JP3486355B2 - 偏光子の製造方法 - Google Patents
偏光子の製造方法Info
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Description
造方法に関する。
るもので、偏光状態の測定や、偏光を利用した顕微鏡や
サングラス等に広く用いられている。特に近年は、液晶
表示体の爆発的な普及に伴い、飛躍的に需要を伸ばして
いる。偏光子には(1)透明体の反射を利用したもの、
(2)複屈折性を利用したもの、(3)2色性を利用し
たものの3種類が知られているが、実用的には(2)と
(3)が主に用いられている。(2)の複屈折性を利用
するものは、方解石のような複屈折性結晶を2個接着し
て用いる例が多く、高い光透過率と良好な偏光度が得ら
れるものの、価格が高く、また大面積化や小型化が困難
である。
光の直交する2成分で吸収度が異なることを利用して偏
光作用を持たせるもので、種々の系が考えられている。
最も代表的な偏光子はポリビニルアルコールから成る高
分子フイルムを配向し、これをヨウ素や染料等の2色性
分子で染色すると2色性分子が高分子の配向方向に揃う
ために偏光作用を示す。実際にはこの高分子フィルムを
別の支持膜高分子でサンドイッチして使用する。この偏
光フィルムは高分子フイルムで出来ているため、価格が
安く、また大面積化が容易なため、液晶表示体用偏光フ
ィルムとして、大量に使用されている。しかし、この偏
光フィルムは、偏光度・光透過率が低く、高分子のため
熱や湿気に対する耐久性に劣る。これらの問題点を改良
した偏光子として積層型偏光子が知られている。この偏
光子は透明体と吸収体を薄膜状に多層に積層した断面に
光を通すもので、偏光度が良好でかつ小型化も可能であ
る。
様々な光学部品が開発され、そこに使用される偏光子に
も様々な要求が課せられている。例えば光路中に微少な
間隙を形成した光学素子に薄い偏光子を挿入した光学部
品が用いられる。そのような部品は、たとえば光アイソ
レータなどに用いられる。この偏光子には偏光子を挿入
した時に生じる挿入損失を低減するために非常に薄く、
かつ高消光比のものが要求される。例えば光路中の微少
な間隙を数10μm以下(偏光子はそれ以下の厚さ)に
することにより、挿入損失を0.5dB程度に抑えるこ
とが可能である。高消光比でかつこの薄さを実現できる
のは前述した積層型偏光子だけである。この積層型偏光
子は特開昭55−117108号公報で川上らによって
明らかにされている。また特性を改良した積層型偏光子
は特開平4−256904号公報、特開平6−2658
34号公報で公開されている。この積層型偏光子の基本
的構成はガラスなどの基板上に1μm程度の厚さの二酸
化ケイ素などの誘電体と5〜10nm程度の厚さの金属
あるいは半導体の薄膜を交互に積層した多層膜を形成し
たものである。実際に積層型偏光子を作製する場合は基
板付き多層膜をダイシングソーなどにより薄板状に切り
出し、例えば30μmの厚さに研磨している。しかしな
がらこの工程での取り扱いが非常に難しく、破損がおき
やすく、歩留まりも悪い。またこの積層型偏光子を光学
素子に装着する場合先程近べたように数10μm以下の
微少な間隙に挿入しなくてはならず、挿入のやり方によ
っては積層型偏光子が破損するという問題が起こる。こ
れは従来の積層型偏光子がガラス基板と多層膜が一体と
なった構成で基板および多層膜とも非常に脆いからであ
る。
解決するためのものであり、本発明の目的は、高消光比
で、かつ薄く、しかも取り扱いが容易な偏光子の大面積
化が可能な製造方法を提供することにある。
的を達成するため、鋭意検討を行い、偏光子の構成を工
夫することにより課題が解決できることを見いだし、本
発明を完成するに至った。
板上に、吸収体の細線列に相当する整列された凹部パタ
