JPH08248368A - 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス - Google Patents

液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス

Info

Publication number
JPH08248368A
JPH08248368A JP5019695A JP5019695A JPH08248368A JP H08248368 A JPH08248368 A JP H08248368A JP 5019695 A JP5019695 A JP 5019695A JP 5019695 A JP5019695 A JP 5019695A JP H08248368 A JPH08248368 A JP H08248368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
optical
optical element
waveguide
optical waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5019695A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Ishibashi
重喜 石橋
Kazue Ichino
和枝 市野
Shigekuni Sasaki
重邦 佐々木
Akira Okada
顕 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP5019695A priority Critical patent/JPH08248368A/ja
Publication of JPH08248368A publication Critical patent/JPH08248368A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄い基板からなる薄型液晶光学素子の製造方
法と、光導波路に挿入した場合に十分低損失な光導波路
用薄型液晶光学素子となる素子と、該素子を用いた導波
型光デバイスとを提供する。 【構成】 2枚の仮基板上にポリマーフィルムをそれぞ
れ形成する工程と、前記仮基板上に形成されたポリマー
フィルム上に透明電極を形成する工程と、前記電極上お
よび前記ポリマーフィルム上に配向処理を施す工程と、
前記仮基板上に形成された前記ポリマーフィルムの表面
を対向させて、該仮基板ごと2枚のポリマーフィルムを
貼り合わせる工程と、前記2枚の仮基板をそれぞれポリ
マーフィルムから剥離する工程と、を少なくとも有する
製造方法により、液晶光学素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリマーフィルムを基
板とする薄い液晶光学素子の製造方法と、光導波路中に
挿入することにより機能性を発現する光導波路用薄型液
晶光学素子、および該液晶光学素子を用いた導波型光デ
バイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から光導波路で光機能素子を構成す
る工夫は種々検討されている。このうち、石英系光導波
路においては、マッハツェンダ干渉計と石英の熱光学効
果を利用した光スイッチ素子が開発されている。この光
スイッチ素子は、導波路の屈折率の温度依存性を利用し
ているため、低損失の光スイッチとなるが、加熱に薄膜
ヒータを用いているため、電力消費が大きいという欠点
がある。
【0003】電力消費を低減するのに有効な方法と考え
られるものとして、特開平2−302737号に、Y分
岐した光ファイバの先端または中間部に液晶素子を作り
込んだ光スイッチが提案されている。この発明では、光
ファイバの端面が液晶素子の基板となるため、通常の液
晶素子の作製工程とは異なる極めて困難な作製工程が必
要であるという問題がある。また、光ファイバ以外の光
導波路の端面を液晶素子の基板として加工することは、
通常の方法では不可能であり、基板上に形成された光導
波路など光ファイバ部品以外への適用はできない。
【0004】これに対して、本発明者らは、特願平5−
333258号において、基板上に形成された光導波路
中に間隙を設け、この間隙に液晶素子を挿入する構成を
採用することにより、簡便な作製工程で光スイッチを製
造できることを明らかにしている。
【0005】このような液晶素子を組み込んだ導波型光
デバイスを、実用性の高いものとするためには、素子挿
入に伴う過剰損失をできるだけ小さく抑えることが重要
である。そのためには、液晶素子の厚さを薄くすること
が必要である。
【0006】通常の表示装置用液晶素子の基板には、ガ
ラスが多く用いられているが、10μm未満のガラスは
極めて脆弱であるため、前記液晶素子の基板として使用
することはできない。また、最近では、基板に複屈折の
