JPH0763359B2 - 新規乳酸菌およびそれを用いて得られた果汁乳酸菌飲料 - Google Patents
新規乳酸菌およびそれを用いて得られた果汁乳酸菌飲料Info
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- JPH0763359B2 JPH0763359B2 JP3177611A JP17761191A JPH0763359B2 JP H0763359 B2 JPH0763359 B2 JP H0763359B2 JP 3177611 A JP3177611 A JP 3177611A JP 17761191 A JP17761191 A JP 17761191A JP H0763359 B2 JPH0763359 B2 JP H0763359B2
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Description
り乳酸発酵させるのに適した乳酸菌、およびそれを用い
た果汁乳酸発酵飲料に関する。
菌の発酵用資質として果汁を用いたものはほとんど存在
しない。果汁には、乳酸菌の発酵を抑制する因子すなわ
ち静菌因子であるポリフェノールが存在するため、果汁
中では乳酸菌の増殖、発酵がおさえられてしまうからで
ある。特開昭63−173541号公報ではスキムミル
ク中で乳酸菌を培養し、菌数レベルを107〜108ヶ/
mlまで高めて得られた高多孔性粒状泡ガラスに固定化
した超高濃度乳酸菌固定化泡ガラスの固定床をマンダリ
ン果汁を通過させるという極めて特殊な手段を採用して
いる。特開平1−179646号公報では、pH調整済
みの果実処理物と乳製品の混合物中で乳酸発酵を行って
いるが、乳酸発酵のさいには、無脂乳固形分換算で3〜
10wt%の範囲で牛乳や植物乳の存在が必要であると
している。特開平1−179647号公報では、乳酸菌
を別途予備培養、すなわち乳資質中で培養し乳酸菌数を
106〜107個/mlと高めてから、果汁と合体し、発
酵するとしている。さらに特開平1−181745号で
は、特開平1−179647号公報記載の果汁発酵のさ
い乳資質を共存させることを提案している。特開昭60
−251867号公報、特公昭60−21号公報では、
従来、乳酸菌の抗菌成分である果汁中のポリフェノール
をアミド樹脂、ケイソウ土、活性炭、強塩基性イオン交
換樹脂などに結合あるいは吸着させて除去した後、別途
増殖させた乳酸菌(108〜109個/ml)を果汁に添
加し、発酵を行っている。このように、果汁を乳酸発酵
させるためには、乳酸菌を特殊な固定床としたり、ポリ
フェノールを除去したり、あるいは乳資質を混合したり
することが必要であり、乳酸菌を単に果汁中に添加して
発酵させようとしても、目標とするほど乳酸菌は増殖せ
ず、むしろ長時間経過すると死滅してしまうことが現状
である。また、pH調整やポリフェノール処理を行うこ
とによって果汁の風味が失われたり、果汁の色調の変
化、香気の減少、成分の変化等がおこってくるという問
題もある。
ールの静菌作用、抗菌作用を受けにくい新しい乳酸菌を
提供することおよびこれを使用して得られる果汁乳酸菌
飲料を提供する点にある。
ラム陽性カタラーゼ(−)の性質をもつ乳酸菌であっ
て、果汁中に含まれるポリフェノールの静菌作用に耐性
を示し、発酵後高い生存能力の継続を示すことを特徴と
するラクトバチルス・ブクネリL−092(微工研 寄
託第12294号)またはラクトバチルス・カゼイ・サ
ブスピーシズ・カゼイL−013(微工研 寄託第12
293号)に関する。本発明の第2は、ポリフェノール
を含んでいる10〜100%果汁を請求項1記載の乳酸
菌を用いて発酵させることによりえられたものであるこ
とを特徴とする果汁乳酸菌飲料に関する。なお、本発明
において「発酵後高い生存能力の継続を示す」とは、果
汁中における12週間保存生菌数がラクトバチルス・ブ
クネリ(Lactobacillus buchneri)JCM1115標準
菌およびラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシズ・カ
ゼイ(Lactobacillus casei subspices casei)JCM
1134標準菌より多いことを意味するものであり、前
記12週間保存生菌数とは、10Brix、pH3.8
3、酸度0.41g/100g(乳酸換算)の100%
リンゴ果汁に、あらかじめ同じリンゴ果汁で乳酸菌を培
養したスターターを2容量%加え、30℃で2日間静置
培養した後、室温(20℃)で12週間保存した後の生
菌数を測定したものである。スターターは、乳酸菌を乳
酸菌用培地(この場合MRS液体培地使用)で増菌した
ものを前出の100%リンゴ果汁に5容量%加え、30
℃で3日間静置培養したものを用いた。
ン、オレンジ、グレープフルーツ、ブドウなど、任意の
果物の果汁を使用できる。前記果汁には、必要に応じて
野菜汁、糖、蜂蜜、香料、牛乳、脱脂粉乳等の添加剤を
添加した後、前記発酵を行ってもよいし、また、発酵後
に添加してもよい。更に発酵後には、クエン酸などの酸
味料および炭酸などを添加することができる。本発明の
乳酸菌であるラクトバチルス・ブクネリL−092およ
びラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシズ・カゼイL
−013は以下の表1に示す性質を有する。
5分間滅菌し、冷却後に予めろ過滅菌した各糖類を1%
となるように加え、その後、乳酸菌の懸濁液を接種し、
30℃で培養し、培養2週間後の培地の色が赤色から黄
色に変化したものについて資化性があると判断した。
はラクトバチルス・ブクネリ、L−013についてはラ
クトバチルス・カゼイ・サブスピーシズ・カゼイである
ことが確認できた。本菌は、果汁の発酵において、官能
的に優れた発酵液を提供し、図1に示すように室温によ
る12週間の長期保存において高い生存能力を有する点
において、標準菌と顕著な相違点が存在する。
数の経時変化を図1に示した。100%リンゴ果汁に、
予め同じリンゴ果汁でそれぞれの乳酸菌を培養したスタ
ーターを2%容量加え、30℃で静置培養した。培養2
