JPH0762313A - 光ディスク基板とハブの接着方法および接着剤組成物 - Google Patents

光ディスク基板とハブの接着方法および接着剤組成物

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JPH0762313A
JPH0762313A JP17785493A JP17785493A JPH0762313A JP H0762313 A JPH0762313 A JP H0762313A JP 17785493 A JP17785493 A JP 17785493A JP 17785493 A JP17785493 A JP 17785493A JP H0762313 A JPH0762313 A JP H0762313A
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JP
Japan
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group
fluorine
epoxy
adhesive composition
component
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Pending
Application number
JP17785493A
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English (en)
Inventor
Masato Kashiwagi
正人 柏木
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
Yuji Tanaka
勇次 田中
Noriyasu Yamane
憲康 山根
Masahiro Kumegawa
昌浩 久米川
Joji Saito
上司 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接着強度のみならず、耐水・耐湿性、耐ヒー
トサイクル性等にも優れた光ディスク基板とハブとの接
着方法を提供する。 【構成】 含フッ素エラストマー成分 1〜95重量%
およびエポキシ系、ウレタン系、またはアクリル系成分
5〜99重量%を含んでなる接着剤組成物を用いて光
ディスク基板とハブを接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録媒体における光
ディスク基板とハブの接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクとハブの接合法としては、例
えば、ハブとして磁性金属板を基板と同材質の樹脂によ
ってインサート成形したものを用い、超音波融着法や接
着剤を用いて接着する法が開示されているが、金属製の
ハブをディスク基板に接着する方法が、工程の観点から
も、ディスクのヘッドとの吸引力の点からも最も有利で
ある。特願平4−315880号公報には、ハブと光デ
ィスクの接着に両面テープを用いる方法が開示されてい
るが、両面粘着テープによる接着は耐久性に問題があ
る。また、特開平4−286740号公報には、硬化性
粘着剤組成物を用いた光ディスク基板とハブの接着方法
が開示されている。この場合は、非硬化性の粘着剤や粘
着テープを用いた場合に比べ初期接着力は向上するが、
耐湿性、耐久性は充分なものとはいえない。紫外線や放
射線などの活性エネルギー光線によって硬化する活性エ
ネルギー光線硬化型接着剤によって光ディスク基板と金
属製のハブとを接着しようとする例は数多く開示されて
いるが、金属製のハブと樹脂製のディスク基板では熱膨
張率が異なるため、これらの活性エネルギー光線硬化型
接着剤の多くは耐湿、耐ヒートサイクル性が劣るという
欠点をもつ。この欠点を補うために特開平2−5852
9号公報には、エポキシ系活性エネルギー光線硬化型接
着剤組成物にスチレン系のゴム成分を配合する例が示さ
れている。しかし、スチレン系のゴム成分を配合するこ
とは、一般的に接着強度の低下を招くうえ、得られた接
着剤組成物の耐湿性、耐ヒートサイクル性も充分なもの
とはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は接着強度のみ
ならず耐水・耐湿性、耐ヒートサイク性等にも優れた光
ディスク基板とハブの接着方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は含フッ素エラス
トマー成分 1〜95重量%およびエポキシ系、ウレタ
ン系、またはアクリル系成分 5〜99重量%を含んで
なる接着剤組成物を用いる光ディスク基板とハブの接着
方法を要旨とする。以下本発明を詳細に説明する。
【0005】先ず本発明において用いる接着剤組成物に
ついて説明する。本明細書においてエラストマーとは室
温(25℃)より低いガラス転移温度を有する高分子化
合物を意味する。本発明の接着剤組成物に用いる含フッ
素エラストマーとしては(a)フッ化ビニリデン(以下
VDFと略す)単位を含んでなる共重合体、(b)テト
ラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、お
よびヘキサフルオロプロピレンよりなる群から選択され
る少なくとも一種のモノマーとそれらと共重合し得るフ
ッ素を含有しないモノマーを含んでなる共重合体、およ
び(c)テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、およびヘキサフルオロプロピレンよりなる群
から選択される少なくとも1種のモノマーとそれらと共
重合しうる少なくとも1種の含フッ素モノマーを含んで
なる共重合体を挙げることができる。
【0006】共重合体(a)におけるVDF以外の共重
合モノマーとしてはテトラフルオロエチレン(以下TF
Eと略す)、クロロトリフルオロエチレン(以下CTF
Eと略す)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、
パーフルオロ(アルキルアリルエーテル)、O=C(C
3)2、CH2=C(CF3)2、CF2=CZ(CF2)nZ
(式中、ZはFまたはHを表し、nは0〜8の整数であ
る。ただしTFE、VDFを除く。)、CH2=CZ(C
2)nZ(式中、ZはFまたはHを表し、nは0〜8の整
数である。ただしVDFを除く。)、フルオロアルキル
ビニルエーテル、CF2=CFRf(CH2)m−A、及びC
2=CFORf(CH2)m−A(式中、Rfは炭素数1〜
14の2価のフッ素置換有機基を表し、Aは水素原子、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、エポキシ基、又はグリ
シジルオキシ基を表し、mは1〜3の整数である。)で
示されるVDFと共重合しうるフルオロアルケンなどの
含フッ素モノマーを挙げることができる。これらのモノ
マーは2種以上用いてもよい。一般的なフッ素系ポリマ
ーに特有の耐熱性、耐油性や耐薬品性の特徴を発揮でき
ることおよび反応操作などの観点から特に好ましいモノ
マーを以下に挙げる。すなわち、TFE、CTFE、パ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロ
プロピレン(以下HFPと略す)、O=C(CF3)2、C
2=CHCF3、CF2=CFRf(CH2)m−A、及びC
2=CFORf(CH2)m−A(式中、Rfは炭素数1〜
14の2価のフッ素置換有機基を表し、Aは水素原子、
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、エポキシ基、又はグリ
シジルオキシ基を表し、mは1〜3の整数である。)で
示されるフルオロアルケンなどの含フッ素モノマーから
選ばれた少なくとも1種である。共重合体(a)におい
てVDFの含量は20〜80モル%、含フッ素モノマー
の含量はVDFを含め合計で40〜100モル%とする
のが好ましい。
【0007】具体的にはVDFとHFP、VDFとCT
FEの二元共重合体、VDFとTFEとHFP(または
CTFE)の三元共重合体などが代表的であり、通常、
VDFが約20〜80モル%、かつTFEが約40モル
%未満、HFPが約10〜60モル%、CTFEが約1
5〜40モル%の範囲でエラストマーとなる。
【0008】(a)の共重合体には、任意的にさらにフ
ッ素を含有しないモノマーを共重合してもよい。フッ素
を含有しないモノマーの例としては、CH2=CH2、C
2=CHCH3、CH2=C(CH3)2等のオレフィン系
モノマー、アルキルビニルエーテル(例えば CH2=C
HOCH3)、シクロアルキルビニルエーテル(例えば
CH2=CHOCh、Ch=シクロヘキシル基)、アラルキ
ルビニルエーテル(例えば CH2=CHOCH2
65)等のビニルエーテル;カルボン酸ビニルエステル
(例えば CH2=CHOCOCH3);(メタ)アクリル
酸エステル(例えば CH2=CHCOOCH3)、ヒド
ロキシ(シクロ)アルキルビニルエーテル(例えば CH2
=CHOCH2CH2OH)、ヒドロキシ(シクロ)アルキ
ルカルボン酸のビニルエステル(例えば CH2=CHO
COCH(CH3)OH)、ヒドロキシ(シクロ)アルキル
アリルエーテル(例えば CH2=CHCH2OCH2CH
2OH)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシ(シクロ)アル
キルエステル(例えば CH2=CHCOOCH2CH2
H)、カルボキシル基含有炭化水素系モノマー(例えば
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、カルボ
キシルアルキルビニルエーテル)、アミノ又はアミド基
含有炭化水素系モノマー(例えば アミノアルキルビニ
ルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド)、イソシアネートまたはブロックイソシ
アネート基含有炭化水素系モノマー(例えば ビニルイ
ソシアネート、イソシアニルエチルアクリレート、およ
びイソシアネート基含有炭化水素系モノマーのイソシア
ネート基をオキシム、ラクタム、フェノール等の公知の
ブロック剤によってブロックしたもの)などを挙げるこ
とができる。これらのモノマーは2種以上用いてもよ
い。共重合体(a)においてCH2=CH2、CH2=C
HCH3、CH2=C(CH3)2、を除くフッ素を含有しな
いモノマー(例えば アルキルビニルエーテル、アラル
キルビニルエーテルなど)のポリマー中の含量を60モ
ル%以下にとどめることが推奨される。それらの含量が
多いと、本発明における含フッ素エラストマーのフッ素
含量が減ることから耐湿性を低下させるのみならず、含
フッ素エラストマー構造において熱的に弱い結合部分と
なり、耐熱性をも低下させるため好ましくない。
【0009】共重合体(b)はテトラフルオロエチレン
(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTF
E)、およびヘキサフルオロプロピレン(HFP)より
なる群から選択される少なくとも一種のモノマーとそれ
らと共重合し得るフッ素を含有しないモノマーを含んで
なる。フッ素を含有しないモノマーとしては上記(a)
共重合体で用いるフッ素を含有しないモノマーと同じも
のを用いることができる。これらのモノマーは2種以上
用いてもよい。好ましいフッ素を含有しないモノマーと
してはCH2=CH2、CH2=CHCH3、CH2=C(C
3)2、アルキルビニルエーテル、アラルキルビニルエ
ーテル、ヒドロキシ(シクロ)アルキルビニルエーテル、
ヒドロキシ(シクロ)アルキルアリルエーテルを挙げるこ
とができる。
【0010】共重合体(b)においてTFE、CTF
E、HFP含量は合計で10〜60モル%が好ましい。
熱安定性(耐熱性)を必要とする用途の為には、CH2
=CH2、CH2=CHCH3、CH=C(CH3)2以外の
フッ素を含有しないモノマー(例えばアルキルビニルエ
ーテル、アルキルビニルエステルなど)のポリマー中に
おけるモル比を60%以下にとどめることが推奨され
る。それらは、本発明の官能基含有含フッ素エラストマ
ー中での熱的に弱い結合部分となるため、多すぎる含量
は好ましくない。また、耐薬品性、耐湿性の観点から
も、これ等モノマーの量が多いと組成物中のフッ素含量
が減り、それらの効果が落ちるため好ましくない。
【0011】共重合体(b)には任意的にさらにフッ素
含有モノマーが共重合されていてもよい。フッ素含有モ
ノマーとしては、パーフルオロ(アルキルビニルエーテ
ル)、パーフルオロ(アルキルアリルエーテル)、CH2
C(CF3)2、CF2=CZ(CF2)nZ(式中、ZはFま
たはHを表し、nは0〜8の整数である。ただしTFE
とHFP、VDFを除く。)、CH2=CZ(CF2)nZ
(式中、ZはFまたはHを表し、nは0〜8の整数であ
る。ただしVDFを除く。)、フルオロアルキルビニル
エーテル、CF2=CFRf(CH2)m−A、及びCF2
CFORf(CH)m−A(式中、Rfは炭素数1〜1
4の2価のフッ素置換有機基を表し、Aは水素原子、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシル基、エポキシ基、又はグリシ
ジルオキシ基を表し、mは1〜3の整数である。)で示
されるフルオロアルケンなどのフッ素含有モノマーから
選ばれた少なくとも1種である。好ましいものはフルオ
ロアルキルビニルエーテル、CF2=CFRf(CH2)m−
A、及びCF2=CFORf(CH2)m−A(式中、Rfは
炭素数1〜14の2価のフッ素置換有機基、Aは水素原
子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、エポキシ基、又は
グリシジルオキシ基を表し、mは1〜3の整数であ
る。)で示されるフルオロアルケンである。
【0012】エチレン、TFEおよび/またはCTF
E、および第3成分としてHFPを含めた上記含フッ素
モノマーより選ばれた1種の組合せによる三元系共重合
体が一般的であり、通常エチレンが約40〜90モル
%、TFE及び/またはCTFEが約0.1〜20モル
%、第3成分の含フッ素モノマーが約10〜60モル%
の範囲でエラストマーとなる。
【0013】共重合体(c)は、TFE、CTFEおよ
びHFPよりなる群から選択される少なくとも1種のモ
ノマーとそれらと共重合しうる少なくとも1種の含フッ
素モノマーよりなる。TFE、CTFE、HFP以外の
共重合に使用しうるモノマーとしては、トリフルオロエ
チレン、ビニルフルオライド、ペンタフルオロプロピレ
ン、ヘキサフルオロイソブテン、パーフルオロシクロブ
テン、パーフルオロ(メチルシクロプロピレン)、パーフ
ルオロアレン、α、β、β−トリフルオロスチレン、パ
ーフルオロスチレン、パーフルオロアルキルビニルエー
テル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、パーフル
オロ(アルキルビニルポリエーテル)類、フルオロ(アル
キルビニルポリエーテル)類、フルオロアクリル酸類、
フルオロビニル酢酸類、フルオロビニルエーテルスルホ
ン酸類、フルオロジエン類を挙げることができる。上記
のモノマーのなかでも、パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、パーフ
