JPH0753734B2 - アベルメクチンおよびミルベマイシンの13−ケト,13−イミノ,および13−アミノ誘導体 - Google Patents

アベルメクチンおよびミルベマイシンの13−ケト,13−イミノ,および13−アミノ誘導体

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JPH0753734B2
JPH0753734B2 JP60125281A JP12528185A JPH0753734B2 JP H0753734 B2 JPH0753734 B2 JP H0753734B2 JP 60125281 A JP60125281 A JP 60125281A JP 12528185 A JP12528185 A JP 12528185A JP H0753734 B2 JPH0753734 B2 JP H0753734B2
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Description

【発明の詳細な説明】 アベルメクチン(以前にはC−076と呼ばれていた)と
いう名前は、ストレプトマイセス・アベルミチリス(St
reptomyces avermitilis)のアベルメクチン産生株の醗
酵ブロスから単離される一連の化合物およびその誘導体
を表わすのに用いられる。上記培養株の形態的特性は米
国特許第4,310,519号に詳細に記載されている。アベル
メクチン化合物は一連のマクロライドであり、それぞれ
の13位は4′−(α−L−オレアンドロシル)−α−L
−オレアンドロース基によつて置換されている。アベル
メクチン化合物および本発明のその誘導体は、非常に高
い駆虫活性および寄生生物駆除活性を持つ。
醗酵ブロスから単離されるアベルメクチン系化合物は次
の構造を有する。
式中、Rは構造: の4′−(α−l−オレアンドロシル)−α−l−オレ
アンドロース基であり;破線部は単結合または二重結合
を示し;R1はヒドロキシルであつて、該破線が単結合の
ときだけ存在し;R2はイソプロピルまたはsec−ブチル
であり;R3はメトキシまたはヒドロキシルである。
主要なアベルメクチン天然化合物には8つの異なる種類
のものがあり、それらは個々の化合物の構造に基き、A1
a,A1b,A2a,A2b,B1a,B1b,B2a,B2bという名称を与えられ
ている。
前述の構造式において、各アベルメクチン化合物は下記
に示すものである。(R基は4′−(α−L−オレアン
ドロシル)−α−L−オレアンドロースである): R1 R2 R3 A1a 二重結合 sec−ブチル −OCH3 A1b 二重結合 イソブチル −OCH3 A2a −OH sec−ブチル −OCH3 A2b −OH イソブチル −OCH3 B1a 二重結合 sec−ブチル −OH B1b 二重結合 イソブチル −OH B2a −OH sec−ブチル −OH B2b −OH イソブチル −OH アベルメクチン化合物は一般にaおよびb成分の混合物
として単離される。この2種の化合物はR2置換基の性質
が異なるだけであり、この構造上の小さな違いはこれら
の化合物の単離方法、化学反応性および生物活性に対し
てほとんど影響を与えないということがわかつた。
醗酵ブロスからアベルメクチン化合物を単離し、本プロ
セスの出発物質として用いるわけであるが、この際、種
々のアベルメクチン化合物がそれぞれ異なる量で生成し
ていることがわかるであろう。特に、「a」系の化合物
は対応する「b」系の化合物に比べて高い割合で生成す
るであろう。「a」系の化合物と「b」系の化合物との
違いはアベルメクチン化合物全体を通じて一貫してお
り、25位がそれぞれsec−ブチル基であるかイソプロピ
ル基であるかということにある。もちろんこの違いは本
発明のいかなる反応をも妨害するものではない。特に、
「b」成分を関連する「a」成分から分離する必要はな
い。これらの密接に関連する化合物の分離が行なわれる
ことは稀である。というのは、「b」化合物は少量存在
するだけであり、またその構造の違いによる反応プロセ
スおよび生物活性への影響が無視できるからである。
特に、本発明の化合物の出発物質は、多くの場合、アベ
ルメクチンB1aまたA1aが約80ないし95%、アベルメクチ
ンB1bまたはA1bが20%以下の割合で生成することがわか
つた。このように、本発明の好ましい組成物は80%以上
の「a」成分と20%以下の「b」成分とを含むものであ
る。
ミルベマイシン化合物は16員大環を有する点で上記アベ
ルメクチン化合物に類似している。しかしながら、この
化合物は13位に置換基を有せず、25位(前記構造におい
てR2基がある位置)にメチルまたはエチル基を有する。
このミルベマイシン化合物も、13−ケト誘導体に酸化さ
れ、さらに13−イミノおよびアミノ誘導体に変換され得
る範囲において、本発明の範囲に属すると解釈されるべ
きである。このようなミルベマイシン化合物およびそれ
らを製造するのに用いられる醗酵条件は米国特許第3,95
0,360号に記載されている。また、13−デオキシアベル
メクチンアグリコンはアベルメクチン天然物から化学的
に合成され、米国特許第4,171,134号および第4,173,571
号に開示されている。これらの化合物はミルベマイシン
類と非常に類似しているが、25位にメチルまたはエチル
基でなくイソプロピルまたはsec−ブチル基を有する点
でミルベマイシンのあるものとは異なる。
本発明はアベルメクチンおよびミルベマイシン化合物の
ある種の誘導体において、13位のヒドロキシル基がケト
基に酸化され、続いて下記に記述するように13−イミノ
さらにアミノ基に順に変換されるものに関する。このよ
うに、本発明の一つの目的は、このようなアベルメクチ
ンまたはミルベマイシンの13−ケト、イミノおよびアミ
ノ化合物を提供することである。別の目的は、これらの
化合物の製造方法を提供することである。さらに別の目
的はそれらの化合物の寄生生物駆除薬としての用途を提
供することである。他の目的は以下の記述から明らかに
なるであろう。
本発明の化合物は次の構造式: 〔式中、破線は単結合または二重結合であることを示
し;R1はH、−OH、低級アルカノイルオキシ、または=
Oであり(R1は破線が単結合を示すときだけ存在す
る);R2はメチル、エチル、イソプロピル、またはsec
−ブチルであり;R3は−OH、低級アルコキシ、または低
級アルカノイルオキシであり;R4はH、OH、または であり;Yは=O、−NH2、=NOH、=N-NH2、=N-NHC
6H5、=N-NHCONH2、=N-NHCSNH2、=NOR5または−NHR5
(ただし、R5は低級アルキル)である。〕 を有するか、あるいは三置換シリルによつて保護された
それらの誘導体である。
本出願で用いられる「低級アルキル」という用語は、1
ないし5の炭素原子を持つ直鎖または有枝鎖のアルキル
