JPH0753680B2 - 光学活性ケトンの製造法 - Google Patents
光学活性ケトンの製造法Info
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- JPH0753680B2 JPH0753680B2 JP1182442A JP18244289A JPH0753680B2 JP H0753680 B2 JPH0753680 B2 JP H0753680B2 JP 1182442 A JP1182442 A JP 1182442A JP 18244289 A JP18244289 A JP 18244289A JP H0753680 B2 JPH0753680 B2 JP H0753680B2
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C49/00—Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
- C07C49/385—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring
- C07C49/395—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring of a five-membered ring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C45/00—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
- C07C45/61—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups
- C07C45/62—Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reactions not involving the formation of >C = O groups by hydrogenation of carbon-to-carbon double or triple bonds
-
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C49/00—Ketones; Ketenes; Dimeric ketenes; Ketonic chelates
- C07C49/385—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring
- C07C49/403—Saturated compounds containing a keto group being part of a ring of a six-membered ring
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、α,β−不飽和ケトンのカルボニル基に隣接
する二重結合のみを還元することによる、プロスタグラ
ンジン、キサンチン誘導体等の医薬の合成原料の中間体
として有用な光学活性ケトンの製造法に関する。
する二重結合のみを還元することによる、プロスタグラ
ンジン、キサンチン誘導体等の医薬の合成原料の中間体
として有用な光学活性ケトンの製造法に関する。
従来、光学活性ケトンを不斉合成する方法として、特
定の触媒を用いて不斉水素化する方法、酵素を使用し
た水素化反応を利用する方法が知られている。
定の触媒を用いて不斉水素化する方法、酵素を使用し
た水素化反応を利用する方法が知られている。
特に、シクロペンタノン又はシクロヘキサノン骨格を有
する光学活性ケトンの製造方法としては、例えば、トラ
ンス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シク
ロブタン(以下、TBPCと略す)を含有する錯体であるキ
ラル水素化ルテニウム類HRuCl(TBPC)2とH2Ru(TBP
C)2を触媒としてα,β−不飽和ケトンを不斉水素化
する方法がある。例えば、基質のα,β−不飽和ケトン
において、その還元される二重結合が環内にあるタイプ
(エンド形)では、イソホロン(3,5,5−トリメチル−
2−シクロヘキセン−1−オン)の場合光学純度62%e
e、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンの場合2
2%ee、2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンの
場合26%ee、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オ
ンの場合4.5%eeの光学活性ケトンが得られ、また二重
結合が環の外にあるタイプ(エキソ形)では、α−メチ
レンテトラロン(3,4−ジヒドロ−2−メチレン−1−
ナフタレノン)の場合、23%eeの光学活性ケトンが得ら
れる〔V.Massonneauら;Tetrahedron Letters,27,(4
5),p.5497−5498(1986)〕。
する光学活性ケトンの製造方法としては、例えば、トラ
ンス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シク
ロブタン(以下、TBPCと略す)を含有する錯体であるキ
ラル水素化ルテニウム類HRuCl(TBPC)2とH2Ru(TBP
