JPH08127628A - エポキシ基含有マレイミド系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

エポキシ基含有マレイミド系共重合体およびその製造方法

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JPH08127628A
JPH08127628A JP6267830A JP26783094A JPH08127628A JP H08127628 A JPH08127628 A JP H08127628A JP 6267830 A JP6267830 A JP 6267830A JP 26783094 A JP26783094 A JP 26783094A JP H08127628 A JPH08127628 A JP H08127628A
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monomer
epoxy group
maleimide
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copolymer
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JP6267830A
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Osamu Furuso
修 古曽
Hitoshi Kanai
均 金井
Kazuchika Fujioka
和親 藤岡
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/36Amides or imides
    • C08F222/40Imides, e.g. cyclic imides

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加熱ゲル安定性に優れたエポキシ基含有マレ
イミド系共重合体を提供し、これを容易に、かつ、工業
的に効率良く製造する。 【構成】 エポキシ基含有マレイミド系共重合体は、マ
レイミド系単量体(A)20〜60重量%と、エポキシ
基含有単量体(B)0.1〜10重量%と、前記マレイ
ミド系単量体(A)および前記エポキシ基含有単量体
(B)以外のビニル系単量体(C)40〜80重量%と
からなる単量体成分を、カルボン酸または酸無水物と反
応し得る非ラジカル重合性化合物(D)の存在下で、ラ
ジカル重合して得られ、マレイミド系単量体単位20〜
60重量%と、エポキシ基含有単量体単位0.1〜10
重量%と、ビニル系単量体単位40〜80重量%とを含
み、加熱ゲル安定性が250℃以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マレイミド系共重合体
およびその製造方法、特に、エポキシ基含有マレイミド
系共重合体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド化合物を含む共重合体は耐熱
性に優れている。特に芳香族ビニル系単量体単位とマレ
イミド系共重合体単位とからなる共重合体は、耐熱性、
耐水性、成形性等のバランスが良く、またAS樹脂やA
BS樹脂との相溶性にも優れているため、耐熱ABS樹
脂として実用化されている。さらに、芳香族ビニル系単
量体単位、マレイミド系単量体単位およびエポキシ基含
有単量体単位からなる共重合体とナイロンやナイロンエ
ラストマーからなる相溶性に優れた樹脂組成物が、特開
昭63−193947号公報、特開昭63−19395
5号公報および特開昭63−227648号公報に開示
されている。
【0003】しかし、これらのエポキシ基を含有するマ
レイミド系共重合体は、溶融状態で取り扱うことが必要
な製造工程や混練工程等での250℃を超える高温下に
おいてゲル化を起こし易い。このため、この共重合体
は、粘度の上昇を引き起こして、加工性、耐衝撃性およ
び機械強度の低下という問題を生じる。上記問題を解決
する手段として、特願平6−2724号には、マレイミ
ド系単量体中に含まれる(無水)マレイン酸の含有量を
特定範囲に限定することによって、熱安定性に優れた共
重合体を得ることが示されている。しかしながら、この
方法では、市販のマレイミド系単量体をそのまま重合に
使用することはできず、共重合に先立って、市販のマレ
イミド系単量体を精製する工程が必要であり、共重合体
の製造効率が悪い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、加熱ゲル安定性に優れたエポキシ基含有マ
レイミド系共重合体を提供することにある。本発明が解
決しようとする別の課題は、加熱ゲル安定性に優れたエ
ポキシ基含有マレイミド系共重合体を、容易に、工業的
に効率良く製造することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ基含有
マレイミド系共重合体は、マレイミド系単量体(A)2
0〜60重量%と、エポキシ基含有単量体(B)0.1
〜10重量%と、前記マレイミド系単量体(A)および
