処理工程を行うが、漂白液を用いた処理工程と定
着液を用いた処理工程の代わりに、一浴漂白定着液を用
いて、漂白定着処理工程を行うこともできるし、発色現
像、漂白、定着を一浴現像漂白定着処理液を用いたモノ
バス処理工程を行うこともできる。
【0094】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき説明するが、本
発明の実施態様はこれに限定されない。
【0095】実施例1 紙支持体の片面にポリエチレンを、もう一方の面に酸化
チタンを含有するポリエチレンをラミネートした支持体
上に、以下の表1、表2に示す構成の各層を酸化チタン
を含有するポリエチレン層の側に塗設し、多層ハロゲン
化銀カラー写真感光材料試料101を作製した。塗布液は
下記の如く調製した。
【0096】第1層塗布液 イエローカプラー(EY−1)26.7g、色素画像安定化
剤(ST−1)10.0g、色素画像安定化剤(ST−2)
6.67g、ステイン防止剤(HQ−1)0.67gおよび高沸
点有機溶媒(DNP)6.67gに酢酸エチル60mlを加え溶
解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−2)7mlを含
有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジナイザ
ーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散液を作
製した。
【0097】この分散液を下記に示す青感性ハロゲン化
銀乳剤(銀8.67g含有)と混合し、さらにイラジェーシ
ョン防止染料(AIY−1)を加え第1層塗布液を調製
した。
【0098】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に調製した。また、硬膜剤として第2層及び第4
層に(HH−1)を、第7層に(HH−2)を添加し
た。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−1)、(S
U−3)を添加し、表面張力を調整した。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】以下に、前述各層中に使用される化合物の
構造式を示す。
【0102】
【化22】
【0103】
【化23】
【0104】
【化24】
【0105】
【化25】
【0106】
【化26】
【0107】 青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B) 平均粒径0.85μm、変動係数=0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散立方体 乳剤 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX 緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G) 平均粒径0.43μm、変動係数=0.08、塩化銀含有率99.5モル%の 単分散立方体乳剤 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX 赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R) 平均粒径0.50μm、変動係数=0.08、塩化銀含有率99.5モル%の 単分散立方体乳剤 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 以下に各単分散立方体乳剤中に使用された化合物の構造
式を示す。
【0108】
【化27】
【0109】
【化28】
【0110】次に試料101の第3層のカプラーEM−1
を等モルの下記表3に示す本発明のカプラーに入れ替え
試料102〜127を各々作製した。
【0111】このようにして作製した試料を常法に従っ
て緑色光によってウエッジ露光後、下記の処理工程に従
って処理を行った。
【0112】 処理工程 温 度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 各処理液の組成を以下に示す。
【0113】各処理液の補充量はハロゲン化銀カラー写
真感光材料1m2当り80mlである。
【0114】発色現像液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエタノールアミン 10g 18g N,N-ジエチルヒドロキシルアミン 5g 9g 塩化カリウム 2.4g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 1.0g 1.8g N-エチル-N-β-メタンスルホンアミドエチル -3-メチル-4-アミノアニリン硫酸塩 5.4g 8.2g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンスルホン 酸誘導体) 1.0g 1.8g 炭酸カリウム 27g 27g 水を加えて全量を1000mlとし、タンク液においてはpH
を10.10に、補充液においてはpHを10.60に調整する。
【0115】漂白定着液 (タンク液と補充液は同一) エチレンジアミンテトラ酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミンテトラ酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1000mlとし、炭酸カリウム又は氷酢酸
でpHを5.7に調整する。
【0116】安定化液 (タンク液と補充液は同一) 5-クロル-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン 1.0g エチレングリコール 1.0g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 2.0g エチレンジアミンテトラ酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4′-ジアミノスチルベンスルホン 酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1000mlとし、硫酸又は水酸化カリウム
でpHを7.0に調整する。
【0117】現像処理後の試料を用いて以下の評価を行
った。
【0118】<耐光性>得られた試料をキセノンフェー
ドメータで14日間照射し、初濃度1.0における色素画像
の残存率(%)を求めた。
【0119】λmax; 反射光学濃度1.0におけるウ
エッジの極大吸収波長を表す。
【0120】Abs600; 反射光学濃度1.0におけるウ
エッジの600nmにおける吸光度(λmaxの吸光度を1.0と
する)を表す。
【0121】Dmax; 最大発色濃度を表す。
【0122】結果を表3に示す。
【0123】
【表3】
