JPH0762600A - めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装置 - Google Patents
めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装置Info
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- JPH0762600A JPH0762600A JP18119293A JP18119293A JPH0762600A JP H0762600 A JPH0762600 A JP H0762600A JP 18119293 A JP18119293 A JP 18119293A JP 18119293 A JP18119293 A JP 18119293A JP H0762600 A JPH0762600 A JP H0762600A
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【構成】イ）電気めっき槽１から排出された不純物金属
イオン１０含有めっき浴液８を抽出装置Ａにおいて抽出
用溶媒９と接触させて不純物金属イオン１０を抽出し、
該溶媒９を逆抽出装置Ｂにおいて塩酸溶液９と接触させ
て不純物金属イオン１０を塩酸溶液に逆抽出し、分離し
た該溶媒を抽出装置Ａに循環する方法、およびロ）前記
抽出装置Ａから排出された不純物金属イオンを含有しな
いが少量の抽出溶媒９を含有するめっき浴液８を活性炭
吸着装置４に供給し、該溶媒を活性炭に吸着除去せしめ
てめっき浴液８を再生し、電気めっき槽１に戻す方法か
ら成ることを特徴とするめっき浴１の不純物金属イオン
１０の連続除去方法。 【効果】本発明によれば、めっき液中のニッケル損失を
0.1％以下に抑えても希土類金属及び鉄を99％以上除去
することができる。また亜鉛、鉛も同時に除去可能であ
る。
イオン１０含有めっき浴液８を抽出装置Ａにおいて抽出
用溶媒９と接触させて不純物金属イオン１０を抽出し、
該溶媒９を逆抽出装置Ｂにおいて塩酸溶液９と接触させ
て不純物金属イオン１０を塩酸溶液に逆抽出し、分離し
た該溶媒を抽出装置Ａに循環する方法、およびロ）前記
抽出装置Ａから排出された不純物金属イオンを含有しな
いが少量の抽出溶媒９を含有するめっき浴液８を活性炭
吸着装置４に供給し、該溶媒を活性炭に吸着除去せしめ
てめっき浴液８を再生し、電気めっき槽１に戻す方法か
ら成ることを特徴とするめっき浴１の不純物金属イオン
１０の連続除去方法。 【効果】本発明によれば、めっき液中のニッケル損失を
0.1％以下に抑えても希土類金属及び鉄を99％以上除去
することができる。また亜鉛、鉛も同時に除去可能であ
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、希土類金属製品に耐食
防食性、美観を与える電気ニッケルめっきにおけるめっ
き浴中の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装
置に関するものである。
防食性、美観を与える電気ニッケルめっきにおけるめっ
き浴中の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装
置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】電気ニッケルめっき浴は不純物に敏感
で、特にバレル式の光沢めっき浴は、微量の不純物が混
入しても光沢低下、密着不良、つきまわり不良、固くて
脆いめっき等の不良現象を引き起こし易い。この不純物
は、浴中の浮遊物またはめっき槽の底に存在している微
小固形物質と、めっき浴に溶解している溶解不純物とか
らなり、溶解不純物はさらに無機金属不純物と有機不純
物に分けられる。本発明で解決しようとする不純物は溶
解性の金属不純物で、従来は次のような除去方法が採ら
れていた。 １）めっき浴のpHを上げ、エアー攪拌により不純物金属
イオンを金属水酸化物の沈殿物とし分離除去する方法。 ２）波形の鉄板を陰極として低い電流密度で空電解して
除去する方法。 以上の１）、２）の方法を用いれば一部の遷移金属は除
去できるが、希土類金属は殆ど取り除くことが困難であ
った。
で、特にバレル式の光沢めっき浴は、微量の不純物が混
入しても光沢低下、密着不良、つきまわり不良、固くて
