JPH09178939A - 偏光子およびその製造方法 - Google Patents
偏光子およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH09178939A JPH09178939A JP33977095A JP33977095A JPH09178939A JP H09178939 A JPH09178939 A JP H09178939A JP 33977095 A JP33977095 A JP 33977095A JP 33977095 A JP33977095 A JP 33977095A JP H09178939 A JPH09178939 A JP H09178939A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- metal
- dielectric
- layer
- particle layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】高い消光比を達成した偏光子を提供する。
【解決手段】ガラス基板2の両主面上に、それぞれ金属
粒子が異方性を有するように分散されてなる複数の金属
粒子層3と、ガラスからなる複数の誘電体層4とを交互
に積層した偏光子1。
粒子が異方性を有するように分散されてなる複数の金属
粒子層3と、ガラスからなる複数の誘電体層4とを交互
に積層した偏光子1。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス誘電体中に
異方性をもつ金属粒子が分散された偏光子ならびにその
製造方法に関するものである。
異方性をもつ金属粒子が分散された偏光子ならびにその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の主たる偏光子として、(1)ある
種の溶液をセル内に入れたもの、もしくはプラスチック
に着色剤を入れたもののように着色イオンを利用した素
子、(2)基板上に多数の誘電体薄膜を積層し、その多
層薄膜の干渉を利用した素子、(3)複屈折性の大きな
結晶で構成されたグラントムソンプリズムに代表される
偏光プリズム、(4)ブリュースター条件を利用して偏
光成分を分離するPBS(偏光ビームスプリッタ)、
(5)高分子材料を一定方向に配向させて一方向の偏光
成分を吸収する偏光フィルムなどがあった。
種の溶液をセル内に入れたもの、もしくはプラスチック
に着色剤を入れたもののように着色イオンを利用した素
子、(2)基板上に多数の誘電体薄膜を積層し、その多
層薄膜の干渉を利用した素子、(3)複屈折性の大きな
結晶で構成されたグラントムソンプリズムに代表される
偏光プリズム、(4)ブリュースター条件を利用して偏
光成分を分離するPBS(偏光ビームスプリッタ)、
(5)高分子材料を一定方向に配向させて一方向の偏光
成分を吸収する偏光フィルムなどがあった。
【0003】しかしながら、これら偏光子のうち(1)
の素子では、波長依存性が大きく、波長毎に最適な波長
特性を具備するよう個別に選択しなければならなかっ
た。また、(3)の偏光プリズムでは、屈折率の大きな
結晶で構成されているので、波長依存性が小さいが、そ
の反面、加工が難しく、寸法に制約があり、そのために
小型にすることが難しく、波長特性に優れた小型の偏光
子が提供できなかった。
の素子では、波長依存性が大きく、波長毎に最適な波長
特性を具備するよう個別に選択しなければならなかっ
た。また、(3)の偏光プリズムでは、屈折率の大きな
結晶で構成されているので、波長依存性が小さいが、そ
の反面、加工が難しく、寸法に制約があり、そのために
小型にすることが難しく、波長特性に優れた小型の偏光
子が提供できなかった。
【0004】上記問題点を解決するために、近時、偏光
ガラスが提案され、すでに光通信用デバイスに使用され
ている。この偏光ガラスは、透明なガラスを透明固体媒
体となし、この媒体中に楕円状の銀粒子を一定方向に揃
えながら分散させ、これによって異方性をもたせるよう
にした構成である(特公平2−40619号公報参
照)。
ガラスが提案され、すでに光通信用デバイスに使用され
ている。この偏光ガラスは、透明なガラスを透明固体媒
体となし、この媒体中に楕円状の銀粒子を一定方向に揃
えながら分散させ、これによって異方性をもたせるよう
にした構成である(特公平2−40619号公報参
