JPH0761495B2 - チタン極細線の製造方法 - Google Patents
チタン極細線の製造方法Info
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- JPH0761495B2 JPH0761495B2 JP1004489A JP448989A JPH0761495B2 JP H0761495 B2 JPH0761495 B2 JP H0761495B2 JP 1004489 A JP1004489 A JP 1004489A JP 448989 A JP448989 A JP 448989A JP H0761495 B2 JPH0761495 B2 JP H0761495B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、チタン極細線の製造方法に関するものであ
る。
る。
チタン極細線は、その優れた耐食性などにより、化学物
質用フィルター、複合材料用繊維または電磁波シールド
材など多くの用途が考えられている。
質用フィルター、複合材料用繊維または電磁波シールド
材など多くの用途が考えられている。
従来、この種のTi極細線の製造方法としては、特開昭62
−185893号公報のように、熱間圧延によって製造した5.
5mmφのTi線材を、その表面にNiメッキを施し、このNi
メッキを潤滑皮膜として、冷間伸線し、最終的に極細線
を得るためには、酸洗→焼鈍→酸洗→Niメッキ→冷間伸
線の工程を何度も繰り返していた(以下先行法1とい
う)。
−185893号公報のように、熱間圧延によって製造した5.
5mmφのTi線材を、その表面にNiメッキを施し、このNi
メッキを潤滑皮膜として、冷間伸線し、最終的に極細線
を得るためには、酸洗→焼鈍→酸洗→Niメッキ→冷間伸
線の工程を何度も繰り返していた(以下先行法1とい
う)。
他方、熱間圧延線材を用いて金属細線を得る方法として
は、特開昭51−17163号公報の方法(先行法2という)
がある。
は、特開昭51−17163号公報の方法(先行法2という)
がある。
先行法2は、「外層が普通鋼で内部がファイバー用金属
素材から成る熱間押出し用ビレットを製作し、熱間押出
により線材圧延用ビレットとなし、該ビレットを熱間線
材圧延し、内部がファイバー用金属素材で、外層部が普
通鋼からなる複合線材を得、該複合線材の集合を内層と
し、外層を普通鋼として更に1回以上の熱間押出しと熱
間線材圧延を行うことを特徴とする多数本のファイバー
用金属細線を内包する線材の製造方法」として示され、
束ね圧延法とされている。この線材を冷間伸線後酸洗
し、ファイバーとするものである。この方法は冷間伸線
のみで極細線とする方法に比べて、製造コストは低いと
思われる。
素材から成る熱間押出し用ビレットを製作し、熱間押出
により線材圧延用ビレットとなし、該ビレットを熱間線
材圧延し、内部がファイバー用金属素材で、外層部が普
通鋼からなる複合線材を得、該複合線材の集合を内層と
し、外層を普通鋼として更に1回以上の熱間押出しと熱
間線材圧延を行うことを特徴とする多数本のファイバー
用金属細線を内包する線材の製造方法」として示され、
束ね圧延法とされている。この線材を冷間伸線後酸洗
し、ファイバーとするものである。この方法は冷間伸線
のみで極細線とする方法に比べて、製造コストは低いと
思われる。
また、先行法3は、「ステンレス長繊維を得るにあた
り、ステンレス線状材を炭素量0.008wt%以下の極低炭
素銅帯で被覆して複合線状材を得しめ、この複合線状材
の多数本をステンレス線状材よりも炭素含有量の少ない
炭素鋼管に挿入して熱間圧延し、冷間伸線と焼鈍処理を
繰り返して細線化し、化学的に上記両炭素鋼を除去する
ことを特徴とし」複合線材を得るのに極低炭素銅帯を金
属線材外周部に巻くことを主要点としている。
り、ステンレス線状材を炭素量0.008wt%以下の極低炭