小さいプラスチックであるポリエーテルスルホンフィル
ムを用いた携帯用液晶表示素子も製造されている。この
ポリエーテルスルホンフィルムは、膜厚が約100μm
であり、ガラス基板に比べると格段に薄い。しかし、こ
の携帯用液晶表示素子の厚さは200μm以上あり、導
波路に挿入する液晶素子としては厚く、挿入に伴う過剰
損失を低減できない。また、ガラスと同様、10μm未
満のプラスチックフィルムは、極めて脆弱であるため、
通常の液晶素子製造方法を用いる限り、基板として使用
することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した光スイッチ、
すなわち、基板上に形成された光導波路中に間隙を設け
て液晶素子を挿入した構成の光スイッチでは、液晶素子
として通常の表示装置用液晶素子を挿入しようとする
と、液晶素子の厚みのために挿入損失が大きくなるとい
う問題が生じる。しかも、液晶素子を薄くするために基
板を薄くすると、その脆弱さのために、通常の素子製造
方法では目的とする薄型液晶光学素子を得ることは困難
である、という問題がある。
【0008】本発明の課題は、前記従来の問題を解決
し、薄い基板からなる薄型液晶光学素子の製造方法を提
供すること、および光導波路に挿入した場合に十分低損
失な光導波路用薄型液晶光学素子となる素子と、該素子
を用いた導波型光デバイスとを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前記課題を
解決するために薄型液晶光学素子の製造方法について検
討を重ねた結果、薄いポリマーフィルムを基板に用いた
液晶光学素子の新規な製造方法に到達した。また、低損
失の光導波路用薄型液晶光学素子、および該液晶光学素
子を用いた低損失の導波型光デバイスが実現可能である
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の第1の発明は、液晶光
学素子の製造方法についてであり、2枚の仮基板上に前
記ポリマーフィルムをそれぞれ形成するポリマーフィル
ム形成工程と、前記仮基板上に形成されたポリマーフィ
ルム上に透明電極を形成する電極形成工程と、前記電極
上および前記ポリマーフィルム上に配向処理を施す配向
処理工程と、前記仮基板上に形成された前記ポリマーフ
ィルムの表面を対向させて、該仮基板ごと2枚のポリマ
ーフィルムを貼り合わせるフィルム貼り合わせ工程と、
前記2枚の仮基板をそれぞれポリマーフィルムから剥離
する仮基板剥離工程と、前記2枚のポリマーフィルム間
に液晶を注入する液晶注入工程と、を有することを特徴
とする。
【0011】なお、前記構成において、液晶注入工程
は、フィルム貼り合わせ工程の後でも、仮基板剥離工程
の後でも、どちらでも実施可能である。
【0012】また、本発明の第2の発明は、光導波路に
挿入して使用する薄型液晶光学素子についてであり、基
板の少なくとも一方がポリイミドであることを特徴とす
る。
【0013】また、本発明の第3の発明は、さらに、素
子の厚さが20μm以下であることを特徴とする。
【0014】また、本発明の第4の発明は、導波型光デ
バイスについてであり、基板上に形成された光導波路の
一部にこの光導波路の光学軸を横切る間隙が形成され、
この間隙に、前記光学軸を横切るように、本発明の第2
の発明の光導波路用薄型液晶光学素子が挿入されている
ことを特徴とする。
【0015】
【作用】一般的な液晶光学素子の断面図を、図1に例示
する。図1において、1はポリマーフィルム、2は電
極、3は液晶配向層、4は液晶、5はシール剤、6はス
ペーサである。スペーサ6はシール剤5に混入するだけ
の場合もある。
【0016】このような素子を製造する通常の方法を、
図2ないし図7を参照して説明する。まず、図2に示す
ように、2つのポリマーフィルム1にそれぞれ導電体層
を積層し、この導電体層をパターニングして電極2を形
成する(図3)。次に、図4に示すように、これらの上
に液晶配向層3を設け、一方のポリマーフィルム1にス
ペーサ6を散布するとともに(図5)、他方のポリマー
フィルム1にシール剤5を塗布する。続いて、図6に示
すように、2つのポリマーフィルム1、1を互いに貼り
合わせて空セルを作製し、得られた空セルに液晶を注入
する(図7)。
【0017】この製造方法では、素子の基板となるポリ
マーフィルムにある程度の強靭さが必要であり、そのた
め、ポリマーフィルムにある程度の厚みが必要となる。
したがって、この従来の製造方法では、本願発明が対象
とする光導波路用薄型液晶光学素子を得ることができな
い。
【0018】これに対し、本発明の液晶光学素子の製造
方法を、図8ないし図12に示す。本発明の製造方法で
は、ポリマーフィルムを仮基板上で製膜した後、仮基板
ごと素子作製を行う。このため、ポリマーフィルムの膜
厚を薄くしても製造上問題は生じないので、ポリマーフ
ィルムの膜厚を大幅に薄くした液晶光学素子を容易に得
ることができる。。
