JPH0682642A - 光回路デバイス、その製造方法およびそれを用いた多層光回路 - Google Patents

光回路デバイス、その製造方法およびそれを用いた多層光回路

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JPH0682642A
JPH0682642A JP3886993A JP3886993A JPH0682642A JP H0682642 A JPH0682642 A JP H0682642A JP 3886993 A JP3886993 A JP 3886993A JP 3886993 A JP3886993 A JP 3886993A JP H0682642 A JPH0682642 A JP H0682642A
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film
organic
polymer
substrate
optical
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JP3886993A
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English (en)
Inventor
Satoshi Tatsuura
智 辰浦
Wataru Toyama
弥 外山
Katsusada Motoyoshi
勝貞 本吉
Tetsuzo Yoshimura
徹三 吉村
Yasuhiro Yoneda
泰博 米田
Koji Tsukamoto
浩司 塚本
Takeshi Ishizuka
剛 石塚
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板上に形成された有機膜を形成し、この有
機膜に非線形光学特性を与えることにより、光回路デバ
イスを製造する。 【構成】 基板上に形成された有機膜を含み、前記膜が
基板上の一部の領域に選択的に形成されているか、また
は前記膜が基板上の全部の領域に形成され、かつ、その
膜の一部の領域が選択的に他の領域と異なる厚さに形成
されているかまたは選択的に異なる構造を有するよう
に、光回路デバイスを形成する。この光回路デバイス
は、種々の構成をもって製造することができ、多層光回
路を形成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機膜を選択的に形成
する方法とその有機膜の配向を選択的に制御する方法と
に関する。また、光導波路、多層光回路、電気配線に関
する。また、前記有機膜形成方法を使用して形成される
光導波路、多層光回路、電気配線に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路を形成する有機膜の製造方法と
しては、スピンコート法を使用して基板上に有機膜を形
成し、これを反応性イオンエッチング法等を使用してエ
ッチングして光導波路の形状にパターニングする方法が
知られている。
【0003】非線形光学材料をはじめとする有機機能材
料の性能向上のためには、基板上に成長する有機膜の配
向を制御することが必要であり、これまではラビング膜
によりジアセチレン系薄膜の基板面内における配向製膜
が実現されている。
【0004】光回路としては、計算機の光インターコネ
クション、光交換機をはじめ、各種の光システムにおい
て重要な役割を果たしつゝある。従来の光回路の一例を
図17に示す。IC間を光導波路で結合し、信号伝達を
行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機膜がスピンコート
法を使用して形成し、これをパターニングして光導波路
の形状に形成する場合には、パターン化された有機膜エ
ッジ部の荒れによって光散乱がおこりやすい。また、ミ
クロンオーダーの厚さの有機膜のエッチング加工には時
間がかゝるなどの問題がある。
【0006】光重合による導波路の形成は、光散乱の問
題は少ないが、材料が限定され、また、分子配向制御が
困難であるという問題がある。非線形光学導波路を形成
する場合、導波路を形成する分子の長軸方向を光の偏向
方向に配向させることが望ましい。しかしながら、前記
の従来の方法では分子の向きがランダムになるという問
題がある。導電性有機材料を使用した電気配線を形成す
る場合も、配線内での分子の配向を揃えることが望まし
い。延伸による配向化も考えられるが、下地基板が柔ら
かい場合に限られ、また、膜の欠陥を生じさせるおそれ
があるなどデバイス化には適当な方法ではない。
【0007】さらに、光導波路と光・電子デバイスとを
接合する場合、それらの間の密着性を高める必要がある
が、従来の方法では素子と導波路との間に隙間があきや
すいという問題がある。
【0008】また、ラビング膜による配向製膜は、膜の
平坦性などに問題があり、また、各種フォトニクスデバ
イスの製造プロセスにメカニカルなラビング工程を入れ
ること自体好ましいことではない。有機単結晶を基板に
使用することによっても配向制御は可能であるが基板に
著しい制約があるため実用的な集積デバイスへの適用は
困難である。
【0009】また、光回路においては、ICの数が増加
し、接続が複雑になると、導波路を頻繁に交差させる必
要があり、また、半導体レーザやフォトダイオードとの
インターフェースをスムーズにとることが重要になる。
さらに、導波路で光スイッチ、光変調機能を出そうとす
ると、非線形光学導波路の使用が必要になる。通常、非
線形光学導波路は光の損失が大きいためスイッチングに
必要な最小限の長さに抑え、その他の部分は低損失のパ
ッシブ導波路で配線することが望ましく、光回路の多層
化が望まれる。
【0010】本発明の目的は、これらの欠点を解消する
ことにあり、パターン化された光散乱の少ない有機膜の
製造方法と有機膜の配向制御方法と多層化された光回路
とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題を解決するため、基板上に形成された有機膜を含み、
前記膜が基板上の一部の領域に選択的に形成されている
か、または前記膜が基板上の全部の領域に形成され、か
つ、その膜の一部の領域が選択的に他の領域と異なる厚
さに形成されているかまたは選択的に異なる構造を有す
る、光回路デバイスが提供される。
【0012】ここで、光回路デバイスの具体例は、光導
波路、光スイッチ、光変調器、導波路レンズ、導波路グ
レーティング、ホログラム、光分波器、光合波器、波長
フィルタおよび光分岐デバイスである。かかる本発明の
光回路デバイスは、下記の有機膜製造手段のいずれによ
っても形成することができる。
【0013】第1の手段は、基板上に有機または無機薄
膜のパターンを形成し、このパターン上に選択的に有機
膜を形成する有機膜の製造方法である。第2の手段は、
基板上に有機または無機薄膜のパターンを形成し、この
パターン上に選択的に他の領域より厚く有機膜を形成す
る有機膜の製造方法である。第3の手段は、基板上に有
機または無機薄膜のパターンを形成し、このパターン上
を除く領域に選択的に有機膜を形成する有機膜の製造方
法である。第4の手段は、基板上に有機または無機薄膜
のパターンを形成し、このパターン上に選択的に他の領
域より薄く有機膜を形成する有機膜の製造方法である。
第5の手段は、基板上に有機または無機薄膜のパターン
を形成し、このパターン上に選択的に構造の異なる有機
膜を形成する有機膜の製造方法である。第6の手段は、
基板上に種類の異なる少なくとも2種の有機もしくは無
機薄膜または同種類であるが構造の異なる少なくとも2
種の有機もしくは無機薄膜を形成し、この少なくとも2
種の有機または無機薄膜のうちの少なくとも1種の有機
または無機薄膜をパターン化し、このパターン化された
有機または無機薄膜上に選択的に有機膜を形成する有機
膜の製造方法である。第7の手段は、基板上に種類の異
なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜または同種
類であるが構造の異なる少なくとも2種の有機もしくは
無機薄膜を形成し、この少なくとも2種の有機または無
機薄膜のうちの少なくとも1種の有機または無機薄膜を
パターン化し、このパターン化された有機または無機薄
膜上に選択的に他の領域より厚く有機膜を形成する有機
膜の製造方法である。第8の手段は、基板上に種類の異
なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜または同種
類であるが構造の異なる少なくとも2種の有機もしくは
無機薄膜を形成し、この少なくとも2種の有機または無
機薄膜のうちの少なくとも1種の有機または無機薄膜を
パターン化し、このパターン化された有機または無機薄
膜上を除く領域に選択的に有機膜を形成する有機膜の製
造方法である。第9の手段は、基板上に種類の異なる少
なくとも2種の有機もしくは無機薄膜または同種類であ
るが構造の異なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄
膜を形成し、この少なくとも2種の有機または無機薄膜
のうちの少なくとも1種の有機または無機薄膜をパター
ン化し、このパターン化された有機または無機薄膜上に
選択的に他の領域より薄く有機膜を形成する有機膜の製
造方法である。第10の手段は、基板上に種類の異なる
少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜または同種類で
あるが構造の異なる少なくとも2種の有機もしくは無機
薄膜を形成し、この少なくとも2種の有機または無機薄
膜のうちの少なくとも1種の有機または無機薄膜をパタ
ーン化し、このパターン化された有機または無機薄膜上
に選択的に構造の異なる有機膜を形成する有機膜の製造
方法である。
【0014】前記の下地の有機または無機薄膜を気相成
長法を使用して、飛来原子または分子の方向に対して基
板を10〜90°傾斜させて形成することによって有機
膜を配向させることができる。なお、前記の気相成長法
は、蒸着法、スパッタリング法、MLD(molecu
lar layer deposition)法、MB
D(molecular beam depositi
on)法、MBE(molecular beam e
pitaxy)法、イオンプレーティング法、または、
クラスターイオン蒸着法であることが好ましい。また、
