JP4314391B2 - フッ素化触媒とその製造方法及びそれら触媒を用いたフッ素化合物の製造方法 - Google Patents

フッ素化触媒とその製造方法及びそれら触媒を用いたフッ素化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)等のフッ素化アルカンを製造するためのクロムを主体とするフッ素化触媒、及びその製造方法に関し、更には、それら触媒を用いた各種フッ素化アルカンの製造方法に関する。
フロンガス(クロロフルオロカーボン)は、非常に安定性に優れた物質であり、かつ不燃性、非爆発性、人体にも無害なことから、カーエアコン、ルームエアコン、冷蔵庫などの冷媒や、ウレタン樹脂の発泡剤、あるいは整髪料のムースなどの発泡剤、ICチップの洗浄剤などとして多用されていた。
しかし、近年、このフロンガスが成層圏のオゾン層を破壊し、オゾンホールを作り出していることが問題になっている。そこで、塩素を含まないフッ素化合物が代替フロンとして普及してきた。
代表的な代替フロンの1つが、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)である。
この1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンは、オゾン層を破壊せず、許容される程度の地球温暖化係数(GWP)を持ち(例えば、非特許文献1参照。)、揮発性有機化合物(VOC)にも属していない化合物である(例えば、非特許文献2参照。)。
さらに、HFC-245faは毒性が低く、沸点が15.3℃の不燃性物質である(例えば、非特許文献3、4参照。)。
HCFC-141bは断熱材における有用な発泡剤であるが、先進国では2020年からその使用が全廃される。HFC-245faは、上記の特性を持つため、HCFC-141bに代わる代替物として期待されている(例えば、非特許文献5参照)。
HFC-245faの製造方法については、各種の報告がなされているが(例えば、非特許文献6、7、特許文献32参照)
、特許公報においても様々な技術が数多く報告されている。具体例を挙げれば、以下のとおりである。
1.WO01/036355号公報;
1,1,1,3,3−ペンタハロプロパン(但し、少なくとも1つのハロゲンがFでない)を、反応器内で5ハロゲン化アンチモンの触媒存在下にてHFでフッ素化して、少なくとも1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンおよび5ハロゲン化アンチモン触媒を含む反応混合物を得る液相反応工程を包含する、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法であって、フッ素化を50℃未満の反応温度にて実施する製造方法について報告している。
2.WO01/056961号公報;
塩素化アルケンおよび含水素塩素化アルカンからなる群から選択される1種以上のハロゲン化炭化水素反応原料(例えば、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,3,3,3−テトラクロロプロペン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン)を、フッ素化触媒の存在下、フッ化水素反応原料により、反応器内で液相でフッ素化反応させて、反応生成物として1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含む反応混合物を得る、含水素フッ素化炭化水素の製造方法であって、反応器の反応混合物と接触し得る部分の少なくとも一部が、クロム18〜20重量%、モリブデン18〜20重量%、ニオブおよびタンタルから選択される少なくとも1種の元素1.5〜2.2重量%、ならびに残部のニッケルで構成される合金材料でできている反応器を用いることを含む方法について報告している。
3.特表平8−511271号公報;
CF3CH2CF2Clを水素とニッケル、パラジウム、白金及びロジウムから選択される還元触媒の存在下で反応させることを含む、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CF3CH2CF2H)の製造方法について報告している。
4.特開平7−69943号公報;
1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンをパラジウム触媒の存在下に気相法で水素と反応させ、40〜300℃の温度範囲で水素還元することを特徴とする、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
5.特開平7−138194号公報;
3−クロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを、パラジウム、白金およびロジウムから成る群から選ばれた貴金属触媒存在下、気相中、水素還元することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
6.特開平8−73385号公報;
1,1−ジフルオロエチレンとジクロロフルオロメタンを、B、Al、Ga、In、Fe、Ni、Co、Sb、Nb、Sn、Ti、Zr、Hf、WおよびTaから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物またはハロゲン化酸化物からなるルイス酸触媒の存在下に反応させることにより1,2,2−トリヒドロジクロロトリフルオロプロパンを得て、これをフッ化水素によりフッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
7.特開2001−261593号公報;
