JPH0756018A - 偏光子の製造方法 - Google Patents
偏光子の製造方法Info
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- JPH0756018A JPH0756018A JP20308093A JP20308093A JPH0756018A JP H0756018 A JPH0756018 A JP H0756018A JP 20308093 A JP20308093 A JP 20308093A JP 20308093 A JP20308093 A JP 20308093A JP H0756018 A JPH0756018 A JP H0756018A
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- metal particle
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 異方性島状金属粒子層で、しかも可視光域だ
けではなく、赤外光領域にも使用可能な偏光子を提供す
ること。 【構成】 透明な基体1上に物理蒸着法により誘電体層
6と島状金属粒子層2とを交互に形成した後、引き延ば
し処理を行うことによって作製される偏光子の製造方法
において、島状金属粒子層を形成する場合に金属粒子を
基体の蒸着面に対して所定範囲の傾斜角度θで入射さ
せ、引き延ばし処理を行う場合に、引き延ばし方向を金
属粒子の入射方向に対して直交する方向とすることを特
徴とする。上記の所定範囲の傾斜角度は5〜45°の範
囲で良く、特に15〜30゜で良い結果が得られる。金
属粒子は抵抗の少ない金属またはその合金が良く、誘電
体層は金属酸化物からなる光学的に透明なもので有れば
良い。
けではなく、赤外光領域にも使用可能な偏光子を提供す
ること。 【構成】 透明な基体1上に物理蒸着法により誘電体層
6と島状金属粒子層2とを交互に形成した後、引き延ば
し処理を行うことによって作製される偏光子の製造方法
において、島状金属粒子層を形成する場合に金属粒子を
基体の蒸着面に対して所定範囲の傾斜角度θで入射さ
せ、引き延ばし処理を行う場合に、引き延ばし方向を金
属粒子の入射方向に対して直交する方向とすることを特
徴とする。上記の所定範囲の傾斜角度は5〜45°の範
囲で良く、特に15〜30゜で良い結果が得られる。金
属粒子は抵抗の少ない金属またはその合金が良く、誘電
体層は金属酸化物からなる光学的に透明なもので有れば
良い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜によりなる偏光子
の製造方法に関する。
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】偏光子は特定の振動方向の光だけを透過
し、他の光は吸収または反射する機能を持っており、さ
まざまな構成の偏光子が検討され、その一部が実用化さ
れている。たとえば、ポリビニルアルコール/2色性染
料からなる高分子薄膜を偏光方向に延伸して作製された
偏光フィルムや、複屈折性の結晶を貼り合わせたグラン
トムソンプリズム、ソーダガラス中に銀コロイドを析出
させ、偏光方向に延伸させたポーラコア、さらに連続な
金属薄膜と誘電体の交互多層膜によって形成されたラミ
ポールなどがある。
し、他の光は吸収または反射する機能を持っており、さ
まざまな構成の偏光子が検討され、その一部が実用化さ
れている。たとえば、ポリビニルアルコール/2色性染
料からなる高分子薄膜を偏光方向に延伸して作製された
偏光フィルムや、複屈折性の結晶を貼り合わせたグラン
トムソンプリズム、ソーダガラス中に銀コロイドを析出
させ、偏光方向に延伸させたポーラコア、さらに連続な
金属薄膜と誘電体の交互多層膜によって形成されたラミ
ポールなどがある。
【0003】これら偏光子の用途としては、液晶表示、
サングラス、スキー用ゴーグル、写真用フィルター、防
眩防止(自動車用ヘッドライト・ディスプレイ)の他に
光センサー、光アイソレータに広く使用されている。特
に、近年では光通信および光ディスク等の分野を中心
に、短波長用の小型で高性能および安価な偏光子の必要
性が高まりつつある。
サングラス、スキー用ゴーグル、写真用フィルター、防
眩防止(自動車用ヘッドライト・ディスプレイ)の他に
光センサー、光アイソレータに広く使用されている。特
