JP3493149B2 - 偏光子とその製造方法及びこれを用いた導波型光デバイス - Google Patents

偏光子とその製造方法及びこれを用いた導波型光デバイス

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JP3493149B2 JP30282698A JP30282698A JP3493149B2 JP 3493149 B2 JP3493149 B2 JP 3493149B2 JP 30282698 A JP30282698 A JP 30282698A JP 30282698 A JP30282698 A JP 30282698A JP 3493149 B2 JP3493149 B2 JP 3493149B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な偏光子とそ
の製造方法及びこれを用いた導波型光デバイスに関す
る。
【0002】
【従来の技術】偏光子とは、不特定の方向に電磁界が振
動する無偏光を、ある特定方向の振動成分だけを透過さ
せて直線偏光にする素子である。また、最も基本的な光
素子のーつであり、光通信デバイス、光ディスクのピッ
クアップ、液晶ディスプレイ、光応用計測など広く利用
されている。動作形態は、(1)不要な偏波を吸収させ
るもの、(2)同一の光路で入射する直交する二つの偏
波成分を別々の光路に分けるもの、の二つに大別され
る。利用目的により、大きな開口面積、高性能、薄型な
どの特性を実現することが望まれており、産業的には安
価に供給できることが重要である。
【0003】現在、実用的に使用されている偏光子は、
上記(1)の動作をするものでは高分子フィルムにヨウ
素などの二色性分子を入れたものが一般的である。これ
は安価で大面積のものが得られるが、消光比が低く、温
度安定性に劣るという欠点がある。
【0004】この問題を解決するため、安定性の高い材
料を用いた偏光子が開発されている。即ちガラスなどの
透明体の中に金属や半導体などの吸収体を、細線状ある
いは薄膜状に一方向に配列したものである。細線あるい
は薄膜に平行な偏波成分は吸収あるいは反射され、それ
に直交する偏波は透過する。この種の偏光子は消光比が
高く取れるのが特徴であるが、切断・研磨などの工程が
必要となり、製造コストの低減が困難である。また大面
積でかつ薄型にすることは困難である。
【0005】一方、(2)に複屈折結晶を用いたもの
は、方解石など複屈折率の大きい材料からなる三角プリ
ズムを2個貼り付けた構造をしている。代表的なものに
はグラムトムソンプリズムがある。この種の偏光子は一
般に高い消光比、高い透過率が得られるが、大面積や薄
型にすることが困難であり、材料が高価であるため価格
も必然的に高くなる。
【0006】透明体のプリュースター角を利用したもの
では、誘電体多層膜を用いた偏光ビームスプリッタが挙
げられる。これは量産性に富むため低価格ではあるが、
高い偏光度は得られない、小型化も困難である、使用波
長帯域が狭い、などの問題点があり、限られた用途にし
か使用されていない。
【0007】上述の各偏光子はそれぞれ実用化されてい
るが、一方、最近になって波長以下の周期をもつ透明体
周期構造の伝搬異方性を利用した偏光子が理論的に提案
されている(浜野哲子、井筒雅之、平山秀樹、“2次元
フォトニック結晶を用いた偏光子の可能性”、第58回
応物秋季予稿集、paper 2a−W−7、199
7、佐藤晃、竹部雅博、“構造性複屈折による光学異方
性多層膜”、Optics Japan′97、講演予
稿集、paper 30pDO1、1997)。これら
の構造は、いずれも透明母材中に、母材と屈折率の異な
る透明体の細柱を2次元周期的に配列させたものであ
る。例えば周期が半波長程度という条件を満たす構造で
あれば、柱に平行な偏波と垂直な偏波に対して、一方は
内部を伝搬させ、他方は遮断させることができ、従って
偏光子として動作させられる。しかし、実際にはこのよ
うな構造を作製する方法は見つかっていない。
【0008】一方、最近の光通信システムの進展により
様々な光学部品が開発され、そこに使用される偏光子に
も様々な要求が課せられている。例えば光路中に微少な
間隙を形成した光学素子に薄い偏光子を挿入した光学部
品が用いられる。この偏光子には偏光子を挿入した時に
生じる過剰損失を低減するために非常に薄く、かつ高消
光比のものが要求される。例えば光路中の微少な間隙を
数十μm以下(偏光子はそれ以下の厚さ)にすることに
より、挿入損失を0.5dB程度に抑えることが可能で
ある。高消光比でかつこの薄さを実現できるのは積層型
偏光子だけである。この積層型偏光子は特開昭55−1
17108号公報で川上らによって明らかにされてい
る。また特性を改良した積層型偏光子は特開平4−25