日後室温(20℃)で保存し、その間、生菌数の測定を行
った。図1において、 線1は、本発明のラクトバチルス・ブクネリL−092 線2は、本発明のラクトバチルス・カゼイ・サブスピー
シズ・カゼイL−013 線3は、標準菌ラクトバチルス・ブクネリJCM1115 線4は、標準菌ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシ
ズ・カゼイJCM1134 線5は、ラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシズ・カ
ゼイ日本乳業技術協会産 線6は、ラクトバチルス・ブルガリス日本乳業技術協会
産 である。図1より、本菌L−092およびL−013
は、保存8〜12週間後においても非常に高い生菌数が
保たれていることがわかる。 (2) 100%リンゴ果汁に予め同じリンゴ果汁で乳
酸菌L−092株を培養したスターターを2%容量加
え、30℃で2日間静置培養し、生菌入り乳酸菌飲料と
した。ソフトな発酵臭を有し、口当りの良い美味しい飲
料であった。また、これを12週間室温(20℃)で保
存したが、殆ど劣化しておらず、高い品質が保たれてい
た。 (3) 本菌L−013を用い、前項と同様な方法で試
作品を調整した。酸味はやや減少していたが、ヨーグル
ト様の風味を有し、爽やかな飲料が得られた。これも1
2週間室温(20℃)で保存したが、高い品質が保たれ
ていた。
乳酸菌の静菌因子であるポリフェノールの除去を行わず
とも果汁中でよく増殖、発酵し、官能的に優れた発酵液
が得られ、保存しても高い生存能力を有する新規な乳酸
菌を提供するものである。この乳酸菌を用いることによ
って、果汁そのままを発酵できるため、ポリフェノール
除去処理にともなう果汁成分の変化を生ずることなく、
またコスト削減ができ、優れた香味を有し、保存後も高
い生菌数が保たれている果汁乳酸菌飲料が提供できた。
発酵、保存における生菌数を経時的に示したグラフであ
る。縦軸は生菌数logCFU/mlであり、CFUは
colony forming unitの略号であ
る。横軸は週の数を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 サイレージから分離されたグラム陽性カ
タラーゼ(−)の性質をもつ乳酸菌であって、果汁中に
含まれるポリフェノールの静菌作用に耐性を示し、発酵
後高い生存能力の継続を示すことを特徴とするラクトバ
チルス・ブクネリL−092(微工研 寄託第1229
4号)またはラクトバチルス・カゼイ・サブスピーシズ
・カゼイL−013(微工研 寄託第12293号)。 - 【請求項2】 ポリフェノールを含んでいる10〜10
0%果汁を請求項1記載の乳酸菌を用いて発酵させるこ
とによりえられたものであることを特徴とする果汁乳酸
菌飲料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177611A JPH0763359B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 新規乳酸菌およびそれを用いて得られた果汁乳酸菌飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3177611A JPH0763359B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 新規乳酸菌およびそれを用いて得られた果汁乳酸菌飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0584066A JPH0584066A (ja) | 1993-04-06 |
JPH0763359B2 true JPH0763359B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=16034035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3177611A Expired - Lifetime JPH0763359B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | 新規乳酸菌およびそれを用いて得られた果汁乳酸菌飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0763359B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
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CA2246273C (en) * | 1996-02-15 | 2005-05-03 | Stephen Philip Mann | Microorganisms and their use in treating animal feed and silage |
JP3423664B2 (ja) * | 1999-09-24 | 2003-07-07 | アサヒ飲料株式会社 | リンゴポリフェノールを含有する飲料 |
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DE3503742A1 (de) * | 1985-02-05 | 1986-08-21 | Peter Eckes KG mbH, 6501 Nieder-Olm | Verfahren zur herstellung von milchsauren fruchtsaftprodukten |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP3177611A patent/JPH0763359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0584066A (ja) | 1993-04-06 |
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