に、近年では光通信および光ディスク等の分野を中心
に、短波長用の小型で高性能および安価な偏光子の必要
性が高まりつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら高性能偏光子に
は(1)挿入損失が少なくて透過率が高いこと、(2)
消光比が高いこと、(3)小型化が可能であること、お
よび(4)大量生産が可能で安価であることが主として
要求されているが、従来の偏光子はそれらの要求項目を
すべて満足できるものはなかった。この問題を解決する
ため、偏光子の製造方法として異方性島状金属粒子層を
形成する方法が検討されている。
は(1)挿入損失が少なくて透過率が高いこと、(2)
消光比が高いこと、(3)小型化が可能であること、お
よび(4)大量生産が可能で安価であることが主として
要求されているが、従来の偏光子はそれらの要求項目を
すべて満足できるものはなかった。この問題を解決する
ため、偏光子の製造方法として異方性島状金属粒子層を
形成する方法が検討されている。
【0005】図6はこの異方性島状金属粒子層を用いた
偏光子の構成を示す図であり、これを作成するには基板
1の上に常の薄膜形成法によって透明な誘電体層6と等
方的な島状金属粒子層2とを積層し、その後Z方向に引
き延ばし処理を行なって島の形状や分布状態に異方性を
与えるもので、これにより薄膜の共鳴吸収特性に偏光依
存性を持たせたたものである。この図6の構成では、積
層面に垂直なX方向に光を入射するため、大口径で短長
の素子を容易に作製できる利点がある。
偏光子の構成を示す図であり、これを作成するには基板
1の上に常の薄膜形成法によって透明な誘電体層6と等
方的な島状金属粒子層2とを積層し、その後Z方向に引
き延ばし処理を行なって島の形状や分布状態に異方性を
与えるもので、これにより薄膜の共鳴吸収特性に偏光依
存性を持たせたたものである。この図6の構成では、積
層面に垂直なX方向に光を入射するため、大口径で短長
の素子を容易に作製できる利点がある。
【0006】しかしながら、この引き延ばし法による異
方性島状金属粒子層の共鳴波長は、島状金属粒子のアス
ペクト比、自由電子密度だけではなく、各方向に対する
粒子の密度も反映する。このため、同一金属からなる島
状金属粒子層をZ方向に引き延ばす時にその引き延ばし
率を上げて行くと、図7に示すように、(1) 島状金属粒
子層のアスペクト比が増大するためZ方向の偏波に対す
る共鳴波長が長波長側にシフトはするが、(2) 反面Z方
向の粒子の密度も低下するため共鳴波長の長波長側への
シフトを妨げる働きをして引き延ばしによる共鳴波長の
シフトも頭打ちになり、可視光域よりも長い共鳴波長を
得ることは非常に困難であった。
方性島状金属粒子層の共鳴波長は、島状金属粒子のアス
ペクト比、自由電子密度だけではなく、各方向に対する
粒子の密度も反映する。このため、同一金属からなる島
状金属粒子層をZ方向に引き延ばす時にその引き延ばし
率を上げて行くと、図7に示すように、(1) 島状金属粒
子層のアスペクト比が増大するためZ方向の偏波に対す
る共鳴波長が長波長側にシフトはするが、(2) 反面Z方
向の粒子の密度も低下するため共鳴波長の長波長側への
シフトを妨げる働きをして引き延ばしによる共鳴波長の
シフトも頭打ちになり、可視光域よりも長い共鳴波長を
得ることは非常に困難であった。
【0007】このように、引き延ばし法による異方性島
状金属粒子層の偏光子としての用途は可視光域より短波
長に限られており、大きな需要が期待される光通信用等
の1ミクロン以上の波長の用途には充分な性能を得るこ
とができなかった。
状金属粒子層の偏光子としての用途は可視光域より短波
長に限られており、大きな需要が期待される光通信用等
の1ミクロン以上の波長の用途には充分な性能を得るこ
とができなかった。
【0008】したがって本発明の課題は、異方性島状金
属粒子層で、しかも可視光域だけではなく赤外光領域に
も使用可能な偏光子を提供することにある。
属粒子層で、しかも可視光域だけではなく赤外光領域に
も使用可能な偏光子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、透明な
基体上に物理蒸着法により誘電体層と島状金属粒子層と
を交互に形成した後、引き延ばし処理を行うことによっ
て作製される偏光子の製造方法において、前記島状金属
