次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
まず、本発明の実施形態による三次元周期構造体、光学素子、及び光学製品を図面と共に説明する。
本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体は、表面を備えた基板を有し、その基板の表面は、基板の表面における第一の方向及びその第一の方向に垂直な第二の方向の少なくとも一つの方向に対して周期的且つ対称的であると共に第一の方向及び第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して非対称的である周期的形状を備える。また、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体は、基板の周期的形状を備えた表面に三次元的に周期的に設けられた周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する複数の層を含む。本発明の第一の実施形態の三次元周期構造体によれば、基板に設ける複数の層に含まれる所望の周期的形状と同一の周期的形状が基板の表面に形成されており、基板と基板上に設ける層の間に従来技術において用いられる調整層を設ける必要がないため、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。すなわち、従来技術における調整層の製造に関する製造誤差がないため、三次元周期構造体をより高い精度で製造することができる。よって、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体は、従来の三次元周期構造体と比較して、安価な三次元周期構造体を提供することができ、三次元周期構造体を容易に量産することが可能になる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、基板の表面に設けられた周期的形状と同一の形状とは、基板の表面に設けられた周期的形状と完全に同一の形状及び基板の表面に設けられた周期的形状と実質的に同一とみなされる形状の両方を含む。また、本明細書及び特許請求の範囲において、三次元周期構造体とは、三次元的に周期的に設けられる、同一の又は実質的に同一とみなせる周期的形状を備えた表面を有する複数の層を含む構造体を意味する。本発明の実施形態において、基板の材料としては、シリコンなどの半導体基板用の材料、単結晶の材料、及び石英、青色基板材料、白色基板材料などのガラス材料からなる群より選択される材料を、用途に応じて適宜用いることができる。例えば、三次元周期構造体を1.3μm程度の波長域の赤外線に対して使用する場合には、基板の材料としてシリコンなどの半導体基板用の材料を用いることができる。また、三次元周期構造体を可視光に対して使用する場合には、単結晶の材料や石英などのガラス材料を用いることができる。また、本発明の実施形態において、三次元周期構造体に含まれる層の材料は、好ましくは、シリコン、SiO2、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、Al2O3、In2O3、及びSnO2からなる群より選択される材料である。なお、基板の材料及び基板より上に設けられる層の材料に安価な材料を採用することで、三次元周期構造体の価格を低下させることも可能となる。本発明の実施形態においては、従来技術における調整層を設ける必要がないので、基板の表面に設ける層の材料のターゲットのみを用いればよく、従来技術よりも簡単な装置で三次元周期構造体を形成することができる。
また、本発明の実施形態による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、基板の周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する複数の層における互いに隣接する層の材料は、互いに異なる。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、基板の周期的形状と同一の形状を備えた表面を有すると共に互いに隣接する層の材料が異なる複数の層を含む、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。例えば、それぞれ基板の周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する、高屈折率材料からなる層及び低屈折材料からなる層を交互に積層させて得られる三次元的に周期的な屈折率分布を有する三次元周期構造体が挙げられる。この場合には、高屈折率材料及び低屈折材料の二種類のターゲットのみを用いて、三次元周期構造体を製造することができる。
さらに、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数の層の材料は、基板の材料と異なる。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、基板の材料と異なる複数の層を含む、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。すなわち、基板の材料と同一の材料を含む層を設ける必要が無く、基板より上に設けられる層の材料として基板の材料と異なる材料を選択することができる。よって、基板の材料及び基板より上に設けられる層の材料として様々な材料を選択する自由度を向上させ、様々な材料の基板及び層を有する三次元周期構造体を提供することができる。例えば、基板の表面に複数の層を設ける場合に、基板の材料と独立に複数の層の構成(屈折率及び厚さ)を選択することで、十分な光学特性を有する三次元周期構造体の光学素子を提供することができる。
また、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数の層は、互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた複数の層である。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた複数の層を含む、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。また、このように互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させることで、三次元周期構造体の光学特性を調整することができる。
さらに、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、基板の表面及び基板の表面に設けられる層の周期的形状は、側辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の三角柱の側面の形状を含む。言い換えれば、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体は、基板の表面における特定の一つの方向において三角波形状を備えた断面を有し、その特定の一つの方向と垂直な方向において長方形の形状の断面を有する。なお、三角柱とは、同一な三角形である二つの底面及び三つの長方形の側面を備えた角柱である。ここで同一な三角形とは、完全に合同な三角形及び実質的に合同とみなせる三角形の両方を含むものとする。また、複数の三角柱の側面は、好ましくは、二等辺三角柱の二等辺三角形の二つの等しい辺を含む二つの側面からなる。なお、二等辺三角柱とは、二つの底面が二等辺三角形である三角柱である。言い換えれば、基板の表面における特定の一つの方向において二等辺三角波の形状を備えると共にその特定の一つの方向に垂直な方向に長方形の形状の断面を有する。なお、二等辺三角波とは、二等辺三角形の二つの等しい辺からなる波形の形状である。また、二つの等しい辺(二等辺)とは、完全に等しい長さの二つの辺も実質的に等しいとみなせる長さの二つの辺も含む。基板の表面に複数の層を設け、基板の表面に設けられる複数の層の形状を、側辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の三角柱の側面の形状にすることにより、三次元周期構造体を偏光子として用いる場合に、基板の表面に複数の平坦な層を設ける偏光ビームスプリッターよりも、少ない数(約1/4〜1/3)の層で同等の偏光分離特性を達成することができる。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、側辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の三角柱の側面の形状を含む周期的形状を備えた表面を有する、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。なお、三角柱の側面のなす角度が小さいほど、十分な(偏光分離特性のような)光学特性を得るために必要な、基板の表面に設ける層の数を減少させることができる。
また、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、基板の表面及び基板の表面に設けられる層の周期的形状は、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面の形状を含む。言い換えれば、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体は、基板の表面における特定の互いに垂直な二つの方向において二等辺三角波の形状を備えた断面を有する。なお、正四角錐とは、正方形の底面及び同一な二等辺三角形である四つの側面を備えた四角錐である。また、二等辺三角波とは、二等辺三角形の二つの等しい辺からなる波形の形状である。さらに、二つの等しい辺(二等辺)とは、完全に等しい長さの二つの辺も実質的に等しいとみなせる長さの二つの辺も含む。また、同一な二等辺三角形とは、完全に合同な二等辺三角形及び実質的に合同とみなせる二等辺三角形の両方を含むものとする。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面の形状を含む、周期的形状を備えた表面を有する、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。言い換えれば、基板の表面に複数の正四角錐の側面が、正四角錐の底辺を供給して隣接して配列するような形状の三次元周期構造体を提供することができる。このような三次元周期構造体に収束する又は発散する光を入射させる場合に、特定方向に電場の振動面を有する偏光成分とその特定方向と垂直な方向に電場の振動面を有する偏光成分を分離する三次元周期構造体の性能を向上させることができる。三次元周期構造体に完全に平行に入射する平行光を実現することは、実際には困難であるため、現実には平行光に対して例えば±10°程度で収束又は発散する光を三次元周期構造体に入射させることになるが、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面の形状を含む周期的形状を備えた層を有する三次元周期構造体を用いることで、入射する光における互いに垂直に振動する電場の振動面を有する偏光成分を十分に分離することができる。なお、正四面体の頂点の角度が小さいほど、十分な(偏光分離特性のような)光学特性を得るために必要な、基板の表面に設ける層の数を減少させることができる。