【0124】表3から明らかな様に、マゼンタカプラー
の6位の置換基のトリアゾール環への結合部が3級であ
るカプラーを用いた試料101〜117において、本発明を用
いた試料102〜117は比較試料101に比べ、耐光性が改良
されており、発色性が向上している。更に600nmにおけ
る吸光度が減少しており、色再現性が向上している。ま
た6位が1級又は2級であるカプラーを用いた試料120
〜127においては、本発明を用いた試料122〜127におい
ても同様に優れた結果が得られた。
【0125】実施例2 実施例1の試料101の第3層の色素画像安定化剤(ST
−3)を下記表4及び5に示す組み合わせに入れ替えて
試料201〜227を作製した。
【0126】得られた試料を用いて実施例1と同様な評
価を行った。結果を表4、表5に示す。
【0127】
【表4】
【0128】
【表5】
【0129】表4及び5から明らかな様に、一般式[M
−I]で示される本発明のマゼンタカプラーを、いくつ
かの色素画像安定化剤と同時に用いることにより、大幅
な耐光性の向上と色再現性、発色性の向上が確認され
た。
【0130】実施例3 トリアセチルセルロースフィルム支持体の片面(表面)
に下引加工を施し、次いで、支持体を挟んで、当該下引
加工を施した面と反対側の面(裏面)に下記に示す組成
の各層を、支持体側から順次作成した。尚、ハロゲン化
銀写真感光材料中の添加量は特に記載のない限り1m2
りの量を示す。またハロゲン化銀とコロイド銀は銀に換
算して示した。
【0131】 裏面第1層 アルミナゾルAS-100(酸化アルミニウム)(日産化学工業株式会社製) 0.8g 裏面第2層 ジアセチルセルロース 100mg ステアリン酸 10mg シリカ微粒子(平均粒径0.2μm) 50mg 下引加工したトリアセチルセルロースフィルム支持体の
表面上に、下記に示す組成の各層を順次支持体側から形
成して多層カラー写真感光材料301を作成した。
【0132】 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15g 紫外線吸収剤(UV−4) 0.20g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02g 高沸点溶媒(DOP) 0.20g 高沸点溶媒(TCP) 0.20g ゼラチン 1.6g 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.4g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.3g 増感色素(RS−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(RS−3) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(RS−4) 0.2×10-4(モル/銀1モ
ル) シアンカプラー(EC−3) 0.50g シアンカプラー(EC−4) 0.13g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01g 高沸点溶媒(DOP) 0.55g ゼラチン 1.0g 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(RS−2) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(RS−3) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(RS−4) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(EC−4) 0.23g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03g DIR化合物(D−2) 0.02g 高沸点溶媒(DOP) 0.25g ゼラチン 1.0g 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8g 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.6g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.2g 増感色素(GS−2) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(GS−3) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(EM−4) 0.45g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10g DIR化合物(D−3) 0.02g 高沸点溶媒(TCP) 0.7g ゼラチン 1.0g 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.7μm)(平均ヨウド含有量7.5モル%) 0.9g 増感色素(GS−4) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(GS−5) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(GS−6) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(EM−4) 0.35g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(TCP) 0.35g ゼラチン 1.0g 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1g 添加剤(HS−1) 0.07g 添加剤(HS−2) 0.07g 添加剤(SC−1) 0.12g 高沸点溶媒(TCP) 0.15g ゼラチン 1.0g 第9層;低感度青感性乳剤層(B−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.3μm)(平均ヨウド含有量2.0モル%) 0.25g 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.4μm)(平均ヨウド含有量8.0モル%) 0.25g 増感色素(BS−3) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(EY−2) 0.6g イエローカプラー(EY−3) 0.32g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(TCP) 0.18g ゼラチン 1.3g 第10層;高感度青感性乳剤層(B−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.8μm)(平均ヨウド含有量8.5モル%) 