JPH0754422A - 耐火区画を構成する建物の床・壁構造 - Google Patents
耐火区画を構成する建物の床・壁構造Info
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- JPH0754422A JPH0754422A JP20326693A JP20326693A JPH0754422A JP H0754422 A JPH0754422 A JP H0754422A JP 20326693 A JP20326693 A JP 20326693A JP 20326693 A JP20326693 A JP 20326693A JP H0754422 A JPH0754422 A JP H0754422A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 火災時に鋼製の骨組材が熱膨脹しても、耐火
パネル間に隙間が生じないようにする。 【構成】 平行に配された床大梁51、53間に、床大
梁の材料より熱膨脹率の小さい材料からなる床パネル5
5を架け渡した床構造において、上記床パネルを床大梁
の長手方向に複数枚並べて配置し、隣接する耐火パネル
の相対向する側端面に凹部55aと凸部55bを設け
て、これら凹部と凸部を床大梁の長手方向に所定の重合
幅を確保した状態で重合させた。
パネル間に隙間が生じないようにする。 【構成】 平行に配された床大梁51、53間に、床大
梁の材料より熱膨脹率の小さい材料からなる床パネル5
5を架け渡した床構造において、上記床パネルを床大梁
の長手方向に複数枚並べて配置し、隣接する耐火パネル
の相対向する側端面に凹部55aと凸部55bを設け
て、これら凹部と凸部を床大梁の長手方向に所定の重合
幅を確保した状態で重合させた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、耐火区画を構成する
建物の床や壁の構造に関し、特に、共同住宅、病院、寄
宿舎等で、3階建以上の長大な建築物に用いて好適であ
る。
建物の床や壁の構造に関し、特に、共同住宅、病院、寄
宿舎等で、3階建以上の長大な建築物に用いて好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ユニット建築物は、3階建以上の
建物に対しても普及している。ユニット建築物は、建物
の工業生産化率を高めるために、一棟の建物を予めいく
つかの運搬可能な大きさのユニットに分けて工場生産
し、これらを建築現場に輸送し、基礎の上に積み上げて
施工、組立する方式の建物である。ところで、共同住
宅、病院、寄宿舎等を用途とした3階建以上の建築物
は、建築基準法に基づき、床、大梁、壁、柱等の主要構
造部が所定の耐火性能を有する耐火構造でなければなら
ない。
建物に対しても普及している。ユニット建築物は、建物
の工業生産化率を高めるために、一棟の建物を予めいく
つかの運搬可能な大きさのユニットに分けて工場生産
し、これらを建築現場に輸送し、基礎の上に積み上げて
施工、組立する方式の建物である。ところで、共同住
宅、病院、寄宿舎等を用途とした3階建以上の建築物
は、建築基準法に基づき、床、大梁、壁、柱等の主要構
造部が所定の耐火性能を有する耐火構造でなければなら
ない。
【0003】耐火構造のユニット建築物としては、従
来、特開昭63−1655630号公報等に記載されて
いるものが知られている。上記公報記載のユニット建築
物は、図11に示すように、建物ユニットA(A1,A
2,A3)を上下3段に積み重ねることにより構成され
ている。これらの建物ユニットA(A1,A2,A3)
は、耐火被覆材で耐火被覆された形鋼製の床大梁1およ
び床小梁2と、同じく耐火被覆された形鋼製の天井大梁
3および天井小梁4と、同じく耐火被覆された角型鋼管
製の柱5とから躯体が構成され、この躯体に床材6と天
井材7と壁材(外壁材8、内壁材9、間仕切壁10)と
が取付けられた箱状のもので、1階ユニットA1は基礎
11上に据えられ、該基礎11に対してボルト緊結され
ており、3階ユニットA3の上には屋根材12が据えら
れている。
来、特開昭63−1655630号公報等に記載されて
いるものが知られている。上記公報記載のユニット建築
物は、図11に示すように、建物ユニットA(A1,A
2,A3)を上下3段に積み重ねることにより構成され