C)2を触媒としてα,β−不飽和ケトンを不斉水素化
する方法がある。例えば、基質のα,β−不飽和ケトン
において、その還元される二重結合が環内にあるタイプ
(エンド形)では、イソホロン(3,5,5−トリメチル−
2−シクロヘキセン−1−オン)の場合光学純度62%e
e、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンの場合2
2%ee、2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンの
場合26%ee、3−メチル−2−シクロペンテン−1−オ
ンの場合4.5%eeの光学活性ケトンが得られ、また二重
結合が環の外にあるタイプ(エキソ形)では、α−メチ
レンテトラロン(3,4−ジヒドロ−2−メチレン−1−
ナフタレノン)の場合、23%eeの光学活性ケトンが得ら
れる〔V.Massonneauら;Tetrahedron Letters,27,(4
5),p.5497−5498(1986)〕。
酵素による方法としては、例えば2−メチル−2−シク
ロヘキセン−1−オンをビューベリアスルフレッセンス
(Beauveria sulfurescens)で還元すると、2位の立体
配置がRである光学活性ケトンを収率30%で得ることが
できる〔A.Kergomardら;J.Org.Chem.,47,p.792−798(1
982)〕。
ロヘキセン−1−オンをビューベリアスルフレッセンス
(Beauveria sulfurescens)で還元すると、2位の立体
配置がRである光学活性ケトンを収率30%で得ることが
できる〔A.Kergomardら;J.Org.Chem.,47,p.792−798(1
982)〕。
また、医薬合成においては、典型的なα,β−不飽和シ
クロペンテノンであるプロスタグランジンAを微生物を
用いて不斉還元を行い、11−デオキシプロスタグランジ
ンEを合成する方法が報告されている(米国特許第3930
952号)。
クロペンテノンであるプロスタグランジンAを微生物を
用いて不斉還元を行い、11−デオキシプロスタグランジ
ンEを合成する方法が報告されている(米国特許第3930
952号)。
さらに、カロチノイドの一種であるアスタキサンチン、
キサンチン、またはロリオリドの合成原料である(4R,6
R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ノンを得るために、オキソイソホロンの微生物還元が行
われている〔R.Zellら;Helv.Chim.Acta,59,p.1832(197
6)〕。
キサンチン、またはロリオリドの合成原料である(4R,6
R)−4−ヒドロキシ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサ
ノンを得るために、オキソイソホロンの微生物還元が行
われている〔R.Zellら;Helv.Chim.Acta,59,p.1832(197
6)〕。
しかしながら、従来行われている方法は、HRuCl(TBP
C)2などの金属錯体を触媒として不斉水素化を行う場
合、満足すべき高い光学純度の光学活性ケトンを得るこ
とは難しく、また酵素による方法の場合、生成物の立体
配置が限られている例が多く、菌体と生成物の分離操作
が繁雑であるなどの欠点があった。
C)2などの金属錯体を触媒として不斉水素化を行う場
合、満足すべき高い光学純度の光学活性ケトンを得るこ
とは難しく、また酵素による方法の場合、生成物の立体
配置が限られている例が多く、菌体と生成物の分離操作
が繁雑であるなどの欠点があった。
このため、高い光学純度の光学活性ケトンを効率良く得
る方法が望まれていた。
る方法が望まれていた。
斯かる実情において、本発明者らは上記課題を解決せん
と鋭意研究を重ねた結果、後記一般式(I)で表わされ
るα,β−不飽和ケトンを、特定のルテニウム−光学活
性ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化すれば、光学
純度の高い光学活性ケトンを効率良く合成できることを
見出し、本発明を完成した。
と鋭意研究を重ねた結果、後記一般式(I)で表わされ
るα,β−不飽和ケトンを、特定のルテニウム−光学活
性ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化すれば、光学
純度の高い光学活性ケトンを効率良く合成できることを
見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(I) (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を
示し、nは1又は2の整数を示す) で表わされるα,β−不飽和ケトンを、ルテニウム−光
学活性ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化すること
を特徴とする一般式(II) (式中、R1及びnは前記と同じ意味を有する)で表わさ
れる光学活性ケトンの製造法を提供するものである。
示し、nは1又は2の整数を示す) で表わされるα,β−不飽和ケトンを、ルテニウム−光
学活性ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化すること
を特徴とする一般式(II) (式中、R1及びnは前記と同じ意味を有する)で表わさ
れる光学活性ケトンの製造法を提供するものである。
本発明で用いられるα,β−不飽和ケトンとしては、例