前記の有機または無機薄膜の形成に引き続き液体中また
はガス雰囲気中において表面処理するようにしてもよ
い。また、前記の無機薄膜は酸化シリコン膜であり、前
記の有機膜はポリアゾメチン系材料やポリイミド系材料
よりなることが好ましい。また、ポリマー膜をスピンコ
ーティングにより製膜し、ラビング処理し、これをパタ
ーニングしてもよい。逆に、パターン化した後ラビング
処理してもよい。または、ポリマー膜上にパターン化し
たレジストを形成し、これをラビングして、ラビングが
パターンの窓の部分だけ行われるようにしてもよい。
【0015】前記の有機膜の製造方法を使用して光導波
路、光導波路・バッファ・クラッド層、導電性を有する
配線を形成することができる。多層光回路は、前記の光
導波路が多層に形成され、上層の光導波路の少なくとも
一部と下層の光導波路の少なくとも一部との間で光が移
行する手段を有する多層光回路によって達成される。な
お、前記の光が移行する手段としては、方向性結合器を
使用する方法、前記の上層および下層の光導波路の幅を
導波光の進行方向に対し増加または減少させる方法、前
記の光導波路の幅の増減をテーパー状にする方法、上層
および/または下層の光導波路またはそれらに接する層
にグレーティング構造を形成する方法、前記のグレーテ
ィング構造の周期に分布をもたせる方法がある。また、
光回路上部および/または下部に光および/または電子
素子を装着することができる。
【0016】本発明の発明者等は、下地となるパターン
化された有機または無機薄膜上に、有機膜が選択的に成
長するかもしくは選択的に成長しないこと、または、他
の領域より厚くもしくは薄く成長すること、または、他
の領域と異なった構造に成長することを実験により確認
した。
【0017】また、気相成長時に飛来する分子や原子に
対して基板を傾けて下地となる有機または無機薄膜を形
成すれば、その上に成長する有機膜は配向することを実
験により確認した。また、ラビング膜をパターン化する
ことによっても選択配向が可能なことを見出した。
【0018】本発明は、これらの実験結果を応用したも
のである。
【0019】以下、図面を参照して、上記本発明の実施
例に係る有機膜の製造方法及び多層光回路について説明
する。
【0020】第1実施例 図1・図2参照 SiO2 を蒸着源とする電子ビーム蒸着法を使用して、
シリコン基板上に10Å〜10μm厚の酸化シリコン薄
膜を形成し、これをパターニングして図1(a)に示す
ように導波路の形状に形成する。導波路以外の領域はシ
リコン基板が露出していてもよく、あるいは、図2
(a)に示すように窒化シリコンなど他の膜が露出して
いてもよい。
【0021】図12参照 次いで、図12に示す有機膜製膜装置を使用して有機膜
を形成する。原料としてテレフタルアルデヒド(TP
A)とパラフェニレンジアミン(PPDA)とを供給
し、基板温度を25℃にしてポリアゾメチン膜を成長す
ると、ポリアゾメチン膜は酸化シリコン薄膜上に選択的
に成長し、パターニングすることなく図1(b)、図2
(b)に示す光導波路が形成される。
【0022】第2実施例 図3・図4参照 酸化シリコン薄膜を斜め蒸着する例について説明する。
例えば、蒸着分子の飛来方向に対して基板を例えばx軸
の方向に約80°傾けて酸化シリコン薄膜を形成し、こ
れをパターニングして、図3(a)に示すように、導波
路の形状に形成する。蒸着時の真空度は例えば10-6
10-4Torr、基板温度は25℃、成長膜厚は10Å〜1
0μm程度である。なお、導波路以外の領域はシリコン
基板が露出していてもよく、あるいは、図4(a)に示
すように、窒化シリコン等他の種類の薄膜が露出してい
てもよい。あるいは、導波路以外の領域において基板を
傾けずに垂直蒸着した酸化シリコン膜を露出させておい
てもよい。第1実施例と同様に、TPAとPPDAとを
使用して基板温度25℃でポリアゾメチン薄膜を製膜す
る。この結果、図3(b)、図4(b)に示すように、
分子の向きがほゞx軸方向に配向した導波路が形成され
る。特に、垂直蒸着酸化シリコン膜を導波路パターン以
外の領域に形成する場合には、図4(b)に示すよう
に、導波路部ではほゞx軸配向したポリマー膜が形成さ
れ、その他の部分ではランダム配向または垂直配向のポ
リマー膜が形成される。
【0023】通常、ポリマー鎖の方向に偏光した光に対
する屈折率は、ポリマー鎖と垂直の方向に偏光した光に
対する屈折率よりも大きい。したがって、自動的に側面
が埋め込まれたTEモード光に対する導波路が形成され
る。この方法によって、プレーナー処理なしにほゞ平坦
な層が得られる。なお、基板にシリコンでなくガラスや
石英基板を使用した場合、パターン化した酸化シリコン
薄膜以外の領域に特に酸化シリコン膜を形成しなくても
ランダム配向の膜が形成される。逆に、導波路パターン
以外の部分を、導波路の長さ方向に基板を傾けて斜め蒸
着膜を形成すると、その部分の屈折率が小さくなり、導
波路が形成される。
【0024】また、y方向に傾けて作製したSiO2
の上にx方向に傾けて作製したSiO2 膜をパターン化
すると、互いに直交する方向にポリマー鎖が配向してパ
ターンが選択的にできる。また、傾ける方向はx・y−
軸方向に限定されず、任意の方向でよいことは云うまで
もない。
【0025】非線形光学導波路の場合、配向性は特性に
大きな影響を及ぼす。例えば、all−optical
デバイスを構成する3次非線形光学導波路を考えると、
導波路内の分子が偏光方向に揃うことが望ましい。第2
実施例はこの面からも有効である。
【0026】第3実施例 図5参照 スラブ型光導波路内にレンズ、プリズム、グレーティン
グ等の光学素子を形成した例を図5に示す。選択的な配
向成長により、従来のようなエッチング、他材料による
埋め込みプロセスを必要とすることなくプレーナースラ
ブ導波路に種々の光学素子を形成することができる。
【0027】第4実施例 図6・図7参照 図は波長と光吸収との関係を、入射光偏光方向とx軸
(ここでは基板傾斜方向)とのなす角φ(図6(a)参
照)を0°,45°,90°とした場合についてそれぞ
れ示したグラフであり、図6(b)は基板の傾き角を0
°とし、図6(c)は30°とし、また、図7(a)は
基板の傾き角を60°とし、図7(b)は80°として
それぞれ酸化シリコン薄膜を蒸着し、その上に有機膜を
形成した場合の光吸収を示す。
【0028】このように膜の異方性が基板の傾き角を大
きくするにしたがって増大するという効果を利用するこ
とにより、第1及び第2実施例において導波路パターン
(または光学素子パターン)とそれ以外の領域とを酸化
シリコンの斜め蒸着膜で形成することもできる。たゞ
し、斜め蒸着時の基板傾き角を、導波路パターン(また
は光学素子パターン)とそれ以外の領域とで変えてお
く。例えば、x軸方向に基板を約45°傾けて形成した
酸化シリコン薄膜を導波路(または光学素子パターン)
に、また、x軸方向に約30°傾けて形成した酸化シリ
コン薄膜を導波路(または光学素子パターン)以外の領
域に使用する。他の例として、x軸方向に基板を70°
傾けて形成した酸化シリコン薄膜を導波路(または光学
素子パターン)に、また、y軸方向に基板を50°傾け
て形成した酸化シリコン薄膜を導波路(または光学素子
パターン)以外の領域に使用する。これらにより、導波
路コアと回りのクラッドとの屈折率を調整することがで
き、パターン境界での不連続性を抑制するとゝもに、導
波路設計の自由度を向上することができる。
【0029】第5実施例 図8参照 埋め込み型チャネル導波路の製造例を図8に示す。各バ
ッファ層、クラッド層、及び、導波路層を酸化シリコン
膜形成時の傾き角を制御することにより、コア、クラッ
ドが同一物質で形成された埋め込み型光導波路を製造す
ることができる。
【0030】第6実施例 図9・図10参照 種々の光素子(半導体レーザ、フォトダイオード等)や
電子素子(IC等)を光導波路と接続し、ハイブリッド
化した例である。図9(a)に示すように、あらかじめ
下地パターンを形成した後に、図9(b)に示すよう
に、素子を形成し、次いで、図10に示すように、有機
膜を堆積させて導波路を形成する。この場合、導波路の
エッチングとその後の位置合わせ操作が不要で、光・電
子素子との密着性の良い接続が実現できる。
【0031】以上、下地材料として主として酸化シリコ
ン蒸着膜を例にとって説明したが、これに限定されるも
のではない。シリコンの熱酸化膜をパターン化してもよ
い。さらに、他の誘電体、1−10ジアミノデカン等の
有機膜、LB膜、シランカップリング材等の表面吸着
層、ラビング処理されたポリマー膜等、それらの上に成
長する有機膜の構造に影響する材料であればすべて使用
することができる。
【0032】また、TPAとPPDAとによるポリアゾ
メチン膜の形成を例にとって説明したが、その他、ポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、ポリ
カーボネート、ポリスチレン等をベースとしたポリマー
膜、カルボン酸の2無水物(カルボニルオキシカルボニ
ル基)またはカルボン酸の酸ハロゲン化基または−NC
O基または−CHO基の中から選ばれた2個以上の基を
含む分子とアミノ基またはアミノプロトンを1つ以上含
む基または炭素数1〜10のアルキルアミノ基またはシ
リル化されたアミノ基の中から選ばれた2個以上の基を
有する分子とを結合させて作製したポリマー膜、2つ以
上のエポキシ基を持つ分子とアミノ基またはアミノプロ
トンを1つ以上含む基または炭素数1〜10のアルキル
アミノ基またはシリル化されたアミノ基の中から選ばれ
た2個以上の基を有する分子とを結合させて作製したポ
リマー膜、ポリシラン膜等導波光を通すような透明度の
高いポリマーであり、下地の影響を受ける材料であれば
何でもよい。また、ポリマー材料に限定されることな
く、低分子結晶、低分子/高分子複合体等も同様に適用
できる。
【0033】また、導波路材料としては、パッシブ導波
路、電気光学(EO)効果等の2次の非線形光学効果や
光カー効果等の3次の非線形光学効果を有する非線形光
学導波路等がある。コア・クラッド・バッファの一部ま
たは全部が非線形光学材料であってもよい。
【0034】導電性を有する有機物質による電気配線を
形成する場合にも、分子配向は重要である。この場合
は、電流が流れる方向に分子の長軸方向を揃えることが
望ましい。第2実施例に示す方法を使用して、例えば、