照)。
【0005】上記構成のガラスは下記の順序で製造す
る。 塩化物、臭化物およびヨウ化物からなる群から選択
された少なくとも一つのハロゲン化物と、銀とを含むガ
ラス用バッチを溶融し、ついで所要の形状に成形する。
る。 塩化物、臭化物およびヨウ化物からなる群から選択
された少なくとも一つのハロゲン化物と、銀とを含むガ
ラス用バッチを溶融し、ついで所要の形状に成形する。
【0006】 で作製された上記ガラス成形体を加
熱処理して、ガラス中にハロゲン化銀の粒子を析出させ
る。
熱処理して、ガラス中にハロゲン化銀の粒子を析出させ
る。
【0007】 で作製されたガラス成形体に対し
て、所定の温度範囲において張力を加え、これによって
延伸させ、この延伸に伴って前記ハロゲン化銀粒子も伸
長させて、張力方向へ整列させる。
て、所定の温度範囲において張力を加え、これによって
延伸させ、この延伸に伴って前記ハロゲン化銀粒子も伸
長させて、張力方向へ整列させる。
【0008】 で作製されたガラス成形体を還元雰
囲気内に設置し、それを所定の温度範囲で暴露し、これ
により、ハロゲン化銀の一部を金属粒子に還元させて、
偏光子をなす。
囲気内に設置し、それを所定の温度範囲で暴露し、これ
により、ハロゲン化銀の一部を金属粒子に還元させて、
偏光子をなす。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た製造方法においては、還元雰囲気中にて熱処理をおこ
なうことで、ハロゲン化銀から金属銀粒子を析出してお
り、そのためにガラス成形体内に析出される金属銀の量
を制御することが困難であり、その結果、安定した光透
過特性を得ることができなかった。
た製造方法においては、還元雰囲気中にて熱処理をおこ
なうことで、ハロゲン化銀から金属銀粒子を析出してお
り、そのためにガラス成形体内に析出される金属銀の量
を制御することが困難であり、その結果、安定した光透
過特性を得ることができなかった。
【0010】したがって、の加熱処理工程およびの
延伸工程において、安定した品質もしくは特性が得られ
ても、の工程でもって安定かつ再現性のある偏光特性
を得ることが難しいという問題点がある。
延伸工程において、安定した品質もしくは特性が得られ
ても、の工程でもって安定かつ再現性のある偏光特性
を得ることが難しいという問題点がある。
【0011】しかも、ガラス成形体の表面付近のみが還
元されるために、ガラス成形体の内部にハロゲン化銀が
残留し、それが偏光特性に寄与しないために、透過率を
下げ、その結果、偏光ガラスの損失を大きくするという
問題点となっている。
元されるために、ガラス成形体の内部にハロゲン化銀が
残留し、それが偏光特性に寄与しないために、透過率を
下げ、その結果、偏光ガラスの損失を大きくするという
問題点となっている。
【0012】その上、ハロゲン化銀粒子が金属銀に還元
されると、3分の1程度体積収縮し、これに起因して、
ガラス成形体の表面部分はポーラス状となり、その結
果、偏光ガラスの長期信頼性を損なうという問題点もあ
った。
されると、3分の1程度体積収縮し、これに起因して、
ガラス成形体の表面部分はポーラス状となり、その結
果、偏光ガラスの長期信頼性を損なうという問題点もあ
った。
【0013】かかる問題点を解決するために、真空蒸着
などの薄膜プロセスを利用して、ガラスなどの誘電体基
板上に不連続な島状の金属粒子層とガラスなどの誘電体
層を交互に形成し、さらに加熱処理工程および延伸工程
を経て、島状の金属粒子に異方性をもたせるようにした
偏光子が提案された(1990年電子情報通信学会秋季
大会C−212にて発表)。
などの薄膜プロセスを利用して、ガラスなどの誘電体基
板上に不連続な島状の金属粒子層とガラスなどの誘電体
層を交互に形成し、さらに加熱処理工程および延伸工程
を経て、島状の金属粒子に異方性をもたせるようにした
偏光子が提案された(1990年電子情報通信学会秋季
大会C−212にて発表)。
【0014】そして、この提案の偏光子によれば、島状
の金属粒子層における各島が、従来の金属粒子と同じ役
割を果たすことで、金属粒子を分散させたものと同様な
構成になっている。
の金属粒子層における各島が、従来の金属粒子と同じ役
割を果たすことで、金属粒子を分散させたものと同様な
構成になっている。
【0015】しかしながら、上記偏光子の製造方法によ
れば、消光比を向上させるために、金属粒子層とガラス
誘電体層をそれぞれ数層ずつ積層させなくてはならず、
そのため、金属粒子層と誘電体層との密着性が低いこ
と、さらに膜応力などに起因して、積層数の増大に伴
い、膜剥離が生じるという問題点がある。
れば、消光比を向上させるために、金属粒子層とガラス
誘電体層をそれぞれ数層ずつ積層させなくてはならず、
そのため、金属粒子層と誘電体層との密着性が低いこ
と、さらに膜応力などに起因して、積層数の増大に伴
い、膜剥離が生じるという問題点がある。
【0016】したがって、この製造方法によって得られ
た偏光子においては、この問題点があることで、延伸お
よび還元による製法で得られた光通信デバイス用の偏光
ガラスと対比しても、それと同程度の特性が得られてお
らず、未だ満足できる程度の品質および信頼性が得られ
ていなかった。
た偏光子においては、この問題点があることで、延伸お
よび還元による製法で得られた光通信デバイス用の偏光
ガラスと対比しても、それと同程度の特性が得られてお
らず、未だ満足できる程度の品質および信頼性が得られ
ていなかった。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の偏光子は、透光
性を有するガラスからなる誘電体基板の両主面上に、そ
れぞれ金属粒子が異方性を有するように分散されてなる
複数の金属粒子層と、ガラスからなる複数の誘電体層と
を交互に積層したことを特徴とする。
性を有するガラスからなる誘電体基板の両主面上に、そ
れぞれ金属粒子が異方性を有するように分散されてなる
複数の金属粒子層と、ガラスからなる複数の誘電体層と
を交互に積層したことを特徴とする。
【0018】また本発明の偏光子の製造方法は、順次下
記A〜Cからなる一連の工程を複数回繰り返し、ついで
順次下記D〜Fからなる一連の工程を複数回繰り返し、
しかる後に誘電体基板の両主面の最外に成膜形成された
双方の誘電体層に対して加熱しながら、一定方向に応力
を加えることで延伸せしめ、金属粒子層内に分散された
金属粒子に異方性を具備させることを特徴とする。
記A〜Cからなる一連の工程を複数回繰り返し、ついで
順次下記D〜Fからなる一連の工程を複数回繰り返し、
しかる後に誘電体基板の両主面の最外に成膜形成された
双方の誘電体層に対して加熱しながら、一定方向に応力
を加えることで延伸せしめ、金属粒子層内に分散された
金属粒子に異方性を具備させることを特徴とする。
【0019】A:透光性を有するガラスからなる誘電体
基板の一方主面上に、スパッタリング法によって金属を
膜状に被着させる。 B:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属を粒状に成長させて、金属粒子層を
形成する。 C:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。 D:透光性を有するガラスからなる誘電体基板の他方主
面上に、スパッタリング法によって金属を膜状に被着さ
せる。 E:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属膜を粒状に成長させて、金属粒子層
を形成する。 F:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。
基板の一方主面上に、スパッタリング法によって金属を
膜状に被着させる。 B:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属を粒状に成長させて、金属粒子層を
形成する。 C:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。 D:透光性を有するガラスからなる誘電体基板の他方主
面上に、スパッタリング法によって金属を膜状に被着さ
せる。 E:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属膜を粒状に成長させて、金属粒子層
を形成する。 F:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。
【0020】本発明の偏光子によれば、誘電体基板の両
主面に複数の金属粒子層と、ガラスからなる複数の誘電
体層とを交互に積層しているので、従来の片側にのみ積
層された偏光子とくらべて、片方の積層数を減少させ、
これにより、膜剥離が減少もしくは皆無となり、その結
果、高い消光比を達成できる。
主面に複数の金属粒子層と、ガラスからなる複数の誘電
体層とを交互に積層しているので、従来の片側にのみ積
層された偏光子とくらべて、片方の積層数を減少させ、
これにより、膜剥離が減少もしくは皆無となり、その結
果、高い消光比を達成できる。
【0021】また、本発明の偏光子の製造方法によれ
ば、高い消光比が達成されることに併せて、従来のよう
なハロゲン化金属を還元させるなどの工程を用いなくな
り、これによって高効率かつ安定した光透過特性を得る
ことができて、偏光ガラスの損失が小さくなり、安定か
つ再現性のある長期信頼性の偏光特性が得られる。
ば、高い消光比が達成されることに併せて、従来のよう
なハロゲン化金属を還元させるなどの工程を用いなくな
り、これによって高効率かつ安定した光透過特性を得る
ことができて、偏光ガラスの損失が小さくなり、安定か
つ再現性のある長期信頼性の偏光特性が得られる。
【0022】さらに、本発明の製造方法によれば、スパ
ッタリング法を採用することで、複数のターゲットが設
けられた多元スパッタ装置を使用することで、金属粒子
層と誘電体層とのターゲットを共通した成膜室に配し
て、交互に各層を成膜することができ、これにより、酸
素などの影響を受けないで、金属粒子のみをガラス中に
分散できる。
ッタリング法を採用することで、複数のターゲットが設
けられた多元スパッタ装置を使用することで、金属粒子
層と誘電体層とのターゲットを共通した成膜室に配し
て、交互に各層を成膜することができ、これにより、酸
素などの影響を受けないで、金属粒子のみをガラス中に
分散できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。偏光子 図1は本発明の偏光子1の概略斜視図であって、前記誘
電体基板としての透光性を有するガラス基板2の両主面
に、それぞれ島状の不連続な金属粒子層3と、ガラスか
らなる誘電体層4とを交互に形成した構成であり、各金
属粒子層3については、加熱工程および延伸工程を経て
各島をなす金属粒子に異方性をもたせている。
る。偏光子 図1は本発明の偏光子1の概略斜視図であって、前記誘
電体基板としての透光性を有するガラス基板2の両主面
に、それぞれ島状の不連続な金属粒子層3と、ガラスか
らなる誘電体層4とを交互に形成した構成であり、各金
属粒子層3については、加熱工程および延伸工程を経て
各島をなす金属粒子に異方性をもたせている。
【0024】そこで、上記偏光子1に対して、XY方向
の偏光成分をもつ入射光5を矢印方向に入射させると、
金属粒子の短軸方向(X方向)の偏光成分に比べて、長
軸方向(Y方向)の偏光成分が多くなるとともに、長波
長帯にて吸収されるために、出射光6については、ある
波長帯においてX方向の偏光のみとなる。ちなみに、短
軸方向と長軸方向の比がアスペクト比と呼ばれ、この比
は偏光子1の使用波長を決める因子である。
の偏光成分をもつ入射光5を矢印方向に入射させると、
金属粒子の短軸方向(X方向)の偏光成分に比べて、長
軸方向(Y方向)の偏光成分が多くなるとともに、長波
長帯にて吸収されるために、出射光6については、ある
波長帯においてX方向の偏光のみとなる。ちなみに、短
軸方向と長軸方向の比がアスペクト比と呼ばれ、この比
は偏光子1の使用波長を決める因子である。
【0025】上記ガラス基板2は、BK−7ガラス、パ
イレックスガラスなどにより構成する。また上記金属粒
子層3をなす金属材として、Ag、Cu、Au、Fe、
Ni、Crなどを用いる。
イレックスガラスなどにより構成する。また上記金属粒
子層3をなす金属材として、Ag、Cu、Au、Fe、
Ni、Crなどを用いる。
【0026】さらに誘電体層4には、ガラス基板2と同
様なBK−7ガラス、パイレックスガラスでもって形成
するなどして、同じ材料を使用するのが望ましく、これ
によって誘電体層4とガラス基板2との間で熱膨張係数
に差が生じなくなり、そのために誘電体層4に応力が発
生しなくなって、膜剥離が生じなくなる。
様なBK−7ガラス、パイレックスガラスでもって形成
するなどして、同じ材料を使用するのが望ましく、これ
によって誘電体層4とガラス基板2との間で熱膨張係数
に差が生じなくなり、そのために誘電体層4に応力が発
生しなくなって、膜剥離が生じなくなる。
【0027】かくして本発明の偏光子1によれば、ガラ
ス基板2の両主面に複数の金属粒子層3と、複数の誘電
体層4とを交互に積層しているので、従来の片側にのみ
積層された偏光子とくらべて、片方の積層数が減少し、
これにより、膜剥離が減少もしくは皆無となり、その結
果、高い消光比を達成できる。
ス基板2の両主面に複数の金属粒子層3と、複数の誘電
体層4とを交互に積層しているので、従来の片側にのみ
積層された偏光子とくらべて、片方の積層数が減少し、
これにより、膜剥離が減少もしくは皆無となり、その結
果、高い消光比を達成できる。
【0028】偏光子の製造方法 つぎに本発明の偏光子1の製造方法は詳述する。本発明
の製造方法は、まず順次下記A〜Cからなる一連の工程
を所望の消光比に応じて、複数回繰り返す。
の製造方法は、まず順次下記A〜Cからなる一連の工程
を所望の消光比に応じて、複数回繰り返す。
【0029】A:ガラス基板2の一方主面上に、スパッ
タリング法によって金属を膜状に被着させる。
タリング法によって金属を膜状に被着させる。
【0030】B:ガラス基板2に対して、この基板2を
構成するガラス材の軟化点温度以下で加熱して、金属を
粒状に成長させて、金属粒子層3を形成する。
構成するガラス材の軟化点温度以下で加熱して、金属を
粒状に成長させて、金属粒子層3を形成する。
【0031】C:金属粒子層3上に、スパッタリング法
によってガラスを膜状に被着させて、誘電体層4を形成
する。
によってガラスを膜状に被着させて、誘電体層4を形成
する。
【0032】つぎに、順次下記D〜Fからなる一連の工
程を所望の消光比に応じて、複数回繰り返す。
程を所望の消光比に応じて、複数回繰り返す。
【0033】D:ガラス基板2の他方主面上に、スパッ
タリング法によって金属を膜状に被着させる。
タリング法によって金属を膜状に被着させる。
【0034】E:ガラス基板2に対して、この基板2を
構成するガラス材の軟化点温度以下で加熱して、金属膜
を粒状に成長させて、金属粒子層3を形成する。
構成するガラス材の軟化点温度以下で加熱して、金属膜
を粒状に成長させて、金属粒子層3を形成する。
【0035】F:金属粒子層3上に、スパッタリング法
によってガラスを膜状に被着させて、誘電体層4を形成
する。
によってガラスを膜状に被着させて、誘電体層4を形成
する。
【0036】その後に、ガラス基板2の両主面の最外に
成膜形成された双方の誘電体層4に対して加熱しなが
ら、一定方向に応力を加えることで延伸せしめ、金属粒
子層3内に分散された金属粒子に異方性を具備させる。
成膜形成された双方の誘電体層4に対して加熱しなが
ら、一定方向に応力を加えることで延伸せしめ、金属粒
子層3内に分散された金属粒子に異方性を具備させる。
【0037】ガラス基板2をBK−7ガラスにより構成
した場合には、この双方の誘電体層4に対する加熱温度
は、550〜730℃、好適には590〜650℃にす
るとよく、この範囲内であれば、ガラスに歪みをあたえ
て、優位に金属粒子に異方性を具備させることができ
る。
した場合には、この双方の誘電体層4に対する加熱温度
は、550〜730℃、好適には590〜650℃にす
るとよく、この範囲内であれば、ガラスに歪みをあたえ
て、優位に金属粒子に異方性を具備させることができ
る。
【0038】A、C、DおよびFの各工程に採用するス
パッタリング法については、複数のターゲットが設けら
れた多元スパッタ装置を用いるのがよく、これにより、
金属粒子層3と誘電体層4とのターゲットを共通した成
膜室に配して、交互に各層を成膜することができ、これ
により、酸素などの影響を受けないで、金属粒子のみを
ガラス中に分散できる。
パッタリング法については、複数のターゲットが設けら
れた多元スパッタ装置を用いるのがよく、これにより、
金属粒子層3と誘電体層4とのターゲットを共通した成
膜室に配して、交互に各層を成膜することができ、これ
により、酸素などの影響を受けないで、金属粒子のみを
ガラス中に分散できる。
【0039】かくして本発明の製造方法によれば、高い
消光比が達成されることに併せて、従来のようなハロゲ
ン化金属を還元させるなどの工程を用いなくなり、これ
により、島状をした金属粒子のみが誘電体膜4内に分散
され、偏光に寄与しないハロゲン化物などが存在せず、
その結果、高効率かつ安定した光透過特性を得ることが
できて、偏光ガラスの損失が小さくなり、安定かつ再現
性のある長期信頼性の偏光特性が得られる。
消光比が達成されることに併せて、従来のようなハロゲ
ン化金属を還元させるなどの工程を用いなくなり、これ
により、島状をした金属粒子のみが誘電体膜4内に分散
され、偏光に寄与しないハロゲン化物などが存在せず、
その結果、高効率かつ安定した光透過特性を得ることが
できて、偏光ガラスの損失が小さくなり、安定かつ再現
性のある長期信頼性の偏光特性が得られる。
【0040】
【実施例】以下、上述した本発明の製造方法にもとづく
実施例を述べる。 (例1)サイズが76mm×10mm×1mmであるB
K−7ガラス板をガラス基板2として使用し、それを多
元マグネトロンスパッタ装置内に配し、ターゲットとし
て金属粒子層3の成膜用に銅を、さらに誘電体層4の成
膜用にBK−7ガラスを使用した。スパッタ条件はRF
パワー20W、スパッタ圧2.0×10-3Torr、Ar ガ
スの流量10ccmである。
実施例を述べる。 (例1)サイズが76mm×10mm×1mmであるB
K−7ガラス板をガラス基板2として使用し、それを多
元マグネトロンスパッタ装置内に配し、ターゲットとし
て金属粒子層3の成膜用に銅を、さらに誘電体層4の成
膜用にBK−7ガラスを使用した。スパッタ条件はRF
パワー20W、スパッタ圧2.0×10-3Torr、Ar ガ
スの流量10ccmである。
【0041】BおよびEの各工程でおこなう加熱処理で
は、膜厚8nmの銅の金属膜に対して、500℃の温度
で、60分間実施し、これによって粒状に成長させて、
金属粒子層3となした。ただし、上記銅金属膜の膜厚は
上記スパッタ条件にて20分間成膜し、さらに成膜速度
を算出し、この値から膜厚を導き出している。
は、膜厚8nmの銅の金属膜に対して、500℃の温度
で、60分間実施し、これによって粒状に成長させて、
金属粒子層3となした。ただし、上記銅金属膜の膜厚は
上記スパッタ条件にて20分間成膜し、さらに成膜速度
を算出し、この値から膜厚を導き出している。
【0042】CおよびFの各工程においては、銅粒子を
ガラスに埋め込むため、その銅粒子の上からガラス基板
2と同じ材料であるBKー7ガラスを使用し、その誘電
体層4を500nmの厚みでもって成膜形成した。
ガラスに埋め込むため、その銅粒子の上からガラス基板
2と同じ材料であるBKー7ガラスを使用し、その誘電
体層4を500nmの厚みでもって成膜形成した。
【0043】そして、A〜Cからなる一連の工程を5回
繰り返し、さらにD〜Fからなる一連の工程も5回繰り
返して、それぞれ交互に5層に設けた積層構造となし
た。
繰り返し、さらにD〜Fからなる一連の工程も5回繰り
返して、それぞれ交互に5層に設けた積層構造となし
た。
【0044】ついで、ガラス基板2の両主面の最外に成
膜形成された双方の誘電体層4に対して625℃の温度
でもって加熱しながら、一定方向に45Kg/mm2 の
応力を加えることで50mm延伸せしめ、金属粒子層3
内に分散された金属粒子に異方性を具備させた。
膜形成された双方の誘電体層4に対して625℃の温度
でもって加熱しながら、一定方向に45Kg/mm2 の
応力を加えることで50mm延伸せしめ、金属粒子層3
内に分散された金属粒子に異方性を具備させた。
【0045】かくして得られた偏光子1の消光比を測定
したところ、44dBという良好な値が得られた。
したところ、44dBという良好な値が得られた。
【0046】(例2)(例1)の偏光子1においては、
ガラス基板2の両主面上に金属粒子層3と誘電体層4と
の積層を設けたが、本例においては、その一方主面上に
のみ、その積層をもうけて他方主面上にはまったく設け
ていない偏光子を作製した。そのほかの構成および条件
はすべて同じである。
ガラス基板2の両主面上に金属粒子層3と誘電体層4と
の積層を設けたが、本例においては、その一方主面上に
のみ、その積層をもうけて他方主面上にはまったく設け
ていない偏光子を作製した。そのほかの構成および条件
はすべて同じである。
【0047】かくして得られた偏光子の消光比を測定し
たところ、22dBという値が得られ、(例1)の偏光
子1と比べて著しく特性劣化していた。
たところ、22dBという値が得られ、(例1)の偏光
子1と比べて著しく特性劣化していた。
【0048】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の偏光子によれ
ば、誘電体基板の両主面に複数の金属粒子層と、ガラス
からなる複数の誘電体層とを交互に積層しているので、
片方の積層数を減少させ、これにより、膜剥離が減少も
しくは皆無となり、その結果、高い消光比を達成できた
高品質かつ高信頼性の偏光子が提供できた。
ば、誘電体基板の両主面に複数の金属粒子層と、ガラス
からなる複数の誘電体層とを交互に積層しているので、
片方の積層数を減少させ、これにより、膜剥離が減少も
しくは皆無となり、その結果、高い消光比を達成できた
高品質かつ高信頼性の偏光子が提供できた。
【0049】また、本発明の偏光子の製造方法によれ
ば、従来のようなハロゲン化金属を還元させる工程を不
要とし、これによって高効率かつ安定した光透過特性を
得ることができて、偏光ガラスの損失が小さくなり、そ
の結果、安定かつ再現性のある偏光特性をもつ長期信頼
性かつ低コストな偏光子が提供できた。
ば、従来のようなハロゲン化金属を還元させる工程を不
要とし、これによって高効率かつ安定した光透過特性を
得ることができて、偏光ガラスの損失が小さくなり、そ
の結果、安定かつ再現性のある偏光特性をもつ長期信頼
性かつ低コストな偏光子が提供できた。
【0050】そして、かかる高性能かつ高信頼性の偏光
子であれば、高消光比が要求されるアイソレータや干渉
計などの各種光学部品に使用できるので、さらに光通
信、光記録、センサーなどの広範な分野での用途があ
る。
子であれば、高消光比が要求されるアイソレータや干渉
計などの各種光学部品に使用できるので、さらに光通
信、光記録、センサーなどの広範な分野での用途があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の偏光子の概略斜視図である。
1 偏光子 2 ガラス基板 3 金属粒子層 4 誘電体層 5 入射光 6 出射光
Claims (2)
- 【請求項1】透光性を有するガラスからなる誘電体基板
の両主面上に、それぞれ金属粒子が異方性を有するよう
に分散されてなる複数の金属粒子層と、ガラスからなる
複数の誘電体層とを交互に積層したことを特徴とする偏
光子。 - 【請求項2】順次下記A〜Cからなる一連の工程を複数
回繰り返し、ついで順次下記D〜Fからなる一連の工程
を複数回繰り返し、しかる後に誘電体基板の両主面の最
外に成膜形成された双方の誘電体層に対して加熱しなが
ら、一定方向に応力を加えることで延伸せしめ、金属粒
子層内に分散された金属粒子に異方性を具備させる偏光
子の製造方法。 A:透光性を有するガラスからなる誘電体基板の一方主
面上に、スパッタリング法によって金属を膜状に被着さ
せる。 B:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属を粒状に成長させて、金属粒子層を
形成する。 C:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。 D:透光性を有するガラスからなる誘電体基板の他方主
面上に、スパッタリング法によって金属を膜状に被着さ
せる。 E:上記誘電体基板に対して上記ガラスの軟化点温度以
下で加熱して、金属膜を粒状に成長させて、金属粒子層
を形成する。 F:上記金属粒子層上に、スパッタリング法によってガ
ラスを膜状に被着させて、誘電体層を形成する。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33977095A JPH09178939A (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 偏光子およびその製造方法 |
EP96303673A EP0744634B1 (en) | 1995-05-23 | 1996-05-23 | Method of producing an optical polarizer |
US08/652,854 US5864427A (en) | 1995-05-23 | 1996-05-23 | Polarizer and production method thereof |
DE69625642T DE69625642T2 (de) | 1995-05-23 | 1996-05-23 | Methode zu Herstellung eines optischen Polarisators |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33977095A JPH09178939A (ja) | 1995-12-26 | 1995-12-26 | 偏光子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09178939A true JPH09178939A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18330647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33977095A Pending JPH09178939A (ja) | 1995-05-23 | 1995-12-26 | 偏光子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09178939A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280496A (ja) * | 2002-01-24 | 2009-12-03 | Corning Inc | 偏光ガラスの製造方法 |
US8830578B2 (en) | 2009-03-25 | 2014-09-09 | Kyocera Corporation | Optical isolator element and optical module using the same |
-
1995
- 1995-12-26 JP JP33977095A patent/JPH09178939A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280496A (ja) * | 2002-01-24 | 2009-12-03 | Corning Inc | 偏光ガラスの製造方法 |
US8830578B2 (en) | 2009-03-25 | 2014-09-09 | Kyocera Corporation | Optical isolator element and optical module using the same |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5864427A (en) | Polarizer and production method thereof | |
JP2002296554A (ja) | ファラデー回転子 | |
JPH0990122A (ja) | グリッド型偏光子の製造方法 | |
US6590694B2 (en) | Faraday rotator | |
JPH09178939A (ja) | 偏光子およびその製造方法 | |
JPH0756018A (ja) | 偏光子の製造方法 | |
JP2002311403A (ja) | ファラデー回転子 | |
JPH06273621A (ja) | 偏光子およびその製造方法 | |
JPH08304625A (ja) | 偏光素子及びその製造方法 | |
JPH11337733A (ja) | 複屈折板及びその作製方法 | |
JPH11248935A (ja) | 偏光子及びその製造方法 | |
JP2000171632A (ja) | 偏光子及びこれを用いた導波型光デバイス | |
Muro et al. | Poly-Si/SiO2 Laminated Walk-Off Polarizer Having a Beam-Splitting Angle of More Than 20^{irc} | |
JP3722603B2 (ja) | 偏光子の製造方法 | |
JPH09265009A (ja) | 偏光子 | |
JP2000193823A (ja) | 偏光子及びそれを用いた光アイソレ―タ | |
JPH07301710A (ja) | 偏光子の製造方法および製造装置 | |
JPH10274711A (ja) | 偏光素子及びそれを用いた光アイソレータ | |
JP2000284226A (ja) | 光アイソレータ | |
JPH10232312A (ja) | 光分岐フィルタ | |
JPH1020116A (ja) | 偏光素子及びその製造方法 | |
JPH10160931A (ja) | 偏光素子及びその製造方法 | |
JPH11133229A (ja) | 偏光子 | |
JPH08278422A (ja) | 反射型光波長板及びその製造方法 | |
JP3679500B2 (ja) | 光分割膜、ndフィルター及び光分割素子 |