JPH0973056A - 音響光学素子を用いた光学装置 - Google Patents

音響光学素子を用いた光学装置

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JPH0973056A
JPH0973056A JP25186695A JP25186695A JPH0973056A JP H0973056 A JPH0973056 A JP H0973056A JP 25186695 A JP25186695 A JP 25186695A JP 25186695 A JP25186695 A JP 25186695A JP H0973056 A JPH0973056 A JP H0973056A
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optic
laser
light source
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Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源の波長変動に関わらず結像面で所期の位
置と所期の強度のレーザ光を得ることができる音響光学
素子を用いた光学装置を得ること。 【解決手段】 発振波長が変動する光源、該光源から発
したレーザ光を音響光学素子上に導光する導光手段、変
調信号を受信する変調信号受信手段、変調信号に応じて
該音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動手段、そし
て同じ値を有する変調信号に対して少なくとも該音響光
学素子がレーザ光を回折する方向において、該光源の波
長変動に関わらず像面に照射されるレーザ光の位置を補
償する位置補償手段を有していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波長の変動する光源
と音響光学素子を用いた光学装置に関するものである。
特に音響光学変調素子(AOM)を用いて光源から発し
たレーザ光の強度を変調する光学装置、例えばレーザビ
ームプリンタ(LBP)等の光学装置、また音響光学偏
向素子(AOD)を用いて光源から発したレーザ光の進
行方向を偏向させる光学装置、例えばレーザ走査顕微鏡
等の光学装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりレーザ光源から発振するレーザ
光を音響光学素子を用いて画像信号に応じて強度変調
し、所望の画像を得る、例えばレーザビームプリンタや
レーザプロッタ等のレーザ画像記録装置(光学装置)が
種々と提案されている。また具体的な光学系の構成が、
例えば特公平1−15047号公報に開示されている。
【0003】図10は従来のレーザビームプリンタの典
型的なAOMを用いたレーザ画像記録装置の要部概略図
である。同図において101は光源であるHe−Neレ
ーザ、102はビーム整形光学系、103はAOM、1
04は集光レンズ、105はストッパ、111はピンホ
ール、106は入射レーザ光、107はAOM103で
透過した0次回折光、108はAOM103で回折され
た1次回折光、109はトランスデューサ、110は高
周波発振器である。
【0004】同図においてHe−Neレーザ101から
発振したレーザ光106はビーム整形光学系102で所
望のビーム径のレーザ光に変換され、AOM103に入
射する。そしてAOM103を透過したレーザ光、即ち
0次回折光107はストッパ105で阻止され、強度変
調された1次回折光108は集光レンズ104により小
スポットに集光され、ストッパ105の一部に設けられ
たピンホール111を通過して不図示の記録媒体上に画
像を形成する。このとき生じた不図示の高次の回折光も
0次回折光107と同様にストッパ105で阻止され、
画像形成には寄与しない。
【0005】ここで音響光学素子の原理である音響光学
効果について説明する。
【0006】一般にPbMO4 (モリブデン酸鉛)や
TeO2 (二酸化テルル)の単結晶などの音響光学媒体
に圧電素子(圧電振動子)等のトランスデューサを接着
し、このトランスデューサに高周波の電気信号を与えて
超音波を発生させ媒体中に超音波を伝搬させると、該媒
体中に屈折率の周期的変動が生じるために、該媒体中を
通過するレーザ光は回折を起こす。これを音響光学効果
と呼び、AOMでは該媒体中を伝搬する超音波を一定周
波数で振幅変調することにより光の強度変調を行なう。
【0007】一方、音響光学偏向素子(AOD)では超
音波を周波数変調することにより、光の回折角、即ち偏
向角を角度変調する。
【0008】一般に高い回折効率を得るためには音響光
学媒体(AO媒体)に入射させるレーザ光の入射角は所
定の角度である必要がある。また高い回折効率や変調度
を得るために透過光である0次回折光をカットして1次
回折光を信号光として使用するのが一般的である。
【0009】0次回折光と1次回折光との成す角度、即
ち回折角2θは光波長λと音響光学媒体の音速v及び媒
体中の超音波の搬送周波数fによって次のように示され
る。
【0010】 2θ=λf/v ‥‥‥‥(1) 変調帯域幅Δfiは、音響光学媒体中のレーザビーム径
dと定数k1を用いて次のように示される。
【0011】 Δfi=k1・v/d ‥‥‥‥(2) 回折光強度Iは搬送波の電力Pと波長λと定数Kを用い
て次のように表わされる。
【0012】 I=I0 sin|K(P)1/2 /λ| ‥‥‥‥(3) また最大回折効率時の入力Pπは光波長λ2によって変
わり、定数K3を用いてほぼ次の関係がある。
【0013】 Pπ=k3・λ2 ‥‥‥‥(4)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】近年、レーザ画像記録