さらに、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数の層は、第一の積層体及び第二の積層体を含み、第一の積層体においては、第一の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層が、周期的に複数個積層されており、第二の積層体においては、第一の光学膜厚と異なる第二の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層が、周期的に複数個積層されている。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、少なくとも第一の積層体及び第二の積層体を含む、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、層の光学膜厚とは、層の厚さ及び層の材料の屈折率の積を意味するものとする。さらに、層の厚さとは、複数の層が積層される方向又は基板の周期的形状を備えた面に垂直な方向に沿った層の厚さを意味する。このように、基板に第一の積層体及び第二の積層体を設けると共に第一の積層体に含まれる層の構成及び第二の積層体に含まれる複数の層の構成を調整して、様々な特性を有する三次元周期構造体を形成することができる。すなわち、第一の積層体に含まれる層の光学膜厚及び第二の積層体に含まれる層の光学膜厚を調整することで、三次元周期構造体の光学特性を調整することができる。特に、第一の積層体及び第二の積層体の少なくとも一方に複数の層が含まれる場合には、複数の層の厚さ及び材料(屈折率)を適切に選択することによって、三次元周期構造体の偏光分離特性などの光学特性を十分な特性にする又は向上させる(最適化する)ことが可能となる。
また、本発明による第一の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数の層は、第一の積層体及び第二の積層体の間に、第一の光学膜厚及び第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を含む。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、少なくとも第一の積層体及び第二の積層体並びに第一の光学膜厚及び第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を含む、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を提供することができる。第一の積層体及び第二の積層体の間に、第一の光学膜厚及び第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を設けることによって、三次元周期構造体の光学特性を改善することができる。例えば、三次元周期構造体を偏光子として用いる場合には、互いに異なる光学膜厚の複数の層を含む第一の積層体及び第二の積層体の間に、第一の積層体及び第二の積層体に含まれる複数の層の光学膜厚よりも小さい光学膜厚の層を設けることで、広い波長の範囲にわたって十分に互いに直交する偏光成分を分離することができる偏光子を提供することができる。
本発明による第二の実施形態の三次元周期構造体は、第一の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第一の積層体及び前記第一の光学膜厚と異なる第二の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第二の積層体を含む。本発明による第二の実施形態の三次元周期構造体によれば、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を提供することができる。なお、本発明による第二の実施形態の三次元周期構造体においては、第一の積層体又は第二の積層体に含まれる層の形状並びに第一の積層体及び第二の積層体を支持する基板の表面の形状は、同一であっても異なっていてもよい。
また、本発明による第二の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、第一の積層体及び第二の積層体の間に、第一の光学膜厚及び前記第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を含む。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性をさらに向上させることが可能な三次元周期構造体を提供することができる。
本発明による第三の実施形態の三次元周期構造体は、基板及び基板に互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた積層体を含み、複数種類の層の各々は、基板の表面における第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向に対してそれぞれ周期的且つ対称的であると共に第一の方向及び第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して周期的且つ非対称的である形状の断面を有する。本発明による第三の実施形態の三次元周期構造体によれば、収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を提供することができる。基板の表面における第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向に対してそれぞれ周期的且つ対称的であると共に第一の方向及び第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して周期的且つ非対称的である形状としては、正四角錐の側面を含む形状、底面が長方形の四角錐の側面を含む形状、円錐の側面を含む形状などが挙げられる。ただし、三次元周期構造体の光学特性を向上させるためには、底面を共有して隣接する(正四面体を含む)四面体であることが望ましい。基板の表面に設けられる層の周期的形状が、底面を共有して隣接する(正四面体を含む)四面体の形状である場合には、基板の表面に対して平坦な層の部分が無いために、三次元周期構造体に入射する光の全体に対して、基板の表面に設けられる層の周期的形状による効果を付与することができる。例えば、三次元周期構造体が偏光子である場合には、三次元周期構造体に入射する光の全体に対して、互いに垂直な電場の振動面を有する偏光成分を分離することができる。また、基板の表面に設けられる層の周期的形状が、正方形の底面を共有して隣接する正四面体の形状を有する場合には、三次元周期構造体に入射する平行光束に対して、偏光成分を効果的に分離することができ、基板の表面に設けられる層の周期的形状が、長方形の底面を共有して隣接する四面体の形状を有する場合には、基板の表面における第一の方向及び第一の方向と垂直な第二の方向において異なる入射角の光束に対して、偏光成分を効果的に分離することができる。なお、本発明による第三の実施形態の三次元周期構造体においては、積層体に含まれる層の形状並びに積層体を支持する基板の表面の形状は、同一であっても異なっていてもよい。
また、本発明による第三の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数種類の層の各々は、第一の方向及び第二の方向の両方に対して同一の形状の断面を有する。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、第一の方向及び第二の方向の両方に対して対称的に収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を提供することができる。
さらに、本発明による第三の実施形態の三次元周期構造体においては、好ましくは、複数種類の層の各々は、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面を含む。言い換えれば、本発明による第二の実施形態の三次元周期構造体は、基板の表面における特定の互いに垂直な二つの方向において二等辺三角波の形状を備えた断面を有する。なお、正四角錐とは、底面が正方形であり、四つの側面が同一の二等辺三角形である四角推である。また、二等辺三角波とは、二等辺三角形の二つの等しい辺からなる波形の形状である。さらに、二つの等しい辺(二等辺)とは、完全に等しい長さの二つの辺も実質的に等しいとみなせる長さの二つの辺も含む。このような本発明の実施形態の三次元周期構造体によれば、第一の方向及び第二の方向の両方に対して対称的に収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性をより効率的に向上させることが可能な三次元周期構造体を提供することができる。
