JP4124038B2 - メモリカード用ソケット - Google Patents
メモリカード用ソケット Download PDFInfo
- Publication number
- JP4124038B2 JP4124038B2 JP2003188787A JP2003188787A JP4124038B2 JP 4124038 B2 JP4124038 B2 JP 4124038B2 JP 2003188787 A JP2003188787 A JP 2003188787A JP 2003188787 A JP2003188787 A JP 2003188787A JP 4124038 B2 JP4124038 B2 JP 4124038B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- memory card
- slide member
- housing
- contact
- card
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Coupling Device And Connection With Printed Circuit (AREA)
- Details Of Connecting Devices For Male And Female Coupling (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、SDメモリカードやマルチメディアカード(MMCカード)のようなメモリカードを挿抜自在に接続するためのメモリカード用ソケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のメモリカード用ソケットとしては、前部に開口したカード挿入口を通してメモリカードがスライドして挿抜されるハウジングと、ハウジングの内部に保持されメモリカードに設けた接続端子に接触する複数本のコンタクトと、ハウジング内部に挿入されたメモリカードに当接して押力を受け、ハウジングに対してメモリカードの挿抜方向に沿ってスライドするスライド部材と、メモリカードを取り出す際にスライドする取出方向にスライド部材をハウジングに対して付勢する付勢ばねと、メモリカードの接続端子がコンタクトに接触する保持位置よりも奥のロック位置までスライド部材が押し込まれるとスライド部材の取出方向への移動を禁止すると共に、スライド部材がロック位置よりも奥まで一旦押し込まれた状態で押力が解除されるとスライド部材を解放するプッシュオン・プッシュオフ型のロック機構とを備えたものが従来より提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記のようにプッシュオン・プッシュオフ型のロック機構を備えたメモリカード用ソケットにメモリカードを接続する際は、メモリカードをハウジングに挿入して押し込む。そして、スライド部材がメモリカードを介して押力を受け、メモリカードの接続端子がコンタクトに接触する保持位置よりもやや奥のロック位置まで移動したときに、取出方向へのスライド部材の移動がロック機構によって禁止され、メモリカードへの押力を除去した後にもメモリカードが保持位置に留まることになる。一方、メモリカードを抜く際には、ロック位置よりも少し奥にメモリカードを一旦押し込んでからメモリカードへの押力を除去すると、ロック機構がスライド部材を解放し、メモリカードがスライド部材を介して付勢ばねのばね力を受け、ハウジングから押し出される。
【0004】
【特許文献1】
特許第3252133号明細書(第3頁−第4頁、及び、第6図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したロック機構を備えるメモリカード用ソケットでは、メモリカードを取り出そうとしたときに、メモリカード用ソケットの後部を弾くように操作すると、付勢ばねのばね力によってメモリカードがソケットから勢いよく飛び出してしまうという問題があった。
【0006】
メモリカードの飛び出しを防ぐためには付勢ばねのばね力を弱めれば良いが、付勢ばねのばね力を弱めると、メモリカードが押し出される過程でメモリカードがコンタクトから離れる前に、付勢ばねのばね力がコンタクトの接触圧による摩擦力よりも弱くなって、メモリカードが途中で停止するといった動作不良を起こす虞があり、付勢ばねのばね力を弱めることができなかった。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、メモリカードの飛び出しを防止したメモリカード用ソケットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、前部に開口したカード挿入口を通してメモリカードがスライドして挿抜されるハウジングと、ハウジングの内部に保持されメモリカードに設けた接続端子に接触する複数本のコンタクトと、ハウジング内部に挿入されたメモリカードに当接して押力を受け、ハウジングに対してメモリカードの挿抜方向に沿ってスライドするスライド部材と、メモリカードを取り出す際にスライドする取出方向にスライド部材をハウジングに対して付勢する付勢ばねと、メモリカードの接続端子がコンタクトに接触