JPH076014B2 - 強化材および金属粉末混合ペレット並びにその製造方法 - Google Patents

強化材および金属粉末混合ペレット並びにその製造方法

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JPH076014B2
JPH076014B2 JP62318051A JP31805187A JPH076014B2 JP H076014 B2 JPH076014 B2 JP H076014B2 JP 62318051 A JP62318051 A JP 62318051A JP 31805187 A JP31805187 A JP 31805187A JP H076014 B2 JPH076014 B2 JP H076014B2
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喜弘 山口
博之 村田
俊一 水上
潤 廣瀬
権一郎 大内
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、高品質、高性能の強化材金属系複合材料を成
形するためのセラミック等の強化材と金属粉末との混合
原料およびその製造方法に関する。
(従来の技術) AlおよびAl合金、TiおよびTi合金、MgおよびMg合金など
軽量金属と、軽量で高強度、高弾性率で耐熱性にも優れ
たアルミナ,SiC,Si3N4などのセラミックなどのウィス
カ,短繊維又は粒子とを複合化した強化金属系複合材料
(以下、MMC(metal matrix composites)という。)
は、高比強度、高比剛性で耐摩耗性にもすぐれ、しかも
繊維強化プラスチックに比べ優れた耐熱性を示す。この
ため、軽量化及び耐熱性の要求される宇宙航空機、自動
車などの輸送機器分野を中心に、また、スポーツ用品素
材としても注目を集めている。
MMCの製造方法としては、例えば米国特許3,833,697号に
示されているように、ウィスカと金属粉末を混合し、ホ
ットプレスなどにより成形する方法が広く採用されてい
る。
この場合、MMCの特性は、マトリックス金属中における
ウィスカの分散性に支配され、ウィスカと金属粉末とを
均一に混合することが技術上のポイントになっている。
しかし、混合方法およびそれに関連する操作について
は、未だ改良の余地が多い。
そこで、本出願人は、ウィスカを強化材として用いる場
合において、ウィスカと金属粉末とを均一に混合する装
置および方法をそれぞれ特開昭62−89801号および特開
昭60−251922号において提案した。この方法は、湿式法
と呼んでおり、有機溶媒中でウィスカに超音波振動を与
えて絡まりを解きほぐし、この中に金属粉末を加えて攪
拌し、得られたウィスカ金属粉末の混合スラリーから吸
引濾過と真空乾燥により有機溶媒を除去する方法であ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 前記均一混合方法によって、解絡されたウィスカと金属
粉末との均一混合物が得られるようになり、高性能MMC
の製造に寄与することができた。
しかしながら、混合スラリーの濾過、乾燥時およびMMC
の成形時において種々の問題が提起されている。
すなわち、混合スラリーの濾過に時間がかかると、ウィ
スカと金属粉末との沈降速度の差に起因して、濾過によ
り得られたケーキの厚さ方向に成分の差違が生じ、不均
一なMMC原料となる。また、ケーキをそのまま乾燥する
場合には、ケーキの通気性の悪さによって乾燥時間が長
くなる。一方、ケーキを粉砕した後に乾燥する場合に
は、流動による成分偏析(ウィスカと金属粉末との分
離)や粉塵発生の問題を起こす。また、ウィスカと金属
粉末との混合粉末を成形するまでの取扱い過程で両者が
再分離したり、混合粉末の流動性の悪さに起因して、成
形型内への原料充填時に充填密度および成分の不均一化
が生じ、MMCの品質劣化の原因となる。
このような問題は、強化材としてウィスカを用いた場合