前記エポキシ基含有単量体(B)以外のビニル系単量体
(C)40〜80重量%とからなる単量体成分を、カル
ボン酸または酸無水物と反応し得る非ラジカル重合性化
合物(D)の存在下で、ラジカル重合して得られ、マレ
イミド系単量体単位20〜60重量%と、エポキシ基含
有単量体単位0.1〜10重量%と、ビニル系単量体単
位40〜80重量%とを含み、加熱ゲル安定性が250
℃以上である。
【0006】前記非ラジカル重合性化合物(D)が前記
単量体成分全量の0.001〜0.5重量%であると好
ましい。前記エポキシ基含有マレイミド系共重合体の重
量平均分子量が50,000〜1,000,000であ
り、数平均分子量が20,000〜500,000であ
ると好ましい。
【0007】本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重
合体の製造方法は、マレイミド系単量体(A)20〜6
0重量%と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜10
重量%と、前記マレイミド系単量体(A)および前記エ
ポキシ基含有単量体(B)以外のビニル系単量体(C)
40〜80重量%とからなる単量体成分をラジカル重合
する重合工程と、カルボン酸または酸無水物と反応し得
る非ラジカル重合性化合物(D)を加える添加工程とを
含む。
【0008】前記非ラジカル重合性化合物(D)が前記
単量体成分全量の0.001〜0.5重量%であると好
ましい。前記非ラジカル重合性化合物(D)がエポキシ
基含有化合物であると好ましい。前記添加工程が前記重
合工程終了までに行われると好ましい。
【0009】前記非ラジカル重合性化合物(D)は、少
なくともマレイミド系単量体(A)を含み、エポキシ基
含有単量体(B)を含まない前記単量体成分に予め加え
られると好ましい。前記添加工程は50〜120℃で実
行されると好ましい。 ********* 以下に本発明を詳細に説明する。エポキシ基含有マレイミド系共重合体の製造方法 本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重合体の製造方
法は、下記の重合工程と添加工程を含んでいる。
【0010】重合工程:マレイミド系単量体(A)20
〜60重量%と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜
10重量%と、前記マレイミド系単量体(A)および前
記エポキシ基含有単量体(B)以外のビニル系単量体
(C)40〜80重量%とからなる単量体成分をラジカ
ル重合する。 添加工程:カルボン酸または酸無水物と反応し得る非ラ
ジカル重合性化合物(D)を加える。
【0011】まず、重合工程について説明する。マレイ
ミド系単量体(A)としては、例えば、マレイミド、N
−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロ
ピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−ター
シャリブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−フェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレ
イミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ブロモフ
ェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ラウ
リルマレイミド、2−ヒドロキシエチルマレイミド、N
−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニ
ルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N
−ニトロフェニルマレイミド等を挙げることができる。
これらの1種または2種以上を使用してもよい。上記マ
レイミド系単量体(A)の中でも、N−フェニルマレイ
ミドおよびN−シクロヘキシルマレイミドを使用すると
耐熱性に優れた共重合体が得られるために好ましい。
【0012】エポキシ基含有単量体(B)は、分子内に
オレフィンおよびエチレン性飽和化合物と共重合し得る
不飽和基と、エポキシ基とをそれぞれ有する化合物であ
る。その具体例としては、例えば、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸グリシジ
ルエステル類、アリルグリシジルエーテル、スチレン−
p−グリシジルエーテル、3,4、エポキシブテン、
3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−
エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチ
ルペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニル
シクロヘキセンモノオキシド、p−グリシジルスチレ
ン、2−メチルアリルグリシジルエーテル、エポキシス
テアリルアクリレート、エポキシステアリルメタクレー