脆いめっき等の不良現象を引き起こし易い。この不純物
は、浴中の浮遊物またはめっき槽の底に存在している微
小固形物質と、めっき浴に溶解している溶解不純物とか
らなり、溶解不純物はさらに無機金属不純物と有機不純
物に分けられる。本発明で解決しようとする不純物は溶
解性の金属不純物で、従来は次のような除去方法が採ら
れていた。 １）めっき浴のpHを上げ、エアー攪拌により不純物金属
イオンを金属水酸化物の沈殿物とし分離除去する方法。 ２）波形の鉄板を陰極として低い電流密度で空電解して
除去する方法。 以上の１）、２）の方法を用いれば一部の遷移金属は除
去できるが、希土類金属は殆ど取り除くことが困難であ
った。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、めっき液中
のニッケル損失を抑え、希土類金属を効率的、連続的に
除去する方法およびその装置を提供しようとするもので
ある。また、本発明によれば鉄、亜鉛、鉛等の遷移金属
も同時に除去可能である。
のニッケル損失を抑え、希土類金属を効率的、連続的に
除去する方法およびその装置を提供しようとするもので
ある。また、本発明によれば鉄、亜鉛、鉛等の遷移金属
も同時に除去可能である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、希土類金属の精製や分離に利用される
中性りん酸アルキルエステル、酸性りん酸アルキルエス
テル、カルボン酸、第４級アンモニウム塩に注目し、こ
れを電気ニッケルめっき浴中の希土類金属抽出剤とする
抽出回路および装置を設計製作し、抽出条件を見極めて
本発明を完成させたもので、その要旨は、イ）電気めっ
き槽から排出された不純物金属イオン含有めっき浴液を
抽出装置Ａにおいて抽出用溶媒と接触させて不純物金属
イオンを抽出し、該溶媒を逆抽出装置Ｂにおいて逆抽出
溶液と接触させて不純物金属イオンを逆抽出溶液に逆抽
出し、分離した該溶媒を抽出装置Ａに循環する工程、お
よびロ）前記抽出装置Ａから排出された不純物金属イオ
ンを含有しないが少量の抽出溶媒を含有するめっき浴液
を活性炭吸着装置に供給し、該溶媒を活性炭に吸着除去
せしめてめっき浴液を再生し、電気めっき槽に戻す工程
からなることを特徴とするめっき浴の不純物金属イオン
の連続除去方法、およびイ）電気めっき槽、第１抽出装
置（第１ミキサー・第１セトラー）〜第ｍ抽出装置（第
ｍミキサー・第ｍセトラー）からなる抽出装置Ａおよび
活性炭吸着装置からなるめっき浴再生循環回路、および
ロ）第１逆抽出装置（第１逆ミキサー・第１逆セトラ
ー）〜第ｎ逆抽出装置（第ｎ逆ミキサー・第ｎ逆セトラ
ー）からなる抽出溶媒再生循環回路、からなることを特
徴とするめっき浴の不純物金属イオン連続除去装置にあ
る。
解決するために、希土類金属の精製や分離に利用される
中性りん酸アルキルエステル、酸性りん酸アルキルエス
テル、カルボン酸、第４級アンモニウム塩に注目し、こ
れを電気ニッケルめっき浴中の希土類金属抽出剤とする
抽出回路および装置を設計製作し、抽出条件を見極めて
本発明を完成させたもので、その要旨は、イ）電気めっ
き槽から排出された不純物金属イオン含有めっき浴液を
抽出装置Ａにおいて抽出用溶媒と接触させて不純物金属
イオンを抽出し、該溶媒を逆抽出装置Ｂにおいて逆抽出
溶液と接触させて不純物金属イオンを逆抽出溶液に逆抽
出し、分離した該溶媒を抽出装置Ａに循環する工程、お
よびロ）前記抽出装置Ａから排出された不純物金属イオ
ンを含有しないが少量の抽出溶媒を含有するめっき浴液
を活性炭吸着装置に供給し、該溶媒を活性炭に吸着除去
せしめてめっき浴液を再生し、電気めっき槽に戻す工程
からなることを特徴とするめっき浴の不純物金属イオン
の連続除去方法、およびイ）電気めっき槽、第１抽出装
置（第１ミキサー・第１セトラー）〜第ｍ抽出装置（第
ｍミキサー・第ｍセトラー）からなる抽出装置Ａおよび
活性炭吸着装置からなるめっき浴再生循環回路、および
ロ）第１逆抽出装置（第１逆ミキサー・第１逆セトラ
ー）〜第ｎ逆抽出装置（第ｎ逆ミキサー・第ｎ逆セトラ
ー）からなる抽出溶媒再生循環回路、からなることを特
徴とするめっき浴の不純物金属イオン連続除去装置にあ
る。
【０００５】以下、本発明を詳細に説明する。Nd-Fe-Ｂ
系永久磁石の表面処理に用いられる電気ニッケルめっき
では、前処理の付着水やめっき浴での磁石自身の微量の
