JPH0757923A - Mn−Zn系フェライトの製造方法 - Google Patents
Mn−Zn系フェライトの製造方法Info
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- JPH0757923A JPH0757923A JP5203260A JP20326093A JPH0757923A JP H0757923 A JPH0757923 A JP H0757923A JP 5203260 A JP5203260 A JP 5203260A JP 20326093 A JP20326093 A JP 20326093A JP H0757923 A JPH0757923 A JP H0757923A
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- JP
- Japan
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- ferrite
- zno
- furnace material
- firing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Mn−Zn系フェライトを焼成して製造するとき
の、フェライトコア表面からの亜鉛分の逸散を抑制し、
製品特性の劣化を防止するとともにZnAl2O4 製匣体の長
期使用を可能とする。 【構成】 フェライト成形体をZnAl2O4 製炉材料で取り
囲み、かつ内部にZnO 粉末を散布して焼成する。
の、フェライトコア表面からの亜鉛分の逸散を抑制し、
製品特性の劣化を防止するとともにZnAl2O4 製匣体の長
期使用を可能とする。 【構成】 フェライト成形体をZnAl2O4 製炉材料で取り
囲み、かつ内部にZnO 粉末を散布して焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用軟磁性材料と
して使用されるMn−Zn系フェライトの製造方法に関する
ものである。
して使用されるMn−Zn系フェライトの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】Mn−Zn系ソフトフェライトは、一般に原
料酸化物を所定の配合になるように秤量した後、混合、
仮焼、粉砕、造粒の工程を経たものを所望の形状に圧縮
成形して成形体とし、これを適正な温度と雰囲気条件の
もとで焼成することによって製造されている。
料酸化物を所定の配合になるように秤量した後、混合、
仮焼、粉砕、造粒の工程を経たものを所望の形状に圧縮
成形して成形体とし、これを適正な温度と雰囲気条件の
もとで焼成することによって製造されている。
【0003】以上の製造工程において、Mn−Zn系フェラ
イトの焼成は通常1300〜1380℃の高温下で行われるが、
この際、フェライトコアの表面から亜鉛分が雰囲気へ逸
散され、特にコア表面部の組成が変化し、最終的に所望
の特性が得られないという問題点があった。この問題に
対処するために例えば特開平4−360503号公報に記載さ
れているようにMn−Zn系フェライト成形体をそれと同系
材質のフェライト製炉材を用いて焼成する方法が提案さ
れている。
イトの焼成は通常1300〜1380℃の高温下で行われるが、
この際、フェライトコアの表面から亜鉛分が雰囲気へ逸
散され、特にコア表面部の組成が変化し、最終的に所望
の特性が得られないという問題点があった。この問題に
対処するために例えば特開平4−360503号公報に記載さ
れているようにMn−Zn系フェライト成形体をそれと同系
材質のフェライト製炉材を用いて焼成する方法が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記に引用し
た技術によれば、焼成するMn−Zn系フェライトと同材質
系の炉材の場合、長時間にわたって使用すると炉材中の
Zn成分が低下して焼成コアの特性を劣化させたり、また
炉材自身に割れ等が発生し、使用不能となる場合が多か
った。
た技術によれば、焼成するMn−Zn系フェライトと同材質
系の炉材の場合、長時間にわたって使用すると炉材中の
Zn成分が低下して焼成コアの特性を劣化させたり、また
炉材自身に割れ等が発生し、使用不能となる場合が多か
った。
【0005】本発明は、長時間にわたって使用しても焼
成時のフェライトコア表面からの亜鉛成分の逸散を防
ぎ、磁気特性の劣化を抑制することのできる経済的で有
効なMn−Zn系フェライトの製造方法を提供することを目
的とするものである。
成時のフェライトコア表面からの亜鉛成分の逸散を防
ぎ、磁気特性の劣化を抑制することのできる経済的で有
効なMn−Zn系フェライトの製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mn−Zn系フェ
ライト成形体を焼成するに際し、ZnAl2O4 製炉材料で取