ルオロ(アルキルビニルポリエーテル)類、フルオロ(ア
ルキルビニルポリエーテル)類が好ましく用いられる。
一例を挙げれば、TFEまたはCTFE:50〜95モ
ル%、Rf(OCFYCF2)POCF=CF2(式中、R
fは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表し、Y
はフッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表し、pは
0〜5の整数である。)で示されるパーフルオロ(アルキ
ルビニルポリエーテル)類:50〜5モル%、の範囲で
エラストマーとなる。
【0014】なお、以上の共重合体(a)〜(c)は公
知の方法例えば、耐圧反応容器中でラジカル重合開始剤
を用いて、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などによって
製造することができるが、製造方法はこれらに限定され
ない。
【0015】本発明の接着剤組成物に用いる含フッ素エ
ラストマーにハロゲン、ヒドロキシル基、カルボキシル
基、アミノ基、アミド基、(α置換)アクリロイル基、ビ
ニル基、エポキシ基、イソシアネート基およびアルコキ
シシリル基よりなる群から選択される少なくとも一種の
官能基を導入すると相溶性、接着性が良好となるので好
ましい。該官能基が本発明で用いる接着剤組成物の他の
成分、すなわちエポキシ系、ウレタン系、またはアクリ
ル系成分と反応し得る場合には、相溶性、接着性がさら
に良好となるだけでなく耐熱性も向上するのでいっそう
好ましい。ここにα置換とは、アクリロイル基のα位の
炭素にアルキル基、ハロゲン基などが置換されているこ
とを示す。
【0016】これらの官能基を含フッ素エラストマーに
導入するには大別して2つの方法がある。第一の方法は
含フッ素エラストマーを重合により得る場合に上記官能
基を有するモノマーを共重合させる方法である。このよ
うなモノマーを例示すれば、ヒドロキシル基を有するモ
ノマーとしてヒドロキシ(シクロ)アルキルビニルエーテ
ル(例えばCH2=CHOCH2CH2OH)、ヒドロキ
シ(シクロ)アルキルカルボン酸のビニルエステル(例え
ばCH2=CHOCOCH(CH3)OH)、ヒドロキシ(シ
クロ)アルキルアリルエーテル(例えばCH2=CHCH
2OCH2CH2OH)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシ
(シクロ)アルキルエステル(例えばCH2=CHCOO
CH2CH2OH); カルボキシル基を有するモノマー
として(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、カ
ルボキシルアルキルビニルエーテル;アミノ又はアミド
基を有するモノマーとしてアミノアルキルビニルエーテ
ル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド; イソシアネートまたはブロックイソシアネート
基を有するモノマーとしてビニルイソシアネート、イソ
シアニルエチルアクリレート、およびイソシアネート基
含有フッ素を含有しないモノマーのイソシアネート基を
オキシム、ラクタム、フェノール等の公知のブロック剤
によってブロックしたもの; エポキシ基を有するモノ
マーとしてはアリルグリシジルエーテル、ビニルシクロ
ヘキセンオキシド等を挙げることができる。また一般
式:
【化1】CF2=CFRf(CH2)mA′、 CF2=CFORf(CH2)mA′ (式中、Rfは炭素数1〜14の2価のフッ素置換有機
基を表し、A′はヒドロキシ基、エポキシ基またはグリ
シジルオキシ基を表し、mは1〜3の整数である。)で
示されるような官能基を有する含フッ素モノマーや、一
般式: XCH2CF2CF2(OCH2CF2CF2)m(OCFYCF
2)nOCF=CY2 (式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を表し、Yは
フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、mは0
〜5の整数であり、nは0〜2の整数である。)で示さ
れるフルオロアルキルビニルエーテルも例示できる。
【0017】他の方法は含フッ素エラストマーを形成し
た後に高分子反応によって官能基を導入する方法であ
り、次に示すように種々の手段がある。 (1) 含フッ素エラストマーを得るための重合におい
て、適当な連鎖移動剤を用いて重合を行ってポリマー末
端に特定の基を導入し、該ポリマー末端を目的とする官
能基に変換する。例えば、ヨウ素化フッ素化合物を連鎖
移動剤として用いて重合して得た末端にヨウ素を有する
含フッ素エラストマーや熱可塑性含フッ素エラストマー
の末端ヨウ素を目的とする官能基に変換する方法が挙げ
られる。末端にヨウ素を有する含フッ素エラストマーや
熱可塑性含フッ素エラストマーの製造方法は特許文献に
示されている。特開昭52−40543号公報に示され
る、VDFとこれと共重合しうる少なくとも1種の他の
含フッ素モノマーからなり、ポリマー鎖末端に0.00
1〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%のヨウ
素を結合した共重合体を主組成とする含フッ素エラスト
マーや、特開昭57−4728号公報に示される、ハー
ドセグメントとしてのフッ素樹脂のブロックを少なくと
も1個とソフトセグメントとして含フッ素エラストマー
のブロックを少なくとも1個有する、フッ素樹脂/含フ
ッ素エラストマーの重量比が5/95〜60/40であ
る直鎖状、分岐状あるいは放射状のブロック共重合体で
ある末端にヨウ素を有する熱可塑性含フッ素エラストマ
ーなどが好適である。末端ヨウ素化含フッ素ポリマーの
ヨウ素は反応性に富み、エポキシ基やヒドロキシル基、
カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基等の官能
基に公知の有機化学的手法により変換することができ
る。例えばアリルアルコールを付加した後、塩基によっ
て脱ヨウ化水素すると末端エポキシ基となり、あるいは
エチレンを付加し、さらにジメチルスルホキシド中で水
と反応させると末端ヒドロキシル基となり、またテトラ
ヒドロフラン中でマグネシウムと反応させ、炭酸ガスを
吹き込むと末端カルボキシル基に変換することができ
る。アクリル酸カリウムとの反応ではアクリロイル基に
変換することもできる。
【0018】(2) ヨウ素などの反応性に富む官能基
を有するモノマーをフッ素エラストマーを得るための重
合において共重合させ、重合後に(1)と同様にその官
能基を所望の官能基に置換する。例えば一般式:
【化2】CF2=CF(O)pRf(CH2)qI (式中、p=0または1、qは0〜2の整数であり、Rf
は2価のフッ素置換有機基を示す。)で示されるヨウ素
含有モノマーと、他の含フッ素モノマー等とを共重合す
ることによって側鎖にヨウ素を含有する含フッ素ポリマ
ーを得て、末端ヨウ素化含フッ素ポリマーの例と同様に
ヨウ素を所望の官能基に変換すれば、側鎖型の官能基を
含有する含フッ素エラストマーが製造できる。
【0019】(3) フッ素エラストマー得るための重
合において、重合後にポリマー末端に存在する開始剤切
片が容易に目的とする官能基に変換できるようなラジカ
ル重合開始剤を用いて重合を行う。
【0020】(4) なお、高分子反応を利用して官能
基を導入する方法としては、例えばポリマー・マテリア
ル・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Polym.
