JPH075548B2 - インドール包接分離法 - Google Patents
インドール包接分離法Info
- Publication number
- JPH075548B2 JPH075548B2 JP63146282A JP14628288A JPH075548B2 JP H075548 B2 JPH075548 B2 JP H075548B2 JP 63146282 A JP63146282 A JP 63146282A JP 14628288 A JP14628288 A JP 14628288A JP H075548 B2 JPH075548 B2 JP H075548B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- indole
- inclusion
- cyclodextrin
- compound
- mixture
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Indole Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は混合物中に含まれているインドールの濃縮分離
法に関するものである。
法に関するものである。
[従来技術] インドールは、香料として、また染料、アルカロイドな
どの合成原料として重要かつ高価な物質である。実験室
的製法としては、O−ニトロトルエンとシュウ酸ジエチ
ルを原料として、インドール−α−カルボン酸をつく
り、これを脱炭酸して合成される。一方、工業的製法と
しては、コールタールの220〜270℃留分より強塩基及び
フェノール性物質を除き、ナトリウムあるいは、ナトリ
ウムアミドと共に100〜125℃に加熱してインドールナト
リウムとし、水で分解後、水から再結晶して精製する。
この製法においては、強塩基及びフェノール性物質を除
く操作の煩しさ、ナトリウムあるいはナトリウムアミド
は化学的活性が大きく、慎重な取扱が必要な点など、い
くつかの問題点がある。
どの合成原料として重要かつ高価な物質である。実験室
的製法としては、O−ニトロトルエンとシュウ酸ジエチ
ルを原料として、インドール−α−カルボン酸をつく
り、これを脱炭酸して合成される。一方、工業的製法と
しては、コールタールの220〜270℃留分より強塩基及び
フェノール性物質を除き、ナトリウムあるいは、ナトリ
ウムアミドと共に100〜125℃に加熱してインドールナト
リウムとし、水で分解後、水から再結晶して精製する。
この製法においては、強塩基及びフェノール性物質を除
く操作の煩しさ、ナトリウムあるいはナトリウムアミド
は化学的活性が大きく、慎重な取扱が必要な点など、い
くつかの問題点がある。
[目的] 本発明の目的は、従来の工業的製法よりも簡便な、新規
なインドール濃縮分離法を提供することにある。また、
本発明はコールタール留分からのインドールの濃縮分離
だけでなく、それ以外の一般的な混合物中に含まれるイ
ンドールの濃縮分離にも適用され得るものである。
なインドール濃縮分離法を提供することにある。また、
本発明はコールタール留分からのインドールの濃縮分離
だけでなく、それ以外の一般的な混合物中に含まれるイ
ンドールの濃縮分離にも適用され得るものである。
[構成] 本発明では、インドールの濃縮分離剤として、α−シク
ロデキストリンを用いている。これはα−シクロデキス
トリン−インドール包接錯体の生成定数がα−シクロデ
キストリンと他の有機化合物の包接錯体のそれに比べて
非常に大きいことを原理としている。α−シクロデキス
トリンによる包接化合物の形成を分離に応用した特許例
は既に何件かあるが、ほとんど全てが、オルト、メタ、
パラ位置換ベンゼン化合物異性体或は光学異性体などの
ような、異性体の分離を扱ったものである。これに対
し、本発明のように、多種類の成分から成る混合物中の
特定の化合物の分離を目的としてα−シクロデキストリ
ンの包接錯体生成能を利用した例はない。
ロデキストリンを用いている。これはα−シクロデキス
トリン−インドール包接錯体の生成定数がα−シクロデ
キストリンと他の有機化合物の包接錯体のそれに比べて
非常に大きいことを原理としている。α−シクロデキス
トリンによる包接化合物の形成を分離に応用した特許例
は既に何件かあるが、ほとんど全てが、オルト、メタ、
パラ位置換ベンゼン化合物異性体或は光学異性体などの
ような、異性体の分離を扱ったものである。これに対
し、本発明のように、多種類の成分から成る混合物中の
特定の化合物の分離を目的としてα−シクロデキストリ
ンの包接錯体生成能を利用した例はない。
本発明においては、α−シクロデキストリンを水に溶解
あるいは懸濁させ、この液にインドールを含むコールタ
ール留分などを加え、激しく攪拌する。α−シクロデキ
ストリンの濃度は5〜20wt%であるが、好ましくは10〜
15wt%が適当である。α−シクロデキストリン水溶液と
インドール含有混合物の混合割合は、α−シクロデキス
トリンのモル数がインドールのそれの1〜10倍になるよ
うにする。攪拌はできるだけ激しく行うことが好まし
く、数10分から数時間行う。なお、温度は常温でも良い
が、反応速度の点からは、加温、例えば、30〜45℃程度
にするのがよい。混合液はインドール−シクロデストリ
ン包接化合物の生成により白濁する。攪拌終了後、反応
生成物を遠心分離にかける。この際の条件は例えば2500
rpmで、5〜10分間である。これを孔径0.4μmメンブラ
ンフィルターで減圧濾過し、水及びトルエンで洗浄した
後、アセトンで洗浄乾燥することによって、白色固体の
包接化合物を得る。この白色固体中には、インドール以
外の有機化合物のシクロデキストリン包接化合物も含ま
れているが、これをいったん60〜70℃以上の熱水中で解
離させた後、また包接化を繰り返すことによって、イン
ドールの含有率を高めることができる。インドール−シ
クロデキストリン包接化合物からインドールを得るには
種々の方法がある。例えば、包接化合物を熱水に溶解さ
せ、包接錯体を解離させた後、解離したインドールをジ
エチルエーテル等の適当な揮発性有機溶媒を用いて抽出
する方法や包接化合物を水に懸濁させ、ジエチルエーテ
ル等の適当な揮発性有機溶媒を加えて振盪し、インドー
ルを有機層に抽出する方法等がある。この有機層から有
機溶媒を揮発させるとインドールが得られる。なお以上
の全ての過程において、シクロデキストリン分子自体は
分解することがないので、回収再利用が可能である。
あるいは懸濁させ、この液にインドールを含むコールタ
ール留分などを加え、激しく攪拌する。α−シクロデキ
ストリンの濃度は5〜20wt%であるが、好ましくは10〜
15wt%が適当である。α−シクロデキストリン水溶液と
インドール含有混合物の混合割合は、α−シクロデキス
トリンのモル数がインドールのそれの1〜10倍になるよ
うにする。攪拌はできるだけ激しく行うことが好まし
く、数10分から数時間行う。なお、温度は常温でも良い
が、反応速度の点からは、加温、例えば、30〜45℃程度
にするのがよい。混合液はインドール−シクロデストリ
ン包接化合物の生成により白濁する。攪拌終了後、反応
生成物を遠心分離にかける。この際の条件は例えば2500
rpmで、5〜10分間である。これを孔径0.4μmメンブラ
ンフィルターで減圧濾過し、水及びトルエンで洗浄した
後、アセトンで洗浄乾燥することによって、白色固体の
包接化合物を得る。この白色固体中には、インドール以
外の有機化合物のシクロデキストリン包接化合物も含ま
れているが、これをいったん60〜70℃以上の熱水中で解
離させた後、また包接化を繰り返すことによって、イン
ドールの含有率を高めることができる。インドール−シ
クロデキストリン包接化合物からインドールを得るには
種々の方法がある。例えば、包接化合物を熱水に溶解さ
せ、包接錯体を解離させた後、解離したインドールをジ
エチルエーテル等の適当な揮発性有機溶媒を用いて抽出
する方法や包接化合物を水に懸濁させ、ジエチルエーテ
ル等の適当な揮発性有機溶媒を加えて振盪し、インドー
ルを有機層に抽出する方法等がある。この有機層から有
機溶媒を揮発させるとインドールが得られる。なお以上
の全ての過程において、シクロデキストリン分子自体は
分解することがないので、回収再利用が可能である。
[実施例] 以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例−1 α−シクロデキストリンの10%水溶液20mlに、240〜270
℃の範囲で分留したコールタール留分を1g加え、25℃で
90分間激しく攪拌した。反応生成物を2500rpmで5分間
遠心分離した後、孔径0.4μmメンブランフィルターで
濾過し、水及びトルエンで洗浄した後、アセトンで洗浄
乾燥した。こうして得られた白色固体に約8mlの水を加
え、加熱解離させた後、再び包接化を行った。
℃の範囲で分留したコールタール留分を1g加え、25℃で
90分間激しく攪拌した。反応生成物を2500rpmで5分間
遠心分離した後、孔径0.4μmメンブランフィルターで
濾過し、水及びトルエンで洗浄した後、アセトンで洗浄
乾燥した。こうして得られた白色固体に約8mlの水を加
え、加熱解離させた後、再び包接化を行った。
本実施例における主な成分の組成変化を表1に示した。
キャピラリーカラムガスクロマトグラフ法で分析したも
ので、表中の数字は各成分のピーク面積の全ピーク面積
に対する百分率を示す。
キャピラリーカラムガスクロマトグラフ法で分析したも
ので、表中の数字は各成分のピーク面積の全ピーク面積
に対する百分率を示す。
実施例−2 240〜270℃の範囲で分留したコールタール留分を1ml分
液ロートにとり、硫酸で洗浄し、キノリン等の塩基性成
分を分離除去した。油分をさらに水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄した後、実施例−1と同様の包接化反応を行っ
た。ただし、反応温度は45℃とした。
液ロートにとり、硫酸で洗浄し、キノリン等の塩基性成
分を分離除去した。油分をさらに水酸化ナトリウム水溶
液で洗浄した後、実施例−1と同様の包接化反応を行っ
た。ただし、反応温度は45℃とした。
本実施例における主な成分の組成変化を表2に示した。
Claims (2)
- 【請求項1】α−シクロデキストリンを包接分離薬剤と
して用い、インドールを含む混合物とα−シクロデキス
トリン溶液を混合して、インドール−シクロデキストリ
ン包接化合物を形成させ、その包接化合物より揮発性有
機溶媒を用いてインドールを選択的に分離する方法。 - 【請求項2】コールタール留分中に含まれるインドール
を、α−シクロデキストリンと包接化合物を形成させ、
その包接化合物より揮発性有機溶媒を用いてインドール
を選択的に分離する特許請求の範囲第1項の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63146282A JPH075548B2 (ja) | 1987-06-17 | 1988-06-14 | インドール包接分離法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-150885 | 1987-06-17 | ||
JP15088587 | 1987-06-17 | ||
JP63146282A JPH075548B2 (ja) | 1987-06-17 | 1988-06-14 | インドール包接分離法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6479150A JPS6479150A (en) | 1989-03-24 |
JPH075548B2 true JPH075548B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=26477175
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63146282A Expired - Lifetime JPH075548B2 (ja) | 1987-06-17 | 1988-06-14 | インドール包接分離法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075548B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02152961A (ja) * | 1988-12-05 | 1990-06-12 | Agency Of Ind Science & Technol | インドール包接分離法及びそれに用いる薬剤 |
JPH02200671A (ja) * | 1989-01-30 | 1990-08-08 | Agency Of Ind Science & Technol | インドールを抽出分離する方法およびインドール包接分離用薬剤 |
-
1988
- 1988-06-14 JP JP63146282A patent/JPH075548B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6479150A (en) | 1989-03-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4013731A (en) | Process for the manufacture of solanesol | |
CN107501051B (zh) | 一种用季氨基双阳离子液体萃取分离油酚混合物中酚类化合物的方法 | |
Kumar et al. | Hy zeolite, an efficient catalyst for thioacetalization | |
JPH075548B2 (ja) | インドール包接分離法 | |
JP4981375B2 (ja) | 唐辛子からカプシノイド化合物を抽出分離する方法及び唐辛子抽出物 | |
Vaughan et al. | Racemization in the Camphene Hydrochloride—Isobornyl Chloride Rearrangement1, 2 | |
JPS6238344B2 (ja) | ||
JP2707526B2 (ja) | 5,6,7,8―テトラヒドロイソキノリンの濃縮分離法 | |
JP2530985B2 (ja) | クレゾ―ル異性体の分離方法 | |
JPS5824599A (ja) | 硫酸塩セルロ−ス方法からの粗製石けん中の不けん化物から単離したβ−シトステロ−ルの精製方法 | |
JP2634233B2 (ja) | 2―メチルキノリンの濃縮分離法 | |
US5059742A (en) | Process for separating 2,6-dimethylnaphthalene | |
EP0346842B1 (en) | Process for separating 2,6-dimethylnaphthalene | |
JP2638765B2 (ja) | 2―メチルテトラリンをα―シクロデキストリン類との包接化合物として回収する方法 | |
JPH0687765A (ja) | ベンゼン三置換異性体を分離する方法及び該方法に用いる包接分離用薬剤 | |
JPH02152961A (ja) | インドール包接分離法及びそれに用いる薬剤 | |
JPH0482844A (ja) | 芳香族アルコール水溶液を用いたメチルナフタレンの抽出分離濃縮法 | |
US2586486A (en) | Preparation of spiro | |
DE42053C (de) | Verfahren zur Reinigung des Rohanthracens | |
JP4105327B2 (ja) | アルキルフェノールの分離精製方法 | |
JPS6176427A (ja) | アセナフテンの製造方法 | |
FR2468605A1 (fr) | Procede de preparation d'ester de l'acide apovincaminique | |
JP3779087B2 (ja) | キシレノール異性体の分離精製方法 | |
JPS6323860A (ja) | インド−ルの製造方法 | |
JPH06287149A (ja) | ベンゼン二置換異性体の分離法及びその分離用薬剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |