JP2007154039A - 透明複合体、ガラス繊維布の表面処理方法および透明複合体の製造方法 - Google Patents

透明複合体、ガラス繊維布の表面処理方法および透明複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無色で透明性及び耐熱性に優れ、線膨張係数が小さく光学異方性の少ないガラス代替可能な透明複合体を提供する。
【解決手段】[A]一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、下記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体と、[B]ガラス繊維布とからなる透明複合体。
Figure 2007154039

ガラス繊維布がガラスクロスである。波長400nmにおける光線透過率が80%以上で
ある。50〜150℃における平均線膨張係数が50ppm/℃以下である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無色で透明性及び耐熱性に優れ、線膨張係数が小さく光学異方性の少ないガラス代替可能な透明複合体とその製造方法に関する。
一般に、アクティブマトリックスタイプなどの液晶表示素子や有機EL表示素子用の表示素子基板、カラーフィルター基板、太陽電池基板等にはガラス板が広く使用されている。しかし、ガラス板は割れやすい、曲げられない、比重が大きく軽量化に不向き等の理由から、近年、その代替として種々のプラスチックス素材が検討されている。
例えば、特許文献1(特開平10-77321号公報)には非晶質の熱可塑性樹脂及び
活性エネルギー線硬化の可能なビス(メタ)クリレートからなる樹脂組成物に対して活性エネルギー線を用いて硬化を行なった部材が液晶基板などのガラス基板代替に用いることができると記載されている。
また、特許文献2(特開平10−90667号公報)には脂環式構造、芳香族等の特定のビス(メタ)クリレートを含む組成物を活性エネルギー線等により硬化成形した透明基板を用いた液晶表示素子が記載されている。
このようなビス(メタ)クリレートとしては、下記式で表される。
Figure 2007154039
しかし、これらガラス代替用プラスチックス材料はいずれもガラス板より線膨張係数がかなり大きく表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子基板に用いると、製造工程において反りやアルミ配線の断線などの不具合を生じる可能性があり、これらの用途への使用は困難であった。
このように表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子基板には透明性、耐熱性及び線膨張係数の小さなプラスチックス素材が求められていた。
また、プラスチック材料を使う場合に、線膨張係数を低減するために従来より、樹脂にガラスパウダーやガラス繊維などの無機フィラーを混合する材料の複合化も種々行なわれている。
しかしながら、従来の樹脂と無機フィラーとの混合では基板の透明性が損なわれることが多い。これは無機フィラーの大きさが可視光より大きい事や樹脂と無機フィラーとの屈折率が異なるために、樹脂中を透過する光が乱屈折することが主原因である。
このため、特許文献3(特開平5−140376号公報)には、特定のマレイミド構成
単位と、アルキレン構成単位とを含むポリマーとガラスフィラーとからなり、樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が、0.01以内にある透明樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、かかる特許文献3に記載の樹脂組成物では、強度、靱性が不十分で、500μ以下、特に200μ以下の薄いフィルムを例えばロール・トゥ・ロール成形することは難しく、更に、例え、成形できたとしても、その後の各種製造工程、使用工程での繰り返し曲げには耐えられないなどの点で問題点が多い。
特開平10−77321号公報 特開平10−90667号公報 特開平5−140376号公報
このような情況のもと、無色透明性及び耐熱性に優れ、線膨張係数が小さく光学異方性の少ないガラス代替可能な透明複合体の出現が求められていた。
そこで、このような光学用途に適した透明複合体を提供するために、鋭意検討した結果、オキセタン基及び/またはエポキシ基またはアルコキシシリル基含有不飽和化合物、オ
レフィン類及びマレイミド類との共重合体は耐熱性が高く、無色で高い透明性を有しており、さらに光学異方性が小さい等、光学用途を目的としたプラスチックス材料として好適であることを見出した。
そして、このマレイミド系共重合体とガラス繊維布を複合することにより、透明性が高く、無色で透明性、耐熱性及び耐溶剤性に優れ、光学異方性が小さく、低線膨張係数を有し、たとえば波長400nmの光線透過率が80%以上と優れた透明性を維持し50〜150℃での線膨張係数が50ppm/℃以下の光学異方性が小さい透明複合体が得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
(1)[A]下記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、
Figure 2007154039
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は炭素数
1〜6のアルキル基であり、Xは−COO−または−O−であり、Yは単結合または炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、nは0または1である。R4、R5、R6は各々独立
に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
下記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体と、
Figure 2007154039
(式中、R7は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基で
ある。R8〜R12は各々独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状アルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、シアノ基またはニトロ基を示す。)
[B]ガラス繊維布
とからなる透明複合体。
(2)ガラス繊維布がガラスクロスである(1)の透明複合体。
(3)波長400nmにおける光線透過率が80%以上である(1)または(2)の透明複合体。
(4)50〜150℃における平均線膨張係数が50ppm/℃以下である(1)〜(3)
の透明複合体。
(5)厚さ20〜2000μmのシートである(1)〜(4)のいずれかに記載の透明複
合体。
(6)透明複合体が、光学シート、表示素子用プラスチックス基板またはアクティブマトリックス表示素子用基板である(1)〜(5)のいずれかに記載の透明複合体。
(7)前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表されるマレイミド骨格を有する構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥することを特徴とするガラス繊維布の表面処理方法。
(8)前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、
得られた表面処理されたガラス繊維布を、前記マレイミド系共重合体からなる厚さ20〜1000μmの2枚のシートでシート間に挟持して、加熱圧縮成形することを特徴とす
る透明複合体の製造方法。