粒子層を形成する場合に前記基体の蒸着面に対して所定
範囲の傾斜角度で金属粒子を入射させ、引き延ばし方向
を金属粒子の入射方向に対して直交する方向とすること
を特徴とする偏光子の製造方法が得られる。
基体上に物理蒸着法により誘電体層と島状金属粒子層と
を交互に形成した後、引き延ばし処理を行うことによっ
て作製される偏光子の製造方法において、前記島状金属
粒子層を形成する場合に前記基体の蒸着面に対して所定
範囲の傾斜角度で金属粒子を入射させ、引き延ばし方向
を金属粒子の入射方向に対して直交する方向とすること
を特徴とする偏光子の製造方法が得られる。
【0010】また、本発明によれば、前記偏光子の製造
方法において、前記金属膜がAu、Ag、Al、Cr、
Co、W、Fe、Cu、Be、MgおよびRhの少なく
とも1つからなる偏光子の製造方法が得られる。
方法において、前記金属膜がAu、Ag、Al、Cr、
Co、W、Fe、Cu、Be、MgおよびRhの少なく
とも1つからなる偏光子の製造方法が得られる。
【0011】また、本発明によれば、前記偏光子の製造
方法において、前記誘電体層がSi、Al、Be、C
e、Rb、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、
Zn、Cd、Pd、Bi、Ge、Tl、P、Ag、A
s、Sb、Te、Y、Sc、Hf、W、Nb、Cr、M
nおよびBの少なくとも1つの酸化物からなることを特
徴とする偏光子の製造方法が得られる。
方法において、前記誘電体層がSi、Al、Be、C
e、Rb、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、
Zn、Cd、Pd、Bi、Ge、Tl、P、Ag、A
s、Sb、Te、Y、Sc、Hf、W、Nb、Cr、M
nおよびBの少なくとも1つの酸化物からなることを特
徴とする偏光子の製造方法が得られる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の偏光子の製造方法の一実施例
を特に物理面から説明するための図である。透明な基板
1の一面に物理蒸着方法により誘電体層6と島状金属粒
子層2とを交互に形成するが、島状金属粒子層2を形成
する場合には金属粒子を基板1の蒸着面に対して矢印A
で示すように斜めに入射させる。この後全体を矢印Aと
直交する矢印Bの方向に引き延ばし処理を行う。蒸着面
に対し傾斜角度θで金属粒子を入射したときの島状金属
粒子層2の形状は、入射方向Yに対し直交する方向Zに
長軸が一致した回転楕円体となる。なお傾斜角θの大き
さは5°〜45°の範囲にあるが、特に好ましい値は1
5〜30゜程度である。
を特に物理面から説明するための図である。透明な基板
1の一面に物理蒸着方法により誘電体層6と島状金属粒
子層2とを交互に形成するが、島状金属粒子層2を形成
する場合には金属粒子を基板1の蒸着面に対して矢印A
で示すように斜めに入射させる。この後全体を矢印Aと
直交する矢印Bの方向に引き延ばし処理を行う。蒸着面
に対し傾斜角度θで金属粒子を入射したときの島状金属
粒子層2の形状は、入射方向Yに対し直交する方向Zに
長軸が一致した回転楕円体となる。なお傾斜角θの大き
さは5°〜45°の範囲にあるが、特に好ましい値は1
5〜30゜程度である。
【0013】図2はこの斜め入射による島状構造の島状
金属粒子層の膜面に対し垂直に偏光を入射した場合の、
入射光の波長(μm)と透過率(%)の関係を偏光面の
方向を変えて示した図で有る。図から分かるように、入
射光が島状金属粒子層の長軸方向(Z方向)に偏光方向
を持つ光の透過率TZ の示す共鳴波長(吸収波長)3
は、短軸方向(Y軸方向)に偏光方向を持つ光の透過率
TY の示す共鳴波長4に比べ長波長側にシフトしてい
る。すなわち、膜状の粒子層を形成した状態ですでに異
方性島状金属粒子層と同じような偏光特性を持ってい
る。
金属粒子層の膜面に対し垂直に偏光を入射した場合の、
入射光の波長(μm)と透過率(%)の関係を偏光面の
方向を変えて示した図で有る。図から分かるように、入
射光が島状金属粒子層の長軸方向(Z方向)に偏光方向
を持つ光の透過率TZ の示す共鳴波長(吸収波長)3
は、短軸方向(Y軸方向)に偏光方向を持つ光の透過率
TY の示す共鳴波長4に比べ長波長側にシフトしてい
る。すなわち、膜状の粒子層を形成した状態ですでに異