Mater.Sci.Eng.)、49巻、518頁(198
3)に記載されたようにビニリデンフルオライドを含む
フッ素エラストマーを塩基によって脱フッ化水素して生
成した二重結合に求核性の試薬を付加させる方法も採用
できるが、定量的に官能基を導入しにくい欠点がある。
【0021】以上の方法で含フッ素エラストマーに導入
された官能基は、慣用の有機化学的方法で更に所望の官
能基に変換することは当然可能である。例えば、末端お
よび/または側鎖ヨウ素化含フッ素ポリマーのヨウ素を
ヒドロキシル基に変換した後、さらにエピクロロヒドリ
ンを反応させるとグリシジル基に変換することもでき
る。なお、開始剤切片の変換による方法、連鎖移動剤切
片の変換による方法、官能基を有するモノマーとの共重
合による方法、高分子反応による方法は互いに組合せる
ことも可能である。また、官能基導入のための反応は、
ポリマーの一般的な重合反応槽に限らず、押出機のよう
な溶融混練装置中でも行なうことができる。
【0022】本願の含フッ素ポリマー中の官能基は、接
着剤が硬化して強度を十分生じるために、1分子当り少
なくとも2個有することが好ましい。また、分子量が高
い場合には、含フッ素エラストマー以外の他の接着剤成
分との相溶性を高めるために、官能基濃度は高いことが
好ましい。しかし高すぎると、接着剤硬化物が硬すぎて
耐衝撃性が低下する。適切な官能基濃度は、所望する接
着剤の硬さ、そのために配合する含フッ素エラストマー
の割合によって決められる。好ましい官能基濃度は、含
フッ素ポリマー全体の重量に対して2〜5000μモル
/gである。
【0023】また本発明における官能基含有含フッ素エ
ラストマーの分子量は、一般的な含フッ素エラストマー
と同程度であり、数平均分子量で1,000〜1,00
0,000である。分子量が低すぎると耐衝撃性が不充
分となり、分子量が高すぎると粘度が上昇し、接着剤と
しての実用性を失う。
【0024】本発明の接着剤組成物は含フッ素エラスト
マー成分の外にエポキシ系、ウレタン系、またはアクリ
ル系成分を含む。
【0025】エポキシ系成分はエポキシ樹脂、硬化剤、
および任意的に熱又は光硬化触媒、反応性希釈剤、カッ
プリング剤等を含んでなる。エポキシ樹脂としては、下
記構造式で表わされるエポキシ樹脂:
【化3】
【化4】
【化5】 のほかに、ノボラックエポキシ、o−クレゾールノボラ
ックエポキシ、エポキシ化ポリブタジエンなどを用いる
ことができる。
【0026】硬化剤としては、例えばポリアミン、ポリ
オール、酸無水物など従来のエポキシ樹脂に使用されて
いる硬化剤を用いることができる。ポリアミンの具体例
としては、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエ
チレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタ
ミン(TEPA)、ジプロピレントリアミン(DPT
A)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−ト
リスアミノメチルシクロヘキサン(TMAE)、トリメ
チルヘキサメチレンジアミン(TMD)、ポリエーテル
ポリアミン類、ジエチルアミノプロピルアミン(DEA
PA)、メンタンジアミン(MDA.)、イソホロンジ
アミン(IPD)、ビス(4−アミノ−3−メチルシク
ロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン(A
EP)、メタキシリレンジアミン(MXDA)、メタフ
ェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルメ
タン(DDM)、ジアミノジフェニルスルホン(DD
S)、3,9−ビス(5−アミノプロピル)−2,4,8,1
0−テトラスピロ[5,5]ウンデカン(ATU)、シア
ノエチル化ポリアミン類などを挙げることができる。更
に、これら以外にも、主としてダイマー酸とポリアミン
との縮合により生成するポリアミドアミンも使用するこ
とができる。ポリアミドアミンの例としては、トーマイ
ド(富士化成工業(株)製)、バーサミド(ヘンケル白水
(株)製)、ラッカマイド(大日本インキ化学工業(株)
製)、ポリマイド(三洋化成工業(株)製)、EPOMI
K(三井石油化学工業(株)製)、サンマイド(三和化学
工業(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げ
ることができる。
【0027】ポリオールの具体例としては、フェノール
ノボラック、o−クレゾールノボラック、ポリビニルフ
ェノール、及びこれらの臭素化物、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)パーフルオロプロパンなどを挙げること
ができる。酸無水物の具体例としては、フタル酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸の各無水物、マレイン酸、コハク酸、テトラヒ
ドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸の無水物、
メチルナジック酸、ドデセニルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、メチルシクロ
ヘキセンテトラカルボン酸の各無水物、クロレンド酸、
テトラブロモフタル酸の各無水物などを挙げることがで
きる。
【0028】熱硬化触媒としては、イミダソール類、ル
イス酸など従来のエポキシ樹脂に使用されている熱硬化
触媒を用いることができる。イミダゾール類の具体例と
しては2−メチルイミダゾール(2MZ)、2−エチル
−4−メチルイミダソール(2E4MZ)、2−ウンデ
シルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール(2PZ)、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール(1B2MZ)、1−シアノエチ
ル−2−メチルイミダゾール(2MZCM)、1−シア
ノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E
4MZ・CN)、1−シアノエチル−2−ウンデシルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダ
ゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フ
ェニルイミダゾリウム・トリメリテート(2PZ・CN
S)、2−メチルイミダゾリウム・イソシアヌレート、
2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート、2,
4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリル−(1)]−
エチル−s−トリアジン(2MZ−2ZINE)、2,4
−ジアミノ−4−[2−エチル−4−メチルイミダゾリ
ル−(1)]−エチル−s−トリアジン(2E4MZ−AZ
INE)、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール(2PHZ)等を挙げることができる。ル
イス酸の具体例としては三フッ化ホウ素(BF3)、塩
化亜鉛(ZnCl2)、四塩化スズ(SnCl4)、塩化アル
ミニウム(AlCl3)、五フッ化リン(PF5)、五フッ
化ヒ素(AsF5)、五フッ化アンチモン(SbF5)など
が挙げられ、これらはアミン錯体として用いるのが一般
的である。
【0029】光硬化触媒としては、ジアゾニウム塩、ス
ルホニウム塩、ヨードニウム塩、セレニウム塩などエポ
キシ樹脂に有効性が知られている公知の化合物を任意に
選択して使用することができる。ジアゾニウム塩は一般
式(A):
【化6】Ar−N2 +- ……(A) で表わすことができる。Arとしては例えば、オルト、
メタ、パラの各ニトロフェニル、メトキシフェニル、
2,5−ジクロロフェニル、p−(N−モルホリノ)フェニ
ル、2,5−ジエトキシ−4−(p−トリメルカプト)フェ
ニルなどの基を示すことができる。U-はアニオンを表
わし、例えばBF4 -、FeCl4 -、PF6 -、AsF6 -、Sb
6 -などを示すことができる。スルホニウム塩として
は、例えばビス[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]
スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフエート、ビス
−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−
