JPH0754409A - 木材連結金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材の木口を他の木材に突き合わせて連結す
るような場合、連結金具等の連結部材によって木口の外
周が裂けるようなことがなく、充分な連結強度で確実に
連結することができ、且つ連結部分に露出して美観を損
なうことのない木材連結金具を提供する。 【構成】 金属製の基板２の周縁部に止め孔３が穿設さ
れ、内部の平板部に尖鋭な先端を有する突片４，５が基
板面に直角に設けられている木材連結金具１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、木材連結金具に関し、
特に柱材や棒材等の木口を他の木材に突き合わせて連結
するような場合に好適な木材連結金具に関する。

【０００２】

【従来の技術】家屋の建築木構造において、鴨居、敷
桁、庇等を取りつける場合には、釘を斜め方向に打ち込
むんだりビスを斜め方向にねじ込んで止める連結方法、
Ｌ金物、Ｚ金物、箱金物等の金物類で連結する方法、接
着剤で接着する方法等が行われている。

【０００３】しかし、釘やビスで斜めに止める方法は、
釘やねじの頭部が外部に露出して醜い上、１本では強度
が不足するので複数本を使用する必要があり、更に美観
を損なう。また、金物類を使用する方法は、釘に比べて
強度が大きいという長所はあるものの、やはり金具が露
出して美観を損なうことがある。また、接着剤を使用す
る方法は、接着剤のみでは連結強度が不足する。また、
釘と併用することもあるが、取り外ししようとすると剥
がれにくく、また、無理に剥がすと木材が傷んで再使用
ができないことがある。

【０００４】このような問題点を解決する手段として、
実公昭５７−１８４８６号公報に、金属製基板の周縁に
同形ののこ刃状三角尖端の突片の複数を両面互い違いに
基板面に対し直角に一体的に設け、内部の平板部に留め
孔を穿設した木材用接合金具が提案されている。

【０００５】この木材用接合金具を用いて木材を接合す
るには、予め何れか一方の木材の接合個所に接合金具の
突片を押し当てて打ち込み、ビスをねじ込んで矯正し平
均に食い込ませた後、他側に別の木材を当てがい、叩い
て取りつける。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
公昭５７−１８４８６号公報記載の木材用接合金具は、
突片が基板の周縁に設けられていて木材表面に近いた
め、この木材用接合金具を用い、木材の木口を他材に押
し当てて連結するような場合には、突片によって木口の
外周部が裂けてしまうことがある。

【０００７】本発明は上記のような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、木材の木口を他の木材に突き合わせ
て連結するような場合、木口の外周部が連結金具等の連
結部材によって裂けるようなことがなく、充分な連結強
度をもって確実に連結することができ、且つ表面に露出
して美観を損なうことのない木材連結金具を提供するこ
とを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の木材連結金具は、金属製の基板の周縁部
に止め孔が穿設され、内部の平板部に尖鋭な先端を有す
る突片が基板面に直角に設けられていることを要旨とす
るものである。

【０００９】本発明において基板に用いられる金属は特
に制限されないが、強度が大きく、価格の低廉な鉄、
鋼、ステンレス鋼、真鍮等が好ましい。

【００１０】また、突片は、基板面の片側に設けられて
いても、両側に設けられていてもよい。

【００１１】

【作用】この木材連結金具を用い、一方の木材の木口を
他方の木材に押し当てて連結する場合、木口にビスの下
孔を穿孔し、この下孔にビスをねじ込んで木材連結金具
を止め、反対側の面に設けられた突片を他方の木材に打
ち込むという手順で連結する。これによって木材にはビ
スまたは（及び）突片が直角に食い込み、その結果、木
材は連結金具を介して強固に連結されて充分な連結強度
が得られる。