する保持位置よりも奥のロック位置までスライド部材が押し込まれるとスライド部材の取出方向への移動を禁止すると共に、スライド部材がロック位置よりも奥まで一旦押し込まれた状態で押力が解除されるとスライド部材を解放するロック機構とを備え、スライド部材は、メモリカードの後部と当接する主部と、当該主部の左右両端部からそれぞれ前方に突出してメモリカードの左右両側縁をそれぞれガイドする腕部とでコ字型に形成され、メモリカードの側縁に形成されたロック用切欠に対応する腕部の部位に、挿抜方向の寸法がロック用切欠よりも小さい寸法であってロック用切欠内に突出する山形突起を形成したことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、メモリカードをハウジングの内部に挿入した状態でスライド部材に設けた山形突起がメモリカードのロック用切欠内に突出しているので、メモリカードをソケットから取り外す際にロック機構によってスライド部材が解放され、付勢ばねの付勢力によってスライド部材が取出方向にいっぱいまで移動した際に、慣性でメモリカードが取出方向へ移動しようとすると、ロック用切欠の縁にスライド部材の山形突起が引っ掛かるから、メモリカードの飛び出しを防止することができる。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1の発明において、各腕部にメモリカードの裏面の左右両側縁に形成された段部を載置摺動するためのガイド用段部を設け、このガイド用段部のメモリカード裏面との対向面に山形突起を形成してあり、スライド部材がメモリカードの取出位置まで移動した状態で山形突起に対向するハウジングの部位に、ハウジング内部に挿入されるメモリカードの表面に弾接してメモリカードをスライド部材に押し付ける弾接部を設けたことを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、ハウジングに設けた弾接部によってメモリカードがスライド部材に押し付けられるから、メモリカードの厚み寸法がばらついても、山形突起とロック用切欠の縁とを確実に引掛係止させて、メモリカードの飛び出しを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るメモリカード用ソケットの一実施形態を、SDメモリのようなメモリカードを挿抜自在に接続するソケットを例に図1〜図5を参照して説明する。尚、以下の説明では図3に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、カードの取出方向を前側として説明を行う。
【0013】
図3に示すように、本実施形態で用いるメモリカードMCはSDメモリカードであり、外周形状が略矩形状であって、後側の下面には図示しない複数個(SDメモリカードでは9個)の接続端子が左右に並べて設けられている。また、メモリカードMCの後部(挿入側)の一方の角(右後ろの角)を落として逆差し防止用の傾斜カット部101を形成してあり、メモリカードMCの右側縁には、傾斜カット部101よりもやや前側の部位に矩形状に陥没したロック用切欠102が設けられている。さらに、メモリカードMCの下面側の左右両側部には、上面側の幅よりも下面側の幅を狭くする段部103,103が形成されている。また、メモリカードMCの左側縁には、手操作で摘みを前後にスライドさせることでデータの書き込み可能・禁止を切り替えるライトプロテクトスイッチ104が設けられている。
【0014】
次に本実施形態のソケットの構造を詳細に説明する。図2は本実施形態の分解斜視図、図3は本実施形態の外観斜視図であり、このメモリカード用ソケットは、それぞれ厚さが極薄いステンレス金属板を打ち抜き且つ曲げ加工することにより形成されたベースシェル1及びカバーシェル2からなり、ベースシェル1上にカバーシェル2を被着することで前部にメモリカードを挿入するカード挿入口3aが開口した扁平な箱状のハウジング3と、ハウジング3の後部内に装着されるコンタクトブロック4と、コンタクトブロック4の前方側のハウジング3内に前後方向(メモリカードMCの挿抜方向)に移動自在に配置されるスライダー5(スライド部材)とを主要な構成要素としたものである。
【0015】
ベースシェル1は、底板6aの左右両側に上面(ハウジング3の内側に対応)側方向に折り曲げて形成した側壁6b,6bを設けたもので、前後端が開放されている。
【0016】
底板6aの後端には、コンタクトブロック4の樹脂製基体7に上下方向に貫通させた圧入孔8に下方から圧入してコンタクトブロック4を後部上面に固定する複数個の突出片9を所定間隔で両側方向に4つ折り曲げ形成している。また、底板6aの後端よりやや前方の位置には、コンタクトブロック4にそれぞれ保持される後述のコンタクト10…及びスイッチ片12a,12bがメモリカードMCによって下方に押された時に底板6aに接触しないように逃がすための逃がし孔14が複数貫設されている。
【0017】
