JPH0759801B2 - 高速磁気軌道用の走路支持体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、鋼製下側ビーム、互いに鋭角をなして配置さ
れ鋼製下側ビームに溶接された２つの鋼製ブリッジ、及
び側方に張出した装備帯片を有し鋼製ブリッジの上側自
由端に取り付けられコンクリートを有している上側ビー
ムから成る、高速磁気軌道用の走路支持体に関する。

従来の技術 高速磁気軌道の走路は、通常ストレスコンクリート又は
鋼から成りかつほとんどの場合単一又は二重スパン支持
体として構成された高架の走路支持体から構成されてい
る。走路支持体は上側カバー板を有するほぼ台形の閉じ
た横断面を有し、このカバー板の側部帯板片は縦向き支
持体ブリッジを越えて側方へ張出しており、これら帯板
片には、磁気軌道動作のために必要な装備部品、特に側
部ガイドレール、縦長ステータ及びスライドレールが取
付けられている。これら装備部品の位置は、磁気軌道車
両の高い速度を考慮して正確に位置決めしなければなら
ない。その上負荷及び温度作用に対する変形の制限は走
路支持体全体に適用され、さらに最低固有周波数をチェ
ックしなければならない。

始めに述べたように公知の走路支持体（バウインジェニ
エール63、1988、第463−469頁）は、全体的に鋼で構成
されている。その際自重がわずかであるという利点に対
して、安定性の問題が存在する。すでに前に述べたよう
に、高速軌道用の走路支持体はすでに全体的にストレス
コンクリートでも構成されているが、これら走路支持体
は、特に自重が大きいという欠点を有する。

ドイツ特許出願公開第2744367号公報には、冒頭に記載
した高速磁気軌道用の走路支持体において、上側ビーム
を鉄筋コンクリート板で構成したものが示されている。
この場合の欠点は鉄筋コンクリート板にひび割れが入る
危険があることであり、この危険は高速磁気軌道の場合
の高負荷によって特に大きくなり、微細なひび割れは拡
大が速く、侵入した補強鉄筋を腐食損傷する。

発明の目的 本発明の目的は、上記の走路支持体を、高い動的負荷に
もかかわらず、ひび割れ入り腐食の危険が少なくなるよ
う改善することである。

発明の構成 そのために本発明は次のことを示している。すなわち上
側ビームが、縦向き及び／又は横向きストレス部材を有
するスチールファイバコンクリート板として形成されて
いる。

従って本発明による走路支持体は複合構造をなしてお
り、この複合構造は、純粋な鋼構造、鋼コンクリート構
造又はストレスコンクリート構造に対して次のような利
点を有する。

純粋な鋼支持機構におけるものより安定性の問題が少な
い。

走行運転により衝撃的に作用する荷重による走路の負荷
に関連して、純粋な鋼構造よりも質量適用範囲が広い。

鋼コンクリート又はストレスコンクリートから構成した
場合より走路支持体の自重が小さい。

鋼コンクリート又はストレスコンクリートから構成した
場合よりあらかじめ製造した走路支持体の組立て荷重が
小さい。

さらに結合せずに付加的にストレス部材を配置すること
によって、後から締付けることにより場合によっては必
要な支持機構の形の修正を後で行うように配慮すること
ができる。

鋼構造に対して腐食防止が改善される。

その他に支持機構上側ビーム用のスチールファイバコン
クリートを選択すれば、その他の公知の構造に対して次
のような特別な利点が得られる。

スチールファイバコンクリートの確実に得られる引張り
強度を利用することにより上側ビーム板におけるゆるい
曲げ補強材が不要になり又は少なくとも減少する。

スチールファイバコンクリートの高い圧縮強度が利用さ
れる。

ファイバコンクリートの望ましい引張り及びせん断特性
を利用することによりストレス部材の最終固着が簡単に
なり、かつ走路の装備素子の固着が改善される。

結合継目の範囲においてスチールファイバ作用により結
合手段（例えば頭付押えボルト）からコンクリートへの
力の導入が改善される。

スチールファイバコンクリートを使用した前記の利点
は、静的負荷の場合だけでなく、特に磁気軌道走路に大
きな動的負荷が生じた場合にも得られる。その際ファイ
バとコンクリート組織の間の共同作用の複合機構から、
特にスチールファイバコンクリートが割れ目の微細分散
を行い、かつ混入したスチールファイバが微細割れ目の
拡大を効果的に防止するようになり、さらにこれら理由
により補強材に対する腐食の危険が少なくなり、かつコ
ンクリートが損傷し難くなる。

