JPH0761944A - フッ素化触媒およびフッ素化方法 - Google Patents
フッ素化触媒およびフッ素化方法Info
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Abstract
するためのフッ素化触媒、および、該触媒を用いて生産
性よくハイドロフルオロカーボンを製造する方法を提供
する。 【構成】 インジウム、クロム、酸素、フッ素を必須の
構成元素として含み、クロムに対するインジウムの原子
比が0.005〜0.6であるフッ素化触媒を用い、気
相でHFによるハロゲン化炭化水素のフッ素化反応を行
えば、加圧下でも高収率でハイドロフルオロカーボンを
得ることができる。
Description
素化方法に関するものであり、さらに詳しくは分子中に
塩素を含まないことからオゾン層を破壊する恐れのない
ハイドロフルオロカーボン(以下、HFCと略す)、な
かでもジフルオロメタン(以下、HFC−32と略
す)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(以下、
HFC−134aと略す)、ペンタフルオロエタン(以
下、HFC−125と略す)の製造に際し、高い収率で
HFCを生産するために改良されたフッ素化触媒およ
び、該触媒を用いて気相でフッ化水素とハロゲン化炭化
水素を接触させることにより生産性よくHFCを製造す
る方法に関するものである。
製造方法としては含水素ハロゲン化炭化水素をHFと接
触させることによりF以外のハロゲンをFに交換する方
法(不飽和ハロゲン化炭化水素を原料としてHFの付加
とF以外のハロゲンをFに交換する反応を同時に実施す
るケースも多い)、ハロゲン化炭化水素をH2 と接触さ
せることによりF以外のハロゲン(場合によってはFの
一部)をHに交換する方法がある。このうち含水素ハロ
ゲン化炭化水素のHFによるフッ素化反応は進みにくい
場合が多く、HFCの生産量は用いる触媒に大きく依存
する。
ロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(以下、HCF
C−133aと略す)のフッ素化によるHFC−134
aの合成反応が挙げられる。本反応は明らかに熱力学的
に不利な吸熱反応である。したがって、一般にはHCF
C−133aに対し化学量論以上のHFを共存させて、
有意な転化率を与える反応条件(圧力、温度、空間速
度)で反応を行う。
号公報では、CrF3 ・3H2 Oを空気で処理した化合
物を触媒として大気圧下、反応温度400℃、HCFC
−133aに対するHFのモル比(以下、モル比と略
す)8、空間速度(以下、SVと略す)550h-1とい
う反応条件でHFC−134aを収率32%で得てい
る。
l2 /Al2 O3 をフッ素化処理して得られる触媒を用
いて、大気圧下、反応温度410℃、モル比10、接触
時間30秒(SV120h-1)という反応条件でHFC
−134a収率は32%である。このように低いSVで
の反応は生産性が悪く、また、高温での反応は熱的エネ
ルギーロスばかりでなく、選択率の低下を招き、さら
に、本発明者らの知見によれば触媒寿命を短くする。
した検討がこれまでにもなされてきた。すなわち、特開
平2−172933号公報では、Al、Mg、Ca、B
a、Sr、Fe、Ni、CoおよびMnからなる群から
選ばれる少なくとも一種の元素およびCrを含むハロゲ
ン化物または酸化物からなる触媒が耐久性(寿命)に優
れることを開示している。また、EP第502605号
公報では、Znを担持したCr系触媒が高い活性を与え
ることを開示している。さらに、特開平4−34694
3号公報では、RuやPtを担持した部分的にフッ素化
されたCr2 O3 からなる触媒が寿命が長いことを開示
している。その他、Cr以外の成分を主成分とする触媒
として、特開平2−95438号公報で本出願人が開示
したIn化合物をアルミナなどの担体に担持し、HFで
処理した触媒等があるが、活性はCrを主成分とする触
媒に較べて低い。
特開平4−346943号公報の明細書中に記載されて
いる様に、HFによるHCFC−133aのフッ素化反
応を従来のCr系あるいはAl系触媒を用いて行った場
合、反応圧力を高くすると反応速度が小さくなって生産
性が低下するという本反応固有の新たな問題があること
が明らかになってきた。
す触媒でも、反応圧力を上げる[例えば10kg/cm
2 G(ゲージ圧)]とHFC−134aの選択率は若干
向上するものの、HCFC−133a転化率が低下する
ために収率はかなり低下する[比較の際、他の条件(反
応温度、モル比、標準状態に換算したSV)は同一にし
ている]。程度の差はあるものの本現象は他の含水素ハ
ロゲン化炭化水素のフッ素化反応においても認められ
る。