一方、左右の側壁6b,6bには係止孔35が前後方向に3個ずつ貫設してある。また右側の側壁6bには、前後方向における中間部を内側方向に切り起こすことで、スライダー5の前後方向の移動を規制するピン31の一端を支持するL字状片32が形成してある。L字状片32はその立片に軸孔32aを形成して、この軸孔32aにピン31の一端の軸部31aを回動自在に軸支するようになっている。ピン31はスライダー5の右側の腕部5cの外側面に形成した凹み部内に配置され、他端の軸部31bを腕部5cの前部外側面に形成した後述のハートカム溝部30に移動自在に係入させている。
【0018】
さらに、右側の側壁6bの前部には押圧ばね片33が切り起こしによって形成されており、この押圧ばね片33によりピン31の前側の側面がスライダー5の腕部5c側に押圧されて、軸部31bの先端部がハートカム溝部30のガイド溝30b底部の凹凸面に接触する。
【0019】
また更に、ベースシェル1の底板6aの前端(カード挿入口3a側)には両側縁が前方に広がるように拡開形成した凹欠6cが形成され、この凹欠6cの傾斜辺となる両側縁に沿って上方に向けて逆入れ防止用の突片18を切り起こしにより形成している。この突片18,18間がメモリカードMCのカード挿入口3aに対応し、各突片18の上部内側縁には段部18aを形成し、両突片18の段部18aよりも上側の内側縁間の寸法を、メモリカードMCの両側の最大幅の寸法よりもやや大きく設定し、またベースシェル1の上面と段部18aの上向き面との間の寸法を、メモリカードMCの左右両側の段部103の高さ寸法よりやや小さい寸法に設定し、さらに段部18aより下側の内側縁間の寸法をメモリカードMCの段部103より下方の両側幅の寸法よりやや大きく設定してある。以上のような寸法関係に設定することにより、メモリカードMCの裏面側をベースシェル1の上面側に載せる状態ではメモリカードMCの段部103が突片18の段部18a上を通過することができて上記カード挿入口3aからのメモリカードMCの挿入を可能とし、逆にメモリカードMCの表面をベースシェル1の上面側に向けた場合にはメモリカードMCのベースシェル1側となった両側部が両側の突片18,18の内側縁間を通過できず、メモリカードMCの表裏方向の間違いによる誤挿入を防止するようなっている。
【0020】
またカバーシェル2は、天板20aの左右両側に折り曲げによって下向きの側壁20b,20bを一体に設けてあり、天板20aの後端には所定間隔で複数の下向きの突出片21を折り曲げ形成している。これらの突出片21はベースシェル1上にカバーシェル2を被着する際に、ベースシェル1の後部上面に配置されるコンタクトブロック4の基体7上面に開口するように貫設された圧入孔22に圧入してコンタクトブロック4を固定するためのものである。また、両側壁20b,20bには、側壁6b,6bの係止孔35…に対応する位置に弾性係止片34…が切り起こしによって形成されている。
【0021】
さらに、天板20aの前よりの部位の左右の端部には、前後方向に沿って並行する各2本のスリット24を打抜き形成し、2本のスリット24でそれぞれ挟まれた部位には前後方向の中間部が下方へ突出するように折り曲げられ、メモリカードMCにおける接続端子が設けられた面と反対側の面に弾接して、メモリカードMCをスライダー5に押し付ける押え片25(弾接部)が設けられている。
【0022】
コンタクトブロック4は、メモリカードMCの後部下面に並行配設した複数の接続端子に夫々接触するコンタクト10…と、メモリカードMCの挿入検出用のスイッチ片11a,11bと、ライトプロテクトスイッチ104の位置検出用のスイッチ片12a,12bとを樹脂製の基体7にインサート成形によって一体保持させており、基体7の前面側(カード挿入口3a側)にはコンタクト10…及びスイッチ片11a,11b,12a,12bの接触側を突出させ、基体7の後面側には回路基板等に夫々を半田付けするための半田付け端子部13…を突出させている(図2参照)。尚、スイッチ片11a,11bは基体7の右端部に一体保持されて、メモリカードMCの傾斜カット部101に対向し、スイッチ片12a,12bはメモリカードMCのライトプロテクトスイッチ104に対応して基体7の左端部に一体保持されている。
【0023】
また、基体7の前面には段部を設けてあり、この段部に一端が開口するように上記圧入孔8…を上下方向に貫通させ、さらに基体7の後側上面に一端が開口するように圧入孔22…を上下方向に貫通させている。
【0024】
スライダー5は合成樹脂成型品からなり、左右に長くメモリカードMCの後端に当接する主部5aと、主部5aの左右の端部からそれぞれ前方に突出する腕部5b,5cとでコ字型に形成されている。また、主部5aと右側の腕部5cとで囲まれた入り隅にはメモリカードMCの傾斜カット部101に衝合する傾斜面15aを前面に形成した張出部15が設けられており、さらに主部5aの下面には、スライダー5が押し込まれた時にコンタクト10を前方に突出させるための凹溝16が複数個設けられている。
【0025】
各腕部5b,5cは、メモリカードMCの左右の側縁をガイドするものであって、各腕部5b,5cの内側面の下部には前端から後方に向けてメモリカードMCの左右両側の段部103,103を載置摺動するための段部17,17が設けられている。そして、メモリカードMCのロック用切欠102が設けられた方の側縁をガイドする右側の腕部5cには、メモリカードMCの後端部をスライダー5の主部5aに当接させた状態でロック用切欠102に対応する部位に上側に向かって突出する山形突起36が突設されている(図1(a)(b)参照)。また、各腕部5b,5cの前端内側面には、それぞれ前方へ向かって腕部5b,5cの間の間隔を広げる傾斜面19,19が形成されている。
