JPH0755641Y2 - Ｉｃカードの誤挿入防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、ICカードの誤挿入防止装置に関するもので
あり、特に、異種ICカードの挿入を防止するとともに、
適合ICカードの天地或は前後方向の誤挿入を防止し、且
つ、挿着完了を音によつて確認できるようにしたICカー
ドの誤挿入防止装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来のICカード並びにコネクタの一例を別紙添付図面の
第７図及び第８図に従って説明する。第７図に於て
（１）はICカードであり、（２）はコネクタである。該
コネクタ（２）はプラスチツク製の本体（３）の前面に
ICカード（１）挿入用のスロツト（４）を開穿してい
る。該スロツト（４）の底部（５）にコンタクトピン
（６）（６）…を配列し、前記ICカード（１）のめすコ
ンタクト（７）（７）…に対応するように形成されてい
る。前記コンタクトピン（６）（６）…は本体（３）の
後側へ突出し、例えば同図の如く下方へ折曲されて回路
基板（８）へはんだ付けによつて固定される。そして、
該回路基板（８）を内装するリーダ／ライタ装置（図示
せず）にICカード（１）を挿入（矢印方向）し、コンタ
クトピン（６）（６）…とめすコンタクト（７）（７）
…を嵌合してデータを読み書きする。

而して、ICカード（１）の前面形状並びにコネクタ
（２）のスロツト開口部（4a）の形状は共に長方形であ
るので、前記ICカード（１）を天地逆に挿入した場合、
コンタクトピン（６）（６）…とめすコンタクト（７）
（７）…が誤接続される虞れがある。そこで、例えば第
８図に示すように、コンタクトピン（６）（６）…の位
置をスロツト（４）の上下中心から偏位させ、図示は省
略するがICカード（１）のめすコンタクト（７）（７）
…も同様に偏位させる等の手段によつて誤接続を防止し
ている。

［考案が解決しようとする課題］ 前述した従来のICカード並びにコネクタはコンタクトピ
ンの配置を偏位させる等の手段によつて誤接続を防止し
ているが、前記コネクタの挿入口並びにICカードの形状
は左右或は上下対称形である。依って、前記ICカードは
誤つて天地や前後が逆の状態でスロツトに挿入される場
合があり、更に、異種のICカードが挿入されることもあ
る。然るときはICカードの方向或は種類を確認し、改め
て挿入操作をしなければならず面倒である。

又、挿入後の接続状態を目視できないため、挿入量不足
で接続不良となつたり、或は挿入力過大でコネクタに悪
影響を及ぼす場合もある。更に、ICカードの方向を誤つ
て挿入した場合は、該ICカードのめすコンタクト並びに
コネクタのコンタクトピンを変形させて使用不能となる
こともある。

そこで、ICカードの誤挿入を防止するとともに、該ICカ
ードとコネクタとの接続完了を確認できるようにして操
作性を向上し、破損等の事故を防止するために解決せら
れるべき技術的課題が生じてくるのであり、本考案は該
課題を解決することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記目的を達成するために提案せられたもの
であり、ICカードの前面視を非対称形とすべく、該ICカ
ードの一側面を斜設し、一方、コネクタに開口されてい
るスロットは前記ICカードの前記非対称形に対応して、
一方の内側壁が斜設されており、該斜設部位の反対側に
は側壁と隔壁とによって形成される前面開放の略長方形
状のスプリング固定部が設けられており、且つ、該スプ
リング固定部の底部に略字状のスプリングの一側片の
先端部を固定して該スプリングを該スプリング固定部内
に遊挿し、更に、該スプリングの他側片の先端部位にカ
ムが設けられ、且つ、該カムを前記隔壁に開穿されてい
る窓から該スプリングの付勢によって前記スロット内に
突出させたICカードの誤挿入防止装置を提供せんとする
ものである。

［作用］ この考案は、ICカードの挿入方向一側面に斜設して該IC
カードを前面視上下並びに左右非対称形としている。
又、該ICカードを挿入すべきコネクタのスロットは前記
ICカードの該非対称形に対応して一方の内側壁が斜設さ
れている。従って、該スロットには異種のICカードを挿
入することはできない。更に、該ICカードは前述せる如
く、前面視に於て左右上下が非対称形であるため、適合
するICカードであっても上下或いは前後を逆にして挿入
することができず、従って、所定ICカードであって所定
方向のICカードの挿入のみが可能となり、誤挿入が防止
される。

又、前記スロットは前記斜設部位の反対側に側壁と隔壁
とによって形成される前面開放のスプリング固定部が設
けられており、該スプリング固定部に遊挿されている
字状のスプリングは、その一側片の先端部が該スプリン
グ固定部の底部に固定されており、更に、該スプリング
の他側片の先端部位にカムが設けられ、且つ、該カムを
前記隔壁に開穿されている窓から該スプリングの付勢に
よって前記スロット内に突出せしめてあるので、該カム
は該スロットの底部に配列されているコンタクトピンの
先端部近傍に位置するようになる。依って、ICカードを
スロットに挿入する際には、該ICカードの前縁部が該ス
ロット内に突出している前記カムに当接し、更に、該IC
カードを挿入することにより、該カムはICカードの前縁
部にて押圧され乍ら字状スプリングが前記固定部を回
動支点として該押圧方向へ倒回し、更に、該ICカードを
押し込めば、該カムは該ICカードの垂直面である側面に
圧接し乍ら該スプリングの弾性復元力にて該スプリング
は前述の倒回状態即ち、前傾姿勢から元の位置に復帰し
ようとする。このとき、該ICカードのめすコンタクトと
スロット内のコンタクトピンが嵌合完了時点で該ICカー
ド側面に対する摩擦力にスプリングの弾性復元力が打ち
勝ち、該スプリングの反発力によって該スプリングの上
方部が、スプリング固定部の側壁に衝突してクリック音
を発生し、斯くして、該ICカードの挿着完了を音により
確認することができる。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を別紙添付図面の第１図乃至
第６図に従って詳述する。尚、説明の都合上、従来公知
に属する技術事項も同時に説明し、従来例で使用した符
号と対称の部分は同一符号を使用するものとする。

第１図はICカード（10）の正面図であり、該ICカード
（10）は同図中右側面（10a）をテーパ状に斜設して左
右並びに上下非対称形に形成している。尚、（７）
（７）…はめすコンタクトである。

第２図はコネクタ（11）の正面図である。該コネクタ
（11）のスロツト（12）の開口形状は、前記ICカード
（10）に適合するように左側壁（12a）を斜設している
ので、ICカード（10）は上下或は前後逆に挿入すること
はできず、めすコンタクト（７）（７）…とコンタクト
ピン（６）（６）…の誤接続或は破損等を防止する。
又、異なる前面形状を有する異種ICカードの挿入も防止
できる。

そして、第２図及び第３図に示すように、コネクタ（1
1）の右側部位にスプリング固着部（13）を設けてい
る。該スプリング固着部（13）にはＵ字状のスプリング
（14）が装着されている。該スプリング（14）は樹脂或
は金属薄板等にてＵ字状に形成され、一端部に設けた突
起（15）（15）をコネクタ（11）の上下壁に設けた係止
孔（16）（16）に係合して脱落を防止している。

一方、スプリング（14）の他端部には側方へ突出するカ
ム（17）を設けてある。そして、スプリング固着部（1
3）とスロツト（12）との隔壁（18）に窓（19）を開穿
し、該窓（19）から前記カム（17）をスロツト（12）内
へ突出させている。前記カム（17）のスロツト（12）内
に於ける位置はコンタクトピン（６）（６）…の先端部
（6a）より稍開口部（20）よりとしてある。

而して、前記スプリング（14）の作用を第４図乃至第６
図に従って説明する。第４図に示すようにスロツト（1
2）の開口部（20）からICカード（10）を挿入すると、
該ICカード（10）の前縁部（10a）がスプリング（14）
のカム（17）に当接し、該カム（17）は矢印方向へ押圧
される。更に、ICカード（10）を押圧すると、第５図に
示すようにカム（17）はスプリング固着部（13）内へ後
退し、ICカード前縁部（10a）との係合を離脱する。続
いて、第６図に示すようにICカード（10）のめすコンタ
クト（７）（７）…がコンタクトピン（６）（６）…に
嵌合されるとともに、前記スプリング（14）は弾性によ
つて矢印方向へ復帰し、このとき上方部位（14a）が側
壁（21）に衝突してクリツク音を発生する。該クリツク
音によつて操作者はICカード（10）とコネクタ（11）と
の接続完了を知ることができる。

尚、この考案は、この考案の精神を逸脱しない限り種々
の改変を為す事ができ、そして、この考案が該改変せら
れたものに及ぶことは当然である。

［考案の効果］ この考案は上記一実施例に詳述したように、ICカード用
のコネクタのスロツトを上下左右非対称形に形成し、該
コネクタに接続すべきICカードを前記スロツトに適合す
るように同形に形成している。依って、ICカードを天地
或は前後逆に挿入することはできず、誤挿入を防止す
る。又、異種のICカードが挿入されることも防止でき
る。

一方、前記コネクタに内装したスプリングの一端部にカ
ムを設け、該カムをスロツトの内側に突出させてICカー
ド挿着完了をクリツク音で確認できるので操作性が良好
となる等種々の効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案の一実施例を示し、第１図は
ICカードの正面図、第２図はコネクタの正面図、第３図
は同一部切欠平面図、第４図乃至第６図は夫々スプリン
グの作用を示すコネクタの一部切欠平面図、第７図及び
第８図は従来例を示し、第７図はICカード並びにコネク
タの一部切欠斜面図、第８図はコネクタの正面図であ
る。 （10）……ICカード、（11）……コネクタ （12）……スロツト、（13）……スプリング固着部 （14）……スプリング、（17）……カム （18）……隔壁、（19）……窓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ICカードの前面視を非対称形とすべく、該
   ICカードの一側面を斜設し、一方、コネクタに開口され
   ているスロットは前記ICカードの前記非対称形に対応し
   て、一方の内側壁が斜設されており、該斜設部位の反対
   側には側壁と隔壁とによって形成される前面開放の略長
   方形状のスプリング固定部が設けられており、且つ、該
   スプリング固定部の底部に略字状のスプリングの一側
   片の先端部を固定して該スプリングを該スプリング固定
   部内に遊挿し、更に、該スプリングの他側片の先端部位
   にカムが設けられ、且つ、該カムを前記隔壁に開穿され
   ている窓から該スプリングの付勢によって前記スロット
   内に突出させたことを特徴とするICカードの誤挿入防止
   装置。