【0019】すなわち、図8に示すように、まず、ポリ
マーフィルム1を仮基板7上に形成する。支持体となる
仮基板7を用いることにより、ごく薄いポリマーフィル
ム1を再現性よく形成することができる。この薄いポリ
マーフィルム1の形成は、ポリマー溶液またはポリマー
前駆体溶液を仮基板7上に、スピンコート、ディップコ
ートなどの方法で塗布し、塗布後、加熱して溶媒を除去
することにより、実現される。ポリマー前駆体溶液の場
合には、ポリマー化も行う。このポリマーフィルム形成
工程では、この他にポリマーフィルムを仮基板に貼り付
けることも可能である。この工程で形成されるポリマー
フィルムは、膜厚が薄いときにも機械的強度の高いもの
が好適である。
【0020】次の工程では、図9に示すように、仮基板
7上に形成されたポリマーフィルム1上に電極2を形成
する。この電極形成工程では、ポリマーフィルム1に対
する処理を仮基板7ごと行うので、取り扱いやすさがよ
り一層向上する。電極2の材料としては、ITO(イン
ジウム・スズ酸化物)等の金属酸化物や、金、アルミニ
ウムなどの金属等が使用できる。スパッタ蒸着などで電
極材料の薄膜をポリマーフィルム1上に形成した後、フ
ォトリソグラフィ技術等によって、パターニングして、
電極2を形成する。
【0021】続く工程では、図10に示すように、配向
処理を施す。この配向処理工程でも、仮基板1ごと処理
するので、取り扱いやすさが向上する。配向処理として
は、前記電極を形成したポリマーフィルム1の表面に有
機高分子膜を形成した後、この有機高分子膜にラビング
(こすり)処理を施して、配向層3を形成する処理や、
SiOを斜方蒸着して、配向層3を形成する処理、など
が挙げられる。
【0022】さらに、次の工程では、図11に示すよう
に、2つの仮基板7上に形成されたポリマーフィルム1
の各表面が対向するように、仮基板7ごと2枚のポリマ
ーフィルム1を貼り合わせる。この貼り合わせ工程で
は、素子基板となるポリマーフィルム1、1間を加圧し
て平行とするが、この加圧平行処理を仮基板7ごと行う
ので、ポリマーフィルム1、1間の平行度を、より一層
高めることができる。また、仮基板7ごと処理すること
により、ポリマーフィルム1のたわみや静電気などによ
る操作の困難性を回避し、取り扱いやすいさを向上させ
ることができる。
【0023】次の工程では、図12に示すように、仮基
板7をポリマーフィルム1から剥離する。この仮基板剥
離工程で、ポリマーフィルム1から仮基板7を剥離する
ことで、ポリマーフィルム1を素子基板とする薄い液晶
光学素子の空セルが形成できる。仮基板を剥離する方法
としては、カッターでポリマーフィルム1の周辺部を切
断する方法などが挙げられる。
【0024】最後に、図示しないが、得られた空セルに
液晶を充填して、目的とする液晶光学素子が得られる。
なお、液晶の注入は、図11に示したフィルム貼り合わ
せ工程の後に実施してもよい。
【0025】本発明の第2の発明である光導波路用薄型
液晶光学素子においては、素子基板であるポリマーフィ
ルムとしてポリイミドフィルムを使用する。ポリイミド
フィルムは、機械的強度が大きいので、非常に薄い光導
波路用薄型液晶光学素子を作製するときは特に威力を発
揮する。また、このポリイミドフィルムは、耐熱性が高
いため、電極形成時に温度を高くすることができ、その
結果、高品質の電極を形成することができる。この素子
の製造方法としては、本発明の第1の製造方法も適用で
きるし、従来の製造方法も適用できる。本発明における
ポリイミドとしては、種々のポリイミドが使用できる
が、耐湿性・透明性の観点からフッ素化ポリイミドが好
適である。
【0026】ポリイミドフィルムを素子基板として使用
することにより、本発明の第3の発明に示すような素子
の厚さ20μm以下の光導波路用薄型液晶光学素子を得
ることができ、したがって、実用性の高い導波型光デバ
イスを得ることができる。光導波路に形成した隙間に挿
入する素子の厚みと、素子挿入による過剰損失との関係
については、例えば、波長板の例について、Y.Ino
ueらがTech.Dig.Integrated P
hotonics Res.,64(1994)に報告
している。それによれば、シングルモード光導波路、使
用波長1.55μmの場合に、素子の厚みが20μm以
下であれば、挿入に伴う過剰損失を実用的な0.5dB
以下に抑えることができる。
【0027】本発明の第4の発明である導波型光デバイ
スの構成例を、図13に示す。この導波型光デバイス
は、基板12上に形成された光導波路9の光路に前記構
成の薄型液晶光学素子を挿入する構造のもので、例え
ば、光スイッチとして機能する。このデバイスでは、前
記のようにして得られた光導波路用薄型液晶光学素子8
を、光導波路9を横切るように形成されている間隙13
に挿入し、前記素子8に電界を印加して液晶の配向を動
作させることにより、入射光10に対して変調された出
射光11を得ることができる。この構成では、20μm