6904号公報、特開平6−265834号公報で公開
されている。この積層型偏光子の基本的構成はガラスな
どの基板上に1μm程度の厚さの二酸化ケイ素などの誘
電体と5〜10nm程度の厚さの金属あるいは半導体の
薄膜を交互に積層した多層膜とを形成したものである。
実際に積層型偏光子を作製する場合は基板付き多層膜を
ダイシングソーなどにより薄板状に切り出し、例えば3
0μmの厚さに研磨している。しかし、この工程での取
り扱いが非常に難しく、破損がおきやすく、歩留まりも
悪い。また、この積層型偏光子を光学素子に装着する場
合、先程述べたように数十μm以下の微少な間隙に挿入
しなくてはならず、挿入のやり方によっては積層型偏光
子が破損するという問題が起こる。これは従来の積層型
偏光子がガラス基板と多層膜とが一体となった構成で基
板および多層膜とも非常に脆いからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記の問題点を解決するためのものであり、本発明の目
的は、高消光比でかつ挿入損失が小さく、しかも取り扱
いが容易な偏光子及びその製造方法、さらにはこの偏光
子を用いた導波型光デバイスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するため、鋭意検討を行い、偏光子の構成を工
夫することにより課題が解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0011】請求項1に記載の発明は、3次元の直交座
標系のx軸方向,y軸方向,およびz軸方向を基準とし
て、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明体からなる
複数の層が前記z軸方向に沿って積層された多層構造体
を高分子材料上に設けてなる偏光素子であって、前記多
層構造体は、各透明体ごとに積層の単位となる層の形状
が前記x軸方向に沿って周期的に凹凸を繰り返した凹凸
構造と、前記y軸方向に沿って一様な構造、または前記
x軸方向に沿った前記凹凸構造よりも凹凸を繰り返す周
期が大きい凹凸構造とを有し、さらに、入射方向が前記
z軸方向に零でない成分を持つ光に対して作用する偏光
機能を持つことを特徴とする。
【0012】好ましくは、前記高分子材料は、ポリイミ
ドである。
【0013】好ましくは、前記多層構造体を形成する前
記屈折率の異なる少なくとも2種類の透明体は、Siま
たはTiO2 を主成分とする高屈折率媒質と、SiO2
を主成分とする低屈折率媒質とである。
【0014】 請求項4に記載の発明は、偏光子の製造
方法であって、一方向に沿って周期的に繰り返される凹
凸構造が形成された表面を持つ高分子材料からなる基板
の上に、高屈折率媒質と低屈折率媒質とを、前記基板の
凹凸構造の形状を繰り返しつつ周期的に積層し、3次元
の直交座標系において、x軸方向に沿って周期的な凹凸
構造と、y軸方向に沿って一様な構造または前記x軸方
向に沿った前記凹凸構造よりも大きな周期の凹凸構造と
を有する、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明体か
らなる複数の層がz軸法に沿って積層された多層構造体
を形成することを特徴とする。
【0015】 好ましくは、少なくとも一部にスパッタ
リングエッチングを含む膜形成方法によって、前記高屈
折率媒質および低屈折率媒質を前記凹凸構造が形成され
た表面を持つ高分子材料からなる基板上に積層する。
【0016】好ましくは、前記高分子材料は、ポリイミ
ドである。
【0017】 好ましくは、金型を用いて、高分子材料
からなる基板表面の前記凹凸構造を形成する工程をさら
に有する。
【0018】好ましくは、前記高屈折率媒質はSiまた
はTiO2 を主成分とし、また低屈折率媒質はSiO2
を主成分とする。
【0019】請求項9に記載の発明は、光導波路により
構成される導波型光デバイスであって、請求項1ないし
3のいずれかに記載の偏光子が、光導波路の長手方向に
対して垂直あるいは傾斜した状態で該導波路に挿入され
ていることを特徴とする。
【0020】請求項10に記載の発明は、光ファイバに
より構成される導波型光デバイスであって、請求項1な
いし3のいずれかに記載の偏光子が、光ファイバの長手
方向に対して垂直あるいは傾斜した状態で該導波路に挿
入されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明にもとづく偏光子とそ
の製造方法及びこれを用いた導波型光デバイスついてよ
り詳細に説明する。
【0022】高屈折率媒質と低屈折率媒質からなる人工
的な周期構造において、互いに直交する二つの偏波成分
は、それぞれが独立な分散関係(周波数と波動ベクトル
との間の関係)を持っている。この二つの偏波成分は、