り囲み、かつ成形体を載置するZnAl2O4 製炉材料上およ
び複数段積載するコア間にZnO を含有する粉末を散布し
て焼成することを特徴とするMn−Zn系フェライトの製造
方法であり、散布するZnO 粉末としてはZnO を30〜80%
含み残部がZrO2からなる混合粉末が好ましい。
ライト成形体を焼成するに際し、ZnAl2O4 製炉材料で取
り囲み、かつ成形体を載置するZnAl2O4 製炉材料上およ
び複数段積載するコア間にZnO を含有する粉末を散布し
て焼成することを特徴とするMn−Zn系フェライトの製造
方法であり、散布するZnO 粉末としてはZnO を30〜80%
含み残部がZrO2からなる混合粉末が好ましい。
【0007】
【作用】本発明者等は既に特開平5−3114号公報により
ZnAl2O4 をMnZnフェライトコア焼成用の敷板として使用
することを提案したが、これについて更に研究を重ねた
結果、該材質の炉材でMnZnフェライトコア成形体の全周
囲を取り囲んで焼成することによって、前述した焼成中
のコア表面からの亜鉛成分の逸散を防ぎ、磁気特性の劣
化を抑制できることを見出したものである。この時、成
形体を載置する炉材部上にZnO を含む粉末を散布して用
いることにより、その効果が一層高まることがわかっ
た。
ZnAl2O4 をMnZnフェライトコア焼成用の敷板として使用
することを提案したが、これについて更に研究を重ねた
結果、該材質の炉材でMnZnフェライトコア成形体の全周
囲を取り囲んで焼成することによって、前述した焼成中
のコア表面からの亜鉛成分の逸散を防ぎ、磁気特性の劣
化を抑制できることを見出したものである。この時、成
形体を載置する炉材部上にZnO を含む粉末を散布して用
いることにより、その効果が一層高まることがわかっ
た。
【0008】ZnO を含有する粉末としては剥離作用を持
つZrO2との混合粉が推奨され、ZnO:ZrO2=80〜30:残
(重量比)程度がよい。ZnO が30重量%未満では、特性
劣化の抑制効果が不十分な場合が生じ、ZnO が80重量%
を超えると、焼成時、コア同士が焼結により固着してし
まう場合があり好ましくない。本発明の方法によって効
果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、コアを囲
むZnAl2O4 製炉材で仕切られる空間の雰囲気中のZn分が
一定濃度に保持されることに依っているのではないかと
推測される。
つZrO2との混合粉が推奨され、ZnO:ZrO2=80〜30:残
(重量比)程度がよい。ZnO が30重量%未満では、特性
劣化の抑制効果が不十分な場合が生じ、ZnO が80重量%
を超えると、焼成時、コア同士が焼結により固着してし
まう場合があり好ましくない。本発明の方法によって効
果が得られる理由は必ずしも明らかでないが、コアを囲
むZnAl2O4 製炉材で仕切られる空間の雰囲気中のZn分が
一定濃度に保持されることに依っているのではないかと
推測される。
【0009】また、雰囲気中のZn分はZnO 粉末からも供
給されるのでZnAl2O4 製炉材のZn分の減少が小さく、そ
のため炉材を長時間使用しても割れ等の発生がなく、安
定した生産が維持できる。
給されるのでZnAl2O4 製炉材のZn分の減少が小さく、そ
のため炉材を長時間使用しても割れ等の発生がなく、安
定した生産が維持できる。
【0010】
【実施例】最終組成としてFe2O3 :53.0モル%、MnO :
26.9モル%、ZnO :20.1モル%となる基本組成の原料に
添加物としてSiO2、V2O5およびBi2O3 を配合し、 900℃
1時間の仮焼後、アトライター粉砕、PVAを加えた後
スプレードライヤー造粒したフェライト粉末を外径36mm
のトロイダルコアに成形した。
26.9モル%、ZnO :20.1モル%となる基本組成の原料に
添加物としてSiO2、V2O5およびBi2O3 を配合し、 900℃
1時間の仮焼後、アトライター粉砕、PVAを加えた後
スプレードライヤー造粒したフェライト粉末を外径36mm
のトロイダルコアに成形した。
【0011】これらの成形体を12個ずつ2群に分け、A
群はZnAl2O4 敷板上に載置したまま(比較例)、B群は
内寸法 100× 100×50mm、肉厚7mmのZnAl2O4 製の蓋付
きの匣鉢内に置き底面の部分およびコア間に ZnO:ZrO2
=50:50(重量比)の粉を散布して(本発明例)1350℃
で焼成した。コアは3段積みとし得られた焼成コアにつ
いては、最も特性の劣る最上段コアと特性の優れる中段
コアの100kHzの初透磁率を測定・比較した。得られた結
果を表1に示す。
群はZnAl2O4 敷板上に載置したまま(比較例)、B群は
内寸法 100× 100×50mm、肉厚7mmのZnAl2O4 製の蓋付
きの匣鉢内に置き底面の部分およびコア間に ZnO:ZrO2
=50:50(重量比)の粉を散布して(本発明例)1350℃
で焼成した。コアは3段積みとし得られた焼成コアにつ
いては、最も特性の劣る最上段コアと特性の優れる中段
コアの100kHzの初透磁率を測定・比較した。得られた結
果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】なお、上記実施例で用いたZnAl2O4 製の蓋
付きの匣鉢にZnO 粉末を入れて用いた場合、 100回使用
しても匣鉢に割れ等の発生もなく、フェライトの特性の
劣化も殆んどなかったのに対して、同じ匣鉢にZnO 粉末
を入れなかったものは、特性が使用回数が増すにつれて
1割程度まで劣化する傾向がみられた。
付きの匣鉢にZnO 粉末を入れて用いた場合、 100回使用
しても匣鉢に割れ等の発生もなく、フェライトの特性の
劣化も殆んどなかったのに対して、同じ匣鉢にZnO 粉末
を入れなかったものは、特性が使用回数が増すにつれて
1割程度まで劣化する傾向がみられた。
【0014】
【発明の効果】本発明は、Mn−Zn系フェライト成形体を
焼成するにあたり、ZnAl2O4 製炉材で取り囲んで、かつ
ZnO 粉末を入れて焼成することによって、焼成中のコア
表面からの亜鉛分の逸散を抑制し製品特性の劣化を抑制
する効果と ZnAl2O4製匣鉢の長期使用を可能とする効果
を得た。
焼成するにあたり、ZnAl2O4 製炉材で取り囲んで、かつ
ZnO 粉末を入れて焼成することによって、焼成中のコア
表面からの亜鉛分の逸散を抑制し製品特性の劣化を抑制
する効果と ZnAl2O4製匣鉢の長期使用を可能とする効果
を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 D 8019−5E
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn−Zn系フェライト成形体を焼成するに
際し、ZnAl2O4 製炉材料で取り囲み、かつ成形体を載置
するZnAl2O4 製炉材料上および複数段積載するコア間に
ZnO を含有する粉末を散布して焼成することを特徴とす
るMn−Zn系フェライトの製造方法。 - 【請求項2】 ZnO を含有する粉末がZnO を30〜80%含
み残部がZrO2からなる混合粉末であることを特徴とする
請求項1記載のMn−Zn系フェライトの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5203260A JP3024891B2 (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | Mn−Zn系フェライトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5203260A JP3024891B2 (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | Mn−Zn系フェライトの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0757923A true JPH0757923A (ja) | 1995-03-03 |
JP3024891B2 JP3024891B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=16471090
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5203260A Expired - Fee Related JP3024891B2 (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | Mn−Zn系フェライトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3024891B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106830916A (zh) * | 2016-12-19 | 2017-06-13 | 江西尚朋电子科技有限公司 | 一种锰锌功率铁氧体材料及其元件制备方法 |
-
1993
- 1993-08-17 JP JP5203260A patent/JP3024891B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106830916A (zh) * | 2016-12-19 | 2017-06-13 | 江西尚朋电子科技有限公司 | 一种锰锌功率铁氧体材料及其元件制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3024891B2 (ja) | 2000-03-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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