ビス−ヘキサフルオロアンチモネート等のほかに特公昭
59−42688号公報の第15頁第24行目から同第
18頁第1行目に記載されている化合物を用いることが
できる。ヨードニウム塩としては例えばジ(4−ter−ブ
チルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、ジ−(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキ
サフルオロアンチモネート等のほかに特公昭59−42
688号公報の第11頁第28行目から同第12頁第3
0行目に記載されている化合物を用いることができる。
セレニウム塩としては例えばトリフェニルセレニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、4−ter−ブチルフェニ
ルジフェニルセレニウムテトラフルオロボレート、2,
3−ジメチルフェニルジフェニルセレニウムヘキサフル
オロアンチモネートなどを挙げることができる。
【0030】反応性希釈剤としてはブチルグリシジルエ
ーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の炭
素数2〜25のアルキルモノグリシジルエーテル、ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、ドデカンジオールジグリシジル
エーテル、ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、
グリセロールポリグリシジルエーテル、フェニルグリシ
ジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、p−t
ert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリ
シジルエーテル、テトラフルオロプロピルグリシジルエ
ーテル、オクタフルオロペンチルグリシジルエーテル、
ドデカフルオロオクチルジグリシジルエーテル、スチレ
ンオキシド、リモネンジエポキシド、リモネンモノオキ
シド、α−ピネンエポキシド、β−ピネンエポキシド、
シクロヘキセンエポキシド、シクロオクテンエポキシ
ド、ビニルシクロヘキセンジオキシドなどのほかに下記
構造式で表わされる化合物を用いることができる。
【化7】
【0031】カップリング剤(エポキシ系)としては、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の
カーボンファンクショナルシランカップリング剤が挙げ
られる。
【0032】ウレタン系成分は、ポリイソシアネート化
合物、ポリオール化合物、および任意的にカップリング
剤等を含んでなる。ポリイソシアネートとしては、例え
ば2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエ
ステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、n−ペンタン−
1,4−ジイソシアネート、これらの三量体、これらの
アダクト体やビュウレット体、これらの重合体で2個以
上のイソシアネート基を有するもの、さらにブロック化
されたイソシアネート類(例えば上記イソシアネートに
フェノール、オキシム、ラクタムなどを反応させたも
の)などが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0033】ポリオール化合物としては、エチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなどの低分子量ポリオール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカプロラ
クトン、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン、エチ
レングリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオ
ールとアジピン酸、イソフタル酸など二塩基酸の重縮合
物などのポリエステルポリオール、OH基含有エチレン
性不飽和単量体とこれと共重合可能な単量体とを共重合
した側鎖にOH基を持ったポリオール(例えばアクリル
共重合体として日立化成工業(株)製ヒタロイド300
4,大日本インキ化学工業(株)製アクリディクA810
などの市販品)などがあげられる。カップリング剤とし
ては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシランなどがあげられる。
【0034】アクリル系成分は、アクリルモノマー、反
応性オリゴマー又はプレポリマー、熱又は光重合開始
剤、および任意的に反応性希釈剤、カップリング剤等を
含んでなる。アクリルモノマーとしては一般式:
【化8】 (式中、Rは水素原子またはC1〜C18のアルキル基を
表し、Vは水素原子またはメチル基を表す。)で表され
る化合物を挙げることができる。
【0035】反応性オリゴマー又はプレポリマーとして
は、 (1) 多塩基性カルボン酸と多価アルコール及びエチ
レン性不飽和モノカルボン酸との縮合オリゴメリゼーシ
ョンによって得られるエチレン性不飽和ポリエステル類 (2) 多価エポキシ化合物にエチレン性不飽和モノカ
ルボン酸を付加して得られる化合物類 (3) ポリエーテルポリオールのエチレン性不飽和モ
ノカルボン酸エステル類 (4) 多価イソシアネート化合物にエチレン性不飽和
モノカルボン酸のヒドロキシアルキルエステルを付加し
て得られるエチレン性不飽和ポリウレタン類、ジアリル
フタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレ
ポリマー、ジアリルテレフタレートプレポリマーなどを
挙げることができる。 上記(1)の具体例としては、無水マレイン酸、プロピ
レングリコール、及び(メタ)アクリル酸との縮合オリゴ
メリゼーションによって得られるオリゴエステル(メタ)
アクリレートが挙げられる。(2)の具体例としては下
記構造式[II]で表わされる化合物、
【化9】 ビスフェノールAFジグリシジルエーテルに(メタ)アク
リル酸を付加したエポキシ(メタ)アクリレート、水添ビ
スフェノールAエポキシドに(メタ)アクリル酸を付加し
たエポキシ(メタ)アクリレートなどを挙げることができ
る。(3)の具体例としてはポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。(4)
の具体例としてはエチレングリコールに過剰のジイソシ
アネートを反応させて得られる両末端にイソシアネート
基を有するポリウレタンンに2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートを反応させて得られるウレタン(メタ)
アクリレートなどを挙げることができる。
【0036】重合開始剤としては、例えば、 (a) 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フ
ェニルエチル)アゾジフェニルメタン、2,2'−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート、2,2'−
アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1−アゾビ
ス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバ
モイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス
(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−
2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,
2'−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ化合物、
ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオ
キシド等のジアシルパーオキシド類、メチルエチルケト
ンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケ
トンパーオキシド類、tert−ブチルパーベンゾエート、
tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキソエート等の
パーエステル類、tert−ブチルハイドロパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド
類、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジ−sec−ブチル
パーオキシド、ジクミルパーオキシド等のジアルキルパ
ーオキシド類、ジアリールパーオキシド類等の熱重合開
始剤 (b) 2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジ
メトキシ−2−フェニルアセトフエノン、ベンゾフエノ
ン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾインイソブ
チルエーテル、2−クロロチオキサントン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン等の光重合開始剤が挙げられる。
【0037】反応性希釈剤としては、スチレン、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、ジアリルテレフタレート、ブチレング
リコールジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ラウリルアクリレート、ジシクロペンチニルアクリレー
ト変性物、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレート、及び下記の構造式で示されるような炭
素−炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。
【化10】
【化11】 トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレートなどの
カップリング剤を配合することも可能である。
【0038】以上に述べた接着剤組成物の中、硬化速度
や作業性の点から活性エネルギー光線硬化型の組成物が
好ましい。また、エポキシ成分とアクリル成分は、硬化
反応に支障がないかぎり混合して用いることも可能であ
る。
【0039】エストラマー成分と他の接着剤成分の混合
比は、各成分の相溶性、所望する接着剤の物性によって
決定される。エストラマー含量が不足すると効果が失わ
れ、過剰では粘度の上昇、相溶性の低下により接着剤と
しての能力を損なう。接着剤組成物中エストラマー成分
が1〜95重量%の比で混合することが好ましい。
【0040】なお、本発明における接着剤組成物は、本
発明の効果を損なわない範囲で反応性を有しない希釈溶
剤を含んでいてもよい。使用可能な希釈溶剤としては、
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなどのエステル系有機溶剤、1,1,2−トリクロロ
−1,2,2−トリフルオロエタンなどのクロロフルオロ
カーボン類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
などがあげられるがあげられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
【0041】本発明において、含フッ素エラストマーと
他の接着剤成分との混合は、含フッ素エラストマーと他
の接着剤成分をニーダーやボールミルなどを用いて直接
混合する以外に、上記のような希釈溶剤を用いて両者を
溶液状態で混合した後、希釈溶剤を揮散させる方法など
の公知の手法を用いることができる。各成分の性状、粘
度、蒸気圧、あるいは各成分の溶剤に対する溶解性など
を勘案して適切な方法が選択されるべきである。
【0042】次に以上に説明した接着剤組成物を用い
て、光ディスクを構成する光ディスク基板とハブを接着
する方法について説明する。なお、光ディスクは、所謂
光ディスクと光磁気ディスクに分類されるが、本発明に
おいて光ディスクとはその双方を包含するものとする。
光ディスクの構造を以下に例示る。情報を記録・再生す
る光ディスクドライブ装置において、光ディスクをこの
装置のターンテーブル上に固定し、ターンテーブルと共
に光ディスクを高速回転させる方法にマグネチックラン
プ方式がある。図1はマグネックランプ方式によって、
ターンテーブル1に光ディスク3を取り付けた状態を示
す、ターンテーブルおよび光ディスクの概略断面図であ
る。この方式においては、ターンテーブル1の凹部に磁
気回路2を収容したターンテーブル上に光ディスク3を
装着してターンテーブルと共に光ディスクを回転駆動さ
せている。このようにターンテーブル上に光ディスクを
装着させる際には、ターンテーブルの回転中心軸と光デ
ィスクの回転中心軸とを一致させつつ、光ディスクをタ
ーンテーブル上に磁気的に吸引させる。そのために、タ
ーンテーブル上に装着される光ディスクには、回転中心
となるべき中心孔4を有する磁性被吸引部5すなわちハ
ブがある。光ディスク基板の材質としては、ポリカーボ
ネート樹脂、(α置換)アクリル樹脂、あるいは、エチレ
ンと環状オレフィンの共重合体などがある。ハブは、ポ
リカーボネートなどのプラスティック製でもよく、また
は金属製、セラミクス製でもよいが、少なくとも光ディ
スクへの挿入部の先端が磁性材料である必要がある。こ
こで磁性材料とは、磁性体そのものであってもよく、磁
性体と他の材料の複合体であってもよいが、磁性を有す
る金属からなっているものが強度、引力などの点から最
も好ましい。具体的には、ディスク基板としてポリカー
ボネート樹脂、ハブとして磁性を有するステンレスであ
るSUS430を用いたものが一般的である。
【0043】光ディスク基板とハブを接着する場合、例
えば光ディスク基板に上記接着剤組成物をディスペンサ
ーを用いて塗布(塗布量は例えば1〜10mg/cm2
程度の割合)し、その上にハブを置き、光ディスク基板
とハブのか移転中心を一致した後、活性エネルギー光線
を照射するか、加熱または室温で硬化させ接着する方法
で行える。これらの中で、エポキシ系成分および/また
はアクリル系成分に光硬化触媒および/または光重合開
始剤を配合した接着剤組成物を用い、活性エネルギー光
線を照射する方法が、高加速度、作業性などの観点から
特に好ましい。また、エポキシ系成分に硬化剤(ポリア
ミン類など)を配合した組成物や、ポリイソシアート類
とポリオール類を配合したウレタン系組成物を用いて加
熱または室温で硬化させるほうほう用いることも可能で
ある
【0044】以上に説明した接着方法に用いた接着剤組
成物は、光ディスク基板とハブとの接着におけるばかり
ではなく、同種または異種の、プラスチック等の有機材
料および金属、ガラス等の無機材料の接着に広く用いる
ことができる。上記接着剤組成物中、特に好ましいもの
は含フッ素エラストマーが他の接着剤成分と反応し得る
官能基を有する場合である。すなわち本発明は、エポキ
シ系、ウレタン系、またはアクリル系成分 5〜99重
量%、およびヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ
基、アミド基、(α置換)アクリロイル基、ビニル基、エ
ポキシ基、イソシアネート基、およびアルコキシシリル
基よりなる群から選択され、上記エポキシ系、ウレタン
系、またはアクリル系成分と反応可能な少なくとも一種
の官能基を有する含フッ素エラストマー成分 1〜95
重量%を含んでなる接着剤組成物をも要旨とする。
【0045】該接着剤組成物は、上に説明した方法と同
様の方法で使用でき、接着性の他に、耐熱性、耐衝撃
性、耐水・耐湿性、耐溶剤、耐薬品性、耐ヒートサイク
ル性にも優れているため、特に、通常の接着剤では接着
が困難な異種材料間の接着、高温・高湿下での耐久性の
要求される用途に好適である。
【0046】
【実施例】次に実施例、比較例を挙げて具体的に本発明
を説明するが、これらによって本発明は限定されるもの
ではない。なお、以下の実施例、比較例において、配合
比は重量部によって示す。 参考例1(ヨウ素末端含フッ素エラストマーの重合) ステンレス製撹拌翼と温度調節用ジャケットを備え、内
容量が180リットルのステンレス製オートクレーブに
脱イオン水 60リットルおよび乳化剤(パーフルオロ
オクタン酸アンモニウム) 120gを仕込み、窒素ガス
で3回系内を置換して酸素を除いたのち、ビニリデンフ
ルオライド/ヘキサフルオロプロペン(モル比1/1)
を圧入した。撹拌を100rpm、内温を80℃に保つ
と、内圧は1.51MPaとなった。つぎに過硫酸アンモ
ニウム水溶液(0.36g/25ml)およびI−(CF2)4
−I 45.4gを窒素で圧入した。反応中、温度は80
℃、撹拌は100rpmに保ち、過硫酸アンモニウムを3
時間毎に反応開始時と同量ずつ追加した。するとモノマ
ーの消費による内圧が低下するが、内圧が1.24MPa
に達した時点(約10時間後)で撹拌を停止し、オート
クレーブ中に残ったガスを常圧まで放出し反応を終了し
