JPH0762856A - 建屋部材据付用の仮設足場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラント設備や建物などの各種建屋部材の据
え付が安全かつ能率的に施工できる仮設足場を提供する
こと。 【構造】 柱１４に取り付けられた足場床１、２とつな
ぎ足場床６とを有する仮設足場は該仮設足場の使用時は
足場床１、２、６を拡張して、十分な作業スペースを確
保することができる。一方、当該仮設足場より下部の柱
１４に取り付けられる梁１６、ブレーシング１７あるい
は床１８等の建屋部材を上方から取り込む時には、この
仮設足場を平面図上で小さく折り畳むことができるの
で、前記建屋部材の取り込みの障害になることを回避で
きる。このように、仮設足場は予め地上で柱１４に取り
付けておくことができ、この仮設足場付きの柱１４を建
設現場に立てても、高所での大きいサイズの建屋部材の
取り込みの支障にならない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプラント設備や建物など
の鉄骨構造物等の建屋部材据付用の仮設足場に関する。

【０００２】

【従来の技術】プラント設備や建物などの鉄骨構造物等
の建屋部材の据え付には、柱同士の長手方向の接合、柱
と梁との接合、柱とブレーシングとの接合または柱と床
との接合等のように、各種建屋部材をそれぞれ所定の位
置に取り込み、それらの接合がなされる。柱に仮設足場
を取り付けて、この上で前記接合作業を行う。従来から
用いられている仮設足場は幅は約０．６〜１ｍの足場床
に取付台を取り付け、取付台のリングを柱に嵌め込んで
取り付ける構造がある。この仮設足場が取り付けられた
柱の下方の柱部分に梁、ブレーシングあるいは床等の各
種建屋部材を接合するに当たって、これら建屋部材のサ
イズが大きいので、クレーンで仮設足場が取り付けられ
た柱の上方から取り込む必要がある。その際に、仮設足
場が柱に取り付けられていると、これらの部材の取り込
みの支障になるので、仮設足場は柱から取り外し、前記
各種部材を取り込んだ後に、仮設足場を柱に取り付けて
いた。

【０００３】しかし、鉄骨構造物等の建屋部材の据付用
仮設足場を柱へ取り付ける作業または取り外す作業は１
本立ちしている柱へ登って行う高所での作業となるた
め、危険が伴い、しかも非効率であった。このような危
険の伴う仮設足場の柱への取り付け、取り外し作業を容
易にするための工夫として、次のようなものが知られて
いる。すなわち、鉄骨に足場を吊持してボルト締め等の
施工するのに際して、足場を把持操作により折り畳み可
能にして、足場の撤去作業を容易にしたもの（特開平４
−２０３１６２号）、折り畳みができて、取り付け、取
り外し作業がワンタッチで一人で行える仮設足場（実開
昭５６−３４９４３号）、橋梁、橋梁に取り付けられて
いる付属設備の点検用の折り畳み可能な仮設足場（実開
昭５８−１８０９０８号）等がある。その他に、仮設足
場が梁、ブレーシングあるいは床の取り込みの支障とな
る問題に対する他の回避手段としてはこれらの建屋部材
を現地で柱に接合する際の、接合位置が平面図上で仮設
足場の範囲外となるように柱から出すブラケット部分の
長さを特別に長くするなど不経済な手段が講ぜられてい
たものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の仮設足
場は、いずれの場合もプラント設備や建物などの建屋部
材の据付現地で、柱等に取り付ける必要があり、この作
業が依然として危険で、しかも非能率的な作業であるこ
とに変わりはない。そこで、本発明の目的は、安全かつ
能率的に施工でき、しかもサイズの大きい建屋部材の取
り込みの障害にならない各種建屋部材据付用の仮設足場
を提供するものである。また、本発明の目的は、プラン
ト設備や建物などの各種建屋部材の据え付が安全かつ能
率的に施工できる仮設足場を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は次の
構成によって達成される。すなわち、プラント設備や建
物などの建屋部材の据え付時に用いる足場床を備えた仮
設足場において、足場床の平面図上の専有面積を縮小可
能であって、各種建屋部材の接合前に柱に予め取り付け
られた建屋部材据付用の仮設足場である。本発明の仮設
足場の足場床の平面図上の専有面積を縮小可能な構造
は、足場床より下部に取り付けられる各種建屋部材の取
り込み時には、これらの建屋部材の取り込みの障害にな
らないように足場床の平面図上の専有面積を縮小し、各
種建屋部材を取り込み後には、足場床を拡張して使用す
ることができる。そのために、仮設足場の足場床の平面
図上の専有面積を縮小可能な構造は、足場床を折り畳む
構造と立て起こす構造の少なくともいずれかの構造を備
えた構造とすることができる。仮設足場の足場床の折り
畳む構造は、隣接して設けられた複数の足場床の該隣接
部を回転可能な構造とし、また、足場床を立て起こす構
造は、足場床の柱側の側面部を回転可能な構造とするこ
とができる。