(9)前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、
得られた表面処理されたガラス繊維布の片面または両面に、前記マレイミド系共重合体溶液を厚さ1〜20μmとなるように塗布し、乾燥することを特徴とする透明複合体の製
造方法。
本発明によれば、無色で透明性と耐熱性に優れ、光学異方性が小さく、かつ線膨張係数が小さく光学異方性の少ないガラス代替可能な透明複合体が得られる。
かかる透明複合体は、液晶表示用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などの光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に用いることができる。
本発明にかかる透明複合体は、特定のマレイミド系共重合体と、ガラス繊維布とからなる。
[マレイミド系共重合体]
本発明で使用されるマレイミド系共重合体は、
[A]前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含む。
構造単位(a)
構造単位(a)は、前記式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種
である。
前記式(1-1)〜(1-3)におけるR1およびR2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは、水素原子またはメチル基である。Xは−COO−または−O−であり、またYは、単結合または炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、具体的には、単結合、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基、炭素数3〜6のシクロアルキレン基、フェニレン基等であり、特にメチレン基が好ましい。
前記式(1-1)〜(1-3)で表される構造単位(以下、それぞれ「構造単位(1-1)」、「構
造単位(1-2)」、「構造単位(1-3)」ともいう)は、例えば、下記式(1-1’)〜(1-3
’)で表される側鎖(エポキシ基)を含む(メタ)アクリルレート類から誘導され、具体
的には、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、オキセタン(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル及び脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレートなどから誘導される。
前記式(1-4)におけるR3は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくはメチル基、エチル基である。nは0または1である。前記式(1-4)で表される構造単位(以下、「構
造単位(1-4)」ともいう)は、例えば、下記式(1-4’) で表される側鎖(アルコキシラ
ン含有アルキル基)を含む(メタ)アクリレートから誘導される。具体例としては、γ-
(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシエチルトリ
エトキシシシラン、γ-(メタ)アクリロキシエチルジメトキシメチルシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエ
トキシシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジエトキシシメチルシランなどを挙げることができるが、好ましくはγ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシシラン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラ
ン、γ-(メタ)アクリロキシプロピルジエトキシシメチルシランから誘導される構造単
位である。
Figure 2007154039
(式中、R1およびR2は前記式(1-1)〜(1-4)と同じ)
前記式(1-5)における、R4、R5、R6は各々独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。前記式(1-5)で表される構造単位(以下、「構造単位(1-5)」ともいう)は、例えば、下記式(1-5’)で表されるオレフィン類から誘導される。具体的にはエ
チレン、イソブテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-1-ペンテン、2-メチル-1-ヘ
キセン、2-メチル-1-ヘプテン、1-イソオクテン、2-メチル-1-オクテン、2-エチル-1-ペンテン、2-メチル-2-ブテン、2-メチル-2-ペンテン、2-メチル-2-ヘキセン
等のオレフィン類から導入される。このうち、耐熱性及び機械的強度の点からイソブテンが好ましく、また、これらのオレフィン類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
Figure 2007154039
(式中、R4、R5、R6は前記式(1-5)と同じ)
構造単位(1-1)〜(1-4)を含有することにより、マレイミド系共重合体のガラス繊維布との接着性が向上し、また、これらの官能基を架橋することにより、耐溶剤性に優れ、透明性が高く、光学異方性が小さく、かつ、良好な接着性を有する透明複合体が得られる。
また、構造単位(1-5)を有することにより、透明複合体に柔軟性を与えることもでき
る。
構造単位(1-1)〜(1-5)は2種以上組み合わせてもよい。
本発明にかかる透明複合体で好ましい組み合わせとしては、(構造単位(1-1)〜(1-4)のうち少なくとも1種と、構造単位(1-5)の組み合わせである。 )
構造単位(b)
構造単位(b)は、前記式(2)または(3)で表されるマレイミド骨格を有する構造単
位である。これらの構造単位は、例えば、下記式(2’)または(3’)で表されるマレイミドから誘導される。
Figure 2007154039
(式中、R7、R8〜R12は式(2)および(3)と同じ。)
前記式(2)におけるR7は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数3〜12のシク
ロアルキル基である。式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(b1)」ともいう)を与える化合物の具体例としては、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、N-N-プロピルマレイミド、N-i−プロピルマレイミド、N-N-ブチルマレイミド、N-i−ブチルマレイミド、N-t−ブチルマレイミド、N-ペンチルマレイミド、N-ヘキシルマレイミド、N-イソアミルマレイミド、N-2-エチルヘキシルマレイミド、N-ヘプチルマレイミド、N-オクチルマレイミド、N-i−オクチルマレイミド、N-ノニルマレイミド、N-i−ノニルマレイミド、N-デシルマレイミド、N-ウンデシルマレイミド、N-ドデシルマレイミド、N-トリデシルマレイミド、N-テトラデシルマレイミド、N-ペンタデシルマレイミド、N-ヘキサデシルマレイミド、N-ヘプタデシルマレイミド、N-オクタデシルマレイミド、N-ノナデシルマレイミド、N-エイコシルマレイミド、N-ラウリルマレイミド、N-ステアリルマレイミド、N-i−ステアリルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドなどが挙げられる。
