JPH0753638A - 新規マレイミド系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

新規マレイミド系共重合体およびその製造方法

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JPH0753638A
JPH0753638A JP19964593A JP19964593A JPH0753638A JP H0753638 A JPH0753638 A JP H0753638A JP 19964593 A JP19964593 A JP 19964593A JP 19964593 A JP19964593 A JP 19964593A JP H0753638 A JPH0753638 A JP H0753638A
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JP
Japan
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monomer
maleimide
copolymer
epoxy group
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Application number
JP19964593A
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English (en)
Inventor
Osamu Furuso
修 古曽
Fumioki Shimoyama
文興 下山
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】加熱ゲル化安定性にすぐれた新規マレイミド系
化合物およびその製造方法を提供する。 【構成】マレイミド系単量体単位(A)20〜60重量
%、芳香族ビニル系単量体単位(B)80〜40重量
%、エポキシ基含有単量体単位(C)0.1〜10重量
%およびこれらの単量体と共重合可能な他のビニル系単
量体単位(D)0〜20重量%で構成され、(ただしこ
れらの構造単位(A)、(B)、(C)、(D)の合計
は100重量%である)加熱ゲル化安定性が250℃以
上であることを特徴とする新規マレイミド系共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂に配合し
て耐熱性などの諸性質を改質するための材料として有用
であり、特にポリエステルやポリアミド等の結晶性樹脂
との相溶性にすぐれると共に熱ゲル化安定性の良い新規
マレイミド系共重合体ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド系共重合体は耐熱性に優れて
おり、特に芳香族ビニル系単量体単位とマレイミド系共
重合体単位とからなる共重合体は、耐熱性、耐水性、成
形性などのバランスが良く、又、AS樹脂やABS樹脂
との相溶性にも優れているため、耐熱ABS樹脂として
実用化されている。
【0003】さらに、芳香族ビニル系単量体単位、マレ
イミド系単量体単位およびエポキシ基含有単量体単位か
らなる共重合体とナイロンやナイロンエラストマーから
なる相溶性にすぐれた樹脂組成物についても知られてい
る(特開昭63−193947、63−193955、
63−227648)。
【0004】これらのエポキシ基含有マレイミド系共重
合は、相溶性は改善されているものの耐熱性にすぐれた
マレイミド系共重合体を溶融状態で取扱うことが必要な
製造工程や混練工程などの250℃を越える高温条件に
おいて、ゲル化を起こしやすく粘度の上昇をひきおこし
て加工性が低下したり、耐衝撃性や機械強度が低下しや
すいという問題があった。
【0005】また、特願平4−28196によれば(無
水)マレイン酸と第1アミン類を特定の条件下に入るよ
うその含有量を調整した貯蔵安定性にすぐれたマレイミ
ド化合物が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は加熱ゲル化安
定性にすぐれた新規マレイミド系化合物およびその製造
方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解
決するために加熱ゲル化安定性を低下させる原因を鋭意
検討したところ、マレイミド系単量体中に含有されるマ
レイミド系単量体の合成原料であるマレイン酸無水物又
はマレイン酸と関連することを見い出し、その含有量を
ある範囲内に抑えることにより熱安定性が250℃以上
で耐熱性改良剤として有用なマレイミド系共重合体が得
られることを見い出して発明を完成させたものである。
【0008】すなわち、本発明はマレイミド系単量体単
位(A)20〜60重量%、芳香族ビニル系単量体単位
(B)80〜40重量%、エポキシ基含有単量体単位
(C)0.1〜10重量%およびこれらの単量体と共重
合可能な他のビニル系単量体単位(D)0〜20重量%
で構成され、(ただしこれらの構造単位(A)、
(B)、(C)、(D)の合計は100重量%である)
加熱ゲル化安定性が250℃以上であることを特徴とす
る新規マレイミド系共重合体を提供するものである。
【0009】本発明の新規マレイミド系共重合体は(無
水)マレイン酸の含有量が500ppm以下であるマレ
イミド系単量体(a)20〜65重量%、芳香族ビニル
系単量体(b)80〜35重量%、エポキシ基含有単量
体(c)0.1〜10重量%、およびこれらの単量体と