【００１２】また、木材連結金具は双方の木材の突き合
わせ面の間に隠れて、外面に露出することがない。

【００１３】止め孔は基板の周縁部に設けられていて、
ビスは木口の周辺部近くにねじ込まれるが、木材には下
孔を穿孔してからねじ込まれるので、ビスのねじ込みに
よって木材の周辺部が裂けることはない。

【００１４】また、突片は基板の内部の平板部に設けら
れていて、木材表面から遠いので、突片の打ち込みによ
って木口の周辺部が裂けることはない。

【００１５】

【実施例】以下、本発明を、実施例により図面を参照し
て説明する。図１は本発明木材連結金具の一例を示す斜
視図、図２は本発明木材連結金具の使用態様を示す断面
図である。図１に示す木材連結金具１は、正方形の鋼板
の内部に、四辺の周囲が三角形ののこ刃状切り込みを有
する孔をプレス加工によって開口し、三角形の底辺部分
を基板面に直角に折曲することによって突片を形成する
方法で製せられたもので、正方形の基板２の周縁部に止
め孔３が８個穿設され、内部の平板部に開口する正方形
の開口部６の周辺上には、のこ刃状の尖鋭な先端を有す
る突片４，５が基板面に直角に且つ基板面の両側に交互
に８本ずつ設けられている。

【００１６】この木材連結金具１を用いて横材Ｈと縦材
Ｖとを直角に連結する場合、横材Ｈの木口に木材連結金
具１を押し当てて、片面側の突片４を打ち込み、止め孔
の所にビスの下孔を穿孔し、ビスＳをねじ込んで木材連
結金具１を止める。次いで図２に示すように、木材連結
金具１が止め付けられた横材Ｈの木口を縦材Ｖの面に押
し当て、横材Ｈの他端に打撃を加えると他面側の突片５
が縦材Ｖに打ち込まれて、横材Ｈと縦材Ｖは容易に連結
される。そして、突片４，５及びビスＳが各木材の面に
直角に強く食い込むので、大きい連結強度が得られる。

【００１７】連結に当たっては、上記のように、横材Ｈ
にビスの下孔を穿孔するので、ビスＳによってその木口
の周辺部を開かせるような無理な力が作用せず、従って
木口の周辺部が裂けることはない。また、突片４，５
は、基板２の内部の平板部に設けられていて、横材Ｈの
表面からの距離が大きいので、突片４，５の打ち込みに
よって木口の周辺部が裂けることはない。

【００１８】また、木材連結金具１は横材Ｈと縦材Ｖの
突き合わせ面の間に隠れて表面には露出しないので、美
観を損なうことがない。

【００１９】図３は、本発明の他の一例を示す斜視図
で、木材連結金具１１は、基板２１の両面に、釘状の突
片４１，５１を溶接によって設けたものである。

【００２０】以上、本発明の実施例について説明した
が、具体的な構成は上記実施例に限られるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等
も本発明に含まれる。例えば、突片の形状はスクリュー
釘状のもの、鉤状の引っ掛かり部が設けられているもの
等としてもよく、また、突片を基板面の片側のみに設け
てもよい。また突片を設ける方法についても、鋳造、鍛
造、ねじ込み等の方法によるものであってもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
木材連結金具は、木材の木口を他材に突き合わせて連結
するような場合でも、木口の外周部が連結金具等の連結
部材によって裂けるようなことがなく、充分な連結強度
をもって確実、容易に連結することができ、且つ木材連
結金具が連結部分の表面に露出して美観を損なうことが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明木材連結金具の一例を示す斜視図。

【図２】本発明木材連結金具の使用態様を示す断面図。

【図３】本発明の木材連結金具の他の一例を示す斜視
図。

【符号の説明】

１，１１ 木材連結金具 ２，２１ 基板 ３，３１ 止め孔 ４，４１，５，５１ 突片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製の基板の周縁部に止め孔が穿設さ
   れ、内部の平板部に尖鋭な先端を有する突片が基板面に
   直角に設けられていることを特徴とする木材連結金具。