0.5g 増感色素(BS−4) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(BS−5) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(EY−2) 0.18g イエローカプラー(EY−3) 0.10g 高沸点溶媒(TCP) 0.05g ゼラチン 1.0g 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀(平均粒径0.08μm) 0.3g 紫外線吸収剤(UV−4) 0.07g 紫外線吸収剤(UV−5) 0.10g 添加剤(HS−1) 0.2g 添加剤(HS−2) 0.1g 高沸点溶媒(DOP) 0.07g 高沸点溶媒(DBP) 0.07g ゼラチン 0.8g 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物A 0.04g 化合物B 0.004g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径3μm) 0.13g 尚、上述の感光材料301は、さらに化合物SU−1、S
U−4、粘度調整剤、硬膜剤HH−2、HH−3、安定
剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2(重量平
均分子量10,000のもの及び1,100,000のもの)、染料A
I−1、AI−2及びDI−1(9.4g/m2)を含有す
る。
【0133】第10層の沃臭化銀乳剤は以下の方法で調整
した。
【0134】平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子
(沃化銀含有率2モル%)を種結晶として、沃臭化銀乳
剤をダブルジェット法により調製した。
【0135】溶液<G−1>を温度70℃、pAg7.8、pH
7.0に保ち、よく攪拌しながら0.34モル相当の種乳剤を
添加した。
【0136】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、<H−1>と<S−1>を1:1の流量比を保ちな
がら、しだいに流量を大きくして(終了時の流量が初期
流量の3.6倍)86分を要して添加した。
【0137】(外部低沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1、pH6.0に保ちながら、<H−2>と<S
−2>を1:1の流量比で、しだいに流量を大きくして
(終了時の流量が初期流量の5.2倍)65分を要して添加
した。
【0138】粒子形成中のpAgとpHは、臭化カリウム水
溶液と56%酢酸水溶液を用いて制御した。粒子形成後
に、常法のフロキュレーション法によって水洗処理を施
し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にてpHお
よびpAgをそれぞれ5.8及び8.06に調整した。
【0139】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、粒径
分布の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5モル%の八面体
沃臭化銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0140】 <G−1> オセインゼラチン 100.0g 化合物−Iの10重量%メタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.
0ml 水で仕上げる 5000.
0ml <H−1> オセインゼラチン 82.4g 臭化カリウム 151.6g 沃化カリウム 90.6g 水で仕上げる 1030.5ml <S−1> 硝酸銀 309.2g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml <H−2> オセインゼラチン 302.1g 臭化カリウム 770.0g 沃化カリウム 33.2g 水で仕上げる 3776.8ml <S−2> 硝酸銀 1133.0g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml 同様の方法で、種結晶の平均粒径、温度、pAg、pH、流
量、添加時間及びハライド組成を変化させ平均粒径及び
沃化銀含有率が異なる前記各乳剤を調製した。いずれも
粒径分布の変動係数20%以下のコア/シェル型単分散乳
剤であった。
【0141】各乳剤は、チオ硫酸ナトリウム、塩化金酸
及びチオシアン酸アンモニウムの存在下にて最適な化学
熟成を施し、増感色素、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3
a,7-テトラザインデン、1-フェニル-5-メルカプトテト
ラゾールを加えた。
【0142】
【化29】
【0143】
【化30】
【0144】
【化31】
【0145】
【化32】
【0146】
【化33】
【0147】
【化34】
【0148】
【化35】
【0149】
【化36】
【0150】試料301の第6層、第7層のマゼンタカプ
ラーを表7に示す等モルのマゼンタカプラーに変更した
以外は試料301と同様にして試料302〜311を作製した。
以上のようにして作製した感光材料301〜311をセンシト
メトリー用ステップウェッジを介して白色露光を行い、
下記の現像処理[I]に従って処理した。
【0151】現像処理[I]
【0152】
【表6】
【0153】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、以下のものを使用した。
【0154】発色現像液 水 800ml 炭酸カリウム 30g 炭酸水素ナトリウム 2.5g 亜硫酸カリウム 3.0g 臭化ナトリウム 1.3g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5g 塩化ナトリウム 0.6g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル−N-(β-ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 4.5g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水酸化カリウム 1.2g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムあるいは20