共重合可能な他のビニル系単量体(d)0〜20重量%
(ただし、単量体(a)、(b)、(c)、(d)の合
計は100重量%である)からなる単量体成分をラジカ
ル共重合反応させることにより製造することができる。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の新規マレイミド系共重合体は、耐
熱性を向上させる成分であるマレイミド系単量体と、ポ
リエステルやポリアミド等との反応性を有するグリシジ
ル基含有単量体を特定量含有することを特徴とし、特に
加熱ゲル化安定性にすぐれた耐熱性共重合体である。
【0012】本発明の共重合体における単位(A)、す
なわちマレイミド系単量体単位を形成する単量体(a)
としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプ
ロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブ
チルマレイミド、N−ターシャリブチルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、N−クロルフェニルマレイミド、N−メチルフェニ
ルマレイミド、N−ブロモフェニルマレイミド、N−ナ
フチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、2−ヒド
ロキシエチルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレ
イミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボ
キシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミ
ド等を挙げることができ、これらのうちの1種または2
種以上を使用することができる。
【0013】本発明の共重合体における(B)単位、す
なわち芳香族ビニル系単量体単位を形成する単量体
(b)としてはたとえば、スチレン;o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン(o−、
m−、p−メチルスチレンをビニルトルエンとも言
う)、1,3−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレンな
どのアルキルスチレン;α−メチルスチレン、α−エチ
ルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン;ビニル
ナフタレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレ
ン、p−クロロスチレン、2,4−ジブロモスチレンな
どのハロゲン化スチレン;2−メチル−4−クロロスチ
レンなどのハロゲン化アルキルスチレン等が挙げられ、
これらのうちの1種または2種以上を使用することがで
きる。生産性および物性のバランスの点からは、特に、
スチレン、ビニルトルエンおよびα−メチルスチレンか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を用いるのが望ま
しい。なお、芳香族ビニル系単量体を用いずに、脂肪族
ビニル系単量体を用いると、単量体の反応性が低く、ま
た得られた共重合体の耐熱性が低く、かつ吸湿性が大き
くなり好ましくない。
【0014】本発明の共重合体における(C)単位、す
なわちエポキシ基含有単量体単位を形成する単量体
(c)としては、分子内にオレフィンおよびエチレン性
飽和化合物と共重合しうる不飽和基とエポキシ基をそれ
ぞれ有する化合物である。
【0015】例えば、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、イタコン酸グリシジルエステル
類、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシ
ジルエーテル、3,4−エポキシブテン、3,4−エポ
キシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1
−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチルペンテン、
5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセ
ンモノオキシド、p−グリシジルスチレン、2−メチル
アリルグリシジルエーテル、エポキシステアリルアクリ
レート、エポキシステアリルメタクレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、2,6
−キシレノール−N−メチロールアクリルアミドのグリ
シジルエーテル等などが挙げられ、これらの1種または
2種以上が使用できる。
【0016】好ましいエポキシ基含有単量体は、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アリル
グリシジルエーテルなどである。
【0017】本発明の共重合体における(D)単位、す
なわち(a)、(b)および(c)の単量体と共重合可
能なその他のビニル系単量体単位を形成する単量体
(d)としてはたとえば、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニ
トリル等の不飽和ニトリル類;シクロアルキル基および
ベンジル基を含む、炭素数1〜18のアルキル基を有す
る(メタ)アクリル酸エステル(たとえば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸ターシャリブチル、(メタ)アクリ
ル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル等);エチレン、プロピレン、
イソブチレン、ジイソブチレン等のオレフィン類;ブタ
ジエン、イソプレン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビ
ニル類;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル
等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等の飽和モノカルボン酸のビニルエステル類;酢酸ア
リル、プロピオン酸アリル等の飽和脂肪族モノカルボン
酸のアリルエステル類またはメタリルエステル類;エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、
ジアリルフタレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサ
イドまたはプロピレンオキサイド付加物のジメタクリレ
ート、ハロゲン化ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)アク
リレート、イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレー
ト、イソシアヌレートのエチレンオキサイドまたはプロ
ピレンオキサイド付加物のジまたはトリ(メタ)アクリ
レート等の多価(メタ)アクリレート類;トリアリルイ
ソシアヌレート等の多価アリレート類等が挙げられ、目
的に応じて1種または2種以上が用いられるが、それら
の種類および使用量はこの発明の目的を逸脱しない範囲
で選択すればよい。
【0018】本発明の共重合における各単量体単位の含
有割合については、マレイミド系単量体単位(A)20
〜60重量%、芳香族ビニル系単量体単位(B)80〜
40重量%、エポキシ基含有単量体単位(C)0.1〜
10重量%、およびこれらの単量体と共重合可能な他の
ビニル系単量体単位(C)0〜20重量%の割合で含有
することが必要である。
【0019】マレイミド系単量体単位(A)の含有量が
20重量%未満では耐熱性が不十分であり、60重量%
を超えると機械的強度および加工性が低いものとなる。
芳香族ビニル系単量体単位(B)の含有量が40重量%
未満では機械的強度が低いし、80重量%を超えると耐
熱性が低下する。
【0020】エポキシ基含有単量体単位(C)の含有量
が0.1重量%未満では反応性が不十分であり、30重
量%を超えると耐熱性、流動性が低下する。
【0021】本発明の重合体は250℃以上の熱ゲル化
安定性を保有することが必要である。好ましくは260
℃以上である。この熱ゲル化安定性は200℃〜350
℃の各温度に5分間加熱した重合体5mgを25℃のテ
トラヒドロフラン(THF)10mlに溶解させ、生成
した不溶分の有無で熱ゲル化安定性が判断できる。熱ゲ
ル化安定性が250℃以上であると本発明の重合体の製
造中で特に高温条件となる重合体から未反応の単量体や
溶媒を除去する脱揮工程や、本発明の重合体を他の熱可
塑性樹脂と押出機等でブレンドする混練工程でゲル化が
進行しにくいため、加工性が低下したり、機械強度が低
下しやすいと問題がない。
【0022】本発明の重合体は重量平均分子量が5万〜
100万、数平均分子量が2万〜50万のものが好まし
く、重量平均分子量、数平均分子量がこの範囲であれば
機械的強度や加工性のバランスにすぐれたものとなる。
【0023】本発明の共重合体は、本発明に従えば特定
量の不純物を含むマレイミド系単量体を用いてラジカル
共重合することによって得ることができる。
【0024】各単量体の使用割合については、(無水)
マレイン酸の含有量が500ppm以下であるマレイミ
ド系単量体(a)20〜65重量%、芳香族ビニル系単
量体(b)80〜35重量%、エポキシ基含有単量体
(c)0.1〜10重量%およびこれらの単量体と共重
合可能なその他のビニル系単量体(d)0〜20重量%
の割合であることが必要である。
【0025】ラジカル重合方法としては、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合、バルク重合などが用いられる共重合
体組成や、重合発熱のコントロールのしやすさ、又ゲル
分生成抑制の目的から溶液重合法が好ましい。溶液重合
法において使用される溶媒としてはトルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチリケトン等を挙げることができる。
【0026】なお、この発明では、反応系に重合開始
剤、連鎖移動剤などを存在させてもよい。重合開始剤と
しては、たとえば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブ
チルパーオキシピパレート、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートなどの過酸化物;
アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロ
ニトリル、アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリ
ルなどのアゾ化合物など、マレイミド系単量体と芳香族
ビニル系単量体の重合に通常用いられる化合物が、通常
の使用量で使用される。重合開始剤は、その全量を反応
系に予め仕込んでおいてもよいし、反応時に供給するよ
うにしてもよい。
【0027】各単量体の供給方法についても、特に制限
はないが、マレイミド系単量体(a)と芳香族ビニル単
量体(b)は交互共重合体を生成しやすいため、各単量
体の反応性比を考慮して、本発明の範囲内の組成が得ら
れるように一方の単量体の一部を初期に仕込んだり、
又、各単量体の供給速度を調整しながらラジカル重合反
応をすればよい。
【0028】特に、芳香族ビニル単量体単位を比較的多
く含有する本願発明の共重合体を得る場合には、得られ
る共重合体中の該構成単位比率より多めに該単量体を使
用するのが好ましい。
【0029】本発明の製造方法において用いられるマレ
イミド系単量体(a)は(無水)マレイン酸を500p
pm以下含有するものである。
【0030】(無水)マレイン酸は特定の条件に入るよ
うその含有量を調整することによってマレイミド系単量
体の貯蔵安定性特に着色防止が著く改良されることが知
られるているが、本発明の組成からなる共重合体を安定
的に得るためには、上記範囲が好ましい。すなわち50
0ppmを超えて多く含有すると、共重合体の熱ゲル化
安定性が悪くなり、250℃以下で共重合体がゲル化し
てしまい、高温での流動性が著しく低下する。
【0031】なお、マレイミド系単量体中に含有される
(無水)マレイン酸は液体クロマトグラフィーなどを用
いることにより定量することができる。
【0032】
【発明の効果】マレイミド系単量体単位、芳香族ビニル
系単量体単位、エポキシ基含有単量体からな加熱ゲル化
温度が250℃以上新規マレイミド系共重合体は官能基
としてエポキシ基を有する重合体であり、熱安定性にも
すぐれているためナイロンやポリエステルなどの反応性
を有する熱可塑性樹脂の耐熱性改質剤として有用であ
る。また該重合体は、特定不純物を一定量含有するマレ
イミド化合物を原料として用いることにより得ることが
できる。
【0033】
【実施例】
実施例−1 コンデンサー、撹拌機および2つの滴下ロートを備えた
重合反応槽にスチレン6.8部とグリシジルメタクリレ
ート0.4部およびトルエン36.5部を仕込み、窒素
で反応槽内を置換すると共に114℃に昇温した。
【0034】反応槽内に重合開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート0.01部を添加し
反応を開始するとともに、予め調製しておいた、(無
水)マレイン酸を50ppm含有するN−フェニルマレ
イミド23.3部とトルエン15.5部からなる滴下液
(1)、および、スチレン17.5部とt−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート0.02部からなる滴
下液(2)を別々に3.5時間にわたって均一な速度で
滴下しながら還流状態で重合を行った。滴下終了後、反
応混合物をさらに1.5時間加温しつづけたのち、冷却
して無色の粘稠な反応液を得た。この反応液を多量のメ
タノール中に滴下し、析出した白色の固形分を濾別して
洗浄した後、80℃で真空乾燥して共重合体(1)を得
た。得られた共重合体(1)の組成は、N−フェニルマ
レイミド単位53.6重量%、スチレン単位45.5重
量%、グリシジルメタクリレート単位0.9重量%であ
り、重量平均分子量28.0万であった。
【0035】実施例−2 (無水)マレイン酸280ppm含有するN−フェニル
マレイミド23.3部を用い、重合反応槽に仕込むグリ
シジルメタクリレートの使用量を1.2部に、スチレン
の使用量を6.0部、さらにαメチルスチレンダイマー
0.20部を加える以外は実施例1と同様の操作を繰返
して共重合体(2)を得た。
【0036】共重合体(2)の組成はN−フェニルマレ
イミド単位53.0重量%、スチレン単位44.4重量
%、グリシジルメタクリレート単位2.6重量%であ
り、重量平均分子量19.5万であった。
【0037】実施例−3 重合反応槽にスチレン45.8部とトルエン28.0部
およびグリシジルメタクリレート1.2部を仕込んだこ
と;反応槽に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート0.02部を添加したこと;
(無水)マレイン酸含有量100ppmであるN−フェ
ニルマレイミド11.9部とトルエン1.3部からなる
滴下液(1)を用いたこと;および、スチレン11.1
部とt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート
0.04部からなる滴下液(2)を用い、滴下終了後、
温度を60℃としたこと以外は製造例1と同様の操作を
繰返して共重合体(3)を得た。
【0038】得られた共重合体(3)の組成は、N−フ
ェニルマレイミド単位35.3重量%、スチレン単位6
2.2重量%、グリシジルメタクリレート単位2.5重
量%であり、重量平均分子量18.0万であった。
【0039】比較例−1 (無水)マレイン酸を760ppm含有する、N−フェ
ニルマレイミドを使用する以外は実施例1と同様の操作
を繰返して比較共重合体(A)を得た。
【0040】得られた比較共重合体(A)の組成は、N
−フェニルマレイミド単位53.6重量%、スチレン単
位45.5重量%、グリシジルメタクリレート単位0.
9重量%であり、重量平均分子量57.6万であった。
【0041】比較例−2 (無水)マレイン酸を980ppm含有するN−フェニ
ルマレイミドを使用する以外は実施例3と同様の操作を
繰返して、比較共重合体(B)を得た。比較共重合体
(B)の組成は、N−フェニルマレイミド単位35.3
重量%、スチレン単位62.2重量%、グリシジルメタ
クリレート単位2.5重量%であり、重量平均分子量3
2.1万であった。
【0042】前記の実施例および比較例で得られた各マ
レイミド系共重合体についてそのガラス転移温度、加熱
ゲル化安定性を以下の方法により求めた。それらの結果
を表−1に示した。
【0043】ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DS
C)によりJIS K7121に基づいて、中間点ガラ
ス転移温度を求めた。
【0044】加熱ゲル化安定性は、共重合体1.2gを
200℃〜350℃の各温度に5分間加熱保持して得ら
れた共重合体サンプル5mgをテトラヒドロフラン(T
HF)10ml中に混合溶解し、不溶分の有無を目視で
確認した。
【0045】また、構造中の単量体単位の種類と比率
は、共重合体の赤外線吸収スペクトル、 1H−NMRス
ペクトル、熱分解GC−MS、元素分析による分析、お
よび、回収した揮発性成分のガスクロマトグラフィー分
析を行うことにより決定した。
【0046】重量平均分子量は、溶離液としてテトラヒ
ドロフラン(THF)を用い、ゲル浸透クロマトグラフ
ィー(GPC)で測定した分子量を標準ポリスチレンに
より検定した値とした。
【0047】また、共重合体のエポキシ基含有単量体単
位の量は、溶媒N,N−ジメチルホルムアミド25ml
に共重合体1gを溶解させ、塩酸処理したのちブロモフ
ェノールブル−を指示薬として、苛性ソーダで逆滴定を
行ない求めた。
【0048】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド系単量体単位(A)20〜6
    0重量%、芳香族ビニル系単量体単位(B)80〜40
    重量%、エポキシ基含有単量体単位(C)0.1〜10
    重量%およびこれらの単量体と共重合可能な他のビニル
    系単量体単位(D)0〜20重量%で構成され、(ただ
    しこれらの構造単位(A)、(B)、(C)、(D)の
    合計は100重量%である)加熱ゲル化安定性が250
    ℃以上であることを特徴とする新規マレイミド系共重合
    体。
  2. 【請求項2】 (無水)マレイン酸の含有量が500p
    pm以下であるマレイミド系単量体(a)20〜65重
    量%、芳香族ビニル系単量体(b)80〜35重量%、
    エポキシ基含有単量体(c)0.1〜10重量%、およ
    びこれらの単量体と共重合可能な他のビニル系単量体
    (d)0〜20重量%(ただし、単量体(a)、
    (b)、(c)、(d)の合計は100重量%である)
    からなる単量体成分をラジカル共重合反応させることを
    特徴とするマレイミド系単量体(A)20〜60重量
    %、芳香族ビニル系単量体単位(B)80〜40重量
    %、エポキシ基含有単量体(C)0.1〜10重量%お
    よびこれらと共重合可能な他のビニル系単量体単位
    (D)0〜20重量%からなる新規マレイミド系共重合
    体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7722932B2 (en) * 2006-07-13 2010-05-25 Cheil Industries, Inc. One solution-type thermosetting compositions for color filter protective films and color filters using the same

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