えば2−メチレンシクロペンタノン、2−エチリデンシ
クロペンタノン、2−プロピリデンシクロペンタノン、
2−ペンチリデンシクロペンタノン、2−(2−メチ
ル)プロピリデンシクロペンタノン、2−(3−メチ
ル)ブチリデンペンタノン、2−メチレンシクロヘキサ
ノン、2−ブチリデンシクロヘキサノン、2−ペンチリ
デンシクロヘキサノン、2−ヘキシリデンシクロヘキサ
ノン、2−(2−メチル)プロピリデンシクロヘキサノ
ン、2−(4−メチル)ペンチリデンシクロヘキサノン
等が挙げられる。これらは、例えば米国特許第4260830
号に記載されている方法により、5員環あるいは6員環
ケトンとアルデヒドを縮合せしめることにより、合成す
ることができる。
えば2−メチレンシクロペンタノン、2−エチリデンシ
クロペンタノン、2−プロピリデンシクロペンタノン、
2−ペンチリデンシクロペンタノン、2−(2−メチ
ル)プロピリデンシクロペンタノン、2−(3−メチ
ル)ブチリデンペンタノン、2−メチレンシクロヘキサ
ノン、2−ブチリデンシクロヘキサノン、2−ペンチリ
デンシクロヘキサノン、2−ヘキシリデンシクロヘキサ
ノン、2−(2−メチル)プロピリデンシクロヘキサノ
ン、2−(4−メチル)ペンチリデンシクロヘキサノン
等が挙げられる。これらは、例えば米国特許第4260830
号に記載されている方法により、5員環あるいは6員環
ケトンとアルデヒドを縮合せしめることにより、合成す
ることができる。
また、本発明で用いられるルテニウム−光学活性ホスフ
ィン錯体としては、例えば一般式(III) Ru2Cl4(R2−BINAP)2(NEt3) (III) (式中、R2−BINAPは式(IV) で表わされる三級ホスフィンを示し、R2は水素原子、メ
チル基又はt−ブチル基を示し、Etはエチル基を示す) で表わされるもの、又は一般式(V) [RuX(Q)(R2−BINAP)]Y (V) (式中、R2−BINAPは前記と同じ意味を有し、Xは塩
素、臭素又はヨウ素原子を示し、Qは置換基を有してい
てもよいベンゼンを示し、Yは塩素、臭素又はヨウ素原
子、もしくはClO4、PF6又はBF4を示す) で表わされるものが挙げられる。
ィン錯体としては、例えば一般式(III) Ru2Cl4(R2−BINAP)2(NEt3) (III) (式中、R2−BINAPは式(IV) で表わされる三級ホスフィンを示し、R2は水素原子、メ
チル基又はt−ブチル基を示し、Etはエチル基を示す) で表わされるもの、又は一般式(V) [RuX(Q)(R2−BINAP)]Y (V) (式中、R2−BINAPは前記と同じ意味を有し、Xは塩
素、臭素又はヨウ素原子を示し、Qは置換基を有してい
てもよいベンゼンを示し、Yは塩素、臭素又はヨウ素原
子、もしくはClO4、PF6又はBF4を示す) で表わされるものが挙げられる。
前記一般式(III)で表わされるルテニウム−光学活性
ホスフィン錯体は、例えばT.Ikariyaらの方法〔J.Chem.
Soc.,Chem.Commun.,p.922−924(1985)〕及び特開昭61
−63690号公報記載の方法により得ることができる。す
なわち、ルテニウムクロライドとシクロオクター1,5−
ジエン(以下、CODと略す)をエタノール溶液中で反応
させることにより得られる[RuCl2(COD)]mとR2−BI
NAPを、トリエチルアミンの存在下、トルエン又はエタ
ノール等の溶媒中で加熱反応させることにより製造され
る。一般式(III)のルテニウム−光学活性ホスフィン
錯体の例としては次のものが挙げられる。
ホスフィン錯体は、例えばT.Ikariyaらの方法〔J.Chem.
Soc.,Chem.Commun.,p.922−924(1985)〕及び特開昭61
−63690号公報記載の方法により得ることができる。す
なわち、ルテニウムクロライドとシクロオクター1,5−
ジエン(以下、CODと略す)をエタノール溶液中で反応
させることにより得られる[RuCl2(COD)]mとR2−BI
NAPを、トリエチルアミンの存在下、トルエン又はエタ
ノール等の溶媒中で加熱反応させることにより製造され
る。一般式(III)のルテニウム−光学活性ホスフィン
錯体の例としては次のものが挙げられる。
Ru2Cl4(BINAP)2(NEt3) 〔BINAPは2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,
1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(Tol−BINAP)2(NEt3) 〔Tol−BINAPは2,2′−ビス(ジ−p−トリルホスフィ
ノ)−1,1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(t−Bu−BINAP)2(NEt3) 〔t−Bu−BINAPは2,2′−ビス(ジ−p−ターシャリー
ブチルフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチルをい
う〕 また、前記一般式(V)で表わされるルテニウム−光学
活性ホスフィン錯体は、例えば第35回有機金属討論会要
旨集、p.37−39(1988)に記載の方法により得ることが
できる。すなわち、一般式(V)中のX及びYがともに
塩素、臭素又はヨウ素原子(塩素を例にとる)の場合、
すなわち、[RuCl(Q)(BINAP)]Clは、例えばG.Wik
hausの方法〔J.Org.Chem.,7,p.487(1976)〕又はR.A.
