JPH0763396B2 - イムノブロット分析用標識ペルオキシダーゼの検出試薬 - Google Patents

イムノブロット分析用標識ペルオキシダーゼの検出試薬

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JPH0763396B2
JPH0763396B2 JP31015491A JP31015491A JPH0763396B2 JP H0763396 B2 JPH0763396 B2 JP H0763396B2 JP 31015491 A JP31015491 A JP 31015491A JP 31015491 A JP31015491 A JP 31015491A JP H0763396 B2 JPH0763396 B2 JP H0763396B2
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利夫 今井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タンパク質の有用な分
析法として利用されているイムノブロット法において、
標識酵素として汎用されているペルオキシダーゼ(以下
PODと略称する)の検出用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】タンパク質を各種ゲル電気泳動法で分離
した後、これをニトロセルロース等の膜に移し取り、膜
上で抗原抗体反応を行なうことにより、特定の蛋白質
(抗原)を検出・同定する方法をイムノブロット分析法
と呼んでいる。膜上の蛋白を検出するには、放射性同位
元素で標識した抗体を用いるオートラジオグラフィを行
なう方法と、酵素を結合した抗体を用い化学的に検出す
る方法とがあるが、取扱いの容易な後者の方法が多く採
用されている。従来、イムノブロット法における抗体の
標識酵素として用いられてきたPODの検出用試薬とし
て、ジアミノベンチジン(以下DABと略称する)が、
検出感度の高いことから古くから用いられてきた。しか
しその発ガン性が指摘されて以来、DAB以外の各種試
薬が検討され、発ガン性のない4−クロロ−1−ナフト
ールやニトロテトラゾリウム塩等が開発されているが、
それらの試薬は必ずしも検出感度が十分ではなかった。
この観点から開発されたPOD検出試薬組成物として、
特公昭61−75には、3−メチル−2−ベンゾチアゾ
リノンヒドラゾン塩酸塩とフェノール化合物をpH5〜
7の条件下で用いることが開示されている。この検出試
薬は発ガン性がなく感度の点でも優れたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この検
出試薬は組織標本のPODを検出することを意図したも
のであったため、イムノブロット法にはそのまま適用で
きなかった。すなわち、イムノブロット法の場合、前記
化合物をpH5〜7の条件を用いて使用すると、前記化
合物の溶解性が必ずしも十分でないため、発色反応の効
率が低くなりタンパク質検出能が低下するという問題が
明らかになった。また発色安定性も劣るという問題も明
らかになった。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであり、イムノブロット法における高感度のPOD検
出を可能にしたものである。すなわち、本発明は発ガン
性が無く、発色安定性に優れ、かつ公知の試薬に比べは
るかに感度の優れたイムノブロット法における標識PO
Dの検出試薬を提供することを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段および作用効果】本発明
は、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン塩
(以下MBTHと略称する)と、下記の一般式で示され
るフェノール化合物と、過酸化水素とを緩衝液中に溶解
せしめ、pH7.1〜8.0に調整してなるイムノブロ
ット分析用標識ペルオキシダーゼの検出試薬である。
【0006】
【化2】
【0007】ここで、MBTHは下記構造を示す化合物
である。
【0008】
【化3】
【0009】上記構造式ではMBTHの塩酸塩を示した
が、本発明の検出試薬におけるMBTHは他の水溶性塩
を用いてもよい。
【0010】本発明の検出試薬に用いるフェノール化合
物は上記一般式に示されるものであり、これらの中、p
−ジメチルアミノフェノール、o−アミノフェノール、
m−アミノフェノール、p−メチルアミノフェノール硫
酸塩、2−クロル−6−メチルフェノール、4−クロル
−3−メチルフェノール、2,3−ジクロルフェノー
ル、2,6−ジクロルフェノール、o−クロルフェノー
ル、o−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール
などが特に有効である。
【0011】両者の割合はMBTHが0.5〜5ミリモ
ル、フェノール化合物3〜25ミリモル(いずれも溶液
1L当りの量)の範囲内である。この範囲よりいずれか
が少ないとタンパク質の発色に問題があり、いずれかが
多い場合には溶液が懸濁状態となり好ましくない。本範
囲の内、MBTHは1〜2mM、フェノール化合物は5
〜20mMの範囲が特に好ましいものである。
【0012】過酸化水素の濃度は、発色の程度に影響を
及ぼす重要な因子である。通常過酸化水素の濃度は0.