図11に示すように、配線パターンの作製が可能であ
る。
【0035】なお、本発明は、絶縁膜やその他の有機膜
のパターニング方法にも使用しうる汎用性のあるもので
ある。
【0036】第7実施例 図13(a)参照 酸化シリコンを蒸発源として電子ビーム蒸着法により基
板上に酸化シリコン薄膜を形成する場合の基板の傾きと
飛来原子・分子の方向との関係を図13(a)に示す。
【0037】基板の傾き角を70゜(斜め蒸着)にした
場合と0゜(垂直蒸着)にした場合とにおいて、基板上
にそれぞれ酸化シリコン薄膜を蒸着形成する。蒸着時の
真空度を約10-4Torrとし、基板温度を25℃として膜
厚1000〜5000Åの酸化シリコン薄膜を形成す
る。この上にTPAとPPDAとを使用してポリアゾメ
チン薄膜を製膜する。
【0038】図14・図6(a)・図16(a)参照 図6(a)に示すように、基板のx軸方向と偏光方向と
のなす角をφとし、ポリアゾメチン薄膜の光吸収の偏光
依存性を測定した結果を図14に示す。垂直蒸着した酸
化シリコン膜を使用した場合は、図14(b)に示すよ
うに、x軸方向の偏光(φ=0゜)に対する吸収とそれ
に垂直方向の偏光(φ=90゜)に対する吸収とはほゞ
等しい。それに対し斜め蒸着した酸化シリコン膜を使用
した場合は、図14(a)に示すように、x軸方向の偏
光に対する吸収がそれと垂直方向の偏光に対する吸収に
比べて数倍大きい。このことから、斜め蒸着の酸化シリ
コン薄膜を下地とすることにより、図16(a)に示す
ように、酸化シリコン蒸着時の基板の傾斜方向(x軸方
向)にポリマー鎖が配向したことを示している。
【0039】図13(b)・図15・図16(b)参照 図13(b)に示すように、入射光と基板との角θを入
射角とし、入射角θを変化したときの光吸収の変化を図
15に示す。θ=0の時、すなわち、光(y軸と垂直方
向に偏光している。)を垂直に入射させた時に比べて、
入射角θをプラス側に変化させると吸収が増加し、30
゜付近で極大傾向を示す。また、入射角θをマイナス側
に変化させると吸収は減少する。このことから、図16
(b)に示すように、ポリマー主鎖の配向が基板面より
数十度の傾き角をもって上方に伸び、かつ、x軸のマイ
ナス側に向かって成長する場合があると云える。
【0040】上記のような効果を生ずるための条件は、
前記の製膜条件に限定されるものではなく、また、スパ
ッタリング、MBD、イオンプレーティング、クラスタ
ーイオン蒸着法等真空中における製膜法であれば、蒸着
法に限られるものではない。
【0041】この方法により、ドナー、アクセプターの
位置や供役長が制御された配向度の高い非線形光学材料
の製膜をCVD(chemical vapor de
position)、MLD(molecular l
ayer deposition)等の気相成長法によ
り有効に実行することができる。さらに、受光・発光材
料、エレクトロクロミック・フォトクロミックEL材料
等、分子配列の制御を要する種々のフォトニクス材料の
高機能化を行うことができる。
【0042】第8実施例 図18参照 図18に多層光回路の概念図を示す。この図にはバッフ
ァ層は省略されている。図18(a)は、第2層に形成
したパッシブ導波路で光を導波し、必要に応じて上部の
非線形光学導波路に光の一部または全部を移行させ、変
調をかけている。また、第2層にある配線をよけるた
め、第3層の導波路に光を移し、再度第2層に戻してい
る。図18(b)は、第2層の光を第1層の非線形光学
導波路に移し、方向性結合器によってスイッチングした
後に第2層の配線に戻している。
【0043】図19・図20参照 多層光回路の断面図を図19・図20に示す。電気配線
は、前記のように光導波路をよけながら形成されてお
り、バッファ層と光導波層との界面、または、それらの
層内部に形成されている。バッファ層と光導波層は層間
絶縁の役割を果たす。半導体レーザ、フォトダイオード
等の光素子は、図20に示すように、光回路基板の上
面、下面、側面に装着される。
【0044】図9実施例 図21参照 発光・受光素子への光の出入りをスムーズにする例を図
21に示す。発光・受光素子側に光導波路を形成してお
き、これを密着させることにより光を出入りさせること
ができる。これにより、導波路のエッチングとその後の
位置合わせ等煩雑な工程が不要になり、素子を置くだけ
で機能を発揮させることができる。導波路のコアのみな
らず、バッファ・クラッド層を形成することもできる。
【0045】第10実施例 図22・図23参照 具体的に層間の光移行をさせる例を図22に示す。例え
ば、バッファ層の一部をその周辺のバッファ層より高屈
折率にする。これにより、光の移行が可能になる。具体
的には、図23に示すように、酸化シリコンの斜め蒸着
膜を下地としてバッファ層を成長させることにより、ポ
リマー膜を部分的に配向させることができる。導波路の
幅方向に傾けて斜め蒸着した場合、TEモードの光に対
して屈折率が大きくなる。したがって、この部分におい
て光が移行する。導波路の長さ方向に傾けて斜め蒸着し
た場合は、TEモードの光に対して屈折率が小さくな
る。したがって斜め蒸着していない部分において光が移
行する。斜め蒸着の傾斜を変えることによっても同様に
屈折率制御が可能である。通常のフォトリソグラフィー
法を使用して部分的に異なる材料を挿入し、光移行部分
を形成することもできる。
【0046】第11実施例 図24・図25参照 導波路幅を変化させることによって光移行する例を図2
4・図25に示す。導波路幅をテーパ状に変化させるこ
とにより光移行が安定にできることが報告されている
(91/4高分子可能性講座/有機非線形光学材料の最
前線講演要旨p48)。これを縦型にしたのが本実施例
である。幅が広がっている部分では実効屈折率が増加す
るため、そちら側に光が移行しやすくなる。このような
パターンは通常のエッチングにより形成できる。また、
図1・図2に示すような酸化シリコンの蒸着膜、斜め蒸
着膜を下地としても形成できる。
【0047】さらに、導波路または隣接層にグレーティ
ングを形成することによっても光移行は可能である。そ
の際、チャーピングを導入するとより安定な移行ができ
る。導波路材料および/またはバッファ・クラッド材料
としては、パッシブ導波路、電気光学(EO)効果等の
2次の非線形光学効果や光カー効果等の3次の非線形光
学効果を有する非線形光学材料等を使用することができ
る。特に、光移行部に非線形光学材料を使用すると、移
行量、移行の有無を電気および/または光によりコント
ロールでき、光回路のフレキシビリティが増す。さら
に、波長多重により、情報量の増加が図れる。その際、
先に述べた導波路幅の変化、グレーティングのチャープ
化等は有効である。導波路幅の代わりに、導波路厚さ、
バッファ層厚さを変えることによっても光移行の制御が
できることは云うまでもない。
【0048】図26参照 図26に入射光を第1層に、出力光を第2層に導波させ
たマトリックススイッチの例を示す。光の移行はクロス
ポイントにおける非線形光学材料への電圧印加または光
照射によりコントロールされる。
【0049】第12実施例 図27・図28・図29参照 図27・図28に示すようにパターン化した基板を図2
9に示すようにy軸方向に傾斜させて(傾斜角θ=45
゜)SiO2 を800Å厚にEB(エレクトロンビー
ム)蒸着し、次に、第2実施例に示すように、TPA,
PPDAを用いてポリアゾメチン膜を蒸着する。主鎖方
向はy軸方向(傾斜方向)に配向する傾向がある。パタ
ーンの形状とパターンの傾斜とによって主鎖方向を自由
に制御することができる。
【0050】図30・図31参照 45゜傾斜させてポリアゾメチン膜を蒸着したときの光
吸収スペクトルを図30に示す。垂直蒸着したときの光
吸収スペクトル(図31参照)に比べて、2色性が約2
0倍大きくなっている。本発明の第2の特徴によれば、
また基板上に形成された有機ポリマー膜からなる光導波
路であって、前記有機ポリマー膜が気相成長によるポリ
マー膜からなるかまたはこれを主体としてなることを特
徴とする光導波路が提供される。
【0051】本発明において、上記気相成長によるポリ
マー膜は、蒸着重合により得られたものであるのが好ま
しく、ポリイミドからなるのがさらに好ましい。さら
に、このポリイミドは部分フッ素化または全フッ素化さ
れているのがよい。
【0052】本発明は、また、基板上にパターン化した
有機または無機薄膜を形成し、次いでこのパターン化薄
膜上にポリイミド膜を選択的に配向気相成長させること
を含む光導波路の作製方法を提供する。
【0053】以下、実施例により、上記本発明を具体的
に説明する。
【0054】図32は光導波路形成プロセスの一例を示
す説明図である。以下においては、パターン化した薄膜
として、SiO2 を蒸発源とする電子ビーム(EB)蒸
着膜を用いた場合を例にとって説明する。図33は、導
波路パターンを酸化シリコンの斜め蒸着膜で形成するプ
ロセスの例を示す説明図である。例えば、図32のよう
にy軸方向に基板を約45゜傾けて形成した酸化シリコ
ン薄膜を用いる。蒸着時の真空度は、例えば、10-6
10-4Torrであり、基板温度は25℃である。そして、
これにより、膜厚10Å〜10ミクロンの下地パターン
をつくる。導波路パターン以外の部分には、Si表面、
Si熱酸化膜表面、石英表面などが露出していてもよい
し、あるいは窒化シリコンなど他の種類の薄膜の表面が
露出していてもよい。あるいは、導波路パターン以外の
部分において、基板を傾けずに形成した垂直蒸着酸化シ
リコン膜を露出させてもよい。あるいは、導波路パター
ン部とは別の方向に傾けて形成した酸化シリコン膜を露
出させてもよい。この上に、例えば、無水ピロメリト酸
(PMDA)と4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
(DDE)を真空中に導入して気相反応させ(ガス圧は
例えば10-6Torr〜10-2Torr)、基板温度50℃で基
板にポリアミック酸を全面に堆積させると、酸化シリコ
ンの上にy軸方向に配向したポリアミック酸膜が選択的
に成長し、TE光(偏波面が面内方向にある光)に対す
る自動的に光導波路が形成される。さらに、これを22
0℃で1時間アニールすると、ポリイミド導波路とな
る。このプロセスによる光導波路の製造の具体例を図3
4に模式図として示す。この導波路において、0.63
ミクロンのHe−Neレーザー(TE光)や近赤外LD