ている。これらの建物ユニットA(A1,A2,A3)
は、耐火被覆材で耐火被覆された形鋼製の床大梁1およ
び床小梁2と、同じく耐火被覆された形鋼製の天井大梁
3および天井小梁4と、同じく耐火被覆された角型鋼管
製の柱5とから躯体が構成され、この躯体に床材6と天
井材7と壁材(外壁材8、内壁材9、間仕切壁10)と
が取付けられた箱状のもので、1階ユニットA1は基礎
11上に据えられ、該基礎11に対してボルト緊結され
ており、3階ユニットA3の上には屋根材12が据えら
れている。
【0004】なお、1階ユニットA1と2階ユニットA
2、および2階ユニットA2と3階ユニットA3は、上
側の建物ユニットAの柱5の下端面(柱脚)と下側の建
物ユニットAの柱5の上端面(柱頭)とをボルトで緊結
することにより、相互に接合されている。また、同じ階
の建物ユニットA,A同士は、それぞれの隣接する柱
5,5同士を水平接合プレートで緊結することにより、
相互に接合されている。
2、および2階ユニットA2と3階ユニットA3は、上
側の建物ユニットAの柱5の下端面(柱脚)と下側の建
物ユニットAの柱5の上端面(柱頭)とをボルトで緊結
することにより、相互に接合されている。また、同じ階
の建物ユニットA,A同士は、それぞれの隣接する柱
5,5同士を水平接合プレートで緊結することにより、
相互に接合されている。
【0005】また、上記床材6および壁材(外壁材8、
内壁材9、間仕切壁10)は、例えばJIS−1304
に規定の建築構造部分の1時間又は2時間耐火試験に耐
える耐火材料で形成されており、これら床や壁等によっ
て耐火区画が構成されている。図12は、従来のユニッ
ト建築物における床材の取付構造の一例を示す。この例
においては、耐火区画材としてのコンクリート系の床パ
ネル14は、H形鋼からなる一対の平行な床大梁15、
15間に架け渡され、両端部が各床大梁15上に載置さ
れた状態で、それぞれ複数箇所で各床大梁15にボルト
16で固定されている。
内壁材9、間仕切壁10)は、例えばJIS−1304
に規定の建築構造部分の1時間又は2時間耐火試験に耐
える耐火材料で形成されており、これら床や壁等によっ
て耐火区画が構成されている。図12は、従来のユニッ
ト建築物における床材の取付構造の一例を示す。この例
においては、耐火区画材としてのコンクリート系の床パ
ネル14は、H形鋼からなる一対の平行な床大梁15、
15間に架け渡され、両端部が各床大梁15上に載置さ
れた状態で、それぞれ複数箇所で各床大梁15にボルト
16で固定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鋼材製の床
大梁(骨組材)15と、コンクリート系の床パネル14
とでは熱膨脹率が大きく異なるので、上記従来例のよう
に、床パネル14を同一床大梁15に複数箇所で固定し
た構造においては、火災時に鋼製の床大梁15、15が
高温となって矢印方向に熱膨張した際に、図13に示す
ように耐火区画材である床パネル14が破壊してしまう
という問題がある。
大梁(骨組材)15と、コンクリート系の床パネル14
とでは熱膨脹率が大きく異なるので、上記従来例のよう
に、床パネル14を同一床大梁15に複数箇所で固定し
た構造においては、火災時に鋼製の床大梁15、15が
高温となって矢印方向に熱膨張した際に、図13に示す
ように耐火区画材である床パネル14が破壊してしまう
という問題がある。
【0007】そこで、この発明者は、図14に示すよう
に、床材を幅の小さい多数の長方形状パネルに分割し、
分割した床パネル17を床大梁15、15の長手方向に
密着状態で並べて、それぞれの床パネル17を各1箇所
で床大梁15に固定することを考え出した。これによれ
ば、火災時に床大梁15が熱膨脹しても、図15に示す
ように、床パネル17間に隙間18があくだけで、床パ
ネル17に強力な張力が作用せず、床パネル17の破壊
を防止することができる。
に、床材を幅の小さい多数の長方形状パネルに分割し、
分割した床パネル17を床大梁15、15の長手方向に
密着状態で並べて、それぞれの床パネル17を各1箇所
で床大梁15に固定することを考え出した。これによれ
ば、火災時に床大梁15が熱膨脹しても、図15に示す
ように、床パネル17間に隙間18があくだけで、床パ
ネル17に強力な張力が作用せず、床パネル17の破壊
を防止することができる。
【0008】しかし、この場合、火災時の床大梁の熱膨