溶解によりめっき浴にFeやNdが蓄積する。Nd等の希土類
金属の蓄積が大きくなると、層間剥離と呼ばれるめっき
膜間で起こる密着不良が発生する。表１にNiめっき膜の
層間剥離の発生率とめっき液のpHおよびめっき液中のNd
臨界濃度との関係を実測して示した。表１から明らかな
ようにめっき液のpHが高く、Nd濃度が高い程Niめっき膜
の層間剥離が起こり易いことが判る。
系永久磁石の表面処理に用いられる電気ニッケルめっき
では、前処理の付着水やめっき浴での磁石自身の微量の
溶解によりめっき浴にFeやNdが蓄積する。Nd等の希土類
金属の蓄積が大きくなると、層間剥離と呼ばれるめっき
膜間で起こる密着不良が発生する。表１にNiめっき膜の
層間剥離の発生率とめっき液のpHおよびめっき液中のNd
臨界濃度との関係を実測して示した。表１から明らかな
ようにめっき液のpHが高く、Nd濃度が高い程Niめっき膜
の層間剥離が起こり易いことが判る。
【０００６】本発明で使用する希土類金属抽出用溶媒
は、中性りん酸アルキルエステル、酸性りん酸アルキル
エステル、カルボン酸及び第４級アンモニウム塩であ
り、一般式（式中Ｒ1,Ｒ2,Ｒ3 はアルキル基である）で
示すと、化１（ａ）：中性りん酸アルキルエステル、
（ｂ）：酸性りん酸アルキルエステル（２種類）、
（ｃ）：カルボン酸、（ｄ）：第４級アンモニウム塩と
なり、具体的には中性りん酸アルキルエステルとしてり
ん酸トリブチル、酸性りん酸アルキルエステルとしてジ
（２エチルヘキシル）りん酸、２エチルヘキシルりん酸
モノ−２−エチルヘキシルエステル等、カルボン酸とし
てはイソデカン酸、第４級アンモニウム塩としてはトリ
カプリルメチルアンモニウム塩が例示される。
は、中性りん酸アルキルエステル、酸性りん酸アルキル
エステル、カルボン酸及び第４級アンモニウム塩であ
り、一般式（式中Ｒ1,Ｒ2,Ｒ3 はアルキル基である）で
示すと、化１（ａ）：中性りん酸アルキルエステル、
（ｂ）：酸性りん酸アルキルエステル（２種類）、
（ｃ）：カルボン酸、（ｄ）：第４級アンモニウム塩と
なり、具体的には中性りん酸アルキルエステルとしてり
ん酸トリブチル、酸性りん酸アルキルエステルとしてジ
（２エチルヘキシル）りん酸、２エチルヘキシルりん酸
モノ−２−エチルヘキシルエステル等、カルボン酸とし
てはイソデカン酸、第４級アンモニウム塩としてはトリ
カプリルメチルアンモニウム塩が例示される。
【０００７】
【表１】
【０００８】
【化１】
【０００９】本発明で用いる抽出用溶媒と希土類金属の
抽出反応式（式中Ｌn は希土類金属を、Ｒはアルキ基を
表す）を下記に示す。 １）中性りん酸アルキルエステル（ＴＢＰ：りん酸トリ
ブチルの場合） ３［ＴＢＰ］0 ＋［Ｌn(ＮＯ3)3 ］A →［ (ＴＢＰ)3・
Ｌn(ＮＯ3)3 ］0 ２）酸性りん酸アルキルエステル（Ｄ２ＥＨＰＡ：ジ
（２−エチルヘキシル）りん酸及びＥＨＰＡ−ＥＨＥ：
２−エチルヘキシルりん酸モノ−２−エチルヘキシルエ
ステルの場合） ３［Ｄ２ＥＨＰＡ］0 ＋［Ｌn 3+ ］A→［ (Ｄ２ＥＨＰ
Ａ)3Ｌn ］0 ＋３［Ｈ+ ］A ３）カルボン酸（ＲＣＯＯＨ：イソデカン酸の場合） ３［ＲＣＯＯＨ］0 ＋［Ｌn 3+ ］A →［ (ＲＣＯＯＨ)3
Ｌn ］0 ＋３[ Ｈ+]A ４）第４級アンモニウム塩（（Ｒ3 ＮＣＨ3)+ Ｘ- ：ト
リカプリルメチルアンモニウム塩の場合） ［ (Ｒ3 ＮＣＨ3)ＮＯ3 ］0 ＋［Ｌn(ＮＯ3)3 ］A →
［ (Ｒ3 ＮＣＨ3)ＮＯ3 ・Ｌn(ＮＯ3)3 ］0 さらに、Ｄ２ＥＨＰＡとＥＨＰＡ−ＥＨＥのＦe、Ｎi、Ｚ
n Ｎd、Ｐb 等に対する抽出率を図１、図２に示す。抽出
条件は、抽出剤濃度・・・１mol/L 、希釈剤・・・ケロ
シン、各金属水溶液濃度・・・0.1mol/Lである。これら
の図から強酸性側でＮi の損失が少なく、Ｎd その他の
金属の抽出率が高いことが判る。抽出装置は公知のミキ
サー・セトラーによる連続抽出法を採用した。このミキ
サー・セトラーの設置段数（第１〜第ｍ）は不純物金属
イオン濃度、抽出溶剤の抽出率、処理速度等を考慮して
最適値設計すれば良い。
抽出反応式（式中Ｌn は希土類金属を、Ｒはアルキ基を
表す）を下記に示す。 １）中性りん酸アルキルエステル（ＴＢＰ：りん酸トリ
ブチルの場合） ３［ＴＢＰ］0 ＋［Ｌn(ＮＯ3)3 ］A →［ (ＴＢＰ)3・