素銅帯で被覆して複合線状材を得しめ、この複合線状材
の多数本をステンレス線状材よりも炭素含有量の少ない
炭素鋼管に挿入して熱間圧延し、冷間伸線と焼鈍処理を
繰り返して細線化し、化学的に上記両炭素鋼を除去する
ことを特徴とし」複合線材を得るのに極低炭素銅帯を金
属線材外周部に巻くことを主要点としている。
しかしながら、前記先行法1では、前記工程を多数回必
要であるため、必然的に製造コストが嵩むものであっ
た。
要であるため、必然的に製造コストが嵩むものであっ
た。
他方、先行法2および3によって、たとえばステンレン
ス極細線を製造する場合には、通常の鉄の熱間圧延条件
で問題なく圧延でき、しかも得られた内部にステンレス
極細線を含んだ線材を、鉄のみを溶解する酸、たとえば
硝酸を用いて酸洗することにより、最終的にステンレス
極細線を得ることができる。
ス極細線を製造する場合には、通常の鉄の熱間圧延条件
で問題なく圧延でき、しかも得られた内部にステンレス
極細線を含んだ線材を、鉄のみを溶解する酸、たとえば
硝酸を用いて酸洗することにより、最終的にステンレス
極細線を得ることができる。
しかし、本発明が対象とするチタン線の場合において
は、TiとFeとで容易に低融点の化合物(溶融点1070℃)
を生成するため、通常の熱間圧延条件(1100℃以上)で
は、Fe−Ti化合物の厚い層がチタン線全面にできてしま
う。
は、TiとFeとで容易に低融点の化合物(溶融点1070℃)
を生成するため、通常の熱間圧延条件(1100℃以上)で
は、Fe−Ti化合物の厚い層がチタン線全面にできてしま
う。
このFe−Ti化合物は硬いので、熱間圧延時において、破
断する原因となる。また、Fe−Ti化合物は硝酸に溶解し
てしまうため、被覆材の炭素鋼を溶解除去する際に、チ
タン線表面にあるFe−Ti化合物までも溶解され、表面に
凹凸ができ高品位の極細線を得ることができない。さら
に高い温度に加熱し圧延し、巻取りを行うとFeがTi中に
拡散し、同じくFe−Ti化合物をつくり、同様にこの化合
物は、硝酸に溶解するので、所定径のチタン極細線を得
ることができない。
断する原因となる。また、Fe−Ti化合物は硝酸に溶解し
てしまうため、被覆材の炭素鋼を溶解除去する際に、チ
タン線表面にあるFe−Ti化合物までも溶解され、表面に
凹凸ができ高品位の極細線を得ることができない。さら
に高い温度に加熱し圧延し、巻取りを行うとFeがTi中に
拡散し、同じくFe−Ti化合物をつくり、同様にこの化合
物は、硝酸に溶解するので、所定径のチタン極細線を得
ることができない。
そこで、本発明の目的は、製造コストが高くなることが
ない、むしろ安価になるとともに、しかもFe−Ti化合物
の生成が著しく抑制された、品質的に良好なチタン極細
線を得ることができる製造方法を提供することにある。
ない、むしろ安価になるとともに、しかもFe−Ti化合物
の生成が著しく抑制された、品質的に良好なチタン極細
線を得ることができる製造方法を提供することにある。
上記課題は、表面に酸化スケールを生成したチタン線材
の外周を低炭素鋼で被覆した複合線材の集合体を内層と
し、外層部を低炭素鋼管としたビレットを、950〜900℃
で加熱し、次いで900〜830℃の温度範囲で、かつ圧延時
間を2〜3分として熱間線材圧延を行った後、1〜3℃
/秒の冷却速度で冷却し、内部に多数本のチタン極細線
を内包した線材を得た後、この線材の低炭素鋼部分を酸
を用いて溶解除去することで解決できる。
の外周を低炭素鋼で被覆した複合線材の集合体を内層と
し、外層部を低炭素鋼管としたビレットを、950〜900℃
で加熱し、次いで900〜830℃の温度範囲で、かつ圧延時
間を2〜3分として熱間線材圧延を行った後、1〜3℃
/秒の冷却速度で冷却し、内部に多数本のチタン極細線
を内包した線材を得た後、この線材の低炭素鋼部分を酸
を用いて溶解除去することで解決できる。