以下という極めて薄い光導波路用薄型液晶光学素子を使
用するため、挿入損失の小さい実用的な導波型光デバイ
スが得られる。また、受動的光導波路に種々の機能性を
付与することができ、種々の導波型光デバイスを得るこ
とができる。図13の構成では、光導波路用薄型液晶光
学素子を透過型素子として使用しているが、反射型素子
とすることもできる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0029】(実施例1)本実施例では、素子基板とし
てITO(Indium Tin Oxide)電極を備えたポリイミド
フィルム、液晶材料として市販のネマティック液晶を用
いて行った、本発明の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造例を示す。
【0030】本実施例での具体的な製造工程を、図14
ないし図20に示す。
【0031】図14に示す最初の工程では、仮基板7上
にポリイミドのフィルム1を形成する。このポリマーフ
ィルム形成工程では、まず、1.2mm厚のガラスの仮
基板7上にポリイミド酸溶液を熱処理後の膜厚が5μm
になるようにスピンコートし、これを所定の温度で熱処
理してイミド化する。スピンコートの際には、図に示す
ように仮基板7の側面や裏面に回り込む分があるが、こ
こではこれを除去しない。使用するポリイミドは、例え
ば、下記式(1)の構造を繰り返し単位として有するフ
ッ素化ポリイミドである。また、仮基板7としては、ガ
ラスの他にシリコンウェハ、アルミニウム基板などが使
用できる。
【0032】
【化1】
【0033】次の、図15に示す工程(電極形成工程)
では、仮基板7上に形成したポリイミドフィルム1の表
面にITO(Indium Tin Oxide)をスパッタ蒸着する。
式(1)で示したポリイミドフィルム1上にECRスパ
ッタ法により1000Å厚で形成したITO膜2は、8
0%以上の光透過率を持ち1kΩ/□以下の低い電気抵
抗を示す透明電極2として好適である。反射型の素子と
して使う場合には、電極を反射体とするために金などを
蒸着する。
【0034】次の、図16に示す工程(電極形成工程)
では、フォトリソグラフィ技術により蒸着したITO膜
2を電極形状に加工する。まず、ITO膜2上にフォト
レジストをスピンコートし、プリベークした後、所望の
フォトマスクを介して露光し、現像する。ポストベーク
した後、王水系のエッチング液で露出したITO膜を除
去する。その後、残っているレジストをレジストリムー
バーで除去することにより、所望の形状をしたITO膜
(電極)2が得られる。その他に、所望の形状が単純な
場合には、ITO膜の残したい部分のみを耐エッチング
性のテープなどでマスクしてエッチングすることによっ
ても可能である。
【0035】次の、図17に示す工程(配向処理工程)
では、電極2およびポリイミドフィルム1の表面に液晶
配向層3を形成する。この液晶配向層3を形成するに
は、ポリイミドフィルム1および電極2を有する前記仮
基板7を真空容器内に設置し、仮基板7を回転させなが
ら、仮基板7の基板面から約10度の方向からSiOを
約1000Å蒸着する。この液晶配向層3以外のその他
の液晶配向層として、高分子ラビング膜も好適に使用で
きる。高分子ラビング膜は、ポリイミドやポリビニルア
ルコール(PVA)などの高分子を、スピンコート等の
方法で、電極2および素子基板であるポリイミドフィル
ム1上に形成した後、その表面をナイロンロールなどで
一方向にラビングする(こする)ことにより形成でき
る。このような液晶配向層に液晶が接触すると、液晶分
子が、蒸着方向あるいは前記ラビングした方向に配列す
る。
【0036】次の、図18に示す工程では、まず、前記
2枚の仮基板7の一方の前記配向層3上にスペーサ6を
散布する。この場合、所望の径、例えば5μm径のスペ
ーサ6を、所望の密度になるように、散布する。次に、
もう一枚の仮基板7の配向層3上には、所望の形状およ
び位置にシール剤5を塗布する。シール剤5の塗布には
適量を人手により塗るほかに、スクリーン印刷などの手
法が使える。また、塗布したシール剤5は、通常は予備
硬化させておく。
【0037】次の、図19に示す工程は、2枚の素子基
板(ポリイミドフィルム1、1)を貼り合わせるフィル
ム貼り合わせ工程である。前述のスペーサ6を散布した
仮基板7と、シール剤5を塗布した仮基板7を、双方の
液晶配向層3が相対するように、貼り合わせる。その際
には、上下の仮基板7、7を位置合わせした後、重石を
載せるなどして加圧し、所定の加熱または紫外線照射に
よりシール剤5を硬化させる。また、貼り合わせる方向
は必要により、上下の液晶配向層3の配向軸が互いに0
度、90度などになるように設定する。
【0038】次の、図20に示す工程は、仮基板剥離工
程である。仮基板7の側面あるいは裏面に回り込んでい
る部分のポリイミドフィルム1をカッター14で切断す