光(TE光)の導波を確認した。
【0055】さらに、このプロセスを繰り返すことによ
り、多層導波路が容易に成形でき、縦型方向性結合器な
どの導波路デバイスを作製することができ、光インター
コネクションなどにおける光回路基板の高集積化を図る
ことができる。また、スラブ型光導波路内に、レンズ、
プリズム、グレーティングなど種々の光学素子を、上記
の如き選択的な配向成長により、従来のようなエッチン
グや他材料による埋め込みプロセスを行うことなく、形
成することができる。
【0056】さらに、各バッファー層、クラッド層、お
よび導波路層を酸化シリコン層形成時の傾き角を制御す
ることにより、コア、クラッドが同一物質で形成された
埋め込み型光導波路を作製することができる。また、種
々の光素子(半導体レーザー、フォトダイオードなど)
や電子素子(ICなど)を光導波路と接続し、ハイブリ
ッド化することもできる。例えば、予め下地パターンを
形成した後、素子を設置し、次に有機膜を堆積させるの
である。この場合、導波路のエッチングとその後の位置
合わせ操作が不要で、光素子や電子素子との密着の良い
接続が実現される(特願平4−48961号明細書参
照)。
【0057】以上においては、下地材料として主として
酸化シリコン蒸着膜を例にとり説明してきたが、これに
限定されることはない。例えば、他の誘電体、1,10
−ジアミノデカンなどの有機膜、LB膜、シランカップ
リング材などの表面吸着層、ラビング処理されたポリマ
ー膜など、それらの上に成長する有機膜の構造に影響す
る膜や材料であれば何でも用いることができる。また、
PMDA,DDEによるポリイミド膜を例にとって説明
したが、他のポリイミド系材料、例えば、6FDA、P
FDBによる部分フッ素化または全フッ素化されたポリ
イミド材料にも適用できることは言うまでもない。
【0058】図35は、エッチングによる光導波路形成
プロセスの一例を示す説明図である。ポリイミドを蒸着
重合で形成した後、フォトリソグラフィによりレジスト
パターンを作る。これをマスクとして酸素プラズマエッ
チングすると、導波路コア部分が得られる。ここで、コ
ア形成前に予めスピンコーティングや蒸着重合によりク
ラッド層を設け、コア形成後にスピンコーティングや蒸
着重合によりクラッド層をかぶせるとよい。クラッドの
材料としては、コアと同系統のポリイミド系材料を用い
るのが望ましいけれども、必ずしもそれに限定されるも
のではなく、コア部分より導波光に対する屈折率が低い
ものであればよい。
【0059】図36は、コア形成に際し、コアのポリマ
ーの鎖を配向させた例を示す説明図である。光の進行方
向またはそれに近い方向にポリマー鎖が配向するように
しておくと、ポリマーの吸収ロスを低下せしめることが
できるのである。これは、偏光方向がポリマー主鎖と垂
直の方向にあるときに吸収が弱くなるためである。
【0060】図37は、導波路パターン領域以外の部分
のポリマー鎖を、導波路に沿う方向またはそれに近い方
向に配向させ、導波路パターン部ではランダム配向させ
た例を示す説明図である。これにより、TMおよびTE
の両偏波に対し導波路パターン内の屈折率が大きくな
り、導波路が形成される。
【0061】基板内で異なった配向性を有する領域を作
ることもできる。これにより、曲がり導波路を形成する
ことができる。例えば、下地の斜め蒸着膜形成を、基板
の傾斜方向を変えながら複数の領域に行えばよい。
【0062】また、図38のように、コア部のポリマー
を基板と垂直に配向形成すると、TMモードに対して常
に屈折率が高くなるため、上記のように複数領域に分割
することなく、曲がり導波路を簡単に作製することがで
きる。逆に、コア部以外の部分のポリマーを基板と垂直
に配向形成しても、TEモードに対してコア部の屈折率
が常に高くなるため、上記のように複数領域に分割する
ことなく、曲がり導波路を簡単に作製することができ
る。さらに、コアをランダム配向とし、その他の部分を
水平配向にしても、TMモードに対して常に導波路とし
て作用するようになる。
【0063】また、上記において、ポリイミドとして、
フッ素化ポリイミドを使用することにより、可視領域、
1.3μmおよび1.5μm帯での吸収ロスを低下せし
めることができる。尚、上記ではポリイミドについて記
述したが、ポリアゾメチンなどの他の材料も同様に本発
明に有用である。本発明の第3の特徴によれば、またゲ
ート(G)、ソース電極(S)およびドレイン電極
(D)を具備し、ゲート絶縁膜とポリマー半導体膜とを
有する薄膜トランジスターであって、ポリマー半導体が
ソース電極(S)−ドレイン電極(D)方向に配向して
いることを特徴とする薄膜トランジスターが提供され
る。
【0064】本発明のポリマー薄膜トランジスターにお
いては、ポリマー半導体は、ソース電極とドレイン電極
との間においてS−D方向に選択的に配向しているのが
好ましい。
【0065】以下、実施例により、上記本発明を具体的
に説明する。
【0066】図39は、TFTの構造の例を示す模式断
面図である。図39において、(a)〜(d)、(i)
および(j)は逆スタガード構造TFTを示し、(e)
〜(h)はスタガード構造TFTを示す。(a)は、ゲ
ート絶縁膜として酸化シリコンの斜め蒸着膜2を形成
し、その上にポリアゾメチン膜3を作製した例である。
例えば、図40に示すように、基板をy軸方向に約45
゜傾斜させた状態で酸化シリコンを蒸着することにより
1000〜5000Åの厚さでゲート絶縁膜を形成し、
次いでその上にテレフタルアルデヒド(TPA)とパラ
フェニレンジアミン(PPDA)を原料として用い、C
VDによりポリアゾメチン膜を気相成長させてポリマー
半導体膜とするのである。このように、S−D間の電流
方向(y軸)に沿って基板を傾斜させ、蒸着膜を形成す
ると、S−D方向に配向した共役ポリマー(ポリマー半
導体)膜が得られる。この結果、S−D方向のモビリテ
ィが向上し、良好なTFTが形成できる。ポリマーの配
向度は基板の傾斜角で制御可能であり、S−D方向およ
びそれと垂直な方向のモビリティを調整することも可能
である。
【0067】(b)は、上記と同様にして、誘電体から
なるゲート絶縁膜4上に50〜2000Åの厚さの誘電
体の斜め蒸着膜2を形成し、その上に共役ポリマー膜3
を形成してポリマーの配向を制御した例である。(c)
および(d)は、SおよびDをポリマー半導体と絶縁体
との界面に形成した例である。この場合、S−D間の領
域においてポリマーが選択的に配向する。
【0068】(i)に示す例では、基板1上にゲートを
形成後、上記と同様にして、斜め蒸着膜2(例えばSi
2 膜)を形成し、次いでCVD気相成長によりポリイ
ミド膜5(1000〜5000Å)およびポリアゾメチ
ン膜3(100〜3000Å)を順次に形成する。これ
により、配向が履歴し、ポリイミドゲート絶縁膜および
ポリアゾメチンポリマー半導体膜ともに配向する。
【0069】(j)では、同様にして、基板1上にゲー
トを形成後、斜め蒸着膜2を形成し、次にポリイミド膜
5(1000〜5000Å)を形成し、さらにSおよび
Dを形成後、ポリアゾメチン膜3(100〜3000
Å)を形成する。これにより、S−D間の領域において
ポリアゾメチンが選択的に配向する。
【0070】(e)は、基板1上に斜め蒸着膜2を形成
し、次いでSおよびDを形成後、ポリアゾメチン膜3を
形成し、次にポリイミドまたは窒化珪素からなるゲート
絶縁膜4を形成し、その上にGを形成した例である。一
方、(f)は、基板1上に斜め蒸着膜2を形成し、次い
でポリアゾメチン膜3を形成後、その上にSおよびDを
形成し、次にポリイミドまたは窒化珪素からなるゲート
絶縁膜4を形成し、そしてその上にGを形成した例であ
る。(e)ではS−D間の領域においてポリマー半導体
の選択配向が得られ、(f)では全面でのポリマー半導
体の配向が得られる。
【0071】(g)および(h)は、基板自体に配向性
を持たせた例であり、基板6として延伸ポリマーからな
る基板やラビング処理をしたポリマーからなる基板等を
用いることができる。あるいは、ガラスプレート上にポ
リマー膜を形成後ラビング処理した如きものであっても
よい。あるいはゲートポリマー絶縁膜を形成後、これを
ラビングし、次いでポリマー半導体膜を形成してもよ
い。
【0072】上記の例において、斜め蒸着膜の代わりに
配向処理した有機膜(ラビング膜など)を用いてもよ
い。また、ポリマー半導体膜として、ポリチオフェン、
ポリシランなどの共役ポリマーの蒸着膜を用いてもよ
い。
【0073】ゲート絶縁膜としても、他に、例えば、ポ
リメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール、ポ
リカーボネート、ポリスチレンなどをベースとしたポリ
マー膜、カルボン酸の2無水物(カルボニルオキシカル
ボニル基)またはカルボン酸のハロゲン化基または−N
CO基または−CHO基の中から選ばれた2個以上の基
を含む分子と、アミノ基またはアミノプロトンを1つ以
上含む基または炭素数1〜10のアルキルアミノ基また
はシリル化されたアミノ基の中から選ばれた2個以上の
基を有する分子とを結合させて作製したポリマー膜、2
つ以上のエポキシ基を持つ分子と、アミノ基またはアミ
ノプロトンを1つ以上含む基または炭素数1〜10のア
ルキルアミノ基またはシリル化されたアミノ基の中から
選ばれた2個以上の基を有する分子とを結合させて作製
したポリマー膜、ポリシロキサン膜などを広い範囲で選
択して用いることができる。
【0074】また、ゲート絶縁膜の材料は、ポリマー材
料に限定されることなく、低分子結晶や低分子/高分子
複合体などを用いることもできる。本発明の第4の特徴
によれば、また、下記の如き、高分子3次元光導波路の
製造のための手段が提供される。第1の手段は、基板上
に少なくとも1対の電極を形成し、この電極間に電圧を
印加しながら、CVD法を使用して極性基を含むポリマ
ー薄膜を形成し、ポリマーの極性基を配向させる高分子
3次元光導波路の製造方法である。
【0075】第2の手段は、基板上に少なくとも1対の
電極を形成し、CVD法を使用して極性基を含むポリマ
ー薄膜(4)を形成し、次に、前記の電極間に電圧を印
加しながらCVD法を使用して極性基を含むポリマー薄
膜を形成して極性基を配向させ、次に、前記の電極
(3)間に印加された電圧を除去し、CVD法を使用し
て極性基を含むポリマー薄膜(4)を形成する高分子3
次元光導波路の製造方法である。