基を表わすものとする。そのようなアルキル基の例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、sec−ブチル、ペンチルなどがある。
「低級アルカノイル」という用語は、直鎖または有枝鎖
に1ないし5の炭素原子を持つアルカノイル基を含むも
のとする。このようなアルカノイル基の例としては、ホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル
などがある。
本発明の好適な化合物の1つの例は、上記の構造式にお
いて、Yが=O、=NOH、または=NOCH3の場合である。
本発明の好適な化合物の例を個々に示すと、 13−オキソ−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bア
グリコン; 13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコン; 13−オキソミルベマイシンα1; 13−オキソミルベマイシンα3; 13−オキソアベルメクチンB2a/B2bアグリコン; 13,23−ジオキソアベルメクチンB2a/B2bアグリコン; 13−デオキシ−13−メトキシイミノ−22,23−ジヒドロ
アベルメクチンB1a/B1bアグリコン; 13−デオキシ−13−メトキシイミノ−22,23−ジヒドロ
アベルメクチンB2a/B2bアグリコン; などがある。
「b」化合物すなわち25位がイソプロピル基である化合
物は、対応する25−sec−ブチル基を有する「a」化合
物から分離することが非常に難しく、そのためそうした
化合物は一般にそれら2種の化合物の混合物として単離
される。したがつて、本出願において「a」化合物たと
えばB1a,A1aなどと言うときは、その純粋な化合物を指
すのみでなく、実際には対応する「b」化合物をある割
合で含むようなものをも指すと解釈する。また一方、意
図的に1つの混合物として、または両化合物を個々のも
のとして、B1もしくはB2化合物と称したり、またはスラ
ツシユ記号(/)を用いてB1a/B1b、B2a/B2bなどのよう
に「a」化合物から「b」化合物を分けて表わすことも
する。
本発明の化合物は、まず酸化して13位の置換基をヒドロ
キシル基からケト基に変え、続いて適当なアミンで処理
してイミノまたはアミノ誘導体を合成することにより製
造される。そのプロセスは、下記に反応の系統図を概要
的に示すが、簡明を期すため、前記の式の中の10,11,1
2,13,14,15位の炭素原子だけを含む部分構造式を示す。
上式以外の分子部分は前記に定義した通りであり、Y′
は−NH2、=NOH、=N-NH2、=N-NHC6H5、=N-NHCONH2
=N-NHCSNH2、=NOR5、または−NHR5(R5は低級アルキ
ル)である。
第1段階において、13−ヒドロキシ化合物がケトンに酸
化される。ヒドロキシルをケトンに酸化し得るものであ
れば、いかなる酸化剤を用いてもよい。好ましい酸化剤
は高い酸化状態のクロムを利用する化合物たとえば三酸
化クロムであり、たとえば3,5−ジメチルピラゾールと
の錯体、ピリジニウムジクロメート、ピリジニウムクロ
ロクロメートなどとして用いると好ましい。他の好まし
い酸化剤はジメチルスルホキシドとオキサリルクロリ
ド、ジメチルスルホキシドとトリフルオロ酢酸無水物、
二酸化マンガンなどである。
用いられる反応条件は、当業者にとつては、ような酸化
反応に対して普通に採用されている条件である。一般
に、この反応は常温においては1/2ないし10時間で完結
する。ある種の酸化剤はより特殊な条件を要求する。た
とえば、ジメチルスルホキシドとオキサリルクロリドに
よる反応は一般に−80ないし−40℃で行なわれる。この
反応は中間体の生成を含んでおり、冷却したままで第3
アミンたとえばトリエチルアミンを加えると、その中間
体は生成物を放出しながら分解する。この反応は、温度
を常温に戻すと完了する。この反応は一般に約1時間で
完了するが、しばしばそれより短かいことがある。生成
物は既知の方法を用いて単離される。
イミノ誘導体は、上記反応系統図の第2段階において、
塩基存在下不活性溶媒中で、ケト化合物に第1アミンを
反応させることにより製造される。該塩基は好ましくは
第3アミンたとえばピリジンまたはトリエチルアミンで
あり、該溶媒はいかなる反応物質とも反応しない溶媒で
あればよい。不活性溶媒は、たとえばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ジメトキシエタン、N,N−
ジメチルホルムアミドなどが好ましい。一般に、この反
応は反応混合物の還流温度にて行なわれ、1ないし10時
間で完了する。生成物は当業者に既知の方法で分離され
る。
13−アミノ化合物を製造するには、13−ケト化合物を還
元的にアミノ化して、非置換アミノ化合物を合成する。
この反応は、不活性溶媒たとえばメタノール中で−25な
いし+25℃にて、アンモニウム塩およびナトリウムシア
ノボロハイドライドをアミノ化剤および還元剤として用
いて行なわれる。反応は15分ないし2時間で完了し、生
成物13−デオキシ−13−アミノ化合物は既知の方法によ
り単離される。好適なアンモニウム塩は酢酸塩、プロピ
オン酸塩および安息香酸塩であり、酢酸塩が好ましい。
上記アミノ化反応の変法として、アンモニウム塩の代わ
りにメチルアンモニウム塩を用いて、モノメチル置換化
合物を製造することができた。この反応には、前記の反
応と同じ反応剤、塩および反応条件を用いることができ
る。また、このプロセスには、他のアンモニウム塩を用
いることもできる。
出発物質の製造 本発明の化合物の基本的な出発物質は、前記のアベルメ
クチンおよびミルベマイシン醗酵生成物である。したが
つて、本発明の化合物の多くの出発物質を製造するため
に別の反応が必要であることが明らかである。特に、反
応は4a、5、13、22、および23位において行なわれる。
一般に、基体に13位の基を導入する反応を行なう前に、
これらの位置に何らかの置換基を導入した物質を製造す
ることが好ましい。このような手順によると、一般に望
ましくない副反応が防止される。しかしながら、この手
段は絶対に必要というわけではなく、所望により、他の
手順を用いてもよい。また、前記反応剤との反応が望ま
しくないような反応性水酸基を保護することがしばしば
必要となる。適当な位置を保護することにより、上記反
応はその分子のその他の部分に影響を与えずに行なうこ
とができる。保護基は、上記のいかなる反応の後におい
ても除去することが可能であり、保護されていない生成
物が分離され得る。用いられる保護基は、理想的には、
容易に合成され、酸化剤やアミン類との反応に影響され
ず、保護対象の分子の他のいかなる機能にも影響を与え
ずに容易に除去され得るものである。本発明の保護され
た化合物は新規であり、相当な寄生生物駆除活性を有す
る。これらは本発明の範囲に含まれている。アベルメク
チンおよびミルベマイシン型の分子に対する1つの好ま
しい型の保護基はトリ置換シリル基であり、好ましくは