【０００６】本発明の各種建屋部材とは柱、梁、ブレー
シングまたは床等を言い、本発明の仮設足場は柱の長手
方向の接合、柱と梁との接合、柱とブレーシングとの接
合または柱と床との接合等のために用いられる。また、
本発明はプラント設備や建物などの鉄骨構造物に特に適
した仮設足場であるが、これに限定されることなく、そ
の他の各種の建屋部材の据付用に用いることができる。

【０００７】

【作用】本発明の柱に取り付けられた仮設足場は該仮設
足場の使用時は足場床を拡張して、十分な作業スペース
を確保することができる。一方、当該仮設足場より下部
の柱に取り付けられる梁、ブレーシングあるいは床等の
建屋部材を上方から取り込む時には、この仮設足場を平
面図上で小さく折り畳むことができるので、前記建屋部
材の該仮設足場の取り付けられた柱部分より上方から取
り込んでも、取り込み作業の障害になることを回避でき
る。このように、本発明の仮設足場は予め地上で柱に取
り付けておくことができ、この仮設足場付きの柱を建設
現場に立てても、高所での大きいサイズの梁、ブレーシ
ングあるいは床等の建屋部材の取り込みの支障にならな
い。こうして、仮設足場の柱への取り付け作業が危険を
伴うことなく、簡単に行うことができる。

【０００８】

【実施例】本発明の折り畳み型と立て起こし型を併用し
た仮設足場を鉄骨構造物の各種建屋部材の据付用に用い
た一実施例を図面と共に説明する。本実施例の建屋部材
の据付用仮設足場の概略図を図１〜図６に示す。図１に
は仮設足場を柱に取り付けた建設中の鉄骨構造物の斜視
図を示し、図２には仮設足場を拡張した状態の斜視図を
示し、図３には図２の仮設足場を折り畳んだ状態の斜視
図を示し、図４には折り畳んだ図２の仮設足場を柱に沿
って立て起こす前の状態の側面図を示す。また、図５と
図６には建設中の鉄骨構造物の柱に取り付けた仮設足場
を拡張した状態と折り畳んだ後に立て起こした状態の平
面図をそれぞれ示す。

【０００９】本実施例の仮設足場の足場床は３枚の板か
ら形成されていて、図３に示すように中央足場床１とそ
の両側にピン３を介して中央足場床１側に折り畳み可能
な付属足場床２が設けられている。そして、さらに図４
に示すように、中央足場床１と付属足場床２はピン５を
中心として立て起こしができる構造に成っているので、
折り畳まれた３枚の足場床１、２は柱１４に沿って立て
起こされる。これら３枚の足場床１、２は矩形状のフレ
ーム４とフレーム４の補強板４ａにより支持されてい
る。このフレーム４には柱１４のリンク１３に係合する
フック１２が複数個設けられている。また、中央足場床
１の床下面とフレーム４との間には二重筒構造のアーム
７が連結されているので、中央足場床１は床下面方向へ
は回転しない構造となっている。

【００１０】図２〜図４に示す仮設足場の足場床１、２
は図５、図６に示すように柱１４の対向する側面にそれ
ぞれ取り付けられるが、柱１４のもう一つの対向する側
面には一対のつなぎ足場床６がそれぞれ取り付けられ
る。つなぎ足場床６の構造は足場床１、２と同様に３枚
の足場床を折り畳みと立て起こしができる構造を有する
ものであり、その詳細を図示することは省略するが、図
５に示すように一対の足場床１、２を拡張した場合にで
きる足場床１、２の間のスペースをつないで、柱１４の
周囲に循環通路を形成するためのものである。

【００１１】図１または図６に示されるように、予め柱
１４に取り付けられた仮設足場の足場床１、２とつなぎ
足場床６を折り畳んだ後、柱１４側に立て起こすと、仮
設足場の平面図上での専有面積が縮小され、該仮設足場
より下方の柱１４部分に接合される梁１６、ブレーシン
グ１７および床１８等の建屋部材は該仮設足場に邪魔さ
れずに、上方から取り込むことができる。図５には梁１
６、ブレーシング１７が接合され、床１８が接合される
ことについては図示していないが、図１に示すように、
梁１６、ブレーシング１７および床１８を予め一体化し
た仮設足場の設置された柱１４の上方から取り込む方法
でこれらを柱１４に接合しても良い。また、柱１４の四
方向に接合可能な床のうち、図６には一つの床１８だけ
が柱１４に接合された場合を示している。

