JPH0760010A - 汚泥掻寄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数の多いチェン・フライト式に代え
て、しかも汚泥の巻き上げや掻き残しを生じることな
く、確実に掻き寄せると共に、維持管理を容易とする。 【構成】 池底１に沈殿した汚泥を掻き寄せる多数の汚
泥掻寄板５を揺動可能に垂設した揺動フレーム４を池底
内に配設する。そしてこの揺動フレーム４を揺動レバー
６にて上下動することなく水平を維持しつつ揺動可能に
吊垂支持する。さらにこの揺動レバー６の上端に回転す
る回転リンクを係着して円運動を直線運動に変える。さ
らに揺動フレ−ム６の前進端で汚泥掻寄板５を水平に傾
動させて揺動フレ−ム４を復帰させ、後退端で汚泥掻寄
板５を垂直にする掻寄板傾転装置をそれぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は沈澱汚泥を巻き上げや掻
き残しをすることなく確実に一方向に掻き寄せるように
した汚泥掻寄機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】下水処理場において、流入する汚水を沈
澱池に導き、汚水中の固形物すなわち汚泥を沈澱除去し
た後、汚水を曝気槽へ供給し、曝気処理を行うようにし
ている。このように流入する汚水を固液分離した後、固
形分と汚水を個別的に処理することは一般的に行われて
いる。そして沈澱池で沈澱した汚泥分は汚泥掻寄板にて
沈澱池底の一部に設けた汚泥ピット内に集泥した後、池
外へ導き処理するようにしている。従来汎用されている
汚泥掻寄機として池底の両側で、その長手方向に沿って
運行される２本のエンドレスチェンにフライトを架け渡
し、このフライトの池底に沿った運行により沈澱した汚
泥を掻き集めるチェンフライト式がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このチェンフライト式
の汚泥掻寄機は池底に沿ってガイドレールを敷設し、か
つ水中にスプロケットホイ−ルを設け、このスプロケッ
トホイールに張架したエンドレスチェンに設けたフライ
トをガイドレール上を摺動するようにしているので、ガ
イドレール、フライトシューなどの摩耗が激しい。そし
てガイドレールやスプロケットホイール、エンドレスチ
ェンなどの維持管理において之等が池底部に設置されて
いるため、その作業が大掛かりとなり、しかも使用され
る部品点数も多く管理費用が大となる欠点がある。

【０００４】本発明は部品点数の多いチェン・フライト
式に代えて、しかも汚泥の巻き上げや掻き残しを生じる
ことなく、確実に掻き寄せると共に、維持管理を容易と
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、池底に沈殿した汚泥を掻き寄
せる多数の汚泥掻寄板を揺動可能に垂設した揺動フレー
ムを池底内に配設し、この揺動フレームを揺動レバーに
て上下動することなく水平を維持しつつ揺動可能に吊垂
支持するとともに、この揺動レバーの上端に回転する回
転リンクを係着して円運動を直線運動に変え、さらに揺
動フレ−ムの前進端で汚泥掻寄板を水平に傾動させて揺
動フレ−ムを復帰させ、後退端で汚泥掻寄板を垂直にす
るストライカをそれぞれ設けて成ることを要旨とする。

【０００６】

【作用】回転リンクを揺動レバーの上端に回転運動を直
線運動に変えるようにして支持し、しかもこの揺動レバ
ーの下部を上下動することなく水平にして揺動可能にし
て支持し、さらに揺動レバー下端には池底に沿って移動
し沈澱した汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄板を垂設した揺動
フレームを設け、しかも揺動フレームが前進端に達した
とき、このフレームに垂設された汚泥掻寄板を水平に傾
動させて後退し、汚泥掻寄方向には垂直にして池底面に
接して沈殿汚泥を掻き寄せるように後退端と前進端にス
トライカを設ける。これにより揺動フレームの揺動方向
にて追従して、自動的に掻寄板が傾動し、これにより池
底に沈殿した汚泥を巻き上げることなく、しかも掻き残
すこともなく確実に掻き寄せることができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明汚泥掻寄機を図示の実施例にもと
づいて説明する。図において１は汚水を導き、固形分の
汚泥と汚水分との固液を分離する沈澱池で、この沈澱池
１の長手方向のいずれか一端側に沈澱池の底部を少し掘
り下げてホッパー状にした汚泥ホッパー２を一体に形成
し、池底に沈澱した汚泥を掻き集めて池外へ排出するよ
うになす。