【0076】第3の手段は、一方の電極が基板上にあ
り、他方の電極が基板上方にある少なくとも1対の電極
を形成し、この電極間に電圧を印加しながら、CVD法
を使用して極性基を含むポリマー薄膜(4)を形成し、
ポリマーの極性基を配向させる高分子3次元光導波路の
製造方法である。
【0077】第4の手段は、一方の電極が基板上にあ
り、他方の電極が基板上方にある少なくとも1対の電極
を形成し、CVD法を使用して極性基を含むポリマー薄
膜を形成し、次に、前記の電極間に電圧を印加しながら
CVD法を使用して極性基を含むポリマー薄膜を形成し
て極性基を配向させ、次に、前記の電極間に印加された
電圧を除去し、CVD法を使用して極性基を含むポリマ
ー薄膜を形成する高分子3次元光導波路の製造方法であ
る。
【0078】第5の手段は、第1、第2、第3、また
は、第4の手段において、前記の電極間に印加する電圧
の大きさを連続的に変化させ、光導波路の屈折率を垂直
方向に連続的に変化させる高分子3次元光導波路の製造
方法である。
【0079】第6の手段は、第1、第3、または、第5
の手段の高分子3次元光導波路の製造方法を使用して形
成された光導波路上にバッファ層を形成し、このバッフ
ァ層上に第1、第3、または、第5の手段の高分子3次
元光導波路の製造方法を使用して再び光導波路を形成す
る工程を繰り返し実行して多層光導波路を形成する高分
子3次元光導波路の製造方法である。
【0080】第7の手段は、第2、第4、または、第5
の手段の高分子3次元光導波路の製造方法を繰り返し実
行して多層光導波路を形成する高分子3次元光導波路の
製造方法である。
【0081】第8の手段は、基板上に、光導波路形成領
域に沿って複数の対向電極を形成し、この複数の対向電
極に順次電圧を印加しながら、CVD法を使用して極性
基を含むポリマー薄膜を形成する高分子3次元光導波路
の製造方法である。
【0082】第9の手段は、第8の手段の高分子3次元
光導波路の製造方法を繰り返し実行して多層光導波路を
形成する高分子3次元光導波路の製造方法である。
【0083】第10の手段は、基板上に複数の微細電極
を形成し、この微細電極のそれぞれに印加する電圧を制
御して任意の電場パターンを形成しながら、CVD法を
使用して極性基を含むポリマー薄膜を形成する高分子3
次元光導波路の製造方法である。
【0084】第11の手段は、第10の手段の高分子3
次元光導波路の製造方法を繰り返し実行して多層光導波
路を形成する高分子3次元光導波路の製造方法である。
【0085】第12の手段は、第8または第10の手段
の高分子3次元光導波路の製造方法において、対向電極
の一方を基板上方に配設する高分子3次元光導波路の製
造方法である。
【0086】第13の手段は、第12の手段の高分子3
次元光導波路の製造方法を繰り返し実行して多層光導波
路を形成する高分子3次元光導波路の製造方法である。
【0087】第14の手段は、第8、第9、第10、第
11、第12、または、第13の手段の高分子3次元光
導波路の製造方法において、印加電圧の大きさを連続的
に変化させ、光導波路の屈折率を垂直方向に連続的に変
化させる高分子3次元光導波路の製造方法である。
【0088】近年、CVD法を使用してポリマー原料を
蒸着重合させてポリマー薄膜を形成する方法が開発され
た。この方法には下記の特長がある。 (1)不純物の少ない膜が得られるため、膜本来の機能
(絶縁性等)が高まる。 (2)製膜時に溶媒を使用しないので、溶媒分子の膜内
への残留が防げる。 (3)ドライプロセスであるため、半導体製造工程にお
いて全工程を真空中で実施できる。
【0089】現在までにCVD法による製膜が可能な分
子としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアゾメチ
ン、ポリウレア等が判明しているが、脂肪酸アミンとエ
ポキシとの反応によるエポキシ系(一次元または三次
元)ポリマーの製膜も可能になっている。
【0090】本発明の発明者らは、このCVD法による
ポリマー膜の製膜方法を使用して製膜と同時に光導波路
を形成することができれば本発明の目的は達成されると
の着想のもとに研究を重ねた結果、基板に形成した電極
間に電場を印加しながらCVD法を使用して極性基を含
むポリマー膜を製膜すると、電場が印加されている領域
のポリマー膜の極性基が配向して屈折率が他の領域と異
なることを見出した。本発明はこの研究結果を応用した
ものである。
【0091】基板上に形成された電極間に電場を印加し
ながらポリマー膜を製膜すると、上下方向においては空
気−ポリマー膜−基板の相互間の屈折率の相異により、
また、横方向においては極性基の配向による屈折率の相
異により光が閉じ込められる。
【0092】また、基板上に形成された電極上にポリマ
ー膜を製膜するときに、初めは電場を印加しないで任意
の厚さにポリマー膜を形成し、その上に電場を印加して
任意の厚さに極性基を配向させたポリマー膜を形成し、
さらにその上に電場を印加しないで任意の厚さにポリマ
ー膜を形成すれば、上下方向も横方向もポリマーの屈折
率変化で光が閉じ込められ、完全な埋め込み型導波路が
形成される。
【0093】なお、導波路型光制御デバイスにおていは
単一モード導波路が望まれる。それには上下左右が対称
で導波路部分の屈折率変化が適度であるものが理想的で
ある。しかし多くの埋め込み型導波路では上部を基板と
異なるバッファ層で覆うため、完全な上下対称とはなら
ない。本発明の製造方法を使用すれば上下左右とも完全
対称な構造が実現でき、理想的な導波路を形成すること
ができる。
【0094】また、極性基の配向を利用して導波路を形
成しているため、導波路内では光の閉じ込めとゝもに非
線型光学効果が生まれるので光変調器として利用するこ
とが可能である。
【0095】さらにまた、電極間に印加する電圧の大き
さを変化させれば、分子の配向度、つまり屈折率の変化
をコントロールできるため、導波路設計に極めて有利で
ある。なお、多層化することで種々の光デバイスを形成
することもできる。
【0096】以下、図面を参照して、上記本発明の実施
例に係る高分子3次元光導波路の製造方法について説明
する。
【0097】第1実施例 図41参照 シリコン基板11上にバッファ層としてシリコン酸化膜
12を形成し、その上にアルミニウム膜を1000Å厚
に形成してパターニングし、10μmの間隔をもって対
向する1対のアルミニウム電極13を形成する。
【0098】CVD装置のセルにアミノエチルアミノニ
トロピリジン(AEANP)とテトラメチルビフェニル
エポキシ(TMBE)とを別々に入れて加熱蒸発させ、
下記の条件でバッファ層2上にポリマー膜14を形成す
る。
【0099】基板温度 32℃ ガス圧 2〜3.5×10-5Torr 蒸着レート 3〜5Å/s 蒸着時間 2時間 膜厚 2μm 電極間に印加する電圧 200V(0.2MV/cm) セル温度 AEANP:70〜72℃,B
E:100〜105℃
【0100】図42参照 この結果、電極13に挟まれた領域のポリマー膜14は
配向し、3次元導波路15が形成される。
【0101】第2実施例 図43参照 ノンドープのシリコン基板11上にアルミニウム膜を1
000Å厚に形成してパターニングし、10μmの間隔
をもって対向する1対の電極13を形成する。次いで、
基板温度、ガス圧、蒸着レート、セル温度の条件を第1
実施例と同一にしてポリマー膜14を形成する。
【0102】その際、最初の30分間は、同図(a)に
示すように、電極間に電圧を印加することなく0.5μ
mの厚さにポリマー膜14を形成する。次の60分間
は、同図(b)に示すように、200V(0.2MV/
cm)の電圧を印加して1.0μmの厚さにポリマー膜1
4を形成する。ポリマー膜14は電極に挟まれた領域に
おいて分子が配向する。
【0103】次の30分間は、同図(c)に示すよう
に、再び電圧を印加することなく0.5μmの厚さにポ
リマー膜14を形成する。その結果、同図(d)に示す
ように、上下左右がポリマー膜14に囲まれた埋め込み
型3次元導波路15が形成される。
【0104】前記2種類の導波路に劈開面への直接結合
によりHe−Neレーザ光の導波を試験した。その結
果、スクリーン上に明瞭な導波光が観測され、3次元光
導波路が形成されたことが確認された。また、第2実施
例の導波光は第1実施例のそれに比べてモード数が著し
く減少しており、埋め込み型導波路の形成とその効果と
が確認された。また、第1実施例の導波路についてMa
ch−Zehnder干渉計により電気光学効果を測定
した結果、電気光学定数r11として0.1pm/Vが観
測され、この導波路が光変調器としても利用可能である
ことが確認された。
【0105】第3実施例 図44参照 第1実施例において、ポリマー膜成長中に電極13間に
印加する電圧を0から徐々に増加させ再び徐々に0まで
減少するようにすれば、導波路の屈折率を図44に示す
ように分布させることができる。
【0106】第4実施例 図45参照 第2実施例のポリマー膜成長工程を繰り返し実行するこ
とによって、多層導波路を形成することができる。この
場合のポリマー膜の屈折率はポリマー膜成長方向に図4
5に示すように分布する。
【0107】第5実施例 図46参照 第3実施例のポリマー膜成長工程を繰り返し実行するこ
とによって、多層導波路を形成することができる。この
場合のポリマー膜の屈折率はポリマー膜成長方向に図4
6に示すように分布する。
【0108】第6実施例 図47、図48参照 第1実施例の工程を電極13の形状を変えて繰り返し実
行することによって、図47、図48(図48は図47
の矢印A方向から見た側面図である。)に示すように、
下層の導波路16と上層の導波路17との形状が異なる
多層導波路を形成することができる。
【0109】第7実施例 図49参照 基板上に対向する電極を形成するのに代えて、図9に示
すように、一方の電極18を基板上に、そして他方の電
極19を基板11の上方に配設するようにしてもポリマ
ー膜を配向させることができる。
【0110】図8実施例 図50〜54参照 図の(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【0111】図50に示すように、対向する1対の電極
13を導波路形成方向に沿って複数個に分割し、図51
(a)、図52(a)、図53(a)、図54(a)に
示すように順次電圧を印加する電極の位置をずらし、特
に、図52(a)においては電圧を印加する電極を徐々