に限られるものではなく、セラミックスや炭素等の短繊
維や粒子を用いた場合も同様に生じるものである。
また、強化材として粒子状態のものを用いる場合におい
ては、強化材と金属粉末とは、溶媒を用いない機械的攪
拌によっても比較的に均一に混合することができる。し
かし、混合後成形するまでの間における取り扱いや成形
型への搬送、充填に際し同様の問題があった。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、ウィスカ,
短繊維又は粒子状態のセラミック等の強化材と金属粉末
とが均一に混合されかつ両者の分離の虞れがなく、搬送
性等のハンドリングの容易さおよび成形性に優れたMMC
原料およびその製造方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するためになされた本発明のMMC原料
は、ウィスカ,短繊維又は粒子状態の強化材が金属粉末
中に均一に分散すると共に成形用バインダーによって保
形されたペレットであって、造粒機によりほぼ定形粒状
でかつ数ミリ程度の大きさに造粒され、少なくともその
表層に貯蔵によって圧潰しない乾燥固化層が形成されて
いることを発明の構成とするものである。
また、その好適な第1の製造方法は、ウィスカ,短繊維
又は粒子状態の強化材が金属粉末とが溶媒中で均一に混
合された混合スラリーを連続的に脱液して偏平状のケー
キを得、該ケーキに成形用バインダーを添加混練した
後、造粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミリ程度の大き
さに造粒し、得られたペレットを乾燥してその表層に乾
燥固化層を形成することを構成とするものである。
特に、粒子状態の強化材を用いる場合には、第2の製造
方法として、粒子状態の強化材と金属粉末を均一に混合
し、該混合物に溶媒で薄めたバインダーを添加混練した
後、造粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミリ程度の大き
さに造粒し、得られたペレットを乾燥してその表面に乾
燥固化層を形成することを発明の構成とするものであ
る。
(作用) 本発明のMMC原料は、ウィスカ,短繊維,粒子状態の強
化材が金属粉末中に均一に分散すると共に成形用バイン
ダーによって保形され、造粒機によりほぼ定形粒状でか
つ数ミリ程度の大きさに造粒され、かつ表層に貯蔵可能
な表面固化層が形成されたペレットであるから、粉末状
態の原料に比較して流動性が極めて良好であり、成形型
内への搬送成形性に優れ、かつペレットの内部は常に成
分の均一性が維持され、強化材と金属粉末とが分離する
ことがなく、搬送、貯蔵等における取扱いを容易にする
ことができる。更には、爆発性を有するAl,Mg,Ti等の金
属粉末の場合でも、爆発下限以下の大きさの粒状に保形
されたペレットとしていることから、爆発の危険性も抑
制でき、取扱い上の安全性も確保できる。
一方、本発明の製造方法によれば、混合スラリーを偏平
状のケーキに連続的に脱液するので、従来の回分式に比
べて、スラリーの脱液処理量を増大せしめることができ
ると共に、短時間で脱液が可能となり、ケーキの厚さ方
向の成分差を無くすことができる。偏平状のケーキは乾
燥されることなく、成形用バインダーが添加混練された
後、造粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミリ程度の大き
さに造粒される。その結果、造粒処理されたペレットの
内部では、既述した通り、その後の処理条件に拘らず、
常に均一性が維持される。
また、粒子状態の強化材を用いる場合には、金属粉末と
の均一混合が容易であるため、乾式で混合してもよく、
このように混合されたものに溶媒で薄めたバインダーを
添加混練した後、造粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミ
リ程度の大きさのペレットに造粒することにより容易に