【００１２】前記各建屋部材を取り込んだ後に、取り込
んだ建屋部材の下方にある足場床１、２とつなぎ足場床
６とを拡張して、その周囲に手摺９をはめ込み、作業者
が安全に作業できる空間を形成する。こうしては足場床
１、２、６上を作業者のための作業空間として、取り込
まれた梁１６、ブレーシング１７および床１８等は柱１
４に予め設けられている各々の建屋部材の接合用の柱ブ
ラッケット１５に接合される。ここで、仮設足場の使用
形態に応じて、足場床２をピン３を支点として折り畳む
か、あるいは足場床１、２をピン５を支点にして立て起
こすことにより仮設足場の平面図上での専有面積を縮小
することができる。なお、ブレーシング１７は床１８の
水平方向にひし形またはく字形に変形することを防止す
るための補強部材である。

【００１３】また、図１に示す柱１４の先端部にあり、
図面では、折り畳まれ、立て起こされた足場床１、２、
６は柱１４の先端部にその長手方向に新たな柱を接合す
る場合の作業空間を確保するための仮設足場である。ま
た、上記仮設足場は折り畳み型、立て起こし型のいずれ
か単独の型からなるものでも良い。このように本実施例
の仮設足場は地上で予め仮設足場を柱１４の所定の箇所
に取り付けていても、折り畳みあるいは立て起こすこと
により仮設足場の平面図上での専有面積を縮小できるの
で、床１８等のサイズの大きい建屋部材を該仮設足場の
設置された箇所の上方からそれぞれの所定の接合位置に
取り込むことができる。こうして、高所での仮設足場の
取り付け作業が不要となり、安全に鉄骨構造物の組立等
の建設作業を行うことができる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、仮設足場は折り畳みあ
るいは立て起こすことにより、それが上方からの建屋部
材の取り込みの障害になることを回避することができ、
仮設足場を柱へ地上で取り付けることが可能となり、高
所での仮設足場取り付け作業が不要となり、安全かつ能
率的に建屋部材の組立作業を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例の仮設足場を柱に取り付け
た建設中の鉄骨構造物の斜視図である。

【図２】 本発明の一実施例の仮設足場を拡張した状態
の斜視図である。

【図３】 図２の仮設足場を折り畳んだ状態の斜視図で
ある。

【図４】 折り畳んだ図２の仮設足場を柱に沿って立て
起こす前の状態の側面図である。

【図５】 図２の仮設足場を建設中の鉄骨構造物の柱に
取り付けて、拡張した状態の平面図である。

【図６】 図２の仮設足場を建設中の鉄骨構造物の柱に
取り付けて、折り畳んだ後に立て起こした状態の平面図
である。

【符号の説明】

１…中央足場床、２…付属足場床、３、５…ピン、４…
フレーム、６…つなぎ足場床、７…アーム、９…手摺、
１２…フック、１３…リンク、１４…柱、１５…柱ブラ
ッケット、１６…梁、１７…ブレーシング、１８…床

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラント設備や建物などの建屋部材の据
   え付時に用いる足場床を備えた仮設足場において、 足場床の平面図上の専有面積を縮小可能であって、各種
   建屋部材の接合前に柱に予め取り付けられたことを特徴
   とする建屋部材据付用の仮設足場。
2. 【請求項２】 足場床の平面図上の専有面積を縮小可能
   な構造は、足場床より下部に取り付けられる各種建屋部
   材の取り込み時には、これらの建屋部材の取り込みの障
   害にならないように足場床の平面図上の専有面積を縮小
   し、各種建屋部材を取り込み後には、足場床を拡張して
   使用することができる構造であることを特徴とする請求
   項１記載の建屋部材据付用の仮設足場。
3. 【請求項３】 足場床の平面図上の専有面積を縮小可能
   な構造は、足場床をを折り畳む構造と立て起こす構造の
   少なくともいずれかの構造を備えたことを特徴とする請
   求項１または２記載の建屋部材据付用の仮設足場。
4. 【請求項４】 足場床の折り畳む構造は、隣接して設け
   られた複数の足場床の該隣接部を回転可能な構造とし、
   また、足場床を立て起こす構造は、足場床の柱側の側面
   部を回転可能な構造としたことを特徴とする請求項３記
   載の建屋部材据付用の仮設足場。