に移動しながらポリマー膜を成長すると、図51
(b)、図52(b)、図53(b)、図54(b)に
示すように、基板上に成長するポリマー膜に上方に湾曲
する導波路15が形成される。
【0112】図55参照 上記の工程を組み合わせることによって図15に示すよ
うな方向性結合器を形成することができる。
【0113】第9実施例 図56参照 基板11上に微細電極20を配設し、対向する任意の電
極間に電圧を印加しながらポリマー膜を成長することに
よって複雑な平面形状の導波路を形成することができ、
また、電圧を印加する電極20の位置をポリマー膜成長
中に徐々に移動させれば導波路を上方向に曲げて形成す
ることができる。
【0114】微細電極への電圧印加方法としては、基板
上にTFT(薄膜トランジスタ)を配設し、その上に微
細電極を形成し、IC等によりポリマー膜の成長と同期
させてTFTを駆動し、任意の電極間に電圧を印加する
ようにすればよい。
【0115】図57参照 この方法を使用して、図57に示す複合型光デバイスの
ような複雑な形状のものを製造することができる。
【0116】第10実施例 第8・9実施例において、対向する微細電極の一方を第
7実施例に示すように基板の上方に配設するようにして
もよい。なお、この場合、基板上に形成する電極は微細
化が困難な場合には一体に形成してもよい。本発明の第
5の特徴によれば、また、基板上に少なくとも1対の電
極を形成し、前記電極間に電圧を印加しながらCVD法
によりポリマー膜を製造するに際して、前記基板上に予
め配向膜を形成し、これにより前記ポリマー膜の分子鎖
を配向させるかまたは極性基の配向を促進させることを
含む有機非線形光学材料の製造方法が提供される。
【0117】即ち、本発明によれば、ドライプロセスで
ポリマー膜を製膜し、しかもポリマー膜の製膜と導波路
化とを1つの工程で実現することのできる高分子3次元
光導波路の製造、特に任意の屈折率分布を有する光導波
路、完全埋め込み型光導波路、基板に垂直方向に変化す
る光導波路、さらにはこれらの多層構造からなる光導波
路の製造が可能である。
【0118】本発明の第4の特徴に関して前述した如
く、基板に形成した電極間に電場を印加しながらCVD
法を利用してポリマー膜を製膜すると、極性分子が配向
するので、極性基を有するポリマー鎖が配向される。一
方、CVDによるポリマー膜の製膜に際して、基板上に
配向膜が形成されていると、ポリマー鎖が配向される。
しかして、本発明では、この電場アシストCVDによる
ポリマー膜の製造に際して、基板として配向膜の形成さ
れた基板を用いられる。
【0119】電場アシストCVDにより配向されたポリ
マー膜を製造しようとする場合に、ポリマー鎖の向きと
極性の向きが一致しなかったり、分子分極の大きさが小
さかったり、あるいは印加電圧が十分かけられないとい
ったケースでは、電場アシストCVDによりポリマー鎖
を配向させて光導波路を得ることが困難な場合がある。
この時、配向膜を用いればポリマー鎖が配向し、光導波
路を形成することができるのである。
【0120】また、配向膜によりポリマー鎖の向きを制
御することで、印加電場による分子分極の配向効率を最
適化することができ、その結果、ポリマー膜の非線形光
学定数を向上させることができる。さらに、配向膜によ
り、パッシブ導波路のパターンを形成し、その一部に電
場を印化しながらCVD製膜することで、ポリマー非線
形光学デバイスを一工程で形成することができる。
【0121】本発明の方法によれば、さらに次の如き利
点が得られる。即ち、電場アシストCVDによるポリマ
ー膜を製膜して光導波路を製造する場合には、光導波路
の全体が非線形光学効果を有するものとなる。しかし、
このとき、基板の所定部分のみに予め配向膜を形成して
おき、この基板を用いて電場アシストCVDによるポリ
マー膜の形成を行うと、その部分にのみ非線形光学効果
を有する導波路を得ることができるのである。また、電
場アシストCVDによりポリマー非線形光学デバイスを
製造しようとすると、電場印加のために必要とする電極
のパターンが複雑になり、デバイスの製造が困難になる
という不都合がある。しかし、かかる場合に、基板上に
予め配向膜を形成しておくことにより、電極パターンを
単純化することができ、そのようなデバイスの製造が可
能となる。
【0122】以下、実施例により、上記本発明を具体的
に説明する。
【0123】第1実施例 図58に示す如く、Siウェハ31を熱酸化してSiO
2 層32を形成し、その上に10μmの間隔をもって対
向する1対のAl電極33を形成した。これを45゜傾
けて配置し、CVD装置によりSiO2 の斜め蒸着膜を
形成して配向膜とし、次いで電極上のSiO2 膜をリフ
トオフにより除去した。
【0124】CVD装置のセルにオルトフタルアルデヒ
ド(OPA)およびメトキシフェニレンジアミン(MP
DA)とを別々に入れて加熱蒸発させながら、下記の条
件で電場アシストCVDを行った。
【0125】基板温度 室温 ガス圧 1×10-3Torr 蒸着レート 〜5Å/sec 膜厚 1μm 印加電圧 20V(Max 0.2MV/cm) セル温度 OPA:45〜55℃,MPDA:60
〜70℃ また、SiO2 配向膜を形成しなかった以外は、上記と
全く同様にして電場アシストCVDを行い、上記の試料
と比較した。実験は全てHe−Neレーザを用いて行っ
た。
【0126】この結果、配向膜ありの場合には、チャネ
ル導波路が形成され、電気光学効果はr〜0.1pm/
Vであった。一方、配向膜なしの場合には、スラブ型の
導波路となり、チャネル導波路は形成されず、電気光学
効果はr〜0.03pm/Vであった。上記の結果か
ら、配向膜の存在により分子が配向し、チャネル型導波
路が形成され、また極性部分の配向度が増して電気光学
効果が向上したことがわかる。
【0127】第2実施例 第1実施例で用いたと同じSiO2 層付きSiウェハか
らなる基板上に、図59に示す如く、AI電極34を形
成した。次いで、第1実施例と全く同様にして、SiO
2 斜め蒸着膜35を図示の形状に形成し、これを基板と
して用いて電場アシストCVDを行った。得られた膜
は、Mach−Zehnder型スイッチングデバイス
を形成しており、電極間に6.5Vの電圧を印加したと
きに出射光の強度変化が観測された。このように、パッ
シブ光導波路36および非線形光導波路37を含むポリ
マ非線形光学デバイスが一工程で形成できた。
【0128】本発明の第6の特徴によれば、さらに、非
線形光学材料を用いて形成された上下1対の光導波路よ
りなり、上下の光導波路は分極の向きを互いに逆向きと
し、電界印加による光導波路間での光の移行を行う上下
導波路間光スイッチが提供される。
【0129】また、非線形光学材料を用いて形成された
上下1対の光導波路よりなり、上下の光導波路は分極の
向きを等しくし、かつ光導波路間に逆方向に弱く分極さ
せた中間層を設け、電界印加による光導波路間での光の
移行を行う上下導波路間光スイッチが提供される。ま
た、パッシブ導波路の上下に非線形光学材料を用いて光
導波路27,28を形成し、かつ上下の光導波路は分極
の向きを互いに逆向きとし、1対の電極による電界印加
により前記パッシブ導波路29の光を上下任意の光導波
路に移行させる上下導波路間光スイッチが提供される。
【0130】また、本発明は、上記の少なくとも1つの
上下導波路間光スイッチを用いて形成された多層導波路
を含み、光の進行方向を平面内および層間で任意に制御
される3次元光回路が提供される。この構成を採ること
により上下導波路間で光を移行させることができる上下
導波路間光スイッチ及び3次元光回路が得られる。
【0131】図60〜62は本発明の上下導波路間光ス
イッチの原理説明図である。図60に示すものは、
(a)図の如く、基板40上に、上下に平行で且つ矢印
で示す分極方向が互いに異なる非線形光学材料の光導波
路41,42と、1対の電極43,43′を設けたもの
で、上下の光導波路は(b)図の如く同じ大きさの屈折
率を持っている。そして電極43,43′に電圧を印加
し、光導波路41,42に電界をかけると電気光学効果
により、(c)図の如く一方の光導波路41の屈折率は
小さくなり、他方の光導波路22の屈折率は大きくな
る。その結果両光導波路41,42は屈折率差が大きく
なり、全て結合しなくなり、光路は(b)図の状態から
(c)図の如くになる。
【0132】また、図61に示すものは、同図(a)の
如く基板20上に、上下に平行で且つ矢印で示す分極方
向が等しい非線形光学材料の光導波路24,25と、1
対の電極23,23′を形成し、中間層26を光導波路
24,25とは逆方向に弱く分極させたもので、上下の
光導波路24,25及び中間層26は(b)図の如き屈
折率となっている。そして電極23,23′に電圧を印
加し、光導波路24,25及び中間層26に電界をかけ
ると電気光学効果により(c)図の如く光導波路24,
25の屈折率は減少し、中間層26の屈折率は大きくな
る。その結果ポテンシャルのバリアは低くなり、光路は
(b)図の状態から(c)図の如くになる。
【0133】また、図62に示すものは、同図(a)の
如く基板20上に、上下に平行で且つ矢印で示す分極方
向が互いに異なる非線形光学材料の光導波路27,28
と、1対の電極23,23′と、光導波路27,28の
中間に配置されたパッシブ導波路29とを設けたもの
で、その光導波路27,28及びパッシブ導波路29の
屈折率は(d)図の如くである。そして電極23,2
3′に電圧を印加しないときは(d)図の如く、光導波
路27,28とパッシブ導波路29とは結合せず光はパ
ッシブ導波路29内を導波される。
【0134】また、電極23,23′に正電圧印加時は
(b)図の如く電気光学効果により上方の光導波路27
の屈折率は減少し、下方の光導波路28の屈折率は増大
し、この下方の光導波路28と中央のパッシブ導波路2
9で結合が生じ光は下方の光導波路28へ移行する。ま
た逆電圧印加時は(c)図の如く電気光学効果により上
方の光導波路27の屈折率は増大し、下方の光導波路2
8の屈折率は低下する。この結果上方の光導波路27と
中央のパッシブ導波路で結合が生じ光はパッシブ導波路
29から上方の光導波路27へ移行する。
【0135】図63は上記本発明の上下導波路間光スイ
ッチの第1の実施例を示す図である。本実施例は基板
(図示していない)として熱酸化Siを用い、その上に
Alを蒸着し、エッチングにより10μmギャップのパ