装置の小型化や低価格化に伴ない光源をHe−Neレー
ザなどのガスレーザ(気体レーザ)から半導体レーザ
(Laser diode ;以後「LD」とも言う。)に置き換え
ることが一般的に行なわれている。LDは駆動電流を変
化させることで、その光出力を直接変調できる点でガス
レーザにない特徴を持っている為、AOMなどの外部強
度変調素子を使用しないでも良質なる画像を記録するこ
とができる。
【0015】しかしながらAOMの強度変調のダイナミ
ックレンジが通常1000:1程度であるのに対しLD
の直接変調は通常100:1程度であるため、フィルム
等の中間調記録媒体に豊富な階調を有する高精細画像を
記録するにはフィルムのガンマ(コントラスト)を上げ
るなどの処理が必要である。ところがフィルムのガンマ
を上げると光強度の微小な変動に対してもフィルム濃度
が敏感に変化してしまうので、LDの制御に高度な技術
が必要になってしまう。
【0016】そこで上記の問題点を解決する方法として
レーザ光源をLD、外部強度変調器としてAOMを組み
合わせて利用する構成も考えられる。この場合、レーザ
画像記録装置の大きさやコストは上記に示した2例の中
間であり、強度変調のダイナミックレンジは1000:
1程度確保することができる。
【0017】しかしながらガスレーザの発振波長は非常
に安定しているのに対し半導体レーザの発振波長は光出
力や環境温度等によって変動するので、以下に述べる問
題点が発生する。
【0018】第1にAOMの回折角は波長変動に応じて
変化してしまう。これは(1)式に示したように回折角
2θは波長の関数である為である。AOMの回折角が変
化すると、図10に点線で示したように1次回折光11
2はストッパ105に設けたピンホール111にケラれ
て、光量損失やスポット形状に変化が生じてしまう。
【0019】この対策としてピンホール111の径を大
きくすることが考えられるが、該ピンホール111の径
を大きくすると0次回折光107と1次回折光112の
分離が困難になるので強度変調のダイナミックレンジが
低下してしまう。
【0020】また一般に回折角が変化すると被走査面上
を走査するレーザスポットの位置が変化してしまうの
で、得られる画像には不要なアーティファクト、例えば
副走査方向のレーザスポット位置が均一でないために画
像上に縞目が現われるバンディング等が生じてしまう。
【0021】第2に前記回折角の変化に伴ない回折効率
が変化してしまう。これは回折効率が入射角に依存する
為であり、その変化の様子を図4に示す。波長変化と回
折効率の変化の関係は、以下のように説明できる。
【0022】まず波長λの半導体レーザに対し回折効率
を最大にする為に、AOMに対する入射角を(1)式で
示されたθになるように光学系をアライメントする。半
導体レーザの波長がΔλだけ変化したとすると、(1)
式より回折角の変化量2Δθは、 2Δθ=Δλf/v ‥‥‥‥(5) で表わされる。
【0023】しかしながら光学系のアライメントは固定
であるから、AOMに対する入射角θは、もはや回折効
率が最大になる角度ではなくなる。その結果、回折効率
は低下してしまうことになる。回折効率、即ち1次回折
光の強度が変化すれば被走査面を走査するレーザスポッ
トの強度が変化してしまうので、得られる画像には不要
なアーティファクト、例えば濃淡ムラなどが生じてしま
う。
【0024】第3に波長が変化すると入射角θが常に回
折効率が最大になる角度であっても、最大回折光強度が
変化してしまう。これは原理的には前記回折角の変化に
伴なう回折効率の変化とは異なるものであり、(3)式
と(4)式で表わされる。ただし前記回折角の変化に伴
なう回折効率の変化と最大回折光強度の変化は原因は異
なっても現象は同じなので、以後の説明では両者を合わ
せて回折光強度の変化と表わすことがある。
【0025】USP4728965号に複数のレーザを
用いたレーザプリンタが開示されている。同号ではレー
ザ指向性変動の支点、AOM、位置合わせ面そして像面
を共役にすることで、レーザ指向性変動によって生じる
アーティファクトを防止している。
【0026】しかしながら同号ではレーザ指向性変動に
よりAOMへの入射角が変化し回折光強度が変化するこ
とや、強度変調のダイナミックレンジが変化することな
どに対しては何ら開示されていない。また光源の波長変
動に伴なう上記の課題に対しても何ら開示されていな
い。従って上記のレーザプリンタを使用しても回折光強
度の変化によるアーティファクトの影響を免れることは
難しい。更にAOM内に位置するビームウエストを像面
に形成することができない。
【0027】一方、レーザ走査顕微鏡ではAODを利用
して試料上にレーザ光を走査して試料の情報を読み取っ
ている。従来のレーザ走査顕微鏡では光源にガスレーザ
であるArレーザを用いていたが、近年の半導体レーザ
の高出力化、短波長化に伴ない光源を該半導体レーザに
置き換えられつつある。
【0028】しかしながら半導体レーザを光源として用
いた場合、該半導体レーザの波長変動により回折角、即
ち偏向角が変化し走査位置の制御ができなくなってく
る。その為、得られる画像に歪が生じてしまうという問
題点があった。
【0029】特開平5−241207号公報では複数の
波長を含む光ビームをAODで偏向する偏向する際、該
AODが有する偏向角の光波長依存性に対応した倍率色
収差により光ビームを補正した音響光学型偏向装置が提
案されている。
【0030】しかしながら同公報では回折光強度の波長
依存性に対しは何ら開示されていない。またAODと像
面とは共役ではないので、該AODと像面との両者にビ
ームウエストを位置させることはできない。従って、同
公報の偏向装置を使用しても回折光強度の変化によるア
ーティファクトの影響を免れることは難しい。また偏向
速度を上げることと像面上のスポットサイズを小さくす
ることは両立困難である。
【0031】また特開昭61−193130号公報では
音響光学偏向器の色分散を補償して偏向された光ビーム
に色分散を生じないようにした光ビーム偏向装置が提案
されている。しかしながら同公報においても同じく上記
に示した問題点を克服することは難しいという問題点が
あった。
【0032】本発明は波長変動を有する光源と音響光学
素子を利用した光学装置において、該音響光学素子の性
能を十分に発揮させ得る音響光学素子を用いた光学装置
の提供を目的とするものである。
【0033】具体的には光源の波長変動に伴なう音響光
学素子の回折角の変化によるレーザ光の照射位置の変動
を補償し、また光源の波長変動に伴なう音響光学素子の
回折光の強度変動を補償し、更には光源の波長変動を抑
制することのできる音響光学素子を用いた光学装置の提
供を目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の音響光学素子を
用いた光学装置は (1−1)発振波長が変動する光源、該光源から発した
レーザ光を音響光学素子上に導光する導光手段、変調信
号を受信する変調信号受信手段、変調信号に応じて該音
響光学素子を駆動する音響光学素子駆動手段、そして同
じ値を有する変調信号に対して少なくとも該音響光学素
子がレーザ光を回折する方向において、該光源の波長変
動に関わらず像面に照射されるレーザ光の位置を補償す
る位置補償手段を有していることを特徴としている。
【0035】特に(1−1−1)前記光源は半導体レー
ザであることを特徴としている。 (1−1−2)前記位置補償手段は光学系であり、少な
くとも前記音響光学素子がレーザ光を回折する方向にお
いて、該音響光学素子と前記像面とを共役にすることを
特徴としている。 (1−1−3)前記光学系はアフォーカル系であること
を特徴としている。 (1−1−4)前記アフォーカル系は前記音響光学素子
と前記像面とにビームウエストを形成することを特徴と
している。 (1−1−5)前記位置補償手段は少なくとも前記音響
光学素子がレーザ光を回折する方向において、該音響光
学素子と該位置補償手段とを通過したレーザ光の角度を
前記光源の波長変動に関わらず一定にするよう作用する
ことを特徴としている。 (1−1−6)前記位置補償手段は少なくとも1個のプ
リズムを有していることを特徴としている。 (1−1−7)前記位置補償手段は前記光源の波長変動
に関わらず該光源から発したレーザ光が前記音響光学素
子に入射する位置を一定にするよう作用することを特徴
としている。 (1−1−8)前記位置補償手段は前記光源の波長変動
に関わらず該光源から発したレーザ光が前記音響光学素
子から射出する角度を一定にするよう作用することを特
徴としている。 (1−1−9)前記位置補償手段は音響光学素子制御手
段であり、音響光学媒体に印加する超音波の周波数を変
調することでレーザ光の位置補償を行なうことを特徴と
している。
【0036】(2−1)発振波長が変動する光源、該光
源から発したレーザ光を音響光学素子上に導光する導光
手段、変調信号を受信する変調信号受信手段、変調信号
に応じて該音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動手
段、該光源から発したレーザ光の波長又は強度又は位置
の少なくとも1つを検出する検出手段、そして同じ値を
有する変調信号に対して該光源の波長変動に関わらず像
面に照射されるレーザ光の強度を補償する強度補償手段
を有していることを特徴としている。
【0037】特に(2−1−1)前記強度補償手段は前
記音響光学素子駆動手段であり、前記検出手段の出力に
応じて音響光学媒体に印加する超音波の振幅を変調する
ことでレーザ光の強度補償を行なうことを特徴としてい
る。 (2−1−2)前記強度補償手段は光源強度制御手段で
あり、前記検出手段の出力に応じて光源光量を変調する
ことでレーザ光の強度補償を行なうことを特徴としてい
る。 (2−1−3)同じ値を有する変調信号に対して少なく
とも前記音響光学素子がレーザ光を回折する方向におい
て、前記光源の波長変動に関わらず像面を照射するレー
ザ光の位置を補償する位置補償手段を具備することを特
徴としている。 (2−1−4)前記位置補償手段は音響光学素子制御手
段であり、音響光学媒体に印加する超音波の周波数を変
調することで位置補償を行なうことを特徴としている。
【0038】(3−1)半導体レーザと、該半導体レー
ザから発したレーザ光を音響光学素子上に結像させる結
像手段と、該半導体レーザの温度を制御する温度制御手
段と、該半導体レーザの駆動電流を制御する駆動電流制
御手段とを有し、該半導体レーザの波長及び光出力を検
出手段で検出し、該検出された情報に基づいて該半導体
レーザの温度と駆動電流を制御することにより、該半導
体レーザの波長と光出力とが一定となるようにしたこと
を特徴としている。
【0039】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態1の主走
査方向の要部断面図、図2は本発明の実施形態1の副走
査方向の要部断面図である。
【0040】図中、1は光源であり、発振波長が変動す
る半導体レーザ(LD)より成っている。2はコリメー
タレンズであり、LD1から発振したレーザ光(レーザ
ビーム)を平行光に変換している。3は導光手段として
のビーム整形光学系であり、レーザ光のビーム径を変換
し、該レーザ光をAOM(音響光学変調素子)4上に導
いている。AOM4は変調信号を受信する変調信号受信
手段(不図示)と変調信号に応じてAOM4を駆動する
音響光学素子駆動手段(不図示)とに接続されている。
5はビーム整形光学系であり、レーザ光のビーム径を変
換している。6はシリンドリカルレンズであり、副走査
方向にのみ所定の屈折力(パワー)を有している。7は
光偏向器としてのポリゴンミラー、8はfθ特性を有す
る走査レンズ、9は被走査面(結像面)である。
【0041】本実施形態において半導体レーザ1から発
振したレーザ光はコリメータレンズ2で略平行光に変換
され、ビーム整形光学系3で径の小さなビームに変換さ
れ、AOM4に導かれる。AOM4は主走査方向にレー
ザ光が回折するように配置されている。
【0042】AOM4で強度変調されたレーザ光はビー
ム整形光学系5を通過し不図示のストッパのピンホール
を経てシリンドリカルレンズ6に導かれる。そしてシリ
ンドリカルレンズ6でレーザ光は副走査方向にのみ集光
され、ポリゴンミラー7で線像を結像し、ポリゴンミラ
ー面の倒れ補正を行う。そしてポリゴンミラー7で偏向
されたレーザ光は走査レンズ8により被走査面9に結像
し、該被走査面9上を走査して画像を形成(記録)す
る。
【0043】ここでビーム整形光学系3は(2)式にお
いてAOM4の変調帯域幅Δfiを大きくするために、
レーザビーム径dを小さくするように作用する。
【0044】この目的を達成するために本実施形態のビ
ーム整形光学系3は以下の二つの形態のいずれかを取っ
ている。まずそのひとつは集光レンズであり、レーザ光
を結像させてスポットを形成する。もうひとつは望遠鏡
型、いわゆるアフォーカル系であり、ビーム径を変換す
る。
【0045】まず集光レンズを使用する場合について説
明する。半導体レーザ1の接合面と音響光学媒体中の超
音波の伝搬する方向が垂直になるよう配置する。またA
OM4は超音波の伝搬する方向を主走査方向に合わせ
る。半導体レーザ1の遠視野像(FFP)は接合面に垂
直な方向に長い楕円形であるので、コリメータレンズ2
から出射するレーザ光は主走査方向に長軸を持つ楕円形
となる。もしビーム整形光学系3に通常の光軸対称の集
光レンズを用いた場合は、AOM4で得られるレーザ光
は近視野像(NFP)となり主走査方向に短軸を有する
楕円形となる。
【0046】いまAOM4の回折方向、即ち超音波の伝
搬する方向は主走査方向であるから、主走査方向に短軸
を有するビーム径は変調帯域幅Δfiを大きくするのに
有利である。
【0047】次にアフォーカル系を使用する場合は、半
導体レーザ1の接合面と音響光学媒体中の超音波の伝搬
する方向が平行になるよう配置する。またAOM4は副
走査方向に超音波が伝搬するよう配置する。AOM4の
音響光学媒体上ではレーザ光は遠視野像(FFP)とな
るので、副走査方向に短軸を有する楕円形となる。
【0048】いまAOM4の回折方向、即ち超音波の伝
搬する方向は副走査方向であるから、副走査方向に短軸
を有するビーム径は変調帯域幅Δfiを大きくするのに
有利である。
【0049】一般にAOM4の音響光学媒体中のビーム
径は小さいほうが良いが、該音響光学素子中のフォーカ
ス状態は不問である。しかしながら本実施形態では音響
光学媒体中にレーザ光のビームウェストが生じるように
光学系を構成している。さらにAOM4以降の光学系は
少なくともレーザ光が回折する方向において、AOM4
と被走査面9とが共役になるように構成している。
【0050】良く知られているように、これを実現する
ための光学系としてはアフォーカル系がある。例えば2
枚のレンズ構成のアフォーカル系において、前側後側の
レンズの焦点距離をそれぞれf1,f2とすると、2枚
のレンズの主点間距離Zを Z=f1+f2 とすれば焦点距離が無限大のアフォーカル系になる。
【0051】このアフォーカル系において共役な2点は
前側レンズの主点から距離−f1の位置o1と後側レン
ズの主点から距離+f2の位置o2′である。いま位置
o1に半径w1のビームウェストを設けると、o1と共
役な位置o2′にも半径w2のビームウェストが生じ
る。w1とw2の関係は次式で表される。
【0052】w2=w1・f2/f1 3枚以上のレンズを用いてもアフォーカル系を構成する
ことができる。しかしながらアフォーカル系以外の光学
系を使用した場合には光学系に存在する同じ位置にない
2つの共役点に同時にビームウェストを位置させること
はできない。
【0053】図1においてレーザ光の波長がλのとき
は、該レーザ光は実線10Aで示す光路を通るようにア
ライメントを行う。レーザ光の波長が変動して(λ+Δ
λ)になったときはAOM4における回折角は変化する
が、音響光学媒体と被走査面9とが共役なのでレーザ光
は回折角に関わらず被走査面9の同一場所に結像する。
このときのレーザ光の光路を点線10Bで示す。
【0054】また本実施形態では被走査面9上にビーム
ウェストが生じるよう光学系を構成している。この結
果、もし半導体レーザ1の発振波長が変動して回折角が
変化しても被走査面9上のレーザ光は入射角は変化する
がビーム位置は変動しないので、該ビーム位置の変動に
よるアーティファクトは発生しない。また被走査面9上
にビーム径が最小になるビームウェストを生成できるの
で高精細な画像を得ることができる。
【0055】このように本実施形態においては同じ値を
有する変調信号に対して少なくとも音響光学素子4がレ
ーザ光を回折する方向において、半導体レーザ1の波長
変動に関わらず被走査面(像面)9に照射されるレーザ
光の位置を補償(不動)する位置補償手段としての光学
系(アフォーカル系)を用いて補償し、該音響光学素子
4と被走査面9とを共役にすると共に、該音響光学素子
4と被走査面9とにビームウエストを形成することによ
り、バンディングなどのアーティファクトの存在しない
高精細な画像を得ている。
【0056】また本実施形態においては半導体レーザ1
の波長変動に関わらず音響光学素子4がレーザ光を回折
する方向において、該音響光学素子4と位置補償手段と
を通過したレーザ光の位置が一定となるように設定して
いる。
【0057】「実施形態2」次に本発明の実施形態2に
ついて説明する。
【0058】本実施形態では光源の波長変動によるAO
Mの回折角の変化を光学素子(プリズム)の色収差を用
いて補償している。
【0059】一般にガラスやプラスチックの屈折率は波
長に依存して変化し、波長が長いほど屈折率は小さくな
るので、ガラスやプラスチックで製造したプリズムの屈
折角は波長が長いほど小さくなる。またプリズムの形状
や材質を選択したり複数のプリズムを組み合わせること
で任意の屈折角波長特性を実現することができる。
【0060】これに対し(5)式に示したようにAOM
の回折角は波長が長いほど大きくなるから、プリズムと
AOMとを組み合わせることで光学系の波長による入射
角及び出射角の変動を補償することができる。
【0061】図3は本実施形態のAOM以降の光学系の
要部概略図である。同図において31はAOM、32は
プリズム、33は集光レンズ、34は結像面、35は波
長λのレーザ光の光路、36は波長(λ+Δλ)のレー
ザ光の光路である。
【0062】本実施形態において光源(不図示)から発
振した波長λのレーザ光はAOM31で強度変調を受け
ながら回折し、実線35で示した光路を通ってプリズム
32で屈折し、集光レンズ33によって結像面34に結
像する。
【0063】いまレーザ光の波長が(λ+Δλ)に変動
するとAOM31の回折角が変化し、点線36で示す光
路を通る。しかしながら本実施形態におけるプリズム3
2はAOM31の回折角波長特性を補償するように設計
しているのでプリズム32を通過したレーザ光36はレ
ーザ光35と平行になる。したがってレーザ光35とレ
ーザ光36は集光レンズ33で結像面34上の同一点に
結像される。つまり波長変動に関わらずレーザ光を一定
位置に結像させる光学装置を実現している。
【0064】本実施形態では音響光学素子31と結像面
34とが必ずしも共役である必要がない点が前述した実
施形態1と異なっている。
【0065】又、このような構成を、例えばレーザビー
ムプリンタ等の走査光学系に用いれば、波長変動に関わ
らずレーザ光を所期の位置に走査できるので、バンディ
ングなどのアーティファクトのない高精細な画像を得る
ことができる。またAOMの代わりにAOD(音響光学
偏向素子)を用いたレーザ走査顕微鏡に用いれば波長変
動にかかわらず画像歪みのない正確な画像を得ることが
できる。
【0066】このように本実施形態においては少なくと
も音響光学素子がレーザ光を回折する方向において、該
音響光学素子と位置補償手段とを通過したレーザ光の角
度をプリズムを含む光学系により一定とすることによ
り、光源の波長変動による回折角の変化を補償し、像面
を照射するレーザ光の位置を補償(不動)している。
【0067】尚、本実施形態では色収差を有する光学素
子としてプリズムを用いたが、これに限らず同様の色収
差を有する光学素子であれば前述の実施形態2と同様の
効果を得ることができる。例えばその光学素子としては
レンズや平行平面板などがその一例である。また一般に
光学系の色収差を利用すれば上記の実施形態と同様の効
果が得られる。
【0068】「実施形態3」次に本発明の実施形態3に
ついて説明する。
【0069】図4は光入射角θと回折効率との関係を示
した説明図である。一般にAOM光学系はある波長にお
いて回折効率が最大になるようにアライメントする。図
4に示した波長では光入射角θが約0.85°のとき回
折効率は最大になる。もしレーザ光の波長が変動した場
合、(5)式より回折角が変化し最大回折効率を与える
光入射角θは変化する。しかし予め入射角を設定した光
学系のアライメントは不動であるから、回折効率は低下
することになる。
【0070】さらに(4)式より波長が変動すると最大
回折効率を与える入射角にアライメントされていても、
最大回折光強度も変化する。したがって波長変動に伴っ
て得られる1次回折光の強度が変化してしまうことが分
かる。
【0071】そこで本実施形態では光源の波長変動(レ
ーザ光の波長又は強度又は位置)を検出手段で検出し、
1次回折光の強度が実質的に所期の値になるように強度
補償手段としての音響光学素子駆動手段により音響光学
媒体に印加する超音波の振幅を変化させることでAOM
の波長特性を補償している。
【0072】本実施形態の機能を図5を用いて説明す
る。図5は本実施形態を適用した走査光学装置の変調器
周辺を表す要部概略図である。同図において50はレー
ザ光、51はビームスプリッタであり、レーザ光を2つ
に分離している。52は音響光学媒体(AO媒体)、5
3は検出手段としての光波長検出器であり、光源から発
したレーザ光の波長を検出している。54は強度補償手
段としてのAO素子制御装置(音響光学素子駆動手段)
であり、光波長検出器53からの出力と画像データ55
から音響光学媒体52に印加する超音波の振幅を制御し
ている。55は画像データである。
【0073】本実施形態においてビームスプリッタ51
で分割されたレーザ光50の一部は光波長検出器53
で、その光波長が検出される。AO素子制御装置54は
光波長検出器53からの出力と画像データ55から音響
光学媒体52に印加する超音波の振幅を決定する。もし
光源の波長が変動して光波長検出器53からの出力が所
定の値から外れた場合にはAO素子制御装置54は被走
査面上で画像を形成する光強度が所期の値になるように
音響光学媒体52に印加する超音波の振幅を変化させ
る。
【0074】超音波の振幅を変化させる量は前記光波長
検出器53で検出した波長、図5、(4)式及び(5)
式から求めることができる。結果として光源の波長変動
に関わらず所期の強度の1次回折光が得られる走査光学
装置を実現することができる。従って被走査面上では光
源の波長が変化しても所期の濃度を有する画像を得るこ
とができる。
【0075】また音響光学媒体52と不図示の被走査面
は該音響光学媒体52以降の光学系(不図示)を介して
共役であるので回折角が変化してもバンディングなどの
アーティファクトを生じさせることはない。尚ビームス
プリッタ51と検出手段53はAO素子制御装置54よ
り後側(AO媒体の下流側)に設けても前述の実施形態
3と同等の効果が得られる。
【0076】即ち、ビームスプリッタ51と検出手段5
3をAO素子制御装置54より後側に設けた場合には、
検出手段53はポジションセンサやCCDに代表される
ビーム位置検出器でも良い。この場合、ビーム位置検出
器は光源の波長変化に伴う回折角の変化から光源の波長
変動を間接的に検出する機能を果たす。また検出手段5
3はCCDやフォトダイオード等の強度検出器でも良
い。この場合、強度検出器は光源の波長変動に伴う回折
光強度の変化を直接検出する機能を果たす。
【0077】また直接強度変調が可能な光源、例えば半
導体レーザを使用する場合には被走査面上で画像を形成
する光強度が所期の値となるように検出手段53からの
出力に応じて強度補償手段としての光源強度制御手段に
より光源の直接強度変調であっても前述の実施形態3と
同様の効果が得られる。
【0078】また前記検出手段が光波長検出器以外であ
り、かつ波長依存性を有する場合や、像面に設けられた
被走査面が波長依存性を有する場合、例えばフィルムや
感光ドラムや蛍光、燐光、輝尽光を発する試料等は不図
示の逆特性を有する補正手段を設けることで実質的に波
長依存性をなくすことができる。これにより更に正確な
レーザ光の制御を行ったり、高精細な画像を得るなどが
できる。
【0079】このように本実施形態においては同じ値を
有する変調信号に対して光源の波長変動に関わらず像面
に照射されるレーザ光の強度を補償(不動)する強度補
償手段により補償することにより、結像面で所期の強度
のレーザ光を得ることができ、これにより所期の濃度の
画像を得ることができる。
【0080】「実施形態4」次に本発明の実施形態4に
ついて説明する。本実施形態は音響光学素子を用いて、
光源の波長変動に伴う回折角の変化と回折光強度の変化
を同時に補償している。(1)式より超音波の搬送周波
数fの変化による回折角2θの変化は次式で表される。
【0081】 2Δθ=λΔf/v ・・・・・・(6) (6)式はAODの原理を表す式である。これはAOM
において超音波の振幅変調に加えて超音波の周波数変調
を行うことで、音響光学素子を通過するレーザ光の強度
変調と角度変調とを同時に行なえることを意味する。
【0082】本実施形態の機能を図6を用いて説明す
る。図6において60はレーザ光、61はビームスプリ
ッタであり、レーザ光を2つに分離している。62は音
響光学媒体(AO媒体)、63は検出手段としての光波
長検出器であり、音響光学媒体62を通過するレーザ光
の波長を検出している。64は位置補償手段及び強度補
償手段としてのAO素子制御装置(音響光学素子駆動手
段及び音響光学素子制御手段)であり、光波長検出器6
3からの出力と画像データ65に応じて音響光学媒体6
2に印加する超音波の振幅と周波数を制御している。6
5は画像データである。
【0083】本実施形態において光源の発振波長が所定
の値のときは画像データ65に応じて音響光学媒体62
に印加する超音波の振幅だけを制御する。もし光源の発
振波長が変化して前記光波長検出器63からの出力が所
定の値から外れた場合には、AO素子制御装置54は被
走査面上で画像を形成するレーザ光の強度とビーム位置
が所期の値になるように印加する超音波の振幅と周波数
を変化させる。この場合、回折角が予めアライメントし
た光学系に対して不変になるように周波数変調を行う。
【0084】しかしこれまで説明したように波長変動に
応じて回折光強度は変化してしまうので波長変動分を補
償する振幅変調も必要となる。結果として被走査面上で
は光源の発振波長が変化しても所期の濃度を有する画像
を得ることができる。また回折角は変化しないのでバン
ディングなどのアーティファクトを生じさせない。
【0085】このように本実施形態においては上述の如
く音響光学素子を用いて光源の波長変動に伴う回折角の
変化と回折光強度の変化を、検出手段からの出力と画像
データに応じて音響光学媒体に印加する超音波の振幅と
周波数を変調することで同時に補償している。
【0086】「実施形態5」次に本発明の実施形態5に
ついて説明する。本実施形態はAOMの振幅変調と周波
数変調と光学素子(プリズム)の色収差とを用いて、光
源の波長変動に伴う回折角の変化と回折光強度の変化を
同時に補償している。
【0087】本実施形態の機能を図7を用いて説明す
る。図7において70は波長λのレーザ光、71は波長
(λ+Δλ)のレーザ光、72,73は各々位置補償手
段(導光手段の作用も有する)の一要素を構成するプリ
ズム、74は音響光学媒体(AO媒体)である。
【0088】本実施形態においては予め波長λにおいて
最大の回折効率が得られるように光学系のアライメント
を行う。このときのレーザ光の光路を実線70で表す。
良く知られているようにガラスの屈折角は波長に依存
し、波長が短いほど屈折角は大きくなる。
【0089】光源の波長変動が生じてレーザ波長が(λ
+Δλ)になるとプリズムでの屈折角が変化するため
に、レーザ光は点線71で示される光路を通り音響光学
媒体74に達する。このとき音響光学媒体74は実線7
0と点線71の交点、即ち波長変動に対し共役な位置に
設けているので、2つの波長において音響光学媒体74
を通過するレーザ光の位置は等しくなるが角度は異な
る。この角度の差を用いることで(5)式で示した波長
変動に伴う回折角の変化Δθを音響光学媒体74に印加
する超音波の周波数を変調することで補償することがで
きる。
【0090】一般のプリズムでは実線70と点線71の
交点は波長変動に伴って移動する。しかし半導体レーザ
のように波長変動が微小な場合は、ほぼ移動しないと考
えても良い。また波長変動が大きくても交点が移動しな
いプリズム群を設計することもできる。したがって光源
の波長変動にかかわらず最大の回折効率が得られる光学
装置を実現することができる。
【0091】しかしながら(4)式より回折光強度は波
長変動に応じて変化してしまうので、音響光学媒体74
に印加する超音波を振幅変調して波長変動に伴う回折光
強度の変化を補償する必要がある。結果として被走査面
上では光源の発振波長が変化しても所期の濃度を有する
画像を得ることができる。また音響光学媒体74と被走
査面(不図示)とを共役にすることにより、バンディン
グなどのアーティファクトを生じさせない高精細な画像
を得ることができる。
【0092】このように本実施形態ではレーザ光が音響
光学素子に入射する位置及び該レーザ光が音響光学素子
から射出する角度を一定となるように設定している。
【0093】尚、本実施形態では色収差を発生させる手
段としてプリズムを用いたが、これに限らず、例えばレ
ンズや平行平面板などの光学素子でも同等の効果を得る
ことができる。また一般に色収差を補正した光学系を用
いれば上記と同様な効果が得られる。
【0094】また上記の複数のプリズム72.73の配
置を適切に設定すれば音響光学媒体74の周波数変調を
使用しなくとも1次回折光の出射する方向を不変にする
ことができる。これは(5)式において回折角が変化す
る分を補償するように音響光学媒体74への入射角を変
化させ、音響光学媒体74から出射する1次回折光の方
向を不変にすることで達成される。もちろん音響光学媒
体74への入射角は最大回折効率を与える角度と必ずし
も一致しないから、超音波の振幅変調により回折光の強
度を制御する必要がある。
【0095】「実施形態6」次に本発明の実施形態6に
ついて説明する。一般に半導体レーザの波長変動はレー
ザ出力変動と温度変動によって生じる。図8は一般的な
赤色半導体レーザの温度と波長の関係を示した説明図で
あり、同図より明らかなように半導体レーザの波長は約
0.2nm/℃の割合で変化する。したがって半導体レ
ーザの温度を正確に制御することでレーザ光の波長変動
をなくすことができる。
【0096】本実施形態の機能を図9を用いて説明す
る。図9において91は半導体レーザ、92はコリメー
タレンズ、93は鏡筒、94はヒートシンク、95はペ
ルチェ素子、96は半導体レーザ駆動手段、97はペル
チェ素子制御手段である。
【0097】本実施形態においてレーザ光の強度変調は
AOM(不図示)で行うので、半導体レーザ91は一定
光量のレーザ光を出射するように半導体レーザ駆動手段
(駆動電流制御手段)96で制御されている。このため
半導体レーザ91点灯後に熱平衡に達した状態では略一
定の電流が半導体レーザ91に供給されている。
【0098】その具体的な方法としては、例えば半導体
レーザ91の光出力の一部を検出手段としての光強度検
出器(不図示)で検出し、該半導体レーザ91の光出力
が一定になるように該半導体レーザ91の駆動電流を微
小に制御する。鏡筒93は半導体レーザ91とコリメー
タレンズ92を合焦位置に保持する機能を有し、コリメ
ータレンズ92から略平行光のレーザ光が出射する。ペ
ルチェ素子95は半導体レーザ91の温度を環境温度や
半導体レーザの駆動電流の変化に関わらず一定に保つた
めに機能し、廃熱をヒートシング94に伝導する。同時
に鏡筒93の温度も一定に保つので、鏡筒93の伸縮が
なくなり半導体レーザ91とコリメータ92の距離は環
境温度の変化にかかわらず一定に保たれる。
【0099】この結果、半導体レーザは一定光量、波長
不変かつ常に合焦のレーザ光を発振するのでAOMにお
いて回折角は常に一定にすることができる。また音響光
学媒体に印加する超音波の振幅が一定であれば回折光強
度も一定にすることができる。さらに被走査面で常に合
焦のレーザ光を得ることができる。従って被走査面上に
おいてはアーティファクトが生じない高精細な画像を得
ることができる。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば前述の如く発振波長が変
動する光源と音響光学素子とを利用した光学装置におい
て、該音響光学素子特有の波長特性を補償することで、
光源の波長変動に関わらず結像面で所期の位置と所期の
強度のレーザ光を得ることができ、その結果、音響光学
変調素子(AOM)を用いた走査光学系においては、光
源の波長変動に関わらず所期の諧調と濃度を有し、バン
ディングなどのアーティファクトの存在しない高精細な
画像を得ることができる音響光学素子を用いた光学装置
を達成することができる。
【0101】また音響光学偏向素子(AOD)を用いた
レーザ走査顕微鏡においては、光源の波長変動にかかわ
らず画像歪みのない正確な画像を得ることができる音響
光学素子を用いた光学装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の主走査方向の要部断面
【図2】 本発明の実施形態1の副走査方向の要部断面
【図3】 本発明の実施形態2の主要部分の要部概略図
【図4】 光入射角と回折効率との関係を示す説明図
【図5】 本発明の実施形態3のAOMの制御を説明す
る説明図
【図6】 本発明の実施形態4のAOMの制御を説明す
る説明図
【図7】 本発明の実施形態5の主要部分の要部概略図
【図8】 半導体レーザの温度と発振波長との関係を示
す説明図
【図9】 本発明の実施形態6の主要部分の要部概略図
【図10】 AOMを使用した従来の光学装置の要部概
略図
【符号の説明】
1,91 半導体レーザ 2,92 コリメータレンズ 3,5 ビーム整形光学系 4,31,74 AOM 6 シリンドリカルレンズ 7 ポリゴンミラー 8 走査レンズ 9,34 被走査面 32,72,73 プリズム 52,62 音響光学媒体 51,61 ビームスプリッタ 53,63 検出手段 54,64 AO素子制御装置 55,65 画像データ 93 鏡筒 94 ヒートシンク 95 ベッチェ素子 96 半導体レーザ駆動手段 97 ベッチェ素子制御手段

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振波長が変動する光源、該光源から発
    したレーザ光を音響光学素子上に導光する導光手段、変
    調信号を受信する変調信号受信手段、変調信号に応じて
    該音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動手段、そし
    て同じ値を有する変調信号に対して少なくとも該音響光
    学素子がレーザ光を回折する方向において、該光源の波
    長変動に関わらず像面に照射されるレーザ光の位置を補
    償する位置補償手段を有していることを特徴とする音響
    光学素子を用いた光学装置。
  2. 【請求項2】 前記光源は半導体レーザであることを特
    徴とする請求項1の音響光学素子を用いた光学装置。
  3. 【請求項3】 前記位置補償手段は光学系であり、少な
    くとも前記音響光学素子がレーザ光を回折する方向にお
    いて、該音響光学素子と前記像面とを共役にすることを
    特徴とする請求項1の音響光学素子を用いた光学装置。
  4. 【請求項4】 前記光学系はアフォーカル系であること
    を特徴とする請求項3の音響光学素子を用いた光学装
    置。
  5. 【請求項5】 前記アフォーカル系は前記音響光学素子
    と前記像面とにビームウエストを形成することを特徴と
    する請求項4の音響光学素子を用いた光学装置。
  6. 【請求項6】 前記位置補償手段は少なくとも前記音響
    光学素子がレーザ光を回折する方向において、該音響光
    学素子と該位置補償手段とを通過したレーザ光の角度を
    前記光源の波長変動に関わらず一定にするよう作用する
    ことを特徴とする請求項1の音響光学素子を用いた光学
    装置。
  7. 【請求項7】 前記位置補償手段は少なくとも1個のプ
    リズムを有していることを特徴とする請求項1の音響光
    学素子を用いた光学装置。
  8. 【請求項8】 前記位置補償手段は前記光源の波長変動
    に関わらず該光源から発したレーザ光が前記音響光学素
    子に入射する位置を一定にするよう作用することを特徴
    とする請求項1の音響光学素子を用いた光学装置。
  9. 【請求項9】 前記位置補償手段は前記光源の波長変動
    に関わらず該光源から発したレーザ光が前記音響光学素
    子から射出する角度を一定にするよう作用することを特
    徴とする請求項1の音響光学素子を用いた光学装置。
  10. 【請求項10】 前記位置補償手段は音響光学素子制御
    手段であり、音響光学媒体に印加する超音波の周波数を
    変調することでレーザ光の位置補償を行なうことを特徴
    とする請求項1の音響光学素子を用いた光学装置。
  11. 【請求項11】 発振波長が変動する光源、該光源から
    発したレーザ光を音響光学素子上に導光する導光手段、
    変調信号を受信する変調信号受信手段、変調信号に応じ
    て該音響光学素子を駆動する音響光学素子駆動手段、該
    光源から発したレーザ光の波長又は強度又は位置の少な
    くとも1つを検出する検出手段、そして同じ値を有する
    変調信号に対して該光源の波長変動に関わらず像面に照
    射されるレーザ光の強度を補償する強度補償手段を有し
    ていることを特徴とする音響光学素子を用いた光学装
    置。
  12. 【請求項12】 前記強度補償手段は前記音響光学素子
    駆動手段であり、前記検出手段の出力に応じて音響光学
    媒体に印加する超音波の振幅を変調することでレーザ光
    の強度補償を行なうことを特徴とする請求項11の音響
    光学素子を用いた光学装置。
  13. 【請求項13】 前記強度補償手段は光源強度制御手段
    であり、前記検出手段の出力に応じて光源光量を変調す
    ることでレーザ光の強度補償を行なうことを特徴とする
    請求項11の音響光学素子を用いた光学装置。
  14. 【請求項14】 同じ値を有する変調信号に対して少な
    くとも前記音響光学素子がレーザ光を回折する方向にお
    いて、前記光源の波長変動に関わらず像面を照射するレ
    ーザ光の位置を補償する位置補償手段を具備することを
    特徴とする請求項11の音響光学素子を用いた光学装
    置。
  15. 【請求項15】 前記位置補償手段は音響光学素子制御
    手段であり、音響光学媒体に印加する超音波の周波数を
    変調することで位置補償を行なうことを特徴とする請求
    項11の音響光学素子を用いた光学装置。
  16. 【請求項16】 半導体レーザと、該半導体レーザから
    発したレーザ光を音響光学素子上に結像させる結像手段
    と、該半導体レーザの温度を制御する温度制御手段と、
    該半導体レーザの駆動電流を制御する駆動電流制御手段
    とを有し、該半導体レーザの波長及び光出力を検出手段
    で検出し、該検出された情報に基づいて該半導体レーザ
    の温度と駆動電流を制御することにより、該半導体レー
    ザの波長と光出力とが一定となるようにしたことを特徴
    とする音響光学素子を用いた光学装置。
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