JPH0763220A - 流体軸受装置およびモータ - Google Patents

流体軸受装置およびモータ

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JPH0763220A
JPH0763220A JP23432493A JP23432493A JPH0763220A JP H0763220 A JPH0763220 A JP H0763220A JP 23432493 A JP23432493 A JP 23432493A JP 23432493 A JP23432493 A JP 23432493A JP H0763220 A JPH0763220 A JP H0763220A
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magnetic
impregnated
motor
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Hiromitsu Goto
廣光 後藤
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体軸受装置の一定周期の振れ、非周期的振
れを抑制するとともら、騒音を小さくし、耐久性を向上
する。 【構成】 固定部材2あるいは回転部材のいずれか一方
に、軸受面22の全面が目潰しされた多孔質の焼結体か
らなる軸受部4,4が少なくとも2箇所設けられてい
る。この軸受部4,4に潤滑流体6が含浸されていると
共に、軸受部4,4の間の固定部材2と回転部材5との
間及び各軸受部4,4の軸受隙間15,15に潤滑流体
6が充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸受部の周面とその軸
受部が摺動する相手部材の周面との間に潤滑流体が介在
されている流体軸受装置およびモータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の流体軸受装置としては、例えば図
4に示す特開平3−107612号公報に記載されたも
のが挙げられる。この軸受装置は、焼結金属に潤滑油が
含浸された軸受101に回転軸102が嵌合されたもの
であって、回転軸102の非回転時には軸受隙間に潤滑
油が染み出ることはないが、回転時には軸受101に含
浸された潤滑油がポンプ作用によって軸受面から染み出
て軸受隙間に油膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の流体軸受装置では、軸受101に潤滑油が含
浸されているだけであるので、含油量が少なくHDDモ
ータに要求されるような5万時間以上の長時間の使用に
は向かないものであった。また、3点の突出部を設け、
その部分で軸受隙間を小さくしかつサイジングによる目
潰しで動圧力を高め、回転軸102の一定周期の振れ
(RRO)や非周期的振れ(NRRO)を抑制するよう
にしているが、HDDモータの要求を充分に満たしてお
らず、また長期使用による潤滑油量の騒音が発生した
り、更に摩耗によって耐久性に支障をきたしている。
【0004】本発明は、一定周期の振れ、非周期的振れ
および騒音を抑制し、また耐久性に優れた流体軸受装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の流体軸受装置は、油若しくは磁性流体を潤
滑流体として用いる流体軸受装置において、固定部材あ
るいは回転部材のいずれか一方に軸受面全面が目潰しさ
れた多孔質の集結体から成る軸受部が少なくとも2箇所
設けられ、該軸受部に潤滑流体が含浸されていると共
に、軸受部の間の固定部材と回転部材との隙間及び各軸
受部の軸受隙間に潤滑流体が充填されている。
【0006】また、本発明のモータは、流体軸受装置を
備えている。
【0007】
【作用】したがって、軸受部に含浸された潤滑流体だけ
でなく、軸受部の間の固定部材と回転部材との間の隙間
並びに軸受隙間に潤滑流体が充填されているため、潤滑
流体が豊富で長期間に亙って軸受面に充分な潤滑流体を
確保できる。加えて、目潰しされた軸受面全面で高い動
圧力が発生し、RROやNRROを小さく抑える。
【0008】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0009】図1に本発明の流体軸受装置を備えたハー
ドディスクドライブ(HDD)用のモータの一実施例を
示す。この実施例の流体軸受装置は、潤滑流体として磁
性流体を用いたものである。即ち、この流体軸受装置
は、一端が開放され他端がスラスト板1によって閉塞さ
れた非磁性材料からなるハウジング2と、このハウジン
グ2の内周面に圧入固定され軸方向に着磁された環状の
磁石3と、この磁石3の両磁極端面に接してハウジング
2の内周面に圧入固定され且つ透磁性の焼結体に潤滑流
体としての磁性流体が含浸されてなる1対の環状の軸受
部4,4と、この軸受部4,4の内周面に回転可能に嵌
合された透磁性材料からなる回転軸5と、軸受部4,4
に含浸されていると共に軸受部4,4と回転軸5との間
および磁石3と回転軸5の間に充填されている磁性流体
6と、ハウジング開放端部に設けられた磁気シール7と
を備えている。そして、回転軸5に固定されたハブ8の
内周にロータヨーク9およびロータマグネット10が固
定される一方、ハウジング2の外周にステーコイル11
およびステータコアー12が固定され、更にハウジング
2に取付け用のフレーム13が固定されて、モータが構
成されている。
【0010】ここで、ハウジング2が固定部材、回転軸
5が回転部材に相当し、ハウジング2に設けられた軸受
部4,4の内周面(軸受面)と回転軸5が摺動するよう
になっている。
【0011】また、軸受部4,4は、透磁性の焼結体例
えば鉄系焼結金属に磁性流体が含浸されてなる。磁性流
体6は、基油に強磁性微粒子を分散させてなる磁性をも
った潤滑油である。軸受部4,4は、所定の配合で秤量
された組成材料をよく混合して、環状に圧縮成形したも
のを焼結し、次に、この焼結体を真空容器等(図示省
略)に収めて真空ポンプ等(図示省略)により減圧して
から、磁性流体槽(図示省略)に浸漬して磁性流体を染
み込ませて得られる。この軸受部4,4の内周面即ち軸
受面には、図3に示すように、少なくとも3点以上の突
出部21,21,21が形成される。そして、この突出
部21,21,21を含めて軸受面全面が目潰しされて
いる。この軸受部4,4は、例えば通常の焼結含油軸受
の製造において、サイジング工程で突出部21,21,
21を形成すると共にその他の軸受面部分22を所定寸
法に広げることによって得られる。そして、このサイジ
ング工程で突出部21と軸受面部分22とが目潰しされ
る。この目潰しによって、軸受面の密度が内部よりも高
くなり、軸受隙間に供給された潤滑油が動圧を受けて再
び軸受部4内へ染み込むことがなくなる。
【0012】また、軸受部4,4の間には磁石3と回転
軸5との間で磁性流体の貯留空間14が形成されてい
る。この貯留空間14は、軸受部4,4と回転軸5との
間の軸受隙間15,15よりも大きい容積を有してい
る。そして、軸受隙間15,15と貯留空間14とに、
軸受4,4に含浸された磁性流体と同一の磁性流体が充
填される。
【0013】磁気シール7は、ハウジング開放端側の軸
受4の端面に接してハウジング2の内周面に圧入固定さ
れ軸方向に着磁された環状の磁石16と、更にこの磁石
16の端面に接してハウジング2の内周面に圧入固定さ
れた環状の磁極片17とを備えている。本実施例におい
て、磁石16の両端に接して設けられる1対の磁極片の
一方をハウジング開放端側の軸受部4が兼用している。
【0014】回転軸5にはハウジング閉塞端側の軸受部
4に対向して抜け止め部材18が圧入固定され、回転軸
5の抜け止めを図っている。
【0015】上記のように構成された流体軸受装置によ
ると次のようにして回転部材は支承される。
【0016】ハウジング2、磁石3、軸受部4,4、磁
気シール7、スラスト板1、フレーム13、ステータコ
イル11、ステータコアー12が固定部材となってお
り、ハブ8、ロータヨーク9、ロータマグネット10、
回転軸5、抜け止め部材18が一体的に回転する回転部
材となっている。
【0017】そして、磁石3→開放端側の軸受部4→回
転軸5→閉塞端側の軸受部4→磁石3と磁束F1 が流れ
て閉磁路を形成する。これによって、軸受部4,4の内
周面と回転軸5との間の軸受隙間15,15に潤滑流体
たる磁性流体6が吸着保持される。
【0018】磁性流体6は、ポーラスな軸受部4,4に
含浸されていると共に軸受隙間15,15および貯留空
間14に充填されているので、軸受隙間15,15に
は、常時、充分な磁性流体が確保されている。そして、
軸受面全面が目潰しされているため、大きな動圧力が発
生する。
【0019】尚、磁気シール7において、磁石16→ハ
ウジング開放端側の軸受部4→回転軸5→磁極片17→
磁石16と磁束F2 が流れて閉磁路が形成されるため、
磁極片17と回転軸5との間に磁性流体6が吸着保持さ
れて、磁性流体の漏洩が防止されている。
【0020】図2に本発明の流体軸受装置を備えたHD
D用のモータの他の実施例を示す。この実施例の流体軸
受装置は、潤滑流体として非磁性の通常の潤滑油を用い
たものである。即ち、この流体軸受装置は、1対の軸受
部4,4の間に介在してスペーサ19が設けられ、軸受
部4,4に含浸されている共に軸受隙間15,15およ
びスペーサ19と回転軸5との間に潤滑油20が充填さ
れている。
【0021】そして、軸受部4の外には磁性流体と磁石
を利用した磁気シール7が設けられ、軸受部4等に充填
された潤滑油が漏洩しないように図られている。また、
軸受部4,4は、透磁性材料である必要はなく、非磁性
材料で形成してもよい。また、軸受隙間15,15と貯
留空間14に充填される潤滑油と軸受部4,4に含浸さ
れる潤滑油とは通常同一の潤滑油であるが、別種の潤滑
油としても良い。
【0022】この流体軸受装置の軸受部4は、図1の実
施例のものと同様に、その軸受面に周方向に等角度に3
個以上(本実施例では3個)の突出部21が形成され、
従来の焼結含油軸受よりも極端に狭い軸受隙間と楔状の
隙間が形成されている。そして、突出部21を含めてそ
の他の軸受面22が例えばサイジング工程で目潰しされ
ている。したがって、回転軸5の回転に伴って、突出部
21付近だけでなくその他の軸受面22においても高い
動圧(油圧)を得ることができ、RRO、NRROをよ
り小さく抑えて安定的に回転軸5を支持できる。
【0023】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、上述した実施例では、ハウジング2を固定
部材とし、軸5を回転部材としているが、これに特に限
られず軸を固定し、ハウジング側を回転させるようにし
ても良いし、軸受部4の外周面を軸受面として利用した
りしてもよい。また、本実施例ではいずれも複数の突出
部21を設けた場合について主に説明しているがこれに
特に限定されるものではなく、突出部21を設けずに真
円状の軸受面であっても全面が目潰しされていれば同様
のRRO,NRRO低減効果が得られる。
【0024】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の流体軸受装置は、固定部材あるいは回転部材のいずれ
か一方に軸受面全面が目潰しされた多孔質の集結体から
成る軸受部が少なくとも2箇所設けられ、該軸受部に潤
滑流体が含浸されていると共に、軸受部の間の固定部材
と回転部材との隙間及び各軸受部の軸受隙間に潤滑流体
が充填されているので、軸受面に長期間に亙って十分な
量の潤滑流体を確保できるし、軸受面全面で大きな動圧
力を発生させることができ、一定周期の振れ、非周期的
振れおよび騒音を小さくしながら耐久性も向上できる。
【0025】また、この流体軸受装置を備えたモータ
は、同様に一定周期の振れ、非周期的振れおよび騒音を
抑制し、耐久性を向上できるため、例えば、ハードディ
スクドライブ用のモータなどとして好適である。このH
DD用モータでは5万時間の耐久性が要求される。この
ため、従来の焼結含油軸受では数千時間が限界であった
ことから使用不能であるが、本発明の流体軸受装置を備
えたモータではその要求される耐久性を十分満足するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体軸受装置を備えたモータの一実施
例を示す図で、中央半截縦断面図である。
【図2】本発明の流体軸受装置を備えたモータの他の実
施例を示す図で、中央半截縦断面図である。
【図3】本発明の流体軸受装置の軸受部の構成を示す横
断面図である。
【図4】従来の焼結含油軸受の一例を示す軸受部の横断
面図である。
【符号の説明】
2 ハウジング 4,4 軸受 6 潤滑流体たる磁性流体 14 貯留空間 15,15 軸受面クリアランス 20 潤滑流体たる潤滑油

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油若しくは磁性流体を潤滑流体として用
    いる流体軸受装置において、固定部材あるいは回転部材
    のいずれか一方に軸受面全面が目潰しされた多孔質の集
    結体から成る軸受部が少なくとも2箇所設けられ、該軸
    受部に潤滑流体が含浸されていると共に、軸受部の間の
    前記固定部材と回転部材との隙間及び各軸受部の軸受隙
    間に潤滑流体が充填されていることを特徴とする流体軸
    受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の流体軸受装置を備えたことを
    特徴とするモータ。
JP5234324A 1993-08-27 1993-08-27 流体軸受装置およびモータ Expired - Lifetime JP3038105B2 (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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