トリアルキルシリル基である。1つの特に好ましい例は
t−ブチルジメチルシリル基である。保護された化合物
を製造する反応は、ヒドロキシ化合物を適当に置換され
たシリルハライド好ましくはシリルクロリドと、極性の
非プロトン溶媒たとえばジメチルホルムアミド中におい
て反応させることにより行なわれる。イミダゾールが触
媒として加えられる。この反応は0ないし25℃にて1な
いし24時間で完了する。5位のヒドロキシ基に関して
は、0℃ないし室温にて1/2ないし3時間で完了する。
この反応は上記の条件下においては5位に選択的であ
り、他のヒドロキシ置換位においては、シリル化は仮に
生じたとしても非常にわずかしか生じない。もし、23−
ヒドロキシ基を保護することを望むのであれば、4″,
5,23−トリ(フエノキシアセチル)誘導体が製造されう
る。塩基性加水分解は高度に障害をうけている23−O−
置換基を残し、5−および4″−O−フエノキシアセチ
ル基を加水分解してこれらを反応可能な状態にする。こ
の5位を上記のようにt−ブチルジメチルシリルにより
選択的に保護し、4″位を反応させることができる。
このシリル基は、他の目的反応を行なつた後に除去する
ことができる。シリル基またはシリル基群は、このシリ
ル化合物を触媒的量の酸、好ましくはスルホン酸たとえ
ばp−トルエンスルホン酸の存在下でメタノール中にて
攪拌することにより除去される。この反応は0ないし50
℃にて約1ないし12時間で完了する。
前記反応系統図において用いられる別の出発物質は、A1
およびB1化合物の22,23二重結合が単結合に還元された
ものである。アベルメクチン出発物質の構造の解析から
容易に明らかなように、これらの一連の化合物には5箇
所の不飽和部がある。したがつて、それらの「一」連の
化合物においては、22,23ジヒドロアベルメクチン類を
選択的に製造するために、22,23二重結合だけを還元し
且つ残りの4つの不飽和部または分子中の他のいかなる
官能基にも影響を与えないことが必要である。また、そ
の水素化に選択的な触媒すなわち一連の不飽和部の中か
ら最も障害の度合の低いものを選択的に水素化する触媒
を選ぶことが必要である。そのような選択的水素化工程
に好適な触媒は式: 〔(Ph3P)3RhZ〕 (式中、Phはフエニルであり、Zはハロゲンである。) で表わされるものである。この還元工程はチヤバラ(Ch
abala)らの米国特許第4,199,569号に詳細に記載されて
いる。
本発明の化合物のすべての出発物質は、両方のα−L−
オレアンドロシル部の除去が必要である〔ムロツイク
(Mrozik)らの米国特許第4,206,205号に記載〕。反応
性水酸基群の選択的アシル化はムロツイク(Mrozik)ら
の米国特許第4,201,861号に記載されている。
アグリコンの製造に一般に適用できる反応条件は、アベ
ルメクチン化合物または水素化アベルメクチン化合物を
水と混ざり合う水性の酸性非求核性有機溶媒、好ましく
はジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン、ジメチルホルムアミド、ビス−2−メトキシエチル
エーテルなどに溶解する過程を含む。このとき、水の含
有率は0.1ないし20容量%とする。この水性有機溶媒に
1ないし10容量%の濃厚な酸を加える。この反応混合物
を一般に約20ないし40℃、好ましくは室温にて、6ない
し24時間攪拌する。生成物を分離し、混合物はたとえば
カラム、薄層、分取および高速液体クロマトグラフイー
などの手法または他の既知の手法によりさらに分離す
る。
上記プロセスに用いることのできる酸には鉱酸および有
機酸たとえば硫酸、ハロゲン化水素酸、リン酸、トリフ
ルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸などがあ
る。ハロゲン化水素酸は好ましくは塩酸または臭化水素
酸である。上記プロセスにおいて好適な酸は硫酸であ
る。
アベルメクチン化合物または水素アベルメクチン化合物
のアグリコンの製造のための別の方法は、異なる溶媒系
を用いる。アグリコンの製造には、前記反応条件のもと
で、メタノール中1容量%の酸が適当であることがわか
つた。
この方法を22,23二重結合を含む出発物質に用いる場合
には、この二重結合に対して酸触媒による溶媒の添加が
生ずる可能性がある。そのような場合には、以後の反応
を考慮して、クロマトグラフイーによる精製を行ない副
生成物を除去する。
前記に挙げた酸がこのプロセスには適当であり、やはり
硫酸が好適な酸である。
アシル化化合物はアシル化の手法を用いて製造される
が、この反応条件はアシル化される水酸基の反応性によ
つて異なる。アシル化されるべき水酸基が二つ以上存在
する場合には、種々の混合物の生成を最小にするため
に、それぞれについて異なる反応条件を用いる。アシル
化反応はムロツイク(Mrozik)らの米国特許第4,201,86
1号に詳細に記載されている。
用いられるアシル化剤は一般には前記の低級アルカノイ
ル基のハロゲン化物、好ましくは塩化物である。すなわ
ち、低級アルカノイルハライド反応剤が一般に用いられ
る。
また、アシル化剤は無水物またはハロホルメートの形で
もよかつた。ハライド反応剤を用いて行なう反応の場合
は、反応混合物中に、反応の過程で遊離されるハロゲン
化水素と反応して中和する塩基性化合物を含むことが好
ましい。第3アミン類たとえばトリエチルアミン、ピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチル
アミンなどが好ましい。塩基性化合物は、遊離されるハ
ロゲン化水素と等モル量が必要であるが、過剰量あるい
は塩基性化合物を溶媒として用いることさえも悪影響を
与えるわけではない。当業界には他の多くのアシル化方
法が知られており、これらは上記のアシル化アベルメク
チンおよびミルベマイシン化合物の製造に用いることが
できる。
A2化合物は2つの利用可能な水酸基を13および23位に有
する。13位が酸化されるべき部位であり、したがつて23
−水酸基は選択的アシル化により保護されねばならな
い。これは生成したジアシル化合物の選択的加水分解に
よつてより容易に達成することができる。
13−モノアシル化合物はA1化合物に対する前記反応条件
を用いて製造される。23−水酸基は13位のものより反応
性が乏しいので、穏やかな反応条件(0℃)では望まし
くない生成物である13−モノアシル化合物が優先的に得
られる。1時間ないし24時間の間、反応混合物を室温な
いし100℃に加熱すると、13,23−ジアシル化合物が生成
する。23−モノアシル化合物が所望の化合物であるか
ら、ジアシル化合物を水性塩基たとえば水酸化ナトリウ
ムで室温にて1ないし24時間処理する。13−アシル基が
加水分解され、23−モノアシル化合物が残る。
B1および22,23−ジヒドロB1化合物は2つの利用可能な
水酸基を13および5位に有する。しかしながら、この2
つの水酸基は異なる反応性を持つ。5−水酸基は、ムロ