ーンを形成する工程と、(2)前記凹部パターンを有す
る高分子材料基板上に、透明体材料をバイアススパッタ
して、鋸歯形状の透明体層を形成する工程と、(3)前
記透明体層上に吸収体をスパッタし、鋸歯形状の谷部が
その頂部より厚い吸収体層を形成する工程と、(4)前
記吸収体層を、鋸歯形状の谷部を残してスパッタエッチ
ングすることにより、前記吸収体層を細線列の形状にす
る工程と、(5)前記(2)〜(4)の工程を繰り返し
て行うことにより、複数層の吸収体の細線列が3次元的
に透明体に埋め込まれた構造を形成する工程と、を具
え、前記(4)工程において形成される吸収体の細線列
の幅が使用する最短波長の1/2以下であることを特徴
とする偏光子の製造方法である。また、(6)前記複数
層の吸収体の細線列が透明体に3次元的に埋め込まれた
構造上にバイアスをかけずに透明体をスパッタすること
により、その表面を平坦化する工程をさらに具える偏光
子の製造方法である。
を発現する中心思想は、透明体中に、金属等の吸収体か
らなり、その幅が使用する最短波長の1/2以下で、か
つ同じ方向の細線列が3次元的に埋め込まれている構造
を作製することにある。その吸収体の細線列を3次元的
に埋めこむことにより製造された偏光子は、単層の細線
列を有する偏光子よりも、高い偏光度の偏光を与える。
通常、このような構造は、繰り返し超微細加工を施して
作製するため、作製工程が非常に繁雑で、価格が高くな
ることから、これを偏光子の偏光機能を生じさせる構造
体として用いることはなかった。しかし、本発明者らは
このような複雑な構造を簡便に作製する方法を開発し、
安価で大面積の偏光機能を生じさせる構造体を製造でき
ることを見い出した。本発明の基本となる技術は、基板
に凹凸を形成し、この上にスパッタリングにより薄膜を
堆積する際に、その堆積条件を制御することにより、凹
凸の形状を保存したり、整形することを可能とするもの
で、2種類のターゲットを用いて膜を交互に堆積する
と、3次元構造を形成出来る。
体の実施の形態を説明する。
の断面を示すものである。
02)に吸収体(103)が細線列として複数層配列さ
れている。この細線の幅は使用する波長の1/2以下に
微細化されているため、細線の長手方向の偏光は吸収、
あるいは一部反射されるが、細線に垂直な方向の偏光は
透過される。このように面型の偏光子として作用する。
透明体としては、ガラスや二酸化ケイ素(たとえば石
英)等の透明な無機物、ポリカーボネート、ポリメチル
メタクリレート、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
イミドのような光透過率の高い高分子材料が使用出来
る。また吸収体としては、アルミニウム、クロム、チタ
ン、ニッケル、金、銀等の金属、アモルファスシリコ
ン、ガリウムヒ素等の半導体が、幅広い波長領域で吸収
を持つために適している。また高分子材料基板としては
透明体と同様の高分子材料が使用出来るが、ただし高分
子材料基板上に吸収体をスパッタ法などを用いて形成す
るため耐熱性に優れていることが好ましい。またこの偏
光子を用いて光部品を作製する際、ハンダ工程を経るこ
とが往々にしてあるためハンダ耐熱性を持つことが好ま
しい。耐熱性としては一般によく用いられる物性である
ガラス転移温度が200℃以上、好ましくはハンダ耐熱
性の観点から300℃以上の高分子材料が良い。そのよ
うな観点からポリイミドは最も好適である。さらにこの
基板は実際に光を透過する必要があるため、ポリイミド
の中で光透過性に優れたフッ素化ポリイミドがさらに好
適である。
すものである。
望の細線列に相当する微細パターンを形成し、エッチン
グ等で高分子材料基板表面に細線列状の凹部を形成する
(2−1)。この凹部は単純な段差である。この基板