これらのうち、N-エチルマレイミド、N-N-プロピルマレイミド、N-i−プロピルマレイミド、N-N-ブチルマレイミド、N-i−ブチルマレイミド、N-t−ブチルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドが好ましい。
前記式(3)におけるR8〜R12は各々独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状また
は分岐状アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、シアノ基またはニトロ基である。
式(3)で表される構造単位(以下、「構造単位(b2)」ともいう)を与える化合物の具体例としては、N-フェニルマレイミド、N-(2−メチルフェニル)マレイミド、N-(3−メチルフェニル)マレイミド、N-(4−メチルフェニル)マレイミド、N-(2−エチルフェニル)マレイミド、N-(3−エチルフェニル)マレイミド、N-(2−N-プロピルフェニル)マレイミド、N-(2−i−プロピルフェニル)マレイミド、N-(2−N-ブチルフェニル)マレイミド、N-(2、6−ジメチルフェニル)マレイミド、N-(2、4、6−トリメチルフェニル)マレイミド、N-(2、6−ジエチルフェニル)マレイミド、N-(2、4、6−トリエチルフェニル)マレイミド、N-(2−メトキシフェニル)マレイミド、N-(
2、6−ジメトキシフェニル)マレイミド、N-(2−ブロモフェニル)マレイミド、N-(2−クロロフェニル)マレイミド、N-(2、6−ジブロモフェニル)マレイミド等のN-フェニルマレイミド類であり、この中で耐熱性及び色調の点から、2−または2,6−置換フェニルマレイミド類が好ましい。
構造単位(b1)および(b2)を導くマレイミド類は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
その他の構造単位
本発明で使用される共重合体は構造単位(a)および(b)以外の構造単位(以下、「その他の構造単位」という)をさらに有するものであってもよい。
その他の構造単位としては、
(イ) メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、N-ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N-オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート類、
(ロ) スチレン、α―メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、6−ジクロロスチレン、1−ビニルナ
フタレンなどの芳香族ビニル単量体、
(ハ) ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー類、
(ニ) ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートプロピレン、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量体、
(ホ) (メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N‘−メチレンビスアクリルアミドなどのアミド化合物、
(ヘ) 塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物、
(ト) (メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、などのエチレン性不飽和カルボン酸、
(チ) (メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、
(リ) 4−(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ-1、2,2,6,6-ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系単量体、
(ヌ) 2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
(ル) 2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル
グリセロールモノアリルエーテルなどのアリルエーテル類、
(ヲ) メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、N-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、N-ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、N-ペンチルビニルエーテル、N-ヘキシルビニルエーテル、N-オクチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどの(シクロ)アルキルビニルエーテル類、
(ワ) 2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類など
から誘導される構造単位が挙げられる。
更に、
(カ) ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−メチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−プロピル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−(1‘−ブテニル)−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタ−2−エン等の環状オレフィン系化合物等から誘導される構造単位が含まれていても良い。
これらは1種または2種以上を併用することができる。
以上のような、その他の構造単位を含むと、得られる成形体の屈折率や柔軟性および表面特性等を制御することが可能となる。
本発明で使用される共重合体中のその他の構造単位は40モル%以下、好ましくは30モル%以下の量であることが望ましい。
マレイミド系共重合体
本発明で使用されるマレイミド系共重合体の分子量は用途に応じて適宜選択されるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×106が好ましく、更に、1×104〜5×106が好ましい。分子量が小さすぎると力学的強度不足となることがあり、また分子量が高すぎても溶液粘度や溶融粘度が高すぎて加工性に問題を生じることがある。前記範囲では、強度、加工性ともに優れている。
共重合体の構造単位(a)と(b)との割合は(a)/(b)=10〜90/90〜10モル%の範囲にあることが好ましく、30〜70/70〜30モル%の範囲にあることがさらに好ましい。この範囲であれば、高い透明性と高いガラス転移温度及び小さい光学異方性を維持でき、しかも、優れた耐熱性と望ましい機械的特性を有し、本発明の光学用材料として好適である。
共重合体中に構造単位(a)として構造単位(1-1)〜(1-4)を有するものは、架橋構造を形成できるので、耐溶剤性を高めることができる。
構造単位(a)として構造単位(1-1)〜(1-4)を含む場合、共重合体の全構造単位中の構造単位(1-1)〜(1-4)の割合は40モル%以下であることが好ましい。特に、[(1-1)〜(1-4)]/[(a)+(b)]≦40モル%であることが好ましい。構造単位(1-1)
〜(1-4)が40モル%を超えると、架橋度が高くなりすぎ機械的特性が低下することが
ある。なお、構造単位(1-1)〜(1-4)を2種以上有する共重合体の場合、それぞれの割合は、用途に応じて適宜選択される。
本発明の透明複合体中では、前記式(1-1)〜(1-3)で表される化合物中の環状エーテル構造、または前記式(1-4)で表される化合物中のアルコキシシリル基が、加水分解・縮合