脹により、耐火区画材である床パネル17間に隙間があ
き、このままでは耐火区画材として機能しなくなるの
で、それを封じる確実な対策が新たに必要になった。因
みに、60cm間隔で床パネルを固定している場合、計算
上では350℃で3mm、600℃で5.5mm程度の
隙間があく可能性があり、その隙間を確実に封じる手段
が必要になった。ここで、前者の温度は、床大梁を普通
鋼で構成した場合に、該床大梁の降伏点が常温時の2/
3程度になる温度であり、後者の温度は、床大梁を耐火
鋼で構成した場合に、該床大梁の降伏点が常温時の2/
3程度又はそれ以上に留まる温度である。
脹により、耐火区画材である床パネル17間に隙間があ
き、このままでは耐火区画材として機能しなくなるの
で、それを封じる確実な対策が新たに必要になった。因
みに、60cm間隔で床パネルを固定している場合、計算
上では350℃で3mm、600℃で5.5mm程度の
隙間があく可能性があり、その隙間を確実に封じる手段
が必要になった。ここで、前者の温度は、床大梁を普通
鋼で構成した場合に、該床大梁の降伏点が常温時の2/
3程度になる温度であり、後者の温度は、床大梁を耐火
鋼で構成した場合に、該床大梁の降伏点が常温時の2/
3程度又はそれ以上に留まる温度である。
【0009】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、火災時に鋼製の骨組材が熱膨脹しても、耐火パ
ネル間に隙間が生じないようにし、耐火性能を確実に維
持することのできる建物の床・壁構造を提供することを
目的としている。
もので、火災時に鋼製の骨組材が熱膨脹しても、耐火パ
ネル間に隙間が生じないようにし、耐火性能を確実に維
持することのできる建物の床・壁構造を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、平行に配された鋼製の骨組
材間に、該骨組材より熱膨脹率の小さい耐火材料からな
る耐火パネルを架け渡し、上記骨組材により耐火パネル
を支持した耐火区画を構成する建物の床・壁構造におい
て、上記耐火パネルを骨組材の長手方向に複数枚並べて
配置し、隣接する耐火パネルの相対向する側端面に凹凸
部を設けて、これら凹凸部を上記骨組材の長手方向に所
定の重合幅を確保した状態で重合させたことを特徴とす
る。
に、請求項1記載の発明は、平行に配された鋼製の骨組
材間に、該骨組材より熱膨脹率の小さい耐火材料からな
る耐火パネルを架け渡し、上記骨組材により耐火パネル
を支持した耐火区画を構成する建物の床・壁構造におい
て、上記耐火パネルを骨組材の長手方向に複数枚並べて
配置し、隣接する耐火パネルの相対向する側端面に凹凸
部を設けて、これら凹凸部を上記骨組材の長手方向に所
定の重合幅を確保した状態で重合させたことを特徴とす
る。
【0011】また、請求項2記載の発明は、隣接する耐
火パネルの相対向する側端面にそれぞれ凹部を設けて、
これら凹部内に所定幅の封止板の幅方向両端を挿入した
ことを特徴とする。
火パネルの相対向する側端面にそれぞれ凹部を設けて、
これら凹部内に所定幅の封止板の幅方向両端を挿入した
ことを特徴とする。
【0012】また、請求項3記載の発明は、隣接する耐
火パネルの相対向する側端面にそれぞれ耐火パネルの厚
さ方向に位置をずらして目地部材を突設し、各側端面の
目地部材同士を上記骨組材の長手方向に所定の重合幅を
確保した状態で重合させたことを特徴とする。
火パネルの相対向する側端面にそれぞれ耐火パネルの厚
さ方向に位置をずらして目地部材を突設し、各側端面の
目地部材同士を上記骨組材の長手方向に所定の重合幅を
確保した状態で重合させたことを特徴とする。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、骨組材が熱膨脹し
て、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネル
の側端面に設けた凹凸部が重合しているので、耐火パネ
ル間には隙間があかない。
て、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネル
の側端面に設けた凹凸部が重合しているので、耐火パネ
ル間には隙間があかない。
【0014】請求項2記載の発明では、骨組材が熱膨脹
して、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネ
ルの側端面に設けた凹部に封止板の幅方向両端が挿入さ
れているので、この封止板により耐火パネル間の隙間が
封じられる。
して、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネ
ルの側端面に設けた凹部に封止板の幅方向両端が挿入さ
れているので、この封止板により耐火パネル間の隙間が
封じられる。
【0015】請求項3記載の発明では、骨組材が熱膨脹
して、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネ
ルの側端面に設けた目地部材が重合しているので、耐火
パネル間には隙間があかない。
して、隣接する耐火パネルの間隔が開いても、耐火パネ
ルの側端面に設けた目地部材が重合しているので、耐火
パネル間には隙間があかない。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。図1は、この発明の第1実施例の要部を
拡大して示す斜視図、図2は同要部の断面図、図3は同
要部の高温時の状態を示す斜視図、図4はこの発明の一
実施例が適用されるユニット建築物の組立状態を示す斜
視図、図5はこの発明の一実施例が適用される建物ユニ
ットの躯体構造を示す斜視図である。まず、図4(d)
および図5を参照して、この発明の一実施例が適用され
るユニット建築物と、それを構成する建物ユニットにつ
いて説明する。図4(d)に示すように、このユニット
建築物30は、建物ユニットAを上下3段に積み重ねて
基礎11上に据え付け、各建物ユニットAを相互に連結
することにより構成されている。各建物ユニットAの躯
体は、図5に示すように軸組式からなり、4本の角型鋼
管製の柱40を四隅に配置し、柱40の下端部側面に床
構造体50の四隅を接合すると共に、各柱40の上端部
側面に天井構造体60の四隅を接合することにより、運
搬可能な大きさの箱形に構成されている。
いて説明する。図1は、この発明の第1実施例の要部を
拡大して示す斜視図、図2は同要部の断面図、図3は同
要部の高温時の状態を示す斜視図、図4はこの発明の一
実施例が適用されるユニット建築物の組立状態を示す斜
視図、図5はこの発明の一実施例が適用される建物ユニ
ットの躯体構造を示す斜視図である。まず、図4(d)
および図5を参照して、この発明の一実施例が適用され
るユニット建築物と、それを構成する建物ユニットにつ
いて説明する。図4(d)に示すように、このユニット
建築物30は、建物ユニットAを上下3段に積み重ねて
基礎11上に据え付け、各建物ユニットAを相互に連結
することにより構成されている。各建物ユニットAの躯
体は、図5に示すように軸組式からなり、4本の角型鋼
管製の柱40を四隅に配置し、柱40の下端部側面に床
構造体50の四隅を接合すると共に、各柱40の上端部
側面に天井構造体60の四隅を接合することにより、運
搬可能な大きさの箱形に構成されている。
【0017】上記天井構造体60は、各柱40の上端部
側面に溶接されて四角形の外枠を形成する4本の溝形鋼
製の天井大梁61、62、63、64と、外枠の長辺側
の相対向する天井大梁61、63間に相互に並列に架け
渡された複数の溝形鋼製の天井小梁65とから概略構成
されている。ここで、各天井小梁65の両端は、L字型
の小梁取付金物を介して、天井大梁61,63のウェブ
内面に固定されている。上記床構造体50は、各柱40
の下端部側面に溶接されて四角形の外枠を形成する4本
のH形鋼製の床大梁(骨組材)51、52、53、54
と、外枠の長辺側である相対向する床大梁51、53間
に相互に並列に架け渡された、耐火区画材であるALC
(気泡コンクリート)板製の床パネル(耐火パネル)5
5とから概略構成されている。ここで、各床パネル55
の両端は、各床大梁51、53に対し1箇所ずつボルト
で接合されている。
側面に溶接されて四角形の外枠を形成する4本の溝形鋼
製の天井大梁61、62、63、64と、外枠の長辺側
の相対向する天井大梁61、63間に相互に並列に架け
渡された複数の溝形鋼製の天井小梁65とから概略構成
されている。ここで、各天井小梁65の両端は、L字型
の小梁取付金物を介して、天井大梁61,63のウェブ
内面に固定されている。上記床構造体50は、各柱40
の下端部側面に溶接されて四角形の外枠を形成する4本