本発明の実施形態による光学素子は、上記の三次元周期構造体の少なくとも一つを含む。本発明の実施形態による光学素子によれば、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を含む光学素子、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を含む光学素子、又は、収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を含む光学素子を提供することができる。特に、フォトニック結晶構造を有する三次元周期構造体を含む、可視光に適用される光学素子を提供することができる。このような光学素子としては、特定方向に電場の振動面を有する光の偏光成分のみを透過させると共にその特定方向と直交する方向に電場の振動面を有する光の偏光成分のみを反射させる偏光子、及び1/4波長板及び1/2波長板などの波長板などが挙げられる。また、本発明の実施形態による光学素子によれば、小さい光路長、優れた消光比及び挿入損失特性、大きい開口面積を有する偏光子を、従来技術よりも容易に、よって、低価格で提供することができる。さらに、使用する光の波長領域に依存して優れた偏光特性を有する光学素子を設計することが可能となる。本発明の実施形態による光学素子としての偏光子を用いれば、従来の偏光子と比較して、より短い波長領域におけるより広い波長範囲の光の互いに直交する偏光成分も十分に分離することができる。すなわち、従来の偏光子と比較して、互いに直交する偏光成分が分離される光の波長範囲を、より短い波長領域で、より広い波長の範囲で調整することができる。
図3は、本発明の実施形態による偏光子としての三次元周期構造体の例を説明する図である。図3に示す三次元周期構造体1は、基板10、基板10の表面に交互に積層される複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30を含む。基板10の表面は、基板の表面における第一の方向に沿って三角波形状を有し、基板の表面における第一の方向に垂直な第二の方向に沿って長方形の形状を有する。すなわち、基板10の表面は、互いに側辺を共有して隣接する三角柱の側面の形状を有する。複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有する。このような三次元周期構造体1は、偏光子として用いることができる。図3に示す本発明の実施形態による三次元周期構造体は、図1に示す従来の三次元周期構造体100と異なり、調整層120を設ける必要がない。このため、図3に示す本発明の実施形態による三次元周期構造体は、より簡単な装置で、容易かつ安価に製造することができる。また、複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30の材料には、基板の材料と異なる材料を使用することができる。
図4は、本発明の実施形態による偏光子としての三次元周期構造体の別の例を説明する図である。図4に示す三次元周期構造体1は、基板10、基板10の表面に積層される第一の積層体及び第二の積層体、第一の積層体及び第二の積層体の間に設けられる層40を含む。第一の積層体は、交互に積層される複数の第一の高屈折率層22及び複数の第一の低屈折率層32を含む。また、第二の積層体は、交互に積層される複数の第二の高屈折率層24及び複数の第二の低屈折率層34を含む。なお、複数の第一の高屈折率層22の光学膜厚及び複数の第一の低屈折率層32の光学膜厚は、同一であり、複数の第二の高屈折率層24の光学膜厚及び複数の第二の低屈折率層34の光学膜厚も、同一である。ただし、複数の第一の高屈折率層22の光学膜厚及び複数の第一の低屈折率層32の光学膜厚は、複数の第二の高屈折率層24の光学膜厚及び複数の第二の低屈折率層34の光学膜厚と異なる。基板10の表面は、基板の表面における第一の方向に沿って三角波形状を有し、基板の表面における第一の方向に垂直な第二の方向に沿って長方形の形状を有する。すなわち、基板10の表面は、互いに側辺を共有して隣接する三角柱の側面の形状を有する。複数の第一の高屈折率層22及び複数の第一の低屈折率層32もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有する。また、複数の第二の高屈折率層24及び複数の第二の低屈折率層34もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有する。さらに、第一の積層体及び第二の積層体の間に設けられる層40もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有する。このような三次元周期構造体1は、偏光子として用いることができる。図4に示す本発明の実施形態による三次元周期構造体は、図3に示す偏光子としての三次元周期構造体と比較して、可視光のような短い波長領域で、より広い波長の範囲の全体にわたって、十分な偏光分離特性を有する。すなわち、図4に示す本発明の実施形態による三次元周期構造体の偏光子を用いることで、可視光のような短い波長領域における広い波長の範囲の全体にわたって、互いに直交する偏光成分を十分に分離することができる。
図5は、本発明の実施形態による偏光子としての三次元周期構造体のさらに別の例を説明する図である。図5に示す三次元周期構造体1は、基板10、基板10の表面に交互に積層される複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30(簡単のために、図5では一つの低屈折率層のみを示す)を含む。基板10の表面は、基板の表面における第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向に沿って三角波形状を有する。すなわち、基板10の表面は、互いに底辺を共有して隣接する正四角錐の側面の形状を有する。複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向及び第二の方向に沿って三角波形状を有する。このような三次元周期構造体1は、偏光子として用いることができる。図5に示す本発明の実施形態による三次元周期構造体は、図3に示す偏光子としての三次元周期構造体と比較して、三次元周期構造体に入射する平行光の互いに直交する偏光成分のみならず、三次元周期構造体に入射する収束又は発散する光の互いに直交する偏光成分を十分に分離することができる。
本発明の実施形態による光学製品は、本発明の実施形態による三次元周期構造体を含む上記の光学素子の少なくとも一つを含む。本発明の実施形態による光学製品によれば、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体を含む光学素子を有する光学製品、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を含む光学素子を有する光学製品、又は、収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体を含む光学素子を有する光学製品を提供することができる。このような光学製品としては、偏光子を備えた光アイソレータ、光サーキュレータ、及び光スイッチなどの、偏光子を含む光学機器のような光の偏光の性質を利用する光学機器が挙げられる。例えば、偏光子を有する液晶プロジェクタが挙げられる。
次に、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法を図面と共に説明する。
本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法は、表面における第一の方向及び第一の方向に垂直な第二の方向の少なくとも一つの方向に対して周期的且つ対称的であると共に第一の方向及び第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して非対称的である周期的形状を表面に備えた基板の表面に、基板の周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する複数の層を三次元的に周期的に設ける工程を含む。本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法によれば、三次元周期構造体をより容易に製造することが可能な三次元周期構造体の製造方法を提供することができる。具体的には、表面に周期的形状を備えた基板の表面に、スパッタリングによる成膜及び必要に応じて逆スパッタリングによる膜のエッチングを行うことにより、基板の周期的形状と同一の形状を有する複数の層を形成することができる。基板の周期的形状の凹部の溝や頂点には、スパッタリングによる成膜の際に膜が容易に付着し、基板の周期的形状の凸部の溝や頂点に付着した膜は、逆スパッタリングの際に選択的に除去される傾向がある。このような三次元周期構造体の製造方法によれば、例えば、表面における第一の方向に対して三角波形状であり、基板の表面における第一の方向に対して垂直な第二の方向に対して長方形の形状である周期的形状を備えた表面を有する基板に、基板の周期的形状と同一の形状を有する、異なる材料からなる複数の層を設けることができる。このような基板の表面に複数の層を、交互に複数個積層させることもできる。また、表面における第一の方向及び第一の方向に対して垂直な第二の方向の両方に対して三角波形状である周期的形状を備えた表面を有する基板に、基板の周期的形状と同一の形状を有する、異なる材料からなる複数の層を、交互に複数個積層させることができる。これらの複数の層の少なくとも一つに対して、逆スパッタリングによるエッチングを、単独で又はスパッタリングと併用して用いることにより、三次元周期構造体を、複数の層の各々に対する位置合わせをすることなく製造することができる。
また、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法においては、好ましくは、基板の表面に基板の周期的形状を形成する基板形成工程をさらに含む。このような本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法によれば、基板の表面及び基板の表面に設けられる層の周期的形状が制御された三次元周期構造体をより容易に製造することが可能な三次元周期構造体の製造方法を提供することができる。