Ｌn(ＮＯ3)3 ］0 ２）酸性りん酸アルキルエステル（Ｄ２ＥＨＰＡ：ジ
（２−エチルヘキシル）りん酸及びＥＨＰＡ−ＥＨＥ：
２−エチルヘキシルりん酸モノ−２−エチルヘキシルエ
ステルの場合） ３［Ｄ２ＥＨＰＡ］0 ＋［Ｌn 3+ ］A→［ (Ｄ２ＥＨＰ
Ａ)3Ｌn ］0 ＋３［Ｈ+ ］A ３）カルボン酸（ＲＣＯＯＨ：イソデカン酸の場合） ３［ＲＣＯＯＨ］0 ＋［Ｌn 3+ ］A →［ (ＲＣＯＯＨ)3
Ｌn ］0 ＋３[ Ｈ+]A ４）第４級アンモニウム塩（（Ｒ3 ＮＣＨ3)+ Ｘ- ：ト
リカプリルメチルアンモニウム塩の場合） ［ (Ｒ3 ＮＣＨ3)ＮＯ3 ］0 ＋［Ｌn(ＮＯ3)3 ］A →
［ (Ｒ3 ＮＣＨ3)ＮＯ3 ・Ｌn(ＮＯ3)3 ］0 さらに、Ｄ２ＥＨＰＡとＥＨＰＡ−ＥＨＥのＦe、Ｎi、Ｚ
n Ｎd、Ｐb 等に対する抽出率を図１、図２に示す。抽出
条件は、抽出剤濃度・・・１mol/L 、希釈剤・・・ケロ
シン、各金属水溶液濃度・・・0.1mol/Lである。これら
の図から強酸性側でＮi の損失が少なく、Ｎd その他の
金属の抽出率が高いことが判る。抽出装置は公知のミキ
サー・セトラーによる連続抽出法を採用した。このミキ
サー・セトラーの設置段数（第１〜第ｍ）は不純物金属
イオン濃度、抽出溶剤の抽出率、処理速度等を考慮して
最適値設計すれば良い。
【００１０】希土類金属およびその他の不純物を含有す
る抽出溶剤からこれらを除去する所謂逆抽出剤は各抽出
剤により異なる。以下に本発明で使用する各抽出剤とそ
の逆抽出剤を示す。 １）中性りん酸アルキルエステルと第４級アンモニウム
塩は水を逆抽出剤に用いる。 ２）酸性りん酸アルキルエステルとカルボン酸は塩酸を
逆抽出剤に用いる。 この逆抽出工程もミキサー・セトラー抽出方式が適して
おり、このミキサー・セトラーの設置段数（第１〜第
ｎ）は不純物金属イオン濃度、逆抽出剤の抽出率、処理
速度等を考慮して最適値設計すれば良い。
る抽出溶剤からこれらを除去する所謂逆抽出剤は各抽出
剤により異なる。以下に本発明で使用する各抽出剤とそ
の逆抽出剤を示す。 １）中性りん酸アルキルエステルと第４級アンモニウム
塩は水を逆抽出剤に用いる。 ２）酸性りん酸アルキルエステルとカルボン酸は塩酸を
逆抽出剤に用いる。 この逆抽出工程もミキサー・セトラー抽出方式が適して
おり、このミキサー・セトラーの設置段数（第１〜第
ｎ）は不純物金属イオン濃度、逆抽出剤の抽出率、処理
速度等を考慮して最適値設計すれば良い。
【００１１】さらに、抽出工程でめっき液に溶出する微
量の抽出剤及び希釈剤（ケロシン）は粒状の活性炭、特
にはヤシ殻活性炭で容易に吸着除去できることを見出
し、めっき液の再生回路を完成した。吸着装置はバッチ
式では攪拌槽（ミキサー）、連続式では充填塔が好適に
使用される。
量の抽出剤及び希釈剤（ケロシン）は粒状の活性炭、特
にはヤシ殻活性炭で容易に吸着除去できることを見出
し、めっき液の再生回路を完成した。吸着装置はバッチ
式では攪拌槽（ミキサー）、連続式では充填塔が好適に
使用される。
【００１２】本発明の希土類元素に対する適応はＹを含
む La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび
Luであり、めっき金属はＮi である。また、希土類金属
およびめっき金属共存下に抽出除去可能な金属はＦe、Ｚ
n、Ｐb 等である。めっき浴は電気ニッケルメッキ浴に適
用される。
む La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび
Luであり、めっき金属はＮi である。また、希土類金属
およびめっき金属共存下に抽出除去可能な金属はＦe、Ｚ
n、Ｐb 等である。めっき浴は電気ニッケルメッキ浴に適
用される。
【００１３】次に、本発明のめっき浴の不純物金属イオ
ンの連続除去装置について図３に基づいて説明する。電
気めっき槽１は従来公知のもので良く、バッチ式ではめ
っき浴８に被めっき物７を浸積し一定時間電解めっきし
て所望のめっき厚さとした後引き上げる。めっき浴の不
純物の蓄積量に応じて電気めっき槽を新めっき浴のもの
と交換して使用する。連続式では被めっき物７を槽の一
端から他端までめっき浴中を所望のめっき厚さとなるま
で走行させて引き上げる。めっき浴は、新めっき液（８
＋１２）を一定速度で供給しながら、他方ニッケル、不
純物金属イオンの平衡濃度を示すめっき液（８＋１０）