フッ化水素反応原料と、塩素化アルケンおよび含水素塩化アルカンからなる群から選択される1種以上のハロゲン化炭化水素反応原料とを、SbF5、SbCl5、SbCl2F3、NbClF4、NbF5、TaCl5、TaF5、およびTaClF4からなる群から選択される1種以上のフッ素化触媒の存在下で反応させて反応生成物として含水素フッ素化炭化水素を含む反応混合物を得る含水素フッ素化炭化水素の製造方法であって:反応に対して実質的に耐性を有する材料からなる内側反応器と、内側反応器の外部に配置され、少なくとも一方の反応原料に対して実質的に耐性を有する材料からなる外側容器との間隙に該一方の反応原料を供給する工程と;該一方の反応原料を内側反応器に供給する工程と;他方の反応原料を内側反応器に供給する工程と;双方の反応原料を内側反応器内でフッ素化触媒
の存在下で反応させて、含水素フッ素化炭化水素を含む反応生成物を得る反応工程とを包含する方法について報告している。
8.特開2000−63302号公報;
一般式(1)
3HaFbXc (1)
(式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、aは1〜6、bは0〜6、cは1〜7の整数を表し、a+b+c=8である。)で表されるハロゲン化プロパンを気相でフッ素化触媒存在下フッ化水素でフッ素化して、一般式(2)
3HjFkXl (2)
(式中、Xはそれぞれ独立に塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、jは1〜6、kは2〜7、lは0〜5の整数を表し、j+k+l=8である。)で表されるフッ素化プロパンを製造する方法であって、触媒がアンチモン化合物を活性炭に担持した触媒であるフッ素化プロパンの製造方法について報告している。
9.特開平8−104655号公報;
液相中において、触媒の存在下で1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを無水フッ化水素酸と反応させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
ここで、触媒は、主族IIIa、IVa、Va及び亜族IVb、Vb、VIbの金属誘導体の酸化物、酸化ハロゲン化物及びハロゲン化物であり、より具体的にはアンチモンの塩化物、フッ化物及び塩化フッ化物及びこれらの混合物である。
10.特願平7−65159号公報;
2,3−ジクロロ−1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを、パラジウムからなる水素化触媒の存在下に大気圧以上の圧力下で気相反応により水素によって還元する工程Aと、前記工程Aの全生成物を冷却凝縮器へ導き、非凝縮成分としての水素及び塩化水素からなる成分と、凝縮成分としての1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン
からなる成分とを得るか、或いは、非凝縮成分としての水素からなる成分と、凝縮成分としての塩化水素及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンからなる成分とを得る工程Bと、前記工程Bの非凝縮成分から水素を分離し、前記工程Aへリサイクルする工程Cと、前記工程Bの凝縮成分から1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを分離する工程Dとからなる、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
11.特願平7−44094号公報;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを五ハロゲン化アンチモン触媒存在下フッ化水素により液相フッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
12.特開平8−337542号公報;
CF3 CClCClF2 [式中XはH原子またはCl原子]およびCF3 CCl=CF2 から選ばれる1種以上の塩素化フッ素化炭化水素を、Ru、Rh、PdおよびPtから選ばれる1種以上の金属を第1成分とし、Ni、Co、La、Re、W、Ta、Nb、Ti、Zr、Mo、Cu、AgおよびAuから選ばれる1種以上の金属を第2成分とする還元触媒
の存在下に、水素により還元することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
13.特開平9−2983号公報;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを、Sb、Nb、TaおよびSnから選ばれる少なくとも1種の元素のハロゲン化物からなるフッ素化触媒の存在下に液相でフッ化水素によりフッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
14.特開平9−67281号公報;
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンをガス状態にて、酸素の存在下に3価のクロムの酸化物、及び/又は、一部フッ素化された3価のクロムの酸化物と接触せしめ、脱フッ酸させることを特徴とする、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペンの製造方法について報告している。
15.特開平9−110737号公報;
一般式:CX3 CH2CHX2(但し、この一般式中、Xはフッ素原子又は塩素原子であり、すべてのXが同時にはフッ素原子ではない。)で表されるハロゲン化プロパンを5価のアンチモン又は3価のアンチモンからなるアンチモン触媒の存在下で無水フッ酸と反応せしめ、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを得る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
16.特開平9−241188号公報;
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを五ハロゲン化アンチモン触媒存在下フッ化水素により液相フッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