前記の内部に多数本のチタン極細線を内包した線材を得
た後、冷間引抜きを行い、続いてその線材の低炭素鋼部
分を酸を用いて溶解除去することができる。
た後、冷間引抜きを行い、続いてその線材の低炭素鋼部
分を酸を用いて溶解除去することができる。
本発明にしたがって得た複合ビレットを、加熱温度を95
0〜900℃とし、圧延温度を900〜830℃で熱間線材圧延を
行い、さらに圧延後の冷却速度を1〜3℃/秒として冷
却することで、Fe−Ti化合物層の厚みを圧延後の直径の
20%以内に抑えることができる。
0〜900℃とし、圧延温度を900〜830℃で熱間線材圧延を
行い、さらに圧延後の冷却速度を1〜3℃/秒として冷
却することで、Fe−Ti化合物層の厚みを圧延後の直径の
20%以内に抑えることができる。
また、表面に酸化スケールを生成したチタン線材を用い
ることにより、前記酸化スケールが潤滑剤の役目をする
とともに、隔離材であるFeのTi中への拡散を妨げ、Fe−
Ti化合物層の生成を防止する。したがって、圧延時にお
ける素線の破断を無くすることができるとともに、表面
に形成される凹凸を小さくすることができ、高品位のチ
タン極細線を得ることができるようになる。なお、前記
加熱温度、圧延温度、圧延時間および冷却速度の数値限
定理由については、後に詳述する。
ることにより、前記酸化スケールが潤滑剤の役目をする
とともに、隔離材であるFeのTi中への拡散を妨げ、Fe−
Ti化合物層の生成を防止する。したがって、圧延時にお
ける素線の破断を無くすることができるとともに、表面
に形成される凹凸を小さくすることができ、高品位のチ
タン極細線を得ることができるようになる。なお、前記
加熱温度、圧延温度、圧延時間および冷却速度の数値限
定理由については、後に詳述する。
また、使用するチタン線材を低炭素鋼で被覆するように
すると、隔離材としてコスト的に安いものとなり、かつ
酸化スケールを付けたチタン複合線材の製造が容易とな
る。
すると、隔離材としてコスト的に安いものとなり、かつ
酸化スケールを付けたチタン複合線材の製造が容易とな
る。
以下本発明をさらに詳説する。
本発明におけるTi線材とは、純Ti等のα相Ti、Ti−6Al
−4V等の(α+β)型Ti合金、Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo
−4Zr、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al等のβ型Ti合金が対象
である。
−4V等の(α+β)型Ti合金、Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo
−4Zr、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al等のβ型Ti合金が対象
である。
Ti外周部に低炭素鋼を被覆する迄のTiの冷間伸線方法と
しては、ローラーダイス、穴ダイスを用いることができ
る。伸線時の潤滑下地として、酸化スケールをTi材表面
に生成させることにより、スケールが潤滑剤の役目と、
隔離材であるFeのTi中への拡散を防げる働きをし、Fe−
Ti化合物層の生成を防止する。Ti線材の外周を低炭鋼で
被覆するのは、Ti線材同志の融着を防止するためである
が、特開昭61−137623号では、炭素量0.008wt%以下の
極低炭素鋼を用いるとなっているがTi線材の場合、拡散
した炭素がTi材表面でTiと結合し、TiCとなり、Ti材内
部にはあまり拡散しないので、用いる低炭素鋼の炭素は
0.1%以下であればよい。
しては、ローラーダイス、穴ダイスを用いることができ
る。伸線時の潤滑下地として、酸化スケールをTi材表面
に生成させることにより、スケールが潤滑剤の役目と、
隔離材であるFeのTi中への拡散を防げる働きをし、Fe−
Ti化合物層の生成を防止する。Ti線材の外周を低炭鋼で