方性島状金属粒子層と同じような偏光特性を持ってい
る。
【0014】図3は上記の試料にさらに入射方向に対し
て直交するZ方向、すなわち島状金属粒子層の長軸方
向、に引き延ばし処理を行って異方性島状金属粒子層を
形成したときの波長と透過率の関係を示した図で、長軸
側の共鳴波長5はさらに長軸側にシフトして1.5μm
程度まで使用可能なことを示している。このように、あ
らかじめ斜め入射を行った異方性島状金属粒子層を長軸
方法に引き延ばし処理を行うことにより、従来の垂直方
向に入射を行った異方性島状金属粒子層では得られなか
った可視光領域よりも長波長で使用可能な高性能偏光子
が得られる。次に本発明の実施例の具体的な例を詳細に
説明する。
て直交するZ方向、すなわち島状金属粒子層の長軸方
向、に引き延ばし処理を行って異方性島状金属粒子層を
形成したときの波長と透過率の関係を示した図で、長軸
側の共鳴波長5はさらに長軸側にシフトして1.5μm
程度まで使用可能なことを示している。このように、あ
らかじめ斜め入射を行った異方性島状金属粒子層を長軸
方法に引き延ばし処理を行うことにより、従来の垂直方
向に入射を行った異方性島状金属粒子層では得られなか
った可視光領域よりも長波長で使用可能な高性能偏光子
が得られる。次に本発明の実施例の具体的な例を詳細に
説明する。
【0015】図4は本発明に使用した薄膜形成装置の概
略図を示す。薄膜を呈する粒子層の形成方法としてRF
マグネトロンスパッタ法を使用し、金属としてAuを使
用し、光学的に透明な誘電体としてパイレックスを使用
した。真空容器7内に直径100mmのAuターゲット
11およびパイレックスターゲット12を配置し、基板
1としてパイレックスガラスを使用した。基板1は基板
取付治具9により、入射角20°となるよう傾けて基板
ホルダー8に固定し、ターゲット/基板間距離を100
mmとした。
略図を示す。薄膜を呈する粒子層の形成方法としてRF
マグネトロンスパッタ法を使用し、金属としてAuを使
用し、光学的に透明な誘電体としてパイレックスを使用
した。真空容器7内に直径100mmのAuターゲット
11およびパイレックスターゲット12を配置し、基板
1としてパイレックスガラスを使用した。基板1は基板
取付治具9により、入射角20°となるよう傾けて基板
ホルダー8に固定し、ターゲット/基板間距離を100
mmとした。
【0016】基板位置をAuターゲット、パイレックス
ターゲットに対して交互に真上にくるように変更しなが
ら、パイレックス膜とAu島状金属粒子層を交互に積層
した。この場合のパイレックススパッタの条件は、スパ
ッタ圧力が0.1Pa(Ar:14SCCM、O2 :6
SCCM)であり、RFパワーが100Wであり、かつ
スパッタ時間が15分である。またAuスパッタの条件
は、スパッタ圧力が0.5Paであり、スパッタ時間が
10秒である。この時のパイレックス膜の層数は11層
であり、Au膜の層数は10層とした。ここで、形成さ
れるパイレックス膜の膜厚は0.2ミクロンであり、A
u膜の平均膜厚は約10nmである。
ターゲットに対して交互に真上にくるように変更しなが
ら、パイレックス膜とAu島状金属粒子層を交互に積層
した。この場合のパイレックススパッタの条件は、スパ
ッタ圧力が0.1Pa(Ar:14SCCM、O2 :6
SCCM)であり、RFパワーが100Wであり、かつ
スパッタ時間が15分である。またAuスパッタの条件
は、スパッタ圧力が0.5Paであり、スパッタ時間が
10秒である。この時のパイレックス膜の層数は11層
であり、Au膜の層数は10層とした。ここで、形成さ
れるパイレックス膜の膜厚は0.2ミクロンであり、A
u膜の平均膜厚は約10nmである。
【0017】パイレックス/Au積層膜を形成した後、
Auスパッタ粒子の入射方向に対して垂直な方向(Z方
向)に引き延ばし処理を行った。この時の加熱温度は6
50℃とし、引き延ばし張力を0.5kg/mm2 と
し、引き延ばし率を1.2倍から5倍まで変化させて偏
光子を作製した。
Auスパッタ粒子の入射方向に対して垂直な方向(Z方
向)に引き延ばし処理を行った。この時の加熱温度は6
50℃とし、引き延ばし張力を0.5kg/mm2 と
し、引き延ばし率を1.2倍から5倍まで変化させて偏
光子を作製した。
【0018】図5は上記のようにして作製された偏光子
に対してZ方向に偏波面を持つ光を入射し、共鳴波長の
引き延ばし率依存性を測定した結果を示す。従来の図7
の等方性島状金属粒子層を引き延ばした結果に比べ、共
鳴波長が約0.4〜1.2μm長波長側へシフトしてお
り、引き延ばし率5倍のとき共鳴波長は2.2μmまで
長く成っている。更に引き延ばし率を2倍とした偏光子
について波長1.55μmの光についての透過率の測定
を行ったところ、Y方向に偏波面を持つ光の透過率は9
0%であり、Z方向に偏波面を持つ光の透過率は0.1
%であった。
に対してZ方向に偏波面を持つ光を入射し、共鳴波長の
引き延ばし率依存性を測定した結果を示す。従来の図7
の等方性島状金属粒子層を引き延ばした結果に比べ、共
鳴波長が約0.4〜1.2μm長波長側へシフトしてお
り、引き延ばし率5倍のとき共鳴波長は2.2μmまで
長く成っている。更に引き延ばし率を2倍とした偏光子
について波長1.55μmの光についての透過率の測定
を行ったところ、Y方向に偏波面を持つ光の透過率は9
0%であり、Z方向に偏波面を持つ光の透過率は0.1
%であった。
【0019】なお、上記例では、島状金属粒子層の材料
をAuとし、誘電体層をパイレックスとしたが、島状金
属粒子層の材料は金属であればよいが、特に電気抵抗の
低いものが望ましく、Au、Ag、Al、Cr、Co、
W、Fe、Cu、Be、Mg、Rhであれば良く、また
少なくともそのうちの1つを含む合金でも良い。また、
誘電体層をパイレックスとしたが、誘電体層についても
光学的に透明であればよく、Si、Al、Be、Ce、
Rb、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Z
n、Bなどの酸化物や、少なくとも1つ以上含むガラス
であれば良い。
をAuとし、誘電体層をパイレックスとしたが、島状金
属粒子層の材料は金属であればよいが、特に電気抵抗の
低いものが望ましく、Au、Ag、Al、Cr、Co、
W、Fe、Cu、Be、Mg、Rhであれば良く、また
少なくともそのうちの1つを含む合金でも良い。また、
誘電体層をパイレックスとしたが、誘電体層についても
光学的に透明であればよく、Si、Al、Be、Ce、
Rb、K、Na、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Z
n、Bなどの酸化物や、少なくとも1つ以上含むガラス
であれば良い。
【0020】さらに、本発明の実施例において、島状金
属粒子層のスパッタ粒子の入射角度を20°としたが、
本発明の意図するところは斜めから入射させることにあ
り、その入射角度は5〜45°の範囲であることが望ま
しい。更にまた、本発明の実施例において、引き延ばし
時の温度を650℃、張力を0.5kg/mm2 とした
が、所定の引き延ばしが行えればよく、温度、張力等の
引き延ばし条件は緩く、特定できる性質のものではな
い。このほか、島状金属粒子層および誘電体層の層数に
ついても本発明の実施例に制限されない。
属粒子層のスパッタ粒子の入射角度を20°としたが、
本発明の意図するところは斜めから入射させることにあ
り、その入射角度は5〜45°の範囲であることが望ま
しい。更にまた、本発明の実施例において、引き延ばし
時の温度を650℃、張力を0.5kg/mm2 とした
が、所定の引き延ばしが行えればよく、温度、張力等の
引き延ばし条件は緩く、特定できる性質のものではな
い。このほか、島状金属粒子層および誘電体層の層数に
ついても本発明の実施例に制限されない。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、金
属膜を形成する場合に金属粒子を基体の蒸着面に対して
所定範囲の傾斜角度θで入射させ、引き延ばし処理を行
う場合に、引き延ばし方向を金属粒子の入射方向に対し
て直交する方向とすることにより、可視光領域だけでは
なく、赤外光領域にも使用可能な高性能で安価な偏光子
を提供することができる。
属膜を形成する場合に金属粒子を基体の蒸着面に対して
所定範囲の傾斜角度θで入射させ、引き延ばし処理を行
う場合に、引き延ばし方向を金属粒子の入射方向に対し
て直交する方向とすることにより、可視光領域だけでは
なく、赤外光領域にも使用可能な高性能で安価な偏光子
を提供することができる。
【図1】本発明の偏光子の製造方法にける島状金属粒子
層の形状と、物理蒸着粒子の入射角度と、引き延ばし方
向を説明するための図。