ツイク(Mrozik)らによりテトラヘドロン・レターズ第
24巻5333-5336ページ(1983年)に記されるように、5
−O−tert−ブチルジメチルシリルまたは他のトリ置換
シリル誘導体を作ることにより、選択的に保護される。
B2化合物は3つの置換され得る水酸基を有する(13位、
5位、および23位)。13−水酸基の選択的酸化のために
必要な保護された出発物質を製造するために、B2化合物
はまず対応する5−O−tert−ブチルジメチルシリル誘
導体に選択的に変換され、さらに上記の非反応性の5−
メトキシ基を含むA2化合物に対して行なつたのと同様に
処理される。
4a−ヒドロキシ化合物は、13位および分子内の他の部位
に所望の置換を有する4−メチル化合物を、米国特許出
願第404,960号(参照によりここに組みこまれる)の方
法を用いて酸化することにより製造するのが最もよい。
それらの方法はビニル系メチル基を対応するアリル系ア
ルコールに選択的に酸化する。上記出願中には、tert−
ブチルヒドロペルオキシドが、二酸化セレンを触媒とし
て、アベルメクチンおよびミルベマイシンの4−メチル
基を4a−ヒドロキシ化合物に選択的に変換することが見
い出されたと記載されている。
好ましいプロセスは、4−メチル化合物を触媒的量の二
酸化セレンの存在下にt−ブチルヒドロペルオキシドで
処理することを含むものである。これらの条件のもと
で、二酸化セレンは実際に4−メチルを4a−ヒドロキシ
メチルに酸化し、それ自身はその過程で還元される。t
−ブチルヒドロペルオキシドは還元されたセレン化合物
を二酸化セレンに酸化し、再び別の分子の酸化に供す
る。このようにして、少量すなわち触媒的量の二酸化セ
レンで事足りるのである。
反応は不活性溶媒(酸化され易くないもの)中で行なわ
れる。メチレンクロリドが好適であるが、酢酸エチル、
テトラヒドロフランなども用いることができる。反応温
度は0ないし50℃であり得るが、室温での反応が好まし
い。これらの条件のもとで反応は一般に1ないし48時間
で完了するが、好適な条件のもとでは反応は一般に約24
時間で完了する。
13−オキソおよび13−イミノミルベマイシン誘導体(13
−ヒドロキシル基を有しない)の製造に必要な出発物質
は、米国特許第4,134,973号に記載されるようにまず該
ヒドロキシル基を分子内に導入して得られる。かくして
得られた13−ヒドロキシミルベマイシンは続いてアベル
メクチンアグリコン類に関してここに記されるように反
応させられる。
本発明の新規化合物は、人および動物の衛生上ならびに
農業上において、駆虫剤、外部寄生生物撲滅薬、殺虫
剤、ダニ駆除薬として著しい殺寄生生物活性を有する。
一般に蠕虫病と称される病気または病気群は、動物宿主
が蠕虫として知られる寄生虫に感染することによる。蠕
虫病は家畜たとえば豚、羊、馬、牛、山羊、犬、猫およ
び家禽において広範かつ深刻な経済的問題である。蠕虫
類の中で線虫と称される群の蠕虫は広範かつ頻繁に多種
の動物に感染を引起こす。上に挙げた動物に感染する最
も普通の属の線虫は捻転胃虫(Haemonchus)属、毛様線
虫(Trichostrongylus)属、オステルタジア(Ostertag
ia)属、ネマトデイルス(Nematodirus)属、クーペリ
ア(Cooperia)属、回虫(Ascaris)属、ブノストムム
(Bunostomum)属、腸結節虫(Oesophagostomum)属、
カベルチア(Chabertia)属、鞭虫(Trichuris)属、円
虫(Strongylus)属、トリコネマ(Trichonema)属、デ
イクチオカウルス(Dictyocaulus)属、毛頭虫(Capill
aria)属、ヘテラキス(Heterakis)属、トキソカラ(T
oxocara)属、アスカリデイア(Ascaridia)属、蟯虫
(Oxyuris)属、鉤虫(Ancylostoma)属、ウンシナリア
(Uscinaria)属、イヌ小回虫(Toxascaris)、および
ウマ回虫(Parascaris)である。これらのうちのある種
類たとえばネマトデイルス属、クーペリア属、および腸
結節虫属などは主として腸管を攻撃し、別の種類たとえ
ば捻転胃虫属およびオステルタジア属などはより広く胃
内に見られ、さらに別の種類たとえばデイクチオカウル
ス属などは肺に見られる。さらに別の寄生生物は体の他
の組織や器官たとえば心臓および血管、皮下およびリン
パ組織などに存在する。蠕虫病として知られる寄生生物
感染は貧血、栄養失調、虚弱、体重減少、腸管壁もしく
は他の組織や器官の著しい損傷などを招き、治療せずに
放置した場合には、感染した宿主の死をもたらす。本発
明の置換アベルメクチン化合物はこれらの寄生生物に対
して予想外に高い活性を持ち、また犬におけるイヌ糸状
虫(Dirofilaria)、げつ歯目動物におけるナマトスピ
ロイデス(Namatospiroides)、シフアシア(Syphaci
a)、アスピクルリス(Aspiculuris);動物や鳥の節足
動物性外部寄生生物たとえばマダニ類、ダニ類、シラミ
類、ノミ類、クロバエ類、羊におけるキンバエ(Lucili
a sp.)、咬み型昆虫、および移動性双翅類幼虫すなわ
ち牛におけるヒフバエ(Hypoderma sp.)、馬における
ウマバエ(Gastrophilus)、げつ歯目動物におけるウサ
ギヒフバエ(Cuterebra sp.)などに対する活性も持
つ。
本発明の化合物は人に感染する寄生生物に対しても有用
である。人の胃腸管に寄生する普通の属としては、鉤虫
属、アメリカ鉤虫(Necator)属、回虫属、ストロンギ
ロイデス(Storongyloides)属、旋毛虫(Trichinell
a)属、毛頭虫属、鞭虫属、および蟯虫(Enterobius)
属がある。他の医学的に重要な寄生生物の属で血液中ま
たは他の胃腸管外組織ないし器官において見られるもの
としては、フイラリア性蠕虫たとえばブケレリア(Wuch
ereria)属、ブルギア(Brugia)属、オンコセルカ(On
chocerca)属、およびロア糸状虫(Loa,Dracunculu
s)、ならびに腸内蠕虫ストロンギロイデス属および旋
毛虫属の腸管外時期がある。本化合物はまた人に寄生す
る節足動物、咬み型昆虫、および人を悩ませる他の双翅
類病害虫に対しても有用である。
本発明の化合物はまた家庭内病害虫(household pest
s)たとえばいわゆるゴキブリすなわちチヤバネゴキブ
リ(Blatella sp.)、イガすなわちテイネオラ種(Tine
ola sp.)、ヒメマルカツブシムシすなわちアツタゲヌ
ス種(Attagenus sp.)、およびイエバエすなわちムス
カ・ドメスデイカ(Musca domestica)などにも効力が
ある。
本発明の化合物はまた貯蔵中の穀物の昆虫性病害虫たと
えばトリボリウム種(Tribolium sp.)、ゴミムシダマ
シ(Tenebrio sp.)および農業植物の昆虫性病害虫たと
えばクモダニ(Tetranychus sp.)、アリマキ(Acyrthi