を、基板バイアス印加可能で、透明体と金属等の吸収体
の2個のターゲットを有するスパッタリング装置に入
れ、透明体(202)をスパッタする(2−2)。この
時、単純な段差状の凹部が整形されて、鋸歯形状になる
ように基板バイアスとガス圧を調整する。この時に、鋸
歯形状の頂部は必ずしも先鋭化せず、頂部に平坦な部分
を有してもよい。
ッタすると、鋸歯形状の谷部で吸収体が相対的に厚く堆
積される(2−3)。
の、高分子材料基板上に鋸歯形状の透明体および吸収体
が堆積している構造の一部を拡大した図である。(40
1)は高分子材料基板、(402)は透明体、および
(403)は吸収体を、それぞれ表わす。本明細書にお
いて、鋸歯形状の頂部とは(407)の部分を、側面部
とは(408)の部分を、および谷部とは(409)の
部分をそれぞれ意味するものとする。したがって、透明
体の頂部厚さとは(404)の厚さを、吸収体の頂部厚
さとは(406)の厚さを、および吸収体の谷部厚さと
は(405)の厚さを意味する。
と、相対的に薄い吸収体の頂部および側面部はエッチン
グされやすいため、鋸歯形状の谷部の吸収体がエッチン
グされずに残り、楔状の形態の吸収体細線列(204)
が形成される(2−4)。再び、透明体(205)をバ
イアススパッタして、鋸歯形状を形成する(2−5)。
その後、(2−3)、(2−4)の工程を繰り返すと、
2層目の吸収体細線列(206)が形成される(2−
6)。更に、(2−5)、(2−3)、(2−4)を所
望の回数繰り返すことにより、複数層の細線列が透明体
に埋め込まれた構造が得られる(2−7)。最後に、表
面を平坦化することが必要な場合は、透明体(207)
をバイアスをかけずにスパッタして、平坦化する(2−
8)。
方法では、高分子材料基板上に細線列状の凹パターンを
最初に形成しておけば、その後は同一装置内でスパッタ
リングとスパッタエッチングを繰り返すことのみで、3
次元的に細線列を形成出来るため、経済的に偏光子を製
造できる。高分子材料基板上に形成する細線パターン
は、可視光や近赤外領域ではサブミクロン領域になるた
め、高度な微細加工が必要になる。LSI製造に用いら
れる紫外線縮小投影露光や電子ビーム露光と、ドライエ
ッチングの組み合わせが最も一般的である。しかしなが
ら、より経済的に細線パターンを作る方法として、光デ
ィスクや磁気ディスクの製造に使用されているプレス法
や射出成形を組み合わせると経済的効果が著しくなる。
即ち、一旦、細線列パターンを有する金型を作製してお
けば、その後は、露光やエッチングを行うこと無く、直
接、細線列パターンを有する高分子材料基板を製造でき
る。図3は本発明に用いる細線(301)の配列パター
ンの例を示したもので、図3の3−1のように、利用デ
バイスの開口より長い細線が規則的に配列されている構
造の他、図3の3−2のように、細線列は必ずしも均一
な幅と周期を持つ必要がなく、特定方向への回折作用を
避けるため、むしろ、ある程度ランダムに配置する場合
もある。また、図3の3−3のように、細線の長さが幅
の2倍以上、好ましくは10倍以上と充分に長ければ、
連続でなくてもかまわない。これらの細線列の平均の周
期は使用する光波長より短くすると偏光度が向上する。
また、このようにして形成した単純な段差上で、スパッ
タリングにより透明体を形成するが、スパッタリングに
よる膜形成では、付着反応とイオンによるエッチングの
両方の反応が共存し、ガス圧や基板へのバイアスを変化
させると、方向性のあるイオン、方向性の無い中性分
子、及び、エッチングされた物質の再付着の寄与が変化
し、これを定量的に制御することにより、凹凸パターン
を保持したり、あるいは、鋸歯形状に整形したり、ある
いは、完全に平坦化することも可能である。ここではバ
イアスを印加して鋸歯状に整形する条件を用いる。
ターゲットである金属をスパッタリングすると、鋸歯形
状の側面の傾斜角が余り急峻でなければ、鋸歯形状の谷
部により厚く形成される。鋸歯形状の側面が急峻になり
すぎるとイオンが入りにくくなり、逆に、底部が薄くな
るので、ターゲットの配置等を勘案して、鋸歯の形状を
決める必要がある。
を用いてイオン性の強いスパッタエッチングを行えば、
図2(203)の鋸歯形状の頂部および側面部はより早
くエッチングされ、結果的に鋸歯形状の谷部にのみ吸収
体が残り、楔状の細線列が形成される。この時、基板を
傾斜して、底部にイオンが入りにくくすれば、この効果
は更に大きくなる。以下の工程は、上で詳しく説明した
ものの繰り返しである。
の高い高分子材料基板と、吸収体細線を多層に3次元的
に配列しているため、偏光度、光透過率共に優れてお
り、しかも、ガラスと金属、耐熱性プラスチック基板と
の組み合わせを用いれば耐久性にも問題無く、大面積化
が可能で、上記で説明した経済化技術を併用すれば比較
的コストも低くできる。また、液晶表示体に用いる場
合、液晶を挟む基板とこの偏光子の基板を兼ねることが
可能になるため、部品点数が低減出来るメリットもあ
る。
柔軟な偏光子を実現できることである。
10μm級の高消光比・薄型偏光子としてはガラス、シ
リコンなどの基板上に1μm程度の厚さの二酸化ケイ素
などの誘電体と5〜10nm程度の厚さの金属あるいは
半導体の薄膜を交互に積層した積層型偏光子が知られて
いるが、基板としてガラス、シリコンを用いているため
10数μm程度に薄くすると破損し易く、歩留まりが悪
くなり、製造コストが非常に高いものとなる。また光部
品実装上の問題も大いに指摘される。すなわち10数μ
m程度の積層型偏光子を、光導波路に形成した20μm
程度の溝に挿入することは非常に困難な作業を要し、ま
た破損により光導波路の溝に積層型偏光子の破損片が入
り込むなどの不具合も指摘されている。このように基板
がガラス、シリコンなどの固く、脆いものだと製造コス
ト、実装作業性で大いに問題がある。その解決策として
高分子材料基板上に1μm程度の厚さの二酸化ケイ素な
どの誘電体と5〜10nm程度の厚さの金属あるいは半
導体の薄膜を交互に積層した積層型偏光子を作製するこ
とも考えられる。しかし5〜10nm程度の超薄膜を積
層するため基板表面の平滑性が非常に重要になってくる
が、高分子材料でサブナノメートル級の平滑性を出すの
は非常に困難であり、従来の積層型偏光子を高分子材料
を基板として作製することは不可能と言って良い。これ
に対して本発明の偏光子に使用する基板は、サブナノメ
ートル級の平滑性は必要とせず、サブミクロンの微細構
造が作製できれば良く、現状の加工技術を適用できる。
用いているため10数μm程度の薄型化が歩留まりよく
製造でき、製造コストを低減できるという特徴を有す
る。また衝撃による偏光子の破損は生じにくく、溝を形
成した光導波路に容易に挿入でき、実装作業性に優れ
る。さらに光導波路や光ファイバに長手方向に垂直また
は傾斜した溝を形成して、その溝に本発明の偏光子を挿
入して使用する導波型光デバイスも容易に製造でき、偏
光子挿入導波型光デバイスの製造コストを低減できると
いう特徴もある。傾斜した溝に偏光子を挿入する際に
は、偏光子による反射波が光導波路または光ファイバに
戻らないという利点がある。
元的に配列した構造体からなる偏光子の厚さとしては、
出来るだけ薄いほうが、偏光子を挿入して使用する導波
型光デバイスの挿入損失を低減できるので好ましい。し
かし取り扱いの容易さも含めて考えると薄さの限界とし
ては数μm〜5μm程度と考える。また厚さの限界とし
ては挿入損失の実用上の目安として1dB以下を考える
と30μmが限界と考える。ただシステムの要求条件に
よっては100μmでも使用できる場合もある。挿入損