を一定速度で抜き出す。抜き出しためっき液（８＋１
０）は抽出装置Ａの第１ミキサー２に供給し、抽出溶媒
９と混合して一定時間充分攪拌し、不純物金属イオン１
０を抽出溶剤９に移行させる。次いで第１セトラー３に
混合液を全量落とし、静置して軽液（９＋１０）と重液
（８＋９）に分離する。重液（８＋９＝めっき液＋微量
の抽出溶媒）は吸着塔４を通して微量の抽出溶媒を活性
炭に吸着除去し、再生めっき液として途中でニッケルイ
オンを補給してめっき槽に循環供給する。他方第１セト
ラー３を出た軽液（９＋１０＝抽出溶媒＋不純物金属イ
オン）は逆抽出装置Ｂの第１逆ミキサー５に入り、逆抽
出溶液１１と混合して一定時間充分攪拌し、不純物金属
イオン１０を逆抽出剤溶液１１に移行させる。次に第１
逆セトラー６に混合液を全量落とし、静置して軽液（９
＝抽出溶媒）と重液（１０＋１１＝不純物金属イオン＋
逆抽出溶液）に分離する。重液は廃液として別の工程で
含有不純物金属イオンを各金属塩として回収することが
できる。軽液９は再生抽出溶媒として抽出装置の第１ミ
キサーに循環供給される。以上の工程でニッケルめっき
液中に溶解した不純物金属イオン（Nd、Fe、Zn、Pb等）
は99％以上除去され、ニッケル損失も0.1 ％以下に抑え
ることが可能で、循環再利用にもなんらの障害もなく、
連続操業が可能となった。
ンの連続除去装置について図３に基づいて説明する。電
気めっき槽１は従来公知のもので良く、バッチ式ではめ
っき浴８に被めっき物７を浸積し一定時間電解めっきし
て所望のめっき厚さとした後引き上げる。めっき浴の不
純物の蓄積量に応じて電気めっき槽を新めっき浴のもの
と交換して使用する。連続式では被めっき物７を槽の一
端から他端までめっき浴中を所望のめっき厚さとなるま
で走行させて引き上げる。めっき浴は、新めっき液（８
＋１２）を一定速度で供給しながら、他方ニッケル、不
純物金属イオンの平衡濃度を示すめっき液（８＋１０）
を一定速度で抜き出す。抜き出しためっき液（８＋１
０）は抽出装置Ａの第１ミキサー２に供給し、抽出溶媒
９と混合して一定時間充分攪拌し、不純物金属イオン１
０を抽出溶剤９に移行させる。次いで第１セトラー３に
混合液を全量落とし、静置して軽液（９＋１０）と重液
（８＋９）に分離する。重液（８＋９＝めっき液＋微量
の抽出溶媒）は吸着塔４を通して微量の抽出溶媒を活性
炭に吸着除去し、再生めっき液として途中でニッケルイ
オンを補給してめっき槽に循環供給する。他方第１セト
ラー３を出た軽液（９＋１０＝抽出溶媒＋不純物金属イ
オン）は逆抽出装置Ｂの第１逆ミキサー５に入り、逆抽
出溶液１１と混合して一定時間充分攪拌し、不純物金属
イオン１０を逆抽出剤溶液１１に移行させる。次に第１
逆セトラー６に混合液を全量落とし、静置して軽液（９
＝抽出溶媒）と重液（１０＋１１＝不純物金属イオン＋
逆抽出溶液）に分離する。重液は廃液として別の工程で
含有不純物金属イオンを各金属塩として回収することが
できる。軽液９は再生抽出溶媒として抽出装置の第１ミ
キサーに循環供給される。以上の工程でニッケルめっき
液中に溶解した不純物金属イオン（Nd、Fe、Zn、Pb等）
は99％以上除去され、ニッケル損失も0.1 ％以下に抑え
ることが可能で、循環再利用にもなんらの障害もなく、
連続操業が可能となった。
【００１４】
【実施例】以下、本発明の実施態様を実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 （実施例）電気ニッケルめっき槽のNd除去について説明
する。本実施例に使用しためっき浴の不純物金属イオン
の連続除去装置を図３に示す。 Ａ）電気ニッケルめっき条件：Nd-Fe-Ｂ系永久磁石（表
面積10cm2/ケ）を1000ケ／Hrの処理速度で10μｍ厚さの
ニッケルめっきを連続的に施す。めっき浴組成：ワット
浴：浴容量 1,000リットル：連続運転時平衡組成：NiSO4・6H
2O 280g/L、 NiCl2・6H2O 75g/L、 H3BO3 45g/L、 光沢
剤 少々。 Ｂ）除去条件：めっき液中の不純物と濃度；Fe＝100m
g/L、 Nd ＝800mg/L。 抽出剤：ジ（２−エチルヘキシル）りん酸；分子量＝
322.4 、比重(20/20℃）＝0.977 、純度＝95.0％以上、
使用濃度＝１mol/L 、希釈剤＝ケロシン。 逆抽出剤：逆抽出水溶液濃度＝４mol/L 。 抽出装置Ａ：２段抽出（第１ミキサー・第１セトラー