17.特開平9−268139号公報;
気相中においてクロム担持アルミナ触媒からなるフッ素化触媒存在下、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素と反応させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造法について報告している。
18.特開平9−268140号公報;
気相中においてクロム担持アルミナ触媒からなるフッ素化触媒存在下、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と反応させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造法について報告している。
19.特開平9−268141号公報;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを五ハロゲン化アンチモン触媒存在下フッ化水素で液相フッ素化して1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを製造する際に、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンおよび/またはフッ化水素を連続的に反応域に供給することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
20.特開平10−17502号公報;
1,3,3,3−テトラフルオロプロペンにハロゲン化水素付加触媒(アルミニウム、錫、ビスマス、アンチモンおよび鉄から選ばれる1種または2種以上の金属のハロゲン化物)存在下フッ化水素を付加することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
21.特開平10−72381号公報;
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに付加触媒(五ハロゲン化アンチモン、三ハロゲン化ホウ素)存在下フッ化水素を付加して1,1,1,3−テトラフルオロ−3−クロロプロパンを得、次いで該1,1,1,3−テトラフルオロ−3−クロロプロパンを不均化触媒(五ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化アルミニウム)存在下不均化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
22.特開平10−72382号公報;
フッ素化触媒がアンチモン、ニオブおよびタンタルから選ばれる1種以上の元素のハロゲン化物を含むフッ素化触媒の存在下に、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素で液相フッ素化することによる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法において、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素とともに反応器に連続的に供給し、フッ素化生成物を気相から連続的に抜き出し、かつ反応系中に存在するフッ素化触媒に対する1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの濃度を200モル%以下で反応させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
23.特開平10−87523号公報;
気相において、実質的に1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(CF3 CH=CHCl)を生じさせる第1段階と、液相において、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンに変換させる第2段階とを含むことを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(CF3 CH2 CHF2 )のより効率的な製造方法について報告している。
24.特開平10−101594号公報;
5価のアンチモンのハロゲン化物を第一成分とし、他の金属ハロゲン化物を第二成分とするフッ素化触媒の存在下、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素によりフッ素化することを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造法について報告している。
25.特開平11−158089号公報;
液相中で、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(F240fa)、F240faの一部をフッ素化した誘導体、1,1,3,3−テトラクロロ−1−プロペン(F1230za)または1,3,3,3−テトラクロロ−1−プロペン(F1230zd)の中から選択される化合物Aとフッ化水素とを反応させることによる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法であって、触媒として、チタンをベースとする化合物を使用することを特徴とする方法について報告している。
26.特開平11−180908号公報;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを無触媒
でフッ化水素と反応させて主として1,1,1−トリフルオロ−3−クロロプロペン及び/又は1,1,1,3−テトラフルオロプロペンからなる中間体を得、さらにこれを触媒(クロムのフッ化物又はそのオキシフッ化物)存在下でフッ素化することにより1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを得る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