のH形鋼製の床大梁(骨組材)51、52、53、54
と、外枠の長辺側である相対向する床大梁51、53間
に相互に並列に架け渡された、耐火区画材であるALC
(気泡コンクリート)板製の床パネル(耐火パネル)5
5とから概略構成されている。ここで、各床パネル55
の両端は、各床大梁51、53に対し1箇所ずつボルト
で接合されている。
【0018】次に、床大梁51、53と床パネル55の
取付構造について、図1、図2を参照しながら詳述す
る。床パネル55は長方形状のもので、床大梁51、5
3の長手方向に短辺を沿わせ、長辺を床大梁51、53
の長手方向と直交する方向に沿わせ、長辺同士を順次隣
接させた状態で、床大梁51、53間に架け渡されてお
り、その短辺の幅の中央1箇所に貫通させたボルト70
によって、各床大梁51、53に固定されている。
取付構造について、図1、図2を参照しながら詳述す
る。床パネル55は長方形状のもので、床大梁51、5
3の長手方向に短辺を沿わせ、長辺を床大梁51、53
の長手方向と直交する方向に沿わせ、長辺同士を順次隣
接させた状態で、床大梁51、53間に架け渡されてお
り、その短辺の幅の中央1箇所に貫通させたボルト70
によって、各床大梁51、53に固定されている。
【0019】この場合、隣接する各床パネル55の相対
向する側端面の上端には、一方に断面矩形の凹部55
a、他方に断面矩形の凸部55bが設けられ、これらが
互いに所定の重合幅Dを確保した状態で重合している。
この場合の重合幅Dは、床パネル55の固定部間のピッ
チPに相当する部分が高温時に膨脹するであろう寸法
(予想膨脹寸法)以上に設定してある。例えば、床大梁
51、53の線膨脹係数をαとすると、重合寸法Dは D≧PαT としてある。ただし、Pはパネル固定部ピッチ、Tは火
災時の鋼材最高温度である。
向する側端面の上端には、一方に断面矩形の凹部55
a、他方に断面矩形の凸部55bが設けられ、これらが
互いに所定の重合幅Dを確保した状態で重合している。
この場合の重合幅Dは、床パネル55の固定部間のピッ
チPに相当する部分が高温時に膨脹するであろう寸法
(予想膨脹寸法)以上に設定してある。例えば、床大梁
51、53の線膨脹係数をαとすると、重合寸法Dは D≧PαT としてある。ただし、Pはパネル固定部ピッチ、Tは火
災時の鋼材最高温度である。
【0020】次に作用について説明する。まず、工場に
おいて、図5に示した建物ユニットの躯体を製造し、こ
の躯体に外壁パネル、内壁パネル、界壁パネル等の耐火
区画材を取り付け、さらに間仕切壁パネル、天井材等を
取付けて、各種建物ユニットAを製造する。ついで、建
物ユニットAを施工現場に運搬し、図4(a)〜(b)
に示すように、建物ユニットを吊り上げて基礎11の上
に据え付け、順次、横、また上に建物ユニットを据え付
けて行き、3階建のユニット建築物30を完成する。そ
して、床パネル、壁パネルによって、火災上閉じた空間
である耐火区画を構成している。
おいて、図5に示した建物ユニットの躯体を製造し、こ
の躯体に外壁パネル、内壁パネル、界壁パネル等の耐火
区画材を取り付け、さらに間仕切壁パネル、天井材等を
取付けて、各種建物ユニットAを製造する。ついで、建
物ユニットAを施工現場に運搬し、図4(a)〜(b)
に示すように、建物ユニットを吊り上げて基礎11の上
に据え付け、順次、横、また上に建物ユニットを据え付
けて行き、3階建のユニット建築物30を完成する。そ
して、床パネル、壁パネルによって、火災上閉じた空間
である耐火区画を構成している。
【0021】このユニット建築物30で火災が発生した
場合、鋼材で構成された床大梁51、53は、高温下で
図1に示す矢印方向に熱膨脹し、これに伴って床パネル
55にも力が働くが、各床パネル55は1箇所がボルト
70で床大梁51、53に固定されているだけであるか
ら、図3に示すように、各床パネル55は床大梁70の
変形に追従して移動するだけで、床パネル55自体に余
計な応力がかからず、破壊が防止される。
場合、鋼材で構成された床大梁51、53は、高温下で
図1に示す矢印方向に熱膨脹し、これに伴って床パネル
55にも力が働くが、各床パネル55は1箇所がボルト
70で床大梁51、53に固定されているだけであるか
ら、図3に示すように、各床パネル55は床大梁70の
変形に追従して移動するだけで、床パネル55自体に余
計な応力がかからず、破壊が防止される。