反応により架橋している構造を有していることが望ましい。なお、架橋度は、目的とする複合体の強度や堅さに応じて適宜選択される。
構造単位(b)は、構造単位(b1)と構造単位(b2)のどちらかが単独で含有されてい
ても併存していてもよく、構造単位(b1)と(b2)の割合を調整することにより屈折率制御を行なうことが可能である。
本発明で使用される共重合体のガラス転移温度は好ましくは130℃以上であり、さらに好ましくは150℃以上である。重合体のガラス転移温度がこれ以上低い場合はオキセタン基またはエポキシ基またはアルコキシシリル基を利用して架橋しても、特にアクティブマトリックス型の表示素子基板に用いた場合、TFT素子形成工程で変形等を生じる恐れがある。
本発明で使用される共重合体は、厚さ100μmのフィルムでの光線透過率が波長40
0nmにおいて80%以上であることが好ましく、さらに好ましくは85%以上である。波長400nmにおける光線透過率が前記範囲未満では本発明の透明複合体を表示素子用プラスチックス基板として用いる場合、表示性能が充分でないことがある。
本発明で使用される共重合体の光学異方性については、厚さ100μmのフィルムでの
入射角0°及び45°におけるリタデーションRe0、Re45は20nm以下であることが好
ましく、更に10nm以下が好ましい。リタデーションが20nmを超えると光学異方性が大きく表示性能が充分でない。なお、Re0、Re45は下記式[1]および[2]で定義され
る。
Re0=(nX−nY)×d [1]
Re0はフィルムの3次元座標X、Y、Zに対して、正面(Z軸座標)からみるときのリタデーション、nX、nYはX軸方向、Y軸方向の屈折率でdは光路長である。
Re45=(na−nb)×d' [2]
Re45はフィルムの3次元座標X、Y、Zに対して、視野角をZ軸よりX軸方向み45
°傾斜させた際のリタデーション、na、nbはその屈折率楕円体の長軸方向、短軸方向の屈折率、d'はその光路長である。
当該リタデーションRe0及びRe45はポリマーの構造、その成形方法及び成形条件で決
まるもので、成形方法及び成形条件によりある程度制御可能であるが、基本的にはポリマーの構造が支配的である。従って、本発明の共重合体はリタデーションの小さい構造といえる。
共重合体の製造方法
本発明で使用される共重合体は、(a')前記式(1-1)〜(1-5)で表される化合物から選
ばれる少なくとも1種の不飽和重合性化合物と、
(b')前記一般式(2')または(3')のマレイミド化合物と
を可溶性溶媒中でラジカル開始剤の存在下に溶液重合させることにより得られる。
ラジカル開始剤としては公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物やアゾビス系開始剤を用いることができる。
有機過酸化物の具体例としては、ジベンゾイルパーオキサイド、ジイソブチロイルパー
オキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジオクタノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジステアロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、
過酸化水素、t-ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、パーオキサイド、α,α'-ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベン、2,5-ジ
メチル-2,5-ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド類、
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ヘキシルパー
オキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シ
クロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブ
チルパーオキシ2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブ
チルパーオキシマレエート、t-ブチルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ク
ミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオドデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパー
オキシ)イソフタレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン
、t-ブチルパーオキシm−トルオイルベンゾエート、3,2',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のパーオキシエステル類、
1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)
3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2-ビス(t-ブチルパ
ーオキシ)ブタン、N-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビ
ス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)ピロパン等のパーオキシケタール類、
t-ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、t-ブチルパーオキシアリルカーボネート、ジ-N-プロピルパーオキシカーボネート、ジ-イソプロピルパーオキシカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート、ジ-2-エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシカーボネート、ジ-2-メトキシブチルパーオキシカーボネート、ジ(3-メチル-3-メトキシブチ
ル)パーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート類が挙げられる。
アゾビス系ラジカル重合開始剤の具体例としては、アゾイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニ
トリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2-(カルボモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2-アゾビス〔2-メチル-N-[1、1ビス(ヒドロキシル
メチル)-2-ヒドロキシルエチル]プロピオンアミド〕、2,2-アゾビス〔2-メチル-N-
(2-ヒドロキシルエチル)プロピオンアミド〕、2,2-アゾビス〔N-(2-プロペニル)
2-メチルプロピオンアミド〕、2,2-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、 2,2-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2-アゾビス〔2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕ジハイドロクロライド、2,