〜第２ミキサー・第２セトラー（図３には第１段のみ図
示））、各ミキサー容積＝11Ｌ、各セトラー容積＝66
Ｌ、抽出剤の流量＝ 0.1L/min 、めっき液の流量＝ 1.0
L/min 、 活性炭吸着塔：塔数＝１塔、ヤシ殻活性炭の充填量＝
60Ｌ、SV＝３以下。 逆抽出装置Ｂ：１段逆抽出（第１逆ミキサー・第１逆
セトラー）：ミキサー容積＝ 1.5Ｌ、セトラー容積＝
9.0Ｌ、抽出剤の流量＝ 0.1L/min 、逆抽出剤の流量＝
0.05L/min 。 Ｂ）連続50時間運転結果：めっき槽排出めっき液中金
属平均濃度、Fe＝10mg/L、 Nd＝80mg/L。 第１抽出装置排出液中金属平均濃度、Fe＝１mg/L、 Nd
＝１mg/L。 活性炭塔排出液中金属平均濃度、Fe＝１mg/L、 Nd＝１
mg/L。 Ni損失率≦ 0.1％、Nd除去率≧99.0％、Fe除去率
≧99.0％。 ここに損失率、除去率の定義は下記の通りである。 損失率＝｛［（めっき槽排出液中のNi濃度）−（抽出装
置排出液中のNi濃度）］／（めっき槽排出液中のNi濃
度）｝×１００ 除去率＝｛［（めっき槽排出液中のNd、Fe 濃度−（抽出
装置排出液中のNd、Fe濃度）］／（めっき槽排出液中のN
d、Fe 濃度）｝×１００
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 （実施例）電気ニッケルめっき槽のNd除去について説明
する。本実施例に使用しためっき浴の不純物金属イオン
の連続除去装置を図３に示す。 Ａ）電気ニッケルめっき条件：Nd-Fe-Ｂ系永久磁石（表
面積10cm2/ケ）を1000ケ／Hrの処理速度で10μｍ厚さの
ニッケルめっきを連続的に施す。めっき浴組成：ワット
浴：浴容量 1,000リットル：連続運転時平衡組成：NiSO4・6H
2O 280g/L、 NiCl2・6H2O 75g/L、 H3BO3 45g/L、 光沢
剤 少々。 Ｂ）除去条件：めっき液中の不純物と濃度；Fe＝100m
g/L、 Nd ＝800mg/L。 抽出剤：ジ（２−エチルヘキシル）りん酸；分子量＝
322.4 、比重(20/20℃）＝0.977 、純度＝95.0％以上、
使用濃度＝１mol/L 、希釈剤＝ケロシン。 逆抽出剤：逆抽出水溶液濃度＝４mol/L 。 抽出装置Ａ：２段抽出（第１ミキサー・第１セトラー
〜第２ミキサー・第２セトラー（図３には第１段のみ図
示））、各ミキサー容積＝11Ｌ、各セトラー容積＝66
Ｌ、抽出剤の流量＝ 0.1L/min 、めっき液の流量＝ 1.0
L/min 、 活性炭吸着塔：塔数＝１塔、ヤシ殻活性炭の充填量＝
60Ｌ、SV＝３以下。 逆抽出装置Ｂ：１段逆抽出（第１逆ミキサー・第１逆
セトラー）：ミキサー容積＝ 1.5Ｌ、セトラー容積＝
9.0Ｌ、抽出剤の流量＝ 0.1L/min 、逆抽出剤の流量＝
0.05L/min 。 Ｂ）連続50時間運転結果：めっき槽排出めっき液中金
属平均濃度、Fe＝10mg/L、 Nd＝80mg/L。 第１抽出装置排出液中金属平均濃度、Fe＝１mg/L、 Nd
＝１mg/L。 活性炭塔排出液中金属平均濃度、Fe＝１mg/L、 Nd＝１
mg/L。 Ni損失率≦ 0.1％、Nd除去率≧99.0％、Fe除去率
≧99.0％。 ここに損失率、除去率の定義は下記の通りである。 損失率＝｛［（めっき槽排出液中のNi濃度）−（抽出装
置排出液中のNi濃度）］／（めっき槽排出液中のNi濃
度）｝×１００ 除去率＝｛［（めっき槽排出液中のNd、Fe 濃度−（抽出
装置排出液中のNd、Fe濃度）］／（めっき槽排出液中のN
d、Fe 濃度）｝×１００
【００１５】
【発明の効果】本発明によれば、めっき液中のニッケル
損失を 0.1％以下に抑えても希土類金属及び鉄を99％以
上除去することができる。また亜鉛、鉛等の遷移金属も
同時に除去可能で、産業上その利用価値は極めて高い。
損失を 0.1％以下に抑えても希土類金属及び鉄を99％以
上除去することができる。また亜鉛、鉛等の遷移金属も
同時に除去可能で、産業上その利用価値は極めて高い。
【図１】抽出溶剤にジ（２−エチルヘキシル）りん酸を
用いた場合のNi,Nd,Fe,Zn,Pb各金属のラフィネート（抽
残液＝めっき液）のpHによる抽出率（％）の変化を示す
図面である。
用いた場合のNi,Nd,Fe,Zn,Pb各金属のラフィネート（抽
残液＝めっき液）のpHによる抽出率（％）の変化を示す