ト、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリ
レート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリ
レート、2,6−キシレノール−N−メチロールアクリ
ルアミドのグリシジルエーテル等を挙げることができ
る。これらの1種または2種以上を使用してもよい。エ
ポキシ基含有単量体(B)として、他の単量体との共重
合性や取扱の容易さの観点から、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエー
テルが好ましい。
【0013】マレイミド系単量体(A)およびエポキシ
基含有単量体(B)以外の共重合可能な単量体として、
ビニル系単量体(C)を使用すると、機械強度、耐熱性
および耐衝撃性の向上、吸水性の低減することができ
る。ビニル系単量体(C)としては、例えば、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル、エタクリロニトリ
ル、フェニルアクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メ
タ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類;エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ジイソブチレン等のオレフィン類;
ブタジエン、イソプレン等のジエン類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン
化ビニル類;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等の飽和モノカルボン酸のビニルエステル類;酢
酸アリル、プロピオン酸アリル等の飽和脂肪族モノカル
ボン酸のアリルエステル類またはメタリルエステル類が
挙げられる。
【0014】本願発明のエポキシ基含有マレイミド系共
重合体の製造方法において、各単量体の使用割合は、マ
レイミド系単量体(A)20〜60重量%、エポキシ基
含有単量体(B)0.01〜10重量%、ビニル系単量
体(C)40〜80重量%である。マレイミド系単量体
(A)が20重量%未満では、得られる共重合体の耐熱
性が不充分である。また、60重量%を超えると、機械
的強度および加工性が低いものとなる。エポキシ基含有
単量体(B)が、0.01重量%未満では、ポリエステ
ルやポリアミド等に対する反応性が不充分である。ま
た、10重量%を超えると耐熱性および流動性が低下す
る。ビニル系単量体(C)が40重量%未満では得られ
る共重合体の機械的強度が低下し、80重量%を超える
と耐熱性が低下する。
【0015】ラジカル重合方法としては、溶液重合、縣
濁重合、乳化重合、バルク重合等が用いられる。中で
も、共重合体組成および重合発熱をコントロールし易
く、また、ゲル化抑制の観点からは、溶液重合法が好ま
しい。溶液重合法において使用される溶媒としては、例
えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることが
できる。
【0016】重合工程において、重合開始剤、分子量調
整剤等を使用してもよい。重合開始剤としては、例え
ば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブ
チルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ
ピパレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソ
プロピルカーボネート等の過酸化物;アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスジメチルバレロニリル、アゾビス
−1−シクロヘキサンカルボニトリル等のアゾ化合物等
のマレイミド系単量体とビニル系単量体との重合に通常
用いられる化合物が、使用される。重合開始剤は、その
全量を反応系に予め仕込んでおいてもよいし、反応時に
供給するようにしてもよい。
【0017】分子量調整剤としては、四塩化炭素、四臭
化炭素等のハロゲン化アルキル;n−アクチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプ
タンのほか、イソテトラリン、ターピノーレン、チオグ
リコール酸エステル、α−メチルスチレンダイマー等の
連鎖移動能力のものが挙げられる。重合反応時の分子量
を調整することにより流動性や分散性をコントロールす
ることができる。また、予め物性等の低下しない範囲で
分子量を調節することにより、熱ゲル化安定性をさらに
改良することができる。
【0018】各単量体の供給方法についても、特に制限
はないが、マレイミド系単量体(A)とビニル単量体
(C)は交互共重合体を生成しやすいため、各単量体の
反応性比を考慮して、所望の組成が得られるように一方
の単量体の一部を初期に仕込んでラジカル重合したり、
また、各単量体の供給速度を調整しながらラジカル重合
すればよい。