27.特開2000−95714号公報;
1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1,1,3,3−テトラクロロプロペン及び1,3,3,3−テトラクロロプロペンから選ばれる1種以上の原料を触媒(酸化フッ化クロム触媒及び/または酸化フッ化アルミニウム触媒)の存在下にフッ化水素でフッ素化するにあたり、反応系に供給する前記原料及びフッ化水素として、脱水されているものを用いる、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン及び/又は1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの製造方法について報告している。
28.特開2000−143561号公報;
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをアンチモン、タンタル、ニオブ、モリブデン、スズ、チタンのハロゲン化物から選ばれた高原子価金属ハロゲン化物を担持した活性炭からなる触媒の存在する反応領域においてフッ化水素で気相フッ素化することからなる1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法について報告している。
29.特開2001−58967号公報;
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び叉は不飽和結合を有する他のハロゲン化炭化水素からなる不飽和不純物を含む1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを、活性炭触媒の存在下に気相で塩素ガスと接触させ、前記不飽和不純物を塩素付加物に変換してその含有量を低下させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの処理方法について報告している。
30.特開2003−176243号公報;
2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンを、パラジウム、白金及びロジウムのうちから選ばれた少なくとも一種からなる触媒(活性炭、アルミナ、シリカゲル、酸化チタン及びジルコニアのうちから選ばれた少なくとも一種からなる担体に担持したパラジウム、白金及びロジウムのうちから選ばれた少なくとも一種からなる触媒)の存在下に、気相法で水素と反応させ、水素還元することを特徴とする、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン及び/又は1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンの製造方法について報告している。
31.特願平8−504369;
CFyCl3-yCH2CHFwCl2-w(式中、wは0又は1であり、そしてyは0〜3である。)で表される化合物をフッ化水素と、ハロゲン化五価アンチモン、ハロゲン化五価ニオブ、ハロゲン化五価ヒ素及びハロゲン化五価タンタル、混合ハロゲン化五価アンチモン、混合ハロゲン化五価ニオブ、混合ハロゲン化五価ヒ素及び混合ハロゲン化五価タンタル並びにそれらの混合物から成る群より選ばれるフッ素化触媒の存在下、式CF3CH2CF2Hなる化合物を生成させるに十分な条件下で反応させる工程を含んで成る、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造法について報告している。
上記、従来技術からも明らかなとおり、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロペンの製法は大別して、液相触媒フッ素化による方法と気相触媒フッ素化による方法がある。
液相触媒フッ素化は、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン(PCP)を 無水フッ化水素(AHF)を用いてフッ素化するものである。この液相触媒フッ素化では、SbCl5が触媒として用いられ、HFC-245faが高収率で得られるが、このプロセスは反応容器に強い腐食を引き起こし、タール状生成物が触媒の活性を落とすという問題点があった(例えば、非特許文献8、特許文献33参照。)。
これに対して、気相触媒フッ素化による製造法においては、炭素に担持したSbCl5が触媒として優れた活性と選択性を持つことが報告されている(例えば、特許文献34参照。)。
しかし、このような炭素に担持した触媒は、高温での安定性に問題があり、また炭化が生じた場合に再生が困難であるという問題点があった。
これに対して、本発明者らは、不活性多孔性金属フッ化物に担持したSbCl5(ないしアンチモン塩)がHFC-245fa製造の触媒として使えることを明らかにし、特許出願を行なった(特願2004−064929号)。しかし、HFC-245fa製造における触媒活性や選択性という点からは未だ不満足なものであった。
一方、クロム塩は優れた熱安定性と高い活性を示すフッ素化触媒として知られている。しかしながら、HFC-245fa製造における触媒活性や選択性という点からは不十分なものであった(例えば、特許文献35、36参照)。