m2 G程度の大気圧付近で行うことは低圧化のための付
帯設備を要するため、設備費の増加につながり、好まし
くない。さらに、反応の選択率は加圧下の方が優れてお
り、特に、毒性の高い不飽和化合物の副生量を抑えるこ
とができる。従って、反応圧力を上げても反応速度が低
下しない触媒、さらに好ましくは、反応圧力を上げると
反応速度が増加する触媒の開発が求められてる。
化、長寿命化も触媒コストや生産性に大きく寄与するた
め、本発明の重要な課題の一つである。本発明の目的
は、HFCの製造に際し、高い収率でHFCを生産する
ために改良されたフッ素化触媒を提供すること、およ
び、該触媒を用いて気相でフッ化水素とハロゲン化炭化
水素を接触させることにより生産性よくHFCを製造す
る方法、具体的には例えば、HFC−32、HFC−1
34a、HFC−125を生産性よく製造する方法を提
供することである。
解決すべく鋭意検討した結果、金属成分としてInとC
rを組み合わせることにより反応速度に対する圧力のマ
イナス効果を改善することができることを見いだし本発
明を成すに到った。
クロム、酸素、フッ素を必須の構成元素として含み、ク
ロムに対するインジウムの原子比が0.005〜0.6
であることを特徴とするフッ素化触媒である。
調製することを特徴とする請求項1記載のフッ素化触媒
である。
元性ガス中、350〜500℃で熱処理する工程を含む
ことを特徴とする請求項1もしくは2記載のフッ素化触
媒である。
表の11、12、13、14族元素からなる群から選ば
れる少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする
請求項1から3のいずれかに記載のフッ素化触媒であ
る。
4記載のいずれかのフッ素化触媒の存在下、気相でフッ
化水素とハロゲン化炭化水素を接触させることを特徴と
するハロゲン化炭化水素のフッ素化方法である。
炭化水素が含水素ハロゲン化炭化水素であることを特徴
とする請求項5記載のフッ素化方法である。
ゲン化炭化水素がジクロロメタン、クロロフルオロメン
タ、1−クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、
1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、
1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタンか
らなる群から選ばれることを特徴とする請求項6記載の
フッ素化方法である。
ゲン化炭化水素が1−クロロ−2,2,2−トリフルオ
ロエタンであることを特徴とする請求項7記載のフッ素
化方法である。
HFとの接触により、ハロゲン化炭化水素をフッ素化す
る方法において、In、Cr、O、Fを必須の構成元素
として含み、Crに対するInの原子比が0.005〜
0.6、好ましくは0.01〜0.5、特に好ましくは
0.01〜0.3である触媒を用いることを解決の手段
とした。
としてはアルカリ金属が大量に(例えば、重量で%オー
ダー)含まれることはあまり好ましくないが、その他の
元素は重量で%オーダー以上含まれていてもよい。特
に、助触媒として触媒の延命効果が期待できる長周期型
周期表の11、12、13、14族の元素(新IUPA
C命名法)からなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素、なかでも、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、
Al、Ga、Sn、PbなどはCrに対する原子比で
0.001〜0.5、好ましくは0.003〜0.1の
範囲で含まれていてもよい。
る化合物(例えば酸化物や水酸化物)を触媒前駆体とし
て、これをHFやF2 、分子中にフッ素を有するハロゲ
ン化炭化水素等によってフッ素化し、OやOHを部分的
にフッ素に置き換えることによって調製することができ
る。InおよびCrを含有する化合物は担体に担持する
ことも可能であり、適当な担体として活性炭、アルミ
ナ、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化マ
グネシウムなどが挙げられる。
ている混練法、含浸法、共沈法等のいかなる方法も用い
ることができ、また、触媒前駆体を調製するための原料
としては工業規模で入手可能ならば、いかなる化合物を
用いてもよい。上記の方法のうち、含浸法や共沈法がI
nとCrを均一に分布させ得るため好ましい。
均一に調整することが可能であるためさらに好ましい。
従って、好ましい触媒前駆体の調製方法の例としては、
InおよびCrの化合物が溶解した液を沈殿剤と反応さ
せて沈殿をつくり、濾別、洗浄、乾燥、焼成する方法
(共沈法の例)、酸化クロムや水酸化クロムにIn化合