1〜0.6mMで、この範囲外であるとタンパク質の発
色が低下し好ましくない。特に過酸化水素濃度は0.2
〜0.4mMが好ましい。
【0013】MBTH及びフェノール化合物を溶解せし
める緩衝液としては、リン酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩
衝液、カコジル酸ナトリウム緩衝液等が用いられ、これ
らの中、第1リン酸塩よりなるリン酸塩緩衝液が好まし
い。その溶液のpHは7.1〜9.0に調整することが
肝要である。pHが7.1以下であると、フェノール化
合物の溶解度が低下するため発色反応効率が低く、検出
するタンパク質の発色が低下し、感度の低下を招く。ま
た発色安定性も低下するので好ましくない。pHが9.
0以上になると発色反応が阻害され、好ましくない。特
に好ましいpHは7.2〜7.6の範囲である。緩衝液
中の塩濃度は、できるだけ小さいことが好ましく、0.
05〜0.1Mの範囲が一般的に好ましい。
【0014】本発明の検出試薬を用いるにあたって、検
出試薬中の各化合物、緩衝剤はいずれも所定濃度となる
ように混合して保存してもよいが、MBTH、フェノー
ル化合物および過酸化水素をそれぞれ所定倍濃度になる
ように緩衝液に別々に溶解して保存し、使用時に各溶液
を混合して所定濃度、所定pHとなるようにして検出
(発色)反応に用いるようにしてもよい。なお本発明の
検出試薬は、例えばニトロセルロース膜、PVDF(Po
lyvinylidene difluoride )膜、ナイロン膜等の各種の
ブロット転写膜に使用することができる。
【0015】本発明は、イムノブロット法における標識
酵素であるPODの検出試薬として用いられていた発ガ
ン物質DABの代替にかかる試薬を提供するのみなら
ず、DABを始めとする従来公知の検出試薬よりもはる
かに高感度な試薬を提供するものであり、従来のイムノ
ブロット法によるタンパク質検出では検出不可能であっ
た極微量のタンパク質の検出が可能となり、その効果は
極めて大である。本発明に係る検出試薬は、αフェトプ
ロテインを始めとする腫瘍マーカー等のイムノブロット
による検出・同定に特に有用である。
【0016】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。なお、下記実施例、比較例は、いずれも電気泳
動後に膜に転写(ブロット)した後の染色工程のみを想
定したものであり、イムノブロット法の前段階、すなわ
ち電気泳動及びブロッティングの操作は省略した。
【0017】
【実施例】精製ヒトαフェトプロテイン(αFP、IB
L社製)の12.0,6.0, 3.0, 1.5,0.7, 0.35, 0.17及び0.