図6(a)、(b)及び(c)は、本発明の実施形態による偏光子としての三次元周期構造体の製造方法の例を説明する図である。まず、図6(a)に示すように、基板より上に設ける層の周期的形状と同一の周期的形状を備えた表面を有する基板10を形成する。ここでは、基板10の表面の周期的形状は、基板10の表面における第一の方向に沿って三角波形状を有し、基板10の表面における第一の方向に垂直な第二の方向に沿って長方形の形状である。すなわち、基板10の表面は、互いに側辺を共有して隣接する三角柱の側面の形状を有する。次に、図6(b)に示すように、基板10の周期的形状を備えた表面に、基板10の材料と異なる高屈折率材料からなる高屈折率層20を積層させる。高屈折率層20は、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有するように形成される。このような高屈折率層20を、高屈折率材料をターゲットしてスパッタリングによって成膜すると共に逆スパッタリングによって余分な膜をエッチングすることによって形成することができる。同様に、高屈折率層20の周期的形状を備えた表面に、高屈折率材料と異なる低屈折率材料からなる低屈折率層30を積層させる。低屈折率層30もまた、基板10の表面と同一である、第一の方向に沿って三角波形状を有し、第二の方向に沿って長方形の形状を有するように形成される。このような低屈折率層30もまた、低屈折率材料をターゲットしてスパッタリングによって成膜すると共に逆スパッタリングによって余分な膜をエッチングすることによって形成することができる。さらに、図6(c)に示すように、スパッタリングによる成膜及び逆スパッタリングによるエッチングを繰り返して、同様に、複数の高屈折率層20及び複数の低屈折率層30を交互に積層させて、偏光子としての三次元周期構造体1を製造することができる。
さらに、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、以下に示す熱リフロー法であってもよい。熱リフロー法は、一般に、基板に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してライン/スペース形状をパターニングする段階、パターニングされた電子ビーム用感光性材料の層を加熱する段階、加熱された電子ビーム用感光性材料の層に電子線用感光性材料を塗布して、加熱された電子ビーム用感光性材料の層におけるライン間のスペースに電子線用感光性材料を堆積させる段階、並びに基板、加熱された電子ビーム用感光性材料の層、及び堆積させられた電子線用感光性材料をエッチングする段階を含む。
また、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、例えば、基板に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してパターニングする段階、電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、及び基板及び電子ビーム用感光性材料の層をエッチングする段階を含む。
さらに、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、以下に示す波形形状描画法(電子線描画エネルギー変更法)であってもよい。波形形状描画法は、一般に、熱酸化膜を備えた第一の基板の熱酸化膜に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してパターニングする段階、電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、現像された電子ビーム用感光性材料の層をマスクとして熱酸化膜をエッチングする段階、電子ビーム用感光性材料及び熱酸化膜をマスクとして、第一の基板をエッチングする段階、エッチングされた第一の基板に転写材料を塗布する段階、第一の基板に設けられた前記転写材料に対して第二の基板を対向させて、第一の基板及び前記第二の基板を加圧し、転写材料を硬化させる段階、並びに第一の基板及び第二の基板を剥離して、転写材料を第一の基板から第二の基板へ転写させる段階を含む。
加えて、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、以下に示すシリコンエッチング法であってもよい。シリコンエッチング法は、一般に、熱酸化膜を備えた第一の基板の熱酸化膜に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してライン/スペース形状をパターニングする段階、電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、現像された電子ビーム用感光性材料の層をマスクとして熱酸化膜をエッチングする段階、電子ビーム用感光性材料及び熱酸化膜をマスクとして、第一の基板をエッチングする段階、エッチングされた第一の基板に転写材料を塗布する段階、第一の基板に設けられた転写材料に対して第二の基板を対向させて、第一の基板及び第二の基板を加圧し、転写材料を硬化させる段階、並びに第一の基板及び第二の基板を剥離して、転写材料を第一の基板から第二の基板へ転写させる段階を含む。
また、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、以下に示す濃度分布マスク法であってもよい。濃度分布マスク法は、一般に、基板に感光性材料の層を形成する段階、感光性材料の層に濃度分布マスクを介して露光して、感光性材料の層をパターニングする段階、感光性材料の層を現像する段階、及び現像された感光性材料の層及び基板をエッチングする段階を含む。
さらに、本発明の実施形態による三次元周期構造体の製造方法における基板形成工程は、以下に示すナノプリント法(転写法)であってもよい。ナノプリント(転写法)法は、一般に、熱酸化膜を備えた第一の基板の熱酸化膜に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射して第一の方向及び第二の方向の両方に対して凹凸形状をパターニングする段階、電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、現像された電子ビーム用感光性材料の層をマスクとして熱酸化膜をエッチングする段階、電子ビーム用感光性材料及び熱酸化膜をマスクとして、第一の基板をエッチングする段階、エッチングされた第一の基板に転写材料を塗布する段階、第一の基板に設けられた前記転写材料に対して第二の基板を対向させて、第一の基板及び第二の基板を加圧し、転写材料を硬化させる段階、並びに第一の基板及び第二の基板を剥離して、転写材料を第一の基板から第二の基板へ転写させる段階を含む。第一の方向及び第二の方向の両方に対して凹凸の形状として、正四角錐の形状を採用すれば、正四角錐の側面の形状を含む周期的形状を備えた表面を有する三次元周期構造体を安価に製造することができる。
[実施例1]
(熱リフロー法による基板形成)
石英板上に50nmの厚さのITO(透明導電膜)をスパッタリング法で成膜して得られた基板上に電子ビーム用感光性材料(レジスト)を0.4μm塗布し、レジストを塗布した基板を110℃で20分間プリベークした。プリベークによって、レジストに含まれていた溶剤成分を蒸発させた。このとき、レジストの膜厚は、0.37μmであった。
次に、電子線描画装置を用いて、基板の表面におけるX軸方向にライン/スペース形状及びY軸方向にシリンダー形状を有する表面形状にレジストに対してパターニングを行った。その後、レジストに対するパターニングの後に所定の現像及びリンスの工程を実施した。ライン/スペース形状のスペース部(溝部、レジストが無い部分)の幅は、0.1μmであり、スペース部の深さは、0.35μmであり、ライン部(レジストが残っている部分)の幅は、0.1μmであり、ライン/スペース形状の周期(ピッチ)は、0.2μmであった。
次に、上記基板をオーブン中で140℃で40分間ポストベークした。ポストベークの後には、パターニングされたレジストから溶剤の成分が蒸発し、レジスト材料が、オーブンからの熱で、重力と表面張力によってその表面積が最小になるように、断面の形状が0.4μmの半径(高さ)の半円である半球の形状に変形した。すなわち、半径0.1μmの半球シリンダー形状のライン部が得られた。
次に、上記基板上に電子専用感光性材料を滴下し、1500rpmの回転数のスピンナーで感光性材料を均一に分布させた。このとき、感光性材料は、上記シリンダー形状のライン部の間におけるスペース部の底部に堆積し、0.2μm周期の連続した正弦波型形状を備えた感光性材料の層を得ることができた。このときの感光性材料の層におけるスペース部の深さは、感光性材料が底部に溜まったため、浅くなり、0.3μmとなった。
次に、石英基板及び波型形状を備えた感光性材料の層を、ドライエッチング法を用いてエッチングした。この際に、ドライエッチング時間に応じて選択比を経時的に変化させる方法でエッチングを行った。その結果、X軸方向に0.2μmの周期(ピッチ)の三角波形状でY軸方向に長方形の形状である三角シリンダー形状の表面を備えた基板を形成することができた。なお、上記エッチングの条件を変更することによって、三角波形状の高さ(すなわち、三角波形状の三角形の角度)を制御することが可能となる。ここでは、三角波形状の三角形の角度を45°とした。
この基板の表面上でSi及びNbのターゲットからの放出されるSi及びNbの粒子並びに導入ガスとしての酸素を反応させる反応(リアクティブ)バイアス・スパッタリング法によって、基板の表面上にSiO2層及びNb2O3層を交互に積層させた。より詳細には、ターゲットからの中性粒子の堆積による成膜、Arイオンの垂直入射によるスパッタエッチング、堆積粒子の再付着の過程によって、SiO2層及びNb2O3層を形成させた。ターゲットからの中性粒子の堆積による成膜については、ターゲットに印加する高周波の電力が、400Wであり、基板に印加する高周波の電力が、60Wであった。一方、Arイオンの垂直入射によるスパッタエッチングについては、Arガスの圧力が1.9mTorrであり、基板に印加する高周波の電力が、60Wであった。なお、基板の表面におけるX軸方向の三角波形状の周期は、200nmであり、基板の表面に垂直なZ軸方向の積層の周期は、100nmであった。本実施例において得られた三次元周期構造体の構成を表1に示す。
表1に示すように、屈折率:1.4753の石英材料の上記基板に、第1番目の層として屈折率:1.4753及び膜厚:54.9nmのSiO
2層を成膜した。第1番目の層は、石英基板と石英基板上に設ける層との間の密着性を向上させるためのアンダーコートである。次に、第1番目の層の上に、第2番目の層から第39番目の層までの38個の層からなる第1階層を積層させた。第1階層における第2番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層であり、第3番目の層は、屈折率:1.4753及び膜厚:109.81nmのSiO
2層であり、同様に第1階層における偶数番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層であり、奇数番目の層は、屈折率:1.4753及び膜厚:109.81nmのSiO
2層である。すなわち、第1階層においては、第2番目の層から第39番目の層まで、屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層並びに屈折率:1.4753及び膜厚:109.81nmのSiO
2層を交互に積層させた。次に、第39番目の層の上に第40番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層、第40番目の層の上に第41番目の層として屈折率:1.4753及び膜厚:54.9nmのSiO
2層、第41番目の層の上に第42番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:19.2nmのNb
2O
3層、第42番目の層の上に第43番目の層として屈折率:1.4753及び膜厚:61.0nmのSiO
2層を積層させた。次に、第43番目の層の上に、第44番目の層から第81番目の層までの38個の層からなる第2階層を積層させた。第2階層における第44番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層であり、第45番目の層は、屈折率:1.4753及び膜厚:61.0nmのSiO
2層であり、同様に第1階層における偶数番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層であり、奇数番目の層は、屈折率:1.4753及び膜厚:61.0nmのSiO
2層である。すなわち、第2階層においては、第44番目の層から第81番目の層まで、屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層並びに屈折率:1.4753及び膜厚:61.0nmのSiO
2層を交互に積層させた。最後に、第81番目の層の上に、第82番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:19.20nmのNb
2O
3層を成膜した。第82番目の層は、基板上に積層させたNb
2O
3層及びSiO
2層を保護するためのオーバーコートである。このようにして、本発明
の実施形態による三次元周期構造体を製造した。なお、上記のNb
2O
3層及びSiO
2層における屈折率は、実際にそれぞれの膜を成膜した際における360nmの波長の光に対する値である。
本実施例において製造された三次元周期構造体は、偏光子として利用可能である。図7は、本実施例において製造された本発明の実施形態による三次元周期構造体の偏光分離特性を示す図である。図7において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図7における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図7に示すように、本発明の実施形態による三次元周期構造体によれば、430nmから495nmまでの波長の範囲にわたって、TEモード及びTMモードの偏光成分が十分に分離されることを確認することができた。また、波長473nmのSHGレーザー光に関する本発明の実施形態による三次元周期構造体の偏光分離特性を表2に示す。
表2に示すように、三次元周期構造体にSHGレーザー光を垂直に入射させたとき、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.10%及び82.5%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、825であった。なお、TEモードに対するTMモードのコントラストは、TEモードの偏光成分の透過率に対するTMモードの偏光成分の透過率の比であり、TEモードの偏光成分及びTMモードの偏光成分の分離の程度を表す尺度である。また、三次元周期構造体にSHGレーザー光を基板のX軸方向(断面が三角波形状である方向)に10°の角度だけ斜めに入射させたとき、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.25%及び76.5%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、306であった。さらに、三次元周期構造体にSHGレーザー光を基板のY軸方向(断面が長方形の形状である方向)に10°の角度だけ斜めに入射させたとき、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.02%及び74.0%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、3700であった。よって、三次元周期構造体が、基板の表面のX軸方向に沿って三角波形状の周期的形状を有することによって、三角波形状の周期的形状が設けられた方向と垂直なY軸方向に傾斜させて入射する光に対する偏光分離特性を向上させることができることを確認することができた。
[実施例2]
(波形形状描画法(電子線描画エネルギー変更法)による基板形成)
石英板上に50nmの厚さのITO(透明導電膜)をスパッタリング法で成膜して得られた基板上に電子ビーム用感光性材料(レジスト)を0.35μm塗布し、レジストを塗布した基板を110℃で20分間プリベークした。プリベークによって、レジストに含まれていた溶剤成分を蒸発させた。このとき、レジストの膜厚は、0.32μmであった。
次に、電子線描画装置を用いて、レジストに対して、レジストの表面形状が、基板の表面におけるX軸方向に三角波形状及びY軸方向に長方形の形状を有するように、パターニングを行った。このとき、基板の表面におけるX軸方向に沿って電子線描画ドーズ量(感光性材料を感光させるために与える電子のエネルギー量)を0.2μmの周期(ピッチ)の三角波状(0.2μmの周期でエネルギー量を最大と最小の間で線形に)に段階的に調整した。言い換えれば、レジストに照射する電子線のエネルギーを線形及び周期的に増減させて、X軸方向に沿って三角波形状を有するレジストを形成した。また、基板の表面におけるY軸方向に沿った電子線描画ドーズ量は、一定とした。その後、レジストに対するパターニングの後に所定の現像及びリンスの工程を実施した。三角波形状の隣接する凹部の溝(レジストが無い部分)間の幅は、0.1μmであり、三角波形状の隣接する凸部の頂上(レジストが残っている部分)間の幅も、0.1μmであった。
次に、上記基板をオーブン中で120℃で40分間ポストベークした。ポストベークによってパターニングされたレジストから溶剤の成分が蒸発した。
さらに、ドライエッチング法を用いてレジスト及び基板をエッチングし、所望の三角波形状の石英基板を得た。なお、ドライエッチング時間に応じて選択比を経時的に変化させる方法でエッチングを行った。その結果、X軸方向に0.2μmの周期(ピッチ)で0.3μmの高さの三角波形状でY軸方向に長方形の形状である三角シリンダー形状の表面を備えた基板を形成することができた。
得られた基板上に、実施例1と同様の層の構成を有する三次元周期構造体を製造した。その結果、本実施例において製造した三次元周期構造体が、実施例1と同様の偏光分離特性を有することを確認することができた。
[実施例3]
(シリコンエッチング法による基板形成)
まず、MCZ法で製作された0.1μmの熱酸化膜付きシリコン(100)基板の結晶軸方位を、X線回折法によって計測した。上記基板上に電子ビーム用感光性材料(レジスト)を0.2μm塗布し、レジストを塗布した基板を110℃で20分間プリベークした。
次に、電子線描画装置を用いて、熱酸化膜付きシリコン基板の結晶軸に合わせて、基板の表面におけるX軸方向にライン/スペース形状及びY軸方向にシリンダー形状を有する表面形状にレジストに対してパターニングを行った。その後、レジストに対するパターニングの後に所定の現像及びリンスの工程を実施した。ライン/スペース形状のスペース部(溝部、レジストが無い部分)の幅は、0.14μmであり、ライン部(レジストが残っている部分)の幅は、0.06μmであり、ライン/スペース形状の周期(ピッチ)は、0.2μmであった。
次に、上記基板をオーブン中で120℃で30分間ポストベークした。ポストベークの後、熱酸化膜上の感光性材料をマスクとして、0.1μmの厚さの熱酸化膜をフッ酸(HF)でウエットエッチングした。その結果、0.18μmの幅のスペース部及び0.02μmの幅のライン部を備えたライン/スペース形状にパターニングされた熱酸化膜が得られた。
次に、パターニングされた感光性材料及び熱酸化膜をマスクとして、シリコン基板を40℃で40重量%の濃度のKOH(アルカリ)溶液でウエットエッチングした。この結果、シリコン基板の(100)面がエッチングされ、(100)面に対して54.7°の角度をなすV字溝形状のシリコンの(111)面が形成された。ここで、シリコン基板の熱酸化膜で被覆された部分は、シリコンがサイドエッチングされ、熱酸化膜は、途中で自然に除去されて残らなかった。上記工程で、V字溝形状を備えたシリコン基板の(111)面が、基板の表面全体に形成された。すなわち、平坦部がなく、V字溝形状が繰り返される形状を備えた表面を有するシリコン基板が得られた。このようにして得られたシリコン基板を用いて、以下のナノプリント法による形状転写を行った。
次に、上記のシリコン基板に撥水処理を施した後、撥水処理した基板上に、紫外線硬化樹脂(熱硬化樹脂であってもよい)の転写材料を塗布した。このとき、シリコン基板に設けられたV字溝形状は、転写材料によって埋められた。
次に、表面に密着性処理を施した石英基板を、上記の転写材料を塗布したシリコン基板の上方から押し当て、シリコン基板上の転写材料に含有される気泡を除去した。石英基板及びシリコン基板の両方を互いに密着させることで、シリコン基板上の余分な転写材料をシリコン基板の外周から除去した後、転写材料に紫外線を照射することにより(熱硬化樹脂の場合には熱を加える)転写材料を硬化させた。これにより、シリコン基板のV字溝形状に対応したV字の突起形状を有するように、転写材料が硬化した。次いで、シリコン基板から石英基板を剥離した。これによって、V字の突起形状を備えた転写材料は、シリコン基板の表面から石英基板の表面に転写された。また、転写材料を硬化させることによって、転写材料の収縮によって転写材料のV字の突起形状は、0.2μmの周期(ピッチ)及び約50°の角度を有する三角波形状になった。
この転写材料の三角波形状を、ドライエッチングによって石英基板に転写させた。なお、石英基板及び転写材料に対するエッチング速度(基板エッチング速度及び転写材料のエッチング速度の比である選択比)を、エッチングの条件によって変更することで、ドライエッチング後の三角波形状の高さ(角度)を変更することができる。