物の溶液を含浸し、乾燥、焼成する方法(含浸法の例)
等があげられる。担体を用いる場合には例えばInおよ
びCrの化合物が溶解した液を担体に含浸し、乾燥、焼
成することにより調製することができる。
沈法においてInおよびCrの化合物が溶解した液と沈
殿剤とを反応容器の中の反応液のpHが6〜12、特に
好ましくは6.5〜10の範囲内に在るようにコントロ
ールしながら、双方同時に、あるいは交互に滴下して調
製したスラリーを濾別、洗浄、乾燥し、焼成する方法が
あげられる。
塩化物、硫酸塩が好適に用いられる。なかでも共沈法に
おいては硝酸塩が、含浸法においては塩化物が好まし
い。沈殿剤の種類としてはアンモニア、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸水素アンモニウムなどが好ましく、なかでも
アンモニアが特に好ましい。
焼成前、または焼成後に打錠成型を行ったり、乾燥前に
押し出し成型を実施することにより成型物とすることが
できる。
90〜120℃の温度範囲で、空気あるいはN2 などの
不活性ガス雰囲気中で30分以上行うことが好ましい
が、減圧乾燥などの他の乾燥方法で行うことも可能であ
る。焼成は300℃〜600℃、好ましくは350℃〜
500℃の温度範囲で行うことが適当であるが、調製方
法によって焼成の雰囲気を選ぶ必要がある。
のクロム化合物は約350℃以上の高温でO2 に触れる
と比表面積の大幅な低下を引き起こし、また、活性炭は
燃焼して消失する。このため、担体を使用せずにクロム
化合物を触媒前駆体の主成分とする場合や、活性炭を担
体として用いる場合には350℃以上の温度で1000
Pa(絶対圧力)以上のO2 を含む雰囲気に曝してはな
らず、N2 、Arなどの不活性ガスもしくは還元性ガス
雰囲気で焼成することが望ましい。ここで言う還元性ガ
ス雰囲気とはH2 、CO、NOなどの還元力を有するガ
スを含有する雰囲気のことであり、その他に不活性ガス
や水分も含有することができる。O2 などの酸化性ガス
についても安全上問題とならない濃度であれば含まれて
いてもよいが、含まれていない方が望ましい。
用いる場合にはO2 雰囲気下でも担体が比表面積の低下
を防止する効果をもつため、O2 を含む雰囲気、代表的
には空気中で焼成することも可能である。しかし、特開
平5−92141号公報に記載されているように、焼成
後に行う前駆体のフッ素化時に、Crが飛散するという
問題が生じる。従って、上記担体を用いる場合にも不活
性ガスもしくは還元性ガス雰囲気で焼成する、もしく
は、O2 を含む雰囲気で焼成を行った後にさらに、還元
性ガス雰囲気で焼成することが望ましい。
程の中に還元性ガス雰囲気で熱処理する工程を設ける方
法があげられる。すなわち、クロム化合物を触媒前駆体
の主成分とする場合や、活性炭を担体として用いる場合
には、乾燥工程後に直接、還元性ガス雰囲気で焼成す
る、もしくは、一旦、不活性ガス中で焼成を行った後に
さらに還元性ガス雰囲気で焼成することが好ましい。担
体としてアルミナや各種金属フッ化物を用いる場合に
は、乾燥工程後に直接、還元性ガス雰囲気で焼成する、
もしくは、一旦、不活性ガス中やO2 を含む雰囲気で焼
成を行った後にさらに還元性ガス雰囲気で焼成すること
が好ましい。
により、反応前に行う前駆体のフッ素化の際に、飛散す
るCrの量を減少させる、触媒の活性を向上させる等の
効果が期待できる。熱処理の温度としては350〜50
0℃が適当であり、好ましくは370〜460℃、特に
370〜450℃がよい。
O、NO等があげられるが、取扱いの簡便さからH2 を
用いるのが適当である。還元性ガスの濃度は0.1〜1
00vol%とすることができる。必要に応じてガス中
に20vol%以下の水や99.9vol%以下の不活
性ガスを同伴することも可能であるが、O2 濃度は安全
上の問題から0.1vol%以下に抑えるべきである。
ガス流量はGHSV(標準状態換算)で10〜1000
0h-1が適当であり、圧力は大気圧〜10kg/cm2
Gが操作上簡便である。処理時間としては少なくも30
分間、好ましくは1〜10時間熱処理する。
はO2 を絶対圧力で1000Pa以上含む雰囲気で高温
に曝すことは好ましくない。従って、還元性ガス雰囲気
で焼成した後、さらに空気中などのO2 を含有する雰囲
気で焼成を行うことは避けるべきである。また、還元性
ガス雰囲気での焼成が終了して前駆体を取り出す際に大
気解放する場合にも、200℃以上の温度でO2 が系内
に導入されるような操作は避けねばならず、好ましくは
150℃、さらに好ましくは120℃以下の温度で空気
を系内に少しづつ導入し、徐々に系内のO2 濃度を上げ
た後に大気解放すべきである。
る方法で触媒前駆体の調製を行ってもよいが、Crに対
するInの原子比(以下、In/Cr比と略す)は0.