ることにより、ポリイミドフィルム1から仮基板7を容
易に剥離することができる。図はこの様子を表している
が、図中残りの箇所も同様にカッター14で切断して、
完全に仮基板7をポリイミドフィルム1から剥離する。
この後、必要ならばポリイミドフィルム1を所望の形状
に鋏などで切断、成形して、ポリイミドフィルムを素子
基板とした空の液晶セルが得られる。このときの素子の
厚さは、約15μmである。
【0039】最後に、この空の液晶セルに、例えば、メ
ルク社のネマティック液晶ZLI2293を注入して、
目的とする光導波路用薄型液晶光学素子を得る。液晶の
注入は、室温または加熱した状態で毛細管現象を利用し
て行う。また、液晶の注入は、前記仮基板剥離工程の後
で行っても良いが、前記フィルム貼り合わせ工程の後で
行うこともできる。また、他の種類の液晶も適用可能で
あり、例えば、強誘電性液晶を用いれば、より高速な動
作が可能であるし、高分子液晶を用いれば、より機械的
強度の大きい素子が形成できる。もちろん、液晶材料
は、単独の液晶化合物である必然性はなく、それらの組
成物、あるいは接着剤、非液晶性高分子等を含んだ液晶
組成物であっても良い。
【0040】このようにポリイミドフィルムを形成した
仮基板をそのまま利用して素子作製工程を行うことによ
り、極めて薄い透明電極付きポリイミドフィルムからな
る、実用上使用可能な程度に挿入損失の小さい光導波路
用薄型液晶光学素子を得ることができる。
【0041】(実施例2)本実施例では、本発明の光導
波路用薄型液晶光学素子を導波路型光スイッチに適用し
た実施例を述べる。
【0042】ここでは、光導波路の材料として、例え
ば、2,2−トリフルオロメチル−4,4−ジアミノビ
フェニル(TFDB)とピロメリット酸二無水物(PM
DA)および2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)か
らなるフッ素化ポリイミド(以下、それぞれをPMDA
/TFDB,6FDA/TFDBと略記する)を用いた
場合について、説明する。光導波路のコアには、PMD
A/TFDBを用い、クラッドにはPMDA/TFDB
と6FDA/TFDBの組成比が9:1の共重合体を用
いる。この場合、コアの基板面に平行な偏波面をもつ光
(TE波)に対する屈折率は、クラッドの屈折率に比べ
て大きいが、基板面に垂直な偏波面をもつ光(TM波)
に対する屈折率は、クラッドの方がコアよりも大きい。
したがって、上記フッ素化ポリイミド光導波路では、T
E波のみが導波可能となる。
【0043】一方、光導波路用薄型液晶光学素子として
は、図19に示したフィルム貼り合わせ工程において、
上下の液晶配向層3の配向軸が互いに90度になるよう
に貼り合わせたものに、メルク社のネマティック液晶Z
LI2293を注入した素子について説明する。
【0044】本発明の光導波路用薄型液晶光学素子が光
導波路中に挿入されてなる導波型光デバイスの構成は、
図13に例示した。無電界時には、液晶は、いわゆるね
じれネマティックの配向状態にあり、旋光性を有するか
ら、TE波を入射させると、出射側にはTM波が現れ
る。上記のフッ素化ポリイミド光導波路は、前記のよう
に、TM波を導波しないから、このとき導波路9を通過
する光は遮断されることになる。このような設定から電
界を印加すると、液晶の配向方向は、電界の方向すなわ
ち光導波路9の長軸方向になる。このとき、液晶の旋光
性は消失するから、TE波を入射させると、出射側には
TE波が現れる。したがって、このような構成により、
電界で出射光のオンオフを制御できる導波路型光スイッ
チが得られる。
【0045】このように、素子の厚みが20μm以下の
極めて薄い光導波路用薄型液晶光学素子を用いることに
より、実用上使用可能な程度に挿入損失の小さい種々の
導波路型光デバイスを得ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶光学
素子の製造方法にしたがって、ポリマーフィルムを形成
した仮基板をポリマーフィルムから剥離することなく、
素子作製工程に使用することにより、容易に薄い液晶光
学素子が得られる。また、本発明の光導波路用薄型液晶
光学素子は、透明電極にポリイミドを使うことにより、
素子の厚みを20μm以下とすることが可能であるか
ら、基板上に形成された光導波路中に設けられた間隙に
挿入して使用する場合に、低挿入損失であり、実用性が
高いという利点がある。また、本発明の光導波路用薄型
液晶光学素子を基板上に形成された光導波路中に設けら
れた間隙に挿入して使用することにより、液晶の電気光
学効果を利用した種々の導波型光デバイスを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶光学素子の断面図である。