2-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕ジハイドロクロライド、2,2-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕ジサルフェ-ト・ジハイドレ-ト
、2,2-アゾビス〔2-(3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン〕ジハイドロクロライド、2,2-アゾビス〔2-[1-(2-ヒドロキシエチル)2-イミダゾリン-2-イル]プロパン〕ジハイドロクロライド、2,2-アゾビス〔2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン〕、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジハイドロク
ロライド、2,2-アゾビス〔N-(2-カルボキシエチル)2-メチルプロピオンアミジン〕、2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミドキシム)、ジメチル2,2'-アゾビスブチレ-ト、4,4'-アゾビス(4-シアノペンタノイックアシッド)、2,2-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等が挙げられる。
これらの過酸化物またはアゾビス系ラジカル重合開始剤は各々1種単独または2種以上組み合わせても使用することができる。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は全単量体合計100モルに対して0.0001
〜10モル、好ましくは0.0001〜5モル、更に好ましくは0.0005〜2モルであり、この範囲にあれば重合反応率が高く、効率的に重合が進行する。なおラジカル重合開始剤が0.0001モル未満だと単量体の重合反応率が低くなり、生産性が低下すること
があり、また10モルを超えると得られる共重合体の分子量が小さくなり、また開始剤の量が多すぎてしまい、工業的な有用性に乏しい。
共重合体を製造するには公知の重合法が採用できるが、均一系での重合が望ましいため、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法に用いられる溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。尚、これらの溶媒は脱水してもよい。
また、溶媒の使用量は全単量体100重量部に対して600重量部以下、好ましくは400重量部以下である。600重量部を超えると得られる共重合体の分子量が小さくなることがあり好ましくない。また、下限は溶液を形成できれば特に制限されない。
前記重合原料を反応容器に仕込んで重合を行うが、重合に際しては予め真空脱気または窒素置換等により、反応系外に溶存酸素を除外しておくことが望ましい。また、効率的に反応を進めるという点で、重合温度は−50〜200℃、重合時間は1〜100時間の範囲が好ましい。重合制御のし易さと生産性より、重合温度は50〜150℃、重合時間は1〜50時間の範囲がより好ましい。
マレイミド系共重合体中に構造単位(1-1)〜(1-3)を有する場合、オキセタン基及び/またはエポキシ基が架橋されていてもよい。架橋する場合、架橋触媒として各種アミン化合物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メルカプタン系化合物、ヒドラジド類、ポリフェノール、多塩基酸、光または熱酸発生剤などが使用可能であるが、生産性や残存触媒の光学特性への影響がほとんどみられない光または熱酸発生剤が好ましい。またその使用量としてはマレイミド共重合体固形分100重量部あたり、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部である。
また、マレイミド系共重合体中に構造単位(1-4)を有する場合、アルコキシシリル基を
加水分解して架橋してもよい。アルコキシシリル基を架橋する場合は触媒として、酸、アルカリ、アミン類、金属塩、有機金属化合物、及び光または熱酸発生剤などが使用可能であるが、生産性や残存触媒の光学特性への影響がほとんどみられない光または熱酸発生剤が好ましい。またその使用量としてはマレイミド共重合体固形分100重量部あたり、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部である。
また、これらの架橋方法は特に制限するものではないが、透明複合体を作製する際にあらかじめ共重合体(組成物)中にあらかじめ架橋触媒を混合しておき、成形時または成形後に架橋を行うことが好ましい。
このように、マレイミド共重合体透明複合体を作製する際に、架橋を行うと、成形体の表面硬度が高くなると共に耐熱性や強度及び耐溶剤性が向上する。
本発明の透明複合体は、前記マレイミド系重合体とともにガラス繊維布とから構成される。
[ガラス繊維布]
ガラス繊維布の屈折率は特に限定されるものではないが、前記マレイミド系共重合体の屈折率調整可能範囲を考慮し、1.50〜1.57の範囲にあるのが好ましい。
本発明で用いるガラス繊維布としては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などが挙げられるが、特に、線膨張係数の低減効果と光学等方性よりガラスクロスが好ましい。
ガラスの種類としてはEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられるが、アルカリ金属などの
イオン性不純物が少なく、入手が容易なEガラス、Sガラス、NEガラスが好ましい。
ガラス繊維布としてガラスクロスを用いる場合、織り方には特に限定するものではなく、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織などが適用でき、中でも平織が好ましい。
ガラスクロスの厚みは通常15〜200μmであるのが好ましく、更に好ましくは15
〜100μmである。ガラスクロスは1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。
ガラス繊維布と前記マレイミド系共重合体との密着性を高めるために、ガラス繊維布表面をアミノシランやエポキシシラン等のシランカップリング剤やアルミキレート化合物等の金属キレート化合物で処理するか、オキセタン基またはエポキシ基またはアルコキシシリル基を有する前記マレイミド系共重合体溶液で処理することが好ましい。このような表面処理が施されていると、ガラス繊維布とマレイミド系重合体の密着性が高くなるので、透明複合体からなるシートの透明性を高くすることが可能であり、さらに、シートを繰り返し折り曲げた場合などに生じるガラス繊維布表面とポリマーとの界面剥離による透明性の低下を抑制することが可能である。
[透明複合体]
本発明の透明複合体は、前記マレイミド系共重合体とガラス繊維布とから構成される。
透明複合体の波長400nmにおける光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であることが望ましい。このような光線透過率を有するものは、透明性が高い。波長400nmにおける光線透過率80%以上とするにはマレイミド系共重合体とガラス繊維布との屈折率差を0.01以内に調整することが有効であり、マレイミド系共重合体の組成を制御
してガラス繊維布の屈折率に合わせるか、マレイミド系共重合体の屈折率と一致したガラス繊維布を用いるか、どちらかの調整方法をとることができる。
マレイミド系共重合体とガラス繊維布との屈折率差は0.01以下が好ましく、更に好
ましくは0.005以下である。屈折率差が0.01を超えると得られた透明複合体の透明性が劣ることがある。