【0019】次に、添加工程について説明する。カルボ
ン酸または酸無水物と反応し得る非ラジカル重合性化合
物(D)としては、通常のラジカル重合反応が進行する
温度および圧力の条件下、または、それ以下の温度およ
び圧力の条件下で、カルボン酸または酸無水物と反応す
る化合物であれば特に限定されない。非ラジカル重合性
化合物(D)としては、例えば、エポキシ基含有化合
物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物を挙げるこ
とができる。特に、このなかでも、安全性、反応性およ
び入手し易さに優れる、エポキシ基含有化合物が好まし
い。
【0020】エポキシ基含有化合物としては、例えば、
2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキ
サイド、n−ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリ
シジルエーテル、シクロヘキセンオキサイド、トリシク
ロデセンオキサイド等のモノオキサイド;ビニルシクロ
ヘキセンジオキサイド、アリサイクリックジエポキシカ
ルボーキシレート、アリサイクリックジエポキシアセタ
ール等のジエポキサイド;トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル等のトリエポキサイドのほか、ビスフェノールA系の
エポキシ樹脂が挙げられる。これらの1種または2種以
上を使用してもよい。エポキシ基含有化合物として、溶
解性および反応性の点からは、スチレンオキサイド、シ
クロヘキセンオキサイドおよびn−ブチルグリシジルエ
ーテルが好ましい。
【0021】非ラジカル重合性化合物(D)が単量体成
分全量の0.001〜0.5重量%であると、加熱ゲル
安定性がさらに優れたものとなるため好ましい。0.0
01重量%未満であると加熱ゲル安定性が低く、また、
0.5重量%を超えて使用しても効果の向上は見られな
い。添加工程は、下記〜に示すいずれの工程であっ
てもよい。
【0022】重合工程終了まで(重合工程前または重
合工程中)に、重合前の単量体成分に非ラジカル重合性
化合物(D)を加える工程。 重合工程終了まで(重合工程中)に、重合混合物に非
ラジカル重合性化合物(D)を加える工程。 重合工程終了後、重合混合物に非ラジカル重合性化合
物(D)を加える工程。
【0023】添加工程が重合工程終了までに行われる
と、マレイミド系単量体(A)中に微量に存在する、マ
レイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノエステ
ルからなる群より選ばれる少なくとも1種のマレイン酸
誘導体を、酸性を呈さない化合物に変換することができ
る。前記酸性を呈さない化合物に変換することによっ
て、エポキシ基含有マレイミド系共重合体製造時のゲル
化が抑制され、得られたエポキシ基含有マレイミド系共
重合体の加熱ゲル安定性がさらに向上する。
【0024】また、添加工程は重合工程終了後に行って
もよい。この場合は、重合後のエポキシ基含有マレイミ
ド系共重合体中に微量に存在すると考えられる、マレイ
ン酸誘導体を酸性を呈さない化合物に変換することによ
って、得られたエポキシ基含有マレイミド系共重合体の
加熱ゲル安定性がさらに向上すると考えられる。添加工
程が重合工程終了までに行われる前記〜であると、
エポキシ基含有マレイミド系共重合体製造時のゲル化抑
制効果が大きいため好ましい。また、添加工程が前記
であると、エポキシ基含有マレイミド系共重合体製造時
のゲル化抑制効果がより大きいためさらに好ましい。
【0025】前記において、非ラジカル重合性化合物
(D)が、少なくともマレイミド系単量体(A)を含
み、エポキシ基含有単量体(B)を含まない前記単量体
成分に予め加えられると特に好ましい。必要に応じて、
溶媒を含む単量体成分に非ラジカル重合性化合物(D)
を予め加えてもよい。これによって、マレイミド系単量
体(A)中に微量に存在するマレイン酸誘導体を、非ラ
ジカル重合性化合物(D)のみと反応させて、酸性を呈
さない化合物に効果的に変換することができる。また、
エポキシ基含有単量体(B)の一部がマレイン酸誘導体
によって変性するといった問題点が解消される。
【0026】添加工程が50〜120℃で実行される
と、マレイン酸誘導体を酸性を呈さない化合物に速やか
に変換することが可能になり、より少量で熱安定性改良
効果の発現が安定して得られるようになるため、さらに
好ましい。エポキシ基含有マレイミド系共重合体 本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重合体は、耐熱
性を向上させる成分であるマレイミド系単量体(A)か
らの構造単位と、ポリエステルやポリアミド等に対して
反応性を示すエポキシ基含有単量体(B)からの構造単
位とを特定量含有しており、特に加熱ゲル化安定性に優
れた耐熱性を有する共重合体である。
【0027】本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重
合体は、前記製造方法で得られ、マレイミド系単量体単
位20〜60重量%と、エポキシ基含有単量体単位0.
