JPH0754060B2 - ユニットバスルーム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はユニットバスルーム、特に浴槽，便器および洗
面台等の衛生設備を有するユニットバスルームの床構造
に関する。

［従来の技術］ ユニットバスルームは、ホテル，マンション等の各種分
野に幅広く用いられており、近年このようなユニットバ
スルームには、浴槽，便器および洗面台等の各種衛生設
備を十分余裕をもって配置した大型のものに対する需要
も大きい。

周知のように、ユニットバスルームは、防水性を高める
ため床全面に防水パンを使用した床構造を採用してい
る。このため、ユニットバスルームが大型化すると、そ
の床面積に合せた防水パンが必要となる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかし、前記防水パンは、製造の都合上その大きさには
限界があり、また大きくなればなるほど高価なものとな
る。

また、需要者の要求に合せた大型の防水パンを製造して
も、建物の中に搬入することが難しい場合が多い。

このため、従来のユニットバスルームは、その大型化に
限界があり、特に使用する防水パン以上の床面積をもっ
たユニットバスルームを製造することができないという
問題があった。

本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、使用する防水パン以上の床面積を
もったユニットバスルームを得ることにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するため、本発明は、浴槽，便器および
洗面台などの衛生設備を有するユニットバスルームの床
構造を、防水パンからなる防水領域とベースアングルに
て区画される非防水領域とから構成し、少なくとも浴槽
を前記防水領域に設置したものである。

［作用］ 本発明は以上の構成からなり、次にその作用を説明す
る。

ユニットバスルームの床面には、浴槽が設置されて十分
な防水性が要求される部分と、例えば洗面台等が設置さ
れる場所のように防水性があまり要求されない部分とが
ある。

本発明者は、この点に着目し、ユニットバスルームの床
構造を防水パンからなる防水領域とベースアングルにて
区画される非防水領域とから構成し、少なくとも浴槽を
前記防水領域に設置するようにした。したがって、非防
水領域には、浴槽以外の衛生設備を設置したり、あるい
は、空きスペースとすることができる。

これにより、防水パンより大きな床面積をもったユニッ
トバスルームを、必要とされる防水性を損うことなく形
成することができる。

［実施例］ 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。

第２図には、コンクリートの床面10上に組み立てられた
本発明のユニットバスルームが示され、実施例のユニッ
トバスルームは、その内部に浴槽12,便器14および洗面
台16を有する。

本発明の特徴は、ユニットバスルームの床構造を、防水
領域100と非防水領域200から構成し、少なくとも浴槽12
を、防水領域100に設置したことにある。

前記防水領域100は、第１図に示す防水パン110を、第２
図に示すよう一段低く形成された防水パン用床面10a上
に据付けることにより形成されている。

前記防水パン110は、第１図に示すよう浴槽設置部112と
便器設置部114とを有し、両者の間に排水口116が穿設さ
れている。さらに、この防水パン110の外周には、浴槽
設置部112および便器設置部114を三方から囲むようパネ
ル立て面118が形成されている。

また、第３図に示すよう、防水パン110の非防水領域200
と接する部分には、仕切壁18を載置する台載置部120
と、これより一段低く縁部122が形成されている。

さらに、パネル立て面118の側端部には、ベースアング
ル固定用の凹部124,126が形成され、この凹部124,126内
にはそれぞれねじ孔124a,126aが設けられている。

また、前記非防水領域200は、前記防水パン用床面10aと
隣接しこれより一段高く形成されたベースアングル用床
面10b上に、ベースアングル210を据付けることによりそ
の一部が形成されている。

前記ベースアングル210は、ほぼコ字状に形成され、そ
の両端部分に設けられた固定用舌片222,224を防水パン1
10の固定用凹部124,126に嵌め込み、固定用ビスを舌片2
22,224に設けられたねじ挿通孔222a,224aを介し固定用
凹部124,126のねじ孔124a,126aにねじ込むことにより、
防水パン110に一体的に取付け固定される。

第４図には、前記ベースアングル210の断面形状が示さ
れ、実施例のベースアングル210は、パネル立て面212の
一端側を上方へ折り曲げてパネル支え面214とし、その
他端側を下方に逆Ｌ状に折り曲げ据付け面218とするよ
うに形成されている。そして、前記各固定用舌片222,22
4は、例えば第５図に示すよう、ベースアングル210のパ
ネル立て面212の端部から防水パン方向に向け延設され
ている。なお、この第５図は第１図に示すＡ部分を拡大
図示したものである。