た。こうして得られた白色水性ラテックスは含フッ素共
重合体を2.3重量%含んでいた。得られた水性ラテッ
クスは取り出さずこのまま参考例2に示されるエチレン
付加反応に用いた。このラテックスを約3Lを取り出
し、塩化マグネシウムを添加、ミキサーで激しく撹拌す
ることによりポリマーを凝析した。得られたポリマーは
アセトンに溶解し蒸留水より再沈澱を2回行なうことに
より精製後、減圧下100℃で24時間乾燥し、無色透
明なエラストマーを得た。19F核磁気共鳴分析から求め
られた共重合組成比(モル比)は、ビニリデンフルオラ
イド/ヘキサフルオロプロピレン=80/20であっ
た。1H核磁気共鳴分析より、−CF22 Iに帰属さ
れるピーク(3.8ppm)が認められ、元素分析によるヨ
ウ素含有量は1.5重量%であった。分子量はテトラヒ
ドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマト
グラフィーにより、ポリスチレン換算で約17,000
であった。このポリマーは両末端はほぼ100%ヨウ素
末端であると推定される。このポリマーの耐熱性は34
8℃(窒素気流中における熱天秤の測定(10℃/分で
昇温)で1%重量減の温度)、ガラス転移温度は−27
℃であった。
【0047】参考例2(エラストマー末端へのエチレン
付加) 参考例1の重合に続いて、オートクレーブ内部をエチレ
ンガスで置換した後、温度は80℃、撹拌は100rpm
に保ちながらエチレンガスで0.81MPaに加圧した。
過硫酸アンモニウム0.6gを圧入するとただちに圧力降
下が始まり、6時間後もはや圧力降下がみられなくなっ
た段階で温度を室温に戻し、残圧を放出して反応を終了
した。得られたラテックスを参考例1に示された方法で
凝析、精製、乾燥して無色透明なエラストマーを得た。
以下エラストマーAと呼ぶ。1H核磁気共鳴分析より−
CF22 Iに帰属されるピーク(3.8ppm)が消失、
末端に挿入されたエチレンのCH結合に由来するピーク
が1.6〜1.9ppmに認められた。元素分析によるヨウ
素含量は1.4重量%であった。
【0048】参考例3(エラストマー末端への水酸基の
導入) 撹拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を備えた1リット
ル4つ口丸底セパラブルフラスコに、エラストマーA
330g、ジメチルスルホキシド 515g、蒸留水 4g
を入れ、窒素を吹き込みながら120℃で3時間反応さ
せた。反応終了後、膨潤したエラストマーを取出し、水
洗3回、温水洗2回を行なった。得られたポリマーをア
セトンに溶解し、蒸留水で再沈澱後、減圧下100℃で
48時間乾燥した。収量300g。以下エラストマーB
と呼ぶ。1H核磁気共鳴分析より −CH2 2OH に
帰属されるピーク(3.6ppm)が認められ、末端の官能
基濃度は、主鎖の(−C 2CF2−)との比から計算し
たところ71μモル/gとなった。また、元素分析の結
果、ヨウ素は検出されなかった。なお、このエラストマ
ーBの耐熱性は374℃であり、ガラス転移温度は−2
6℃であった。
【0049】参考例4(エラストマー末端へのアクリロ
イル基の導入) 撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた0.5リ
ットル4つ口丸底セパラブルフラスコに、エラストマー
B 50g、テトラヒドロフラン 0.2リットル、アクリ
ル酸クロライド 4g、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル 0.02gを入れ、均一な溶液とした。室温でトリエ
チルアミン 4gを滴下し、滴下終了後室温で2時間、そ
の後50〜60℃で1時間反応させた。反応終了後、生
成したアンモニウム塩をろ別し、ろ液を蒸留水中に注い
で再沈澱させた。得られたポリマーは、アセトンに溶解
し蒸留水で再沈澱を2回行ない、減圧下80℃で10時
間乾燥した。収量40g。以下エラストマーCと呼ぶ。1
H核磁気共鳴分析により−OCOC=C 2に帰属さ
れるピーク(5.8〜6.4ppm)が確認され、参考例3
と同様に末端の官能基濃度を計算した結果69μモル/
gとなり、反応は定量的に進行していると推定される。
また、このエラストマーCの耐熱性は372℃であり、
ガラス転移温度は−25℃であった。
【0050】実施例1 参考例2によって合成した末端にヨウ素を含むエラスト
マーA 30部、MMA(メタクリル酸メチル) 50
部、HDAA(1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト) 10部、AA(アクリル酸) 5部、Dar−111
6(メルク製、光重合開始剤、構造式 CH(CH3)2
64−CO−C(CH3)2OH)) 4部を混合すること
により接着剤組成物を得た。これをSUS430板(1
00mm×20mm×1.5mm)とポリカーボネート板(5
0mm×20mm×2mm)に訳3mg/cm2の割合で塗布密着
後、ポリカーボネート側より照度 30mW/cm2の紫外
光を120秒間照射することによって接着させた。接着
約24時間後、JISK6850の方法により引張試験
機を用いて1mm/分の速度で引張剪断強度を測定したと
ころ、34kgf/cm2であった。また破断面では接着剤薄
膜の破壊と接着剤/SUSの剥離が同時に発生していた
(複合破壊)。
【0051】実施例2 実施例1において、末端にヨウ素を含むエラストマーA
の代わりに、参考例4によって合成した末端アクリロイ
ル基含有エラストマーC 30部を用いた外は実施例1
と同様にして接着剤組成物を得、これを用いてSUSと
ポリカーボネートとを接着した。実施例1と同一条件下
で引張剪断強度を測定したところ、44kgf/cm2であっ
た。また破断面では複合破壊が観察された。
【0052】比較例1 実施例1においてエラストマーを加えなかった外は実施
例1と同様にして接着剤組成物を得、これを用いてSU
Sとポリカーボネートとを接着した。実施例1と同一条
件下で測定した引張剪断強度は75kgf/cm2であり、破
断面では複合破壊が観察された。上の試験で用いたのと
同じ接着試験片を60℃で一時間加熱したところ接着面
が剥離していた。実施例1および2で得た接着試験片に
ついても同一条件で加熱したが、加熱後に変化は見られ
なかった。実施例1,2と比較例1を比較すると、エラ
ストマーを配合することによって初期接着強度はやや低
下するが、被接着材料の熱膨張率の差による歪みに対
し、耐性を付与することができることがわかる。
【0053】比較例2 実施例1において本発明で用いる末端にヨウ素を含むエ
ラストマーの代わりにブタジエンニトリルゴム(日本ゼ
オン社製) 30部を用いた外は実施例1と同様にして
接着剤組成物を得た。これを用いて実施例1と同様にし
てSUS板とポリカーボネート板とを接着したが、接着
強度は素手で容易に破断する程度であった。
【0054】実施例3 市販の含フッ素エラストマー(ビニリデンフルオライド
/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ダイエルG80
1、ダイキン工業製) 20部、MMA 50部、HD
AA 10部、AA 5部を混合することにより接着剤
組成物を得た。この組成物を用いて実施例1と同様にし
てSUS/ポリカーボネート接着試験片を作製した。実
施例1と同一条件で測定した引張剪断強度は91kgf/c
mであった。またこの接着試験片を80℃、相対湿度
90%の雰囲気下に20日間放置後に引張剪断強度を測
定したところ34kgf/cmであり、接着初期と同様に
ポリカーボネート板が破壊した。
【0055】比較例3 実施例3においてエラストマーを配合しなかったことを
除いて、実施例3と同様にして、接着剤組成物を調整
し、同様の試験を行った。この場合80℃、相対湿度9
0%の雰囲気下に20日間放置後の接着試験片は接着面
が剥離していた。実施例3と比較例3を比較することに
よって含フッ素エラストマー配合によって接着剤組成物
に耐水・耐湿性を付与することができることがわかる。
【0056】実施例4 参考例2によって合成した末端にヨウ素を含むエラスト
マーA 10部をアセトンに溶解した。一方、1,3−
ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロ−2−プロピル)
シクロヘキサンとエピクロルヒドリンの縮合物(CHE
P)100部、ビニルシクロヘキセンジエポキシド(V
CHEP) 20部、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル(HDGE) 10部、γ−グリシジル
オキシプロピルトリメトキシシラン(γGPS) 2
部、および光硬化触媒(アデカオプトマーSP170、