【図2】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図3】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図4】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図5】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図6】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図7】従来の製造方法による液晶光学素子の製造工程
図である。
【図8】本発明の製造方法による液晶光学素子の製造工
程図である。
【図9】本発明の製造方法による液晶光学素子の製造工
程図である。
【図10】本発明の製造方法による液晶光学素子の製造
工程図である。
【図11】本発明の製造方法による液晶光学素子の製造
工程図である。
【図12】本発明の製造方法による液晶光学素子の製造
工程図である。
【図13】本発明の光導波路用薄型液晶光学素子が基板
上に形成された光導波路中の間隙に挿入されている導波
型光デバイスの構成図である。
【図14】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図15】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図16】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図17】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図18】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図19】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【図20】実施例1の光導波路用薄型液晶光学素子の製
造工程図である。
【符号の説明】
1 ポリマーフィルム(ポリイミドフィルム) 2 電極 3 液晶配向層 4 液晶 5 シール剤 6 スペーサー 7 ポリマーフィルム製膜用の仮基板 8 光導波路用薄型液晶光学素子 9 光導波路 10 入射光 11 出射光 12 光導波路の基板 13 挿入用に形成された間隙 14 カッター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 顕 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有するポリマーフィルム間に液晶
    材料を挾持してなる液晶光学素子の製造方法において、 2枚の仮基板上に前記ポリマーフィルムをそれぞれ形成
    するポリマーフィルム形成工程と、 前記仮基板上に形成されたポリマーフィルム上に透明電
    極を形成する電極形成工程と、 前記電極上および前記ポリマーフィルム上に配向処理を
    施す配向処理工程と、 前記仮基板上に形成された前記ポリマーフィルムの表面
    を対向させて、該仮基板ごと2枚のポリマーフィルムを
    貼り合わせるフィルム貼り合わせ工程と、 前記2枚の仮基板をそれぞれポリマーフィルムから剥離
    する仮基板剥離工程と、 前記2枚のポリマーフィルム間に液晶を注入する液晶注
    入工程と、を有することを特徴とする液晶光学素子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 電極を有するポリマーフィルム間に液晶
    材料を挾持してなる液晶光学素子において、前記ポリマ
    ーフィルムの少なくとも一方がポリイミドフィルムであ
    ることを特徴とする光導波路用薄型液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 素子の厚さが20μm以下であることを
    特徴とする請求項2に記載の光導波路用薄型液晶光学素
    子。
  4. 【請求項4】 基板上に形成された光導波路の一部にこ
    の光導波路の光学軸を横切る間隙が形成され、この間隙
    に、前記光導波路の前記光学軸を横切るように、請求項
    2記載の光導波路用薄型液晶光学素子が挿入されている
    ことを特徴とする導波型光デバイス。
JP5019695A 1995-03-09 1995-03-09 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス Pending JPH08248368A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5019695A JPH08248368A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5019695A JPH08248368A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08248368A true JPH08248368A (ja) 1996-09-27