失、取り扱い性等を考え、厚さの適正値は10〜20μ
mの範囲であろう。
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン二無水物(以下6FDAと略記する)と2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミ
ノビフェニル(以下TFDBと略記する)を用いて製造
した濃度約15wt%のポリアミド酸のN,N−ジメチ
ルアセトアミド溶液をスピンコートした後オーブン中で
70℃で2時間、160℃で1時間、250℃で30
分、350℃で1時間加熱し、イミド化を行い、厚さ1
0μmのフッ素化ポリイミド膜(以下6FDA/TFD
Bと略記する)を得た。このフッ素化ボリイミド膜上に
フォトプロセスでマスクを形成し、そのマスクを通して
リアクティブイオンエッチングでフッ素化ポリイミト膜
をエッチングし、マスクを除去し、深さ0.25μm、
線幅0.25μm、平均周期0.5μmの長さと周期が
均一でないが、同一方向を向いた細線列パターンを得
た。次に、SiO2 とアルミニウムの2つのターゲット
を有するバイアススバックリング装置を用い、SiO2
を基板RFバイアス60W、アルゴンガス圧2mTor
r、ガス流量90SCCMの条件で0.5μmの厚さ
(頂部部分の厚さ:図4の404参照)スパッタリング
により堆積すると、平均傾斜角が50度の鋸歯状のSi
O2 層が形成された。この上にアルミニウムをバイアス
印加無しアルゴンガス圧5mTorr、ガス流量60S
CCMで、0.25μm(頂部部分の厚さ:図4の40
6参照)を堆積し、その後、RFパワー150W、アル
ゴンガス圧1.5Pa、ガス流量30SCCMで、基板
に対して垂直から30度斜め方向から10分エッチング
したところ、鋸歯形状の頂部および側面のアルミニウム
はエッチング除去され、底部に厚さ0.2μm、幅0.
15μmの逆三角形(すなわち楔)の形状のアルミニウ
ム細線列が形成された。その後、上記の条件を4回繰り
返し、合計5層からなるアルミニウム細線列を形成し
た。最後に、バイアスを印加せずにSiO2 を1μm堆
積し、表面を平坦化した。最後に、上記で得られた構造
体を石英ガラス基板から剥離し、本発明の偏光子を得
た。
られた。この偏光子の偏光特性を測定(1550nmの
波長の光を使用)した結果、光透過率65%、偏光度9
9.5%の良好な特性を得た。
2×5mmの短冊への切り出しが容易にできた。
チングにより、ニッケル・リン金型上に、線幅0.15
μm、高さ0.2μm、平均周期0.35μmの長さと
周期が均一でないが、同一方向を向いた凸状の細線列パ
ターンを形成した。この金型上に実施例1と同様にして
ポリイミド膜を形成し、厚さ10μmの基板とし、片面
に金型のパターンを転写して、凹状の細線列パターンを
得た。この基板をSiO2 とアルミニウムの2つのター
ゲットを有するバイアススパッタリング装置を用い、先
ず、SiO2 を基板RFバイアス70W、アルゴンガス
圧2mTorr、ガス流量90SCCMの条件で0.6
μmの厚さ(頂部の厚さ)にスパッタリングにより堆積
すると、平均傾斜角が55度の鋸歯状のSiO2 層が形
成された。この上にアルミニウムをバイアス印加無しア
ルゴンガス圧5mTorr、ガス流量60SCCMで、
0.2μm(頂部の厚さ)を堆積し、その後、RFパワ
ー150W、アルゴンガス圧1.5Pa、ガス流量30
SCCMで、基板に対して垂直から30度斜め方向から
7分エッチングしたところ、鋸歯形状の頂部および側面
部のアルミニウムはエッチング除去され、谷部に厚さ
0.15μm、幅0.1μmの逆三角形(すなわち楔)
の形状のアルミニウム細線列が形成された。その後、上
記の条件を14回繰り返し、合計15層からなるアルミ
ニウム細線列を形成した。最後に、バイアスを印加せず