ターンを形成して電極とし、その上にCVD法により図
63の如く上下に平行し、且つ矢印で示す方向に分極さ
れた光導波路21,22をポリマーを用いて形成したも
のである。
【0136】このように上下の光導波路で分極の向きを
逆にすることは、ポリマーのガラス転移を利用した通常
のポーリングでは不可能(上下を別々にポーリング出来
ないため)であるが、本実施例では、電場印加の下での
CVD成膜を利用し、一層ずつ分極の向き、大きさを変
えて光導波路を形成した。電場印加下でのCVD成膜で
は、分子配向はポリマ化と同時に行われ、そのまま固定
されるので上方の光導波路21を形成するときに逆向き
の電界を加えても下方の分極は反転しない。
【0137】CVD成膜に用いた分子は、モノマとして
前述したAEANP(2−(2−アミノエチルアミノ)
−5−ニトロピリジン)およびBE(テトラメチルビフ
ェニルエポキシ)を用い、基板温度32℃、印加電界8
00V(0.8MV/cm)でCVDにより前述した分子
構造のAEANP/BEポリマーを得た。得られたポリ
マーの屈折率は1.7〜、電気光学定数は〜5pm/V
であった。
【0138】このように構成された本実施例において、
光導波路21,22の断面が幅10μm、厚さ0.6μ
m、上下導波路間の間隔0.4μmのとき、電極に10
V/μmの電圧を印加したところ、図60で説明した原
理により上下導波路間でのレーザ光の移行が確認され
た。
【0139】図64は本発明の上下導波路間光スイッチ
の第2の実施例を示す図である。本実施例の構成は前実
施例とほぼ同様であり、異なるところは、上下の光導波
路24,25の分極方向を同方向とし、かつ中間層を反
対方向に弱く分極して形成したことである。本実施例に
おいて、光導波路24,25の断面が、幅10μm、厚
さ0.6μm、中間層26の厚さ0.6μmのとき、電
極に8V/μmの電圧を印加したところ、図61で説明
した原理により、上下の光導波路間でのレーザ光の移行
が認められた。
【0140】図65は本発明の上下導波路間光スイッチ
の第3の実施例を示す図である。本実施例が第1の実施
例と異なるところは上下の光導波路27,28間にパッ
シブ導波路29を設けたことである。なおパッシブ導波
路は、カルコゲナイトガラス(As−S−Se−Ge
系、屈折率〜2.4)を電子ビームによりパターニング
して作製した。
【0141】本実施例において、光導波路27,28及
びパッシブ導波路の断面が、幅10μm、厚さ0.6μ
m、各導波路間の間隔0.4μmのとき、電極に±15
V/μmの電圧印加したところ、図62で説明した原理
により上下の光導波路27,28へのレーザ光のスイッ
チングが確認された。
【0142】以上の第1〜第3の実施例では、分極が同
方向に揃ったタイプに比し80〜90%の印加電圧でス
イッチング動作を示した。また図65の第3の実施例の
ように、上下の光導波路への選択的なスイッチングは分
極方向が同方向に揃ったタイプでは実現し得ないのは勿
論である。
【0143】図66は本発明の3次元光回路の実施例を
示す断面図である。本実施例は基板30の上にバッファ
層31と高屈折率のポリマーからなる光導波路層32と
を交互に積層し、その所要部に前述の第1〜第3の実施
例の光スイッチ33を配置して多層導波路を形成し、上
部に発光、受光素子を備えたIC34を配置したもので
ある。なお同一層内の光の移行のためには従来公知の光
スイッチを設ければ良い。
【0144】本実施例によれば、多層導波路で光を光ス
イッチ33により任意の方向に曲げて目的のIC端子
(受光部)に導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路形成工程説明図である。
【図2】光導波路形成工程説明図である。
【図3】光導波路形成工程説明図である。
【図4】光導波路形成工程説明図である。
【図5】スラブ型導波路内の光学素子形成工程説明図で
ある。
【図6】SiO2 EB蒸着膜上のポリアゾメチン膜の2
色性を示すグラフである。
【図7】SiO2 EB蒸着膜上のポリアゾメチン膜の2
色性を示すグラフである。
【図8】埋め込み型チャネル導波路の製造例である。
【図9】光・電子素子と光導波路とのハイブリッド形成
工程説明図である。
【図10】光・電子素子と光導波路とのハイブリッド形
成工程説明図である。
【図11】電気配線形成工程説明図である。
【図12】製膜装置の構成図である。
【図13】基板と蒸発ビーム入射方向・偏光方向・入射
光方向との関係を示す図である。
【図14】ポリアゾメチン薄膜の光吸収の偏光依存性を
示すグラフである。
【図15】試料への入射角と光吸収との関係を示すグラ
フである。
【図16】ポリマー鎖の配向方向を示す模式図である。
【図17】従来の光インターコネクションの構成図であ
る。
【図18】多層光回路の概念図である。
【図19】多層光回路の断面図である。
【図20】多層光回路の断面図である。
【図21】多層光回路の断面図である。
【図22】多層光回路の断面図である。
【図23】光移行の説明図である。
【図24】光移行例を示す図である。
【図25】光移行例を示す図である。
【図26】立型光スイッチの例を示す図である。
【図27】ポリマー膜の製造工程図である。
【図28】ポリマー膜の製造工程図である。
【図29】製膜プロセス説明図である。
【図30】ポリマーの光吸収スペクトルである(斜め蒸
着)。
【図31】ポリマーの光吸収スペクトルである(垂直蒸
着)。
【図32】光導波路形成プロセスの一例を示す説明図で
ある。
【図33】導波路パターンを酸化シリコンの斜め蒸着膜
で形成するプロセスの例を示す説明図である。
【図34】光導波路の製造の具体例を示す模式図であ
る。
【図35】エッチングによる光導波路形成プロセスの一
例を示す説明図である。
【図36】コア形成に際し、コアのポリマーの鎖を配向
させた例を示す説明図である。
【図37】導波路パターン領域以外の部分のポリマー鎖
を、導波路に沿う方向またはそれに近い方向に配向さ
せ、導波路パターン部ではランダム配向させた例を示す
説明図である。
【図38】コア部のポリマーを基板と垂直に配向形成
し、曲がり導波路を作製する例を示す説明図である。
【図39】本発明のポリマー薄膜トランジスターの構造
例を示す模式断面図である。
【図40】ゲート絶縁膜の形成とそれに引き続くポリマ
ー半導体膜の形成のためのプロセスを説明する図であ
る。
【図41】光導波路の製造工程説明図である。
【図42】光導波路の構成図である。
【図43】光導波路の製造工程説明図である。
【図44】光導波路の屈折率分布図である。
【図45】多層光導波路の屈折率分布図である。
【図46】多層光導波路の屈折率分布図である。
【図47】多層光導波路の製造工程説明図である。
【図48】図7の矢印A方向から見た側面図である。
【図49】電極配列の他の例を示す説明図である。
【図50】垂直方向に湾曲する光導波路の製造工程説明
図である。
【図51】垂直方向に湾曲する光導波路の製造工程説明
図である。
【図52】垂直方向に湾曲する光導波路の製造工程説明
図である。
【図53】垂直方向に湾曲する光導波路の製造工程説明
図である。
【図54】垂直方向に湾曲する光導波路の製造工程説明
図である。
【図55】方向性結合器の構成図である。
【図56】微細電極使用による光導波路の製造工程説明
図である。
【図57】複合型光デバイスの構成図である。
【図58】斜め蒸着による配向膜の形成を説明する図で
ある。
【図59】ポリマー非線形光学デバイスの製造の例を示
す図である。
【図60】本発明の上下導波路間光スイッチの原理説明
図である。
【図61】本発明の上下導波路間光スイッチの原理説明
図である。
【図62】本発明の上下導波路間光スイッチの原理説明
図である。
【図63】本発明の上下導波路間光スイッチの第1の実
施例を示す図である。
【図64】本発明の上下導波路間光スイッチの第2の実
施例を示す図である。
【図65】本発明の上下導波路間光スイッチの第3の実
施例を示す図である。
【図66】本発明の3次元光回路の実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
G…ゲート S…ソース電極 D…ドレイン電極 1…基板 2…斜め蒸着膜 3…ポリマー半導体膜 4…誘電体膜 5…有機膜 6…配向基板 11…基板 12…バッファ層 13…電極 14…ポリマー膜 15,16,17…光導波路 18…基板上の電極 19…基板上方の電極 20…微細電極 31…Siウェハ 32…SiO2 層 33,34…Al電極 35…SiO2 斜め蒸着膜 36…パッシブ光導波路 37…非線形光導波路 40,50…基板 41,42,44,45,47,48…光導波路 43,43′…電極 46…中間層 49…パッシブ層 51…バッファ層 52…光導波路層 53…光スイッチ 54…IC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/15 8934−4M (31)優先権主張番号 特願平4−179909 (32)優先日 平4(1992)7月7日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−189554 (32)優先日 平4(1992)7月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 吉村 徹三 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 米田 泰博 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 塚本 浩司 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 石塚 剛 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された有機膜を含み、前記
    膜が基板上の一部の領域に選択的に形成されているか、
    または前記膜が基板上の全部の領域に形成され、かつ、
    その膜の一部の領域が選択的に他の領域と異なる厚さに
    形成されているかまたは選択的に異なる構造を有する、
    光回路デバイス。
  2. 【請求項2】 前記有機膜が有機ポリマー膜、ポリシラ
    ン膜、有機低分子結晶膜または有機低分子/高分子複合
    体膜である請求項1記載の光回路デバイス。