【0026】
また、スライダー5の各腕部5b,5cには、それぞれコイルばね23,23の一端が挿入される溝(図示せず)が設けられている。これらの溝の前端内面はコイルばね23の弾発力を受ける面となり、両腕部5b,5cが均等に付勢ばねとしてのコイルばね23,23の弾発力を前方方向に受けることで、スライダー5がハウジング3内をスムーズに前後方向に摺動できることになる。なお各コイルばね23の他端は、それぞれ、ばね座片26を介してベースシェル1に取り付けられている。各ばね座片26は、コイルばね23に後方から挿入されてコイルばね23の座屈を防止する座屈防止針26aと、ベースシェル1の各側壁6b,6bの後端部に設けた結合孔27,27に凹凸結合する取付片26bとをそれぞれ具備している。
【0027】
更に右側の腕部5cの前部外側面にはハートカム溝部30を形成してある。このハートカム溝部30は、図5に示すようにハートカム30aとガイド溝30bとから構成され、ピン31の軸部31bをガイド溝30bに係入し、スライダー5の前後移動に伴い、ガイド溝30bとガイド溝30bの底面に形成した凹凸面30cとでピン31の軸部31bのガイド溝30b内の相対的な移動をガイドするようなっている。
【0028】
また、メモリカードMCの脱落を防止するロック片28が、カバーシェル2の右後端部を切り起こして形成されており、ロック片28の前端部が左右方向に撓み可能となっている。ロック片28の前後方向における中間部には、ロック片28の前端部を後部よりも左側に突出させる段部28aが設けられ、さらにロック片28の前端には内側(左側)に突出するロック爪28bが曲成されている。一方、スライダー5の右側の腕部5cの上面には、ロック片28に対向する部位に腕部5cの左右にそれぞれ解放された凹欠部29が形成されており、この凹欠部29を介してロック片28のロック爪28bを腕部5cの内側面側へ臨ませるようになっている。
【0029】
以上説明したような本実施形態のメモリカード用ソケットを組み立てるに当たっては、ベースシェル1の両側壁6b,6bの後端に設けた結合孔27,27にばね座片26,26の取付片26b,26bを凹凸結合して、ばね座片26,26の座屈防止針26a,26aにコイルばね23の後端部を挿入することで、コイルばね23,23をベースシェル1の後部両側内に配置する。
【0030】
次にベースシェル1の上面後部にコンタクトブロック4を載置する。このときベースシェル1の後端に突出させている突出片9…を、コンタクトブロック4の圧入孔8…に下方から圧入してコンタクトブロック4をベースシェル1上に固定する。その後、ベースシェル1の上面後部に載置固定されたコンタクトブロック4の前方側のベースシェル1上に、両腕部5b,5cに形成した溝内にコイルばね23,23の前部を嵌めるようにしてスライダー5を載置する。そして、ピン31の一端側の軸部31aをベースシェル1のL字状片32の軸孔32aに挿入して軸支させるとともに、ピン31を腕部5cとベースシェル1の右側の側壁6bとの間に配置し、さらにピン31の他端側の軸部31bを腕部5cの前部外側面に形成したハートカム溝部30に係入する。この際、ピン31はベースシェル1の側壁6bに設けた押圧ばね片33により腕部5c側に付勢され、軸部31bの先端がハートカム溝部30のガイド溝30b底面に形成した凹凸面30cと当接する。またスライダー5はコイルばね23,23によって前方方向に付勢されて、カード挿入口3a側へ押し動かされ、両腕部5b,5cの前端部に形成した傾斜面19,19が、ベースシェル1の前端に設けた突片18,18の裏面の傾斜面に衝合してスライダー5のそれ以上の前方への移動が規制される。
【0031】
このようにしてベースシェル1上にコンタクトブロック4,スライダー5を配置するとともに、コイルばね23,23及びピン31を装着した後、カバーシェル2を上方からベースシェル1に被せる。この際、カバーシェル2の後端に形成した突出片21…をコンタクトブロック4の基体7の圧入孔22に上方から圧入するとともに、両側壁20b,20bをベースシェル1の両側壁6b,6bの外側面に沿うように垂下させる。このときカバーシェル2の両側壁20b,20bに形成された弾性係止片34…の上向き先部が、ベースシェル1の両側壁6b,6bに設けた係止孔35…に係止されることになる。これにより両シェル1,2が互いに結合されて扁平で前部にカード挿入口3aを開口した箱状のハウジング3が形成されるとともにメモリカード用ソケットの組立が完了する。
【0032】
次にメモリカードMCをメモリカード用ソケットに挿着する場合の各部の動作について説明する。メモリカードMCの未挿入状態では、コイルばね23の弾発力を受けてスライダー5が前方へ移動し、両腕部5b,5cの前端の傾斜面19が突片18に当接することで前方方向への移動が規制されており、この状態ではピン31の一端がハートカム溝部30のガイド溝30bの後端位置(図5のイ)に移動している。また、この状態ではロック片28の段部28aよりも前側の部位が、腕部5cの凹欠部29よりも後側に設けた縦壁29aと当接して外側に撓められ、ロック片28のロック爪28bが凹欠部29内に収納されて、腕部5cの内側面よりも内側に突出しないように規制されている状態にある。