Zelonkaの方法〔Can.J.Chem.,50,p.3643(1972)〕によ
り調製した[RuCl2(Q)]2を原料とし、これとBINAP
をメタノール等の溶媒中で反応させることにより得るこ
とができる。また、Xが塩素、臭素又はヨウ素原子(塩
素を例にとる)、YがClO4、PF6又はBF4の場合は、例え
ば[RuCl(Q)(BINAP)]Clをメタノール等に溶解し
ておき、これにMY(MはNa、K、Li、Mg又はAgの金属を
意味し、Yは前記と同じ意味を有する)で表わされる塩
を加えて反応せしめ、目的の錯体を得る。一般式(V)
のルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の例としては次
のものが挙げられる。
1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(Tol−BINAP)2(NEt3) 〔Tol−BINAPは2,2′−ビス(ジ−p−トリルホスフィ
ノ)−1,1′−ビナフチルをいう〕 Ru2Cl4(t−Bu−BINAP)2(NEt3) 〔t−Bu−BINAPは2,2′−ビス(ジ−p−ターシャリー
ブチルフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチルをい
う〕 また、前記一般式(V)で表わされるルテニウム−光学
活性ホスフィン錯体は、例えば第35回有機金属討論会要
旨集、p.37−39(1988)に記載の方法により得ることが
できる。すなわち、一般式(V)中のX及びYがともに
塩素、臭素又はヨウ素原子(塩素を例にとる)の場合、
すなわち、[RuCl(Q)(BINAP)]Clは、例えばG.Wik
hausの方法〔J.Org.Chem.,7,p.487(1976)〕又はR.A.
Zelonkaの方法〔Can.J.Chem.,50,p.3643(1972)〕によ
り調製した[RuCl2(Q)]2を原料とし、これとBINAP
をメタノール等の溶媒中で反応させることにより得るこ
とができる。また、Xが塩素、臭素又はヨウ素原子(塩
素を例にとる)、YがClO4、PF6又はBF4の場合は、例え
ば[RuCl(Q)(BINAP)]Clをメタノール等に溶解し
ておき、これにMY(MはNa、K、Li、Mg又はAgの金属を
意味し、Yは前記と同じ意味を有する)で表わされる塩
を加えて反応せしめ、目的の錯体を得る。一般式(V)
のルテニウム−光学活性ホスフィン錯体の例としては次
のものが挙げられる。
[RuCl(ベンゼン)(BINAP)]Cl [RuCl(ベンゼン)(Tol−BINAP)]Cl [RuCl(p−シメン)(BINAP)]Cl [RuCl(安息香酸メチル)(BINAP)]Cl [RuBr(ベンゼン)(BINAP)]Br [RuI(ベンゼン)(Tol−BINAP)]I [RuI(p−シメン)(BINAP)]I [RuCl(p−シメン)(BINAP)]ClO4 [RuCl(ベンゼン)(BINAP)]BF4 [RuI(p−シメン)(BINAP)]PF6 なお、以上のルテニウム−光学活性ホスフィン錯体中の
ホスフィン誘導体は、それぞれ鏡像体のいずれかである
が、その表示は省略した。
ホスフィン誘導体は、それぞれ鏡像体のいずれかである
が、その表示は省略した。
本発明を実施するには、例えばあらかじめ窒素置換を行
ったオートクレーブにルテニウム−光学活性ホスフィン
錯体を入れ、錯体の10〜5000倍モル、好ましくは20〜50
0倍モルのα,β−不飽和ケトンを加え、更にメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、あ
るいは塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロ
ルエチレン等のハロゲン化化合物の中から選んだ溶媒を
単独あるいは混合して用いて均一溶液とした後、水素圧
10〜150kg/cm2、好ましくは30〜100kg/cm2、反応温度10
〜100℃、好ましくは40〜60℃で10〜150時間、好ましく
は20〜120時間水素化反応を行う。その後、溶媒を留去
し、そのまま蒸留するかあるいはシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより生成物を単離すれば、目的とする
光学活性ケトンを取得することができる。
ったオートクレーブにルテニウム−光学活性ホスフィン
錯体を入れ、錯体の10〜5000倍モル、好ましくは20〜50
0倍モルのα,β−不飽和ケトンを加え、更にメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、あ
るいは塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、トリクロ
ルエチレン等のハロゲン化化合物の中から選んだ溶媒を
単独あるいは混合して用いて均一溶液とした後、水素圧
10〜150kg/cm2、好ましくは30〜100kg/cm2、反応温度10
〜100℃、好ましくは40〜60℃で10〜150時間、好ましく
は20〜120時間水素化反応を行う。その後、溶媒を留去
し、そのまま蒸留するかあるいはシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより生成物を単離すれば、目的とする
光学活性ケトンを取得することができる。
本発明において、使用するルテニウム−光学活性ホスフ
ィン錯体の絶対配置の異なる化合物、すなわち(+)−
体又は(−)−体を選択することにより、所望する絶対
配置の目的物を得ることができる。
ィン錯体の絶対配置の異なる化合物、すなわち(+)−
体又は(−)−体を選択することにより、所望する絶対
配置の目的物を得ることができる。
次に、実施例により本発明を説明する。
尚、実施例中の分析は、次の分析機器を用いて行った。
構 造;1H−NMR:JNM−GX 400型(400 MHz)(日本電
子株式会社製) 光学純度;高速液体クロマトグラフィー:日立液体クロ
マトグラフィーL−6000(株式会社日立製作所製) カラム:CHIRAL CEL OJφ4.6mm×250mm(ダイセル化学工
業株式会社製) 展開溶媒:イソプロパノール:ヘキサン=3:71ml/分 検出器:UV検出器L−4000(UV−210nm)(株式会社日立
製作所製) 実施例1 (+)−2−ペンチルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)270mg
(0.16ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロペンタノン5g(32ミリモル)と塩化メチレン50mlを加
えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した
100mlのオートクレーブに入れ、水素圧60kg/cm2、反応
温度50℃で20時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明の
液体2−ペンチルシクロペンタノン5gを得た。収率100
%。
子株式会社製) 光学純度;高速液体クロマトグラフィー:日立液体クロ
マトグラフィーL−6000(株式会社日立製作所製) カラム:CHIRAL CEL OJφ4.6mm×250mm(ダイセル化学工
業株式会社製) 展開溶媒:イソプロパノール:ヘキサン=3:71ml/分 検出器:UV検出器L−4000(UV−210nm)(株式会社日立
製作所製) 実施例1 (+)−2−ペンチルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)270mg
(0.16ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロペンタノン5g(32ミリモル)と塩化メチレン50mlを加
えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した
100mlのオートクレーブに入れ、水素圧60kg/cm2、反応
温度50℃で20時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明の
液体2−ペンチルシクロペンタノン5gを得た。収率100
%。
このものの機器分析値は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δppm:0.95(t,3H,J=5Hz),1.3(m,8
H),1.45〜2.32(m,7H) 得られた2−ペンチルシクロペンタノンを高速液体クロ
マトグラフィーにて分析を行った結果、(+)−2−ペ
ンチルシクロペンタノン98%と(−)−2−ペンチルシ
クロペンタノン2%の混合物であり、目的とする(+)
−2−ペンチルシクロペンタノンの光学純度は96%eeで
あった。
H),1.45〜2.32(m,7H) 得られた2−ペンチルシクロペンタノンを高速液体クロ
マトグラフィーにて分析を行った結果、(+)−2−ペ
ンチルシクロペンタノン98%と(−)−2−ペンチルシ
クロペンタノン2%の混合物であり、目的とする(+)
−2−ペンチルシクロペンタノンの光学純度は96%eeで
あった。
実施例2 (+)−2−ペンチルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)230mg
(0.14ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロペンタノン5g(32ミリモル)とメタノール50mlを加え
て溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した10
0mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、反応温
度50℃で110時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、2−ペンチ
ルシクロペンタノン4.6gを得た。収率92%。
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)230mg
(0.14ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロペンタノン5g(32ミリモル)とメタノール50mlを加え
て溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した10
0mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、反応温
度50℃で110時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、2−ペンチ
ルシクロペンタノン4.6gを得た。収率92%。
得られた2−ペンチルシクロペンタノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロペンタノン
の光学純度は62%eeであった。
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロペンタノン
の光学純度は62%eeであった。
実施例3 (+)−2−ペンチルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、[RuI(p−シメン)((+)−BINAP)]I7
35mg(0.66ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデン
シクロペンタノン2.5g(16ミリモル)と塩化メチレン50
mlを加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置
換した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧60kg/c
m2、反応温度50℃で113時間撹拌し、水素化反応を行っ
た。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、2
−ペンチルシクロペンタノン1.7gを得た。収率67%。
ラスコに、[RuI(p−シメン)((+)−BINAP)]I7
35mg(0.66ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデン
シクロペンタノン2.5g(16ミリモル)と塩化メチレン50
mlを加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置
換した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧60kg/c
m2、反応温度50℃で113時間撹拌し、水素化反応を行っ
た。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、2
−ペンチルシクロペンタノン1.7gを得た。収率67%。
得られた2−ペンチルシクロペンタノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロペンタノン
の光学純度は85%eeであった。
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロペンタノン
の光学純度は85%eeであった。
実施例4 (+)−2−プロピルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−プロピリデンシク
ロペンタノン12.4g(100ミリモル)と塩化メチレン50ml
を加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換
した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、
反応温度50℃で28時間撹拌し、水素化反応を行った。溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明
の液体2−プロピルシクロペンタノン12gを得た。収率9
7%。
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−プロピリデンシク
ロペンタノン12.4g(100ミリモル)と塩化メチレン50ml
を加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換
した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、
反応温度50℃で28時間撹拌し、水素化反応を行った。溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明
の液体2−プロピルシクロペンタノン12gを得た。収率9
7%。
このものの機器分析値は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.50(t,3H,J=7Hz),1.42(m,
4H),1.50〜2.80(m,7H) 得られた2−プロピルシクロペンタノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−プロピルシクロペンタノン
の光学純度は84%eeであった。
4H),1.50〜2.80(m,7H) 得られた2−プロピルシクロペンタノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−プロピルシクロペンタノン
の光学純度は84%eeであった。
実施例5 (+)−2−エチルシクロペンタノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−エチリデンシクロ
ペンタノン11g(100ミリモル)と塩化メチレン50mlを加
えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した
100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、反応
温度50℃で25時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明の
液体2−エチルシクロペンタノン10.5gを得た。収率95
%。
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−エチリデンシクロ
ペンタノン11g(100ミリモル)と塩化メチレン50mlを加
えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した
100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、反応
温度50℃で25時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明の
液体2−エチルシクロペンタノン10.5gを得た。収率95
%。
このものの機器分析値は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.20(t,3H,J=7Hz),1.40〜2.
80(m,9H) 得られた2−エチルシクロペンタノンを実施例1と同様
に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結果、
目的とする(+)−2−エチルシクロペンタノンの光学
純度は75%eeであった。
80(m,9H) 得られた2−エチルシクロペンタノンを実施例1と同様
に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結果、
目的とする(+)−2−エチルシクロペンタノンの光学
純度は75%eeであった。
実施例6 (+)−2−ペンチルシクロヘキサノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロヘキサノン17.8g(100ミリモル)と塩化メチレン50ml
を加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換
した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、
反応温度50℃で23時間撹拌し、水素化反応を行った。溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明
の液体2−ペンチルシクロヘキサノン16gを得た。収率9
0%。
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)845mg
(0.5ミリモル)をはかりとり、2−ペンチリデンシク
ロヘキサノン17.8g(100ミリモル)と塩化メチレン50ml
を加えて溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換
した100mlのオートクレーブに入れ、水素圧90kg/cm2、
反応温度50℃で23時間撹拌し、水素化反応を行った。溶
媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(エーテル:ヘキサン=1:4)にて精製し、黄色透明
の液体2−ペンチルシクロヘキサノン16gを得た。収率9
0%。
このものの機器分析値は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.20(t,3H,J=7Hz),1.40(m,
8H),1.50〜2.50(m,9H) 得られた2−ペンチルシクロヘキサノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロヘキサノン
の光学純度は90%eeであった。
8H),1.50〜2.50(m,9H) 得られた2−ペンチルシクロヘキサノンを実施例1と同
様に高速液体クロマトグラフィーにて分析を行った結
果、目的とする(+)−2−ペンチルシクロヘキサノン
の光学純度は90%eeであった。
実施例7 (+)−2−メチルシクロヘキサノンの製造: あらかじめ窒素置換した三方コック付100mlのナス型フ
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)77mg
(0.046ミリモル)をはかりとり、2−メチレンシクロ
ヘキサノン1g(9.1ミリモル)とエタノール30mlを加え
て溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した10
0mlのオートクレーブに入れ、水素圧80kg/cm2、反応温
度50℃で65時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エ
ーテル:ヘキサン=1:3)にて精製し、黄色透明の液体
2−メチルシクロヘキサノン500mgを得た。収率50%。
ラスコに、Ru2Cl4((+)−BINAP)2(NEt3)77mg
(0.046ミリモル)をはかりとり、2−メチレンシクロ
ヘキサノン1g(9.1ミリモル)とエタノール30mlを加え
て溶液とした。このものを、あらかじめ窒素置換した10
0mlのオートクレーブに入れ、水素圧80kg/cm2、反応温
度50℃で65時間撹拌し、水素化反応を行った。溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(エ
ーテル:ヘキサン=1:3)にて精製し、黄色透明の液体
2−メチルシクロヘキサノン500mgを得た。収率50%。
このものの機器分析値は次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δppm:1.0(d,3H,J=7Hz),1.2〜2.5
(m,9H) 得られた2−メチルシクロヘキサノンの旋光度を旋光度
計DIP−360(日本分光工業株式会社製)を用いて測定し
たところ、▲〔α〕25 D▼=+11.7(C=1.20,メタノー
ル)であり、これを文献値〔G.Simonneaux;Tetrahedron
Letters,27,(45),p.5497−5498(1986)〕と比較
し、光学純度を求めると78%eeであった。
(m,9H) 得られた2−メチルシクロヘキサノンの旋光度を旋光度
計DIP−360(日本分光工業株式会社製)を用いて測定し
たところ、▲〔α〕25 D▼=+11.7(C=1.20,メタノー
ル)であり、これを文献値〔G.Simonneaux;Tetrahedron
Letters,27,(45),p.5497−5498(1986)〕と比較
し、光学純度を求めると78%eeであった。
本発明によれば、血管拡張作用など多様な生理作用を有
するプロスタグランジン、あるいは、強心利尿作用、中
枢神経興奮作用を有するキサンチン誘導体等の医薬の合
成原料の中間体として有用な光学活性ケトンを有利に取
得することができる。すなわち、ルテニウム−光学活性
ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化反応を行うこと
により、従来方法よりも高い光学純度の光学活性ケトン
を得ることが可能であり、工業的に優れた方法である。
するプロスタグランジン、あるいは、強心利尿作用、中
枢神経興奮作用を有するキサンチン誘導体等の医薬の合
成原料の中間体として有用な光学活性ケトンを有利に取
得することができる。すなわち、ルテニウム−光学活性
ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化反応を行うこと
により、従来方法よりも高い光学純度の光学活性ケトン
を得ることが可能であり、工業的に優れた方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07M 7:00
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I) (式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を
示し、nは1又は2の整数を示す) で表わされるα,β−不飽和ケトンを、ルテニウム−光
学活性ホスフィン錯体を触媒として不斉水素化すること
を特徴とする一般式(II) (式中、R1及びnは前記と同じ意味を有する)で表わさ
れる光学活性ケトンの製造法。 - 【請求項2】ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が、
一般式(III) Ru2Cl4(R2−BINAP)2(NEt3) (III) (式中、R2−BINAPは式(IV) で表わされる三級ホスフィンを示し、R2は水素原子、メ
チル基又はt−ブチル基を示し、Etはエチル基を示す) で表わされるものである請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が、
一般式(V) [RuX(Q)(R2−BINAP)]Y (V) (式中、R2−BINAPは式(IV) で表わされる三級ホスフィンを示し、R2は水素原子、メ
チル基又はt−ブチル基を示し、Xは塩素、臭素又はヨ
ウ素原子を示し、Qは置換基を有していてもよいベンゼ
ンを示し、Yは塩素、臭素もしくはヨウ素原子、又はCl
O4、PF6もしくはBF4を示す) で表わされるものである請求項1記載の製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1182442A JPH0753680B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 光学活性ケトンの製造法 |
DE69005052T DE69005052T2 (de) | 1989-07-17 | 1990-07-16 | Katalytische Herstellung von optisch aktiven Ketonen. |
EP90307750A EP0409530B1 (en) | 1989-07-17 | 1990-07-16 | Catalytic preparation of optically active ketones |
US07/553,285 US5081310A (en) | 1989-07-17 | 1990-07-17 | Process for preparing optically active ketones |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1182442A JPH0753680B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 光学活性ケトンの製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0348634A JPH0348634A (ja) | 1991-03-01 |
JPH0753680B2 true JPH0753680B2 (ja) | 1995-06-07 |
Family
ID=16118339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1182442A Expired - Fee Related JPH0753680B2 (ja) | 1989-07-17 | 1989-07-17 | 光学活性ケトンの製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
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EP (1) | EP0409530B1 (ja) |
JP (1) | JPH0753680B2 (ja) |
DE (1) | DE69005052T2 (ja) |
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US5321153A (en) * | 1992-06-15 | 1994-06-14 | Monsanto Company | Process for making chiral alpha-amino phosphonates selected novel chiral alpha-amino phosphonates |
US5473092A (en) * | 1992-11-20 | 1995-12-05 | Monsanto Company | Synthesis of optically-active phosphono analogs of succinates |
JP4795559B2 (ja) * | 2000-05-10 | 2011-10-19 | 高砂香料工業株式会社 | l−メントールの製造方法 |
US8895832B2 (en) | 2006-11-02 | 2014-11-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Thermoelectric element and thermoelectric module |
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---|---|---|---|---|
US3930952A (en) * | 1973-11-30 | 1976-01-06 | American Home Products Corporation | Microbiological reduction of PGA2 and 15-epi PGA2 |
US4041083A (en) * | 1976-09-30 | 1977-08-09 | Rhodia, Inc. | Process for the selective hydrogenation of the keto group in nonconjugated olefinic ketones |
US4119576A (en) * | 1976-11-11 | 1978-10-10 | International Flavors & Fragrances Inc. | Perfume compositions and colognes containing 1-butanoyl-3,3-dimethylcyclohexane |
US4260830A (en) * | 1980-01-18 | 1981-04-07 | International Flavors & Fragrances Inc. | Process for the preparation of methyl dihydrojasmonate and lower alkyl homologues |
JPH0629207B2 (ja) * | 1984-07-19 | 1994-04-20 | 三菱化成株式会社 | 脂肪族不飽和ケトンの水素化方法 |
JPS6163690A (ja) * | 1984-09-04 | 1986-04-01 | Takasago Corp | ルテニウム−ホスフイン錯体 |
JPS63145292A (ja) * | 1986-12-09 | 1988-06-17 | Takasago Corp | ルテニウム−ホスフイン錯体 |
JPH0699367B2 (ja) * | 1987-06-11 | 1994-12-07 | 高砂香料工業株式会社 | 光学活性アルコ−ルの製法 |
JPH064543B2 (ja) * | 1987-06-18 | 1994-01-19 | 高砂香料工業株式会社 | 光学活性アルコ−ルの製造法 |
-
1989
- 1989-07-17 JP JP1182442A patent/JPH0753680B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1990
- 1990-07-16 EP EP90307750A patent/EP0409530B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1990-07-16 DE DE69005052T patent/DE69005052T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1990-07-17 US US07/553,285 patent/US5081310A/en not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
US5081310A (en) | 1992-01-14 |
EP0409530A1 (en) | 1991-01-23 |
EP0409530B1 (en) | 1993-12-08 |
DE69005052D1 (de) | 1994-01-20 |
JPH0348634A (ja) | 1991-03-01 |
DE69005052T2 (de) | 1994-06-16 |
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