に、SiO2 を1μm堆積し、表面を平坦化した。
られた。この偏光子の偏光特性を測定(1550nmの
波長の光を使用)した結果、光透過率63%、偏光度9
9.99%の良好な特性を得た。
2×5mmの短冊への切り出しが容易にできた。
m、深さ150μmの溝を導波路の長手方向に対して直
角に切っておき、厚さ約13μm,2×5mmの実施例
1のポリイミド基板偏光子を挿入したところ破損するこ
となく容易に挿入できた。これを接着剤で固定し、偏光
子入り導波型光デバイスを得た。
偏光子は、偏光度、光透過率に優れ、かつ薄型で、しか
も柔軟性、取り扱い製に優れる特徴を有している。さら
に大面積の偏光子が比較的低いコストで得られる。この
ような偏光子を導波型光デバイスに用いると、偏光子挿
入用の溝を狭くしても偏光子を容易に挿入でき、かつ挿
入損失を低く抑えることができるというメリットがあ
る。また得られた偏光子入り導波型光デバイスを用いる
ことにより、様々な光部品・装置を安価に作製できると
いうメリットがある。
である。
吸収体を堆積させた構造の拡大図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 (1)高分子材料基板上に、吸収体の細
線列に相当する整列された凹部パターンを形成する工程
と、 (2)前記凹部パターンを有する高分子材料基板上に、
透明体材料をバイアススパッタして、鋸歯形状の透明体
層を形成する工程と、 (3)前記透明体層上に吸収体をスパッタし、鋸歯形状
の谷部がその頂部より厚い吸収体層を形成する工程と、 (4)前記吸収体層を、鋸歯形状の谷部を残してスパッ
タエッチングすることにより、前記吸収体層を細線列の
形状にする工程と、 (5)前記(2)〜(4)の工程を繰り返して行うこと
により、複数層の吸収体の細線列が3次元的に透明体に
埋め込まれた構造を形成する工程と、 を具え、前記(4)工程において形成される吸収体の細
線列の幅が使用する最短波長の1/2以下であることを
特徴とする偏光子の製造方法。 - 【請求項2】 (6)前記複数層の吸収体の細線列が透
明体に3次元的に埋め込まれた構造上にバイアスをかけ
ずに透明体をスパッタすることにより、その表面を平坦
化する工程をさらに具える請求項1に記載の偏光子の製
造方法。 - 【請求項3】 前記高分子材料基板が、フッ素化ポリイ
ミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
クリレート、シリコーン樹脂、およびエポキシ樹脂から
なる群から選択される請求項1に記載の偏光子の製造方
法。 - 【請求項4】 前記透明体が、ガラス、二酸化ケイ素、
フッ素化ポリイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂、およびエ
ポキシ樹脂からなる群から選択される請求項1または2
に記載の偏光子の製造方法。 - 【請求項5】 前記吸収体の細線列が、金属および半導
体からなる群から選択される材料を用いて形成される請
求項1に記載の偏光子の製造方法。 - 【請求項6】 前記吸収体の細線列が、アルミニウム、
クロム、チタン、ニッケル、金、銀、アモルファスシリ
コン、およびガリウムヒ素からなる群から選択される材
料から形成される請求項1または5に記載の偏光子の製
造方法。 - 【請求項7】 前記偏光子の厚さが30μm以下である
請求項1ないし6のいずれかに記載の偏光子の製造方
法。 - 【請求項8】 前記偏光子の厚さが10μm以上20μ
m以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の偏光
子の製造方法。
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