08ng/ml のリン酸緩衝液(pH7.1)のそれぞれ1μL を、
PVDF(Polyvinylidene difluoride )膜に点着し
た。つぎに、αFPを添加したPVDF膜を4%BSA
(ウシ血清アルブミン)−PBS(燐酸緩衝生理食塩
水)溶液中に浸し、37℃、60分浸盪し、膜のタンパク未
吸着分をすべてBSAでブロックした。4%BSA−P
BS溶液を除去後、PBS溶液を加え、同様に5分間浸
盪した。さらに新しいPBS溶液に代えて3回この操作
を繰り返した。洗浄終了後、PVDF膜を検出反応用ト
レイに移し、膜上に1次抗体溶液(抗ヒトαFPモノク
ローナル抗体5mgを500 μL の蒸留水に溶解後、抗体希
釈溶液(燐酸緩衝液)で20倍に希釈したもの)5mLを
注いだ。37℃で60分間反応させた後、0.05%Tween 20含
有PBS溶液でPVDF膜を5分間ずつ3回洗浄後、P
VDF膜にPOD標識2次抗体(抗ヒトIgG(家兎)
POD標識IgG(DAKO製)溶液5μL を抗体希釈
溶液5mLで希釈する。)5mLを注いだ。37℃で45分間反
応させた後、0.05%Tween 20含有PBS溶液でPVDF
膜を5分間ずつ5回洗浄した。
【0018】6.3 mMのMBTH(0.1Mリン酸緩衝液:pH
7.1 )を5mL、25.2mMの2,6-ジクロロフェノールを(0.
1Mリン酸緩衝液:pH7.1 )を25mL、および6.3mM の過酸
化水素(0.1Mリン酸緩衝液:pH7.1 )を1.5mL を混合し
て、検出試薬を調製した。混合後の濃度は、MBTHは
1mM、2,6-ジクロロフェノールは20mM、過酸化水素は0.
3mM である。標識POD活性を検出するために、PVD
F膜上に検出試薬を1スポットあたり検出試薬を1.5mL
程度注ぎ、室温で2〜5分間反応させた。膜を水道水で
1〜2分間流洗し反応を停止させ、乾燥後、各スポット
の発色の程度をデンシトメーター(OD555nm )で測定
した。測定結果を図1の(A)に示す。
【0019】
【比較例】実施例と同じαFPの24.0, 12.0, 6.0, 3.
0, 1.5, 0.7 ng/mLのリン酸緩衝液(pH7.1 )のそれぞ
れ1μL をPVDF膜に点着し、実施例と同様の方法で
1次抗体およびPOD標識2次抗体をαFPに標識した
後、0.05%DAB、0.04%過酸化水素、トリス-HCl緩衝
液(pH7.5) の検出試薬を、PVDF膜上に1スポット当
り1.5mL 程度注ぎ、室温で2〜5分間反応させた。膜を
水道水で1〜2分間流洗し反応を停止させ、乾燥後、各
スポットの発色の程度を最大吸収波長である480nm でデ
ンシトメーターにより測定した。測定結果を図1の
(B)に示す。
【0020】図1の(A)(B)の結果から明らかなよ
うに、本発明の試薬では0.08ng/mLまでのαFPの検出
が可能であるのに対し、DAB法では3.0ng/mL以下では
検出限界(カットオフ値:0.01)以下で約6.0 ng/mL ま
でしか検出できず、本発明の試薬の検出感度がDABに
比べ著しく向上していた。また本発明の試薬によって発
色したスポットの退色の程度もDABのそれに比べ小さ
く、発色安定性に優れていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の各スポットの発色濃度を
示す図である。(A)は実施例を、(B)は比較例を示
す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒ
    ドラゾン塩と、下記の一般式で示されるフェノール化合
    物と、過酸化水素とを緩衝液中に溶解せしめ、pH7.
    1〜9.0に調整してなるイムノブロット分析用標識ペ
    ルオキシダーゼの検出試薬。 一般式 【化1】
  2. 【請求項2】 前記3−メチル−2−ベンゾチアゾリノ
    ンヒドラゾン塩の濃度が0.5〜5mMであり、前記フ
    ェノール化合物の濃度が3〜25mMであり、前記過酸
    化水素の濃度が0.1〜0.6mMであることを特徴と
    する請求項 1に記載の検出試薬。
  3. 【請求項3】 前記緩衝液がリン酸緩衝液であることを
    特徴とする請求項 1又は2に記載の検出試薬。
JP31015491A 1991-10-30 1991-10-30 イムノブロット分析用標識ペルオキシダーゼの検出試薬 Expired - Lifetime JPH0763396B2 (ja)

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