本発明の透明複合体には必要に応じて透明性、耐熱性、非着色性や力学的特性等を損なわない範囲で前記マレイミド系共重合体以外の熱可塑性または熱硬化性のオリゴマーやポリマーを併用してもよい。更に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料、顔料等を配合してもよい。
本発明における透明複合体の50〜150℃における平均線膨張係数は、50ppm/℃
以下であることが望ましい。この範囲にあれば、透明複合体の、温度による寸法安定性が高く、また、光学異方性の少ないので、ガラス代替用途に好適となる。
透明複合体中のガラス繊維布の配合割合は1〜90重量%が好ましく、更に好ましくは10〜70重量%である。ガラス繊維布の配合割合が1重量%未満では複合化による低線膨張化の効果が認められず、90重量%を超えると力学的強度の大幅な低下が生じ、プラスチック基板の重要な特長である曲げ強度が不足したり、軽量化が図れなくなることがある。
本発明に係る透明複合体は、強度や軽量化、耐溶剤性などの点で、20〜2000μm
のシートの場合に好適である。
[透明複合体の製造方法]
本発明の透明複合体は、通常フィルム、シート等の形状を有する。本発明の透明複合体の成形方法としては、前記マレイミド系共重合体が溶解した溶液中に、ガラス繊維布、好ましくはガラスクロスを浸漬後、通常、室温〜200℃にて乾燥し、
得られた表面処理されたガラス繊維布を、前記マレイミド系共重合体からなる厚さ20〜1000μmの2枚のシート間に挟持して、通常、200〜300℃にて加熱圧縮成形
すればよい。前記マレイミド系共重合体からなるシートは、公知の方法で作製することが可能であり、たとえばキャスト法などが採用される。
または、ガラス繊維布を、前記共重合体溶液中に浸漬し、金属ロール間で圧延し、例えば150〜300℃で乾燥しても、透明複合体を得ることは可能であり、さらに、そのシートの両面に前記共重合体溶液を1〜20μmの厚さになるように塗布した後、例えば1
50〜300℃で乾燥して透明複合体を製造する方法なども採用することができる。
更に、必要に応じて、ガラス繊維布を、共重合体溶液中に浸漬、金属ロール間で圧延した後、乾燥する操作を複数回、繰り返してもよい。
前記のような透明複合体の製造に用いられるマレイミド系共重合体溶液の固形分濃度は、通常3〜50重量%にあることが望ましく、より好適には、3〜30重量%にある。
ガラス繊維布は、あらかじめ、前記したように、シランカップリング剤または金属キレート化合物、マレイミド系重合体を含む溶液で処理されていてもよい。処理としては、これらが溶解した溶液に、ガラスクロスを浸漬したのち、150〜300℃の温度で乾燥すればよい。このときの濃度としては、特に制限されるものではないが、シランカップリング剤、金属キレート化合物の場合は1〜50重量%、マレイミド系重合体を含む場合は、3〜50重量%の範囲とすることが、処理条件、処理効率などの点で好適である。
かかるフィルムを所望の形状に加工すれば、液晶表示用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などの光学シート、透明板
、光学レンズ、光学素子、光導波路、LED封止材等のガラス代替材料として好適に用いることができる。
[実施例]
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例に限定されるものではない。
また、実施例中における各種の測定方法は、下記のとおりである。
(1)共重合体組成:共重合体10mgを5mmФチューブにいれ重水素化ベンゼン溶媒で溶解して液面高さが4cmになるように希釈し、1H―NMR(日本電子製、EX−270)
により270MHzで測定し、プロトンの吸収比から求めた。
(2)ガスクロマトグラフによる残存モノマー測定:島津製作所製ガスクロマトグラフGC−2010により残存モノマー測定を行なった。
(3)GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算):トーソー社製GPC、HLC8010により、マレイミド系共重合体0.5gを100ccのテトラヒドロフランに溶
解して試料とし、標準ポリスチレンは、東ソー社製の標準ポリスチレンを使用して測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg):セイコーインスツルメント社製 示差走査熱量計 DSC6200を用いて、昇温速度20℃/min.で測定した。
(5)熱分解開始温度(Td0):セイコーインスツルメント社製 TG−DTA
DTG60を用いて空気中、昇温速度20℃/min.で測定した。
(6)透明性(分光光線透過率):以下の方法にて本発明の共重合体のキャストフィルム(厚さ100μm)及び透明複合体組成物からなるフィルム(厚さ100μm)を作製し、可視・紫外分光光度計(日立製:U-2010 Spectro Photo meter)により、波長400、5
50nmでの光線透過率を求めた。
(共重合体のキャストフィルム作製法)
ガラスクロスと貼りあわせる共重合体のキャストフィルムは、共重合体溶液(固形分濃度20重量%)を市販ポリエステルフィルム(以下、PETフィルムという。)上にキャストし、1昼夜常温乾燥させた後、PETフィルムを剥離し、180℃にて90分乾燥して、厚さ約100μmのキャストフィルムを得た。
(透明複合体組成物のフィルム作製法)
市販のガラスクロスを、実施例に記載のシランカップリング剤または金属キレート化合物溶液中に浸漬し、室温〜200℃にて乾燥した後、更に、本発明のマレイミド系共重合体溶液中に浸漬し、室温〜200℃にて乾燥するか、未処理ガラスクロスを本発明のマレイミド系共重合体溶液中に浸漬し、室温〜200℃にて乾燥した後、本発明の共重合体からなる厚さ50〜100μmの上記キャストフィルム(室温乾燥品)を上下にサンドイッ
チして200〜300℃にて加熱圧縮成形して厚さ約100μのフィルムを得た。
<評価>
(1)屈折率:
得られたフィルム(厚さ100μm)を用いて、Metricon corp.製:屈折率・膜厚測定装置「MODEL 2010 PRISM COUPLER」を用いて全反射角を測定し、材料の屈折率を求めた
。このとき、波長589nm(D線)、20℃での屈折率をnD 20とした。
(2)光学異方性(Re0、Re45):
得られたフィルム(厚さ100μm)を用いて、(株)溝尻光学工業所製 回転アナラ
イザー式自動エリプソメーターにより入射角0°及び45°にて光源にHe−Neレーザー(λ=632.8nm)を使用し測定した。
(3)線膨張係数:
TMA(Thermal mechanical Analysis)SS6100(セイコーインスツルメント社
製)を用い、試料形状を膜厚100μm、縦10mm、横10mmにしたフィルム片を直
立、固定し、プローブにより、1g重の荷重をかけた。フィルムの熱履歴を除去するため、室温から200℃まで5℃/分で一旦昇温した後、再度、室温から5℃/分の速度で昇温し、50〜150℃間のフィルム片の伸びの傾きから線膨張係数を求めた。
(4)引張強度・伸び:
JIS K7113に準じて、試験片を引張速度3mm/min.で測定した。
(5)耐溶剤性:
得られたフィルム上に、トルエンを数滴、滴下後、上からガラスシャーレ等でフタをして1時間放置する。その後、フタを取り除きフィルム表面状態を以下の尺度で目視観察する。
○:変化なし、 △:膨潤している、 ×:溶解している
[重合例1]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応機を窒素置換後、イソブテン(IB)168.33g
(3モル)、N-シクロヘキシルマレイミド(CHMI)89.6g(0.5モル)脱水トル
エン233.7g、及びジラウロイルパーオキサイド(商品名:パーロイルーL、日本油
脂製)1.59g(0.004モル)を加え、室温で1時間攪拌を行った。その後、反応機
内温65℃に加温、攪拌し6時間反応を行った。
反応後、室温まで冷却した後、この重合溶液をイソプロパノールで再沈、ろ過、イソプロパノール洗浄を行った後、80℃にて真空乾燥を行い、マレイミド系共重合体Aを得た。(収率99重量%)
得られたマレイミド系共重合体Aの1H−NMR積分値より求めたポリマーの構成単位
の組成はIB/CHMI=50/50モル%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は277、000、Tgは188℃であり、Td0は350℃であった。
前記した方法でマレイミド系共重合体Aのキャストフィルムを作製した。得られたキャ
ストフィルム(厚さ約100μm)の波長400nmでの光線透過率は90%で、nD 20は1.518、Re0、Re45は、共に<1nmであった。
[重合例2]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応機を窒素置換後、イソブテン(IB)134.66g
(2.4モル)、オキセタンメタクリレート(OXEMA)18.42g(0.1モル)、N-シクロヘキシルマレイミド(CHMI)89.6g(0.5モル)脱水トルエン258.6g、及びジラウロイルパーオキサイド(商品名:パーロイルーL、日本油脂製)2.39g(0.006モル)を加え、室温で1時間攪拌を行った。その後、反応機内温65℃に加温
、攪拌し6時間反応を行った。
反応後、室温まで冷却した後、この重合溶液をイソプロパノールで再沈、ろ過、イソプロパノール洗浄を行った後、80℃にて真空乾燥を行い、マレイミド系共重合体Bを得た。(収率99重量%)
得られたマレイミド系共重合体Bのポリマーの構成単位の組成についてはガスクロマトグラフでのOXEMA及びCHMIの残存モノマーを測定したところほぼ0%であったことと、1H−NMR積分値とからIB/OXEMA/CHMI=40/10/50モル%
と推定、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は211000、Tgは169℃であり、Td0は367℃であった。
また、キャストフィルム(厚さ約100μm)の波長400nmでの光線透過率は90%
で、nD 20は1.517、Re0、Re45は、共に<1nmであった。
[重合例3]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応機を窒素置換後、N-シクロヘキシルマレイミド(CHMI)89.6g(0.5モル)、オキセタンメタクリレート(OXEMA)92.1g(0.
5モル)、脱水トルエン725.1gを加え、室温で1時間攪拌を行った。その後、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(商品名:パーブチルーI、日本油脂製)脱水トルエン溶液(濃度10重量%)8.8g(0.005モル)を加え、反応機内温110℃に加温、攪拌し10時間反応を行った。
反応後、室温まで冷却した後、この重合溶液をイソプロパノールで再沈、ろ過、イソプロパノール洗浄を行った後、60℃にて真空乾燥を行いマレイミド系共重合体Cを得た。(収率98重量%)
得られたマレイミド系共重合体Cの1H−NMR積分値より求めたポリマーの構成単位
の組成はCHMI/OXEMA=50/50モル%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は278000であった。
得られたマレイミド系共重合体CのTgは143℃であり、Td0は397℃であった

また、キャストフィルム(厚さ約100μm)の波長400nmでの光線透過率は90
%で、nD 20は1.515、Re0、Re45は、共に<1nmであった。
[重合例4]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応機を窒素置換後、イソブテン(IB)134.66g
(2.4モル)、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTS)24.84g(0.1モル)、N-シクロヘキシルマレイミド(CHMI)89.6g(0.5モル)脱水トルエン543.6g、及びジラウロイルパーオキサイド(商品名:パーロイルーL、日本
油脂製)3.99g(0.01モル)を加え、室温で1時間攪拌を行った。その後、反応機
内温65℃に加温、攪拌し6時間反応を行った。
反応後、室温まで冷却し、マレイミド系共重合体Dトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を得た。
このマレイミド系共重合体Dトルエン溶液をイソプロパノールで凝固、50℃真空乾燥して得られたマレイミド系共重合体Dの1H−NMR積分値より求めたポリマーの構成単
位の組成はIB/MPTS/CHMI=40/10/50モル%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は198、000、Tgは190℃であり、Td0は376℃であっ
た。
また、キャストフィルム(厚さ 約100μm)の波長400nmでの光線透過率は9
0%で、nD 20は1.517、Re0、Re45は、共に<1nmであった。
[実施例1]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノシラン)のイソプロピルアルコール溶液(有効成分濃度5重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
処理後のSガラスクロスを更に、前記[重合例1]のマレイミド系共重合体Aのトルエ
ン溶液(固形分濃度10重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例1]のマレイミド系共重合体Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して厚さ約50μmのフィルムを得
た。その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ約100μのフィルムを作製した。
[実施例2]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、前記[重合例2]のマレイミド系共重合体Bのトルエン溶液(固形
分濃度6重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例1]のマレイミド系共重合体Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して厚さ 約50μmのフィルムを得た。
その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約100μのフィルムを作製した。
[実施例3]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、前記[重合例2]のマレイミド系共重合体Bのトルエン溶液(固形分濃度6重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記、[重合例2]のマレイミド系共重合体B 100重量部に架橋触媒として
いかに示すオニウム塩系熱/光酸発生剤(三新化学工業(株)製)3重量部を混合したト
ルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して、厚さ約50μmのフィルムを得た。その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャ
ストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約100μのフィルムを作製した。[オニウム塩系熱/光酸発生剤(三新化学工業(株)製)]