【0022】また、この場合、各床パネル55が、床大
梁51、53の変形に追従して移動することにより、床
パネル55間の相互間隔が開くが、間隔が開いても凹部
55aと凸部55bが重合しているので、床パネル55
間に隙間が開かず、延焼を防止することができる。な
お、床パネル55は、床大梁51、53の長手方向に短
辺を並べた形で多数枚配置されているので、床パネル5
5と床大梁51、53の位置のずれが分散され、重合部
のずれも小さくなる。したがって、一つ一つの重合部の
幅は小さくてよい。
梁51、53の変形に追従して移動することにより、床
パネル55間の相互間隔が開くが、間隔が開いても凹部
55aと凸部55bが重合しているので、床パネル55
間に隙間が開かず、延焼を防止することができる。な
お、床パネル55は、床大梁51、53の長手方向に短
辺を並べた形で多数枚配置されているので、床パネル5
5と床大梁51、53の位置のずれが分散され、重合部
のずれも小さくなる。したがって、一つ一つの重合部の
幅は小さくてよい。
【0023】次に、この発明の第2実施例を図7を参照
して説明する。この第2実施例では、床パネル55の相
対向する側端面のうち一方の厚さ方向中央部に凹部55
cが設けられ、他方の厚さ方向中央部に上記凹部55c
に嵌まる凸部55dが設けられ、これら凹部55cと凸
部55dとが互いに所定の重合幅Dを確保した状態で嵌
合されている。この第2実施例の構造によれば、上記第
1実施例と同様の効果を得ることができる。
して説明する。この第2実施例では、床パネル55の相
対向する側端面のうち一方の厚さ方向中央部に凹部55
cが設けられ、他方の厚さ方向中央部に上記凹部55c
に嵌まる凸部55dが設けられ、これら凹部55cと凸
部55dとが互いに所定の重合幅Dを確保した状態で嵌
合されている。この第2実施例の構造によれば、上記第
1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0024】次に、この発明の第3実施例を図6を参照
しながら説明する。この第3実施例では、床パネル55
の相対向する側端面の上端に、共に凹部55eが設けら
れ、これら凹部55e内に、所定幅の封止板58の幅方
向両端がそれぞれ収容されている。ここで、封止板58
の幅は、床パネル55同士の間隔が最大に開いたとして
も隙間を生じないだけの寸法に設定されている。
しながら説明する。この第3実施例では、床パネル55
の相対向する側端面の上端に、共に凹部55eが設けら
れ、これら凹部55e内に、所定幅の封止板58の幅方
向両端がそれぞれ収容されている。ここで、封止板58
の幅は、床パネル55同士の間隔が最大に開いたとして
も隙間を生じないだけの寸法に設定されている。
【0025】図8はこの発明の第4実施例を示す。この
第4実施例では、凹部55fが厚さ方向の中央部に形成
され、これら凹部55f内に、封止板58の幅方向両端
が収容されている。
第4実施例では、凹部55fが厚さ方向の中央部に形成
され、これら凹部55f内に、封止板58の幅方向両端
が収容されている。
【0026】図9はこの発明の第5実施例を示す。この
第5実施例では、隣接する床パネル55の相対向する側
端面に、それぞれ床パネル55の厚さ方向に位置をずら
して断面矩形の目地部材59が突設され、各側端面の目
地部材59同士が所定の重合幅Dを確保した状態で重合
されている。目地部材59の材質はセラミックファイバ
ー等の耐火材であり、耐熱接着剤等により床パネル55
の側端面に固着されている。そして、この目地部材59
を設けたことにより、第1実施例と同様の構造が作られ
ている。
第5実施例では、隣接する床パネル55の相対向する側
端面に、それぞれ床パネル55の厚さ方向に位置をずら
して断面矩形の目地部材59が突設され、各側端面の目
地部材59同士が所定の重合幅Dを確保した状態で重合
されている。目地部材59の材質はセラミックファイバ
ー等の耐火材であり、耐熱接着剤等により床パネル55
の側端面に固着されている。そして、この目地部材59
を設けたことにより、第1実施例と同様の構造が作られ
ている。
【0027】第3〜第5実施例においても、火災時には
第1実施例と同様に、床パネル55間に隙間ができるの
が確実に防止される(図10参照)。
第1実施例と同様に、床パネル55間に隙間ができるの
が確実に防止される(図10参照)。
【0028】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上記実施
例では、床パネル55の両端部をボルト70で各床大梁
51、53に固定しているが、床パネル55を単に床大
梁51、53上に載置しておくだけでもよい。また、片
側だけ固定しておくだけでもよい。また、適当な位置の
床パネルだけ固定しておくだけでもよい。
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上記実施
例では、床パネル55の両端部をボルト70で各床大梁
51、53に固定しているが、床パネル55を単に床大
梁51、53上に載置しておくだけでもよい。また、片
側だけ固定しておくだけでもよい。また、適当な位置の
床パネルだけ固定しておくだけでもよい。
【0029】例えば、床パネルの一端部側と他端部側で
交互にボルト固定するように構成してもよい。そうすれ
ば、床パネルの幅方向(短辺方向)の位置のずれは、隣
接する床パネルによって規制することができ、個々の床
パネルの長手方向(長辺方向)方向の位置は、その一端
に位置するボルトによって規制することができる。ま
た、ボルト以外の手段を用いて固定してもよい。但し、
その場合は床パネルの1点を一つの床大梁に固定するよ
うに構成し、実質的に2点以上を一つの床大梁に固定す
ることのないようにする必要がある。また、床に限ら
ず、壁に対しても、この発明は適用できる。また、上述
の実施例においてはユニット建築物について述べたが、
これに限らず、この発明は非ユニット建築物にも適用で
きる。
交互にボルト固定するように構成してもよい。そうすれ
ば、床パネルの幅方向(短辺方向)の位置のずれは、隣
接する床パネルによって規制することができ、個々の床
パネルの長手方向(長辺方向)方向の位置は、その一端
に位置するボルトによって規制することができる。ま
た、ボルト以外の手段を用いて固定してもよい。但し、
その場合は床パネルの1点を一つの床大梁に固定するよ
うに構成し、実質的に2点以上を一つの床大梁に固定す
ることのないようにする必要がある。また、床に限ら
ず、壁に対しても、この発明は適用できる。また、上述
の実施例においてはユニット建築物について述べたが、
これに限らず、この発明は非ユニット建築物にも適用で
きる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、火災時に骨組材が熱膨脹しても、隣接する耐火パネ
ル間に隙間があくのを防止することができ、耐火性能
(延焼防止機能)を確実に維持することができる。
ば、火災時に骨組材が熱膨脹しても、隣接する耐火パネ
ル間に隙間があくのを防止することができ、耐火性能
(延焼防止機能)を確実に維持することができる。
【図1】この発明の一実施例の要部拡大斜視図である。
【図2】同実施例の断面図である。
【図3】同実施例の高温時の状態を示す要部拡大斜視図
である。
である。
【図4】同実施例が適用されるユニット建築物の組立状
態を示す図である。
態を示す図である。
【図5】同実施例の適用される建物ユニットの躯体構造
を示す図である。
を示す図である。
【図6】この発明の第2実施例の要部断面図である。
【図7】この発明の第3実施例の要部断面図である。
【図8】この発明の第4実施例の要部断面図である。
【図9】この発明の第5実施例の要部断面図である。
【図10】この発明の第5実施例の高温時の状態を示す
要部断面図である。
要部断面図である。
【図11】従来のユニット建築物の概略構造を示す断面
図である。
図である。
【図12】従来のユニット建築物における床大梁に対す
る床パネルの取付構造の例を示す斜視図である。
る床パネルの取付構造の例を示す斜視図である。
【図13】同取付構造の高温時の問題点を示す斜視図で
ある。
ある。
【図14】この発明の前提となる技術の要部斜視図であ
る。
る。
【図15】同技術の高温時の問題点を示す斜視図であ
る。
る。
30 ユニット建築物(建物) 40 柱(骨組材) 50 床構造体(耐火パネルの集合体) 51,53 床大梁(骨組材) 55 床パネル(耐火パネル) 55a,55c,55e,55f 凹部(凹凸部) 55b,55d 凸部(凹凸部) 59 目地部材 D 重合幅
Claims (3)
- 【請求項1】 平行に配された鋼製の骨組材間に、該骨
組材より熱膨脹率の小さい耐火材料からなる耐火パネル