得られた基板上に、実施例1と同様の層の構成を有する三次元周期構造体を製造した。その結果、本実施例において製造した三次元周期構造体が、実施例1と同様の偏光分離特性を有することを確認することができた。
[実施例4]
(濃度分布マスク法による基板形成)
まず、基板の表面におけるX軸方向にライン/スペース形状及びY軸方向にシリンダー形状を有する表面形状をパターニングするための濃度分布マスクを公知の方法で形成した。なお、濃度分布マスクの形状を1/5倍に縮小して露光するためのステッパーを用いるために、濃度分布マスクのパターンは、基板に形成するパターンの5倍の大きさを有するパターンとした。
次に、石英基板上に感光性材料(レジスト)を0.5μm塗布し、レジストを塗布した基板を110℃で30分間プリベークした。プリベークによって、レジストに含まれていた溶剤成分を蒸発させた。このとき、レジストの膜厚は、0.46μmであった。
次に、上記の濃度分布マスクの形状を1/5倍に縮小して露光するステッパーを利用して、濃度分布マスクを介して感光性材料に露光させ、感光性材料に対して濃度分布マスクの形状に対応したライン/スペース形状のパターニングを行った。このとき、石英基板の表面におけるX軸方向に沿って光露光量(感光性材料を感光させるために与える光エネルギー量)を0.4μmの周期(ピッチ)の三角波状(0.4μmの周期でエネルギー量を最大と最小の間で線形に)に調整した。また、石英基板の表面におけるY軸方向に沿った光露光量は、一定とした。その後、レジストに対するパターニングの後に所定の現像及びリンスの工程を実施した。
次に、上記基板をオーブン中で120℃で40分間ポストベークした。ポストベークによってパターニングされたレジストから溶剤の成分が蒸発した。ポストベーク後においては、X軸方向に0.3μmの高さの三角波形状を備えたレジストの層が得られた。
さらに、ドライエッチング法を用いて、X軸方向に0.3μmの高さの三角波形状を備えたレジストの層及び石英基板をエッチングし、所望の三角波形状の石英基板を得た。
得られた基板上に、実施例1と同様の層の構成を有する三次元周期構造体を製造した。その結果、本実施例において製造した三次元周期構造体が、実施例1と同様の偏光分離特性を有することを確認することができた。
[実施例5]
(ナノプリント法(転写法)による三次元ピラミッド形状の基板の形成)
まず、MCZ法で製作された0.1μmの熱酸化膜付きシリコン(100)基板の結晶軸方位を、X線回折法によって計測した。上記基板上に電子ビーム用感光性材料(レジスト)を0.08μm塗布し、レジストを塗布した基板を110℃で20分間プリベークした。
次に、電子線描画装置を用いて、熱酸化膜付きシリコン基板の結晶軸に合わせて、基板の表面におけるX軸方向及びY軸方向の両方にライン/スペース形状を有する表面形状(市松模様の凹凸形状)にレジストに対してパターニングを行った。なお、レジストに対するパターニングは、上記の同一の正方形に限定されず、同一の円形又は正方形以外の正多角形であてもよい。その後、レジストに対するパターニングの後に所定の現像及びリンスの工程を実施した。凹凸形状の凹部(レジストが無い部分)の幅は、0.16μmであり、凹凸形状の凸部(レジストが残っている部分)の幅は、0.04μmであり、凹凸形状の周期(ピッチ)は、0.2μmであった。
次に、上記基板をオーブン中で120℃で30分間ポストベークした。ポストベークの後、熱酸化膜上の感光性材料をマスクとして、0.1μmの厚さの熱酸化膜をフッ酸(HF)でウエットエッチングした。その結果、0.18μmの幅の凹部及び0.02μmの幅の凸部を備えた凹凸形状にパターニングされた熱酸化膜が得られた。
次に、パターニングされた感光性材料及び熱酸化膜をマスクとして、シリコン基板を40℃で40重量%の濃度のKOH(アルカリ)溶液でウエットエッチングした。この結果、シリコン基板の(100)面がエッチングされ、(100)面に対して54.7°の角度をなすX軸及びY軸の両方向にV字形状の(正四面体型の凹形状の)シリコンの(111)面が形成された。ここで、シリコン基板の熱酸化膜で被覆された部分は、サイドエッチングされ、シリコン基板の(100)面上の熱酸化膜は、自然に除去されて、残らなかった。この結果、シリコン基板の(100)面がさらにエッチングされ、正四面体型の凹形状を備えたシリコン基板の(111)面が、基板の表面全体に形成された。すなわち、平坦部がなく、正四面体型の凹形状が繰り返される形状を備えた表面を有するシリコン基板が得られた。このようにして得られたシリコン基板を用いて、以下のナノプリント法による形状転写を行った。
次に、上記のシリコン基板に撥水処理を施した後、撥水処理した基板上に、紫外線硬化樹脂(熱硬化樹脂であってもよい)の転写材料を塗布した。このとき、シリコン基板に設けられた正四面体型の凹形状は、転写材料によって埋められた。
次に、表面に密着性処理を施した青板ガラス材料の基板を、上記の転写材料を塗布したシリコン基板の上方から押し当て、シリコン基板上の転写材料に含有される気泡を除去した。青板ガラス材料の基板及びシリコン基板の両方を互いに密着させることで、シリコン基板上の余分な転写材料をシリコン基板の外周から除去した後、転写材料に紫外線を照射することにより(熱硬化樹脂の場合には熱を加える)転写材料を硬化させた。これにより、シリコン基板の正四面体型の凹形状に対応した正四面体型の凸形状を有するように、転写材料が硬化した。次いで、シリコン基板から青板ガラス材料の基板を剥離した。これによって、正四面体型の凸形状を備えた転写材料は、シリコン基板の表面から青板ガラス材料の基板の表面に転写された。また、転写材料を硬化させることによって、転写材料の収縮によって転写材料の正四面体型の凸形状は、0.2μmの周期(ピッチ)及び約50°の角度を有する正四面体型の凸形状になった。
この転写材料の正四面体型の凸形状を、ドライエッチングによって青板ガラス材料の基板に転写させた。なお、青板ガラス材料の基板及び転写材料に対するエッチング速度(基板エッチング速度及び転写材料のエッチング速度の比である選択比)を、エッチングの条件によって変更することで、ドライエッチング後における正四面体型の凸形状の高さ(頂点の角度)を変更することができる。
この基板の表面上でSi及びNbのターゲットからの放出されるSi及びNbの粒子並びに導入ガスとしての酸素を反応させる反応(リアクティブ)バイアス・スパッタリング法によって、基板の表面上にSiO2層及びNb2O3層を交互に積層させた。より詳細には、ターゲットからの中性粒子の堆積、Arイオンの垂直入射によるスパッタエッチング、堆積粒子の再付着の過程によって、SiO2層及びNb2O3層を形成させた。ターゲットからの中性粒子の堆積による成膜については、ターゲットに印加する高周波の電力が、400Wであり、基板に印加する高周波の電力が、60Wであった。一方、Arイオンの垂直入射によるスパッタエッチングについては、Arガスの圧力が1.9mTorrであり、基板に印加する高周波の電力が、60Wであった。なお、基板の表面における正四角錐形状の周期は、200nmであり、基板の表面に垂直なZ軸方向の積層の周期は、100nmであった。本実施例において得られた三次元周期構造体の構成を表3に示す。
表3に示すように、屈折率:1.5372の青板ガラス材料の上記基板に、第1番目の層として屈折率:1.4771及び膜厚:54.84nmのSiO
2層を成膜し、第1番目の層の上に、第2番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層を積層させた。第1番目の層及び第2番目の層は、青板ガラス材料の基板と青板ガラス材料の基板上に設ける第3番目以上の層との間の密着性を向上させるためのアンダーコートである。次に、第2番目の層の上に、第3番目の層から第40番目の層までの38個の層からなる第1階層を積層させた。第1階層における第3番目の層は、屈折率:1.4771及び膜厚:109.81nmのSiO
2層であり、第4番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層であり、同様に第1階層における奇数番目の層は、屈折率:1.4771及び膜厚:109.81nmのSiO
2層であり、偶数番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層である。すなわち、第1階層においては、第3番目の層から第40番目の層まで、屈折率:1.4771及び膜厚:109.81nmのSiO
2層並びに屈折率:2.3442及び膜厚:69.11nmのNb
2O
3層を交互に積層させた。次に、第40番目の層の上に第41番目の層として屈折率:1.4771及び膜厚:54.84nmのSiO
2層、第41番目の層の上に第42番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:19.2nmのNb
2O
3層を積層させた。次に、第42番目の層の上に、第43番目の層から第80番目の層までの38個の層からなる第2階層を積層させた。第2階層における第43番目の層は、屈折率:1.4771及び膜厚:60.93nmのSiO
2層であり、第44番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層であり、同様に第2階層における奇数番目の層は、屈折率:1.4771及び膜厚:60.93nmのSiO
2層であり、偶数番目の層は、屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層である。すなわち、第2階層においては、第43番目の層から第80番目の層まで、屈折率:1.4771及び膜厚:60.93nmのSiO
2層並びに屈折率:2.3442及び膜厚:38.39nmのNb
2O
3層を交互に積層させた。最後に、第80番目の層の上に、第81番目の層として屈折率:1.4771及び膜厚:60.93nmのSiO
2層、第81番目の層の上に、第82番目の層として屈折率:2.3442及び膜厚:19.20nmのNb
2O
3層を成膜した。第81番目の層及び第82番目の層は、基板上に積層させたSiO
2層及びNb
2O
3層を保護するためのオーバーコートである。このようにして、本発明
の実施形態による三次元周期構造体を製造した。なお、上記のSiO
2層及びNb
2O
3層における屈折率は、実際にそれぞれの膜を成膜した際における360nmの波長の光に対する値である。