【０００８】この沈澱池１内には本発明による揺動式の
汚泥掻寄機Ａを設ける。この汚泥掻寄機Ａは図１，図２
に詳示する如く、沈澱池１の汚泥が沈澱する部分の池底
の平面積より少し小形とした揺動フレーム４と、この揺
動フレームの下端に所要間隔をあけて傾動自在に垂設
し、かつ池底幅とほぼ等しいかあるいは池底幅より少し
短くした長さを有する多数の汚泥掻寄板５と、揺動フレ
ームに沿ってスライドし、汚泥掻寄板を傾動させるスラ
イドロッド３と、この汚泥掻寄板を備えた揺動フレーム
４を池底の長手方向に沿って移動自在にして垂設支持す
る揺動レバー６とより構成される。

【０００９】枠状をした揺動フレーム４はこの下面にそ
の長手方向に所要間隔毎に多数の汚泥掻寄板５，５…を
垂設するが、これは図１及び図２に示すように、垂直か
ら水平まで傾動可能に設け、揺動フレーム４が池長方向
に、しかも汚泥ホッパー２に向かう方向に移動する際、
全汚泥掻寄板５は垂直状態となって、その下端を池底に
接し、池底に沈澱した汚泥を揺動フレームの揺動距離を
一ピッチとしてタクト送りにより掻き寄せ移送するよう
になす。そしてこの汚泥掻寄板５は揺動フレーム４にそ
れぞれ支軸５Ｓを介して傾動自在に支持すると共に、こ
の汚泥掻寄板５の上部に突設したリンク５Ｌをスライド
ロッド３に係止し、このスライドロッド３を揺動フレー
ムの長手方向に沿ってスライドする際、各汚泥掻寄板５
を支軸５Ｓを支点として水平状態から垂直状態間を傾動
するようになす。

【００１０】スライドロッド３は揺動フレーム４の長手
方向に沿って配設され、少なくともその両端をレバー３
Ｌ，３Ｌに係着する。このレバー３Ｌの上端をスライド
ロッド３の端部に係着されると共に、レバー下端は揺動
フレームの端部で、下方に突設される。

【００１１】そして池底側には揺動フレームが池底長手
方向に沿って移動する際、その前進端位置、すなわち沈
澱汚泥の掻寄方向の前進端位置と、反掻寄方向の後退端
位置とにそれぞれ設けたストライカＳ１，Ｓ２にてスラ
イドロッドのレバー３Ｌの下端を蹴って、スライドロッ
ド３をスライドさせ、これにより前汚泥掻寄板５を係動
させるようになす。

【００１２】この揺動フレーム４の池底部内での垂設と
揺動は揺動レバーにて行われる。この場合揺動フレーム
４は池底面に対し、ほぼ水平に支持されるよう揺動フレ
ームの前後両側部の少なくとも４箇所に夫々揺動レバー
６，６・・・を配設し、各揺動レバー６の下端を揺動フ
レーム４の側面に軸を介して枢着支持するとともに、各
揺動レバー６の上部に穿孔した長孔６Ｈ内にレバー支軸
７を貫通して支持する。

【００１３】このレバー支軸７は沈澱池１の少なくとも
許容最高水位より上方位置に設けられ、沈澱池１の内側
壁面に突設され、かつ上下に揺動可能に支持した支持ア
ーム７Ａの先端に設けられる。この各レバー支軸７は全
て等高位置にあって全揺動レバー６の揺動支点となるよ
うにする。

【００１４】また各揺動レバー６の上端は揺動リンク８
の先端と枢着されており、この揺動リンク８の回動によ
り各揺動レバー６は全て同調してレバー支軸７を中心に
して揺動するものである。この揺動リンク８の基端側
は、池側壁またはフレームに予め設定された角度の範囲
内で回転揺動可能にして支持されると共に、この前後の
揺動レバー６，６の揺動リンク８，８間は、図示のよう
に連結ロッド９にて互いに連結される。

【００１５】そしてこの一方の揺動リンク８には、回転
リンク１０の先端が係着されると共に、この回転リンク
１０を回転駆動される駆動装置１２の回転軸１１に固定
されるものである。

【００１６】したがって上述の如く構成される装置にお
いて、駆動装置１２を駆動すると、回転リンク１０は回
転軸１１を中心にして回転される。この回転運動はリン
ク１３を介して揺動リンク８へ伝達される。この時、リ
ンク１３，揺動リンク８にて回転運動は予め定められた
角度内の円弧往復運動に変えられて、揺動リンク８はそ
の支軸を中心に円弧往復運動をする。この円弧往復運動
は連結ロッド９を介して全揺動リンク８に伝達される。

【００１７】そしてこの揺動リンク８の先端は、揺動レ
バー６の上端に係着されているので、該レバー６は支軸
７を中心にして揺動するが、該レバー６の下端は、ほぼ
水平に横方向へ予め定めた角度内で移動するものであ
る。

【００１８】このようにして揺動レバー６の揺動にて、
これに係着された揺動フレーム４も追従して池長手方向
に往復動する。この時、揺動フレームが汚泥ホッパーへ
向かう方向においては、汚泥掻寄板５は垂直状態を保持
され、これにより池底に沈澱した汚泥はホッパー側へ掻
き寄せられる。揺動フレームが最前端まで移動するとス
トライカＳ１に前端側のレバー３Ｌが当接され、スライ
ドロッド３を反ホッパー方向へ揺動されるので、このス
ライドロッドの揺動にて全汚泥掻寄板５は垂直状態から
水平状態に係動され、この状態で揺動フレームは後退す
る。

【００１９】揺動フレームが後退端に達すると、反対側
のレバー３ＬがストライカＳ２に当接してスライドロッ
ド３をホッパー側へ移動させ、汚泥掻寄板５を水平から
垂直に係動させた後、揺動フレームはホッパー方向へ移
動され、再び掻寄板にて沈澱の掻き寄せが行われる。こ
の動作は順次繰り返される。

【００２０】

【発明の効果】本発明汚泥掻寄機は池底に沈殿した汚泥
を掻き寄せる多数の汚泥掻寄板を揺動可能に垂設した揺
動フレームを池底内に配設し、この揺動フレームを揺動
レバーにて上下動することなく水平を維持しつつ揺動可
能に吊垂支持するとともに、この揺動レバーの上端に回
転する回転リンクを係着して円運動を直線運動に変え、
さらに揺動フレ−ムの前進端で汚泥掻寄板を水平に傾動
させて揺動フレ−ムを復帰させ、後退端で汚泥掻寄板を
垂直にするストライカをそれぞれ設けて成るため、掻寄
板の戻り時には水平となって汚泥の巻き上げ撹拌が防止
できると共に揺動フレ−ムの前進時には掻寄板は垂直と
なってその下端は池底面に沿って移動し、この運動によ
り１ピッチづつ水平に移動するため、池底に沈澱した汚
泥は掻き残すことなく確実に掻き寄せ排出することがで
きる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明汚泥掻寄機の一実施例を示す縦断正面図
である。

【図２】同縦断側面図である。

【符号の説明】

Ａ 汚泥掻寄機 １ 沈澱池 ２ 汚泥ホッパー ３ スライドロッド ４ 揺動フレーム ５ 汚泥掻寄板 ６ 揺動レバー ７ 支軸 ８ 揺動リンク ９ 連結ロッド １０ 回転リンク １１ 回転軸 １２ 駆動装置 １３ リンク

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 池底に沈殿した汚泥を掻き寄せる多数の
   汚泥掻寄板を揺動可能に垂設した揺動フレームを池底内
   に配設し、この揺動フレームを揺動レバーにて上下動す
   ることなく水平を維持しつつ揺動可能に吊垂支持すると
   ともに、この揺動レバーの上端に回転する回転リンクを
   係着して円運動を直線運動に変え、さらに揺動フレ−ム
   の前進端で汚泥掻寄板を水平に傾動させて揺動フレ−ム
   を復帰させ、後退端で汚泥掻寄板を垂直にする掻寄板傾
   転装置をそれぞれ設けて成る汚泥掻寄機。