【0033】
この状態でメモリカードMCを正しい向きにしてカード挿入口3aからハウジング3内に挿入すると、メモリカードMCの下面両側の段部103,103がスライダー5の段部17,17上に載置されてガイドされ、更にメモリカードMCをハウジング3内に押し込むと、メモリカードMCの傾斜カット部101がスライダー5の張出部15の傾斜面15aに衝合するとともに、メモリカードMCの後部が主部5aに衝合し、コイルばね23の弾発力に抗してスライダー5を後方へ押すことになる。この際、右側の腕部5cの段部17に形成された山形突起36をメモリカードMCの右側縁の後部が乗り越えて、メモリカードMCのロック用切欠102内に山形突起36が入り込むのであるが、山形突起36の前側の端面には傾斜面36aが形成されているので、メモリカードMCの右側縁の後部が山形突起36を乗り越えやすくなっている。
【0034】
その後メモリカードMCを更に押し込むと、スライダー5の後退によってピン31の軸部31bはガイド溝30b底部の凹凸面30cによってガイドされながらハートカム30aの上側のガイド溝30b(図5中のロ)を移動することになる。そしてスライダー5の主部5a後面がコンタクトブロック4の基体7前面に当たる位置に近い位置までメモリカードMCを押し込むと、ピン31の軸部31bがガイド溝30bの先端に当たる位置ニ(図5参照)へ至ることになり、それ以上の押し込みができなくなる。この位置でメモリカードMCに加えていた押し込み力を解除すると、コイルばね23の弾発力によりスライダー5がメモリカードMCと共に前方へ戻りかけるが、ピン31の軸部31bがガイド溝30bに案内されながら移動してハートカム30aの凹部30dに嵌り込むことになる。従ってこれ以上のスライダー5の前方移動が規制され、メモリカードMCはその位置でハウジング3内に留まることになる。またスライダー5が上記の位置まで移動すると、腕部5cに設けた縦壁29aの後端がロック片28の段部28aよりも前側に移動するので、縦壁29aによる規制が無くなってロック片28の先部が内側に撓み、ロック爪28bが凹欠部29から内側に突出してロック用切欠102に係入し、メモリカードMCをロックする。ここに、ハートカム溝部30とピン31とロック片28とでロック機構が構成される。
【0035】
この位置ではスライダー5の主部5a下面の凹溝16…から前方に突出する各コンタクト10…の先部がメモリカードMC裏面の接続端子に接触している。また、この状態ではスイッチ片11aがメモリカードMCの傾斜カット部101に押されてスイッチ片11bに接触し、スイッチ片11a,11b間が導通するので、このスイッチ信号でメモリカードMCが正規位置に挿着されたことを検出することができる。また、ライトプロテクトスイッチ104の摘みが後側に移動している場合は、スイッチ片12bの先部が摘みに乗り上げてスイッチ片12aの先部から離れることになり、上述と逆に摘みが前側に移動している場合はスイッチ片12bがスイッチ片12aの先部に接触した状態となるので、このスイッチ信号でメモリカードMCがライトプロテクト状態にあるか否かを検出することができる。
【0036】
以上のように装着されたメモリカードMCをソケットから取り出す際には、まずカード挿入口3aから露出するメモリカードMCの後部を挿入方向に押してスライダー5とともにメモリカードMCを挿入方向へ移動させる。この移動に伴ってピン31の軸部31bがハートカム30aの凹部30dから離脱するとともにガイド溝30bにガイドされて凹部30dより下側のガイド溝30b内へ移動する。そしてメモリカードMCの押し込み力を解除すると、スライダー5はコイルばね23の弾発力により前方へ移動する。この移動によってスライダー5の腕部5cに設けた縦壁29aの後端がロック片28の段部28aよりも後側に移動して、ロック片28の段部28aよりも前側の部位が縦壁29aによって外側に押し撓められ、ロック片28の先端のロック爪28bが凹欠部29内に後退してメモリカードMCのロックを解除する。
【0037】
この時同時に、ピン31の軸部31bはガイド溝30bにガイドされながらハートカム30aの下側のガイド溝30b(図5のハ)を通って後端側へ移動する。また、スライダー5はコイルばね23の弾発力によってカード挿入口3a側へ移動して図1に示す状態に復帰することになり、メモリカードMCの後部がカード挿入口3aから外部へ大きく露出し、メモリカードMCをハウジング3から取り出すことができる。この際コイルばね23の弾発力によってスライダー5が取出方向へいっぱいまで移動すると、慣性によってメモリカードMCがカード挿入口3aから外側へ飛び出そうになるが、腕部5cの段部17に形成した山形突起36がメモリカードMCのロック用切欠102内に入り込んでいるので、メモリカードMCが前方へ移動しようとすると、ロック用切欠102の後縁に山形突起36が引っ掛かり、メモリカードMCの飛び出しが防止されるようになっている。また、メモリカードMCをベースシェル1側に押圧する押え片25は、スライダー5がメモリカードMCの取出位置まで移動した状態で山形突起36に対向するハウジング3(すなわちカバーシェル2)の部位に形成されているので、メモリカードMCの厚み寸法がばらついたり、メモリカードMCに反りが発生したとしても、山形突起36とロック用切欠102とを確実に引掛係止させて、メモリカードMCの飛び出しを防止することができる。
【0038】
尚、本実施形態ではSDメモリのようなメモリカードを挿抜自在に接続するソケットを例に説明したが、MMCカードなどの他の種類のメモリカードに対しても、本発明における技術は適用できるものであるから、特にSDメモリカードに限定されるものではない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、メモリカードをハウジングの内部に挿入した状態でスライド部材に設けた山形突起がメモリカードのロック用切欠内に突出しているので、メモリカードをソケットから取り外す際にロック機構によってスライド部材が解放され、付勢ばねの付勢力によってスライド部材が取出方向にいっぱいまで移動した際に、慣性でメモリカードが取出方向へ移動しようとすると、ロック用切欠の縁にスライド部材の山形突起が引っ掛かるから、メモリカードの飛び出しを防止できるという効果がある。
【0040】
また請求項2の発明では、ハウジングに設けた弾接部によってメモリカードがスライド部材に押し付けられるから、メモリカードの厚み寸法がばらついても、山形突起とロック用切欠の縁とを確実に引掛係止させて、メモリカードの飛び出しを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のメモリカード用ソケットを示し、(a)はカバーシェルを外した状態の上面図、(b)は矢視B図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上の外観斜視図である。
【図4】同上を示し、図3のA−A断面図である。
【図5】同上のハートカム溝部の要部拡大図である。
【符号の説明】
5 スライダー
5a 主部
5b,5c 腕部
17 段部
23 コイルばね
36 山形突起
Claims (2)
- 前部に開口したカード挿入口を通してメモリカードがスライドして挿抜されるハウジングと、ハウジングの内部に保持されメモリカードに設けた接続端子に接触する複数本のコンタクトと、ハウジング内部に挿入されたメモリカードに当接して押力を受け、ハウジングに対してメモリカードの挿抜方向に沿ってスライドするスライド部材と、メモリカードを取り出す際にスライドする取出方向にスライド部材をハウジングに対して付勢する付勢ばねと、メモリカードの接続端子がコンタクトに接触する保持位置よりも奥のロック位置までスライド部材が押し込まれるとスライド部材の前記取出方向への移動を禁止すると共に、スライド部材が前記ロック位置よりも奥まで一旦押し込まれた状態で押力が解除されるとスライド部材を解放するロック機構とを備え、前記スライド部材は、メモリカードの後部と当接する主部と、当該主部の左右両端部からそれぞれ前方に突出してメモリカードの左右両側縁をそれぞれガイドする腕部とでコ字型に形成され、メモリカードの側縁に形成されたロック用切欠に対応する腕部の部位に、前記挿抜方向の寸法がロック用切欠よりも小さい寸法であってロック用切欠内に突出する山形突起を形成したことを特徴とするメモリカード用ソケット。
- 各腕部にメモリカードの裏面の左右両側縁に形成された段部を載置摺動するためのガイド用段部を設け、このガイド用段部のメモリカード裏面との対向面に山形突起を形成してあり、スライド部材がメモリカードの取出位置まで移動した状態で山形突起に対向するハウジングの部位に、ハウジング内部に挿入されるメモリカードの表面に弾接してメモリカードをスライド部材に押し付ける弾接部を設けたことを特徴とする請求項1記載のメモリカード用ソケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188787A JP4124038B2 (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | メモリカード用ソケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003188787A JP4124038B2 (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | メモリカード用ソケット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005026016A JP2005026016A (ja) | 2005-01-27 |
JP4124038B2 true JP4124038B2 (ja) | 2008-07-23 |
Family
ID=34187201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003188787A Expired - Lifetime JP4124038B2 (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | メモリカード用ソケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4124038B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4332133B2 (ja) | 2005-05-12 | 2009-09-16 | パナソニック電工株式会社 | メモリカード用ソケット |