旭電化製) 2部を混合した。両液を混合した後アセト
ンを留去して接着剤組成物を得た。この接着剤組成物を
SUS430板(100mm×20mm×1.5mm)
とポリカーボネート板(50mm×20mm×2mm)
に約3mg/cmの割合で塗布し、密着後ポリカーボ
ネート側より照度60mW/cmの紫外光を120秒
間照射することによって接着させた。実施例1に記載し
た方法によって接着強度を測定したところ31kgf/cm
であった。破断面では接着剤の凝集破壊が観察され
た。
【0057】実施例5 実施例4において末端にヨウ素を含むエラストマーAの
代わりに末端に水酸基を含むエラストマーBを用いた外
は実施例1と同様にして接着剤組成物を調製し、SUS
/ポリカーボネート接着試験片を作製し、接着強度を測
定した。接着強度は38kgf/cm2であり、破壊面では接
着剤の凝集破壊が観察された。
【0058】比較例4 実施例4においてエラストマーAを配合しなかった外は
実施例1と同様にして、接着剤組成物を調整し、SUS
/ポリカーボネート接着試験片を作製し、接着強度を測
定した。接着強度は24kgf/cm2であり、破壊面ではS
US板と接着剤層の界面が剥離していた。
【0059】比較例5 実施例4において本発明で用いるエラストマーAの代わ
りにブタジエンニトリルゴム(Nipol 1312、日本
ゼオン社製) 10部を用いた外は実施例4と同様にし
て接着剤組成物を調製し、SUS/ポリカーボネート接
着試験片を作製した。接着強度は素手で容易に破断する
程度であった。
【0060】実施例6 参考例4によって合成した末端アクリロイル基含有エラ
ストマーC 20部、MMA 60部、HDDA 10
部、HPA(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)
10部、アクリル酸 5部、Dar−1116 4部を混
合することによって接着剤組成物を調製した。この組成
物を二枚のスライドグラス(100mm×20mm×1.5m
m)に塗布、密着後80℃で2時間加熱した。得られた
接着試験片について実施例1と同様にして引張剪断強度
を測定したところ、53kgf/cmであった。破断面に
は、接着剤の凝集破壊が観察された。
【0061】実施例7 参考例3によって合成した末端水酸基含有エラストマー
B 20部、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオ
ロ−2−プロピル)シクロヘキサンとエピクロロヒドリ
ン縮合物(含フッ素エポキシ、CHEPと略する) 1
00部をアセトン500部に溶解した。アセトンを留去
したのちに2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノ)
フェノール4部を混合して接着剤組成物を得た。この組
成物を用いて実施例6と同様にしてガラス/ガラスの接
着試験片を作製した。接着部は強固であり、引張試験に
おいてスライドグラスが破断した。
【0062】実施例8 参考例3によって合成した末端水酸基含有エラストマー
B 70部、ヒタロイド3004(日立化成製、アクリ
ル系共重合型ポリオール) 46部、コロネートHL
(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート、構造式
CH3CH2C(CH2OCONHC612NCO)3) 9.
3部、酢酸エチル 100部を混合することによって接
着剤組成物を得た。これを2枚のSUS304板(10
0mm×20mm×1.5mm)に塗布し、常温で数分放置し
たのち密着させ、60℃で16時間加熱の後さらに85
℃で20時間加熱、接着させた。引張試験機によって1
mm/minの速度で引張剪断強度を測定したところ42kgf
/cm2であった。
【0063】
【発明の効果】本発明の方法によれば接着強度のみでは
なく、耐水・耐湿性、耐ヒートサイクル性などにも優れ
た光ディスク基板とハブの接着を行うことができる。ま
た本発明の接着剤組成物は、硬化後、強固な接着性と優
れた耐熱性、耐衝撃性、耐水・耐湿性、耐溶剤、耐薬品
性および耐ヒートサイクル性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マグネチックランプ方式によって、ターンテ
ーブルに光ディスクを取り付けた状態の断面図である。
【符号の説明】
1.ターンテーブル 2.磁気回路 3.ディスク 4.中心孔 5.ハブ 6.ディスク基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 勇次 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 山根 憲康 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 久米川 昌浩 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 斎藤 上司 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含フッ素エラストマー成分 1〜95重
    量%およびエポキシ系、ウレタン系またはアクリル系成
    分 5〜99重量%を含んでなる接着剤組成物を用いる
    ことを特徴とする光ディスク基板とハブの接着方法。
  2. 【請求項2】 含フッ素エラストマーが、 (a)フッ化ビニリデン単位を含んでなる共重合体、 (b)テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
    チレン、およびヘキサフルオロプロピレンよりなる群か
    ら選択される少なくとも一種のモノマーとそれらと共重
    合し得るフッ素を含有しないモノマーを含んでなる共重
    合体、または (c)テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
    チレン、およびヘキサフルオロプロピレンよりなる群か
    ら選択される少なくとも1種のモノマーとそれらと共重
    合体しうる少なくとも1種の含フッ素モノマーを含んで
    なる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 含フッ素エラストマーが、ハロゲン、ヒ
    ドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、
    (α置換)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソ
    シアネート基およびアルコキシシリル基よりなる群から
    選択された少なくとも1種の官能基を有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 含フッ素エラストマーの有する官能基を
    エポキシ系、ウレタン系、またはアクリル系成分と反応
    可能であるよう選択することを特徴とする請求項3に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 接着剤組成物を活性エネルギー光線によ
    って硬化させることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】 光ディスク基板がポリカーボネート樹
    脂、(α置換)アクリル樹脂、またはエチレンと環状オ
    レフィンとの共重合体よりなることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 ハブが金属製であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 エポキシ系、ウレタン系、またはアクリ
    ル系成分 5〜99重量%、およびヒドロキシル基、カ
    ルボキシル基、アミノ基、アミド基、イソシアネート
    基、およびアルコキシシリル基よりなる群から選択さ
    れ、上記エポキシ系、ウレタン系、またはアクリル系成
    分と反応可能な少なくとも1種の官能基を有する含フッ
    素エラストマー成分 1〜95重量%を含んでなること
    を特徴とする接着剤組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6506460B2 (en) * 1998-01-21 2003-01-14 E. I. Du Pont De Nemours And Company UV curable elastomer composition
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