図面である。
【図２】抽出溶剤に２−エチルヘキシルりん酸モノ−２
−エチルヘキシルエステルを用いた場合のNi,Nd,Fe,Zn,
Pb各金属のラフィネート（抽残液＝めっき液）のpHによ
る抽出率（％）の変化を示す図面である。
−エチルヘキシルエステルを用いた場合のNi,Nd,Fe,Zn,
Pb各金属のラフィネート（抽残液＝めっき液）のpHによ
る抽出率（％）の変化を示す図面である。
【図３】本発明に使用されるめっき浴中の不純物金属イ
オンの連続除去装置の工程図である。
オンの連続除去装置の工程図である。
１ 電気めっき槽 ２ 抽出装置Ａ 第１ミキサ− ３ 抽出装置Ａ 第１セトラー ４ 吸着塔 ５ 逆抽出装置Ｂ 第１逆ミキサー ６ 逆抽出装置Ｂ 第１逆セトラー ７ 被めっき物 ８ めっき液 ９ 抽出溶剤 １０ 不純物金属イオン １１ 逆抽出 １２ ニッケル塩補給液 １３ 界面検出窓 １４ 三方切換弁
Claims (5)
- 【請求項１】イ）電気めっき槽から排出された不純物金
属イオン含有めっき液を抽出装置Ａにおいて抽出用溶媒
と接触させて不純物金属イオンを抽出し、該溶媒を逆抽
出装置Ｂにおいて逆抽出溶液と接触させて不純物金属イ
オンを逆抽出溶液に逆抽出し、分離した該溶媒を抽出装
置Ａに循環する工程、およびロ）前記抽出装置Ａから排
出された不純物金属イオンを含有しないが少量の抽出溶
媒を含有するめっき浴液を活性炭吸着装置に供給し、該
溶媒を活性炭に吸着除去せしめてめっき浴液を再生し、
電気めっき槽に戻す工程からなることを特徴とするめっ
き浴の不純物金属イオンの連続除去方法。 - 【請求項２】電気めっきがニッケルで、不純物金属イオ
ンが希土類金属イオン及び遷移金属イオンである請求項
１に記載のめっき浴の不純物金属イオンの連続除去方
法。 - 【請求項３】希土類金属イオンがＹを含む La,Ce,Pr,N
d,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuであり、遷
移金属イオンがFe,Co,Ru,Rh,Pd,Os,IrおよびPtである請
求項１または２に記載のめっき浴の不純物金属イオンの
連続除去方法。 - 【請求項４】抽出用溶媒が中性りん酸アルキルエステ
ル、酸性りん酸アルキルエステル、カルボン酸及び第４
級アンモニウム塩である請求項１、２または３に記載の
めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法。 - 【請求項５】イ）電気めっき槽、第１抽出装置（第１ミ
キサー・第１セトラー）〜第ｍ抽出装置（第ｍミキサー
・第ｍセトラー）からなる抽出装置Ａおよび活性炭吸着
装置からなるめっき浴再生循環回路、およびロ）第１逆
抽出装置（第１逆ミキサー・第１逆セトラー）〜第ｎ逆
抽出装置（第ｎ逆ミキサー・第ｎ逆セトラー）からなる
抽出溶媒再生循環回路、からなることを特徴とするめっ
き浴の不純物金属イオン連続除去装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18119293A JPH0762600A (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18119293A JPH0762600A (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0762600A true JPH0762600A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16096466
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18119293A Pending JPH0762600A (ja) | 1993-07-22 | 1993-07-22 | めっき浴の不純物金属イオンの連続除去方法およびその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762600A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002543083A (ja) * | 1999-04-26 | 2002-12-17 | ローディア エレクトロニクス アンド カタリシス インコーポレイティド | 希土類トリス（有機リン誘導体）の安定溶液 |