スチールファイバコンクリートの粘性塑性特性により、
ストレス部材の固着範囲及び結合継目の範囲において予
告なしの故障が防止される。

本発明の範囲内においてこれ以外の構成について多くの
可能性がある。スチールファイバコンクリート板内のス
チールファイバの密度を変え、例えば装備帯片の範囲に
おいて高めることは容易に可能である。その他にスチー
ルファイバコンクリート板の横断面をπ形に構成すると
有利である。その上スチールファイバコンクリート板の
ブリッジを頭付押えボルト及び／又はその他の結合手段
により鋼製ブリッジに結合することは望ましい。その他
に走路こう配の場合によっては必要な修正を特に簡単に
可能にするため、スチールファイバコンクリート板に、
結合せずに付加的な縦向きストレス部材用の横向きブリ
ッジを設けることは有利なことがある。最終的にかつ結
局、管状の鋼製下側ビームを有する構成においてこの鋼
製下側ビームにスチールファイバコンクリートを充てん
してもよく、その結果、多重スパン構造の際の安定性及
び内部からの腐食特性が改善され、かつ動特性に望まし
い作用が及ぼされる。管状の鋼製下側ビーム内に同様に
付加的な縦向きストレス部材を配置してもよい。

実施例 本発明の実施例を以下図面によって詳細に説明する。

走路支持体は、高速磁気軌道に使われるものであり、か
つ基本構成において管状の鋼製下側ビーム１、互いに鋭
角をなして配置され鋼製下側ビーム１に溶接された２つ
の鋼製ブリッジ２、及び側方に張出した装備帯片４を有
し鋼製ブリッジ２の上側自由端に取付けられた上側ビー
ム３から成り、これら装備帯片は周知の装備部品を有す
る。上側ビーム３はπ形断面のスチールファイバコンク
リート板によって形成され、このスチールファイバコン
クリート板には、縦向きストレス部材５及び横向きスト
レス部材６により縦方向及び横方向にプレストレスが加
えられている。スチールファイバコンクリート板のブリ
ッジ７と鋼製ブリッジ２の間の支持機構の結合は、ブリ
ッジ全高の上側範囲において伝達すべき力に合わせたフ
ランジ構造部８によって行われる。概略的に示すよう
に、鋼製ブリッジ２の間にさらに横向き結合材９を配置
してもよく、これら横向き結合材は製造の際に有利であ
り、かつ構造が完成した際には場合によってはもはや存
在しない。その他に明らかなように、スチールファイバ
コンクリートから成る横向きブリッジ11上において結合
していない付加的な縦向きストレス部材10によれば、必
要な場合には走路こう配の修正を行うことができる。横
向きブリッジ11の高さは、走路に沿って変えることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は、走路支持体の横断面図である。 １……鋼製下側ビーム、２……鋼製ブリッジ、３……上
側ビーム、４……装備帯片、５……縦向きストレス部
材、６……横向きストレス部材、７……ブリッジ、８…
…フランジ構造部、９……横向き結合材、10……縦向き
ストレス部材、11……横向きブリッジ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鋼製下側ビーム、互いに鋭角をなして配置
   され鋼製下側ビームに溶接された２つの鋼製ブリッジ、
   及び側方に張出した装備帯片を有し鋼製ブリッジの上側
   自由端に取り付けられコンクリートを有している上側ビ
   ームから成る、高速磁気軌道用の走路支持体において、 上側ビーム（３）が、縦向き及び／又は横向きストレス
   部材（5,6）を有するスチールファイバコンクリート板
   として形成されていることを特徴とする、高速磁気軌道
   用の走路支持体。
2. 【請求項２】スチールファイバコンクリート板の横断面
   が実質的にπ形をしている、請求項１記載の走路支持
   体。
3. 【請求項３】スチールファイバコンクリート板のブリッ
   ジが、頭付押えボルトにより鋼製ブリッジ（２）に結合
   されている、請求項１又は２記載の走路支持体。
4. 【請求項４】スチールファイバコンクリート板が、結合
   せずに付加的な縦向きストレス部材（10）用の横向きブ
   リッジ（11）を有する、請求項１〜３の１つに記載の走
   路支持体。
5. 【請求項５】管状の鋼製下側ビームを有する構成におい
   て、鋼製下側ビーム（１）にスチールファイバコンクリ
   ートが充てんされている、請求項１〜４の１つに記載の
   走路支持体。
6. 【請求項６】鋼製下側ビーム（１）内に付加的な縦向き
   ストレス部材が配置されている、請求項５記載の走路支
   持体。