JPH075930Y2 - 自動磁気ボール盤の早戻し機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、送りモータの回転方向を変更して自動送り、
自動戻りを行なう自動磁気ボール盤の早戻し機構に関す
るものである。

〔考案の背景〕

本考案は先出願の「自動磁気ボール盤の早戻し機構」
（特願昭63-66037）の改良に関するものである。

第４図、第５図、第６図によって先出願の問題点を説明
する。

第４図に示すように高速比減速装置５の構成要素5aはギ
ヤカバ17にボルトで固定されている。戻り時は第５図に
示すクラッチ６、７が係止面6a、7aで第６図に示す通り
スリップしてハンドルシャフト８はウォームホイル４と
同時に回転して早戻りする。しかし実用穴明で電気ドリ
ルの推力が大きいと穴明中にクラッチがスリップし、穴
明できない場合があった。また実用の穴明推力に合せス
リップトルクを大きくすると戻り時に送りモータ１がロ
ックして早戻しができないという改善課題があった。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記した先出願の改善課題を改良し、
確実な戻り速さが早い早戻し機構を提供することであ
る。

〔考案の概要〕

本考案は高速比減速装置がその固定要素を回転自在に配
置すれば減速しないことに着目し、ソレノイドの開閉操
作によりプランジャを固定要素の嵌合、離脱させ送り時
は高速比減速装置を介して減速し逆転時には高速比減速
装置全体を空転させるように減速部を工夫したものであ
る。

〔考案の実施例〕

本考案の一実施例を第１図、第２図、第３図により説明
する。

第１図に示すように送りモータ１の動力はピニオン1aか
らファーストギヤ２、ウォーム３、ウォームホイル４、
高速比減速装置５、クラッチ６、クラッチ７を介してハ
ンドルシャフト８に伝達され電気ドリルの上下動を行な
う。ウォームホイル４の内径には一方向クラッチ11が送
り時にはハンドルシャフト８が空転し、戻り時にはハン
ドルシャフト８をロックするように取付けられている。
高速比減速装置５は入力側と出力側が同じ回転方向にな
るように各要素を配置している。

クラッチ６は高速比減速装置５の出力側に固着してい
る。

トメワ10はクラッチ７のストッパである。

第２図に示すように高速比減速装置５は構成要素5a、構
成要素5b、構成要素5c、構成要素5dから成りこの場合構
成要素5dが入力側で構成要素5bが出力側である。構成要
素5aはすべり軸受15で支持され、側面にプランジャ13と
の複数個の嵌合穴が設けてある。

ギヤカバ17にはソレノイドコイル12、プランジャ13スプ
リング14が配設されている。制御回路によって自動送り
時はソレノイドコイル12を閉じて、プランジャ13を構成
要素5a側に飛び出させ、自動戻り時はソレノイド12を開
いてスプリング14の付圧によりプランジャ13が復帰する
ように構成している。プランジャ13はブッシュ16によっ
て支持されている。

次に第２図、第３図によって動作を説明する。

第２図は自動送り状態を示す。自動送り時はまず送りモ
ータ１が左回転し、ファーストギヤ２、ウォーム３を介
してウォームホイル４、高速比減速装置５は右回転す
る。制御回路によって送りモータの回転と同時にソレノ
イドコイル12が閉じプランジャ13は構成要素5a側へ飛び
出す。

構成要素5aが回転し、プランジャ13と嵌合すると構成要
素5aが固定されるのでウォームホイル４の動力は高速比
減速装置５、クラッチ６、クラッチ７へ伝達され、ハン
ドルシャフト８はNin/i3の回転数で右回転する。（Nin
は入力側回転数、i3は高速比減速装置の減速比） 自動戻りの場合を第３図に示す。制御回路によって送り
モータが逆転（右回転）すると同時にソレノイドコイル
12が開きプランジャ13はスプリング14の付圧により元の
位置に復帰する。構成要素5aはプランジャ13との嵌合が
はずれ、回転自在の状態となる。

一方一方向クラッチ11によってウォームホイル４とハン
ドルシャフト８がロックされる。送りモータ１の動力は
ファーストギヤ２、ウォーム３を介してウォームホイル
４に伝達され、ウォームホイル４、高速比減速装置５全
体、クラッチ６、クラッチ７、ハンドルシャフト８が入
力回転数Ninで同時回転する。

したがって戻り時の回転数は送り時のi3倍となり、送り
モータ１の回転数を制御することで大幅に戻り速さをア
ップさせることができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、戻り時にクラッチをスリップさせない
ので送りモータの容量を大きくすることがなく、確実で
任意速さの早戻しが可能になり、大幅に作業能率を向上
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の早戻し機構を示す縦断側面図である。 第２図は本考案の自動送り状態を示す説明図である。 第３図は本考案の自動戻り状態を示す説明図である。 第４図は先出願の実施例を示す。 第５図は先出願のクラッチ説明図である。 第６図は先出願の動力伝達部材の動作説明図である。 図において、１は送りモータ、1aはピニオン、２はファ
ーストギヤ、３はウォーム、４はウォームホイル、５は
高速比減速装置、６はクラッチ、７はクラッチ、８はハ
ンドルシャフト、９はスプリング、10はトメワ、11は一
方向クラッチ、12はソレノイドコイル、13はプランジ
ャ、14はスプリングａ、15はすべり軸受、16はブッシ
ュ、17はギヤカバ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】鉄心にマグネットコイルが巻装されたマグ
   ネットと該マグネットの上部に取付けられたスタンドと
   該スタンド上下動可能に取付けられた電気ドリルとから
   成り、前記スタンドには送りモータ、減速部、ハンドル
   シャフトの軸方向移動により前記電気ドリルの自動送り
   と手動送りを切換えるクラッチ部からなり、前記減速部
   の一部に高速比減速装置を使用し該高速比減速装置の入
   力側にギヤを取付け出力側に前記クラッチの一方を取付
   け、前記ハンドルシャフトが該ギヤと該クラッチを貫
   通、支持する構造の自動送り機構を備える自動磁気ボー
   ル盤において、前記高速比減速装置を入力側と出力側の
   回転方向が一致するように配設し、前記入力側のギヤ内
   径に送り時にはギヤに対してハンドルシャフトが空転
   し、戻り時にはハンドルシャフトをロックして同時回転
   するように一方向クラッチを取付け、ソレノイドコイル
   の開閉操作によって前記高速比減速装置の構成要素の１
   つを送り時には固定し、戻り時には回転自在になるよう
   にソレノイドコイルとプランジャを配設し、送り時には
   高速比減速装置を介して動力伝達し、戻り時には入力側
   ギヤから直接ハンドルシャフトを回転させて早戻りを行
   えるように構成してなる自動磁気ボール盤の早戻し機
   構。