%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0155】発色現像補充液 水 800ml 炭酸カリウム 35g 炭酸水素ナトリウム 3g 亜硫酸カリウム 5g 臭化ナトリウム 0.4g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1g 4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル) アニリン硫酸塩 6.3g 水酸化カリウム 2g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウムあるいは20
%硫酸を用いてpH10.18に調整する。
【0156】漂白液 水 700ml 1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 40g 臭化アンモニウム 150g 氷酢酸 40g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水あるいは氷酢
酸を用いてpH4.4に調整する。
【0157】漂白補充液 水 700ml 1,3-ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175g エチレンジアミン四酢酸 2g 硝酸ナトリウム 50g 臭化アンモニウム 200g 氷酢酸 56g アンモニア水あるいは氷酢酸を用いてpH4.0に調整後,
水を加えて1リットルとする。
【0158】定着液 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120g チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 15g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水あるいは氷酢酸を用いてpH6.2に調整後,
水を加えて1リットルとする。
【0159】定着補充液 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150g チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 20g エチレンジアミン四酢酸 2g アンモニア水あるいは氷酢酸を用いてpH6.5に調整後,
水を加えて1リットルとする。
【0160】安定液及び安定補充液 水 900ml
【0161】
【化37】
2.0g
【0162】 ジメチロール尿素 0.5g ヘキサメチレンテトラミン 0.2g 1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1g シロキサン(UCC製L-77) 0.1g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとし、アンモニア水あるいは50%
硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0163】また、試料301〜319を現像処理[I]の発
色現像液のpHを9.90とした以外は現像処理[I]と同
様にして現像処理(現像処理[II])を行った。
【0164】現像処理を行った各試料について、マゼン
タ発色最大濃度を光学濃度計PDA-65(コニカ株式会社
製)を用いて緑色光により測定した。発色最大濃度、比
感度、pH変動性を表7に示す。pH変動性は次式により
求めた。
【0165】
【数1】
【0166】
【表7】
【0167】表7の比感度は、カブリ濃度+0.10濃度を
与える露光量の逆数の相対値であり、試料301を100とす
る値で示した。また、比感度および最大濃度は現像処理
[I]における測定値である。
【0168】表7より明らかなように、本発明のマゼン
タカプラーを用いた試料302〜319は、公知のカプラーを
用いた比較試料301に比べ最大濃度、感度、pH変動性と
も著しく優れていることが分かった。
【0169】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料は画像保存性、発色性及び色再現性に優れ、かつ発色
現像液の条件の変化、特にpH値の変動に対して発色性
の変動が小さいという、優れた効果を有することが明ら
かとなった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[M−I]で表されるマゼン
    タカプラーを少なくとも1つ含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化1】 式中、R及びR0はそれぞれ脂肪族基、芳香族基及び複
    素環基を表し、該脂肪族基、芳香族基は各々置換基を有
    してもよく、Xは水素原子または発色現像主薬の酸化体
    との反応により離脱する基を表し、Zは窒素原子と共に
    5員環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、Zで
    表される含窒素複素環は置換基を有してもよい。但し、
    R及びR0のいずれか一方は、必ず下記一般式[R−
    I]で表される置換基を有する。 【化2】 式中、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ水素原
    子、脂肪族基、芳香族基及び、複素環基を表し、該脂肪
    族基、芳香族基は各々置換基を有してもよく、R 4、R5
    を含む4〜7員環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 下記一般式[M−II]で表されるマゼン
    タカプラーを少なくとも1つ含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化3】 式中、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ脂肪族
    基、芳香族基及び複素環基を表し、該脂肪族基、芳香族
    基は各々置換基を有してもよく、R4、R5を含む4〜7
    員環を形成してもよい。Xは水素原子または発色現像主
    薬の酸化体との反応により離脱する基を表し、Zは窒素
    原子と共に5員環を形成するのに必要な非金属原子群を
    表し、Zで表される含窒素複素環は置換基を有してもよ
    い。
  3. 【請求項3】 下記一般式[M−III]又は[M−IV]
    で表されるマゼンタカプラーを少なくとも1つ含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。 【化4】 【化5】 式中、R、R1、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ脂肪
    族基、芳香族基及び複素環基を表し、該脂肪族基、芳香
    族基は各々置換基を有してもよく、R4、R5を含む4〜
    7員環を形成してもよい。Xは水素原子または発色現像
    主薬の酸化体との反応により離脱する基を表す。
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