1〜10重量%と、ビニル系単量体単位40〜80重量
%とを含み、加熱ゲル安定性が250℃以上である。製
造方法としては、非ラジカル重合性化合物(D)の存在
下で行われるラジカル重合である。
【0028】マレイミド系単量体単位、エポキシ基含有
単量体単位およびビニル系単量体単位は、前記製造方法
で説明した、マレイミド系単量体、エポキシ基含有単量
体およびビニル系単量体からなる構造単位である。熱ゲ
ル化安定性は、重合体5mgを200〜350℃の各温
度で5分間加熱した後、25℃のテトラヒドロフラン
(THF)10mlに溶解させた時に、不溶分が生成す
るか否かで判断される。不溶分が生成すると加工時の流
動性が著しく低下し、また、成形性が悪くなったり、耐
衝撃性が低下するため好ましくない。熱ゲル化安定性が
250℃以上であると、製造方法中で必要に応じて行わ
れる重合体中の未反応の単量体および溶媒を除去する脱
揮工程時、または、得られた重合体を他の熱可塑性樹脂
と押出機等でブレンドする混練工程時に、ゲル化が進行
しにくくなり、加工性および機械強度が高くなる。
【0029】加熱ゲル安定性は、得られたエポキシ基含
有マレイミド系共重合体の加工性および機械強度をさら
に高くするためには、260℃以上であるのが好まし
い。本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重合体の重
量平均分子量は50,000〜1,000,000、数
平均分子量は20,000〜500,000であるのが
好ましい。重量平均分子量、数平均分子量がこの範囲で
あると、機械的強度と加工性とのバランスに優れたもの
となる。
【0030】非ラジカル重合性化合物(D)が前記単量
体成分全量の0.001〜0.5重量%であると、加熱
ゲル安定性がさらに優れたものとなるため好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、「部」は、「重量部」を示す。 −実施例1− N−フェニルマレイミド23.3部と、トルエン15.
5部およびスチレンオキサイド0.03部からなる混合
液(1)を60℃に保持し、滴下液(1)として予め調
製した。コンデンサー、攪拌機および2つの滴下ロート
を備えた重合反応槽に、スチレン6.8部と、グリシジ
ルメタクリレート0.4部およびトルエン36.5部と
を仕込み、窒素で反応槽内を置換するとともに114℃
に昇温した。重合開始剤としてt−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネート0.01部を反応槽に添加し反
応を開始するとともに、予め調整しておいた滴下液
(1)、および、スチレン17.5部とt−ブチルパー
オキシイソプロピルカーボネート0.02部からなる滴
下液(2)を、別々の滴下ロートから3.5時間にわた
って均一な速度で滴下し、還流状態で重合を行った。滴
下終了後、反応混合物をさらに1.5時間加温しつづけ
た後、冷却して無色の粘稠な反応液を得た。この反応液
を多量のメタノール中に滴下し、析出した白色の固形分
を濾別して洗浄した後、80℃で真空乾燥して共重合体
(1)を得た。得られた共重合体(1)の組成は、N−
フェニルマレイミド単位53.6重量%、スチレン単位
45.5重量%、グリシジルメタクリレート単位0.9
重量%であり、重量平均分子量28.0万であった。
【0032】−実施例2− 実施例1で、反応槽にα−メチルスチレンダイマー0.
