JPH0761720B2 - レーザ作像装置及び作像方法 - Google Patents

レーザ作像装置及び作像方法

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JPH0761720B2
JPH0761720B2 JP61117129A JP11712986A JPH0761720B2 JP H0761720 B2 JPH0761720 B2 JP H0761720B2 JP 61117129 A JP61117129 A JP 61117129A JP 11712986 A JP11712986 A JP 11712986A JP H0761720 B2 JPH0761720 B2 JP H0761720B2
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laser diode
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マイクル マツクエーデ ジヨン
レオ ペイドシユ リチヤード
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチュアリング コンパニ−
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    • H04N1/46Colour picture communication systems
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はカラー写真像を作るための装置と方法に関する
ものである。もつと詳細にいえば、本発明は、レーザ光
源を用いて、デイジタル・データ・ベースまたはアナロ
グ・データ・ベースから、このような像をつくるための
装置と方法に関するものである。
[従来の技術とその問題点] 米国特許第4,346,401号は、3個のガス・レーザを使用
し、これらのレーザのおのおのが3原色のうちの1つの
色に対応する電磁波スペクトルの可視領域内の光を放射
し、これらにより、カラーフイルム上に、完全カラーで
かつ階調が連続的である像を作る装置と方法を開示して
いる。現像をすると、電磁波スペクトルの可視領域の任
意の色をフイルム上に作ることができる。ガス・レーザ
の出力を変調することにより、レーザが放射する光の強
度が変えられ、それによつてカラーフイルムの露光量と
このフイルムが現像されたさいに生ずる色の濃度が変わ
り、このようにして色の階調を連続的に変えることがで
きる。
この装置はカラー像をつくるのに効果的であるが、3つ
の大きな欠点をもつている。第1の欠点は、ヘリウム・
ネオン・レーザと、アルゴン・レーザと、ヘリウム・カ
ドミウム・レーザとをそなえなければならないことであ
る。これらのレーザはいずれも比較的高価であり、また
寿命が短く、かつ特別の注意と特別の取り扱いを必要と
する。第2の欠点は、それぞれのレーザに対して外部変
調装置をそなえなければならないことである。それは、
それぞれのレーザが放射する光の強度を、直接には変調
できないからである。外部変調装置はまた高価であるの
で、装置全体のコストは何倍にもなる。第3の欠点は、
従来のカラー・フイルムを用いることである。このため
に、作像工程では、フイルムが露光しないように、可視
光線にさらされない条件下で実行しなければならない。
さらに、作像工程のために特別の暗室を用意し、そして
外部の光が不注意によつて入つてこないように、入口と
出口の管理を常時行なわなければならない。
米国特許第4,416,522号は、従来のカラー・フイルムを
使用したときのこれらの問題点を解決した装置と方法を
開示している。この特許では、スペクトルの非可視領域
の光で露光すると、可視領域の色が現われてくるという
カラー・フイルムを使用する。したがつて、現像された
フイルムの中に生ずる色素の色は、このフイルムが露光
されるスペクトル(非可視領域)とは異なるスペクトル
(可視領域)に属している。このようなフイルムを使用
すれば、非可視スペクトルの中のいろいろな部分を露光
用の光として選定するとができ、そしてフイルムを現像
する時、フイルムを昼光にさらしても、スペクトルの可
視領域のカラー像を支障なく生ずることができる。フイ
ルムの乳剤層が感光しうる非可視領域の波長の光をいく
つも有する広帯域の光ビームを放射するランプによつ
て、フイルムの露光が行なわれる。フイルムを特定の波
長をもつた光で露光するには、ランプとフイルムの間
に、着目する波長の光以外はすべて除去するフイルタを
置けばよい。ランプが発生する光ビームの強度を変え
て、フイルムの露光量が変えられ、そしてこのことによ
つて、発生する色の濃さが変えられる。このような露光
量の変化をうるには、露光用光ビームに対してフイルム
を移動させる速度を大きくするまたは小さくすることに
よつて、フイルムの特定の部分が光ビームで露光される
時間を変えることで行なわれる。
この装置には、2つの主要な欠点がある。その第1は、
個別の色を生ずるためにはフイルタを交換しなければな
らないが、このこと自身がそう急速にはできなく、そし
てまた、現像によつてフイルム上に3原色を生ずるため
には、フイルムの表面を3回フイルタで覆わなければな
らないので、工程がどうしても遅くなることである。第
2は、光ビームとフイルムとの相対速度を大きくするま
たは小さくすることによつて露光用光ビームの強度をを
変調することは、コストが高価になることである。それ
は、サーボ電動機とその制御装置とを、フイルム表面上
のx座標とy座標とのおのおのに対して、そなえなけれ
ばならないからである。
[問題点を解決するための手段] 本発明ではレーザ作像装置にレーザダイオードを用いる
ことにより、ガス・レーザを使用したさい必要であつた
コストの高い外部変調装置を使わなくてよくなる。ま
た、写真素子をレーザ光で露光を行なうことにより、こ
の写真素子上に多重色でかつ連続階調の像をうることが
できる。
この写真素子は、基板と、この基板の1つの表面上に少
なくとも2つの重ね合わされた感光乳剤層とを有する。
これらの乳剤層のおのおのは、露光されそして酸化され
た写真現像剤での反応処理によつて現像されると異なつ
たカラー色素を形成しうる。それぞれ異なつた写真着色
剤を有する。これらの乳剤層のおのおのは電磁波スペク
トルの異なつた波長に対して感光度を有する。このレー
ザ作像装置は複数個のレーザ・ダイオードを有してい
る。このレーザ・ダイオードの総数は感光層の総数に等
しい。これらのレーザ・ダイオードのおのおのは特定の
波長の光を放射する。この特定の波長はレーザ・ダイオ
ードごとに異なつており、かつ、これらの特定の波長は
それぞれの感光層が感光度をもつている波長に対応して
いる。また、このレーザ作像装置はレーザ・ダイオード
によつて放射される光の強度を連続的に変調するための
変調装置を有している。この変調により、カラー色素形
成感光層の露光が変調され、それによつて現像したさい
の色の濃さが変わる。また、このレーザ作像装置はレー
ザ・ダイオードによつて放射された光を写真素子に向け
て進めるための指向装置と、この光を1点に集光するた
めの結像装置と、この光の点を写真素子の表面を横断し
て横方向に走査するための走査装置とを有している。ま
た、このレーザ作像装置は写真素子と走査光ビームとを
走査方向に垂直な方向の移動成分をもつ方向に移動させ
るための送り装置を有している。このことにより感光層
の全領域がレーザ・ダイオード光ビームで露光すること
ができ、そしてレーザ・ダイオード光ビームによる感光
層のこの露光によつて像がつくられる。つくられた像は
完全カラーである。このさい、写真素子内の複数個のカ
ラー色素をいろいろと組み合わせてえられる可能な全カ
ラー空間内の色が、複数個のレーザ・ダイオードからの
光の強度をさまざまに組み合わせることによつてうるこ
とができる。えられる像の階調は連続的である。この
時、任意の色の濃度は、複数個のレーザ・ダイオードを
同時にかつ独立に変調することによつて、したがつて、
各感光層の露光量を変調することによつて決定される。
完全カラーでかつ連続階調の像をうる方法は、レーザ源
をそなえる段階と、このレーザ源から放射された光を写
真素子に進める段階と、レーザ源のおのおのによつて放
射されそして写真素子に向つて進む光の強度を連続的に
変調する段階とを有する。このレーザ源の数は写真素子
上の感光層の総数に等しい。これらのレーザ源は、レー
ザダイオードからなり、そのおのおのはそれぞれ異なつ
た波長の光を放射する。これらの波長はそれぞれの感光
層が感度を有している波長に対応している。レーザ・ダ
イオードから放射された光が写真素子に進むことによ
り、おのおののレーザ・ダイオードからの光が感光層の
おのおのを露光し、写真現像剤で反応処理をすると、そ
れぞれの感光層の中に色が生ずる。おのおののレーザ・
ダイオードによつた放射された光の強度を連続的に変調
することにより、写真現像剤で反応処理されて生ずる色
の濃度は、これに対応して、階調が連続的に変調され
る。この方法はさらに、これらのレーザ・ダイオードに
よつて放射された光を1つの光ビームに組み合わせる段
階と、レーザ・ダイオードによつて放射された光で写真
素子を横断する段階と、写真素子を前記横方向と垂直な
方向の成分をもつた方向に前記横断段階と同時に移動さ
せる段階とを有する。
[実施例] 添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明しよ
う。添付図面において、類似の部品には同じ参照番号が
つけられている。
第1図に示されているように、本発明は10で全体的に示
された、レーザ作像装置を有する。このレーザ作像装置
は3個のレーザ・ダイオード12,12aおよび12bを有し、
これらのレーザ・ダイオードは電磁波スペクトルのうち
の赤外領域の電磁波を放射する。この赤外領域の電磁波
の波長は、780nm、830nmおよび880nmであることが好ま
しい。これらの赤外光線は組み合わされて1つの光ビー
ム14になり、そしてこの光ビーム14は、回転するまたは
振動する単一表面鏡または多重表面鏡によつて、写真素
子リセプタ表面16を走査する。
好ましい実施例において、写真素子16は、電磁波スペク
トルの可視領域内に含まれる放射線すなわち可視光線で
露光されることなく、電磁波スペクトルの赤外領域の光
で露光されることによつて、目で見ることができ、か
つ、完全カラーであり、さらに連続階調を有する像をつ
くることができる。このことは写真素子16を少なくとも
3つの感光層で構成することによつて達成される。この
感光層が3つあるというこの3という数は、レーザ・ダ
イオード12,12aおよび12bの総数に対応している。それ
ぞれの感光層は、レーザ・ダイオード12,12aまたは12b
のうちの1つのダイオードによつて放射される赤外線で
露光されると、加法混色の原色(赤、青、または緑)の
うちの1つ、または減法混色の原色(シアン、マゼン
タ、または黄)のうちの1つの色を生ずることができ
る。
少なくとも3つの感光層を重ねることによつて、すなわ
ち、露光と現像によつて発色した加法混色の原色または
減法混色の原色を重ね合わせることによつて、完全カラ
ー像がえられる。3つの感光層のそれぞれに対する露光
比を変えることにより、および加法混色の原色または減
法混色の原色のうちの1つまたは複数個が存在するまた
は存在しない比率を変えることにより、いろいろな色を
発色させることができる。
現像により発色する重ね合わされた色の濃度を制御する
ことにより、連続階調を有する像がえられる。この色濃
度は、レーザ・ダイオード12,12aおよび12bが生ずる光
の強度を同時にかつ独立に変調することにより、したが
つて、すべての感光層の全体にわたる露光を変調するこ
とにより、制御される。
写真素子 第3図は好ましい写真素子16の一部分の横断面の拡大図
である。この写真素子16は、支持体20と、第1感光乳剤
層22と、第1ゼラチン層間体24と、第2感光乳剤層26
と、第2ゼラチン層間体28と、第3感光乳剤層30と、第
3ゼラチン層間体32と、保護用ゼラチン表面被覆体34と
を有する。支持体20は樹脂で被覆された写真用の標準紙
であることが好ましいが、透明なポリエチレン・テレス
フタル酸塩であることができる。第1感光乳剤層22は88
0nmの波長の光に対して感光度を有する。第2感光乳剤
層26は830nmの波長の光に対して感光度を有する。第3
感光乳剤層30は780nmの波長の光に対して感光度を有す
る。
乳剤層22,26および30は、塩化銀、臭化銀、ヨウ臭化
銀、塩臭化銀、塩臭ヨウ化銀、およびこれらの混合体の
ような、通常に用いられるいろいろな種類の写真用ハロ
ゲン化銀乳剤のいずれかであることができる。
乳剤層22,26または26のおのおのを赤外線スペクトルの
中の選定された特定の波長に大きな感度をもつように、
選定された増感用色素を用いることが極めて重要であ
る。多数の色素が、電磁波スペクトルの赤外線領域のい
ろいろな部分で、ハロゲン化銀乳剤を増感することが知
られている。シアニンおよびメロシアニンは、ハロゲン
化銀乳剤を有するいろいろな形式の作像装置に対する赤
外線増感剤であるとして文献によく引用されている。通
常の色素構造体は、対称的または非対称的に置換され
た、ジカルボシアニンおよびトリカルボシアニンであ
り、これらの色素の助色団部分は、レピジン、キノリ
ン、ナフトシアゾルまたはベンゾシアゾルである。色素
分子の剛体性と安定性を増すために、複素環式化合物を
また導入することができる。
さらに、乳剤層22,26または30のそれぞれは、異なつた
カラー写真発色剤を有しなければならない。これらのカ
ラー写真発色剤は、酸化されたカラー写真現像剤との反
応によつて現像されるさい、異なつたカラー色素を形成
することができる。これらの色素形成発色剤は、3つの
乳剤層22,26および30のそれぞれの中において、減法混
色の3原色(黄、マゼンタおよびシアン)のうちの1つ
を形成するように選定されるのが普通である。最も効果
の高い発色剤は拡散しなく、かつ、着色していない発色
剤であつて、これらはいろいろな種類のB・ケト・カル
ボキアミド(黄発色剤)、1・アリール・5・ピラゾロ
ン(マゼンタ発色剤)およびフエノールまたはナフトー
ルのいずれか(シアン発色剤)から選定される。
前記のように、層間体24,28および32と表面被覆層34は
ゼラチンであるが、もし硬さや拡散性のような物理的特
性が適切であるならば、他の親水性の結合剤または疎水
性の結合剤を用いることができる。ゼラチン層24,28,32
および34はまた、先行技術においてよく知られているよ
うに、硬化剤、U.V.吸収剤および酸化防止剤を含有する
ことができる。
前記の写真素子16は、もし乳剤層22,26および30に用い
られる増感用色素がレーザ・ダイオード12,12aおよび12
bによつて放射される単色光線に対応した事実上単色の
吸収曲線を有するならば、本発明を実施するのに極めて
適切である。けれども、乳剤層22,26および30の中に含
有されている個々の色素は、レーザ・ダイオード12,12a
および12bが放射する光に対応する波長で最大感光度を
有するように選定されるが、これらの増感用色素は最大
感光度をもつ波長のまわりに数ナノメートルから数百ナ
ノメートルの範囲にわたつて吸収領域を有している。前
記で引用した増感用色素に対応する吸収曲線の特徴的な
形として、感光度最大のピークから電磁波スペクトルの
短波長側へ150ナノメートルから300ナノメートルだけ増
感域が大きく延びており、そしてまた感光度最大のピー
クから電磁波スペクトルの長波長側へ約50ナノメートル
から70ナノメートルだけ増感域が少し延びている。前記
で引用した特定の色素以外の増感用色素も同様の吸収曲
線を有していることがわかつている。
典型的なレーザ・ダイオードは750ナノメートルから950
ナノメートルの間の波長の光を放射する。前記のよう
に、作像装置10に用いられる特定のレーザ・ダイオード
12,12aおよび12bは約780ナノメートル、約830ナノメー
トルおよび約880ナノメートルの光を放射するように選
定された。これらのレーザ・ダイオードが放射する光の
間の間隔は50ナノメートルに過ぎなく、この間隔は写真
乳剤の多重層22,26および30に全く異なつた感光度領域
を持たせるには小さ過ぎる。乳剤層22,26または30のそ
れぞれの中に含有されている増感用色素のおのおのは、
レーザ・ダイオード12,12aまたは12bのそれぞれが放射
する光に相当に精密に対応するように選定することがで
きるけれども、これらの増感用色素の吸収曲線が重なつ
ているので、他のレーザ・ダイオードが放射する光の波
長に対しても増感効果をもつ。特に、完全カラー像をえ
ようとする写真素子16では、増感効果がこのように重な
つていると、単一の波長の光によつて多重層22,26およ
び30に偽像が形成されるので、カラー再生の忠実度が悪
くなる。
この偽像形成の問題点を解決するために、乳剤層22,26
および30が、それらの感光度に従つて、特定の順序に配
置される。最も短い波長に対して感光度をもつ増感用色
素を含有した乳剤層が基板20から最も遠い乳剤層30の中
に配置され、そして最も長い波長に対して感光度をもつ
色素を含有した乳剤層が基板20に最も近い乳剤層22の中
に配置される。乳剤層22,26または30が、ただ1つの他
の層を露光する目的の光で照射されることにより生ずる
偽像は、乳剤層22,26または30が異なる波長の赤外線に
対して感光度をもつスピードの差を大きくすることによ
り、またはゼラチン層間体24,28または32の中に一定領
域の赤外線を吸収する赤外線フイルタをそなえることに
より、または1つの写真素子16の中にスピードの差とフ
イルタとの両方を組み合わせることにより、その発生が
防止される、または偽像の発生が小さくされる。
もし偽像の発生を小さくするまたは発生させないこと
が、フイルタ層によつて行なうのでなく、乳剤層22,26
および30の間のスピードの差によつて行なうことが要求
されるならば、3つの乳剤層22,26および30のおのおの
が2と8の間のコントラストをもち、そして写真スピー
ドが互いに異なること、例えば、光学的濃度1.3におい
て、乳剤層30のスピードが乳剤層26のスピードより少な
くとも0.2log E単位だけ速く、かつ、乳剤層26のスピー
ドが乳剤層22のスピードより少なくとも0.2log E単位だ
け速い、ことが必要である。
本発明の乳剤層22,26および30の中のコントラストが高
くなればなる程、スピードの差の必要度が小さくなる。
例えば、乳剤層22,26および30に対しコントラストが8
の場合、最大感光度の波長において0.2log E単位のスピ
ード差で十分であろう。けれども、コントラストが約4.
5以下の場合、スピードの差は少なくとも0.4log E単位
でなければならず、そしてコントラストが約2と4の間
にある場合には、スピード差は少なくとも0.5log E単位
でなければならない。
もし偽像を消すのに、乳剤層のスピードを用いるのでな
く、フイルタ層を用いて行なうことが要求されるなら
ば、乳剤層22と乳剤層26との間に1つのフイルタ層を配
置し、かつ、乳剤層26と乳剤層30との間に他のフイルタ
層を配置し、乳剤層22と乳剤層26との間に配置された前
記1つのフイルタ層は乳剤層26の最大感光度の領域と重
なる領域の赤外線を吸収するが乳剤層22が増感されてい
る赤外線の40%以上を吸収しなく、かつ、乳剤層26と乳
剤層30との間に配置された前記他のフイルタ層は乳剤層
30の最大感光度の領域と重なる領域の赤外線を吸収する
が乳剤層26が増感されている赤外線の40%以上を吸収し
ないことが必要である。
フイルタ色素と、それらを写真素子の中に組み込む方法
とは、文献に詳しく開示されている。もしこのような色
素が用いられるならば、これらの色素はそれらの赤外線
フイルタ特性に基づいて選定が行なわれ、それにより適
切な波長の吸収または透過を確実に行なわなければなら
ず、また退色しない特性を持たねばならず、そして脱色
可能またはろ波可能であるべきである。
偽像を防止するまたは小さくするこれら2つの方法は、
1つの写真素子の中で組み合わせることが可能である。
例えば、隣接する乳剤層の対22と26、または26と30、の
うちの1つの対の間にフイルタ用色素を組み込み、か
つ、隣接する乳剤層のもう一方の対の間でコントラスト
とスピードの制御を行なうことである。
レーザ・ダイオードと結像装置 第1図はレーザ作像装置10の概要図である。このレーザ
・ダイオード結像装置10は3個のレーザ・ダイオード1
2,12aおよび12bを有する。これらのレーザ・ダイオード
12,12aおよび12bのおのおのに対し、レーザ・ダイオー
ド12,12aおよび12bのおのおのが放射する光を制御し、
集光しおよび組み合わせるために、いろいろな素子が用
いられる。レーザ・ダイオード12,12aおよび12bとそれ
らに付随する素子の動作は同じであるので、下記の説明
を簡略かつ明確にするために、3組の素子のうちの1組
だけについて説明することにする。けれども、1つの素
子を取り上げて説明しても、それは3組の素子に対する
説明であることを断つておく。例えば、レーザ・ダイオ
ード12について考察することは、また、レーザ・ダイオ
ード12aおよびレーザ・ダイオード12bを考察することで
もある。
本発明に用いられるレーザ・ダイオード12の出力は少な
くとも3ミリワツトであり、その出力の好ましい値は15
ミリワツトから30ミリワツトである。レーザ・ダイオー
ド12のダイナミツク・レンジは少なくとも20:1であり、
そのダナミツク・レンジの好ましい値は30:1である。ダ
イオード12が放射する光は、電磁波スペクトルの中の約
750ナノメートルと約900ナノメートルとの間の赤外線領
域の光であることが好ましい。この条件に適合するレー
ザ・ダイオード12は、市販品としては、日立(東京、日
本)、三菱(東京、日本)、RCA(ランカスタ、PA)、
シヤープ(大阪、日本)およびフイリツプス(アインド
ホーベン、オランダ)の製品がある。
レーザ・ダイオード12が放射する光は、それが利用可能
であるためには、低レベル値と高レベル値との間で変調
可能でなければならない。このことにより、前記のよう
に、写真素子16の露光量を変えることができ、したがつ
て、写真素子16を構成している感光層22,26および30の
色濃度が変わる。レーザ・ダイオードが放射する光の変
調は、駆動回路38からレーザ・ダイオード12に供給され
る順方向バイアス電流36を変えることによつて、実行さ
れる。駆動回路38は3つの入力によつて制御される。こ
の3つの入力は駆動回路38によつて加算される。この3
つの入力によつて、レーザ・ダイオード12に供給される
順方向バイアス電流36の値が決定される。
駆動回路38に供給される信号のうちの1つはアナログ信
号40である。このアナログ信号40はアナログ・ビデオ・
データ信号源から直接に供給されるか、またはDA変換器
42から供給される。このDA変換器42は、例えば、アナロ
ジツク・コーポレーシヨン社(ウイツクフイールド、M
A)によつて製造されている型式第AH8308TのDA変換器で
あることができる。このDA変換器42の目的は、画像情報
を含んだデイジタル・データを、駆動回路38が利用でき
るアナログ信号40に変換することである。
例えば、アナログ・データは、このレーザ・ダイオード
作像装置と正しく同期して動作するビデオ・カメラまた
はビデオ表示装置から供給されることがあるし、または
デイジタル・データは、医療用作像装置、気象衛星また
は軍事衛星、ビデオ・カメラ、光デイジタイザ、または
当業者には周知のように像が多数の画素すなわちピクセ
ルとして記憶されたコンピユータ・メモリから供給され
ることもある。このデイジタルル・データはランダム・
アクセス・メモリ、磁気デイスク、光デイスクおよびこ
れらと同等の装置の中に記憶されることが可能である。
駆動装置38に対する第2入力44は、電動機制御装置46か
ら供給される。この電動機制御装置46は、回転運動また
は振動運動を行なう、1面鏡または多面鏡18に連結され
る。鏡18は多面鏡であることが好ましい。この鏡18が回
転することにより、レーザ・ダイオード12の組み合わせ
光ビーム14が、写真素子16を横断して走査する。多面鏡
18に関する重要な問題点は、多面鏡の反射面毎に反射率
が異なることである。もしこのことが補正されないなら
ば、この反射率の違いにより組み合わせ光ビーム14の強
度が変わることになり、したがつて、写真素子16の露光
量が変動することになる。この問題点を解決するため
に、回転鏡18の個別の反射面に関する反射率の情報と反
射面をカウントする性能とを有する電動機制御装置46が
そなえられる。この情報は入力信号44の中に含まれてお
り、そしてこの情報により、光ビーム14が当たる特定の
鏡反射面の反射率に応じて、駆動回路38によりレーザ・
ダイオード12が放射する光の強が大きくまたは小さくさ
れる。もちろん、ただ1つの鏡反射面が用いられている
場合には、または鏡反射面間の反射率の違いが無視でき
る程小さい場合には、この第2入力44はなくてもよい。
駆動回路38に対する第3入力は赤外線光電セル50からの
ものである。この赤外線光電セル50は、レーザ・ダイオ
ード12の出力光ビーム54からその一部分が取り出された
部分光ビーム52を受け取つて、信号を生ずる。この部分
光ビーム52は、光ビーム・スプリツタ56によつてえられ
る。この光ビーム・スプリツタ56はMelles Griot of Ir
ving社、CAによつて製造されたクローム形中性濃度フイ
ルタ(chrome−type neutral density filter)または
立方体形光ビーム・スプリツタであることができる。こ
の赤外線光電セル50は必要である。その理由は、半導体
レーザ・ダイオード12は、バイアス電流レベルが一定で
あつても、温度による効果や特性の経時変化や、または
モード・ホツピングの現象により、その出力光が変動す
るからである。このモード・ホツピングの現象というの
は、レーザ・ダイオード12のレーザ共振器の中で1つの
共振モードから他の共振モードへ変わる現象であり、こ
のために、波長とレーザ発振効率が少し変わる。これら
の効果を補正し、そしてレーザ・ダイオード12によつて
放射される光の安定性を保持するために、フイードバツ
ク装置が用いられる。
このフイードバツク装置では、赤外線光電セル50はレー
ザ・ダイオード12の出力を常時監視し、そしてこのフイ
ードバツク装置が入力信号48に応答することによつてレ
ーザ・ダイオード12を制御し、それにより、レーザ・ダ
イオード12を安定に動作させる。このフイードバツク装
置は、部分光ビーム52に応答して、レーザ・ダイオード
12の出力強度を事実上瞬間的に変えることができる。そ
して、レーザ・ダイオード12のバイアス電流に対する放
射光強度の特性の長時間変化または短時間に関係なく、
フイードバツク装置はレーザ・ダイオード12の出力光ビ
ーム15の強度を一定に保持することができる。
この形式の持続的フイードバツク制御を実行するための
技術と回路装置は、M.Lutz,B.ReinerおよびH.P.Vollmer
名で非衝撃印刷技術の進歩に関する第1回国際会議(Fi
rst International Congress on Advances in Non−Imp
act Printing Technology)、イタリー、ベニス(1983
年7月22日−26日)に提出された論文 「Modulated Light Source for Recording With GaAlAs
−Lasers」、およびD.R.PattersonおよびR.B.Childs名
の論文「Semiconductor Lasers Reach for Maturity:Ap
plications in Fiber Optic Communications」、Photon
ics Spectra,83頁−87頁(1982年4月)に開示されてい
る。駆動回路38に対する3つの入力40,44および48によ
つて、レーザ・ダイオード12の出力ビーム54が、常時、
変調され、かつ、回転鏡18の反射率の変動が補正され、
そしてまた、レーザ・ダイオード12それ自身の動作特性
の変動が補正される。このように、2つの補正用入力44
および48によつて、ダイオード12の出力が極めて精密に
制御される。
レーザ・ダイオード12から放射される出力光ビーム54
は、作像装置10の光学装置が持つていなければならない
特性を有している。前記で説明した形式のレーザ・ダイ
オード12は発散性の出力光ビーム54を生ずる。さらに、
半導体接合に平行な光ビームの成分は、接合に平行な光
ビーム54の成分よりも、共振器内の異なる位置にある光
源から発生するように見えるので、出力光ビーム54は強
い非点収差性を有する。出力光ビーム54のこれらの特性
を補正するために、作像装置10はコリメータ・レンズ58
と円柱形レンズ装置60とをそなえている。コリメータ・
レンズ58により、光ビーム54は発散性の光ビームから平
行光ビームに変わり、そして円柱形レンズ装置60によ
り、光ビーム54の非点収差性が補正され、光ビーム54の
横断面内の形が円形になる。
光ビーム54が、円柱形レンズ装置60を通つた後、中性濃
度減衰器62を通る。この減衰器62により、レーザ・ダイ
オード12の出力光が写真素子16の特性に整合する。レン
ズ58および60と減衰器62は出力光ビーム54の特性を変え
るから、光ビーム・スプリツタ56をこれらの素子の1つ
または全部とレーザ・ダイオード12との間に配置するこ
とにより、光電セル50に入射する光ビーム52が、ダイオ
ード12によつて実際に放射される光ビームをよりよく表
すという利点がえられる。レーザ・ダイオード12,12aお
よび12bによつて放射されるそれぞれの光ビーム54,54a
および54bは、光ビーム組み合わせ器64および66によつ
て、組み合わされて1つの光ビーム14になる。この光ビ
ーム組み合わせ装置64および66は光ビーム・スプリツタ
56と同じ素子であることができる。これらの光ビーム組
み合わせ装置によつてえられた1つの光ビーム14は、3
つの好ましくは平行であるが独立な光ビームを有する、
ろ波長光ビームである。もし必要ならば、3つの離れて
いるが隣接している光ビームを用いることもできる。
この組み合わされた光ビームである1つの光ビーム14は
円柱形レンズ装置67を通り、そして回転する多面鏡18の
反射面に向つて進む。写真素子16の表面上を横切つて光
ビーム14が連続的に掃引することによつて走査が行なわ
れるが、この走査は1個または複数個の反射面を有する
多面鏡18の高速回転によつて行なわれることが好まし
い。反射面の数が少なければ電動機制御装置46に対する
補正命令が少なくなり、また、高度に均一な反射面をう
るための経費も少なくなるが、一方、反射面の数が多い
と逐次に走査される光ビームの間の時間間隔が小さくな
り、したがつて、写真素子16の全表面上を完全に走査す
るのに要する時間も短くなる。図示されているのは回転
する多面鏡であつて、この回転多面鏡は好ましい装置で
あるけれども、走査用ガルバノメータ、または音響光学
偏向装置、またはホログラフイツク偏向装置を用いるこ
ともできる。これらの装置はいずれも当業者には周知の
装置である。
第1図において、多面鏡18が時計方向に回転する時、走
査される光ビーム14は第1図の下の方に移動し、そして
平面鏡68によつて多重反射されて写真素子16へ進む。鏡
68のために光ビーム18の進路が折り返され、したがつ
て、スペースが節約される。もしスペースが十分にあつ
てそのことを考慮しなくてよいならば、鏡68は省略する
ことができる。鏡68に光ビームが入射する前に、光ビー
ム14は、点線で示された光の経路72に沿つて、走査の開
始時に光電検出器70に入射する。検出器70はタイミング
信号を発生し、そしてこのタイミング信号によつて駆動
回路38が変調を開始し、そして光ビームに対し正しい時
刻に情報の伝達が行なわれる。したがつて、おのおのの
走査線の開始時に、すぐ前の走査線の走査中のいろいろ
なタイミングを補正することができる。
回転鏡18と平面鏡68との間に2つのレンズ74および76が
配置される。これらのレンズを用いる目的は、回転鏡18
を使用することと、光ビーム14の走査を利用すること
と、に伴う諸問題を補正ためである。レンズ74は円柱形
トロイダル・レンズであつて、円柱形レンズ装置67と組
み合わせて用いられる時、多面鏡18の回転軸に対して鏡
18の反射面の角度が変動することによつて生ずる、ピラ
ミツド形誤差として知られている効果を補正することが
できる。このピラミツド形誤差は回転鏡に伴う問題点で
あつて、これを解決するために円柱形トロイダル・レン
ズ74を用いることは、Fleischer名の米国特許第3,750,1
89号に開示されている。レンズ74をそなえることによ
り、光ビーム14の焦点とピラミツド形誤差が最小となる
点が、写真素子16の表面上の同一点で一致する。
レンズ76はいわゆる「F−θ」レンズである。レンズ76
をそなえることにより、鏡68と写真素子16の表面とを光
ビーム14が横断する速度が一定値に保たれる。通常の結
像用レンズの場合、与えられた投射角θにおける像平面
上の光ビーム14の位置rは r=f・tanθ の式によつて与えられる。ここで、fは結像用レンズの
焦点距離である。
このような装置では、結像レンズへの光ビームの投射角
は時間に比例して変わる。したがつて、像平面上の走査
光ビームの移動速度の時間的変化は1次関数では表され
ない。投射角が大きくなると、光ビーム14の速度が増大
する。もし走査光ビーム14が一連の個別の点で構成され
ると考えられるならば、この非線形性のために、走査線
の端部における点の間隔は、走査線の中央部における点
の間隔に比べて、大きくなる。このような結果を避ける
ために、本発明では結像用レンズ76を用いて r=f・θ という特性をもつように設計される。この特性をもつレ
ンズはf−θレンズと呼ばれており、そしてこのレンズ
を用いることにより、走査光ビーム14の速度は走査線の
全領域にわたつて一定になる。
前記装置により、写真素子16の1つの縁に平行な方向
に、光ビーム14の掃引または走査が行なわれる。走査の
この方向に垂直な方向に、写真素子16を横断して、走査
光ビーム14を移動させるための装置をそなえなければな
らない。このことは、走査開始光電検出器70によつてえ
られる信号によつて、平面鏡68を逐次に傾けていくこと
によつて行なわれる、または、第2図に示されている方
式に従つて、写真素子16を移動させることによつて行な
うことができる。
第2図に示されているように、写真素子16はテーブル78
によつて保持されている。写真素子16にはまた、駆動用
ローラ80と遊び車ローラ82および84が取りつけられる。
駆動用ローラ80は電動機制御装置86によつて制御され
る。電動機制御装置は光電検出器70からの信号を受け取
る。この信号は走査光ビーム14が写真素子16の掃引の開
始点にあることを示す。写真素子16が光ビーム14によつ
て走査されるすぐ前に、電動機制御装置86は写真素子16
を増分量だけ進め、それにより、写真素子16の新しいラ
インが露光される位置に現われる。簡単のために、写真
素子16は連続的に駆動されてもよい。この場合には、検
出器70は走査線の欄外の余白が均等であることを保証す
るためだけに動作することになる。
第2図のローラ装置は写真素子を増分的に進めることが
可能な1つの方法であるが、その他の多くの方法によつ
ても可能であることを断つておく。例えば、写真フイル
ム16は回転するドラムに取り付けられ、そしてテーブル
78は親ねじによつて進めることができる、または、写真
素子16は長い連続したフイルム状素子の一部分であっ
て、走査光ビーム14の両側に配置された供給ローラと巻
き取りローラとによつて走査ビーム14に対して進めるこ
とができる。
第4図に示されているように、走査光ビーム14に対する
写真素子16の移動方向は、光ビームの走査方向と垂直で
ある必要は必らずしもない。もし走査光ビーム14が素子
16の1つの縁と平行でない方向に走査されるように作像
装置10が配置されているならば、素子16をその1つの縁
に平行な方向に進めることにより、やはり写真素子16の
全表面を走査によつて覆うことができる。したがつて、
必要なことは、写真素子を進める方向が、走査光ビーム
14の走査方向と垂直な方向に、移動の成分をもつことだ
けである。このとき、写真素子16の移動量のうち、光ビ
ームの走査方向に平行な方向の移動量成分は実効のない
移動量である。
第5図は、光ビーム14が写真素子16の表面全体を走査す
るなお別の方法を示した図面である。回転多面鏡18はそ
のスピードの観点から好ましいものであるが、光ビーム
組み合わせ装置66や多面鏡18などの素子が第1図のよう
に配置されているとして、写真素子16を光ビーム組み合
わせ装置66と多面鏡18との間の光ビーム14の光路内に挿
入することも可能である。この場合には、Webster名の
米国特許第4,416,522号に開示されているように、写真
素子はその縁に平行な方向と垂直な方向との両方向に移
動させられる。この時、多面鏡18と、円柱形トロイダル
・レンズ74と、f−θレンズ76と、平面鏡68とが省略さ
れ、そして正しい焦点をうるために、適当に変更された
結像レンズが用いられる。米国特許第4,416,522号に開
示されているように、写真素子16がテープル88の上に保
持され、そしてこのテーブル88が適切に制御された駆動
電動機によつて垂直の方向に移動される。
動作 レーザ・ダイオード12,12aおよび12bは、それぞれ、電
磁波スペクトルの赤外線領域内の780nm、830nmおよび88
0nmの光を放射するように選定される。ダイオード12,12
aおよび12bによつて放射される光の波長のこれらの具体
的な値はそれ程重大なものではなく、3つのレーザ・ダ
イオードのおのおのによつて放射される光の波長の間の
間隔が最大となるように選定される。
ダイオード12,12aおよび12bによつて放射される光の波
長の間の間隔が大きいことが好ましい。その理由は、間
隔が大きいと感光層22,26および30の間での偽像に関す
る問題点が緩和されるので、写真素子16の構成が簡単に
なるからである。写真素子16の感光層22,26および30の
間での偽像についての問題点は前記の写真素子16のとこ
ろで考察した。
現在の技術では、レーザ・ダイオードは約750ナノメー
トルから約900ナノメートルの領域の波長の光を放射す
る。したがつて、レーザ・ダイオード12,12aおよび12b
として780nm、830nmおよび880nmの光を放射するレーザ
・ダイオードを選定することは、市販されているレーザ
・ダイオードでえられる波長範囲から容易に入手するこ
とができるもののうちで、波長の間隔が実用上最も大き
いものである。もし電磁波スペクトルの他の波長領域の
光を放射するレーザ・ダイオードが入手可能になれば、
前記の50nmよりも大きな波長間隔をもつたレーザ・ダイ
オードが選定されることになるであろう。
写真素子16上に像を印画するさい、レーザ・ダイオード
12,12aおよび12bは作像されるべき情報を表すDA変換器4
2からのアナログ入力信号を受け取つているのではな
く、フイードバツク回路から小さな電流を受け取る。こ
のフイードバツク回路は赤外線光電セル50を有してお
り、レーザ・ダイオード12,12aおよび12bをそれらの閾
値レベルに保つている。したがつて、レーザ・ダイオー
ドは完全にはオフにならないであろう。ダイオード12,1
2aおよび12bによつて放射されるこの低強度光ビーム
が、前記のように、光学的に補正されそして組み合わさ
れて1つの光ビーム14になり、そしてこの組み合わせ光
ビーム14が回転する多面鏡18に向つて進む。鏡18が回転
すると、光ビーム14は第1図において反射されて下方向
に掃引され、そしてその後光ビーム14は再び走査開始光
電検出器70を照射する。
検出器70により、放射された光ビーム14が写真素子16の
走査を開始するという信号がえられる。この信号はDA変
換器に送られ、そしてこの信号により、レーザ・ダイオ
ード駆動回路38,38aおよび38bへの情報の伝達が開始さ
れる。ただし、このレーザ・ダイオード駆動回路への情
報の伝達は、光ビーム14が下向きに走査するまたは掃引
する時、光ビーム14が光電検出器70から写真素子16へ移
動するのに要する時間を表す適当な遅延時間の後に行な
われる。
組み合わせ光ビーム14が写真素子16に入射している時、
レーザ・ダイオード12,12aおよび12bはそれぞれのDA変
換器42,42aおよび42bとそれぞれの駆動回路38,38aおよ
び38bによつて連続的に変調され、それにより、DA変換
器42,42aおよび42bに供給されるデイジタル情報に従つ
て、レーザ・ダイオード12,12aおよび12bによつて放射
される光の強度が制御される。
レーザ・ダイオード12,12aおよび12bのおのおのに供給
されるデイジタル情報は、通常、加法混色の3原色
(青、緑および赤)の中の1つ1つのカラーに対応して
いる。完全カラーのどのような像もこの3原色に分解す
ることができる。像の青色成分に対応するデイジタル情
報は、780nmの波長の光を放射するレーザ・ダイオード1
2を制御する。830nmの光を放射するレーザ・ダイオード
12aは緑色を表すデイジタル情報に対応し、そして880nm
の光を放射するレーザ・ダイオード12bには赤色に対応
するデイジタル情報が供給される。特定の波長を特定の
色に割り当てるやり方は全く任意であつて、レーザ・ダ
イオード12,12aまたは12bのうちのいずれか3原色のう
ちのどの原色に関する情報を伝達するのに用いてもよ
い。
レーザ・ダイオード12,12aおよび12bからの3つの平行
光ビームは組み合わされて1つの光ビーム14を構成する
が、3つのこれらの平行光ビームのおのおのは、印画さ
れるべき像の中の対応する色の強度に従つて、連続的に
かつ独立に、それらの強度が変調される。レーザ・ダイ
オード12,12aおよび12bによつて放射される光は、この
装置の固体部品の限界周波数までの周波数で変調するこ
とが可能である。この限界周波数は毎秒数100万回であ
る。けれども、典型的な場合には、このように大きなサ
ンプリング速度は使用されないであろう。それは人間の
目では、このように微細な変化は判別できないからであ
る。写真素子16に与えられる像は、最も典型的な場合に
は、一連の点、または一連の画素で構成されるであろ
う。この点または画素は、典型的な場合には、ガウス形
の形をもつ、または直径が85マイクロメートルで打ち切
られたガウス形の形を持つ。点の直径は、どのような光
学装置が使用されるかにより、約5マイクロメートルか
ら約1,000マイクロメートルの間で変わる。また典型的
な場合には、走査線をつくるのに1mm当り12画素が用い
られる。ただし、要求される分解能によつては、1mm当
り1画素ないし200画素が用いられる。
1つの個別の画素を考察することにより、任意の色が写
真素子上でどのようにしてつくられるか、およびその色
の濃度をどのようにして変えることができるかを説明し
よう。組み合わせ光ビーム14が写真素子16の表面上の1
点に入射した時、レーザ・ダイオード12,12aおよび12b
からの光は3つの感光層22,26および30の中に侵入し
て、それらを露光する。前記で仮定された場合では、ダ
イオード12からの780nmの光はもとの像の青色の部分に
対応する情報を有し、したがつて、感光層30が露光さ
れ、そして現像された時、この感光層はこの原色を生ず
る色素を有しているであろう。同様に、中間層26は830n
mの波長に対応し、そして露光されそして現像された時
緑色を生ずる。最後に、最も下の乳剤層22は880nmの光
に対し特に感光度が高く、そして露光されそして現像さ
れた時赤色を生ずるであろう。したがつて、露光された