005〜0.6、好ましくは0.01〜0.5、特に好
ましくは0.01〜0.3という範囲にしなければなら
ない。上記の範囲よりIn/Cr比が小さいと、反応圧
力の増加により反応速度が低下する割合が大きく、ま
た、In/Cr比が大き過ぎても反応速度が低下するた
め好ましくない。In/Cr比の調整は、混練法ならば
混合する粉の割合、含浸法や共沈法ならばInおよび/
またはCr化合物の溶液濃度や溶液組成をコントロール
することにより容易に達成される。
必須の構成元素とする。O、Fの含量はIn/Cr比や
触媒前駆体の調製方法によって適切な範囲が変化する
が、何れの成分も触媒の全重量に対して0.3重量%以
上は必要である。好ましいOの含量の範囲は1〜25重
量%である。触媒中にOとFを含有させるには、上記の
ようにInおよびCrを含有する化合物をHFやF2 、
分子中にFを有するハロゲン化炭化水素等によってフッ
素化することで達成できる。なかでもHFを用いるフッ
素化がコスト上優れている。
℃、特には300〜450℃が好ましい。HFなどのフ
ッ素化剤の濃度としては、0.1〜100vol%で行
い得るが、発熱による温度上昇(以下、△Tと略す)が
最大でも50℃以下になるように、必要に応じてN2 な
どの不活性ガスでフッ素化剤を希釈して用いることが望
ましい。ガス流量はGHSVで10〜10000h-1が
適当であり、圧力は大気圧〜20kg/cm2 Gで行う
ことができる。
をあげると、大気圧下300〜400℃で、HF濃度5
〜30vol%になるようにHFとN2 を供給しフッ素
化を開始する。ホットスポットが前駆体充填層を通過し
た後、発熱に注意しながらHF濃度を90vol%以上
に、圧力を2〜10kg/cm2 Gになるまで上げてい
き、最終条件で少なくとも実質的に発熱が観測されなく
なるまで処理を継続する。以上述べた触媒前駆体の焼成
およびフッ素化はインコネル、ハステロイ製のものであ
れば同一の反応器で行うことも可能であり、操作上簡便
である。
元素として含むフッ素化触媒はハロゲン化炭化水素をH
Fによりフッ素化する際に適用できるが、含水素ハロゲ
ン化炭化水素のフッ素化反応を加圧下において行う際に
は特に効果的である。つまり、オキシフッ化クロムのよ
うな従来のフッ素化触媒を用いた場合に認められる、反
応圧力を上げると反応速度が低下し、原料炭化水素の転
化率が減少するという反応圧力のマイナス効果が改善で
きる。
Cr、O、Fを必須の構成元素として含む触媒は大気圧
付近においてはオキシフッ化クロムのごとき従来のフッ
素化触媒と同程度もしくは若干活性が高い程度である
が、反応圧力を高くしても反応速度(原料炭化水素の転
化率)の低下はほとんどない。一方、オキシフッ化クロ
ムのごとき従来のフッ素化触媒では、反応圧力を高くす
ると反応速度が低下していく。従って、反応圧力が高く
なるにしたがって、本発明の触媒と従来のフッ素化触媒
との転化率の差は大きくなっていく。
り、従来のフッ素化触媒で認められた反応圧力のマイナ
ス効果を改善することができ、さらに、反応を加圧下で
行うことにより副生物の生成量も減少させることができ
るため、特に、加圧下の含水素ハロゲン化炭化水素のフ
ッ素化反応において高い収率でHFCを得ることができ
る。
は、主には炭素数1から4の分子中にHを含むハロゲン
化炭化水素のことであり、一例をあげると、CHCl
3 、CH2 Cl2 、CH2 FCl、CH3 Cl、C2 H
Cl3 、C2 H2 Cl2 、C2H3 Cl、C2 HCl
5 、C2 HFCl4 、C2 HF2 Cl3 、C2 HF3 C
l2 、C2 HF4 Cl、C2 H2 F3 Cl、C2 H3 C
l3 、C2 H3 FCl2 、C2 H3 F2 Cl、C2 H4
Cl2 、C2 H4 FCl、C2 H5 Cl、C3 H2F4
Cl2 、C3 HF4 Cl3 などがある。さらに、上記の
炭化水素中のClの全部もしくは一部をBrやIに置換
した化合物であってもよい。
ない代替フロンとして注目されているHFC−32やH
FC−134a、HFC−125を製造する際の合成ル
ートとして考えられるCH2 Cl2 、CH2 FCl(H
CFC−31)、CHCl=CCl2 (トリクロロエチ