本発明に関連の深い2次元周期構造ではそれぞれTE
波、TM波である。また一般の3次元周期構造でも固有
モードはTE的な波とTM的な波に通常分類される。故
に本発明においては便宜上TE波、TM波と呼ぶことに
する。バンドギャップ、すなわち光が伝搬しない周波数
帯域もTE波とTM波では異なる。ある周波数帯域にお
いて、一方の偏光モードが遮断され、他方の偏光モード
が伝搬波となる場合がある。即ち、この周波数帯域にお
いては、この周期構造体は一方の偏光を反射または回折
し、他方の偏光を透過させる偏光子としての動作が可能
である。また、消光比も理論的に十分高いものが得られ
る。
【0023】本発明の偏光機能を生じさせる中心思想
は、屈折率の異なる2種類以上の透明体からなり、3次
元の直交座標系x,y,zにおいて、積層の単位となる
層の形状がx軸方向に周期構造を有し、y軸方向には一
様であるか、またはx軸方向より長い周期をもつ構造を
有し、その形状を繰り返しつつz軸方向に層状に積層さ
れている構造、即ち、周期的なひだ(うねり)を有する
二種類以上の薄膜を多層化した構造において面型偏光子
の特性が存在することを発見したこと、およびその構造
を発明者らが開発してきた周期構造製造方法により作製
する方法を発明したことである。光は面に垂直あるいは
斜めに入射される。開口面積は基板の大ささで決まり、
大きくすることは極めて容易である。また光路長は積層
厚さで決まるが、波長の数倍程度(数μm)で十分であ
り、従来の偏光子に比べて数桁単位で薄くすることがで
きる。
【0024】一方、バイアス・スパッタリングに代表さ
れる堆積粒子の拡散入射とスパッタエッチングを併用し
た成膜法において、その堆積作用とエッチング作用を相
互に制御することにより、表面の凹凸形状を繰り返しつ
つ層状に積層させる方法が可能である。このメカニズム
は次の3つの効果、(1)堆積粒子の拡散入射により影
となる凹部の堆積速度が遅くなる効果、(2)スパッタ
エッチングによる傾斜角約50度から60度の面におい
てエッチング速度が最大になる効果、(3)主にスパッ
タエッチングにより削られた粒子が基板の別の場所に再
付着する効果、の適切な割合での重ね合わせであると説
明できる(川上彰二郎、佐藤尚、川嶋貴之、“バイアス
スパッタ法で作製される3D周期ナノ構造の形成機
構”、電子情報通信学会誌C−1、vol.J81−C
−1、no.2、pp.108−109、1998年2
月)。
【0025】この技術を用いることで、周期的な溝列を
形成した基板上に、二種類の透明材料からなる薄膜を煩
雑な位置合わせを一切行わずに位置の等しい凹凸形状を
繰り返しつつ周期的に積層することができる。即ち、こ
の技術を用いることで本発明の偏光子の偏光機能を発現
する周期構造体を容易に作製することができる。
【0026】次にこの周期構造体を形成するための高分
子材料基板に関して述べる。
【0027】「従来の技術」の項でも述べたように、数
10μm級の高消光比・薄型偏光子としてはガラス、シ
リコンなどの基板上に1μm程度の厚さの二酸化ケイ素
などの誘電体と5〜10nm程度の厚さの金属あるいは
半導体の薄膜を交互に積層した積層型偏光子が知られて
いるが、基板としてガラス、シリコンを用いているため
10数μm程度に薄くすると破損し易く、歩留まりが悪
くなり、製造コストが非常に高いものとなる。また光部
品実装上の問題も大いに指摘される。すなわち10数μ
m程度の積層型偏光子を、光導波路に形成した20μm
程度の溝に挿入することは非常に困難な作業を要し、ま
た破損により光導波路の溝に積層型偏光子の破損片が入
り込むなどの不具合も指摘されている。このように基板
がガラス、シリコンなどの固く、脆いものだと製造コス
ト、実装作業性で大いに問題がある。その解決策として
高分子材料基板上に1μm程度の厚さの二酸化ケイ素な
どの誘電体と5〜10nm程度の厚さの金属あるいは半
導体の薄膜を交互に積層した積層型偏光子を作製するこ
とも考えられるが、5〜10nm程度の超薄膜を積層す
るため基板表面の平滑性が非常に重要になってくるが、
高分子材料でサブナノ級の平滑性を出すのは非常に困難
であり、従来の積層型偏光子を高分子材料を基板として
作製することは不可能と言って良い。これに対して本発
明の偏光子に使用する基板は、サブナノ級の平滑性は必
要とせず、サブミクロンの微細構造が作製できれば良
く、現状の加工技術を適用できる。
【0028】本発明の偏光子は基板として高分子材料を
用いているため10数μm程度の薄型化が歩留まりよく
製造でき、製造コストを低減できるという特徴を有す
る。また衝撃による偏光子の破損は生じにくく、溝を形
成した光導波路に答易に挿入でき、実装作業性に優れ
る。さらに光導波路や光ファイバに長手方向に垂直また
は傾斜した溝を形成して、その溝に本発明の偏光子を挿