被覆するのは、Ti線材同志の融着を防止するためである
が、特開昭61−137623号では、炭素量0.008wt%以下の
極低炭素鋼を用いるとなっているがTi線材の場合、拡散
した炭素がTi材表面でTiと結合し、TiCとなり、Ti材内
部にはあまり拡散しないので、用いる低炭素鋼の炭素は
0.1%以下であればよい。
Ti線材外周部に低炭素鋼を被覆する方法は公知の多くの
方法があり発明においてはいずれも採用できる。すなわ
ち、Tiの丸鋼を内部に入れた低炭素鋼パイプを熱間押出
しにて圧着し、それを熱間圧延もしくは穴ダイス伸線に
て加工する方法(先行法4とする)も有り、Ti丸鋼を内
部に入れた低炭素鋼パイプを冷間穴ダイス伸線をして所
定の直径のクラッド線とする方法(先行法5とする)等
が有る。
方法があり発明においてはいずれも採用できる。すなわ
ち、Tiの丸鋼を内部に入れた低炭素鋼パイプを熱間押出
しにて圧着し、それを熱間圧延もしくは穴ダイス伸線に
て加工する方法(先行法4とする)も有り、Ti丸鋼を内
部に入れた低炭素鋼パイプを冷間穴ダイス伸線をして所
定の直径のクラッド線とする方法(先行法5とする)等
が有る。
この時、内部に入れるTi丸鋼の表面には酸化スケールを
生成しておく。酸化スケールを生成させる条件は、Ti合
金の種類によって異なるが、600〜750℃×30分→A.C.条
件で、大気炉で行うとよい。酸化スケールの厚さは、1
〜5μm程度生成させるのが望ましい。このようにし
て、低炭素鋼で被覆した複合線材は、これを所定長さに
切断し、外層材としての低炭素鋼管などの外層材に密に
詰め込み、熱間圧延を行う。外層材の炭素量も0.1wt%
以下でよい。
生成しておく。酸化スケールを生成させる条件は、Ti合
金の種類によって異なるが、600〜750℃×30分→A.C.条
件で、大気炉で行うとよい。酸化スケールの厚さは、1
〜5μm程度生成させるのが望ましい。このようにし
て、低炭素鋼で被覆した複合線材は、これを所定長さに
切断し、外層材としての低炭素鋼管などの外層材に密に
詰め込み、熱間圧延を行う。外層材の炭素量も0.1wt%
以下でよい。
次に、本発明における熱間圧延条件の限定理由を示す。
先ず、本発明においては、特に加熱温度を950〜900℃と
する。前記温度範囲が後述の実施例3によって実証され
るように顕著な効果を示す。加熱温度が950℃を超える
と、Fe−Ti化合物層の融点(1070℃)に近づき、Fe−Ti
化合物層が厚くなりすぎるため良好な表面肌の極細線が
得られない。また、900℃未満であると、後述のよう
に、圧延温度が800℃以下となり、Ti線材の熱間変形能
が低下し、割れ、しわ等の欠陥が発生する。なお、加熱
時間はビレットが均一とされるための最も短い時間が望
ましく、通常2時間以内である。
する。前記温度範囲が後述の実施例3によって実証され
るように顕著な効果を示す。加熱温度が950℃を超える
と、Fe−Ti化合物層の融点(1070℃)に近づき、Fe−Ti
化合物層が厚くなりすぎるため良好な表面肌の極細線が
得られない。また、900℃未満であると、後述のよう
に、圧延温度が800℃以下となり、Ti線材の熱間変形能
が低下し、割れ、しわ等の欠陥が発生する。なお、加熱
時間はビレットが均一とされるための最も短い時間が望
ましく、通常2時間以内である。
また、圧延温度を、特に900〜830℃とする。前記温度範
囲が後述の実施例3によって実証されるように顕著な効
果を示す。Ti線材は、圧延することによって線径が非常
に小さくなる。しかるに、Fe−Ti化合物層の厚さは、温
度と時間との関数であり、線型が小さくなった分だけ、
線径に占めるFe−Ti化合物層の比率が大きくなるため、
圧延温度を900℃を超える温度とすると、Fe−Ti化合物
層が厚くなりすぎ良好な表面肌の極細線が得られなくな
る。
囲が後述の実施例3によって実証されるように顕著な効