レン)、CF3 CH2 Cl(HCFC−133a)、C
Cl2 =CCl2 (パークロロエチレン)、CF3 CH
Cl2 (HCFC−123)、CF3 CHFCl(HC
FC−124)のフッ素化反応において有効であり、H
CFC−133aのフッ素化によるHFC−134aの
製造には特に効果的である。
の反応方法をとり得るが、固定床が一般的である。反応
条件は反応によって適切な条件が変化するが、一般的に
は、ハロゲン化炭化水素に対するHFのモル比:0.5
〜20、温度:200〜400℃、圧力:大気圧〜20
kg/cm2 G、SV:50〜100000h-1であ
る。本発明のフッ素化触媒を用いれば加圧下でも生産性
が低下しないため反応圧力は大気圧以上に上げてよく、
好ましい反応圧力は1〜20kg/cm2 G、より好ま
しくは1.5〜20kg/cm2 Gである。
を具体的に説明するが、かかる説明によって本発明が限
定されないことは勿論である。
求めた触媒に含まれる各元素の原子比を表し、反応例中
のモル比とはハロゲン化炭化水素に対するHFのモル比
を表す。SVは標準状態に換算した値であり、圧力はゲ
ージ圧である。
10lの容器に、Cr(NO3 )3 ・9H2 O 452
gとIn(NO3 )3 ・nH2 O(nは約5) 42g
を純水 1.2lに溶かした溶液と28重量%のアンモ
ニア水 0.3lとを攪拌しながら、反応液のpHが
7.5〜8.5の範囲内になるように2種の水溶液の流
量をコントロールして約1時間かけて滴下した。得られ
た水酸化物のスラリーを濾別し、純水でよく洗浄した
後、120℃で12時間乾燥した。得られた固体を粉
砕、黒鉛と混合し、打錠成型機によってペレット化し
た。このペレットをN2 気流下400℃で4時間焼成し
触媒前駆体とした。触媒前駆体60mlをインコネル製
反応管に充填し、大気圧においてN2 希釈したHF気流
下350℃で、続いてN2 希釈しない100%のHF気
流下350℃で、さらに100%のHF気流下で昇圧し
て4kg/cm2 Gでフッ素化処理を行った。処理後の
ペレットの組成を以下に示す。 In:10.8重量%、 Cr:49.0重量% O:15.1重量%、 F:23.9重量% これらの値からIn/Cr比は0.1であった。
nH2 Oを加えないこと以外は触媒調製例1と同様にし
てInを含まない触媒前駆体を調製した。この触媒前駆
体60mlをインコネル製反応管に充填し、触媒調製例
1と同様にしてフッ素化処理を行った。処理後のペレッ
トの組成を以下に示す。 Cr:56.9重量%、 O:16.3重量%、 F:
23.8重量%
た乾燥品200gにInCl3 ・4H2 O 17gを純
水に溶解して含浸し、再度120℃で乾燥した。以下の
操作は触媒調製例1と同様にしてフッ素化処理まで行っ
た。処理後のペレットの組成を以下に示す。 In: 3.7重量%、 Cr:53.6重量%、 O:16.0重量%、 F:23.3重量% これらの値からIn/Cr比は0.03であった。
したペレット100mlをガラス製焼成管に充填し、3
vol%の水蒸気を含んだH2 気流下400℃で4時間
焼成して前駆体とした。以下の操作は触媒調製例1と同
様にしてフッ素化処理まで行った。
111g、InCl3 ・4H2 O 6gを純水78gに
溶解し、高純度活性アルミナ100gを浸漬して溶液を
全量吸収させた。これを120℃で10時間乾燥した
後、ガラス製焼成管に充填し、空気気流下400℃で3
時間、さらに、3vol%の水蒸気を含んだH2 気流下
400℃で4時間焼成して前駆体とした。以下の操作は
触媒調製例1と同様にしてフッ素化処理まで行った。処
理後の組成を以下に示す。 In:1.1重量%、 Cr:10.5重量%、 A
l:49.0重量%、O:2.5重量%、 F:6
0.3重量%
2 OとIn(NO3 )3 ・nH2 Oの水溶液にCu(N
O3 )2 ・3H2 O 1gをさらに追加する以外は触媒
調製例1の操作に従ってペレットを作成し、それ以降の
操作は触媒調製例3に従ってフッ素化処理まで行った。
2 OとIn(NO3 )3 ・nH2 Oの水溶液にCd(N
O3 )2 ・4H2 O 1gをさらに追加する以外は触媒
調製例1の操作に従ってペレットを作成し、それ以降の
操作は触媒調製例3に従ってフッ素化処理まで行った。