入して使用する導波型光デバイスも容易に製造でき、偏
光子挿入導波型光デバイスの製造コストを低減できると
いう特徴もある。
【0029】次に具体的な高分子材料及び基板作製法に
ついて述べる。
【0030】高分子材料としては種々の高分子材料が使
用でき、例えばポリメチルメタクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエ
チテンテレフタレート、エポキシ樹脂、ポリイミドなど
が使用できる。ただ高分子材料の上に周期構造体をスパ
ッタ法などを用いて形成するため耐熱性に優れているこ
とが好ましい。耐熱性としては一般によく用いられる物
性であるガラス転移温度が200℃以上、好ましくは3
00℃以上の高分子材料が良い。そのような観点からポ
リイミドは最も好適である。さらにこの基板は実際に光
を透過する必要があるため、ポリイミドの中で光透過性
に優れたフッ素化ポリイミドがさらに好適である。
【0031】次に周期構造体を形成するために必要な基
板の周期的な溝の形成について述べる。ここでは基板材
料としてポリイミドを用いた場合について述べる。ポリ
イミドに周期的な溝を形成する方法としては例えばリア
クティブ イオン エッチング(RIE)を用いる方法
がある。最近耐熱性高分子光導波路としてポリイミド光
導波路が検討されており、これはマスクを形成した後R
IEで導波路のコアを形成している。この方法を用いる
ことによりポリイミドに周期的な溝を形成することがで
きる。
【0032】さらに簡便な方法としてはあらかじめガラ
ス、シリコンなどの基板上に電子ビームリソグラフィな
どにより周期的な溝を作製し、これを金型として使用す
る方法が考えられる。この金型を加熱・圧力をかけなが
ら高分子材料の基板に押しつけることにより周期的な溝
を形成できる。また金型上に高分子材料を溶解した溶液
または高分子材料の前駆体溶液をキャストすることによ
り周期的な溝を形成できる。この金型を使用する方法
は、一度金型を作製すれば何枚もの周期的な溝を有する
高分子材料基板が形成できるため、本発明の偏光子を非
常に安価に作製できるというメリットがある。
【0033】
【実施例】まずはじめに、図1を参照しながら本発明の
偏光子の基本的構成を説明し、つぎに図1ないし図5を
参照しながら本発明の偏光子の具体的実施例について説
明する。
【0034】図1は、本発明の偏光子の一実施例の構造
を示す斜視図である。しかし、ここでは、以下に説明す
る各実施例に共通する基本的構成について、この図を参
照しながら説明する。
【0035】本発明の偏光子は、高分子材料からなる基
板(例えば、ポリイミド基板3)上に周期的な溝あるい
は突起列が形成され、該溝あるいは突起列を覆うように
して、透明で高屈折率の媒質(例えば、SiO2 層1)
と低屈折率の媒質(例えば、Si層2)とを界面の形状
を保存しながら、交互に積層する。図1では、便宜上互
いに直交する3つの方向をそれぞれx軸方向、y軸方
向、およびz軸方向として図示している。図中、偏光子
に積層された層1,2の構造はx軸方向とz軸方向に周
期的変化を有し、一方y軸方向には一様な構造が保たれ
ているか、あるいはx軸方向およびz軸方向よりも顕著
に大きい周期的変化を持つ構造となっている。以下の説
明では、x軸方向に沿う偏波素子の断面形状が呈する該
偏波子の層の周期的凹凸構造によって形成されるY軸方
向に延びる複数の溝を溝列と呼ぶ。また、このような溝
列を持つ図1に示すような偏波素子の構造を周期構造体
とも呼ぶ。
【0036】図1に示す周期構造体にz軸方向から無偏
波光または楕円偏光を入射する。溝列と平行な偏波(す
なわち、y偏波)と、それに直交する偏波(すなわち、
x偏波)とに対して、TEモードおよびTMモードの光
が周期構造体の内部に誘起される。しかし、光の周波数
が、TEモードまたはTMモードのバンドギャップの中
にあれば、そのモードは周期構造体の中で存在すること
ができず、入射光は反射または回折される。一方、光の
周波数がエネルギーバンド内にあれば、周期構造体の中
を光は波動スペクトルを保存しながら透過する。従って
面型の偏光子として動作する。
【0037】本発明の偏光子では、溝列の周期(すなわ
ちx軸方向に沿う凹凸の周期)Lxとz軸に沿う積層方
向の周期Lzとを制御することで、TEモードおよびT
Mモードのバンドギャップが生じる波長帯域を任意に変
えることができる。即ち偏光子として動作させる波長滞
域を任意に設定することが可能である。
【0038】また低屈折率媒質としてはSiO2 を主成
分とする材料が最も好ましい。SiO2 は透明波長領域
が広く、化学的、熱的、および機械的にも安定であり、
成膜も容易に行える。高屈折率材料としては、TiO2
などの酸化物や、Si、GaAsなどの半導体が使用で
きる。TiO2 などは透明波長範囲が広く、可視光領域