osiphon sp.);移動性直翅類たとえばバツタや植物組
織中に生息する昆虫の未成熟期のものに対しても有用で
ある。本発明の化合物は農業上重要なことである土中の
線虫や植物の寄生生物たとえばメロイドジネ種(Meloid
ogyne sp.)の制御のための線虫駆除薬として有用であ
る。本化合物は他の植物病害虫たとえば南軍蠕虫(sout
hern army worm)やメキシコマメムシ(Mexican bean b
eetle)の幼虫に対しても効力がある。
これらの化合物は、哺乳動物に対して駆虫剤として用い
る場合には、単位投薬形たとえばカプセル剤、大型丸
剤、もしくは錠剤として、または液剤飲薬として投薬す
ることができる。飲薬は、通常、活性成分を、懸濁化剤
たとえばベントナイトおよび湿潤剤あるいは賦形剤など
とともに、水に溶解、懸濁、もしくは分散させたもので
ある。一般に、飲薬はまた消泡剤をも含む。飲薬製剤は
一般に約0.001ないし0.5重量%の活性化合物を含む。好
ましい飲薬製剤は0.01ないし0.1重量%含有するもので
ある。カプセル剤および大型丸剤は活性成分を賦形剤た
とえばデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、
またはリン酸二カルシウムと混合したものを含む。
アベルメクチン誘導体を乾燥固体単位投薬形で投薬する
ことが望まれるならば、所望量の活性化合物を含有する
カプセル剤、大型丸剤、もしくは錠剤が通常用いられ
る。これらの投薬形は、活性成分を適当な微粉砕された
希釈剤(diluents)、充填剤(fillers)、崩壊剤、お
よび/または結合剤たとえばデンプン、乳糖、タルク、
ステアリン酸マグネシウム、植物ゴム質などと緊密かつ
一様に混合して製造する。それらの単位投薬製剤はその
総重量および寄生生物駆除成分含有率が治療される宿主
動物の型、感染の程度および型、ならびに宿主の重量に
よつて種々変わり得る。
活性化合物を動物の飼料を通じて投薬する場合は、それ
を飼料中に十分に分散させるか、トツプ・ドレツシング
として用いるか、でき上がつた食物にペレツト剤の形で
加えて用いるか、または別途に与えるかする。この代わ
りに、本発明の寄生生物駆除化合物は非経口的たとえば
管内、筋肉内、気管内、または皮下注射により投薬する
ことができるが、この場合は活性成分は液体媒体中に溶
解または分散される。非経口的投薬の場合、活性物質は
許容される媒体、好ましくは各種植物油たとえば落花生
油、綿実油などと適当に混合される。他の非経口的媒体
たとえばソルケタール、グリセリンホルマールを用いた
有機製剤、および水性非経口製剤を用いられる。1種ま
たは複数種の活性アベルメクチン化合物が投薬用非経口
製剤中に溶解または懸濁される。このような製剤は一般
に0.005ないし5重量%の活性化合物を含む。
本発明の寄生生物駆除薬はその主たる用途が蠕虫病の治
療および予防であるが、他の寄生生物たとえば節足動物
性寄生生物すなわちマダニ類、シラミ類、ノミ類、ダニ
類および他の咬み型昆虫によつて引き起こされる家畜お
よび家禽の病気にも有用である。また、それらは人を含
む他の動物に生ずる寄生生物性の病気の治療にも有効で
ある。最良の結果を得るための最適使用量は、もちろん
用いられる個々の化合物、治療される動物の種類、およ
び寄生生物感染または外寄生の型と程度による。一般
に、良い結果は本発明の新規化合物を経口投与する場合
で動物体重1kg当り約0.001ないし10mgで得られる。この
総投薬量は一度または比較的短かい期間たとえば1ない
し5日内に分割して与えられる場合である。本発明の好
適な化合物の場合、動物における前記寄生生物のすぐれ
た制御は一回の投薬量が体重1kg当り約0.025ないし0.5m
gの投薬によつて得られる。くり返し治療は再感染を治
療するために必要なとき行なわれ、寄生生物の種類およ
び用いられる農業技術による。これらの物質を動物に投
薬する方法は家畜治療界においては知られている。
ここに記した化合物が動物の飼料の一成分として、また
は飲料水中に溶解もしくは懸濁した状態で投薬されると
きには、1種または複数種の活性化合物が不活性媒体ま
たは希釈剤中によく分散した組成物が与えられる。不活
性媒体とは本寄生生物駆除薬と反応せず、かつ動物に安
全に投薬できるものを意味する。好ましくは、飼料投薬
の場合の媒体はその動物の飼料の一部である(または一
部になり得る)ものが好ましい。
好適な組成物としては、活性成分が比較的多量に含まれ
るプレミツクス飼料または添加物であつて、動物に直接
与えるか、または飼料に直接添加するか、もしくは中間
的に希釈ないし調合してから添加するのに適しているこ
とが好ましい。このような組成物に適する代表的な媒体
または希釈剤としては、たとえば蒸留酒製造用乾燥殻
物、コーンミール、シトラスミール(citrus meal)、
醗酵残留物、すりつぶしたカキ殻、小麦微麩(wheat sh
orts)、糖密の可溶成分、コーンコブミール(corn cob
meal)、食用ビーンミルフイード(bean mill fee
d)、あらびき大豆、砕いた石灰石などがある。活性水
素化アベルメクチン化合物は、グラインデイング(grin
ding)、スターリング(stirring)、ミリング(millin
g)、もしくはタンブリング(tumbling)のような攪拌
混合手段により、媒体全体に十分に分散される。約0.00
5ないし2.0重量%の活性化合物を含む組成物は特にプレ
ミツクス飼料として好ましい。飼料添加物は、動物に直
接与えられるわけであるので、約0.0002ないし0.3重量
%の活性化合物を含む。
このような添加物は、動物の飼料において最終的に活性
化合物の濃度が寄生生物病の治療および予防に望ましい
濃度になるように動物の飼料に加えられる。望ましい活
性化合物濃度は前記に挙げた因子、ならびに用いられる
個々のアベルメクチン誘導体により種々異なるであろう
が、所望の寄生生物駆除効果を達成するために、通常、
飼料中の濃度が0.00001ないし0.002%の範囲で与えられ
る。
本発明のアベルメクチン化合物はまた、成育過程または
貯蔵中に農作物に損傷を与える農業上の病害虫の駆除に
も有用である。この化合物は、噴霧剤、散粉剤、乳剤な
ど既知の手法により、成育過程または貯蔵中の農作物に
施され、そうした農業上の病害虫から保護する。
本発明の化合物を使用する場合、個々の置換アベルメク
チン成分を製造してそのままの形で使用することができ
る。また一方、個々のアベルメクチン化合物を2種類以
上混合して用いることもできるし、本発明の化合物を、
その母体のアベルメクチン化合物、他のアベルメクチン
化合物、あるいはアベルメクチンとは関係のない他の活
性化合物と混合して用いることもできる。
本発明がより十分に理解されるように、以下に例を挙げ
る。それらは本発明を限定すると解釈されるものではな
い。
以下の実施例において製造される置換アベルメクチン誘