2 OとIn(NO3 )3 ・nH2 Oの水溶液にPb(N
O3 )2 1gをさらに追加する以外は触媒調製例1の
操作に従ってペレットを作成し、それ以降の操作は触媒
調製例3に従ってフッ素化処理まで行った。
2 OとIn(NO3 )3 ・nH2 Oの水溶液にAgNO
3 1gをさらに加えて溶解させる以外は触媒調製例1の
操作に従ってペレットを作成し、それ以降の操作は触媒
調製例3に従ってフッ素化処理まで行った。
した触媒50mlをインコネル製反応管に充填し、以下
の反応条件でHFによるHCFC−133aのフッ素化
反応を行った。反応管の出口ガスをアルカリトラップに
吹き込んで未反応のHFおよび生成したHClを除去
し、ガスクロによりガス組成を分析した。反応開始後6
〜8時間目の結果を表1に示す。 温度:320℃、圧力:大気圧、モル比:8、SV:1
500h-1
cm2 Gにする以外はフッ素化反応例1と同様にしてH
CFC−133aのフッ素化反応を行った。結果を表1
に示す。
1で調製した触媒を用いる以外はフッ素化反応例1と同
様にしてHCFC−133aのフッ素化反応を行った。
結果を表1に示す。
g/cm2 Gにする以外は比較フッ素化反応例1と同様
にしてHCFC−133aのフッ素化反応を行った。結
果を表1に示す。
した触媒を用いる以外はフッ素化反応例1と同様にして
HCFC−133aのフッ素化反応を行った。結果を表
1に示す。
cm2 Gにする以外はフッ素化反応例3と同様にしてH
CFC−133aのフッ素化反応を行った。結果を表1
に示す。
C−134aの収率、HFC−134aの選択率を表
す。
添加しても、しなくてもHFC−134a収率に大差な
いが、反応圧力が高くなる(4kg/cm2 G)とIn
を添加した触媒の方が高い収率を与えることがわかる。
このことはInとCrを組み合わせることによりCr単
独の触媒でみられる圧力のマイナス効果を改善できるこ
とを示している。
〜8で調製した触媒を用いる以外はフッ素化反応例2と
同様にしてHCFC−133aのフッ素化反応を行っ
た。結果を表2に示す。
C−134aの収率、HFC−134aの選択率を表
す。
製した触媒30mlをインコネル製反応管に充填し、以
下の反応条件でHFによるジクロロメタンのフッ素化反
応を行った。反応管の出口ガスを加温したアルカリトラ
ップに吹き込んで未反応のHFおよび生成したHClを
除去し、ガスクロによりガス組成を分析した。 温度:190℃、圧力:大気圧、モル比:6、SV:1
500h-1 未反応ジクロロメタンは39%であり、主な生成物の収
率は以下の通りであった。 HFC−32;52%、HCFC−31;8%
製した触媒30mlをインコネル製反応管に充填し、以
下の反応条件でHFによるHCFC−123のフッ素化
反応を行った。反応管の出口ガスをアルカリトラップに
吹き込んで未反応のHFおよび生成したHClを除去
し、ガスクロによりガス組成を分析した。 温度:325℃、圧力:4kg/cm2 G、モル比:
6、SV:1000h-1 未反応のHCFC−123は10%であり、主な生成物
の収率は以下の通りであった。 HFC−125;60.6%、HCFC−124;2
4.5%
フッ素を必須の構成元素として含み、クロムに対するイ
ンジウムの原子比が0.005〜0.6である、高い収
率でHFCを生産するために改良されたフッ素化触媒、
および、該触媒を用いて生産性よくHFCを製造する方
法を提供するものであり、該触媒を用いて気相でHFに
よるハロゲン化炭化水素のフッ素化反応を行えば、加圧
下でも高収率でHFCを得ることができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 インジウム、クロム、酸素、フッ素を必
須の構成元素として含み、クロムに対するインジウムの
原子比が0.005〜0.6であることを特徴とするフ
ッ素化触媒。 - 【請求項2】 共沈法により調製することを特徴とする
請求項1記載のフッ素化触媒。 - 【請求項3】 調製工程に還元性ガス中、350〜50
0℃で熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項1
もしくは2記載のフッ素化触媒。 - 【請求項4】 長周期型周期表の11、12、13、1