でも使用できる。一方、半導体は、近赤外領域に限定さ
れるが、屈折率が大きい利点がある。
【0039】ところで多目的の偏光子としては、広い周
波数帯域で使用することが望ましい。高屈折率媒質層と
低屈折率媒質層の形状を適切に決定することにより、偏
光子としての使用周波数帯域を広くとることができる。
逆に特定のレーザ光のような単色の光に対しては、高屈
折率媒質と低屈折率媒質の形状に対する自由度は大き
く、成膜において、繰り返しが容易な形状を選択するこ
とができる。
【0040】以上説明したように、フレキシブルな高分
子材料からなる基板上に偏光機能を持つ周期構造体が形
成されているため、本発明の偏光子は薄型でかつ取り扱
いが極めて容易である。
【0041】以下、以上説明した基本的構成を有する本
発明の偏光素子の具体的な実施例について説明する。
【0042】<実施例1>この実施例では、図1に示す
構造を有する偏光子について説明する。図中、参照符号
1はアモルファスSiO2 の層(SiO2 層)、2はア
モルファスSiの層(Si層)、さらに3はポリイミド
基板である。x軸方向の周期Lxは0.4μm、z軸方
向の周期Lzは0.32μmである。SiO2 層1およ
ぴSi層2は厚さtをわずかに変化させながら、周期的
にx軸方向に沿って折れ曲がった形状をなしている。
【0043】次に、この実施例の偏光素子の製造方法を
説明する。まず、石英ガラス基板上に2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物(以下6FDAと略記する)と2,2′−
ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフ
ェニル(以下TFDBと略記する)を用いて製造した濃
度約15重量%のポリアミド酸のN,N−ジメチルアセ
トアミド溶液をスピンコートした後オーブン中で70℃
で2時間、160℃で1時間、250℃で30分、35
0℃で1時間加熱し、イミド化を行い、厚さ5μmのポ
リイミド膜(以下6FDA/TFDBと略記する)を得
た。次にこのポリイミド膜上に無反射コーティング層を
形成した後さらに同様にして6FDA/TFDBのポリ
イミド膜を5μm形成した。このポリイミド膜上にフォ
トプロセスでマスクを形成し、そのマスクを通してリア
クティブイオンエッチング(RIE)でポリイミド膜を
エッチングし、周期的な溝を作製した。
【0044】図2は、そのような溝が形成されたポリイ
ミド膜/無反射コーティング層/ポリイミド膜積層構造
体の模式斜視図である。図中、参照符号4はポリイミド
膜、5は無反射コーティング層、および6は周期的に形
成された凹凸からなる複数の溝である。各溝(すなわち
凹部)の幅は0.2μm、深さは0.2μm、横方向の
周期(すなわち、互いに隣接する溝間の距離)は0.4
μmである。このような基板に、SiO2 およびSiの
ターゲットを用い、バイアス・スパッタリング法によ
り、SiO2 層とSi層とを交互に積層した。そのと
き、各層のx軸方向に周期的な凹凸の形状を保存しなが
ら成膜を行うことが肝要である。その条件は次のとおり
であった。すなわち、(1)SiO2 の成膜に対して
は、Arガス圧が1.9mTorr、ターゲット高周波
電力400w、基板高周波電力60w、また(2)Si
の成膜に対しては、Arガス圧3.6mTorr、ター
ゲット高周波電力400wとした。SiO2 層およびS
i層を、各々10層ずつ堆積した。最後に石英ガラス基
板4からポリイミド層5を含む積層体を剥離し、ポリイ
ミド基板を持つ偏光子を得た。この偏光子の厚さはポリ
イミド層が10μm、SiO2 層およびSi層からなる
多層構造体層が3.2μmである。このような構成から
なる偏光子は折り曲げても破損せず、また2×5mmの
短冊への切り出しが容易にできた。
【0045】この条件において、図2に示された矩形の
溝を有する基板の上に、図1に示された積層構造が生成
される理由は、次に述べる3要素の重ね合わせによって
説明することができる。すなわち、(1)ターゲットか
ら中性粒子の分散入射による堆積、(2)Arイオンの
垂直入射によるスパッタエッチング、および(3)堆積
粒子の再付着である。
【0046】図3aおよび図3bは、このようにして得
られた周期構造体における波長1.0μmでのTE波と
TM波に対する透過光の近視野での強度分布を示す図で
ある。横軸は基板ウエハー上の位置を示す。中央部分が
偏光子部分であって、その両側は、基板ウェハー上の偏
光子部分以外の各点における透過光強度である。偏光子
部分はTE波をほとんど遮断していることが分かる。一
方、TM波に対しては、両側の溝がない基板上に堆積さ
れた膜の部分と偏光子部分において、透過光強度の差は
微小である。言い換えると、偏光子部分に無反射コーテ
ィングを施せば、微小な損失で、TM波を透過させるこ
とができる。
【0047】図4に、この周期構造体における周波数と
波動ベクトルとの関係を周期的境界条件を用いたFDT
D法(有限差分時間領域法)により計算した結果を示
す。FDTD法によるフォトニック結晶のバンド構造と
光透過特性の解析はS.Fanらにより、Physic
al ReviewB,vol.54,no.16,p
p.11245−11251(1996年)において報
告されているとおりである。
【0048】図4において、横軸は相対値で表した周波
数Lx/λである。ここで、λは入射光の波長、Kzは
波動ベクトルのz成分である。実線と破線は、それぞれ
TE波とTM波における分散曲線を示す。ここでLx=
0.4μm、波長1μmより、周波数Lx/λ=0.4
となる。この図からわかるように、Lx/λ=0.4の
直線はTE波の分散曲線(実線)とは交わらず、TM波
の分散曲線(破線)とは交わる。これはTE波は遮断・
反射され、TM波は透通することを意味する。すなわ
ち、この周期構造体は周波数Lx/λが0.39から
0.43の間に位置する符号7の周波数帯でTM波を透
過させる偏光子として作用している。
【0049】<実施例2>本実施例では、ポリイミド基
板上の各誘電体の層の厚さの面内均一性や溝の形状、L
z/Lxの比の値などのパラメータを実施例1に示すも
のから変化しても優れた偏光子特性が得られることを例
示する。
【0050】図5は、本発明にもとづく偏光子の第2の
実施例の構造を示す斜視図であり、多層構造体部分のみ
を示している。参照符号8はアモルファスSiO2 の層
(SiO2 )であり、9はアモルファスのSi層(Si
層)である。x軸方向の周期Lxは0.4μm、z軸方
向の周期Lzは0.32μmである。SiO2 層8は厚
さtを0.9Lzと0.3Lzの間で変化させながら、
そして、Si層9は厚さを0.1Lzと0.7Lzの間
で変化させながら、周期的に折れ曲がった形状をなして
いる。積層膜の作製において、基板は実施例1の場合と
同じであるが、SiO2 層8およびSi層9を生成する
バイアス・スパッタリングの条件が異なっている。
【0051】この周期構造体における周波数と波動ベク
トルの関係をFDTD法により計算した結果を図6に示
す。横軸は相対値で表した波動ベクトルの大きさであ
り、縦軸は相対値で表した周波数である。実線と破線
は、それぞれTE波とTM波における分散曲線である。
この図から分かるように、第1の実施例の場合よりも、
偏光子として作用する周波数帯が広くなっている。とこ
ろで、ひとつのバンドギャップに着目したとき、単一の
光周波数で使用する偏光子に対しても、その周波数幅は
広いことが望ましい。なぜなら、バンドギャップの端か
ら充分に離れていない周波数においては、消光比を大き
くとるために必要なz方向の周波数が増大するからであ
る。
【0052】第1および第2の実施例において、z軸方
向とx軸方向の繰り返し周期の比Lz/Lxは0.8で
あったが、FDTD法による他の計算結果から0.2程
度であっても、偏光子としての作用が可能であることが
わかっている。またx方向の周期Lxは、通常の偏光子
として使用する場合には、光の波長以下程度に選ばれる
が、一方の偏光をまっすぐに透過させ、他方の偏光を回
折させるための偏光素子においては、光の波長よりも長
い周期Lxを選択すると良いことが分かっている。さら
に、溝はy軸方向に必ずしも一様である必要はなく、x
軸方向の溝と幅と間隔に対して、異なる周期構造を持っ
ていてもよく、あるいはy方向に充分長いランダムな長
さの溝であってもよいことが、他の計算の結果、分かっ
ている。
【0053】ところで、今回は、単位となる層の形状を
繰り返しつつ積層する手段として、バイアス・スパッタ
リング法を用いたが、堆積プロセスとスパッタリングエ
ッチングのプロセスを分離した方法を加えることによ
り、積層の単位となる層の形状の設計自由度を大きくと
ることができる。さらに、低屈折率媒質としては、アモ
ルファスSiO2 以外にも、パイレックス、Si以外に
もTiO2 、Ta25などを用いることができる。基
板の溝の断面形状は、今回、矩形であったが、v形の溝
であってもよいことは明らかである。また、バイアス・
スパッタリングの条件を適切に選択すれば、多様な溝の
断面形状が可能である。
【0054】このようにして作製した積層膜を偏光子と
して使用するためには、必要であれば無反射コーティン
グを施した後、切断すればよい。多数の素子を一括して
作製できるだけでなく、研磨が不要であり、切断工程が
簡易である。その結果、低価格の偏光子を提供すること
ができる。また、基板をのぞく積層膜の厚さは数ミクロ
ンであり、垂直入射または小さい入射角での使用が可能
である。それゆえ、小形の光通信用アイソレータなどへ
の、広範な応用が可能である。また、光サーキュレータ