導体は、一般には結晶質固体としてではなく非晶質固体
として分離される。したがつて、それらは質量分析、核
磁気共鳴などの手段によつて分析的に確認される。非晶
質であるため、これらの化合物ははつきりした融点によ
つて確認されることはないが、用いられたクロマトグラ
フイー的および分析的方法はこれらの化合物が純粋であ
ることを示す。
以下の実施例において、用いられる種々の出発物質はア
ベルメクチン化合物、アベルメクチン化合物の誘導体、
またはミルベマイシン化合物である。アベルメクチン化
合物およびその製造と醗酵ブロスからの分離について
は、1982年1月12日に出された米国特許第4,310,519号
に記載されている。アベルメクチン化合物の選択的22,2
3−ジヒドロ誘導体については、1980年4月22日に出さ
れた米国特許第4,199,569号に記載されている。アベル
メクチン化合物のアグリコンおよびモノサツカライド誘
導体については、1980年1月3日に出された米国特許第
4,206,205号に記載されている。13−ヒドロキシミルベ
マイシン誘導体は、米国特許第4,134,973号に記載され
るようにして製造される。
実施例1A 23−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンA2a/
A2bアグリコン 2.4mlの乾燥ジメチルホルムアミド中の200mgのアベルメ
クチンA2a/A2bを133mgのイミダゾールと混合し、完全に
溶解するまで攪拌した。146mgのt−ブチルジメチルシ
リルクロリドを加え、この反応混合物を室温にて一晩攪
拌し、6時間以上静置した。この反応混合物をエーテル
で希釈し、水で5回洗浄し、その水層をエーテルで洗浄
した。合わせたエーテル層を飽和塩化ナトリウムで洗浄
し、乾燥し、真空下で蒸発乾燥して、340mgの油状物質
を得た。この油状物質をメチレンクロリドに溶解し、2
枚の調製用2000μシリカゲル層プレート上におきメチレ
ンクロリド中に5%テトラヒドロフランおよび0.5%エ
タノールを含む液で溶離した。3つの主要な移行帯のう
ち、真中のものは113.2mgの23−O−t−ブチルジメチ
ルシリルアベルメクチンA2a/A2bアグリコンと同定され
た物質を含んでいた。
実施例1B 23−O−t−ブチルジメチルシリル−13−オキソアベル
メクチンA2a/A2bアグリコン 58mgの3,5−ジメチルピラゾールと60mgの三酸化クロム
とを密封フラスコ内窒素中にて混合する。2.0mgの無水
メチレンクロリドを加え、この混合物を室温にて15分間
攪拌して、溶液を得た。2.0mlの無水メチレンクロリド
中の100mgの23−O−tert−ブチルジメチルシリルアベ
ルメクチンA2a/A2bアグリコンの溶液を加え、この混合
物を室温にて30分間攪拌した。この反応混合物を乾燥窒
素気流中で蒸発乾固し、残留物をエーテル各8mlで3回
抽出し、合わせたエーテル抽出物を真空下で蒸発し、78
mgの茶色のガラス状物質を得た。これを1つの1000μの
シリカゲルプレート上に置き、メチレンクロリド:テト
ラヒドロフラン:エタノール=94.5:5:0.5の混合物で展
開し、45mgの無色のガラス状物質を得た。この物質は核
磁気共鳴および質量分析により23−O−t−ブチルジメ
チルシリル−13−オキソアベルメクチンA2a/A2bアグリ
コンであることが示された。
実施例2 13−オキソアベルメクチンA2a/A2bアグリコン 実施例1で回収された生成物の10mgを、1%のパラトル
エンスルホン酸ジヒドレートのメタノール溶液1.0mlに
加えたものを室温にて2時間半攪拌した。この混合物に
飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加え、エーテルで抽出
し、そのエーテル抽出液を水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、乾燥窒素気流中で濃縮乾燥して、無色の油
状物質を得た。この油状物質を250μシリカゲルプレー
ト上に置き、メチレンクロリド:テトラヒドロフラン:
エタノール=94.5:5:0.5の混合液で溶離し、5.8mgの目
的物質を含む無色油状物質を含む1つの移行帯を得た。
この物質は質量分析および核磁気共鳴により13−オキソ
アベルメクチンA2a/A2bアグリコンであることが示され
た。
実施例3 22,23−ジヒドロ−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bア
グリコン 実施例2の方法にしたがい、20mgの22,23−ジヒドロ−1
3−オキソ−5−O−t−ブチルジメチルシリルアベル
メクチンB1a/B1bアグリコンを用いて、22,23−ジヒドロ
−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを得
た。
実施例4 22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル
−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコン 1.0mlの乾燥メチレンクロリド中に38.4μlのオキサリ
ルクロリドを含む溶液に、−60℃にて0.4mlの乾燥メチ
レンクロリド中に62μlの乾燥ジメチルスルホキシドを
溶解した溶液を加えた。混合液を−60℃で2分間攪拌
し、この間にガスの発生が観察された。温度を−60℃に
保つたまま、シリンジを用いて140mgの22,23−ジヒドロ
−5−O−t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1
a/B1bアグリコンの1.2ml乾燥メチレンクロリド溶液を5
分間かけて加えた。この温度で反応混合物を30分間攪拌
し、これに280μlの乾燥トリエチルアミンを加え、混
合物を5分間攪拌した。冷却浴を取り除いて反応混合物
を常温に戻し、30ないし40分間攪拌した。反応混合物に
水を加え、エーテルとメチレンクロリドとで4回抽出
し、合わせた有機層を水で6回洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、真空下で蒸発乾固した。残留物を3つの
1000μシリカゲルプレート上に置き、プレートを5%メ
タノールのメチレンクロリド溶液で展開した。生成物を
シリカゲルから分離し、核磁気共鳴および質量分析によ
つて22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルシ
リル−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコンと
同定した。
実施例5 22,23−ジヒドロ−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bア
グリコンセミカルバゾン 実施例2の方法にしたがい、150mgの22,23−ジヒドロ−