層の形状と、物理蒸着粒子の入射角度と、引き延ばし方
向を説明するための図。
【図2】本発明において蒸着粒子を斜め入射した段階に
おける透過率の偏波長依存性の測定結果を示す図。
おける透過率の偏波長依存性の測定結果を示す図。
【図3】本発明において蒸着粒子を斜め入射しZ方向に
引き延ばし処理を行った偏光子の透過率の偏波長依存性
の測定結果を示す図。
引き延ばし処理を行った偏光子の透過率の偏波長依存性
の測定結果を示す図。
【図4】本発明を実施する装置の概略図。
【図5】本発明における引き延ばし率と共鳴波長の関係
の測定結果を示す図。
の測定結果を示す図。
【図6】従来技術の引き延ばし法により作製された異方
性島状金属粒子層による偏光子の概略図。
性島状金属粒子層による偏光子の概略図。
【図7】従来における等方性の島状島状金属粒子層の引
き延ばし率と共鳴波長の関係の測定結果を示す図。
き延ばし率と共鳴波長の関係の測定結果を示す図。
1 基板 2 島状金属粒子層 3,4,5 共鳴波長 6 誘電体層 7 真空容器 8 基板ホルダー 9 基板取付治具 10 物理蒸着粒子 11 Auターゲット 12 パイレックスターゲット
Claims (4)
- 【請求項1】 透明な基体上に物理蒸着法により誘電体
層と島状金属粒子層とを交互に形成した後、引き延ばし
処理を行うことによって作製される偏光子の製造方法に
おいて、前記島状金属粒子層を形成する場合に金属粒子
を前記基体の蒸着面に対して所定範囲の傾斜角度で入射
させ、前記引き延ばし処理を行う場合に引き延ばし方向
を前記金属粒子の入射方向に対して直交する方向とする
ことを特徴とする、偏光子の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の偏光子の製造方法にお
いて、前記金属粒子を入射させる場合に、前記所定範囲
の傾斜角度を5〜45°の範囲で入射させることを特徴
とする、偏光子の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の偏光子の製造方法にお
いて、前記金属粒子を入射する場合に、Au、Ag、A
l、Cr、Co、W、Fe、Cu、Be、MgおよびR
hの少なくとも1つからなる低抵抗の金属の粒子もしく
は合金の粒子を入射することを特徴とする、偏光子の製
造方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の偏光子の製造方法にお
いて、前記誘電体層を前記島状金属粒子層と交互に形成
する場合に、Si、Al、Be、Ce、Rb、K、N
a、Li、Ba、Sr、Ca、Mg、Zn、Cd、P
d、Bi、Ge、Tl、P、Ag、As、Sb、Te、
Y、Sc、Hf、W、Nb、Cr、MnおよびBの少な
くとも1つの酸化物からなる光学的に透明な誘電体層を
形成することを特徴とする、偏光子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20308093A JPH0756018A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 偏光子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20308093A JPH0756018A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 偏光子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0756018A true JPH0756018A (ja) | 1995-03-03 |
Family
ID=16468033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20308093A Withdrawn JPH0756018A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 偏光子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0756018A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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