JPH076248Y2 - バルコニーの組立構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はバルコニーの組立構造に関するものである。

従来の技術 従来から一般に知られているバルコニーとしては例えば
建物の壁面から突出するように設けられる腕木間に根太
を配設してバルコニーの基部を構成するようにしたもの
がある。この場合、予じめ地上で腕木間に根太を取り付
け、それを持ち上げて腕木の基端部を建物の壁面に固定
していた。

考案が解決しようとする課題 上記従来のバルコニーにあっては腕木に根太を一体的に
組んだ状態にしてこれを持ち上げて腕木の基端部を建物
の壁面に当てがい、この状態を保持したまま腕木の基端
部を建物の壁面に固定していたが、全体に重量が大で腕
木の基端部を建物の壁面に固定する作業に非常に手間が
かかっていた。

本考案はこのような問題を解決するもので、従来に比べ
て建物の壁面に対する腕木の取り付けを容易に行なえ、
作業能率の向上を図ることを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この問題を解決するために本考案は、建物の壁面の所定
位置に壁面から前方に突出するように少なくとも２本の
腕木を互いに平行に取り付け、互いに平行な両側板とこ
の両側板間に設けられた根太材とからなる基本床フレー
ムの前記両側板の後端を各腕木にボルト、ナットで固定
するように構成したバルコニーの組立構造であって、前
記基本床フレームの両側板の後端にねじ孔が前後方向に
向くように雌ねじ部材を取り付けるとともにこの雌ねじ
部材に螺合する雄ねじ部材を設け、この雄ねじ部材の一
端を前記腕木に当接させて基本床フレームの水平度を得
るように構成したものである。

作用 この構成により、予じめ腕木を建物の壁面に取り付けた
状態にして、その腕木に対し基本床フレームを支持すれ
ば良く、前記従来例に比べて作業能率の向上を図ること
ができる。また、基本床フレームの両側板の後端に取り
付けた雌ねじ部材に螺合させた雄ねじ部材の一端を前記
腕木に当接させることにより基本床フレームの水平度を
容易に得ることができる。

実施例 以下、本考案の一実施例について、図面に基づいて説明
する。

第１図〜第５図において、１は建物の二階などの壁面２
に形成された出入口部の下側において前記壁面２の所定
位置に壁面２から前方に突出するように取り付けられる
腕木で、この腕木１は平面形状がＬ型（もしくはＴ型）
で、基本床フレーム４の両側後端部を当接固定させる短
かい板部５を備えている。前記基本床フレーム４は壁面
２から前方に張り出すように位置する互いに平行な平板
状の両側板6,6と、これら両側板6,6に対して直交する方
向に向いて両側板6,6間に位置する互いに平行な複数本
の根太材７…と、この根太材７の下側に前記両側板6,6
と平行に位置する軒天取付板８とからなり、前記根太材
７は断面［状で、両端が前記両側板6,6に溶接にて固着
され、また前記軒天取付板８は前記根太材７の下面に溶
接にて固着されている。このように構成された基本床フ
レーム４はバルコニーの大きさに合わせて１組だけ用い
られたり、図示のように適当間隔おいて２組配設され、
この両基本床フレーム4,4間にブリッジ床フレーム９を
掛け渡すこともでき、種々の組み合わせが考えられる。

図面に示す実施例ではブリッジ床フレーム９は壁面２か
ら前方に張り出すように位置する断面状の両側板10,1
0と、これら両側板10,10に対して直交する方向に向いて
両側板10,10間に位置する互いに平行な複数本の根太材1
1…と、この根太材11の下側に前記両側板10,10と平行に
位置する軒天取付板12とからなり、前記根太材11は断面
［状で、両端が前記両側板10,10に溶接にて固着され、
また前記軒天取付板12は前記根太材11の下面に溶接にて
固着されている。このブリッジ床フレーム９は両側板1
0,10がそれぞれ隣り合う２組の基本床フレーム4,4の側
板6,6に載って受けられ、この各側板６の外面に溶接に
て設けた雌ねじ部材13に、前記側板10に設けた孔10aを
貫通するボルト14を上方から螺合させることにより基本
床フレーム4,4に支持されている。なお、前記各基本床
フレーム４は各側板６の後端が前記腕木１の板部５の一
側面に対して重なり合って上下２箇所でボルト15および
ナット16により固定される。このとき、側板６と板部５
とを重合状態で上側をボルト15、ナット16で仮止めして
おき、各側板６の後端下面にねじ孔が前後方向に向くよ
うに溶接固着された雌ねじ部材17に後方より雄ねじ部材
としてのボルト18を螺合させ、このボルト18の頭部18a
を前記腕木１の前面に当接させた状態で雌ねじ部材17に
対するボルト18の螺合量を調節することにより基本床フ
レーム４の水平度を得るものである。この後で、前記上
側のボルト15、ナット16を締結するとともに、下側をも
ボルト15、ナット16で締結する。このように壁面２に取
り付けられた２組の基本床フレーム4,4間にブリッジ床
フレーム９を掛け渡して基本床フレーム4,4に固定する
ことにより壁面２に床フレーム全体が組み立て上がった
ことになり、その後基本床フレーム4,4およびブリッジ
床フレーム９上にバルコニーに必要な手摺ユニットなど
の部材が取り付けられていく。

次に前記軒天取付板8,12には軒天19を支持する軒天支持
部材20の上端がボルト21およびナット22により固定され
て、バルコニーの下面を覆う軒天19を吊り下げ支持する
ようになっている。

考案の効果 以上のように本考案によれば、予じめ腕木を建物の壁面
に取り付けた状態にして、その腕木に対し基本床フレー
ムを支持すれば良く、前記従来例に比べて作業能率の向
上を図ることができる。また、基本床フレームの両側板
の後端に取り付けた雌ねじ部材に螺合させた雄ねじ部材
の一端を前記腕木に当接させることにより基本床フレー
ムの水平度を容易に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は分解斜
視図、第２図は組立状態を示す斜視図、第３図は基本床
フレームとブリッジ床フレームとの連結部の拡大正面
図、第４図は壁面に対して基本床フレームの水平度を調
節する状態を示す側面図、第５図は組立状態を示す正面
図である。 １…腕木、２…壁面、４…基本床フレーム、５…板部、
６…側板、７…根太材、８…軒天取付板、９…ブリッジ
床フレーム、10…側板、11…根太材、12…軒天取付板、
13…雌ねじ部材、14…ボルト、15…ボルト、16…ナッ
ト、17…雌ねじ部材、18…ボルト、18a…頭部、19…軒
天、20…軒天支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物の壁面の所定位置に壁面から前方に突
   出するように少なくとも２本の腕木を互いに平行に取り
   付け、互いに平行な両側板とこの両側板間に設けられた
   根太材とからなる基本床フレームの前記両側板の後端を
   各腕木にボルト、ナットで固定するように構成したバル
   コニーの組立構造であって、前記基本床フレームの両側
   板の後端にねじ孔が前後方向に向くように雌ねじ部材を
   取り付けるとともにこの雌ねじ部材に螺合する雄ねじ部
   材を設け、この雄ねじ部材の一端を前記腕木に当接させ
   て基本床フレームの水平度を得るように構成したバルコ
   ニーの組立構造。