Figure 2007154039
[実施例4]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、前記、[重合例3]のマレイミド系共重合体Cのトルエン溶液(固形分濃度6重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例2]のマレイミド系共重合体B 100重量部に架橋触媒としてオニウム塩系熱/光酸発生剤(三新化学工業(株)製)3重量部を混合したトルエン溶液(
固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムよりはくりした後、100℃で1hr乾燥して厚さ約50μmのフィルムを得た。その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャストフィルム
でサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約100μのフィルムを作製した。
[実施例5]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、前記、[重合例4]のマレイミド系共重合体Dのトルエン溶液(固形分濃度6重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例2]のマレイミド系共重合体B100重量部に架橋触媒としてオニ
ウム塩系熱/光酸発生剤(三新化学工業(株)製)3重量部を混合したトルエン溶液(固
形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムよりはくりした後、100℃で1hr乾燥して厚さ約50μmのフィルムを得た。その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムで
サンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約100μのフィルムを作製した。
[比較例1]
実施例1において、Sガラスクロス(厚さ 60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を使用せず、前記、[重合例1]のマレイミド系共重合体Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、120℃で2hr、150℃で2hr、170℃で2hr、段階的に乾燥して、厚さ約100μのフィルムを作製した。
[実施例6]
実施例1において、Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を使用せず、代わりにEガラスクロス(厚さ50μm、平織り、屈折率=1.560、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノシラン)のイソプロピルアルコール溶液(有効成分濃度5重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥して用いた他は、実施例1と同様にして厚さ、約100μのフィルムを作製した。
[実施例7]
Sガラスクロス(厚さ60μm、平織り、屈折率=1.521、ユニチカ製)を焼成して有機物を除去した後、アミノプロピルトリメトキシシラン(アミノシラン)のイソプロピルアルコール溶液(有効成分濃度5重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例3]のマレイミド系共重合体C100重量部に架橋触媒としてオニウム塩系熱/光酸発生剤(三新化学工業(株)製)3重量部を混合したトルエン溶液(固
形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して厚さ約50μm
のフィルムを得た。その後、処理済みSガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みSガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ約100μのフィルムを作製した。
結果を併せて、表1に示す。
Figure 2007154039

Claims (9)

  1. [A]下記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、
    Figure 2007154039
    (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は炭素数
    1〜6のアルキル基であり、Xは−COO−または−O−であり、Yは単結合または炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、nは0または1である。R4、R5、R6は各々独立
    に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
    下記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体と、
    Figure 2007154039
    (式中、R7は炭素数1〜18のアルキル基または炭素数3〜12のシクロアルキル基で
    ある。R8〜R12は各々独立に、水素原子、炭素数1〜8の直鎖状または分岐状アルキル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、シアノ基またはニトロ基を示す。)
    [B]ガラス繊維布
    とからなることを特徴とする透明複合体。
  2. ガラス繊維布がガラスクロスである請求項1に記載の透明複合体。
  3. 波長400nmにおける光線透過率が80%以上である請求項1または2に記載の透明複合体。
  4. 50〜150℃における平均線膨張係数が50ppm/℃以下である請求項1〜3のいず
    れかに記載の透明複合体。
  5. 厚さ20〜2000μmのシートである請求項1〜4のいずれかに記載の透明複合体。
  6. 透明複合体が、光学シート、表示素子用プラスチックス基板またはアクティブマトリックス表示素子用基板である請求項1〜5のいずれかに記載の透明複合体。
  7. 前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表されるマレイミド骨格を有する構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、
    ガラス繊維布を浸漬後、乾燥する
    ことを特徴とするガラス繊維布の表面処理方法。
  8. 前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、
    得られた表面処理されたガラス繊維布を、前記マレイミド系共重合体からなる厚さ20〜1000μmの2枚のシートでシート間に挟持して、加熱圧縮成形することを特徴とす
    る透明複合体の製造方法。
  9. 前記一般式(1-1)〜(1-5)で表される単位から選ばれる少なくとも1種の構造単位(a)と、前記一般式(2)または(3)で表される構造単位(b)とを含むマレイミド系共重合体が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、
    得られた表面処理されたガラス繊維布の片面または両面に、前記マレイミド系共重合体溶液を厚さ1〜20μmとなるように塗布し、乾燥することを特徴とする透明複合体の製
    造方法。
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