| JP2005256170A (ja) * | 2004-02-12 | 2005-09-22 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 無電解ニッケルめっき方法及びそのめっき製品 |
| WO2013047340A1 (ja) | 2011-09-28 | 2013-04-04 | 日立金属株式会社 | 電気ニッケルめっき液中の希土類不純物の除去方法 |
| CN104975333A (zh) * | 2014-04-07 | 2015-10-14 | 信越化学工业株式会社 | 用于从电镀溶液中萃取和除去稀土金属离子的方法和设备 |
| CN105051264A (zh) * | 2013-03-25 | 2015-11-11 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土类杂质的除去方法 |
| CN105051263A (zh) * | 2013-03-25 | 2015-11-11 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土类杂质的除去方法 |
| JP2018080400A (ja) * | 2018-01-09 | 2018-05-24 | 信越化学工業株式会社 | めっき液中の希土類金属イオン抽出除去方法 |
-
1993
- 1993-07-22 JP JP18119293A patent/JPH0762600A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP4777516B2 (ja) * | 1999-04-26 | 2011-09-21 | ローディア インコーポレイティド | 希土類トリス（有機リン誘導体）の安定溶液 |
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| US9695524B2 (en) | 2011-09-28 | 2017-07-04 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for removing rare earth impurities from nickel-electroplating solution |
| CN103842561A (zh) * | 2011-09-28 | 2014-06-04 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土杂质的除去方法 |
| WO2013047340A1 (ja) | 2011-09-28 | 2013-04-04 | 日立金属株式会社 | 電気ニッケルめっき液中の希土類不純物の除去方法 |
| CN105051264A (zh) * | 2013-03-25 | 2015-11-11 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土类杂质的除去方法 |
| CN105051263A (zh) * | 2013-03-25 | 2015-11-11 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土类杂质的除去方法 |
| US9771664B2 (en) | 2013-03-25 | 2017-09-26 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for removing rare earth impurities from nickel-electroplating solution |
| US9873953B2 (en) | 2013-03-25 | 2018-01-23 | Hitachi Metals, Ltd. | Method for removing rare earth impurities from nickel-electroplating solution |
| CN105051263B (zh) * | 2013-03-25 | 2018-05-29 | 日立金属株式会社 | 镍电镀液中的稀土类杂质的除去方法 |
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