本実施例において製造された三次元周期構造体は、偏光子として利用可能である。図8は、本実施例において製造された本発明の実施形態による三次元周期構造体の偏光分離特性を示す図である。図8において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図8における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図8に示すように、本発明の実施形態による三次元周期構造体によれば、430nmから495nmまでの波長の範囲にわたって、TEモード及びTMモードの偏光成分が十分に分離されることを確認することができた。また、波長473nmのSHGレーザー光に関する本発明の実施形態による三次元周期構造体の偏光分離特性を表4に示す。
表4に示すように、三次元周期構造体にSHGレーザー光を垂直に入射させたとき、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.10%及び92.5%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、925であった。なお、TEモードに対するTMモードのコントラストは、TEモードの偏光成分の透過率に対するTMモードの偏光成分の透過率の比であり、TEモードの偏光成分及びTMモードの偏光成分の分離の程度を表す尺度である。また、三次元周期構造体にSHGレーザー光を基板のX軸方向(断面が三角波形状である一方の方向)に10°の角度だけ斜めに入射させたとき、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.15%及び90.5%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、603であった。さらに、三次元周期構造体にSHGレーザー光を基板のY軸方向(断面が三角波形状である他方の方向)に10°の角度だけ斜めに入射させたときにも、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率は、それぞれ、0.15%及び90.5%であり、TEモードに対するTMモードのコントラストは、603であった。よって、三次元周期構造体が、基板の表面のX軸方向及びY軸方向の両方に沿って三角波形状の周期的形状(正四面体の周期的形状)を有することによって、断面が三角波形状であるX軸方向及び/又はY軸方向に傾斜させて入射する光に対する偏光分離特性を向上させることができることを確認することができた。
[比較例1]
第2階層に含まれる層の全部を第1階層に含まれる層の全部と同一にした以外には、実施例1と同様に三次元周期構造体を製造した。図9は、本比較例において製造された三次元周期構造体の偏光分離特性を示す。図9において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図9における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図9に示すように、第2階層に含まれる層の全部を第1階層に含まれる層の全部と同一にした本比較例における三次元周期構造体に関しては、400nmから550nmまでの波長の範囲において、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率が、それぞれ、大きく変動し、TEモード及びTMモードの偏光成分を十分に分離することができないことを確認することができた。
[比較例2]
第1番目の層及び第1の積層体のみを積層させた(第1番目の層から第39番目の層までのみを積層させた)以外には、実施例1と同様に三次元周期構造体を製造した。図10は、本比較例において製造された三次元周期構造体の偏光分離特性を示す。図10において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図10における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図10に示すように、第1番目の層及び第1の積層体のみを積層させた本比較例における三次元周期構造体に関しては、430nmから520nmまでの波長の範囲において、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率が、それぞれ、実施例1よりも相対的に大きく変動し、TEモード及びTMモードの偏光成分を相対的に十分に分離することができないことを確認することができた。
[比較例3]
X軸方向に三角波形状でY軸方向に長方形の形状である基板の表面上に、第1番目の層、第1の積層体、及び第40番目の層から第43番目の層までのみを順次積層させた(第1番目の層から第43番目の層までのみを積層させた)以外には、実施例1と同様に三次元周期構造体を製造した。図11は、本比較例において製造された三次元周期構造体の偏光分離特性を示す。図11において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図11における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図11に示すように、第1番目の層、第1の積層体、及び第40番目の層から第43番目の層までのみを積層させた本比較例における三次元周期構造体に関しては、430nmから550nmまでの波長の範囲において、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率が、それぞれ、実施例1よりも大きく変動し、TEモード及びTMモードの偏光成分を十分に分離することができないことを確認することができた。
[比較例4]
第40番目の層から第43番目の層までを積層させなかった(第1番目の層から第39番目の層及び第44番目の層から第82番目の層を積層させた)以外には、実施例1と同様に三次元周期構造体を製造した。図12は、本比較例において製造された三次元周期構造体の偏光分離特性を示す。図12において、横軸は、三次元周期構造体に入射させた光の波長(nm)を表し、縦軸は、三次元周期構造体に入射させた光におけるTEモード及びTMモードの偏光成分の透過率(%)を表す。図12における実線は、波長400nmから700nmまでのTEモードの偏光成分の透過率を表し、点線は、波長400nmから700nmまでのTMモードの偏光成分の透過率を表す。図12に示すように、第40番目の層から第43番目の層までを積層させなかった本比較例における三次元周期構造体に関しては、430nmから550nmまでの波長の範囲において、TEモード及びTMモードの偏光成分の透過率が、それぞれ、実施例1よりも相対的に大きく変動し、TEモード及びTMモードの偏光成分を相対的に十分に分離することができないことを確認することができた。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施の形態及び実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
[付記]
本発明の実施形態は、三次元周期構造体及びその製造方法、光学素子、並びに光学製品に関する。
本発明の実施形態は、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することを目的とする。
また、本発明の実施形態は、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することを目的とする。
さらに、本発明の実施形態は、収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することを目的とする。
加えて、本発明の実施形態は、三次元周期構造体をより容易に製造することが可能な三次元周期構造体の製造方法を提供することを目的とする。
付記(1)に記載の発明は、三次元周期構造体において、表面における第一の方向及び前記第一の方向に垂直な第二の方向の少なくとも一つの方向に対して周期的且つ対称的であると共に前記第一の方向及び前記第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して非対称的である周期的形状を前記表面に備えた基板、及び前記基板の前記周期的形状を備えた表面に三次元的に周期的に設けられた前記周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する複数の層を含むことを特徴とする三次元周期構造体である。
付記(2)に記載の発明は、付記(1)に記載の三次元周期構造体において、前記複数の層における互いに隣接する層の材料は、互いに異なることを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(3)に記載の発明は、付記(2)に記載の三次元周期構造体において、前記複数の層の材料は、前記基板の材料と異なることを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(4)に記載の発明は、付記(2)又は(3)に記載の三次元周期構造体において、前記複数の層は、互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた複数の層であることを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(5)に記載の発明は、付記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の三次元周期構造体において、前記周期的形状は、側辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の三角柱の側面の形状を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、三角柱とは、同一な又は実質的に同一とみなせる三角形の二つの底面及び長方形の三つの側面を備えた角柱であり、側辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の三角柱の側面とは、基板の表面における特定の一つの方向において三角形の二辺を含む共に基板の表面におけるその特定の一つの方向に垂直な方向において直線を含む面をその特定の一つの方向に関して複数個並列させた面であることを意味する。