6部を加えて使用する以外は、実施例1と同様の操作を
行って共重合体(2)を得た。共重合体(2)の組成
は、N−フェニルマレイミド単位53.0重量%、スチ
レン単位44.4重量%、グリシジルメタクリレート単
位2.6重量%であり、重量平均分子量18.2万であ
った。
【0033】−実施例3− 実施例1で、スチレンオキサイドに代えて、エチルオキ
サゾリン0.01部を使用する以外は、実施例1と同じ
操作を行って共重合体(3)を得た。共重合体(3)の
組成は、N−フェニルマレイミド単位53.0重量%、
スチレン単位44.4重量%、グリシジルメタクリレー
ト単位2.6重量%であり、重量平均分子量は32.0
万であった。
【0034】−比較例1− 実施例1で、スチレンオキサイドを使用しないこと以外
は実施例1と同様の操作を行って比較共重合体(A)を
得た。得られた比較共重合体(A)の組成は、N−フェ
ニルマレイミド単位53.6重量%、スチレン単位4
5.5重量%、グリシジルメタクリレート単位0.9重
量%であった。重量平均分子量は57.6万である。
【0035】前記の実施例および比較例で得られた各マ
レイミド系共重合体について、そのガラス転移温度およ
び加熱ゲル化安定性を以下の方法により求めた。それら
の結果を表1に示した。ガラス転移温度 示差走査熱量測定(DSC)によりJIS K7121
に基づいて、中間点ガラス転移温度を求めた。加熱ゲル化安定性 共重合体1.2gを200、250および300℃の各
温度に5分間加熱保持した後、その5mgをテトラヒド
ロフラン(THF)10ml中に混合溶解し、目視での
確認で、不溶分のある場合を○、不溶分のない場合を×
とした。
【0036】構造中の単量体単位の種類と比率は、共重
合体の赤外線吸収スペクトル、 1H−NMRスペクト
ル、熱分解GC−MS、元素分析による分析、および、
回収した揮発性成分のガスクロマトグラフィー分析を行
うことにより決定した。 重量平均分子量は、溶離液と
してテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲル浸透ク
ロマトグラフィー(GPC)で測定した分子量を標準ポ
リスチレンにより検定した値とした。
【0037】また、共重合体のエポキシ基含有単量体単
位の量は、溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミド2
5mlに共重合体1gを溶解させてから塩酸処理した
後、ブロモフェノールブルーを指示薬として、苛性ソー
ダで逆滴定を行い求めた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明のエポキシ基含有マレイミド系共
重合体は、マレイミド系単量体(A)20〜60重量%
と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜10重量%
と、前記マレイミド系単量体(A)および前記エポキシ
基含有単量体(B)以外のビニル系単量体(C)40〜
80重量%とからなる単量体成分を、カルボン酸または
酸無水物と反応し得る非ラジカル重合性化合物(D)の
存在下で、ラジカル重合して得られ、マレイミド系単量
体単位20〜60重量%と、エポキシ基含有単量体単位
0.1〜10重量%と、ビニル系単量体単位40〜80
重量%とを含み、加熱ゲル安定性が250℃以上である
ため、加熱ゲル安定性に優れる。
【0040】前記非ラジカル重合性化合物(D)が前記
単量体成分全量の0.001〜0.5重量%であると、
加熱ゲル安定性がさらに優れたものとなる。前記エポキ
シ基含有マレイミド系共重合体の重量平均分子量が5
0,000〜1,000,000であり、数平均分子量
が20,000〜500,000であると、機械的強度
と加工性とのバランスに優れたものとなる。
【0041】本発明のエポキシ基含有マレイミド系共重
合体の製造方法は、マレイミド系単量体(A)20〜6
0重量%と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜10
重量%と、前記マレイミド系単量体(A)および前記エ
ポキシ基含有単量体(B)以外のビニル系単量体(C)
40〜80重量%とからなる単量体成分をラジカル重合
する重合工程と、カルボン酸または酸無水物と反応し得
る非ラジカル重合性化合物(D)を加える添加工程とを
含むので、加熱ゲル安定性に優れるエポキシ基含有マレ
イミド系共重合体を、容易に、工業的に効率良く製造す
ることができる。 前記非ラジカル重合性化合物(D)
が前記単量体成分全量の0.001〜0.5重量%であ
ると、加熱ゲル安定性がさらに優れたものとなる。
【0042】前記非ラジカル重合性化合物(D)がエポ
キシ基含有化合物であると、安全性、反応性および入手
し易さに優れるようになる。前記添加工程が前記重合工
程終了までに行われると、エポキシ基含有マレイミド系
共重合体製造時のゲル化が抑制され、得られたエポキシ
基含有マレイミド系共重合体の加熱ゲル安定性がさらに
向上する。