を架け渡し、前記骨組材により耐火パネルを支持した耐
火区画を構成する建物の床・壁構造において、 前記耐火パネルを前記骨組材の長手方向に複数枚並べて
配置し、隣接する耐火パネルの相対向する側端面に凹凸
部を設けて、これら凹凸部を前記骨組材の長手方向に所
定の重合幅を確保した状態で重合させたことを特徴とす
る耐火区画を構成する建物の床・壁構造。 - 【請求項2】 平行に配された鋼製の骨組材間に、該骨
組材より熱膨脹率の小さい耐火材料からなる耐火パネル
を架け渡し、前記骨組材により耐火パネルを支持した耐
火区画を構成する建物の床・壁構造において、 前記耐火パネルを前記骨組材の長手方向に複数枚並べて
配置し、隣接する耐火パネルの相対向する側端面にそれ
ぞれ凹部を設けて、これら凹部内に所定幅の封止板の幅
方向両端を挿入したことを特徴とする耐火区画を構成す
る建物の床・壁構造。 - 【請求項3】 平行に配された鋼製の骨組材間に、該骨
組材より熱膨脹率の小さい耐火材料からなる耐火パネル
を架け渡し、前記骨組材により耐火パネルを支持した耐
火区画を構成する建物の床・壁構造において、 前記耐火パネルを前記骨組材の長手方向に複数枚並べて
配置し、隣接する耐火パネルの相対向する側端面にそれ
ぞれ耐火パネルの厚さ方向に位置をずらして目地部材を
突設し、各側端面の目地部材同士を前記骨組材の長手方
向に所定の重合幅を確保した状態で重合させたことを特
徴とする耐火区画を構成する建物の床・壁構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20326693A JPH0754422A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 耐火区画を構成する建物の床・壁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20326693A JPH0754422A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 耐火区画を構成する建物の床・壁構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754422A true JPH0754422A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16471197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20326693A Pending JPH0754422A (ja) | 1993-08-17 | 1993-08-17 | 耐火区画を構成する建物の床・壁構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754422A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001241111A (ja) * | 2000-02-28 | 2001-09-04 | Misawa Homes Co Ltd | Alc床構造およびalc床設計方法 |
KR102261170B1 (ko) * | 2020-03-02 | 2021-06-07 | 주식회사 엔알비 | 이동 가능한 건축물 모듈의 바닥판 구조 및 그의 형성방법 |
-
1993
- 1993-08-17 JP JP20326693A patent/JPH0754422A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001241111A (ja) * | 2000-02-28 | 2001-09-04 | Misawa Homes Co Ltd | Alc床構造およびalc床設計方法 |
KR102261170B1 (ko) * | 2020-03-02 | 2021-06-07 | 주식회사 엔알비 | 이동 가능한 건축물 모듈의 바닥판 구조 및 그의 형성방법 |
WO2021177601A1 (ko) * | 2020-03-02 | 2021-09-10 | 주식회사 엔알비 | 이동 가능한 건축물 모듈의 바닥판 구조 및 그의 형성방법 |
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