JP4324644B2 - 多波長レーザー光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザーフォトプロッター等に利用されるレーザー光学系であって、複数の波長で発光する光源を用いた多波長レーザー光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的大きな光量が要求されるレーザーフォトプロッター等の装置では、光源としてガスレーザーが用いられる。ガスレーザーから発したレーザー光は、ポリゴンミラーで偏向された後、fθレンズ等の結像光学系を介して収束され、描画面上にスポットを形成する。
【0003】
ところで、ガスレーザーは一般に複数のピーク波長で発光する。例えば、アルゴンレーザーは、可視域、紫外域で複数のピーク波長を持つ。エネルギーの利用効率を高めるためには、複数のピーク波長のレーザー光を用いることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、描画面上での最小スポット径は、波長に比例し、入射光束径に反比例するため、結像光学系に対して複数の波長のレーザー光が同一の光束径で入射すると、描画面上でのスポット径が波長毎に異なることとなる。このため、波長が異なる複数のレーザー光が描画面上で互いに異なる位置にスポットを形成する場合には、描画線幅が波長によって異なることとなり、複数のレーザー光が同一位置にスポットを形成する場合には、スポット内の露光量分布が不均一となり、いずれの場合にも描画品質を悪化させるという問題がある。
【0005】
この発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、レーザー光源から発する複数の波長のレーザー光を用いる場合にも、各波長のレーザー光によって描画面上に形成されるスポットの径を揃えることができる多波長レーザー光学系を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる多波長レーザー変調光学系は、上記の目的を達成させるため、波長が短いレーザー光ほど結像光学系に対する入射光束径が小さくなるように補正光学系を設けたことを特徴とする。
すなわち、この発明の多波長レーザー光学系は、複数のピーク波長で発光するレーザー光源と、前記レーザー光源からのレーザー光を波長毎に分離する波長分離光学系と、分離されたそれぞれのレーザー光の光路に配置された補正光学系と、分離されたレーザー光を合成する合成光学系と、前記合成光学系により合成されたレーザー光を収束させて描画面上にスポットを形成する結像光学系とを備え、前記補正光学系に入射するレーザー光、及び、前記補正光学系から射出されるレーザー光が共に平行光であり、前記補正光学系は、前記レーザー光源の少なくとも2つのピーク波長について、前記描画面上でのスポット径が同一となるように、前記結像光学系に入射する各レーザー光の光束径を波長に応じて異ならせるために、入射光束径に対する射出光束径の比率である変換倍率が相対的に異なるように、互いに異なる焦点距離を有する光学素子を備え、前記結像光学系に入射する波長λA、λBのレーザー光の光束径をそれぞれω’A、ω’Bとして、以下の条件(1)、
√(λA/λB)<ω’A/ω’B<[√(λA/λB)]3 …(1)
但し、λ A >λ B
を満たすこと、さらに望ましくは以下の条件(2)
ω’A/ω’B=λA/λB …(2)
を満たすことを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、結像光学系に入射する複数の波長のレーザー光の光束径が、補正光学系により波長に応じて調整されるため、描画面上でのスポット径が波長によらず一定となる。少なくとも条件(1)を満たす場合には、波長の違いによるスポット径の差を実用上問題とならない程度に小さくすることができる。さらに条件(2)を満たす場合には、各波長のレーザー光により形成されるスポットの径を完全に一致させることができる。
【0008】
また、上記のような特性を補正光学系に持たせるためには、波長λA、λBのレーザー光に対する補正光学系の変換倍率をmA、mBとして、以下の条件(3)、
√(λA/λB)<mA/mB<{√(λA/λB)}3 …(3)
を満たすこと、さらに望ましくは以下の条件(4)、
mA/mB=λA/λB …(4)
を満たすことが望ましい。
【0009】
上記のように波長毎に変換倍率を異ならせるためには、上記のようにレーザー光源からのレーザー光を波長毎に分岐させ、分岐されたそれぞれのレーザー光の光路に互いに異なる焦点距離を有する光学素子を備える補正光学系を配置する方法の他、共通の光路内に波長毎に変換倍率が異なるような色収差を有する補正光学系を配置する方法が採用可能である。前者の場合、波長分離光学系は、レーザー光源から発するレーザー光を波長により2つに分離し、分離された2つの光路の一方に1/2波長板を設け、合成光学系は、偏光ビームスプリッターを用いて2つのレーザー光を合成することができる。後者の場合、大きな色収差を生じさせるため、補正光学系が回折面を含むことが望ましい。
【0010】
この発明の多波長レーザー光学系は、レーザーフォトプロッター等の走査光学装置に適用可能である。この場合、補正光学系と結像光学系との間に、入射光束を偏向するポリゴンミラーを配置することが望ましい。
なお、レーザー光源から発する波長が異なる複数のレーザー光が描画面上で互いに異なる位置にスポットを形成するようにしてもよいし、同一位置にスポットを形成するようにしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる多波長レーザー光学系の実施形態を説明する。
【0012】
【第1実施形態】
図1は、この発明の多波長レーザー光学系を走査光学系に適用した第1実施形態を示す説明図である。第1実施形態の走査光学系は、図1に示すように、複数のピーク波長で発光するレーザー光源10と、このレーザー光源10からの光束を波長に応じて複数の単色光、この例では2つの波長成分に分離する波長分離光学系としての波長分離プリズム20と、分離された光束に応じて設けられた第1,第2の変調光学系30,40と、各変調光学系30,40により変調された複数の光束を合成する合成光学系である偏光ビームスプリッター50と、合成された複数の光束を偏向させるポリゴンミラー60と、このポリゴンミラー60により偏向された光束を描画面S上に結像させる結像光学系としてのfθレンズ70とから構成されている。
【0013】
レーザー光源10は、例えばアルゴンレーザーであり、その複数のピーク波長のうち、第1の波長514.5nmと第2の波長488nmの2波長を利用する。レーザー光源10から発してミラー11で反射されたレーザー光は、波長分離プリズム20の分散を利用して空間的に分離される。波長の長い第1の波長の光束は、楔型の波長分離プリズム20により所定の屈折角で屈折し、ミラー22により反射されて第1の変調光学系30に入射する。一方、波長の短い第2の波長の光束は、第1の波長の光束よりも大きい屈折角度で屈折し、ミラー23により反射されて第2の変調光学系40に入射する。
【0014】
第1の変調光学系30は、光束が入射するミラー22側から順に、一対の正レンズ31a,31bから構成されるリレーレンズ系31、ポリゴンミラー60の面倒れ誤差を補正するためのピエゾミラー32(ここでは光路を展開して透過型の素子として示している)、集光レンズ33、音響光学変調器(AOM)34、コリメートレンズ35を備えている。
【0015】
ミラー22により反射されたレーザー光は、リレーレンズ系31によりその光束径が調整され、集光レンズ33により収束光となり、集光レンズ33の後焦点位置に配置されたAOM34に入射して変調される。変調された発散光は、コリメートレンズ35により再び平行光とされ、偏光ビームスプリッター50に入射する。レーザー光源10から第1の変調光学系30までの光学素子は、第1の変調光学系30を透過した光束がP偏光として偏光ビームスプリッター50に入射するよう設定されている。このため、第1の変調光学系30からの光束は、偏光ビームスプリッター50を透過する。
【0016】
第2の変調光学系40は、第1の変調光学系30におけるのと同様に、光束が入射するミラー23側から順に、一対の正レンズ41a,41bから構成されるリレーレンズ系41、ピエゾミラー42、集光レンズ43、AOM44、ミラー45、コリメートレンズ46、1/2波長板47を備えている。
【0017】
ミラー23により反射されたレーザー光は、リレーレンズ系41によりその光束径が調整され、集光レンズ43により収束光となり、集光レンズ43の後焦点位置に配置されたAOM44に入射して変調される。変調された発散光は、コリメートレンズ46により再び平行光とされ、1/2波長板47を介して偏光ビームスプリッター50にS偏光として入射する。このため、第2の変調光学系40からの光束は、偏光ビームスプリッター50により反射される。
【0018】
偏光ビームスプリッター50は、第1の変調光学系30からの光束を透過させると共に、第2の変調光学系40からの光束を反射させることにより両者を合成する機能を備え、合成された光束は、共にポリゴンミラー60により反射されてfθレンズ70を介して描画面Sに達する。なお、走査光学系は、描画速度が重視される場合には、波長が異なる複数のレーザー光によるスポットを描画面S上の互いに異なる位置に形成すればよい。この場合、各AOM34、44を独立の信号により制御することにより、1走査で2本の走査線を形成することができる。他方、スポットの光強度が重視される場合には、複数のレーザー光によるスポットを同一位置に形成すればよい。この場合には、各AOM34、44を同一の信号により制御することにより、1走査で1本の走査線が形成される。
【0019】
第1、第2の変調光学系30、40は、波長が短いレーザー光ほど結像光学系であるfθレンズ70に対する入射光束径を小さくする補正光学系としての機能を有している。第1、第2の変調光学系30、40の光学的特性が全く同一であると、fθレンズ70に対する入射光束径が等しくなり、描画面S上でのスポット径が異なることになる。そこで、リレーレンズ系31、41を構成する対応するレンズの焦点距離を互いに異ならせることにより倍率を異ならせ、fθレンズ70に対する入射光束径を波長が短くなるほど小さくなるように設定している。
【0020】
ここで、変調光学系による光束径の変換を、第1の変調光学系30から描画面Sに至る光学系を例にして説明する。なお、ここでは集光レンズ33とコリメートレンズ35とは省略されている。図2に示すように、リレー光学系31の第1レンズ31a(焦点距離f1)に対する入射光束径をω、第2レンズ31b(焦点距離f2)を射出した際の光束径をω'、fθレンズ70(焦点距離f5)により結像される描画面S上でのスポット径をω"とすると、これらの間には以下のような関係が成立する。
ω'=(|f2|/|f1|)・ω
ω"=(4λ|f5|)/(πω')
【0021】
したがって、波長λA、λBのレーザー光のfθレンズ70に対する入射光束径をそれぞれω'A、ω'Bとして、以下の条件(2)、
ω'A/ω'B=λA/λB …(2)
を満たせば、各波長のレーザー光によって形成される描画面上でのスポット径ω"A、ω"Bを同一にすることができる。また、少なくとも、以下の条件(1)、
√(λA/λB)<ω'A/ω'B<{√(λA/λB)}3 …(1)
を満たす場合には、描画面上でのスポット径の違いを描画品質上問題とならない程度に抑えることができる。
【0022】
また、上記のような特性を変調光学系に持たせるためには、波長λA、λBのレーザー光に対する変調光学系の変換倍率をmA、mBとして、以下の条件(4)、
mA/mB=λA/λB …(4)
を満たせば、各波長のレーザー光のスポット径を同一にすることができる。また、少なくとも以下の条件(3)、
√(λA/λB)<mA/mB<{√(λA/λB)}3 …(3)
を満たす場合には、スポット径の違いは許容範囲内となる。
【0023】
第1実施形態では、λA=514.5nm、λB=488nmであるため、各条件は以下の通りとなる。
条件(1) 1.027 <ω'A/ω'B< 1.083
条件(2) ω'A/ω'B= 1.054
条件(3) 1.027 < mA/mB< 1.083
条件(4) mA/mB= 1.054
【0024】
そこで、第1実施形態においては、上記の条件を満たすよう、リレー光学系31、41の第1レンズ31a,41aの焦点距離を互いに異ならせている。各変調光学系30、40の構成は以下の表1に示すとおりとなる。表中f1はリレーレンズ系31、41の第1レンズ31a,41aの焦点距離、f2は第2レンズ31b,41bの焦点距離、f3は集光レンズ33、43の焦点距離、f4はコリメートレンズ35、46の焦点距離、f5はfθレンズ70の焦点距離である。単位は倍率m、スポット径ω"を除き、全てmmである。
【0025】
【表1】
【0026】
表1の構成によれば、ω'A/ω'B=mA/mB= 1.054となり、条件(2),(4)を満たすため、描画面S上でのスポット径ω"を同一の値とすることができる。ちなみに、第1の変調光学系30におけるリレーレンズ系31の第1レンズ31aの焦点距離を第2の変調光学系と同じく240mmとした場合には、ω'は18.000mmとなり、描画面上でのスポット径ω"は26.2μmとなり、約5パーセントの誤差が発生する。
【0027】
【第2実施形態】
図3は、この発明の多波長レーザー光学系を走査光学系に適用した第2実施形態を示す説明図である。第2実施形態の走査光学系は、複数のピーク波長で発光するレーザー光源10から発したレーザー光を変調光学系80を介して変調し、ポリゴンミラー60により反射偏向させ、fθレンズ70を介して描画面S上に収束させてスポットを形成する。
【0028】
変調光学系80は、レーザー光源10側から順に、一対の正レンズ81a,81bから構成されるリレーレンズ系81、ポリゴンミラー60の面倒れ誤差を補正するためのピエゾミラー82(ここでは光路を展開して透過型の素子として示している)、集光レンズ83、AOM84、そしてコリメートレンズ85を備えている。
【0029】
第2実施形態では、レーザー光源10の複数のピーク波長のうち、第1の波長363.8nmと第2の波長351.1nmの2波長を利用する。レーザー光源10から発したレーザー光は、リレーレンズ系81によりその光束径が調整され、集光レンズ83により収束光となり、集光レンズ83の後焦点位置に配置されたAOM84に入射して変調される。変調された発散光は、コリメートレンズ85により再び平行光とされ、ポリゴンミラー60により反射されてfθレンズ70を介して描画面Sに達する。
【0030】
変調光学系80は、波長が短いレーザー光ほど結像光学系であるfθレンズ70に対する入射光束径を小さくする補正光学系としての機能を有している。第2実施形態における補正光学系は、2つの波長のレーザー光の共通光路内に配置されており、波長毎に変換倍率が異なるような色収差を有する。
【0031】
第2実施形態では、λA=363.8nm、λB=351.1nmであるため、前述した各条件は以下の通りとなる。
条件(1) 1.018 <ω'A/ω'B< 1.055
条件(2) ω'A/ω'B= 1.036
条件(3) 1.018 < mA/mB< 1.055
条件(4) mA/mB= 1.036
【0032】
そこで、第2実施形態においては、上記の条件を満たすよう、リレーレンズ系81を構成する第1、第2レンズ81a,81bに波長に応じて焦点距離が変化するような色収差を持たせている。変調光学系80の各波長に応じた焦点距離等のデータは以下の表2に示すとおりとなる。表中f1はリレーレンズ系81の第1レンズ81aの焦点距離、f2は第2レンズ81bの焦点距離、f3は集光レンズ83の焦点距離、f4はコリメートレンズ85の焦点距離、f5はfθレンズ70の焦点距離である。単位は倍率m、スポット径ω"を除き、全てmmである。
【0033】
【表2】
【0034】
表2の構成によれば、ω'A/ω'B=mA/mB= 1.036となり、条件(2),(4)を満たすため、描画面S上でのスポット径ω"を同一の値とすることができる。なお、表2に示される第1、第2レンズ81a,81bが有する大きな色収差は、屈折レンズのみでは与えることができない。そこで、回折面を利用してその波長依存性を利用することにより、色収差を発生させる。具体的には、第1レンズ81aは焦点距離480mmの回折面と焦点距離480mmの反射面との組み合わせ、第2レンズ81bは焦点距離-480mmの回折面と焦点距離160mmの反射面との組み合わせにより構成される。これにより、第1レンズ81aは+10nmの波長変動に対して-3.4mmの焦点距離変化、第2レンズ81bは+10nmの波長変動に対して+3.4mmの焦点距離変化を持ち、表2に示すような波長依存性を与えることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、波長が短いレーザー光ほど結像光学系に対する入射光束径が小さくなるような波長依存性を補正光学系に持たせることにより、結像光学系により描画面上に形成されるスポットの径を波長によらず一定に保つことができる。したがって、波長が異なる複数のレーザー光が描画面上で互いに異なる位置にスポットを形成する場合には、描画線幅を波長によらず揃えることができ、同一位置にスポットを形成する場合には、スポット内の露光量分布を均一にすることができ、いずれの場合にも描画品質を高く保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の多波長レーザー変調光学系が適用された走査光学系の全体構成を示す説明図。
【図2】 発明の原理を示す図1の一部拡大図。
【図3】 第2実施形態の多波長レーザー変調光学系が適用された走査光学系の全体構成を示す説明図。
【符号の説明】
10 レーザー光源
30、40、80 変調光学系
31、41、81 リレーレンズ系
34、44、84 AOM
35、46、85 コリメートレンズ
60 ポリゴンミラー
70 fθレンズ
S 描画面
Claims (9)
- 複数のピーク波長で発光するレーザー光源と、
前記レーザー光源からのレーザー光を波長毎に分離する波長分離光学系と、
分離されたそれぞれのレーザー光の光路に配置された補正光学系と、
分離されたレーザー光を合成する合成光学系と、
前記合成光学系により合成されたレーザー光を収束させて描画面上にスポットを形成する結像光学系とを備え、
前記補正光学系に入射するレーザー光、及び、前記補正光学系から射出されるレーザー光が共に平行光であり、
前記補正光学系は、前記レーザー光源の少なくとも2つのピーク波長について、前記描画面上でのスポット径が同一となるように、前記結像光学系に入射する各レーザー光の光束径を波長に応じて異ならせるために、入射光束径に対する射出光束径の比率である変換倍率が相対的に異なるように、互いに異なる焦点距離を有する光学素子を備え、前記結像光学系に入射する波長λA、λBのレーザー光の光束径をそれぞれω’A、ω’Bとして、以下の条件(1)、
√(λA/λB)<ω’A/ω’B<[√(λA/λB)]3 …(1)
但し、λ A >λ B
を満たすことを特徴とする多波長レーザー光学系。 - 複数のピーク波長で発光するレーザー光源と、
前記レーザー光源から発するレーザー光を収束させて描画面上にスポットを形成する結像光学系と、
前記レーザー光源の少なくとも2つのピーク波長について、前記描画面上でのスポット径が同一となるように、前記結像光学系に入射する各レーザー光の光束径を波長に応じて異ならせる補正光学系とを備え、
前記補正光学系に入射するレーザー光、及び、前記補正光学系から射出されるレーザー光が共に平行光であり、
前記補正光学系は、入射するレーザー光の波長毎に、入射光束径に対する射出光束径の比率である変換倍率が異なるような色収差を有し、当該色収差は、前記結像光学系に入射する波長λ A 、λ B のレーザー光の光束径をそれぞれω’ A 、ω’ B として、以下の条件(1)、
√(λ A /λ B )<ω’ A /ω’ B <[√(λ A /λ B )]3 …(1)
但し、λ A >λ B
を満たすよう設定されていることを特徴とする多波長レーザー光学系。 - 以下の条件(2)、
ω’A/ω’B=λA/λB …(2)
を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の多波長レーザー光学系。 - 前記補正光学系は、波長λA、λBのレーザー光に対する前記補正光学系の前記変換倍率をmA、mBとして、以下の条件(3)、
√(λA/λB)<mA/mB<[√(λA/λB)]3 …(3)
を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の多波長レーザー光学系。 - 以下の条件(4)、
mA/mB=λA/λB …(4)
を満たすことを特徴とする請求項4に記載の多波長レーザー光学系。 - 前記波長分離光学系は、前記レーザー光源から発するレーザー光を波長により2つに分離し、分離された2つの光路の一方に1/2波長板が設けられ、前記合成光学系は、偏光ビームスプリッターを用いて2つのレーザー光を合成することを特徴とする請求項1に記載の多波長レーザー光学系。
- 前記補正光学系は、回折面を含むことを特徴とする請求項2に記載の多波長レーザー光学系。
- 前記補正光学系と前記結像光学系との間に、入射光束を偏向するポリゴンミラーが配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多波長レーザー光学系。
- 前記レーザー光源から発する波長が異なる複数のレーザー光は、前記描画面上で同一位置にスポットを形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の多波長レーザー光学系。
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