IPCC 3rd Report (2001), Climate Change 2001(the ScientificBasis), pp 388 M. C. Bogdam, D. J. Williams, and P. Verbiest. "Utilization ofHFC-245fa in Spray Form" presented at Polyurethanes Expo’98, September17-20,1998 Sekiya, Akira, Misaki, Susumu, J. Fluorine Chem. 101(2000)215-222, Brisdon, Alan K.; Crossley, Ian R., Chem. Commun.,20,2002,2420-2421 Peter B. Logsdon, David J. Williams, The next Step:Commercialization timeline for HFC-245fa, Honeywell report Izvest. Akad. Nauk S.S.S.R. Otdel. Khim. Nauk. 1960,142. N. Tatsuo, Y. Akinori, S. Noriaki, S. Takashi, WO 40335 (1998). O. Keiichi, O. Shuichi, JP10101593 (1998). WO01/036355号公報 WO01/056961号公報 特表平8−511271号公報 特開平7−69943号公報 特開平7−138194号公報 特開平8−73385号公報 特開2001−261593号公報 特開2000−63302号公報 特開平8−104655号公報 特願平7−65159号公報 特願平7−44094号公報 特開平8−337542号公報 特開平9−2983号公報 特開平9−67281号公報 特開平9−110737号公報 特開平9−241188号公報 特開平9−268139号公報 特開平9−268140号公報 特開平9−268141号公報 特開平10−17502号公報 特開平10−72381号公報 特開平10−72382号公報 特開平10−87523号公報 特開平10−101594号公報 特開平11−158089号公報 特開平11−180908号公報 特開2000−95714号公報 特開2000−143561号公報 特開2001−58967号公報 特開2003−176243号公報 特願平8−504369 米国特許第5563304号 米国特許第5574192号 特許第3031465号公報 米国特許第6316681 B1号 米国特許第6018084号
上記のとおり、従来の気相触媒フッ素化法は、含フッ素化合物を合成する方法として工業的に用いられているが、触媒としてクロム塩やフッ化アンチモン担持触媒を使用するので、クロム塩触媒の場合は活性が不十分な場合があり、またフッ化アンチモン担持触媒の場合は担持担体によって安定性に欠け、あるいは活性が十分でないという欠点があった。
したがって、本発明の目的は、高温での安定性が高く、しかも再生が容易であり、かつ、触媒活性や選択性に優れた新規なフッ素化触媒とその製造方法を提供することであり、他の目的はこれら触媒を用いた新規なフッ素化アルカン、特に1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、クロム塩を主成分とする金属塩を高温で塩素また酸素で処理することにより得られる物質がフッ素化触媒として高い活性を示し、HFC-245fa製造における触媒として高い触媒活性や選択性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、具体的には以下のとおりである。
1.クロム塩又は酸化クロムを含有する金属塩を塩素ガス及び/又は酸素ガスで処理して得られるフッ素化触媒。
2.クロム塩又は酸化クロムを含有する金属塩を塩素ガスで処理して得られる上記1に記載のフッ素化触媒。
3.クロム塩が、酸化ハロゲン化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、ハロゲン化クロム、過塩素酸クロム、酢酸クロム、アセチルアセトン酸クロム又はこれらの混合物である上記1又は上記2に記載のフッ素化触媒。
4.クロム塩が、CrCl、CrOaXb(ここで、Xはハロゲン原子を意味し、aは0又は1乃至3、bは0又は1乃至6を意味し、かつ3≦a+b≦6である。)で表される酸化ハロゲン化クロム又はこれらの混合物である上記1乃至3のいずれか1項に記載のフッ素化触媒。
5.上記1に記載の金属塩が、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩、ニッケル塩、鉄塩、コバルト塩、バナジウム塩、マンガン塩、銅塩から選ばれる1以上の触媒的に活性な他の金属塩又は金属酸化物である上記1乃至4のいずれか1項に記載のフッ素化触媒。
6.触媒的に活性な他の金属塩が、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン又は銅のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、珪酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩又は有機酸塩である上記5に記載のフッ素化触媒。
7.触媒的に活性な他の金属塩が、マグネシウム、アルミニウム、又は亜鉛のハロゲン化物から選ばれる1以上の金属塩である上記6に記載のフッ素化触媒。
8.触媒的に活性な他の金属塩が、亜鉛のハロゲン化物であり、かつ全金属塩に対する亜鉛含量が0.1重量%乃至10重量%である上記7に記載のフッ素化触媒。
9.触媒的に活性な他の金属塩が、アルミニウムのハロゲン化物であり、かつ全金属塩に対するアルミニウム含量が0.1重量%乃至20重量%である上記7に記載のフッ素化触媒。
10.触媒的に活性な他の金属塩が、マグネシウムのハロゲン化物であり、かつ全金属塩に対するマグネシウム含量が0.1重量%乃至10重量%である上記7に記載のフッ素化触媒。
11.塩素ガス及び/又は酸素ガスによる処理温度が100℃から500℃℃であることを特徴とする上記1乃至10のいずれか1項に記載のフッ素化触媒。
12.上記1に記載の金属塩が共沈法あるいは含浸法によって調製された金属塩である上記1乃至11のいずれか1項に記載のフッ素化触媒。
13.上記1乃至12に記載のフッ素化触媒の存在下に、塩素、臭素、ヨウ素のうち少なくとも1個のハロゲン原子を有する炭素数1乃至4のアルカン又はアルケンをフッ化水素と反応させるフッ素化アルカン又はフッ素化アルケンの製造方法。
14.少なくとも1個のハロゲン原子を有する炭素数1乃至4のアルカン又はアルケンが、一般式CFyCl3-yCH2CHFwCl2-w(式中、wは0又は1であり、そしてyは0〜3である。)で表される炭素数3のハロゲン化プロパンである上記13に記載のフッ素化アルカン又はフッ素化アルケンの製造方法。
15.1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを上記1乃至12に記載のフッ素化触媒の存在下でフッ化水素と反応させて1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン及び/又は1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造する上記13又は14に記載のフッ素化アルケンの製造方法。
16.1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンまたは1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを上記1乃至8に記載のフッ素化触媒の存在下でフッ化水素と反応させて1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを製造する上記13又は14に記載のフッ素化アルカンの製造方法。
17.酸化ハロゲン化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、ハロゲン化クロム、過塩素酸クロム、酢酸クロムまたはアセチルアセトン酸クロムから選ばれる1以上のクロム塩、又は該クロム塩とマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン又は銅のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、珪酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩又は有機酸塩から選ばれる触媒的に活性な他の金属塩を、共沈法あるいは含浸法によって調製し、100℃から500℃で塩素ガス及び/又は酸素ガスで処理することを特徴とするフッ素化触媒の製造方法。
本発明のフッ素化触媒は高温でも安定であり、HFC-245faあるいはHFC-245fa合成の中間原料などのフッ素化合物を高い転化率、選択率で製造することができる。
本発明の多孔性金属フッ化物は、フッ素化学工業で最も重要な、含フッ素化合物を合成するためのフッ素化触媒に、多孔性フッ化クロムのようなクロム塩に塩素処理することで、安定性が高く高活性な新規触媒を容易に製造することができる。したがって、本発明のフッ素化触媒を使用することにより、例えば、冷媒、洗浄剤、発泡剤といったいわゆるフロン代替物を効率的に製造でき、また、高分子材料、医薬、農薬などにおけるHFC(ヒドロフルオロカーボン)の製造にも、さらなる応用が期待できる。
原料としてのクロム塩は、酸化ハロゲン化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、ハロゲン化クロム、過塩素酸クロム、酢酸クロムまたはアセチルアセトン酸クロムから選ばれる1以上のクロム塩である。好ましくは、フッ化クロム又はCrOaXb(ここで、Xはハロゲン原子を意味し、aは0又は1乃至3、bは0又は1乃至6を意味し、かつ3≦a+b≦6である。)で表される酸化ハロゲン化クロム、好ましくは酸化フッ化クロムである。
原料としての金属塩は、主成分としてのクロム塩(又は酸化クロム)の他に、更に、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩、ニッケル塩、鉄塩、コバルト塩、バナジウム塩、マンガン塩、銅塩から選ばれる1以上の触媒的に活性な他の金属塩又は金属酸化物を含んでいてもよい。
これら触媒的に活性な他の金属塩の形態は、特に限定するものではないが、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、珪酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩又は有機酸塩であることが望ましい。
クロム塩の全金属塩に対する割合は、30重量%乃至100重量%、特に好適には50重量%乃至90重量%である。
クロム塩以外の金属塩の含有量に特に制限は無いが、亜鉛塩では亜鉛含量として好ましくは0.1
重量%から10重量%、さらに好ましくは0.5重量%から3重量%であり、アルミニウム塩ではアルミニウム含量として好ましくは0.1重量%から20重量%、さらに好ましくは1重量%から5重量%であり、マグネシウム塩ではマグネシウム含量として好ましくは0.1重量%から10重量%、さらに好ましくは0.5重量%から3重量%である。
金属塩の表面積に特に制限はないが、好ましくは90m2/g 以上、さらに好ましくは150m2/g 以上が好ましい。
金属塩を調製する方法に特に制限は無いが、金属水酸化物のゲルを焼成して金属酸化物を調整する方法や、金属酸化物等をさらにフッ化水素処理して金属フッ化物、金属酸化フッ化物とする方法が例示できる。例えば、金属水酸化物のゲルを焼成する場合には、通常窒素雰囲気下100℃から500℃、好ましくは300℃ら500℃で焼成される。フッ化水素処理では、金属酸化物等にフッ化水素、または窒素ガスやアルゴンガスなどの希釈ガスで希釈したフッ化水素を接触させればよい。フッ化水素処理の温度は室温から500℃、好ましくは50℃から350℃で行われる。フッ化水素の量に特に制限は無い。残存したフッ化水素は窒素気流を流して除去できる。
これらのクロム塩又は酸化クロムを主成分とする金属塩を塩素及び/または酸素で処理することにより、その化学組成が変化して触媒として好適な金属塩物質が得られる。塩素または酸素処理で得られる物質は、驚くべきことに処理前の金属塩より触媒活性が著しく高かった。このような塩素及び酸素は酸化剤であるため、表面処理により、含有するクロムの価数がより高くなることが考えられる。しかし、同様に酸化剤であるフッ素ガスで処理した物質では、触媒活性の向上は見られなかった。このように、塩素ガス及び/または酸素ガス処理で触媒活性が高くなる理由は定かではないが、塩素または酸素処理により金属塩表面組成が変化し、触媒活性が高くなったと考えられる。なお、化学組成の変化は、EDX分析(エネルギー分散型X線分析;真空中に置いた試料表面に電子線を照射したときに試料から発生する特性X線を検出することで、試料の定性・定量分析や構成元素を分析する。)などにより確認できる。
処理剤としては塩素ガスまたは酸素ガスなどが例示でき、より好ましくは塩素ガスである。酸化処理の温度は100℃から500℃、好ましくは300℃から400℃であり、処理剤の量は触媒の1重量%から15重量%、好ましくは5重量%から10重量%である。
本発明の物質は、フッ素化触媒としてハロゲン化物とフッ化水素との反応によりフッ化物を製造するのに好適に用いることができる。反応としては液相フッ素化、気相フッ素化いずれにも用いることができるが、好ましくは気相フッ素化が好ましい。
原料のハロゲン化物に特に制限はないが、好ましくはハロゲン化物が1から4個の炭素と少なくとも1個の塩素を持つアルケンあるいはアルカンが好ましく、さらに好ましくは一般式CFyCl3-yCH2CHFwCl2-w(式中、wは0又は1であり、そしてyは0〜3である。)で表される炭素数3のハロゲン化プロパンであり、より具体的には1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパン、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペンなどが例示できる。
本発明の触媒を用いて1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンをフッ化水素と気相で反応させることにより、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(いずれも、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造原料として有用である。)に効率よく変換させることができるが、この場合、反応温度は100℃から450℃、好ましくは200℃から300℃である。フッ化水素と1,1,3,3,3−ペンタクロロプロパンとのモル比は1:1から30:1、好ましくは5:1から15:1である。
本発明の触媒を用いて1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをフッ化水素と気相で反応させることにより、HFC-245faに効率よく変換させることができる。この場合、反応温度は100℃から450℃、好ましくは150℃から300℃である。フッ化水素と基質とのモル比は1:1から30:1、好ましくは5:1から15:1である。
実施例
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
1gのZnCl2 、13gのAl(NO3)3・9H2O、360 gの10% CrCl3溶液から共沈法で得た水酸化物を焼成、さらにHF処理して得た混合金属フッ化物塩15 mlをインコネル製反応器に入れ、400℃で4時間塩素を通し、残存する塩素は窒素を通して除去した。
次に、この塩素処理した金属塩15mlを入れた反応器に、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(TTCP)と無水フッ化水素(AHF)を150℃の気化器を通して供給した。生成物は60℃の温水を通してHFとHClを洗浄し、CaCl2乾燥管を通した後にGC(島津社製のGC-14Aを用いた。)で測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いた、塩素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、実施例1と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表1に示す。実施例1と比較して、TTCPの転化率、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の選択率ともに低かった。
混合金属フッ化物塩の原料として0.65gのZnCl、1.0gのMgCl2、8.5gのAl(NO 3 ) 3 ・9H 2 O、240gの10%CrCl3溶液を用いる以外は、実施例1と同様に混合金属フッ化物塩の調製と塩素処理、及びTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表2に示す。
比較例2
実施例2で用いた、塩素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、実施例1と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表2に示す。実施例2と比較して、TTCPの転化率、HFC-245faの選択率ともに低かった。
混合金属フッ化物塩の原料として0.65gのZnCl2 、8.5gの Al(NO3)3・9H2O、240gの10%CrCl3 溶液を用いる以外は、実施例1と同様に混合金属フッ化物塩の調製と塩素処理、及びTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表3に示す。
比較例 3
実施例3で用いた、塩素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、実施例1と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表3に示す。実施例3と比較して、TTCPの転化率、HFC-245faの選択率ともに低かった。
混合金属フッ化物塩の原料として0.65gのZnCl2 、8.5gの Al(NO3)3・9H2O、9.0gのNa2SiO3、240gの10%CrCl3 溶液を用いる以外は、実施例1と同様に混合金属フッ化物塩の調製と塩素処理、及びTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表4に示す。
比較例 4
実施例3で用いた、塩素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、実施例1と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表4に示す。実施例4と比較して、TTCPの転化率、HFC-245faの選択率ともに低かった。
1gのZnCl2 、13gの Al(NO3)3・9H2O、360 gの10% CrCl3 溶液から共沈法で得た水酸化物を焼成、さらにHF処理して得た混合金属フッ化物塩15 mlをインコネル製反応器に入れ、400℃で4 時間酸素を通し、残存する酸素は窒素を通して除去した。
次に、この酸素 処理した金属塩15mlを入れた反応器に、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(TTCP)と無水フッ化水素(AHF)を150℃の気化器を通して供給した。生成物は60℃の温水を通してHFとHClを洗浄し、CaCl2乾燥管を通した後にGC(島津社製のGC-14Aを用いた。)で測定した。結果を表5に示す。
比較例5
実施例5で用いた、酸素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、実施例5と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表5に示す。実施例5と比較して、TTCPの転化率、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の選択率ともに低かった。
比較例6
0.65gのZnCl2 、8.5gの Al(NO3)3・9H2O、240gの10%CrCl3溶液から共沈法で得た水酸化物を焼成、さらにHF処理して得た混合金属フッ化物塩15 mlを反応器に入れ、室温でフッ素ガス処理した。
次に、このフッ素処理した金属塩15mlを入れた反応器に、トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(TTCP)と無水フッ化水素(AHF)を150℃の気化器を通して供給した。生成物は60℃の温水を通してHFとHClを洗浄し、CaCl2乾燥管を通した後にGC(島津社製のGC-14Aを用いた。)で測定した。結果を表6に示す。
比較例7
比較例6で用いた、フッ素処理前の混合金属フッ化物塩を用い、比較例6と同様にTTCPのフッ素化反応を行った。結果を表6に示す。
フッ素処理を行ってもTTCPの転化率、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)の選択率の向上は見られなかった。
実施例3で触媒に用いた金属フッ化物塩の塩素処理前後でのEDX分析(日立社製のS4800及び堀場社製のEMAX Energy EX-320Sを用いた。)を行ったところ、表7に示したとおり、塩素処理前後でその表面における化学組成が変化していることが認められた。
実施例5で触媒に用いた金属フッ化物塩の酸素処理前後でのEDX分析を行ったところ、表8に示したとおり、塩素処理前後でその表面における化学組成が変化していることが認められた。
比較例8
比較例6で触媒に用いた金属フッ化物塩のフッ素処理前後でのEDX分析を行ったところ、表9に示したとおり、フッ素処理前後でその表面における化学組成が変化していることが認められた。
本発明のフッ素化触媒は高温でも安定であり、HFC-245faあるいはHFC-245fa合成の中間原料などのフッ素化合物を高い転化率、選択率で製造することができる。
したがって、本発明のフッ素化触媒を使用することにより、例えば、冷媒、洗浄剤、発泡剤といったいわゆるフロン代替物を効率的に製造でき、また、高分子材料、医薬、農薬などにおけるHFC(ヒドロフルオロカーボン)の製造にも、さらなる応用が期待できる。

Claims (3)

  1. 酸化ハロゲン化クロム、硝酸クロム、硫酸クロム、ハロゲン化クロム、過塩素酸クロム、酢酸クロムまたはアセチルアセトン酸クロムから選ばれる1以上のクロム塩とマグネシウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、マンガン又は銅のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、珪酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩又は有機酸塩から選ばれる触媒的に活性な他の金属塩を、共沈法によって水酸化物となし、これを焼成し、フッ化水素処理し、更に100℃から500℃の処理温度で塩素ガス処理して得られるフッ素化触媒の存在下に、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンまたは1,3,3,3−テトラフルオロプロペンとフッ化水素と反応させることを特徴とする1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  2. クロム塩が塩化クロムである請求項1に記載の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
  3. 金属塩が、マグネシウム、アルミニウム又は亜鉛のハロゲン化物から選ばれる1以上の金属塩であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの製造方法。
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