且つ所望の特性のMMC原料が得られる。
また、ペレットは流動性が良いため、貯蔵に際し、内部
まで完全乾燥する必要がなく、また、乾燥ガスの流通性
が良好なため、ペレット表層に貯蔵時に圧潰しない程度
の固化層が形成できればよく、極めて短時間の乾燥によ
って目的を達することができる。
(実施例) 第1図は本発明を実施するためのプロセスフロー図であ
り、同図を参照して本発明の実施例について説明する。
強化材Aと溶媒Bとをそれぞれ一定の供給速度で攪拌槽
1に送り、常に所定の強化材濃度の懸濁液を調製する。
前記強化材としては、B,C,W,Mo,ステンレス,B4C,BN,更
にはSiやAl等の金属の酸化物,窒化物もしくは炭化物
(例えば、SiC,Si3N4,Al2O3,ZrO2,TiC,TiN)のセラミッ
クスが用いられる。又、その形状状態は、ウィスカ,短
繊維もしくは粒子のいずれでもよい。
溶媒としては、乾燥後に不純物を残しにくいもの、沸点
が60℃以上200℃以下のもの、金属と化合物をつくらな
いもの、及び、毒性が少ないものであれば良く、例え、
エチルアルコール,n−ブタノール,1−ペンタノール,イ
ソプロピルアルコール,シクロヘキサン,トルエン,n−
ヘキサン,メチルアルコール,水を例示することができ
る。
攪拌槽1内で攪拌された懸濁液の一部は、必要に応じて
スラリーポンプ9により流路11を経て超音波ホーン2に
供給され、強化材の分散解絡処理が施されて再び攪拌槽
1に戻される。
一方、スラリーポンプ9より流路12に送給された懸濁液
は、湿式サイクロン3に供給され、単体に分散した強化
材と絡まり,異物などの塊状物に分離され、前者は流路
13から次工程の混合糟4へ、後者はリタン流路14を経て
攪拌槽1へ戻される。
尚、流路12およびリタン流路14で構成される閉流路では
塊状物が濃縮されていくため、その一部を定常的に又は
リタン流路14に備えられた排出流路15から適宜抜き取
る。また、スラリーポンプ9から圧送された懸濁液の流
路11および流路12への分流は、各流路11,12に備えられ
たバルブ17,18の開度調整によって行えばよい。
湿式サイクロン3から流路13を経て混合槽4に送給され
た懸濁液は、ここで所期の金属粉末Cが定量供給され、
所定の強化材/金属粉末混合比とされた混合スラリーに
調整される。金属粉末としては、Al,Ti,Mg,Cu,Fe,Ni等
およびこれらの合金粉末が使用される。
強化材と金属粉末との混合比としては、強化材が体積含
有率で5〜40%含有されていればよい。強化材が5%未
満になれば強化の効果が殆んどなく、一方40%を越える
とMMC材料としての延性、靭性の低下が著しく、更には
塑性加工が困難となり実用的でない。
均一に混合された混合スラリーは流路16より連続脱液機
5に供給され、該脱液機5に備えられた真空ポンプ等の
吸引手段10により、混合スラリー中の溶媒成分が吸引濾
過され、偏平状のケーキが得られる。尚、前記連続脱液
機5としては、具体的には化学工業分野において通常使
用されるベルト式あるいはドラム式連続脱水機を例示す
ることができる。
前記ケーキの厚さは1〜150mm好ましくは1〜100mmにす
るのがよい。1mm未満では連続脱液機5のベルトあるい
はドラム等からの剥離が困難となり、一方150mmを越え
ると、偏平状ケーキといえども厚さ方向の成分差異が無
視できなくなるからである。尚、100mm以下とすれば、
吸引濾過による溶媒の分離がより良く行える。
因みに、第2図はSiCウィスカを強化材として用いる場
合において、SiCウィスカとAl合金粉末からなるケーキ
について、その厚さとケーキ上下部のウィスカ体積率V
差(上部V−下部V)との関係を示す。尚、V
の測定は、試料中SiCのC濃度を分析し、SiC濃度に換算
した。同図において、丸印は平均値、丸印の上下方向に
延設された直線部分はバラツキの範囲を示す。尚、この
記号は後述の第3図〜第6図において同じ意味を有す
る。
同図より、ケーキ厚さ150mm以下の範囲で濾過すれば、
差が0.5%以下の均一混合状態を保ったケーキが得
られることが確認された。
脱液によって得られたケーキは、成形用バインダーDと
共に混練・造粒機6に供給されて、両者が混練されると
共に、大きさが数ミリ程度で、流動性の良好な球形,円
柱形,円筒形,回転楕円形等の定形粒状のペレットに造
粒される。
造粒に際しては、ケーキ中に溶媒を10〜30wt%好ましく
は15〜25wt%程度残留させておくことが望ましい。その
理由は、顕微鏡による混練前後の試料観察の結果、ケー
キ中に適度に溶媒が残留している状態では、混練は過剰
に行っても、強化材を損傷させず、かつ金属粉末からの
再分離(成分偏析)も起さないことを確認したからであ
る。
ケーキと共に混練される成形用バインダーは、強化材の
分散解絡処理工程で用いた溶媒に可溶で、MMC成形温度
(例えば、Al合金6061をマトリックス金属とした場合
は、650〜500℃)以下で分解するものがよく、例えば、
主成分としてアクリル樹脂等の合成樹脂を例示すること
ができる。また、バインダー濃度は、バインダーやケー
キ(原料)の種類によって異なるが、通常、原料100重
量部当り1〜10重量部用いられる。
ペレットの大きさは、その短経として0.1〜5mmが望まし
い。下限の0.1mmは取扱いの容易性と、強化材の大きさ
例えばウィスカの場合はその長さ(長いもので200μm
程度)から定められ、上限の5mmは乾燥時および脱バイ
ンダー(MMC成形予熱)時の脱気性と熱伝達性とを考慮
して定められた。
第1図においては、混練機と造粒機とが一体型構造とさ
れたものを例示したが、勿論、各機を別個に設けてもよ
い。また、造粒方式は、強化材と金属粉末との均一混合
状態を乱しにくい押出成形か圧縮成形が望ましい。
ここで、ペレット化による成形型への搬送性の向上につ
いて取扱いの苛酷なウィスカに関して調べた。第3図
は、その結果を示すもので、ウィスカと金属粉末との混
合粉末(試料P1)および両者によって形成されたペレッ
ト(試料P2およびP3)と安息角との関係を示すグラフ図
である。
ペレットの粒径はP2がφ1mm、P3がφ2mmである。同図よ
り、ペレットP2,P3は粉末状態の原料P1に比較して、流
動性が極めて良好であることが確認された。その結果、
成形型へ充填する際、その表面を均らす必要がなく、成
形型内全般に渡って均一に充填し得る搬送性も良好であ
ることが明らかになった。
造粒後のペレットは直ちに乾燥機7に送られ使用した溶
媒の沸点より高温の空気又は不活性ガス等の雰囲気で貯
蔵に支障ない程度まで熱風乾燥された後、貯槽8に貯え
られる。
ペレットは流動性が良好なため、貯蔵に際して内部まで
完全乾燥する必要がなく、少なくともその表層に貯蔵に
よって圧潰しない程度の乾燥固化層が形成できればよ
い。尚、乾燥に当っては、ガスの流通性が良好なため、
乾燥時間は極めて短時間で済む。また、ペレット中の残
留溶媒の除去は、貯蔵中の不活性ガスパージやMMC成形
時の予熱・脱バインダー時に容易に行うことができる。
前記不活性ガスとしては、Arガス、窒素ガス等を例示す
ることができるが、これらのガスから例えば有機溶媒蒸
気を回収して循環使用することも可能である。
以上説明した本実施例においては、混合スラリー調製工
程、脱液工程、造粒工程は連続処理としたが、各単独処
理を行ってもよいことは勿論である。もっとも、生産性
の見地からは、連続処理を行うことが好ましい。
尚、貯槽8に貯えられたペレットは、適宜、MMC成形工
程20に供給される。
又、特に強化材として粒子状態のものを用いる場合に
は、比較的容易に金属粉末と混合できるので、以上に説
明した湿式混合法を用いず、乾式混合法によって均一に
混合してもよい。但し、この場合には、混合後に、これ
らの混合物に溶媒で薄めたバインダーを添加混合し、次
いで、前記説明した造粒工程以後の処理を施すこととな
る。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1> (1) 攪拌槽1にSiCウィスカと分散用有機溶媒とし
てエタノールを供給し、3.0vol.%のウィスカ濃度の懸
濁液を調製した。
この懸濁液を超音波ホーン2とサイクロン3によってウ
ィスカが均一に分散された懸濁液を得て、これを混合槽
4に供給し、かつAl合金粉を供給して、20vol.%のSiC
ウィスカと80vol.%の合金粉とが均一に混合された混合
スラリーを調製した。
(2) 混合スラリーをベルト式連続脱水機によって脱
液し、厚さ約7mmのケーキを得た。この際、ケーキ中の
アルコール残量は20重量%となるように吸引圧を調整し
た。
この条件での濾過時間は約1分で、従来の回分式濾過に
比較して約1/20に短縮された。
(3) 前記ケーキにアクリル系成形用バインダーをケ
ーキ100重量部当り6重量部添加混練し、直径1mm、平均
長さ1.6mmの円柱形状のペレットを造粒した。
(4) 造粒後のペレットは直ちに乾燥機7に送られ、
加熱された窒素ガスにより乾燥された後、貯槽8に貯え
た。
本実施例では、10kgの造粒原料を約6分で貯蔵できる程
度までその表層を乾燥固化することができた。従来の同
規模の乾燥機による粉末状ケーキ原料の完全乾燥では1.
5〜2時間要していたので、1/15〜1/20の乾燥時間の短
縮を達成することができた。
(5) 得られたペレットを用いて、ホットプレスによ
ってMMCビレットを成形した。また、比較のため、従来
法によって製造された同種成分の混合粉末原料を用いて
ビレットを成形し、実施例に係るビレットと室温におけ
る引張強度を比較した。
その結果を第4図に示す。同図において、MMC成形試料
Aは、従来の混合粉末原料を用いて、手で何層も重ねな
がら均一にビレット成形用金型内に充填したもの、試料
Bは実施例に係るペレットを1ケ所から一度に成形金型
内に投入後、表面を軽くたたいて平坦にしたもの、試料
CはAと同じ粉末原料をBの充填方法で成形金型内に充
填したものである。
同図より、Aによる成形ビレットは強度およびそのバラ
ツキについて満足のいく結果を得たが、工業的生産手段
として原料充填方法に問題がある。
Bは原料充填方法が工業的生産性に優れるのに加えて、
強度およびその測定値幅がAとほぼ同等であり、機械的
性質に優れる。すなわち、この事実は成形金型への充填
性が良好であり、また金型予熱時に脱バインダーが完全
に行われ、ビレット強度の低下を招来しないことを示し
ている。
一方、Cはサンプルによって強度のバラツキが大きく、
強度の平均値もA,Bより劣っている。
以上の結果より、本発明によるペレットを使用すること
により、原料搬送性、成形性を改善せしめることがで
き、延いてはMMCの強度、品質の向上並びに生産性の増
大を図るとこができる。
<実施例2> (1) 攪拌槽1にSiC粒子と分散用有機溶媒としてイ
ソプロピルアルコールを供給し、10vol.%のSiC粒子濃
度の懸濁液を調製した。
この懸濁液を超音波ホーン2とサイクロン3によってSi
C粒子が均一に分散された懸濁液を得て、これを混合槽
4に供給し、かつ2024Al合金粉を供給して、25vol.%の
SiC粒子と75vol.%の2024Al合金粉とが均一に混合され
た混合スラリーを調製した。
(2) 混合スラリーをベルト式連続脱水機によって脱
液し、厚さ約50mmのケーキを得た。この際、ケーキ中の
イソプロピルアルコール残量は17重量%となるように吸
引圧を調整した。
この条件での濾過時間は約1.5分で、ケーキ上下部にお
けるSiC粒子体積率のババラツキは0.2%と小さく、均一
な混合粉ケーキが得られた。
(3) 前記ケーキにアクリル系成形用バインダーをケ
ーキ100重量部当り4重量部添加混練し、直径2mm、平均
長さ2mmの円柱形状のペレットを造粒した。
(4) 造粒後のペレットは直ちに乾燥機7に送られ、
加熱された窒素ガスにより乾燥された後、貯槽8に貯え
た。
本実施例では、10kgの造粒原料を約10分で貯蔵できる程
度までその表層を乾燥固化することができた。従来の同
規模の乾燥機による粉末状ケーキ原料の完全乾燥では1.
5〜2時間要していたので、1/9〜1/12の乾燥時間の短縮
を達成することができた。
(5) ペレットを深さ50cmのビレット成形用金型の上
部から投入し、充填したところ、型内部でのSiC粒子体
積率のバラツキは0.2%と小さく、ケーキ状態と同程度
で、分離は生じていない。また充填時の粉じんの発生も
少なかった。一方、比較のため従来のように、混合粉末
を同様にして充填したところ、型内部でのSiC粒子体積
率をバラツキは3.4%と大きく、SiC粒子とAl粉末の分離
が生じた。また粉じん発生も著しかった。
(6) 上記、2種類の充填材をホットプレスでMMCビ
レットに成形し、引張強度を比較した。その結果を第5
図に示す。この図よりペレットを使用した試料Dは、従
来の混合粉末原料を使用した試料Eに比較し、ビレット
の強度のバラツキが小さく、平均値も高いことがわか
る。
<実施例3> (1) Al2O3粒子と7075Al合金粉を、Vミキサーで混
合して、30vol.%のAl2O3粒子と70vol.%の7075Al合金
粉との均一混合粉を作製した。
(2) アクリル系成形用バインダー500gをエタノール
2000g中に溶解させてこれを混合粉10kgに添加混練し、
直径0.5mm、平均長さ1mmの円柱形状のペレットを造粒し
た。
(3) 造粒後、加熱窒素ガスで乾燥し、ペレットの表
面層を固化させた。
(4) ペレットを深さ70cmのビレット成形用金型の上
部から投入し、充填したところ、型内部でのAl2O3粒子
体積率のバラツキは0.3%と小さく分離は生じなかっ
た。また、充填時の粉じんの発生もほとんどなかった。
一方、比較のため、混合粉末を同様にして充填したとこ
ろ、型内部でのAl2O3粒子体積率のハラツキは6.4%と大
きく、Al2O3粒子とAl粉末が分離した。また、粉じんの
発生も著しかった。
(5) 上記、2種類の充填材をホットプレスでMMCビ
レットに成形し、引張強度を比較した。その結果を第6
図に示す。この図よりペレットを使用した試料Fは、従
来の混合粉末原料を使用した試料Gに比較し、ビレット
の強度のバラツキは小さく、平均値も高かった。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明の混合ペレットによれば、造
粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミリ程度の大きさに造
粒されているので、取扱いの過程でペレット中の強化材
と金属粉末とが分離することがなく、両者の成分の均一
性が常に保持される。また、成形型への搬送性等のハン
ドリングも良好であり、更に流動性に優れ、引いては成
形型内への供給性や成形性に優れるので、品質良好なMM
Cを容易に製造することができる。更には、金属粉末がA
l,Mg,Ti,等の活性金属の場合でも取扱い上、安全性に優
れる。
また、本発明の混合ペレットの第1の製造方法によれ
ば、混合スラリーを短時間で脱液することができ、ケー
キの成分均一性を容易に確保することができる。更に、
第1および第2の製造方法ともペレットは成形型への搬
送性(流動性)に優れるため、内部まで完全に乾燥させ
る必要がなく、短時間の乾燥によって、所期の混合ペレ
ットを得ることができる。このように本発明方法は、均
一成分の混合ペレットを極めて容易に得ることができ、
生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の混合ペレット連続製造プロセス説明
図、第2図はケーキ厚さとケーキ上下部におけるウィス
カ体積率の差との関係を示すグラフ図、第3図はMMC原
料の形態が相違する試料と安息角との関係を示すグラフ
図、第4図は実施例1に係るMMC成形試料とMMCビレット
引張強度との関係を示すグラフ図、第5図は実施例2に
係る同関係を示すグラフ図、第6図は実施例3に係る同
関係を示すグラフ図である。 4……混合槽、5……連続脱液機、6……混練・造粒
機、7……乾燥機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 権一郎 兵庫県神戸市西区伊川谷町有瀬131―1― 1222 (72)発明者 森本 啓之 兵庫県姫路市玉手288 (56)参考文献 特開 昭60−248834(JP,A) 特開 昭61−166932(JP,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウィスカ,短繊維又は粒子状態の強化材が
    金属粉末中に均一に分散すると共に成形用バインダーに
    よって保形されたペレットであって、造粒機によりほぼ
    定形粒状でかつ数ミリ程度の大きさに造粒され、少なく
    ともその表層に貯蔵によって圧潰しない乾燥固化層が形
    成されていることを特徴とする強化材および金属粉末混
    合ペレット。
  2. 【請求項2】強化材が、B,C,W,Mo,ステンレス,B4C,BN又
    はその他の金属の酸化物,窒化物もしくは炭化物の中か
    ら選ばれる一種からなる特許請求の範囲第1項に記載の
    強化材および金属粉末混合ペレット。
  3. 【請求項3】ペレットが球形、円柱形、円筒形又は回転
    楕円形であって、その短径が0.1〜5mmである特許請求の
    範囲第1項に記載の強化材および金属粉末混合ペレッ
    ト。
  4. 【請求項4】金属粉末がAl,Mg,Ti,Ni,Cu,Feおよびその
    合金の中から選択されるものからなる特許請求の範囲第
    1項に記載の強化材および金属粉末混合ペレット。
  5. 【請求項5】ペレット中に強化材が体積含有率で5〜40
    %含有されている特許請求の範囲第1項に記載の強化材
    および金属粉末混合ペレット。
  6. 【請求項6】ペレットの安息角が35゜以下である特許請
    求の範囲第1項に記載の強化材および金属粉末混合ペレ
    ット。
  7. 【請求項7】ウィスカ,短繊維又は粒子状態の強化材と
    金属粉末とが溶媒中で均一に混合された混合スラリーを
    連続的に脱液して偏平状のケーキを得、該ケーキに成形
    用バインダーを添加混練した後、造粒機によりほぼ定形
    粒状でかつ数ミリ程度の大きさに造粒し、得られたペレ
    ットを乾燥してその表層に乾燥固化層を形成することを
    特徴とする強化材および金属粉末混合ペレットの製造方
    法。
  8. 【請求項8】ケーキの厚さが1〜150mmである特許請求
    の範囲第7項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】溶媒がエチルアルコール,n−ブタノール,1
    −ペンタノール,イソプロピルアルコール,シクロヘキ
    サン,トルエン,n−ヘキサン,メチルアルコール又は水
    の中から選ばれた少なくとも一種である特許請求の範囲
    第7項記載の製造方法。
  10. 【請求項10】ケーキ中の残留溶媒が10〜30wt%好まし
    くは15〜25wt%となるように脱溶媒する特許請求の範囲
    第7項記載の製造方法。
  11. 【請求項11】ケーキに対して1〜10重量部のケーキ成
    形用バインダーを添加する特許請求の範囲第7項記載の
    製造方法。
  12. 【請求項12】粒子状態の強化材と金属粉末を均一に混
    合し、該混合物に溶媒で薄めたバインダーを添加混練し
    た後、造粒機によりほぼ定形粒状でかつ数ミリ程度の大
    きさに造粒し、得られたペレットを乾燥してその表面に
    乾燥固化層を形成することを特徴とする強化材および金
    属粉末混合ペレットの製造方法。
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