  3. 【請求項3】 前記有機ポリマー膜がポリアゾメチン、
    ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルパゾール、
    ポリカーボネートまたはポリスチレンをベースとするポ
    リマー膜、カルボン酸の二無水物、カルボン酸の酸ハロ
    ゲン化基、−NCO基および−CHO基から選ばれる2
    個以上の基を含む分子とアミノ基またはアミノプロトン
    を1個以上含む基、炭素数1〜10のアルキルアミノ基
    およびシリル化されたアミノ基から選ばれる2個以上の
    基を含む分子とを結合させて得られるポリマー膜、また
    は2個以上のエポキシ基を含む分子とアミノ基またはア
    ミノプロトンを1個以上含む基、炭素数1〜10のアル
    キルアミノ基およびシリル化されたアミノ基から選ばれ
    る2個以上の基を含む分子とを結合させて得られるポリ
    マー膜である請求項2記載の光回路デバイス。
  4. 【請求項4】 前記有機膜が基板上に形成された有機ま
    たは無機薄膜のパターン上に選択的に形成されたもので
    ある請求項1記載の光回路デバイス。
  5. 【請求項5】 前記有機膜が基板上に形成された有機ま
    たは無機薄膜のパターン上に選択的に他の領域より厚く
    形成されたものである請求項1記載の光回路デバイス。
  6. 【請求項6】 前記有機膜が基板上に形成された有機ま
    たは無機薄膜のパターン上を除く領域に選択的に形成さ
    れたものである請求項1記載の光回路デバイス。
  7. 【請求項7】 前記有機膜が基板上に形成された有機ま
    たは無機薄膜のパターン上に選択的に他の領域より薄く
    形成されたものである請求項1記載の光回路デバイス。
  8. 【請求項8】 前記有機膜が基板上に形成された有機ま
    たは無機薄膜のパターン上で選択的に異なる構造を有す
    る請求項1記載の光回路デバイス。
  9. 【請求項9】 基板上に種類の異なる少なくとも2種の
    有機もしくは無機薄膜または同種類であるが構造の異な
    る少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜を形成し、 前記少なくとも2種の有機または無機薄膜のうちの少な
    くとも1種の有機または無機薄膜をパターン化し、 前記パターン化された有機または無機薄膜上に選択的に
    有機膜を形成することを含む光回路デバイスの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 基板上に種類の異なる少なくとも2種
    の有機もしくは無機薄膜または同種類であるが構造の異
    なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜を形成し、 前記少なくとも2種の有機または無機薄膜のうちの少な
    くとも1種の有機または無機薄膜をパターン化し、 前記パターン化された有機または無機薄膜上に選択的に
    他の領域より厚く有機膜を形成することを含む光回路デ
    バイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上に種類の異なる少なくとも2種
    の有機もしくは無機薄膜または同種類であるが構造の異
    なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜を形成し、 前記少なくとも2種の有機または無機薄膜のうちの少な
    くとも1種の有機または無機薄膜をパターン化し、 前記パターン化された有機または無機薄膜上を除く領域
    に選択的に有機膜を形成することを含む光回路デバイス
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 基板上に種類の異なる少なくとも2種
    の有機もしくは無機薄膜または同種類であるが構造の異
    なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜を形成し、 前記少なくとも2種の有機または無機薄膜のうちの少な
    くとも1種の有機または無機薄膜をパターン化し、 前記パターン化された有機または無機薄膜上に選択的に
    他の領域より薄く有機膜を形成することを含む光回路デ
    バイスの製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上に種類の異なる少なくとも2種
    の有機もしくは無機薄膜または同種類であるが構造の異
    なる少なくとも2種の有機もしくは無機薄膜を形成し、 前記少なくとも2種の有機または無機薄膜のうちの少な
    くとも1種の有機または無機薄膜をパターン化し、 前記パターン化された有機または無機薄膜上に選択的に
    構造の異なる有機膜を形成することを含む光回路デバイ
    スの製造方法。
  14. 【請求項14】 基板上に形成された有機膜を含み、前
    記膜が基板上の一部の領域に選択的に形成されている
    か、または前記膜が基板上の全部の領域に形成され、か
    つ、その膜の一部の領域が選択的に他の領域と異なる厚
    さに形成されているかまたは選択的に異なる構造を有す
    る、導電性配線。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の光回路デバイスからな
    る光導波路を少なくとも一部に含む多層光回路。
  16. 【請求項16】 光導波路が多層に形成され、上層の光
    導波路の少なくとも一部と下層の光導波路の少なくとも
    一部との間で光が移行する手段を有する請求項38記載
    の多層光回路。
  17. 【請求項17】 基板上に形成された有機ポリマー膜か
    らなる光導波路であって、前記有機ポリマー膜が気相成
    長によるポリマー膜からなるかまたはこれを主体として
    なる光導波路。
  18. 【請求項18】 基板上にパターン化した有機または無
    機薄膜を形成し、次いでこのパターン化薄膜上にポリイ
    ミド膜を選択的に配向気相成長させることを含む光導波
    路の製造方法。
  19. 【請求項19】 ゲート、ソース電極およびドレイン電
    極を具備し、ゲート絶縁膜とポリマー半導体膜とを有す
    る薄膜トランジスターであって、ポリマー半導体がソー
    ス電極−ドレイン電極方向に配向していることを特徴と
    する薄膜トランジスター。
  20. 【請求項20】 基板上に少なくとも1対の電極を形成
    し、 前記電極間に電圧を印加しながら、CVD法を使用して
    極性基を含むポリマー薄膜を形成し、ポリマーの極性基
    を配向させることを含む高分子3次元光導波路の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 基板上に少なくとも1対の電極を形成
    し、 CVD法を使用して極性基を含むポリマー薄膜を形成
    し、 前記電極間に電圧を印加しながら、CVD法を使用して
    極性基を含むポリマー薄膜を形成して極性基を配向さ
    せ、 前記電極間に印加された電圧を除去し、CVD法を使用
    して極性基を含むポリマー薄膜を形成することを含む高
    分子3次元光導波路の製造方法。
  22. 【請求項22】 一方の電極が基板上にあり、他方の電
    極が基板上方にある少なくとも1対の電極を形成し、 前記電極間に電圧を印加しながら、CVD法を使用して
    極性基を含むポリマー薄膜を形成し、ポリマーの極性基
    を配向させることを含む高分子3次元光導波路の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 一方の電極が基板上にあり、他方の電
    極が基板上方にある少なくとも1対の電極を形成し、 CVD法を使用して極性基を含むポリマー薄膜を形成
    し、 前記電極間に電圧を印加しながらCVD法を使用して極
    性基を含むポリマー薄膜を形成して極性基を配向させ、 前記電極間に印加された電圧を除去し、CVD法を使用
    して極性基を含むポリマー薄膜を形成することを含む高
    分子3次元光導波路の製造方法。
  24. 【請求項24】 基板上に、光導波路形成領域に沿って
    複数の対向電極を形成し、 前記複数の対向電極に順次電圧を印加しながら、CVD
    法を使用して極性基を含むポリマー薄膜を形成すること
    を含む高分子3次元光導波路の製造方法。
  25. 【請求項25】 基板上に複数の微細電極を形成し、 前記微細電極のそれぞれに印加する電圧を制御して任意
    の電場パターンを形成しながら、CVD法を使用して極
    性基を含むポリマー薄膜を形成することを含む高分子3
    次元光導波路の製造方法。
  26. 【請求項26】 基板上に少なくとも1対の電極を形成
    し、前記電極間に電圧を印加しながらCVD法によりポ
    リマー膜を製造するに際して、前記基板上に予め配向膜
    を形成し、これにより前記ポリマー膜の分子鎖を配向さ
    せるかまたは極性基の配向を促進させることを含む有機
    非線形光学材料の製造方法。
  27. 【請求項27】 非線形光学材料を用いて形成された上
    下1対の光導波路よりなり、 上下の光導波路は分極の向きを互いに逆向きとし、電界
    印加による光導波路間での光の移行を行う上下導波路間
    光スイッチ。
  28. 【請求項28】 非線形光学材料を用いて形成された上
    下1対の光導波路よりなり、 上下の光導波路は分極の向きを等しくし、かつ光導波路
    間に逆方向に弱く分極させた中間層を設け、電界印加に
    よる光導波路間での光の移行を行う上下導波路間光スイ
    ッチ。
  29. 【請求項29】 パッシブ導波路の上下に非線形光学材
    料を用いて光導波路を形成し、かつ上下の光導波路は分
    極の向きを互いに逆向きとし、1対の電極による電界印
    加により前記パッシブ導波路の光を上下任意の光導波路
    に移行させる上下導波路間光スイッチ。
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