JP4517998B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2010-08-04 | パナソニック電工株式会社 | メモリカード用ソケット |
JP5318392B2 (ja) * | 2007-10-11 | 2013-10-16 | 山一電機株式会社 | 電子機器用カードコネクタ |
JP2011060572A (ja) * | 2009-09-10 | 2011-03-24 | Alps Electric Co Ltd | カード用コネクタ |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003188787A patent/JP4124038B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005026016A (ja) | 2005-01-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3775338B2 (ja) | メモリカード用コネクタ装置及びその製造方法 | |
US6814596B2 (en) | Card connector having low profile and vision indicator | |
JP3783591B2 (ja) | メモリカード用コネクタ | |
EP1193807B1 (en) | Card connector | |
JP3818256B2 (ja) | メモリカード用コネクタ装置 | |
JP4332133B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
WO2004105190A1 (ja) | メモリカード用コネクタ | |
JP4576354B2 (ja) | カードコネクタ | |
US6585542B2 (en) | Connector for memory card | |
JP4714964B2 (ja) | メモリカード用コネクタ | |
JP5501316B2 (ja) | カードコネクタ | |
JP4124038B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
JP4371154B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
JP4023389B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
JP5219941B2 (ja) | カード用コネクタ | |
JP5497717B2 (ja) | カード用コネクタ | |
JP4012660B2 (ja) | Icカード用コネクタ | |
JP3982371B2 (ja) | メモリカード用コネクタ装置 | |
JP4012708B2 (ja) | カード用コネクタ装置 | |
JP2005011666A (ja) | カードコネクタ | |
JP4023394B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
JP3945432B2 (ja) | メモリカード用ソケット | |
JP3775362B2 (ja) | メモリカード用コネクタ装置 | |
JP2004259051A (ja) | カード用コネクタ装置 | |
JP5497472B2 (ja) | カード用コネクタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050704 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20071225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080310 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080415 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080428 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4124038 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110516 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120516 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130516 Year of fee payment: 5 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |