JPH0760727A - セメント成形硬化体とその製造方法 - Google Patents

セメント成形硬化体とその製造方法

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JPH0760727A
JPH0760727A JP21324193A JP21324193A JPH0760727A JP H0760727 A JPH0760727 A JP H0760727A JP 21324193 A JP21324193 A JP 21324193A JP 21324193 A JP21324193 A JP 21324193A JP H0760727 A JPH0760727 A JP H0760727A
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JP
Japan
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cement
mixed material
water
hardened
layer
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JP21324193A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Tanaka
弘文 田中
Hiroo Shioda
博夫 潮田
Tomoaki Yukiashi
智明 行足
Koji Mikami
光司 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で高い製品強度を発現し、表面は、天
然石に近く、平滑ではなくザラついた感じであり気泡に
よる空隙がほとんどなく、美粧性を損なわないセメント
成形硬化体を提供する。 【構成】 セメント、顔料、充填材および水の混合材料
を少なくとも二層以上の複層構造に形成する。この複層
構造の表面層の水の配合比を、他の層の水の配合比より
高く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外装材、内装材、床材
などの建築用仕上げ材料として有用なセメント成形硬化
体とその製造方法に関する。さらに詳しく述べれば、割
り肌模様調の人造石板として有用なセメント成形硬化体
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セメント系の建築仕上げ材料とし
ての人造石板は、常温養生あるいは保温養生されてい
る。この保温養生には、100℃以下の蒸気を用いる蒸
気養生と、ヒーターで温めるヒーター養生とがある。こ
のように養生した材料の表面に美粧性、吸水性などの機
能性の観点から塗装が施されている。これら常温養生あ
るいは保温養生された人造石板は、セメント製品として
の十分な強度を発現させるため、長い養生期間を要して
いた。また、セメント製品の出荷後も、セメントの硬化
反応が終結されておらず、このセメントの硬化反応が進
行し、その結果、セメント製品に、乾燥収縮による成形
板の反り、ひび割れなどが起こりやすかった。また、セ
メントの硬化反応により生成した消石灰等が後にコンク
リート等の白色析出物を生ずるエフロレッセンスを引き
起こし、製品の美粧性が損なわれる場合があった。
【0003】また、人造石板に樹脂型の忠実な転写を行
うために、流動性が高く、気泡をあまり含まない混合材
料が必要である。しかし、流動性を高くすると、硬化後
のセメント製品に所定の強度が得られなくなるため、流
動性を高くすることができない。その結果、セメント製
品の表面に気泡による空隙が生じ、その空隙が大きい場
合塗装によっても隠蔽できないことがあった。また、セ
メント製品に塗装を施した場合、セメント製品の成形板
自体は石表面の生地等のテクスチャーの忠実な転写がな
されていても、成形板の上の塗装は、ザラついた天然石
の感じがなく、平滑なものになっていた。また、塗装の
場合、表面が一部欠落した場合、天然石に対して全く異
なった表面が出現する。また、セメント製品を現場で切
断加工して使用することがあり、かかる場合、切断面を
塗装する必要があるが、工事によっては塗装されず、セ
メント製品の美粧性が損なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記事情に鑑
みてなされたもので、その目的とするところは、短時間
で高い製品強度を発現し、表面は、天然石に近く、平滑
ではなくザラついた感じであり気泡による空隙がほとん
どなく、表面が一部欠落しても、天然石同様、新しい表
面が出現するだけで美粧性を損なわないセメント成形硬
化体を提供することにある。また特に、製品製造後の乾
燥収縮によるひび割れ、反りが小さく長期にわたる寸法
安定性が得られ、エフロレッセンスのないセメント成形
硬化体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【問題を解決するための手段】本発明におけるセメント
成形硬化体は、セメント、顔料、充填材および水を所定
の配合比で混合した混合材料により成形されてなるセメ
ント成形硬化体において、前記セメント等の混合材料を
少なくとも二層以上の複層構造に形成し、この複層構造
の表面層を、他の層の水の配合比より高く設定すること
を前記課題の解決手段とした。
【0006】前記充填材は、硅砂、硅砂微粉末、川砂、
砕石、軽量骨材、発泡パーライト、発泡スチレンビーズ
のうちの少なくとも1種であることが好ましい。前記混
合材料は、補強材を含んでなることが好ましい。この補
強材は、ガラス繊維、ビニロン繊維、ワラストナイト粉
末、雲母粉末、パルプのうちの少なくとも1種であるの
が好ましい。前記混合材料は、撥水剤を含んでなるのが
好ましい。
【0007】また、セメント成形硬化体の製造方法は、
セメント、顔料、充填材および水を混練して混合材料と
し、この混合材料を表面模様転写用の樹脂型が敷かれた
型枠に投入し、この混合材料を養生して型枠から脱型
し、これをオートクレーブ養生してセメント成形硬化体
を製造する方法であって、前記セメント、顔料、充填材
および水を所定の配合比で混合して混合材料とし、これ
を型枠に投入して養生し、この混合材料の上に、この混
合材料よりも低い配合比で水を混合した混合材料を投入
して二層以上の複層構造となるセメント成形硬化体を製
造することを前記課題の解決手段とした。
【0008】前記オートクレーブ養生して得られた成形
硬化体表面を酸水溶液で洗浄するのが好ましい。なお、
本発明において二層以上の複層構造とすることも勿論可
能である。
【0009】以下、本発明を、図面を用いて詳しく説明
する。図1に示すように、符号aは、第一層である表面
層を示し、bは第二層である裏面層を示し、二層構造の
センント成形硬化体を示している。本発明に用いられる
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強セメン
ト、高炉セメント、フライアッシュセメント、白色セメ
ントのうちの少なくとも1種を選択して用いる。好まし
くは、オートクレーブ養生を行う前に型枠を脱型するの
に十分な脱型強度を確保するために早強セメントを用い
る。また、白色セメントは、単独の使用では強度が低
く、十分な脱型強度、製品強度が得られないことがある
ので他のセメントと同時に用いる。顔料は、無機顔料を
用いるが、製品の色により赤、黄、黒、緑、青、白の顔
料を適宜混合して用いる。
【0010】充填材は、硅砂(好ましくは粒径が1mm
以下)、硅石微粉末(たとえば粒径が20μm以下、好
ましくは10μm以下)、川砂、砕石、軽量骨材、発泡
パーライト、発泡スチレンビーズのうちの少なくとも1
種を選択して用いるのが好ましいが、もちろんこれら以
外の公知の充填材も使用可能である。川砂、砕石は、第
一層である表面層aに用いる場合、1mm以下の粒径で
あることが好ましい。軽量骨材、発泡パーライト、発泡
スチレンビーズは、主に第二層である裏面層bに用い、
この場合、3mm以下の粒径であることが望ましい。ま
た、充填材の添加量は、重量でセメント100部に対し
て100部〜150部とするのが好ましい。
【0011】また、本発明のセメント成形硬化体は、前
記セメント、顔料、充填材に加え、補強材を加えてもよ
い。この補強材は、ガラス繊維、ビニロン繊維、ワラス
トナイト粉末、雲母粉末、パルプが特に好適であるが、
これ以外の公知の材料も使用可能である。ガラス繊維、
ビニロン繊維は、6mm以下の長さであることが好まし
い。ガラス繊維、ビニロン繊維は、主に第二層である裏
面層bに用いるのが好ましい。また、充填材の添加量
は、重量でセメント100部に対して20部以下である
ことが好ましい。
【0012】また、本発明のセメント硬化体は、撥水剤
を添加してもよい。この撥水剤は、公知の撥水剤のいず
れを用いてもよいが、好ましくはシリコン系の撥水剤を
用いる。撥水剤の添加量は、第一層である表面層aの場
合、重量で、セメント100部に対して0.4〜2部と
するのが好ましく、第二層である裏面層bの場合、セメ
ント100部に対して1部以下とするのが好ましい。
【0013】また、本発明のセメント硬化体には、補強
材として鉄筋、金網、ガラス繊維のネット、ビニロン繊
維のネットを用いてもよい。鉄筋、金網は、好ましくは
防錆処理を行うほうがよい。これら補強材は、第一層で
ある表面層aと第二層である裏面層bとの層間に、補強
材が沈み込まない程度に表面層aが硬化した後に、入れ
るのが好ましい。補強材として鉄筋を用いる場合、この
鉄筋の線径の大きなものを用いる場合は、表面層aに沈
み込まないように型枠に固定しておくのがよい。
【0014】本発明のセメント成形硬化体を製造する方
法は、まず第一層である表面層aとなるセメント、顔
料、充填材、撥水剤および水と必要に応じて補強材を所
定の配合比で混練し、第一層の混合材料を得る。次に、
この混合材料を表面模様転写用の樹脂型が敷かれた型枠
に流し込む。そして、ほぼ同じ厚さになるように表面層
aを広げて表面を均す。この表面層aの流し込み後、1
0分〜60分常温で放置する。この表面層aの放置は、
表面層aを少し硬化させて裏面層bを流し込んだとき、
表面層aの乱れを防止するためである。この放置時間は
長すぎると、表面層a、裏面層bの接着が悪くなり、こ
れらの層間剥離を起こすことがある。このため、放置時
間は、30分以下が好ましい。ここで、裏面層bを表面
層aと同色にすれば、裏面層bは表面に露出しても目立
たない。
【0015】次に、金網等の補強材を入れた後、第二層
である裏面層bを流し込み、この裏面層bの表面を平ら
に均す。第二層である裏面層bは、セメント、顔料、充
填材および水と撥水剤、補強材を所定の配合比で混練
し、第二層の混合材料を製造する。ここで、表面層aの
混合材料の流動性は、樹脂型と混合材料との界面に気泡
を取り込まないために、高く設定する。また、水を多く
添加して流動性を高くすると、強度が低くなるため、裏
面層bは水の添加量を下げて流動性を下げ、強度を高く
設定する。これを、10℃以上の温度で16〜20時間
養生した後、脱型する。
【0016】こうして得られたセメント成形硬化体をオ
ートクレーブ養生缶に入れオートクレーブ養生を行う。
養生条件は150〜200℃、5〜16気圧で行うが、
好ましくは180〜200℃、10〜16気圧がよい。
200℃を超えると、強度低下を起こすためよくない。
養生時間は5〜24時間、好ましくは5〜10時間がよ
い。養生時間が24時間を超えると時間の効果はなくな
り、強度劣化を生ずることが多く、また操業上の制約か
ら養生時間が長すぎるのも好ましくない。
【0017】次に、オートクレーブ養生したセメント成
形硬化体は、表面を酸水溶液で洗浄し、さらに十分の水
で洗浄する。使用する酸は塩酸、硫酸、酢酸、硝酸その
他多くの酸を使用できるが、好ましくは塩酸を用いるの
がよい。塩酸水溶液濃度は、35%塩酸水溶液を、容積
で水100部に対して3〜10部混合して用いる。酸水
溶液での処理時間は30秒〜2分とする。この処理時間
が長すぎると、表面の生地等のテクスチャーが損なわれ
ることがある。
【0018】
【作用】本発明のセメント成形硬化体は、セメント、顔
料、充填材および水の混合材料が少なくとも二層以上の
複層構造に形成されているので、各層の混合材料が互い
に接着され、高い製品強度になる。この複層構造の表面
層は、他の層より水の配合比を高く設定したので、表面
層の流動性が高くなり、樹脂型等の忠実な転写が行わ
れ、気泡の取り込みが抑さえられる。
【0019】また、混合材料に補強材を含ませれば、製
品強度が向上する。また、撥水剤を添加すれば、吸水率
が下げられ、成形体の強度が高いため耐凍結融解性にも
優れる。また、塗装ではないため、表面が、天然石に近
い、平滑ではなくザラついた感じに形成され、表面が一
部欠落しても、天然石同様、新しい表面が出現し、美粧
性は損なわれない。また、硬化反応により水は消費され
製品の含水率は常温養生硬化体に比べてかなり小さくな
る。また、充填材に、軽量化するために、軽量骨材、発
泡パーライト、発泡スチレンビーズ等を添加してもよ
い。そして、充填材を表面層以下の層に添加すれば、表
面層以下の層であるため、表面の美粧性を損ねない。
【0020】また、本発明の製造方法は、十分な流動性
が得られるような配合比で混合した混合材料を樹脂型に
接触する表面層とすることにより、樹脂型の忠実な転写
を行うことができ、また樹脂型と表面層との界面の気泡
の取込が抑さえられ、気泡により空隙の発生が少なくな
る。また、表面層の上に投入された層は、水の配合比を
下げ製品の強度を高めることができる。そして、オート
クレーブ養生するので、硬化反応が常圧養生とは著しく
異なり、セメントの水和反応、結合反応は促進され、硬
化体の組織は常圧養生体に対して若干異質なものとな
る。すなわち、オートクレーブ養生によって遊離の消石
灰は固定され、水和生成物の結晶度は高く安定なものと
なる。その結果、高い強度、製品製造後の乾燥収縮によ
るひび割れ、反りが小さく長期にわたる寸法安定性が得
られ、エフロレッセンスのないセメント成形硬化体が得
られる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。 (実施例1)各原料を以下に示す配合比となるように計
量し、これらを双腕式真空混練機に投入し15分真空混
練した。 早強セメント 100 重量部 硅砂6号 40 重量部 硅石微粉末 60 重量部 顔料(赤色) 0.17 重量部 顔料(黄色) 0.80 重量部 顔料(白) 3 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 1 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 66 重量部 これを、砂岩の表面模様を転写した樹脂型が敷かれた4
00mm×600mm深さ50mmの型枠に流し込ん
だ。表面を均して平らにして30分放置した。次に各原
料を以下に示す配合比となるように計量し、これらを箱
型混練機に投入し10分混練した。 早強セメント 100 重量部 硅砂6号 40 重量部 硅石微粉末 60 重量部 顔料(赤色) 0.17 重量部 顔料(黄色) 0.80 重量部 顔料(白) 3 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 0.20 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 56 重量部 これを、30分放置した第一層の上に流し込み、表面を
均して平らにした後常温で18時間放置した。その後脱
型し、180℃、10気圧で10時間オートクレーブ養
生を行った。オートクレーブ養生後表面を塩酸水溶液で
洗浄し、つづいて十分な水で洗浄した。使用した塩酸水
溶液は、35%塩酸水溶液を容積で水100部に対して
5部混合して調整した。次に、灯油式ヒーターで乾燥
し、セメント成形硬化体を得た。このセメント成形硬化
体の厚みは30mmで、第一層、第二層の厚みはそれぞ
れ10mm、20mmであった。得られたセメント成形
硬化体の物性を調べたところ、かさ比重は1.90、曲
げ強度は200kg/cm2であった。また表面層の吸
水率は1.1%であった。また表面は気泡による空隙が
なく、樹脂型の表面模様もよく転写されていた。
【0022】(実施例2)各原料を以下に示す配合比と
なるように計量し、これらを双腕式真空混練機に投入し
15分真空混練した。 早強セメント 100 重量部 川砂(2.35mm以下) 35 重量部 硅石微粉末 65 重量部 顔料(黄色) 0.08 重量部 顔料(黒色) 0.12 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 1 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 64 重量部 これを、砂岩の表面模様を転写した樹脂型が敷かれた4
00mm×600mm深さ50mmの型枠に流し込ん
だ。表面を均して平らにして20分放置した。次に、各
原料を以下に示す配合比となるように計量し、これらを
箱型混練機に投入し10分混練した。 早強セメント 100 重量部 川砂(2.35mm以下) 35 重量部 硅石微粉末 65 重量部 顔料(黄色) 0.08 重量部 顔料(黒色) 0.12 重量部 ガラス繊維(長さ6mm) 10 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 0.20 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 58 重量部 これを30分放置した第一層の上に流し込み、表面を均
して平らにした後常温で18時間放置した。その後脱型
し、180℃、10気圧で10時間オートクレーブ養生
を行った。オートクレーブ養生後、表面を塩酸水溶液で
洗浄し、つづいて十分な水で洗浄した。使用した塩酸水
溶液は、35%塩酸水溶液を容積で水100部に対して
5部混合して調製した。次に、灯油式ヒーターで乾燥
し、セメント成形硬化体を得た。このセメント成形硬化
体の厚みは20mmで、第一層、第二層の厚みはそれぞ
れ7mm、13mmであった。得られたセメント成形硬
化体の物性を調べたところ、かさ比重は1.80、曲げ
強度は210kg/cm2であった。また、表面層の吸
水率は1.2%であった。この表面層の表面は、気泡に
よる空隙がなく、樹脂型の表面模様もよく転写されてい
た。また、半年間暴露試験を行ったが、表面の発色に変
化はなく、エフロレッセンスも検出されなかった。
【0023】(実施例3)各原料を以下に示す配合比と
なるように計量し、これらを双腕式真空混練機に投入し
15分真空混練した。 普通ポルトランドセメント 80 重量部 白色セメント 20 重量部 硅砂7号 50 重量部 硅石微粉末 50 重量部 ワラストナイト粉末 10 重量部 顔料(赤色) 0.17 重量部 顔料(黄色) 0.80 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 1 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 68 重量部 これを、砂岩の表面模様を転写した樹脂型が敷かれた4
00mm×600mm深さ50mmの型枠に流し込ん
だ。表面をならして平らにして20分放置した。次に、
各原料を以下に示す配合比となるように計量し、これら
を箱型混練機に投入し10分混練した。 普通ポルトランドセメント 80 重量部 白色セメント 20 重量部 硅砂7号 50 重量部 硅石微粉末 50 重量部 顔料(黄色) 0.17 重量部 顔料(黒色) 0.80 重量部 ワラストナイト粉末 20 重量部 撥水剤(東レ−ダウコーニング社製) 0.20 重量部 減水剤(花王社製 マイティー150) 0.70 重量部 水 58 重量部 これを、30分放置した第一層の上に流し込み、表面を
均して平らにした後常温で18時間放置した。その後脱
型し、180℃、10気圧で24時間オートクレーブ養
生を行った。このオートクレーブ養生後、表面を塩酸水
溶液で洗浄し、つづいて十分な水で洗浄した。使用した
塩酸水溶液は、35%塩酸水溶液を容積で水100部に
対して5部混合して調製した。次に、灯油式ヒーターで
乾燥し、セメント成形硬化体を得た。得られた成形体の
厚みは20mmで、第一層、第二層の厚みはそれぞれ7
mm、13mmであった。得られたセメント成形硬化体
の物性を調べたところ、かさ比重は1.75、曲げ強度
は200kg/cm2であった。また表面層の吸水率は
1.3%であった。また、表面は、気泡による空隙がな
く、樹脂型の表面模様もよく転写されていた。そして、
20℃で2時間、20℃で1時間のサイクルで気中凍
結、水中融解の凍結融解試験を行ったところ、300サ
イクルで異常は認められなかった。なお、前記実施例で
は二層構造のものについてのみ述べたが、二層以上の複
層構造とすることも可能である。この場合においても、
第二層以下の水配合比は表面層の水配合比より小さくす
ることが肝要である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセメント成
形硬化体は、セメント、顔料、充填材および水の混合材
料が少なくとも二層以上の複層構造に形成され、この複
層構造の表面層は、他の層より水の配合比を高く設定し
たので、表面層の流動性が高くなり、樹脂型等の忠実な
転写を行すことができ、気泡の取り込みが抑さえること
ができる。このように本発明のセメント成形硬化体は、
従来の建築用仕上げ材料さらに言うなれば割り肌模様調
の人造石板に比べ優れたものとなることから、外装材、
内装材、床材などの建築材料として特に有効なものとな
る。
【0025】また、本発明の製造方法は、型枠に投入し
て養生した混合材料の上に、この混合材料よりも低い配
合比で水を混合した混合材料を投入して二層以上の複層
構造となるセメント成形硬化体を製造するので、二層以
上の複層成形を行うことにより、天然石同様の美しい表
面を得ながら、高い製品強度も得ることができる。その
後、オートクレーブ養生したため、常温養生に比べて短
時間で強度の高い製品が製造できる。その結果、製品製
造後の乾燥収縮によるひび割れ、反りが小さく、長期に
わたる寸法安定性、エフロレッセンスがなく、耐凍結融
解性に優れたセメント成形硬化体を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のセメント成形硬化体の一実施
例を示す構成図である。
【符号の説明】
a 表面層 b 裏面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:02 A 14:06) Z (72)発明者 三上 光司 千葉県船橋市豊富町585番地 住友セメン ト株式会社建材事業部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、顔料、充填材および水を所定
    の配合比で混合した混合材料により成形されてなるセメ
    ント成形硬化体において、前記セメント等の混合材料が
    少なくとも二層以上の複層構造に形成され、この複層構
    造の表面層は、他の層より水の配合比が高く設定されて
    いるセメント成形硬化体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセメント成形硬化体にお
    いて、前記充填材が、硅砂、硅砂微粉末、川砂、砕石、
    軽量骨材、発泡パーライト、発泡スチレンビーズのうち
    の少なくとも1種であるセメント成形硬化体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のセメント成形硬化体にお
    いて、前記混合材料は、補強材を含んでなるセメント成
    形硬化体。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセメント成形硬化体にお
    いて、前記補強材がガラス繊維、ビニロン繊維、ワラス
    トナイト粉末、雲母粉末、パルプのうちの少なくとも1
    種であるセメント成形硬化体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のセメント成形硬化体にお
    いて、前記混合材料は、撥水剤を含んでなるセメント成
    形硬化体。
  6. 【請求項6】 前記セメント、顔料、充填材および水を
    混練して混合材料とし、この混合材料を表面模様転写用
    の樹脂型が敷かれた型枠に投入し、この混合材料を養生
    して型枠から脱型し、これをオートクレーブ養生してセ
    メント成形硬化体を製造する方法であって、前記セメン
    ト、顔料、充填材および水を所定の配合比で混合して混
    合材料とし、これを型枠に投入して養生し、この混合材
    料の上に、この混合材料よりも低い配合比で水を混合し
    た混合材料を投入して二層以上の複層構造となるセメン
    ト成形硬化体を製造することを特徴とするセメント成形
    硬化体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のセメント成形硬化体の製
    造方法において、オートクレーブ養生して得られた成形
    硬化体表面を酸水溶液で洗浄することを特徴とするセメ
    ント成形硬化体の製造方法。
JP21324193A 1993-08-27 1993-08-27 セメント成形硬化体とその製造方法 Pending JPH0760727A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014505652A (ja) * 2011-01-13 2014-03-06 エルジー・ハウシス・リミテッド 人造石組成物及び人造石の製造方法

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