5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−オキソアベル
メクチンB1a/B1bアグリコンセミカルバゾンと0.5%p−
トルエンスルホン酸のメタノール溶液13mlとを用いて、
22,23−ジヒドロ−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bア
グリコンセミカルバゾンを得た。
実施例6 22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル
−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコンセミカ
ルバゾン 丸底フラスコ内窒素気流中にて、500mgの22,23−ジヒド
ロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−オキソア
ベルメクチンB1a/B1bアグリコン、400mgのセミカルバジ
ドヒドロクロリド、および4mlのピリジンを混合した。
反応混合物を還流温度で4時間攪拌し、冷却し、真空下
で蒸発乾固した。残留物をメチレンクロリドで抽出し、
その溶液を再度真空下で濃縮し、750mgの粗生成物を得
た。この物質をシリカゲルカラム上に置き、1%メタノ
ールおよびメチレンクロリドの混合物で溶離した。20ml
ずつの分画を採取し、第17ないし24の分画を合わせたも
のから242.5mg、第25ないし40の分画を合わせたものか
ら209.3mgの上記生成物を得た。残りの分画は捨てた。
核磁気共鳴および質量分析により22,23−ジヒドロ−5
−O−t−ブチルジメチルシリル−13−オキソアベルメ
クチンB1a/B1bアグリコンセミカルバゾンを含むことが
示された。
実施例7 22,23−ジヒドロ−13−オキソ−アベルメクチンB1a/B1b
アグリコンチオセミカルバゾン 実施例2の方法にしたがい、55mgの22,23−ジヒドロ−
5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−オキソアベル
メクチンB1a/B1bアグリコンチオセミカルバゾンと0.5%
p−トルエンスルホン酸のメタノール溶液7.5mlとを用
いて、22,23−ジヒドロ−13−オキソアベルメクチンB1a
/B1bアグリコンチオセミカルバゾンを得た。
実施例8 22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル
−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコンチオセ
ミカルバゾン 48.5mg(0.07mmol)の22,23−ジヒドロ−5−O−t−
ブチルジメチルシリル−13−オキソアベルメクチンB1a/
B1bアグリコン、91mg(1.0mmol)のチオセミカルバジ
ド、3滴の氷酢酸、および2.0mlのエタノールを混合
し、窒素気流中で20時間還流加熱した。反応混合物を真
空下で蒸発し、残留物をメチレンクロリドと共に磨砕
し、有機層を過し、液を真空下で濃縮した。残留物
をシリカゲルカラムにて1%メタノールのメチレンクロ
リド溶液で精製し、次のように6.0mlずつ分画を採取し
た。第2ないし8の分画は捨てた。第9ないし14の分画
は出発物質を含み、第15ないし17の分画は28mgの生成物
を含んでいた。生成物の分画はさらに500μの分取用ク
ロマトグラフイーにて、5%メタノールのメチレンクロ
リド溶液を展開剤に用いて精製した。くりかえし溶媒を
通して21.2mgの生成物を得た。これは核磁気共鳴および
質量分析により、22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチ
ルジメチルシリル−13−オキソアベルメクチンB1a/B1b
アグリコンセミカルバゾンと同定された。
実施例9 22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル
−13−デオキシ−13−メトキシイミノアベルメクチンB1
a/B1bアグリコン 105mgの22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチル
シリル−13−オキソアベルメクチンB1a/B1bアグリコ
ン、125mgのメトキシイミンヒドロクロリド、0.5mlのピ
リジン、および5mlのエタノールを混合し、窒素被覆下
で5時間還流加熱し、室温にて一晩放置した。反応混合
物を真空下で蒸発乾固し、残留物をメチレンクロリドを
加えて磨砕し、有機層を過し、真空下で蒸発乾固し
た。残留物を2つの分取用500μシリカゲルクロマトグ
ラフイープレートにて、エチルエーテル:石油エーテル
=30:70の混合液で2回溶離し、5%メタノールのメチ
レンクロリド溶液で溶離を6回くり返した。2つの生成
物帯をプレートから除き、別々に新しい500μシリカゲ
ルプレート上に置き、エーテル:石油エーテル=6:94の
混合液、続いて15%エーテルの石油エーテル溶液で溶離
し、それぞれ26mgと28mgの2種の異性体生成物を得た。
これは、核磁気共鳴および質量分析により22,23−ジヒ
ドロ−5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−メトキ
シイミノアベルメクチンB1a/B1bアグリコンと同定され
た。
実施例10 22,23−ジヒドロ−13−デオキシ−13−メトキシイミノ
アベルメクチンB1a/B1bアグリコンの異性体A 実施例2の方法にしたがい、23mgの22,23−ジヒドロ−
5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−メトキシイミ
ノアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを0.5%p−トルエ
ンスルホン酸のメタノール溶液3.5mlに加えたものを用
いて、22.5mgの22,23−ジヒドロ−13−メトキシイミノ
アベルメクチンB1a/B1bアグリコンの異性体Aを得た。
実施例11 22,23−ジヒドロ−13−デオキシ−13−メトキシイミノ
アベルメクチンB1a/B1bアグリコンの異性体B 24mgの22,23−ジヒドロ−5−O−t−ブチルジメチル
シリル−13−メトキシイミノアベルメクチンB1a/B1bア
グリコンの異性体Bを0.5%p−トルエンスルホン酸の
メタノール溶液5mlに加えたものを用い、実施例10の方
法をくり返すことにより、17.3mgの22,23−ジヒドロ−1
3−メトキシイミノアベルメクチンB1a/B1bアグリコンの
第2の異性体を得た。
実施例12 13−オキソアベルメクチンA1a/A1b 実施例4の方法にしたがい、38μlのオキサリルクロリ
ド、1.0mlのメチレンクロリド、62μlのジメチルスル
ホキシドを0.4mlのメチレンクロリドに加えたもの、120
mg(0.2mmol)のアベルメクチンA1a/A1bアグリコンを1.