などに用いる偏光分離素子として使用するときには、入
射光に対して大きく傾けて使用する場合があるが、この
場合も切断面を光が透過することはないので、研磨が不
要である。
【0055】実施例3 図2に示すポリイミドの周期構造を、金型を用いて作製
する方法を述べる。
【0056】石英ガラス基板の上に実施例1と同様にし
て無反射コーティング層を内蔵する厚さ10μmの6F
DA/TFDBポリイミドフィルムを得る。次にあらか
じめ図2と同様の周期構造を有するガラス製金型及び厚
さ10μmの6FDA/TFDBポリイミドフィルムを
加熱プレス機に装着し、徐々にプレス温度、プレス圧力
をあげていき、最終的に380℃、60kg/m2 とす
る。その後加熱プレス機を冷やし、金型を取り去り、周
期構造を有する厚さ10μmの無反射コーティング内蔵
ポリイミドフィルムを得た。これ以降は実施例1と同様
に多層構造体を形成し、最終的に厚さ約13μmのポリ
イミド基板偏光子を得た。
【0057】さらにこの金型を用いて同様の繰作を繰り
返し、10枚の偏光子を得た。
【0058】実施例4 金型を用いてキャスト法によりポリイミドの周期構造を
作製する方法を述べる。
【0059】図2と同様の周期構造を有するガラス製金
型上に実施例1で示したポリアミド酸溶液をキャスト
し、実施例1と同様の条件で加熱し、厚さ5μmの6F
DA/TFDBポリイミドフィルムを得る。この上に無
反射コーティングを行った後、6FDA/TFDBポリ
イミド膜を5μm形成し、無反射コーティングを内蔵す
る厚さ10μmの6FDA/TFDBポリイミドフィル
ムを得る。金型からポリイミドフィルムを剥離すること
により、周期構造を有する厚さ10μmの無反射コーテ
ィングを内蔵ポリイミドフィルムを得た。これ以降は実
施例1と同様に多層構造体を形成し、最終的に厚さ約1
3μmのポリイミド基板偏光子を得た。
【0060】さらにこの金型を用いて同様の操作を繰り
返し、10枚の偏光子を得た。
【0061】実施例5 実施例1で作製した厚さがポリイミド層10μm、多層
構造体層3.2μmの偏光子から2×5mmの短冊を切
り出した。一方石英系光導波路に幅20μm、深さ15
0μmの溝を長手方向に対して直角に切っておき、厚さ
約13μm、2×5mmのポリイミド基板偏光子を挿入
したところ破損することなく挿入できた。これを接着剤
で固定し、偏光子入り導波型光デバイスを得た。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にもとづく
偏光子とその製造方法及びこれを用いた導波型光デバイ
スは上記のように構成されるので、光透過方向の厚さが
微小で、1回の成膜プロセスで大面積の積層膜が得ら
れ、個々の素子を作製するときに、研磨が不要であり、
切断が簡易であるという特徴を備えた偏光子の提供が可
能となり、また該偏光子を具備した導波型デバイスの提
供も可能となる。また、上記の構成によれば、使用する
波長域に応じて、優れた偏光特性を持たせる設計も可能
である。したがって、本発明の偏光子は、光アイソレー
タ用の偏光子として最適であるのみならず、光サーキュ
レータ、光スイッチ等、その工業的用途は広く、従来の
偏光子に取って代わることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく偏光子の第1の実施例の構造
を示す斜視図である。
【図2】本発明にもとづく偏光子に適用される表面に溝
を有する基板を示す斜視図である。
【図3】本発明にもとづく偏光子に対して、透過光の近
視野における強度分布を調べた結果を示すもので、
(a)はTE波に対する強度分布図、(b)はTM波に
対する強度分布図である。
【図4】第1の実施例における周波数と波動ベクトルの
関係を示すグラフである。
【図5】本発明にもとづく偏光子の第2の実施例の構造
を示す斜視図である。
【図6】第2の実施例における周波数と波動ベクトルの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 SiO2 層 2 Si層 3 ポリイミド基板 4 ポリイミド膜 5 無反射コーティング層 6 周期的な溝 7 TM波を透過させる偏光子として作用する周波数帯