【0043】前記非ラジカル重合性化合物(D)は、少
なくともマレイミド系単量体(A)を含み、エポキシ基
含有単量体(B)を含まない前記単量体成分に予め加え
られると、マレイミド系単量体(A)中に微量に存在す
る、マレイン酸、無水マレイン酸およびマレイン酸モノ
エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のマレ
イン酸誘導体を、非ラジカル重合性化合物(D)のみと
反応させて、酸性を呈さない化合物に効果的に変換する
ことができる。また、エポキシ基含有単量体(B)の一
部がマレイン酸誘導体によって変性するといった問題点
が解消される。
【0044】前記添加工程は50〜120℃で実行され
ると、マレイン酸誘導体を酸性を呈さない化合物に速や
かに変換することが可能になり、より少量で熱安定性改
良効果の発現が安定して得られるようになる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マレイミド系単量体(A)20〜60重量
    %と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜10重量%
    と、前記マレイミド系単量体(A)および前記エポキシ
    基含有単量体(B)以外のビニル系単量体(C)40〜
    80重量%とからなる単量体成分を、カルボン酸または
    酸無水物と反応し得る非ラジカル重合性化合物(D)の
    存在下で、ラジカル重合して得られ、 マレイミド系単量体単位20〜60重量%と、エポキシ
    基含有単量体単位0.1〜10重量%と、ビニル系単量
    体単位40〜80重量%とを含み、加熱ゲル安定性が2
    50℃以上である、エポキシ基含有マレイミド系共重合
    体。
  2. 【請求項2】前記非ラジカル重合性化合物(D)が前記
    単量体成分全量の0.001〜0.5重量%である、請
    求項1に記載のエポキシ基含有マレイミド系共重合体。
  3. 【請求項3】前記エポキシ基含有マレイミド系共重合体
    の重量平均分子量が50,000〜1,000,000
    であり、数平均分子量が20,000〜500,000
    である、請求項1または2に記載のエポキシ基含有マレ
    イミド系共重合体。
  4. 【請求項4】マレイミド系単量体(A)20〜60重量
    %と、エポキシ基含有単量体(B)0.1〜10重量%
    と、前記マレイミド系単量体(A)および前記エポキシ
    基含有単量体(B)以外のビニル系単量体(C)40〜
    80重量%とからなる単量体成分をラジカル重合する重
    合工程と、 カルボン酸または酸無水物と反応し得る非ラジカル重合
    性化合物(D)を加える添加工程と、を含むエポキシ基
    含有マレイミド系共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記非ラジカル重合性化合物(D)が前記
    単量体成分全量の0.001〜0.5重量%である、請
    求項4に記載のエポキシ基含有マレイミド系共重合体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記非ラジカル重合性化合物(D)がエポ
    キシ基含有化合物である、請求項4または5に記載のエ
    ポキシ基含有マレイミド系共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記添加工程が前記重合工程終了までに行
    われる、請求項4〜6に記載のエポキシ基含有マレイミ
    ド系共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記非ラジカル重合性化合物(D)は、少
    なくともマレイミド系単量体(A)を含み、エポキシ基
    含有単量体(B)を含まない前記単量体成分に予め加え
    られる、請求項4〜7のいずれかに記載のエポキシ基含
    有マレイミド系共重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記添加工程は50〜120℃で実行され
    る、請求項4〜8のいずれかに記載のエポキシ基含有マ
    レイミド系共重合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007154039A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Jsr Corp 透明複合体、ガラス繊維布の表面処理方法および透明複合体の製造方法
JP2007154040A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Jsr Corp 透明複合体、ガラス繊維布の表面処理方法および透明複合体の製造方法

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