Family

ID=12852400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5019695A Pending JPH08248368A (ja) 1995-03-09 1995-03-09 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08248368A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008203619A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Citizen Holdings Co Ltd 液晶表示パネルの製造方法
JP2010032768A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Hitachi Displays Ltd 表示装置およびその製造方法
JP2015129830A (ja) * 2014-01-07 2015-07-16 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置及び表示装置の製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008203619A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Citizen Holdings Co Ltd 液晶表示パネルの製造方法
JP2010032768A (ja) * 2008-07-29 2010-02-12 Hitachi Displays Ltd 表示装置およびその製造方法
JP2015129830A (ja) * 2014-01-07 2015-07-16 株式会社ジャパンディスプレイ 表示装置及び表示装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3178773B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
EP0642052A1 (en) Polymeric thermo-optical waveguide device
TWI312088B (en) Liquid crystal display device and optical laminate
US20060204197A1 (en) Optical waveguide and method for preparing the same
KR19990079770A (ko) 반사형 액정표시소자의 반사판
JP3854077B2 (ja) 導波路型光素子及びその作製方法
JPH08248368A (ja) 液晶光学素子の製造方法と光導波路用薄型液晶光学素子および導波型光デバイス
WO2012086159A1 (ja) 表示装置並びに薄膜トランジスタ基板及びその製造方法
JP2914545B2 (ja) 導波路型光非線形素子
JP2001311949A (ja) 入出力一体型表示装置
JP3204256B2 (ja) 液晶素子及びその製造方法並びに液晶表示素子及びその駆動方法
KR20030031439A (ko) 홀로그램 및 전도성 층을 함유하는 디스플레이 소자
JPH08334757A (ja) 液晶表示装置、偏光位相差複合フィルムおよびそれらの製造方法
JPH08227062A (ja) 光導波路用薄型液晶光学素子および光導波路素子
JPH0667232A (ja) 導波路型光非線形素子
JP3040499B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
US11353772B1 (en) Photonic device structure and method of manufacturing the same, and electro-optic waveguide
JPH1138451A (ja) 薄型電界制御複屈折型液晶素子及び光導波路型光変調素子
US20230236457A1 (en) Methods for manufacturing a liquid crystal device comprising an interstitial substrate
KR100599618B1 (ko) 액정 표시 장치의 제조 방법
JP3591479B2 (ja) 液晶素子
JP2007140045A (ja) 導波路デバイス作製方法および導波路デバイス
JP3832950B2 (ja) プラスチック液晶表示素子の製造方法
JPH11264967A (ja) 液晶表示装置
JPH10307225A (ja) 導波路型光素子及び導波路型光素子の製造方法