4族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか
に記載のフッ素化触媒。 - 【請求項5】 請求項1から4記載のいずれかのフッ素
化触媒の存在下、気相でフッ化水素とハロゲン化炭化水
素を接触させることを特徴とするハロゲン化炭化水素の
フッ素化方法。 - 【請求項6】 該ハロゲン化炭化水素が含水素ハロゲン
化炭化水素であることを特徴とする請求項5記載のフッ
素化方法。 - 【請求項7】 該含水素ハロゲン化炭化水素がジクロロ
メタン、クロロフルオロメタン、1−クロロ−2,2,
2−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,
2−トリフルオロエタン、1−クロロ−1,2,2,2
−テトラフルオロエタンからなる群から選ばれることを
特徴とする請求項6記載のフッ素化方法。 - 【請求項8】 該含水素ハロゲン化炭化水素が1−クロ
ロ−2,2,2−トリフルオロエタンであることを特徴
とする請求項7記載のフッ素化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11174994A JP3582798B2 (ja) | 1993-06-18 | 1994-04-28 | フッ素化触媒およびフッ素化方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14789793 | 1993-06-18 | ||
JP5-147897 | 1993-06-18 | ||
JP11174994A JP3582798B2 (ja) | 1993-06-18 | 1994-04-28 | フッ素化触媒およびフッ素化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0761944A true JPH0761944A (ja) | 1995-03-07 |
JP3582798B2 JP3582798B2 (ja) | 2004-10-27 |
Family
ID=26451080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11174994A Expired - Lifetime JP3582798B2 (ja) | 1993-06-18 | 1994-04-28 | フッ素化触媒およびフッ素化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3582798B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005026090A1 (ja) * | 2003-09-10 | 2005-03-24 | Showa Denko K.K. | ハイドロフルオロカーボンの製造方法、その製品およびその用途 |
JP2006111611A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-04-27 | Showa Denko Kk | フルオロメタンの製造方法およびその製品 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP11174994A patent/JP3582798B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005026090A1 (ja) * | 2003-09-10 | 2005-03-24 | Showa Denko K.K. | ハイドロフルオロカーボンの製造方法、その製品およびその用途 |
JP2006111611A (ja) * | 2004-09-16 | 2006-04-27 | Showa Denko Kk | フルオロメタンの製造方法およびその製品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3582798B2 (ja) | 2004-10-27 |
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