2mlのメチレンクロリドに溶解したもの、および280μl
のトリエチルアミンを用いて、クロマトグラフイーで精
製後に、13−オキソアベルメクチンA1a/A1bを得た。
実施例13 4a−ヒドロキシ−13−オキソ−22,23−ジヒドロアベル
メクチンB1a/B1bアグリコン 5.5mgの二酸化セレン、0.3mlのメチレンクロリド、およ
び22μlのt−ブチルヒドロペルオキシドの混合物を室
温にて30分間攪拌する。続いて、60mgの13−オキソ−2
2,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを0.2
mlのメチレンクロリドに溶解した溶液を加え、混合物を
室温にて24時間攪拌する。仕上げのためにこの混合物を
エーテルで希釈し、水で洗浄する。有機相の濃縮により
得られる残留物を逆相カラムクロマトグラフイーにてメ
タノール水溶液を溶媒に用いて精製する。主要な生成物
の構造は、NMRおよび質量分析により、4a−ヒドロキシ
−13−オキソ−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b
アグリコンと決定される。
実施例14 13−オキソミルベマイシンα4 実施例4の方法にしたがい、20μlのオキサリルクロリ
ド、30μlのジメチルスルホキシドを0.7mlのメチレン
クロリドに加えたもの、および57mgの13−ヒドロキシミ
ルベマイシンα4(米国特許第4,134,973号に記載された
方法にしたがつて得られる)を0.6mlのメチレンクロリ
ドに溶解したものを用い、さらに140μlのトリエチル
アミンを用いて、13−オキソミルベマイシンα4を得
る。
実施例15 13−アミノ−13−デオキシ−5−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグ
リコン 699mgの13−オキソ−5−O−t−ブチルジメチルシリ
ル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1bアグリコ
ン、771mgの酢酸アンモニウム、および700mgの3A粉末モ
レキユラーシーブを15mlの乾燥メタノール中で混合し、
室温にて乾燥窒素被覆下で4時間攪拌した。続いて、57
mgのナトリウムシアノボロヒドリドを2.5mlの乾燥メタ
ノール中に溶解したものを滴下した。この混合物を室温
にて48時間攪拌した。反応混合物を100mlのメチレンク
ロリドおよび50mlの重炭酸ナトリウム中にした。これら
の層を分離し、水性の層をメチレンクロリドで洗浄し
た。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾
固して647mgの粗生成物を黄色の泡として得た。シリカ
ゲルカラムクロマトグラフイーにてメチレンクロリド:
メタノール:水=99:1:0.1の混合液を用いることによ
り、217mgの純粋な生成物を得た。これは核磁気共鳴に
より13−アミノ−13−デオキシ−5−O−t−ブチルジ
メチルシリル−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a/B1b
アグリコンと同定された。
実施例16 13−アミノ−13−デオキシ−22,23−ジヒドロアベルメ
クチンB1a/B1bアグリコン 実施例2の方法にしたがい、1%p−トルエンスルホン
酸のメタノール溶液を用いて、実施例15の生成物40mgか
ら、29mgの13−アミノ−13−デオキシ−22,23−ジヒド
ロアベルメクチンB1a/B1bアグリコンを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 AFJ 9454−4C 31/695 9454−4C C07F 7/18 A

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: の化合物 〔式中、破線は単結合または二重結合を示し; R1はH、−OH、低級アルカノイルオキシ、 または=O(R1は破線が単結合を示すときだけ存在す
    る)であり; R2はメチル、エチル、イソプロピル、またはsec−ブチ
    ルであり; R3はOH、低級アルコキシ、または低級アルカノイルオキ
    シであり; R4はH、OH、または であり; Yは=O、−NH2、=NOH、=N-NH2、=N-NH-C6H5、=N-
    NH-CONH2、=N-NH-CSNH2、=NOR5、 または−NHR5(ただし、R5は低級アルキル)である。〕 またはトリ置換シリル基で保護された該化合物の誘導
    体。
  2. 【請求項2】Yが=O、=NOH、または=NOCH3である特
    許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  3. 【請求項3】13−オキソ−22,23−ジヒドロアベルメク
    チンB1aおよび/またはB1bアグリコンである特許請求の
    範囲第2項に記載の化合物。
  4. 【請求項4】13−オキソアベルメクチンB1aおよび/ま
    たはB1bアグリコンである特許請求の範囲第2項に記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】13−オキソミルベマイシンα1である特許
    請求の範囲第2項に記載の化合物。
  6. 【請求項6】13−オキソミルベマイシンα3である特許
    請求の範囲第2項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】13−オキソアベルメクチンB2aおよび/ま
    たはB2bアグリコンである特許請求の範囲第2項に記載
    の化合物。
  8. 【請求項8】13,23−ジオキソアベルメクチンB2aおよび
    /またはB2bアグリコンである特許請求の範囲第2項に
    記載の化合物。
  9. 【請求項9】13−デオキシ−13−メトキシイミノ−22,2
    3−ジヒドロアベルメクチンB1aおよび/またはB1bアグ
    リコンである特許請求の範囲第2項に記載の化合物。
  10. 【請求項10】13−デオキシ−13−メトキシイミノアベ
    ルメクチンB1aおよび/またはB1bアグリコンである特許
    請求の範囲第2項に記載の化合物。
  11. 【請求項11】13−アミノ−13−デオキシ−22,23−ジ
    ヒドロアベルメクチンB1aおよび/またはB1bアグリコン
    である特許請求の範囲第1項に記載の化合物。
  12. 【請求項12】式I: の化合物 〔式中、破線は単結合または二重結合を示し; R1はH、−OH、低級アルカノイルオキシ、 または=O(R1は破線が単結合を示すときだけ存在す
    る)であり; R2はメチル、エチル、イソプロピル、またはsec−ブチ
    ルであり; R3はOH、低級アルコキシ、または低級アルカノイルオキ
    シであり; R4はH、OH、または であり; Yは=Oである。〕の製造方法において、上記式Iにお
    ける13−ヒドロキシ化合物を酸化剤で処理することを特
    徴とする方法。
  13. 【請求項13】式I: の化合物 〔式中、破線は単結合または二重結合を示し; R1はH、−OH、低級アルカノイルオキシ、 または=O(R1は破線が単結合を示すときだけ存在す
    る)であり; R2はメチル、エチル、イソプロピル、またはsec−ブチ
    ルであり; R3はOH、低級アルコキシ、または低級アルカノイルオキ
    シであり; R4はH、OH、または であり; Yは=NOH、=N-NH2、=N-NH-C6H5、=N-NH-CONH2、=N
    -NH-CSNH2、または−NOR5(ただし、R5は低級アルキ
    ル)である。〕の製造方法において、上記式Iにおける
    Yが=Oである化合物を第1アミンで処理することを特
    徴とする方法。
  14. 【請求項14】式I: の化合物 〔式中、破線は単結合または二重結合を示し; R1はH、−OH、低級アルカノイルオキシ、 または=O(R1は破線が単結合を示すときだけ存在す
    る)であり; R2はメチル、エチル、イソプロピル、またはsec−ブチ
    ルであり; R3はOH、低級アルコキシ、または低級アルカノイルオキ
    シであり; R4はH、OH、または であり; Yは−NH2または−NHR5(ただし、R5は低級アルキル)
    である。〕の製造方法において、上記式IにおけるYが
    =Oである化合物を還元剤の存在下にアンモニウム化合
    物で処理することを特徴とする方法。
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