どの画素も青色、緑色および赤色を互いに重ね合わせて
有するであろう。これらの加法混色の3原色を同時に見
た時、これら3原色のおのおのの原色の相対濃度を変え
ることによつて、用いられた特定の色素によつて定まる
カラー空間の範囲内で、電磁波スペクトルの可視領域の
任意の色を作ることができる。それぞれの色の濃度は、
写真素子16に入射する3つの光ビームの強度を変えるこ
とによつて制御される。したがつて、3つの感光層22,2
6および30のおのおのの相対露光量によつて認知される
色が決定され、そしてスペクトルの中の利用可能なカラ
ー空間内の任意の色がえられるであろう。
発生した任意の色の濃さを変えるためには、ダイオード
12,12aおよび12bによつてつくられる3つの光ビームの
強度を、これら3つの光ビームの相対強度を一定に保つ
たまま、同時に変えればよい。したがつて、レーザ・ダ
イオード12,12aおよび12bのすべてによつて放射される
光の強度を同時に大きくすることにより、どの色の濃さ
も増加し、また一方、レーザ・ダイオード12,12aおよび
12bによつて放射されるすべての光ビームの強度を同時
に小さくすることにより、写真素子16上につくられるど
の色の濃さも小さくする。
電磁波スペクトルの可視領域における広い領域でかつ連
続した領域のカラーを任意の濃さで生ずることができる
レーザ・ダイオード作像装置を説明した。したがつて、
この装置により、完全カラーでかつ連続階調の像を写真
素子上に作ることができる。
前記レーザ・ダイオード装置を、3個のダイオードと、
対応する3個の感光層をそなえた写真素子とを使用した
装置について説明した。この素子の数は原色の数に対応
しているので、この装置は最も好ましい装置である。け
れども、ダイオードの数と写真素子が有している感光層
の数とが等しい限り、任意の数のダイオードおよび感光
層をそなえることができる。例えば、黒色に対応する第
4ダイオードと第4乳剤層をそなえることにより、利点
をうることができる。このようにすることにより、もと
の像の黒色部分が、3原色を組み合わせてつくるより
も、より鮮明にえられるからである。別の例としては、
Edwin H.Landは、文献「The Retinex Theory of Color
Vision」,Scientific Americen,108頁−128頁(1977年1
2月)、および「Color Vision and the Natural Imag
e」,Proceeding of the National Academy of Science,
115頁−129頁(45巻、1959年)において、広い領域でか
つ連続した領域の色を生ずるには2つの色だけ(したが
つて、ただ2つのレーザ・ダイオード)を混色すればえ
られることを述べている。
当業者にとつて、本発明の変更実施例をいろいろと考察
することは可能であることは明らかであるが、特許請求
の範囲内に含まれるこのような変更実施例はすべて本発
明に包含されるものと解すべきである。
[発明の効果] 本発明はレーザ・ダイオードを利用した写真作像装置と
その作像方法に関するものである。本発明により、完全
カラーでかつ階調が連続的である像がえられる。本発明
による装置と方法はコストが比較的安く、かつ、取り扱
いが簡単である。可視スペクトル領域の色を発生させる
ための露光が非可視スペクトル領域のレーザ・ダイオー
ド光により行なわれるので、現像などの処理工程におい
て、面倒な暗室などを必らずしも必要としない利点を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるレーザ作像装置の概要図、 第2図は第1図の2−2の線から立体的に見た時の第1
図レーザ作像装置の概要図、 第3図は第1図のレーザ作像装置と共に用いられる写真
素子の横断面図、 第4図は第1図のレーザ作像装置と共に用いることがで
きる別の走査方法の概要図、 第5図は第1図のレーザ作像装置と共に用いることがで
きるまた別の走査方法の概要図。 [符号の説明] 12,12a,12b……レーザ・ダイオード 16……写真素子 18……指向装置、多面鏡 20……基板 22,26,30……感光層 38,38a,38b……変調装置 67,74,76……結像装置 64,66……光の組み合わせ装置 58……コリメータ・レンズ 60……円柱形レンズ 74……トロイダル・レンズ 76……F−θレンズ 80……送り装置、駆動ローラ 86……送り装置の制御装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光(14)で露光されて写真素子(16)上に
    多重色でかつ連続階調の像を作るためのレーザ作像装置
    (10)であって、前記写真素子(16)が基板(20)と前
    記基板の1つの表面上に少なくとも2つの重ね合わされ
    た感光層(22,26,30)とを有し、前記感光層(22,26,3
    0)のおのおのが露光および酸化された写真現像剤での
    反応処理による現像とにより異ったカラー色素を形成し
    うる異った写真着色剤を有しており、前記感光層(22,2
    6,30)が電磁波スペクトルの異った波長に対して感光度
    を有し、かつ、 複数個のレーザ源(12,12a,12b)と、 変調装置(38,38a,38b)と、 指向装置(18)、結像装置(67,74,76)および走査装置
    と送り装置(80)とを有し、 複数個の前記レーザ源(12,12a,12b)の総数が前記感光
    層(22,26,30)の総数に等しく、および前記レーザ源
    (12,12a,12b)のおのおのが電磁波スペクトルの特定の
    波長の光(14)を放射し、および前記特定の波長が前記
    レーザ(12,12a,12b)ごとに異なりかつ前記感光層(2
    2,26,30)のおのおのが前記特定の波長のおのおのに対
    応して感光度を有し、 前記変調装置(38,38a,38b)は前記レーザ源(12,12a,1
    2b)によって放射される光(14)を連続的に変調し、そ
    れにより前記感光層(22,26,30)の前記露光を対応して
    変調され、およびそれによって現像されると前記色の濃
    度が変調され、 前記指向装置(18)は前記レーザ(12,12a,12b)によっ
    て放射された前記光(14)を前記写真素子(16)に向け
    て進め、かつ、前記結像装置(67,74,76)は前記光(1
    4)を1点に集光し、かつ、前記走査装置により前記光
    (14)の点が前記写真素子(16)の表面を横断して走査
    し、 前記送り装置(80)は前記走査光(14)に対して前記写
    真素子(16)を前記走査光(14)の走査方向と垂直な方
    向に移動量成分をもつ方向に移動させ、それによって前
    記感光層(22,26,30)の全領域が前記光(14)で露光さ
    れ、 前記レーザ源(12,12a,12b)からの前記光(14)で前記
    感光層(22,26,30)を露光することによって像がつくら
    れ、したがって、前記像は多重色であって前記カラー色
    素によって定まるカラー空間内の任意の色が少なくとも
    2つの前記カラー色素の選定と前記重ね合わせと前記濃
    度とによってつくることができ、かつ、前記色の濃度が
    前記レーザ源(12,12a,12b)のすべてを変調することに
    よってしたがって前記感光層(22,26,30)のすべての露
    光量を変調することによって定められて前記色の階調が
    連続的である、前記レーザ作像装置(10)において、 前記レーザ源(12,12a,12b)のおのおのは、赤外領域又
    は遠赤外領域における各自のレーザダイオード波長で光
    を放射するレーザダイオードからなり、また前記変調装
    置(38,38a,38b)は、前記レーザダイオード(12,12a,1
    2b)によって放射される前記光(14)の強度を連続的に
    変調し、これにより前記レーザダイオードへの入力が直
    接変調され、また前記写真素子の各感光層が赤外領域又
    は遠赤外領域における各レーザダイオード波長で感光さ
    れることを特徴とするレーザ作像装置。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、前記レー
    ザダイオード(12,12a,12b)によって放射される前記光
    (14)を1つの光ビーム(14)に組み合わせるための組
    み合わせ装置(64,66)をさらに有するレーザ作像装
    置。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第2項において、前記光
    (14)を組み合わせるための前記組み合わせ装置が前記
    レーザダイオード(12,12a,12b)と前記写真素子(16)
    との間に配置された2つの立方体形光ビーム・スプリッ
    タ(64,66)であるレーザ作像装置。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、前記レー
    ザダイオード(12,12a,12b)の数が3個であり、前記3
    個のレーザダイオード(12,12a,12b)において第1レー
    ザダイオードが約780nmの波長の光(14)を放射し、か
    つ、第2レーザダイオードが約830nmの波長の光(14)
    を放射し、かつ、第3レーザダイオードが約880nmの波
    長の光(14)を放射するレーザ作像装置。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項において、前記光
    (14)の前記指向装置と前記結像装置と前記走査装置が
    少なくとも1つの反射面をそなえた回転する多面鏡(1
    8)と、コリメータ・レンズ(58)と、前記レーザダイ
    オード(12,12a,12b)のおのおのと前記多面鏡(18)と
    の間に配置された少なくとも1つの円柱形レンズ(60)
    と、前記多面鏡(18)と前記写真素子(16)との間に配
    置されたトロイダル・レンズ(74)およびF−θレンズ
    (76)とを有するレーザ作像装置。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項において、前記写真
    素子(16)を前記走査光(14)に対して進めるための前
    記送り装置が前記写真素子(16)と連動するように取り
    付けられた駆動ローラ(80)と、前記走査光ビーム(1
    4)の位置に応答して前記駆動ローラ(80)を進めるた
    めの制御装置(86)とを有するレーザ作像装置。
  7. 【請求項7】基板(20)と前記基板の1つの表面上に少
    なくとも2つの重ね合わされた感光層(22,26,30)とを
    有する写真素子(16)の上に多重色でかつ連続階調の像
    を作る方法であって、前記感光層(22,26,30)のおのお
    のが酸化されたカラー写真現像における反応処理による
    現像によって異ったカラー色素を形成しうる異った写真
    着色剤を有し、前記感光層(22,26,30)が電磁波スペク
    トルの異った波長に対して感光度を有し、かつ、 前記感光層(22,26,30)の総数に対応する数のレーザ源
    (12,12a,12b)をそなえる段階と、 前記レーザ源(12,12a,12b)から前記写真素子(16)へ
    光(14)を指向させて進める段階と、 前記レーザ源(12,12a,12b)のおのおのによって放射さ
    れそして前記写真素子(16)へ向って進む前記光(14)
    の強度を連続的に変調する段階とを有し、 前記レーザ源(12,12a,12b)のおのおのが電磁波スペク
    トルの異なった波長の光(14)を放射し、かつ、前記異
    なった波長が前記感光層(22,26,30)のおのおのが感光
    度を有する波長に対応し、 前記レーザ源(12,12a,12b)のおのおのから放射された
    光(14)が前記指向段階によって前記感光層(22,26,3
    0)のおのおのを感光しそして写真現像剤で反応処理を
    すると前記感光層(22,26,30)のおのおのの中に色を発
    生し、 写真現像剤での反応処理によって生じた前記色の濃度が
    前記変調段階によって変調されて連続した階調がえられ
    る作像方法において、 前記レーザ源(12,12a,12b)のおのおのは、赤外領域又
    は遠赤外領域における各自のレーザダイオード波長で光
    を放射するレーザダイオードからなり、また前記光(1
    4)の強度は連続的に変調され、これにより前記レーザ
    ダイオード(12,12a,12b)への入力が直線変調され、ま
    た前記写真素子の各感光層が赤外領域又は遠赤外領域に
    おける各レーザダイオード波長で感光されることを特徴
    とする作像方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項において、前記レー
    ザダイオード(12,12a,12b)によって放射される前記光
    (14)で前記写真素子(16)を走査する段階において、
    前記段階によって前記感光層(22,26,30)のおのおのの
    全面積領域が感光されそれにより変調された濃度の重ね
    合わされた色を有する像がつくられて多重色でかつ連続
    した階調を有する像がえられる前記走査段階をさらに有
    する作像方法。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第8項において、前記光
    (14)で前記写真素子(16)を走査する前記走査段階が
    レーザダイオード(12,12a,12b)によって放射された前
    記光(14)が前記写真素子(16)を横断する段階と、前
    記横断方向に垂直な方向に成分を有する方向に写真素子
    (16)を同時に移動させる段階とをさらに有する作像方
    法。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第7項において、前記光
    (14)を前記写真素子(16)へ進める前に前記レーザダ
    イオード(12,12a,12b)によって放射された前記光を組
    み合わせて1つの光ビーム(14)にする段階をさらに有
    する作像方法。
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