のひとつ 8 SiO2 層 9 Si層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 重邦 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 澤田 孝 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 玉村 敏昭 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 山本 二三男 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロ ジ株式会社内 (72)発明者 川上 彰二郎 宮城県仙台市若林区土樋236番地 (72)発明者 大寺 康夫 宮城県仙台市青葉区土樋1丁目6番15号 コーポ金子201号 (72)発明者 川嶋 貴之 宮城県仙台市青葉区川内三十人町45番5 号 ル・ヴィラージュ203号 (56)参考文献 特開 平11−316154(JP,A) 特開 昭60−118803(JP,A) 特開 平10−213785(JP,A) 特開 平10−96808(JP,A) 特開 平8−297218(JP,A) 特開 平8−297221(JP,A) 特開 平9−304611(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3次元の直交座標系のx軸方向,y軸方
    向,およびz軸方向を基準として、屈折率の異なる少な
    くとも2種類の透明体からなる複数の層が前記z軸方向
    に沿って積層された多層構造体を高分子材料上に設けて
    なる偏光子であって、 前記多層構造体は、 各透明体ごとに積層の単位となる層の形状が前記x軸方
    向に沿って周期的に凹凸を繰り返した凹凸構造と、前記
    y軸方向に沿って一様な構造、または前記x軸方向に沿
    った前記凹凸構造よりも凹凸を繰り返す周期が大きい凹
    凸構造とを有し、さらに、 入射方向が前記z軸方向に零でない成分を持つ光に対し
    て作用する偏光機能を持つことを特徴とする偏光子。
  2. 【請求項2】 前記高分子材料は、ポリイミドであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の偏光子。
  3. 【請求項3】 前記多層構造体を形成する前記屈折率の
    異なる少なくとも2種類の透明体は、SiまたはTiO
    2 を主成分とする高屈折率媒質と、SiO2を主成分と
    する低屈折率媒質とであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の偏光子。
  4. 【請求項4】 一方向に沿って周期的に繰り返される凹
    凸構造が形成された表面を持つ高分子材料からなる基板
    の上に、高屈折率媒質と低屈折率媒質とを、前記基板の
    凹凸構造の形状を繰り返しつつ周期的に積層し、3次元
    の直交座標系において、x軸方向に沿って周期的な凹凸
    構造と、y軸方向に沿って一様な構造または前記x軸方
    向に沿った前記凹凸構造よりも大きな周期の凹凸構造と
    を有する、屈折率の異なる少なくとも2種類の透明体か
    らなる複数の層がz軸法に沿って積層された多層構造体
    を形成することを特徴とする偏光子の製造方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一部にスパッタリングエチン
    グを含む膜形成方法によって、前記高屈折率媒質および
    前記低屈折率媒質を前記凹凸構造が形成された表面を持
    高分子材料からなる基板上に積層することを特徴とす
    る請求項4に記載の偏光子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記高分子材料は、ポリイミドであるこ
    とを特徴とする請求項4または5に記載の偏光子の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 金型を用いて、高分子材料からなる基板
    表面の前記凹凸構造を形成することを特徴とする請求項
    または5に記載の偏光子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記高屈折率媒質はSiまたはTiO
    を主成分とし、また前記低屈折率媒質はSiOを主成
    分とすることを特徴とする請求項4に記載の偏光子の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 光導波路により構成される導波型光デバ
    イスであって、請求項1ないし3のいずれかに記載の偏
    光子が、光導波路の長手方向に対して垂直あるいは傾斜
    した状態で該導波路に挿入されていることを特徴とする
    導波型光デバイス。
  10. 【請求項10】 光ファイバにより構成される導波型光
    デバイスであって、請求項1ないし3のいずれかに記載
    の偏光子が、光ファイバの長手方向に対して垂直あるい
    は傾斜した状態で該導波路に挿入されていることを特徴
    とする導波型光デバイス。
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