また、実施例のベースアングル210には、固定用舌片224
側の内端部に位置して、靴ずり230が取り付け固定され
ている。

この靴ずり230は、ベースアングル210が防水パン110に
取り付け固定された際、防水パン110の縁部122を外部か
ら覆い隠すよう断面コ字状に形成されている。そして、
この靴ずり230のベースアングル210への取り付けは、第
６図に示すよう、靴ずり230の側面から延設された固定
面232をベースアングル210の端面に溶接することにより
行われている。

次に、本実施例のユニットバスルームの組み立て工程を
簡単に説明する。

まず、床面10上に一段低く形成された防水パン用床面10
a上に、第２図に示すよう防水パン110を据付け固定す
る。これにより、床構造の防水領域100が形成される。

次に、第７図に示すよう、ベースアングル210を防水パ
ン110にねじ止め固定し、このベースアングル210を、ベ
ースアングル用床面10b上に据付け固定する。そして、
ベースアングル210で囲まれた床面10b上に、第２図に示
すよう床材228を敷設し、床構造の非防水領域200を形成
する。実施例では、床材228としてカーペットを用いて
いる。

このようにして床構造が形成されると、次に防水パン11
0およびベースアングル210のパネル立て面118,212上に
壁面パネル20およびドアー22を立設する。

その後、通常のユニットバスルームと同様にして、防水
領域100の所定位置に浴槽12,便器14を据付け、また非防
水領域200に洗面台16を据付ける。また、防水パン110の
台載置部120上には、腰ぐらいの高さの仕切壁18を立設
し、天井面，水回り等の工事を行うことによりユニット
バスルームの組み立てが終了する。

このように、本発明によれば、ユニットバスルームの床
構造を、防水領域100と非防水領域200とに分け、浴槽12
を防水領域100に据付け、あまり床面に対する防水性が
要求されない衛生設備、例えば洗面台16を非防水領域20
0に設置するという構成を採用することにより、使用す
る防水パン110の大きさに制限されることなく、より大
型なユニットバスルームを形成することができる。

さらに、本実施例では、防水領域100と非防水領域200と
の継目箇所を、靴ずり230および仕切壁18を用いて外部
から覆っているため、床構造を２つの部分100および200
に分けて形成しても、室内の美観を損なうことはない。

なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、
本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。

例えば、前記実施例においては、室内に浴槽，便器およ
び洗面台等の衛生設備を設けたユニットバスルームを例
にとり説明したが、必要に応じこれ以外の各種衛生設備
を設けたものに対しても適用可能であることはいうまで
もない。

さらに、前記実施例では便器14を防水領域100に設けた
場合を例にとり説明したが、必要に応じ、この便器14は
非防水領域200側に設けてもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、ユニットバスル
ームの床構造を、防水領域と非防水領域とから構成し、
少なくとも浴槽を防水領域に設置するという新規な構成
を採用することにより、必要とされる防水性を損なうこ
となく、防水パンより大きな床面積をもったユニットバ
スルームを得ることができるという効果がある。

特に、本発明によれば、従来提供できなかった大型のユ
ニットバスルームも簡単に得ることができ、予想される
ユニットバスルームの大型化に対しても幅広く対処する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係るユニットバスルームに用いられ
る防水パンおよびベースアングルの好適な実施例を示す
平面説明図、 第２図は、第１図に示す防水パンおよびベースアングル
を用いた床構造のユニットバスルームの一例を示す断面
説明図、 第３図は、第１図に示す防水パンのベースアングルとの
接合部分を示す斜視説明図、 第４図は、第１図に示すベースアングルのIV-IV断面説
明図、 第５図は、第１図に示すベースアングルの端面に設けら
れた固定用舌片部分の説明図、 第６図は、ベースアングルと靴ずりとの取り付け固定状
態を示す説明図、 第７図は、ベースアングルと防水パンを一体的に組み立
てた状態の説明図である。 12……浴槽、14……便器、16……洗面台、100……防水
領域、110……防水パン、124,126……固定用凹部、200
……非防水領域、210……ベースアングル、222,224……
固定用舌片。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽，便器および洗面台などの衛生設備を
   有するユニットバスルームの床構造を、防水パンからな
   る防水領域とベースアングルにて区画される非防水領域
   とから構成し、少なくとも浴槽を前記防水領域に設置し
   たことを特徴とするユニットバスルーム。
2. 【請求項２】請求項（１）において、 防水パンとベースアングルとは、一体的にネジ止め固定
   されることを特徴とするユニットバスルーム。