果を示す。Ti線材は、圧延することによって線径が非常
に小さくなる。しかるに、Fe−Ti化合物層の厚さは、温
度と時間との関数であり、線型が小さくなった分だけ、
線径に占めるFe−Ti化合物層の比率が大きくなるため、
圧延温度を900℃を超える温度とすると、Fe−Ti化合物
層が厚くなりすぎ良好な表面肌の極細線が得られなくな
る。
また、圧延温度が830℃未満であると、チタンはHCP結晶
構造のため変形能が劣るので熱間圧延時に割れが生じて
極細線とならない。
構造のため変形能が劣るので熱間圧延時に割れが生じて
極細線とならない。
さらに、後述実施例より明らかなように圧延時間は2〜
3分以内とされる。たとえば、880℃〜830℃で圧延比10
0、圧延時間3分で2℃/秒で冷却したところ、Fe−Ti
化合物層の厚さは8μmであった。950℃を超える温度
での圧延の場合は、圧延時間を短く、圧延後の冷却速度
を早くしても、Fe−Ti化合物層を15μm以下に抑えるこ
とが難しい。
3分以内とされる。たとえば、880℃〜830℃で圧延比10
0、圧延時間3分で2℃/秒で冷却したところ、Fe−Ti
化合物層の厚さは8μmであった。950℃を超える温度
での圧延の場合は、圧延時間を短く、圧延後の冷却速度
を早くしても、Fe−Ti化合物層を15μm以下に抑えるこ
とが難しい。
一方、熱間圧延後の冷却速度は1〜3℃/秒とされる。
冷却速度が1℃/秒未満の場合は、FeのTi中における拡
散速度が早い温度範囲となっている時間が長くなるの
で、Fe−Ti化合物層が厚くなり、表面粗度、寸法精度が
良好なTi極細線が得られなくなる。また、冷却速度が3
℃/秒を超える場合は、Ti線材の硬度が高くなり、品質
上常温延性等の問題が生じる。
冷却速度が1℃/秒未満の場合は、FeのTi中における拡
散速度が早い温度範囲となっている時間が長くなるの
で、Fe−Ti化合物層が厚くなり、表面粗度、寸法精度が
良好なTi極細線が得られなくなる。また、冷却速度が3
℃/秒を超える場合は、Ti線材の硬度が高くなり、品質
上常温延性等の問題が生じる。
熱間圧延によって、一般的に5.5〜10mmφ程度の線材と
なす。この線材を酸を用いて、隔離材である低炭素鋼を
溶解し、φ100〜200μm程度のTi極細線を得ることがで
きる。酸の種類は硝酸が望ましい。これは、鉄のみを溶
解し、Tiは溶解しないからである。濃度は20〜40℃が望
ましい。20℃未満では溶解能力が劣り、酸洗時間を多く
必要とする。また40%を超える場合は、溶解反応時に液
が沸騰しやすく、安全上問題がある。処理温度も50℃以
下が望ましく、50℃を超える温度では溶解反応時に液が
沸騰しやすく、安全上問題がある。
なす。この線材を酸を用いて、隔離材である低炭素鋼を
溶解し、φ100〜200μm程度のTi極細線を得ることがで
きる。酸の種類は硝酸が望ましい。これは、鉄のみを溶
解し、Tiは溶解しないからである。濃度は20〜40℃が望
ましい。20℃未満では溶解能力が劣り、酸洗時間を多く
必要とする。また40%を超える場合は、溶解反応時に液
が沸騰しやすく、安全上問題がある。処理温度も50℃以
下が望ましく、50℃を超える温度では溶解反応時に液が
沸騰しやすく、安全上問題がある。
またさらに細いTi線を得る場合には、熱間圧延複合線材
を冷間伸線する。1mmφ程度迄伸線すれば、10μmφ程
度のTi極細線が得られる。この際、何回かの焼鈍を行う
が、焼鈍温度、時間はFe−Ti化合物層の拡大を防止する
ため、700℃以下、2時間以内が望ましい。
を冷間伸線する。1mmφ程度迄伸線すれば、10μmφ程
度のTi極細線が得られる。この際、何回かの焼鈍を行う
が、焼鈍温度、時間はFe−Ti化合物層の拡大を防止する
ため、700℃以下、2時間以内が望ましい。
次に実施例を示し、本発明の効果を明らかにする。
(実施例1) 直径11.0mmφの純Ti線Aと、これに680℃×30分→A.C.
の条件にて表面に酸化スケールを生成させた直径11.0mm
φの純Ti線Bとを用意する。両者とも外径21.7mm、内径
12.3mmの低炭素鋼管に挿入する。長さは1〜6m程度とす
る。しかる後に内径19.4mmφの穴ダイスを通すことによ
り外径19.4mmφの低炭素鋼、中身11.0mmφの純Tiのクラ
ッド材を得る。しかる後に、これを順次穴ダイスを通す
ことにより外径3.5mmφの低炭素鋼、中身2.0mmφとし
た。
の条件にて表面に酸化スケールを生成させた直径11.0mm
φの純Ti線Bとを用意する。両者とも外径21.7mm、内径
12.3mmの低炭素鋼管に挿入する。長さは1〜6m程度とす
る。しかる後に内径19.4mmφの穴ダイスを通すことによ
り外径19.4mmφの低炭素鋼、中身11.0mmφの純Tiのクラ
ッド材を得る。しかる後に、これを順次穴ダイスを通す
ことにより外径3.5mmφの低炭素鋼、中身2.0mmφとし
た。
純Ti線の化学成分、被覆用の低炭素鋼の化学成分を第1
および第2表に示す。複合線材を矯正した後3mに切断し
た。つづいて外径φ135mm、内径φ50mmの低炭素鋼管に1
40本詰め、熱間圧延ビレットを2本製作した。第3表に
低炭素鋼管の化学成分を示す。
および第2表に示す。複合線材を矯正した後3mに切断し
た。つづいて外径φ135mm、内径φ50mmの低炭素鋼管に1
40本詰め、熱間圧延ビレットを2本製作した。第3表に
低炭素鋼管の化学成分を示す。
ついで、ともに900℃×2Hr加熱後、850℃で熱延し、9.5
mmφの線材A′,B′となした後、850〜500℃間を3℃/
秒で風冷した(A材の圧延品をA′B材のそれをB′と
する)。9.8mmφ線材の横断面のミクロ組織より、A′,
B′複合線材中のTi線材の径は約140μmであり、Fe−Ti
化合物層の厚さはA′は7μm、B′は4.0μmであ
り、本発明に従って、表面に酸化スケールを生成させた
B材を用いることで、その化合物層を薄くすることがで
きる。
mmφの線材A′,B′となした後、850〜500℃間を3℃/
秒で風冷した(A材の圧延品をA′B材のそれをB′と
する)。9.8mmφ線材の横断面のミクロ組織より、A′,
B′複合線材中のTi線材の径は約140μmであり、Fe−Ti
化合物層の厚さはA′は7μm、B′は4.0μmであ
り、本発明に従って、表面に酸化スケールを生成させた
B材を用いることで、その化合物層を薄くすることがで
きる。
A′,B′複合線材を、処理温度45℃、40%wt%HNO3で酸
洗することで、A′からは約120μm、B′からは約130
μmの純Ti線が得られた。
洗することで、A′からは約120μm、B′からは約130
μmの純Ti線が得られた。
(実施例2) 実施例1のA′複合線材を、外径4mmφ迄冷間伸線した
後、680℃×1Hrの焼鈍処理を施し、更に外径φ2mm迄冷
間伸線した後、680℃×1Hrの焼鈍処理を施し、更に外径
φ1mm迄冷間伸線した。次いで、実施冷1と同一条件の
酸洗条件で酸洗し、外径14μmの純Ti線140本を得た。F
e−Ti拡散層は酸洗で除去された。
後、680℃×1Hrの焼鈍処理を施し、更に外径φ2mm迄冷
間伸線した後、680℃×1Hrの焼鈍処理を施し、更に外径
φ1mm迄冷間伸線した。次いで、実施冷1と同一条件の
酸洗条件で酸洗し、外径14μmの純Ti線140本を得た。F
e−Ti拡散層は酸洗で除去された。
(実施例3) 実施例1のA純Ti線を用いた熱間圧延ビレットを熱間圧
延条件を種々変化させて、φ9.5mm線材に圧延した際のF
e−Ti化合物層の厚さを測定した結果を第4表に示す。
延条件を種々変化させて、φ9.5mm線材に圧延した際のF
e−Ti化合物層の厚さを測定した結果を第4表に示す。
加熱時間は2時間、圧延時間No.1〜7は2〜3分、No.8
は10分とした。
は10分とした。
第4表に示すごとく、加熱温度を950〜900℃とし、圧延
温度を900〜830℃とし、圧延時間を2〜3分として熱間
線材圧延を行った後、1〜3℃/秒の冷却速度で冷却し
た場合には、Fe−Ti化合物層の厚さを13〜7μmとする
ことができた。一方、比較例4〜8についてみると、比
較例4および5において、加熱温度;1000〜1100℃、圧
延温度;950〜980℃、圧延時間を2〜3分とし、冷却速
度を3℃/秒とした場合には、Fe−Ti化合物層の厚さが
35μmまたは消失し、明らかに本発明例に対し劣ってい
ることが判明される。また、比較例7をみると、本発明
例1と加熱温度、圧延温度および圧延時間が同じでも冷
却速度が短いとFe−Ti化合物層の厚さが極端に増加する
ことが判明される。さらに、比較例7をみると、本発明
例1と加熱温度、圧延温度および圧延時間が同じでも、
冷却速度が短いとFe−Ti化合物層の厚さが増大し、また
比較例8をみると、本発明例1と加熱温度、圧延温度お
よび冷却速度が同じでも、圧延時間が長いとFe−Ti化合
物層の厚さが増大することが判明される。
温度を900〜830℃とし、圧延時間を2〜3分として熱間
線材圧延を行った後、1〜3℃/秒の冷却速度で冷却し
た場合には、Fe−Ti化合物層の厚さを13〜7μmとする
ことができた。一方、比較例4〜8についてみると、比
較例4および5において、加熱温度;1000〜1100℃、圧
延温度;950〜980℃、圧延時間を2〜3分とし、冷却速
度を3℃/秒とした場合には、Fe−Ti化合物層の厚さが
35μmまたは消失し、明らかに本発明例に対し劣ってい
ることが判明される。また、比較例7をみると、本発明
例1と加熱温度、圧延温度および圧延時間が同じでも冷
却速度が短いとFe−Ti化合物層の厚さが極端に増加する
ことが判明される。さらに、比較例7をみると、本発明
例1と加熱温度、圧延温度および圧延時間が同じでも、
冷却速度が短いとFe−Ti化合物層の厚さが増大し、また
比較例8をみると、本発明例1と加熱温度、圧延温度お
よび冷却速度が同じでも、圧延時間が長いとFe−Ti化合
物層の厚さが増大することが判明される。
以上のように、特に加熱温度、圧延温度、圧延時間およ
び冷却速度を本願発明の範囲内とした場合には、特に際
立って優れた効果を有することが判明される。
び冷却速度を本願発明の範囲内とした場合には、特に際
立って優れた効果を有することが判明される。
〔発明の効果〕 以上のとおり、本発明によれば、品質的に良好なチタン
極細線を安価なコストで製造できる。
極細線を安価なコストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21C 9/00 A 9347−4E
Claims (2)
- 【請求項1】表面に酸化スケールを生成したチタン線材
の外周を低炭素鋼で被覆した複合線材の集合体を内層と
し、外層部を低炭素鋼管としたビレットを、950〜900℃
で加熱し、次いで900〜830℃の温度範囲で、かつ圧延時
間を2〜3分として熱間線材圧延を行った後、1〜3℃
/秒の冷却速度で冷却し、内部に多数本のチタン極細線
を内包した線材を得た後、この線材の低炭素鋼部分を酸
を用いて溶解除去することを特徴とするチタン極細線の
製造方法。 - 【請求項2】内部に多数本のチタン極細線を内包した線
材を得た後、冷間引抜きを行い、続いてその線材の低炭
素鋼部分を酸を用いて溶解除去する請求項1記載のチタ
ン極細線の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1004489A JPH0761495B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | チタン極細線の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1004489A JPH0761495B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | チタン極細線の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02187212A JPH02187212A (ja) | 1990-07-23 |
JPH0761495B2 true JPH0761495B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=11585506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1004489A Expired - Fee Related JPH0761495B2 (ja) | 1989-01-11 | 1989-01-11 | チタン極細線の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0761495B2 (ja) |
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JPS61137623A (ja) * | 1984-12-10 | 1986-06-25 | Tokyo Seiko Kk | ステンレス繊維の製造法 |
JPH0665746B2 (ja) * | 1984-12-29 | 1994-08-24 | 新日本製鐵株式会社 | チタン熱延板の製造方法 |
JPH0663076B2 (ja) * | 1985-01-07 | 1994-08-17 | 新日本製鐵株式会社 | 等軸細粒の(α+β)2相組織を有するチタン合金材の製造方法 |
JPS62124002A (ja) * | 1985-11-21 | 1987-06-05 | Kawasaki Steel Corp | 金属極細線の製造方法 |
-
1989
- 1989-01-11 JP JP1004489A patent/JPH0761495B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02187212A (ja) | 1990-07-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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