付記(6)に記載の発明は、付記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の三次元周期構造体においては、前記周期的形状は、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面の形状を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、正四角錐とは、正方形の底面及び同一な又実質的に同一とみなせる二等辺三角形の四つの側面を有する角錐であり、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面とは、基板の表面における特定の互いに垂直な二つの方向において二等辺三角形の二辺を含む面をその特定の互いに垂直な二つの方向に関して複数個並列させた面であることを意味する。ここで、二等辺とは、完全に等しい長さの二つの辺及び実質的に等しいとみなせる長さの二つの辺を含むものとする。
付記(7)に記載の発明は、付記(2)乃至(6)のいずれか一つに記載の三次元周期構造体において、前記複数の層は、第一の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第一の積層体及び前記第一の光学膜厚と異なる第二の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第二の積層体を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(8)に記載の発明は、付記(7)に記載の三次元周期構造体においては、前記複数の層は、前記第一の積層体及び前記第二の積層体の間に、前記第一の光学膜厚及び前記第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(9)に記載の発明は、三次元周期構造体において、第一の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第一の積層体及び前記第一の光学膜厚と異なる第二の光学膜厚を備えた互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた第二の積層体を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(10)に記載の発明は、付記(9)に記載の三次元周期構造体において、前記第一の積層体及び前記第二の積層体の間に、前記第一の光学膜厚及び前記第二の光学膜厚と異なる第三の光学膜厚を有する層を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(11)に記載の発明は、基板及び前記基板に互いに異なる材料を含む複数種類の層を周期的に複数個積層させた積層体を含む三次元周期構造体であって、前記複数種類の層の各々は、前記基板の表面における第一の方向及び前記第一の方向に垂直な第二の方向に対してそれぞれ周期的且つ対称的であると共に前記第一の方向及び前記第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して周期的且つ非対称的である形状の断面を有することを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(12)に記載の発明は、付記(11)に記載の三次元周期構造体において、前記複数種類の層の各々は、前記第一の方向及び前記第二の方向の両方に対して同一の形状の断面を有することを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(13)に記載の発明は、付記(12)に記載の三次元周期構造体において、前記複数種類の層の各々は、底辺の少なくとも一つを共有して隣接する複数の正四角錐の側面を含むことを特徴とする、三次元周期構造体である。
付記(14)に記載の発明は、光学素子において、付記(1)乃至(13)のいずれか一つに記載の三次元周期構造体を含むことを特徴とする、光学素子である。
付記(15)に記載の発明は、光学製品において、付記(14)に記載の光学素子を含むことを特徴とする、光学製品である。
付記(16)に記載の発明は、三次元周期構造体の製造方法において、表面における第一の方向及び前記第一の方向に垂直な第二の方向の少なくとも一つの方向に対して周期的且つ対称的であると共に前記第一の方向及び前記第二の方向の両方に垂直な第三の方向に対して非対称的である周期的形状を前記表面に備えた基板の前記表面に、前記周期的形状と同一の形状を備えた表面を有する複数の層を三次元的に周期的に設ける工程を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(17)に記載の発明は、付記(16)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板の表面に前記周期的形状を形成する基板形成工程をさらに含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(18)に記載の発明は、付記(17)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板形成工程は、前記基板に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、前記電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してライン/スペース形状をパターニングする段階、前記パターニングされた電子ビーム用感光性材料の層を加熱する段階、前記加熱された電子ビーム用感光性材料の層に電子線用感光性材料を塗布して、前記加熱された電子ビーム用感光性材料の層におけるライン間のスペースに前記電子線用感光性材料を堆積させる段階、並びに前記基板、前記加熱された電子ビーム用感光性材料の層、及び前記堆積させられた電子線用感光性材料をエッチングする段階を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(19)に記載の発明は、付記(17)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板形成工程は、前記基板に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、前記電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してパターニングする段階、前記電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、及び前記基板及び前記電子ビーム用感光性材料の層をエッチングする段階を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(20)に記載の発明は、付記(17)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板形成工程は、熱酸化膜を備えた第一の基板の前記熱酸化膜に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、前記電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射してライン/スペース形状をパターニングする段階、前記電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、前記現像された電子ビーム用感光性材料の層をマスクとして前記熱酸化膜をエッチングする段階、前記電子ビーム用感光性材料及び前記熱酸化膜をマスクとして、前記第一の基板をエッチングする段階、前記エッチングされた第一の基板に転写材料を塗布する段階、前記第一の基板に設けられた前記転写材料に対して第二の基板を対向させて、前記第一の基板及び前記第二の基板を加圧し、前記転写材料を硬化させる段階、並びに前記第一の基板及び前記第二の基板を剥離して、前記転写材料を前記第一の基板から前記第二の基板へ転写させる段階を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(21)に記載の発明は、付記(17)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板形成工程は、前記基板に感光性材料の層を形成する段階、前記感光性材料の層に濃度分布マスクを介して露光して、前記感光性材料の層をパターニングする段階、前記感光性材料の層を現像する段階、及び前記現像された感光性材料の層及び前記基板をエッチングする段階を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
付記(22)に記載の発明は、付記(17)に記載の三次元周期構造体の製造方法において、前記基板形成工程は、熱酸化膜を備えた第一の基板の前記熱酸化膜に電子ビーム用感光性材料の層を形成する段階、前記電子ビーム用感光性材料の層に電子線を照射して前記第一の方向及び前記第二の方向の両方に対して凹凸形状をパターニングする段階、前記電子ビーム用感光性材料の層を現像する段階、前記現像された電子ビーム用感光性材料の層をマスクとして前記熱酸化膜をエッチングする段階、前記電子ビーム用感光性材料及び前記熱酸化膜をマスクとして、前記第一の基板をエッチングする段階、前記エッチングされた第一の基板に転写材料を塗布する段階、前記第一の基板に設けられた前記転写材料に対して第二の基板を対向させて、前記第一の基板及び前記第二の基板を加圧し、前記転写材料を硬化させる段階、並びに前記第一の基板及び前記第二の基板を剥離して、前記転写材料を前記第一の基板から前記第二の基板へ転写させる段階を含むことを特徴とする、三次元周期構造体の製造方法である。
本発明の実施形態によれば、より容易に製造することが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することができる。
また、本発明の実施形態によれば、光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することができる。
さらに、本発明の実施形態によれば、収束又は発散する光の互いに直交する電場の振動面を有する偏光成分を分離する特性を向上させることが可能な三次元周期構造体、該三次元周期構造体を含む光学素子、及び該光学素子を含む光学製品を提供することができる。
加えて、本発明の実施形態によれば、三次元周期構造体をより容易に製造することが可能な三次元周期構造体の製造方法を提供することができる。